JPH07107720A - 円板状のロータ部を有するモータ - Google Patents

円板状のロータ部を有するモータ

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JPH07107720A
JPH07107720A JP10098894A JP10098894A JPH07107720A JP H07107720 A JPH07107720 A JP H07107720A JP 10098894 A JP10098894 A JP 10098894A JP 10098894 A JP10098894 A JP 10098894A JP H07107720 A JPH07107720 A JP H07107720A
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superconductor
magnetic
rotor
magnetized
pole
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JP10098894A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Kuroda
潔 黒田
Takeshi Sakurai
健 桜井
Takuo Takeshita
拓夫 武下
Kiichi Komada
紀一 駒田
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロータ部の部品点数が少なく回転負荷を軽減
し、かつロータ部とステータ部の位置関係を制限しな
い。ドーナツ状の超電導体又は強磁性体を用いて回転中
の無駄なエネルギ消費をなくし、かつ磁束の拡がりを抑
える。 【構成】 所定の厚みを有する円板状のロータ部11と
ステータ部12とを備えたモータ10に関し、ロータ部
はその中心に回転軸13が固着され、強磁場が着磁可能
な所定厚の超電導体16を有し、超電導体16の表面が
N極又はS極により着磁されかつ裏面がS極又はN極に
着磁される。ステータ部12はロータ部11が回転する
軌跡に対向して環状に配置された複数の磁心18とこれ
らの磁心18に巻かれた励磁コイル19とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は円板状のロータ部を有す
るモータに関する。更に詳しくは円板状のロータ部が強
磁場が着磁可能な所定厚の超電導体又は強磁性体を有
し、回転時に超電導体又は強磁性体の表面がN極又はS
極により着磁され、その裏面がS極又はN極に着磁され
るモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、超電導モータとして、図14に示
すようにロータ部1とこのロータ部1の下方に設けられ
たステータ部2を備えた超電導モータが IEEE TRANSACT
ION ONMAGNETICS(Vol.27, No.2, March (1991),2244)
に開示されている。ロータ部1は回転軸3が中心に固着
された非磁性体からなる円板状のロータ本体4と、この
ロータ本体4の回転軸3の周囲に設けられた8個の円柱
状の軟磁性体5とこれらの軟磁性体5のそれぞれに嵌入
された8個の環状の超電導体6とを有する。またステー
タ部2は軟磁性体5がロータ本体4とともに回転する軌
跡に対向して固定円板7の上に環状に配置された24個
の磁心8と、これらの磁心8に巻かれた3組の励磁コイ
ル9a,9b,9cと、ロータ部1の回転軸3の下端を
受ける軸受7aとを有する。励磁コイル9a,9b,9
cは、連続した3個の磁心8を1ブロックとして8個の
ブロック間をそれぞれジグザグに通って図示しない電源
端子につながっている。励磁コイル9bは励磁コイル9
aより磁心を1つずらして励磁コイル9aと同様に巻か
れ、励磁コイル9cは励磁コイル9bより更に磁心を1
つずらして励磁コイル9aと同様に巻かれる。
【0003】ロータ部1の回転軸3の下端をステータ部
2の軸受7aに挿入し、超電導体6を臨界温度以下に冷
却する。この状態で、先ずステータ部2の励磁コイル9
a,9b,9cにそれぞれ同一方向に直流電流を流して
24個の磁心8に磁場を発生させると、この磁場が軟磁
性体5を貫いて超電導体6の内部に永久電流を発生させ
る。次いで励磁コイル9a〜9cに流していた直流電流
を切ると、超電導体6の永久電流によりロータ部1の軟
磁性体5に磁場が発生する。次に励磁コイル9a〜9c
に再度直流電流を流す。このとき同一方向に流していた
3組の励磁コイルのうち1組のコイルには他の2組のコ
イルと逆方向に直流電流を流す。これにより磁心8には
3組のコイルに同一方向の直流電流を流した場合とは違
った変則的な磁場が磁心毎に生じ、この磁場と超電導体
6の永久電流により生じた軟磁性体5の磁場との斥力に
よりロータ部1がステータ部2から浮上し、しかも変則
的な磁場の発生により、ロータ部1は回転軸3を中心に
回転する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の超
電導モータでは、ロータ部に8個の重い軟磁性体を用い
るため、部品点数が多いばかりか、回転負荷を増大させ
ている。また図15に示すように軟磁性体5に磁場を発
生させたときには、軟磁性体5の全半径方向に磁束Φの
回路が存在するため、軟磁性体5の下部ではこれらの磁
束Φが磁心8の上面より拡がってしまい、軟磁性体5の
磁束Φを有効に利用できない。更にロータ部の磁場とス
テータ部の磁場との斥力がロータ部の回転駆動力である
ため、ロータ部をステータ部の下方に設けると、重力に
よりロータ部はステータ部と離反してしまう問題点があ
った。
【0005】本発明の目的は、ロータ部の部品点数が少
なく、回転負荷を軽減し、かつロータ部とステータ部の
位置関係に制限のない、円板状のロータ部を有するモー
タを提供することにある。本発明の別の目的は、ドーナ
ツ状の超電導体又は強磁性体を用いて磁心の磁場を発生
する面積より超電導体又は強磁性体の面積を広げること
により、ロータ部の回転中の無駄なエネルギ消費をなく
し、かつ磁束の拡がりを抑える、円板状のロータ部を有
するモータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、図1又は図13に示すように、本発明のモータ1
0,40は所定の厚みを有する円板状のロータ部11,
41とステータ部12,42とを備える。ロータ部1
1,41はその中心に回転軸13,43が固着され、強
磁場が着磁可能な所定厚の超電導体16又は強磁性体4
6を有し、超電導体16又は強磁性体46の表面がN極
又はS極により着磁されかつ裏面がS極又はN極に着磁
される。ステータ部12,42はロータ部11,41が
回転する軌跡に対向して環状に配置された複数の磁心1
8,48とこれらの磁心18,48に巻かれた励磁コイ
ル19,49とを有する。本発明のロータ部11又は4
1を構成する超電導体16又は強磁性体43は、その表
面がN極又はS極により着磁されかつその裏面がS極又
はN極に着磁されるために、少なくとも厚みが4mmで
あることが好ましい。図1に示すように、ロータ部11
は回転軸13の中心に固着された非磁性体からなるロー
タ本体14とこのロータ本体14の回転軸13の周囲に
設けられた磁束ピン止め可能な超電導体16とを有し、
複数の磁心18を超電導体16の回転する軌跡に対向し
て環状に配置することもできる。
【0007】超電導体16又は強磁性体46の着磁方向
と逆向きに生じた磁束を打ち消すためにこの着磁方向と
同方向の磁場を発生するソレノイド15又は45を超電
導体16又は強磁性体46の周囲に間隔をあけて設ける
ことが好ましい。これはソレノイド15又は45により
上記磁束を消磁すると、励磁コイル19又は49から発
生する磁場に対する斥力が高まり、回転速度が増加する
ためである。このことを超電導体16を代表して図2及
び図3により具体的に説明する。図2(a)に示すよう
な磁束ピン止め可能な超電導体16の上面に図2(b)
に示すように一定の距離Dをあけて2つの約3,300
Oeの永久磁石21,21を置き、超電導体16を着磁
すると、超電導体16に着磁部16aが生じ、図2
(c)に示すように磁石21,21を除いても超電導体
16のピン止め効果により超電導体上面の着磁部16a
には着磁方向に750Oeの磁束Φ1を生じる。一方、
超電導体上面の着磁部の間の非着磁部16bには着磁方
向と逆向きの200Oeの磁束Φ2を生じる。図2
(d)は超電導体16の着磁部16aとその間の非着磁
部16bの各上面部分の着磁の様子をグラフ化したもの
である。超電導体16の長さ方向はグラフの横軸に対応
する。図3(a)に示すようにこの超電導体16に逆方
向の磁束Φ2を打ち消す程度の例えば永久磁石22を置
き、磁場を再度かけた後、図3(b)に示すように磁石
22を除くと、図3(c)に示すように非着磁部16b
の上面部分は完全反磁性を示し、マイスナ効果を奏する
ようになる。
【0008】
【作用】図1に示す超電導体16を臨界温度以下に冷却
した状態で、先ずステータ部12の複数の励磁コイル1
9に同一方向に直流電流を流して環状に配置された複数
の磁心18全てに同一方向の磁場を発生させると、図7
(a)及び図7(b)に示すようにこの磁場により超電
導体16の下面の着磁部には磁束Φ1がピン止めされ
る。このとき超電導体16の下面の着磁部間の非着磁部
には着磁磁場と逆方向に磁束Φ2がピン止めされる。次
いで励磁コイル19に流していた直流電流を切って、図
1に示すソレノイド15によりこの磁束Φ2を打ち消す
磁場を一時的にかければ、図8(a)及び図9(b)に
示すように磁束Φ2が消磁し、超電導体16の下面部分
には磁束Φ1のみがピン止めされるようになる。次に複
数のコイル19に電流を流すことにより、好ましくは複
数の磁心18を3の倍数にし、3個の磁心を1ブロック
としてこのブロック毎のコイル19に3相交流電流を流
すことにより、ステータ部12に回転磁場を発生させ
る。この回転磁場と超電導体16のピン止めされた磁束
Φ1の斥力及び引力によりロータ部11は回転する。
【0009】超電導体16を図4に示すドーナツ状に形
成すれば、図9に示すように超電導体16の周縁の半径
方向において磁束Φ3が閉回路を構成するけれども、超
電導体16のその他の部分においては磁束は閉回路を構
成しない。特に超電導体16の周方向の着磁部間の非着
磁部は完全反磁性を示すマイスナ効果のため、磁場排斥
効果を生じ、その領域には超電導体に着磁した磁束Φ1
を吸収する磁束は入り込めない。図9において、16b
は非着磁部を示す。この結果、図15に示した従来の超
電導モータの超電導体6が磁束の漏れが多かったもの
が、図4に示すドーナツ状の超電導体16を用いれば、
超電導体の磁束の漏れを軽減でき、励磁コイル19の磁
場により超電導体16に生じるピン止めされた磁束を有
効利用してロータ部11の回転力を増加させることがで
きる。また、超電導体16の磁束ピン止め効果のため
に、超電導体の着磁部はそれ自体が磁石として振る舞
い、この着磁部と磁心とは磁心に生じた磁極に応じて斥
力のみならず互いに引力を生じるため、例えロータ部1
1をステータ部12の下方に配置してもロータ部11は
落下しない。これにより回転軸13を所望の方向に制限
なく設けることができ、かつ回転軸13から回転力を取
出すことができる。図13に示すモータ40では、強磁
性体46を臨界温度以下に冷却することなく、励磁コイ
ル49に励磁コイル19と同様に電流を流して磁心48
全てに同一方向の磁場を発生させると、この磁場により
強磁性体46が磁石となって強磁性体46の下面の着磁
部に第1磁束を生じる。このとき強磁性体46の下面の
着磁部間の非着磁部には着磁磁場と逆方向に別の第2磁
束を生じる。次いで励磁コイル49に流していた直流電
流を切って、ソレノイド45によりこの第2磁束を打ち
消す磁場を一時的にかければ、強磁性体46の下面部分
には第1磁束に相応する磁束のみが発生するようにな
る。以下、コイル49にコイル19と同様の電流を流せ
ば、ロータ部41は回転する。
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳し
く説明する。 <実施例1>図1、図4及び図5に示すように、この例
では超電導体16は磁束ピン止め可能なYBa2Cu3
7-xからなり、ドーナツ状をなし、その内周部分には非
磁性体であるアルミニウムからなる円板状のロータ本体
14が固着される。超電導体16は外径が0.05m〜
0.2m、外径:内径:厚み=1:0.5〜0.7:
0.08〜0.12の寸法を有する。このロータ本体1
4の中心には回転軸13が固着され、超電導体16の外
周部分にはロータ本体14と同じ材質の環状フレーム1
4aが固着される。回転軸13の下端は円錐状に形成さ
れる。回転軸13、ロータ本体14、超電導体16及び
フレーム14aによりロータ部11が構成される。
【0011】ロータ部11の下方にはステータ部12が
配置される。ステータ部12は基台となる円板17と、
この円板17の中心に設けられた軸受23と、軸受23
の周囲に設けられた24個の磁心18と、これらの磁心
18に巻かれた励磁コイル19とを有する。円板17の
周縁には取付孔17aが、またその中心には円錐状の凹
部17bがそれぞれ設けられる。軸受23にはロータ部
11の回転軸13を回転可能に支持するローラベアリン
グ23aが設けられる。ベアリング23aを設けなくて
も回転軸13は回転するが、ベアリング23aを設ける
ことにより、回転軸13はより円滑に回転するようにな
る。24個の磁心18は軟磁性体からなり、超電導体1
6に対向して環状にかつ櫛歯状に円板17に固着され
る。具体的には超電導体16の外周が磁心18の外周
に、また超電導体16の内周が磁心18の内周にそれぞ
れ相対するように配置される。磁心18に巻かれる励磁
コイル19は、3相交流電流を流せるように3組のコイ
ル19a,19b及び19cにより構成される。コイル
19aは24個の磁心のうち2個おきに8個の磁心にそ
れぞれ多数回巻かれ、コイル19bはコイル19aを巻
いた磁心より1つずらした8個の磁心にそれぞれ多数回
巻かれ、コイル19cはコイル19bを巻いた磁心より
更に1つずらした8個の磁心にそれぞれ多数回巻かれ
る。図1及び図5に示すように、ロータ部11の回転軸
13を軸受23に挿入し、回転軸13の下端を円板17
の凹部17bに着座させる。これにより超電導体16は
磁心18と僅かな間隔を有するようになる。この状態で
環状フレーム14aの外周に間隔をあけてソレノイド1
5が設けられる。図5にはソレノイド15は省略してあ
る。
【0012】このような構成の超電導モータ10を超電
導体16の臨界温度以下に冷却する。例えば、図1に示
すフレーム14aと超電導体16とロータ本体14で形
成される凹部11aに液体窒素を満たす。この状態で励
磁コイル19a〜19c全てに同一方向に直流電流を流
し、全ての磁心18に図6に示すように磁場を発生さ
せ、その磁場でロータ部11の冷却された超電導体16
に磁束をピン止めさせる。図7(a)及び(b)に示す
ようにピン止め効果により、超電導体16の下面の着磁
部に750Oeの磁束Φ1が発生する一方、超電導体1
6の下面の着磁部間の非着磁部には着磁方向と逆向きに
200Oeの磁束Φ2が発生する。ここで、図1に示す
ソレノイド15に電流を流してこの磁束Φ2を打ち消す
磁場を超電導体16の着磁方向と同方向にかける。これ
により、実際に超電導体16の下面にピン止めされてい
る磁束の超電導体の各部分における状況は図8(a)及
び(b)に示すようになる。
【0013】次いで、コイル19a〜19cに流してい
た直流電流を切った後、コイル19a〜19cに3相交
流電流を流し、櫛歯状の24個の磁心18に回転磁場を
生じさせる。この状況を図10及び図11に基づいて説
明する。図5、図6及び図11では磁心18及びコイル
19の配置及び各磁場の発生状況を分かり易くするため
に、便宜的にロータ部11をステータ部12から上方に
浮かせた状態を示す。また図11ではコイルを省略して
いる。
【0014】図10の上部に24個の磁心のうち9個の
磁心18a〜18iと各磁心に巻かれたコイル19a、
19b及び19cを示す。前述したようにコイル19a
は磁心18a、18d及び18gに巻かれ、コイル19
bは磁心18b、18e及び18hに巻かれ、コイル1
9cは磁心18c、18f及び18iに巻かれる。コイ
ル19aには3相交流電流のうちU−相が、コイル19
bにはV−相が、コイル19cにはW−相がそれぞれ流
れる。U−相、V−相及びW−相は互いに120度位相
を異にする。図10のこれらのコイル19a〜19c及
び磁心18a〜18iの下方にはこれらのコイル及び磁
心によって生じる磁場のタイムチャートを磁心に対応さ
せて示す。タイムチャートのそれぞれの波形のたて軸は
磁場を、よこ軸は磁心の位置をそれぞれ示す。このタイ
ムチャートの波形(a)は図11(a)に、波形(b)
は図11(b)にそれぞれ対応する。
【0015】図8(a)の磁束Φ1に示される超電導体
16のピーク磁場(750Oe)は本来N極とS極の両
磁極が一体となって超電導体16にピン止めされた磁束
を意味するが、説明を簡単にするために、このピーク磁
場、即ち図8(b)に示す超電導体16の下面の各着磁
部の磁極の上向きを例えばN極とし、図10の波形
(a)に示すコイル19aが巻かれる磁心18a,18
d,18gにS極が生じると仮定すると、コイル19b
が巻かれる磁心18b,18e,18h及びコイル19
cが巻かれる磁心18c,18f,18iはN極にな
る。従って、図11(a)の状態では磁心18a,18
d,18gとこれらに対向する超電導体16とは引力
(図11(a)の実線矢印及び図8(b)参照)を生
じ、それ以外の磁心18b,18c,18e,18f,
18h及び18iと対向する超電導体16とは斥力(図
11(a)の破線矢印及び図8(b)参照)を生じる。
時間の経過により、図10の波形(b)に示すコイル1
9cが巻かれる磁心18c,18f,18iにN極が生
じ、それ以外の磁心にS極が生じると、図11(b)に
示すように磁心18c,18f,18iとこれらに対向
する超電導体16とは斥力(図11(b)の破線矢印)
を生じ、それ以外の磁心と対向する超電導体16とは引
力(図11(b)の実線矢印)を生じる。図10の符号
Pの破線に示すように、時間の経過とともに引力を生じ
る磁心の位置が変化するため、図11(b)に示すよう
にロータ部11は矢印の方向に回転する。この例ではス
テータ部12に生じた回転磁場と超電導体16にピン止
めされた磁束の斥力及び引力によりロータ部11は約4
00rpmの回転数で回転する。
【0016】<実施例2>磁心の数を9個にした以外
は、実施例1と同様にロータ部及びステータ部を構成し
た。この超電導モータは実施例1と比して同じ電源周波
数で回転数が約2.6倍増加した。
【0017】<実施例3>磁心の数を48個にした以外
は、実施例1と同様にロータ部及びステータ部を構成し
た。この超電導モータは実施例1と比して同じ電源周波
数で回転数が約半分に減少した。
【0018】<実施例4>図12に示すロータ部31を
用いた以外は実施例1と同一のステータ部(図示せず)
を用いて、実施例1と同様にしてロータ部31を回転さ
せた。このロータ部31は円板状のロータ本体34とこ
のロータ本体と一体的に設けられた環状フレーム34a
とロータ本体34の中心に貫通して設けられた回転軸3
3を備える。この例では超電導体36は小円板状に形成
され、ロータ本体34の軸33の周囲にあけられた8個
の円形の貫通孔34bにそれぞれ丁度埋め込まれる。実
施例1のドーナツ状の超電導体16と異なって、ロータ
本体34の周方向にも磁束の漏れがみられたため、この
ロータ部31を用いた超電導モータは実施例と比して同
じ電源周波数で回転トルクが約半分に減少した。
【0019】<実施例5>図13に示すように、この例
では強磁性体46はストロンチウムフェライト(SrF
1219)からなり円板状をなす。強磁性体46は外径
が0.05m〜0.2m、外径:厚み=1:0.08〜
1:0.12の寸法を有する。この強磁性体46の中心
には回転軸43が固着され、強磁性体46の外周部分に
は実施例1と同様にソレノイド45が強磁性体46と間
隔をあけて設けられる。回転軸43の下端は円錐状に形
成される。回転軸43及び強磁性体46によりロータ部
41が構成される。ロータ部41の下方にはステータ部
42が配置される。ステータ部42は磁心48の幅を磁
心18の幅より広くした以外は実施例1と同様に構成さ
れる。この例では、ステータ部42の各符号は実施例1
の各符号に30を加えて示す。磁心48に巻かれる励磁
コイル49は、3相交流電流を流せるように実施例1と
同様に3組のコイルにより構成される。
【0020】このような構成のモータ40では、強磁性
体46を臨界温度以下に冷却することなく、先ず励磁コ
イル49に励磁コイル19と同様に電流を流して磁心4
8全てに同一方向の磁場を発生させると、この磁場によ
り強磁性体46が磁石となって強磁性体46の下面の着
磁部に図7(a)に示した磁束Φ1に相応する磁束を生
じる。このとき強磁性体46の下面の着磁部間の非着磁
部には着磁磁場と逆方向に図7(a)に示した磁束Φ2
に相応する磁束を生じる。次いで励磁コイル49に流し
ていた直流電流を切って、ソレノイド45によりこの磁
束Φ2に相応する磁束を打ち消す磁場を一時的にかけれ
ば、強磁性体46の下面部分には磁束Φ1に相応する磁
束のみが発生するようになる。以下、コイル49にコイ
ル19と同様の電流を流せば、ロータ部41は約400
rpmの回転数で回転する。
【0021】なお、上記例では超電導体として、YBa
2Cu37-xからなるY系の超電導体を挙げたが、磁束
ピン止め可能な超電導体であれば、これに限らず、Bi
系(例えばBi−Sr−Ca−Cu−O)又はTl系
(Tl−Ba−Sr−Ca−Cu−O)の超電導体でも
よい。この超電導体はドーナツ状に限らず、図13に示
すように円板状に形成してもよい。また、ロータ本体の
材質としてアルミニウムを挙げたが、ロータ本体にはア
ルミニウム合金の他、マグネシウム、ベリリウム、チタ
ンなどの非磁性体の低比重金属の単体又は合金を用いる
こともできる。また、超電導体の冷却について、上記例
ではロータ部の上部に液体窒素を貯えたが、ロータ部の
超電導体を液体窒素中に浸漬してその上方にステータ部
を配置し、かつロータ部の回転軸をステータ部を貫通し
て設けるようにしてもよい。更に、上記例では強磁性体
として、ストロンチウムフェライトを例示したが、アル
ニコ磁石、Sm−Co系磁石、Nd−Fe−B系磁石、
バリウムフェライトやいわゆるフェライト(Fe34
材でもよい。この強磁性体を図4に示すようにドーナツ
状に形成し、このドーナツ状の強磁性体に対向するよう
に磁心を配置してもよい。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のモータは、
図14に示した従来のものに比べて、磁束ピン止め効果
を利用するためにロータ部に重い軟磁性体を使う必要が
なく、また超電導体を環状に加工する必要もない。ロー
タ本体、環状フレーム及び回転軸に軽金属を用いれば、
ロータ部の重量を従来のものより約55%軽減できる。
これにより部品点数を僅かにしてロータ部の軽量化をは
かることができ、同時にロータ部の回転力を増加させる
ことができる。本発明のロータ部の超電導体又は強磁性
体はステータ部の磁心に対して引力と斥力が働くため、
ロータ部とステータ部の位置関係に制限のない優れたモ
ータが得られる。特に、超電導体又は強磁性体をドーナ
ツ状にすることにより、磁場の引力と斥力の働く有効な
面積が広くなり、回転中の無駄なエネルギ消費をなく
し、かつ磁束の拡がりを抑えて大幅に回転力を向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータの中央縦断面図。
【図2】(a)その超電導体の初期状態の断面図。 (b)その超電導体の上面に磁石を配置して磁場をかけ
ている状態を示す断面図。 (c)その着磁した超電導体の断面図。 (d)その超電導体の着磁上面の磁束を示す図。
【図3】(a)図2(c)の超電導体の着磁方向と逆向
きに生じた磁束を打ち消すために磁石を配置して磁場を
かけている状態を示す断面図。 (b)その磁束が打ち消された超電導体の断面図。 (c)その超電導体の着磁上面の磁束を示す図。
【図4】本発明実施例のモータのロータ部及びステータ
部の分解斜視図。
【図5】そのロータ部及びステータ部を組合せた斜視
図。
【図6】そのロータ部の超電導体の初期着磁状態を示す
斜視図。
【図7】(a)その超電導体下面に最初に磁場をかけた
ときの着磁下面の磁束を示す図。 (b)その超電導体下面に最初に磁場をかけたときの磁
心とコイルと超電導体の展開断面図。
【図8】(a)図7の超電導体の着磁方向と逆向きに生
じた磁束が打ち消された着磁下面の磁束を示す図。 (b)その逆方向に生じた磁束を打ち消すときの磁心と
コイルと超電導体の展開断面図。
【図9】その超電導体の周縁に生じた磁束を示す図。
【図10】その励磁コイルを巻いた磁心に生じる磁場を
展開して示すタイムチャート。
【図11】そのステータ部に回転磁場が生じる状況を示
すロータ部及びステータ部の斜視図。
【図12】別の実施例のモータのロータ部の斜視図。
【図13】更に別の実施例のモータの中央縦断面図。
【図14】従来例のモータのロータ部及びステータ部の
斜視図。
【図15】その超電導体に生じた磁束を示す図。
【符号の説明】
10,40 モータ 11,31,41 ロータ部 12,42 ステータ部 13,33,43 回転軸 14,34 ロータ本体 15,45 ソレノイド 16,36 超電導体 18,48 磁心 19,49 励磁コイル 46 強磁性体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 駒田 紀一 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸(13,33,43)が中心に固着され、強
    磁場が着磁可能な所定厚の超電導体(16,36)又は強磁性
    体(46)を有し、前記超電導体(16,36)又は強磁性体(46)
    の表面がN極又はS極により着磁されかつ裏面がS極又
    はN極に着磁される円板状のロータ部(11,31,41)と、 前記ロータ部(11,31,41)が回転する軌跡に対向して環状
    に配置された複数の磁心(18,48)と前記磁心(18,48)に巻
    かれた励磁コイル(19,49)とを有するステータ部(12,42)
    とを備えた円板状のロータ部を有するモータ。
  2. 【請求項2】 ロータ部(11,31)が回転軸(13,33)の中心
    に固着された非磁性体からなるロータ本体(14,34)と前
    記ロータ本体の回転軸(13,33)の周囲に設けられた磁束
    ピン止め可能な超電導体(16,36)又は強磁性体とを有
    し、複数の磁心(18)が前記超電導体(16,36)又は強磁性
    体の回転する軌跡に対向して環状に配置された請求項1
    記載のモータ。
  3. 【請求項3】 超電導体(16)又は強磁性体(46)の着磁方
    向と逆向きに着磁された磁束(Φ2)を打ち消すために前
    記着磁方向と同方向の磁場を発生するソレノイド(15,4
    5))が前記超電導体(16)又は強磁性体(46)の周囲に間隔
    をあけて設けられた請求項1記載のモータ。
  4. 【請求項4】 ロータ本体(14)の回転軸(13)の周囲にド
    ーナツ状の超電導体(16)又は強磁性体が設けられた請求
    項2記載のモータ。
  5. 【請求項5】 ドーナツ状の超電導体(16)又は強磁性体
    に対向して環状に複数の磁心(18)を配置し、前記環状の
    磁心(18)は前記超電導体(16)又は強磁性体の外周及び内
    周に相応する外周及び内周をそれぞれ有する請求項4記
    載のモータ。
  6. 【請求項6】 ロータ本体(34)の回転軸(33)の周囲に小
    円板状の超電導体(36)が複数個環状に配設された請求項
    2記載のモータ。
  7. 【請求項7】 磁心(18,48)が3の整数倍環状に配置さ
    れ、前記3の整数倍の磁心に3組の励磁コイル(19a,19
    b,19c,49)が磁心毎に複数回巻かれ、かつ前記3組の励
    磁コイルに3相交流電流を流すように構成された請求項
    1記載のモータ。
  8. 【請求項8】 ロータ本体(14,34)が軽金属からなる請
    求項2記載のモータ。
JP10098894A 1993-08-09 1994-05-16 円板状のロータ部を有するモータ Withdrawn JPH07107720A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6781772B2 (en) * 2002-07-11 2004-08-24 Canon Kabushiki Kaisha Driving apparatus, light-amount regulating apparatus, and lens driving apparatus
US7872393B2 (en) 2004-12-24 2011-01-18 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Axial gap type superconducting motor

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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