JPH11257354A - 磁気軸受用回転子および超伝導磁気軸受 - Google Patents
磁気軸受用回転子および超伝導磁気軸受Info
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- JPH11257354A JPH11257354A JP10085058A JP8505898A JPH11257354A JP H11257354 A JPH11257354 A JP H11257354A JP 10085058 A JP10085058 A JP 10085058A JP 8505898 A JP8505898 A JP 8505898A JP H11257354 A JPH11257354 A JP H11257354A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C32/00—Bearings not otherwise provided for
- F16C32/04—Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
- F16C32/0406—Magnetic bearings
- F16C32/0408—Passive magnetic bearings
- F16C32/0436—Passive magnetic bearings with a conductor on one part movable with respect to a magnetic field, e.g. a body of copper on one part and a permanent magnet on the other part
- F16C32/0438—Passive magnetic bearings with a conductor on one part movable with respect to a magnetic field, e.g. a body of copper on one part and a permanent magnet on the other part with a superconducting body, e.g. a body made of high temperature superconducting material such as YBaCuO
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2361/00—Apparatus or articles in engineering in general
- F16C2361/55—Flywheel systems
Abstract
(57)【要約】
【課題】 超伝導フライホイール電力貯蔵システムなど
に使用される超伝導磁気軸受において、回転抵抗の増大
を防ぎ、かつ、磁力を有効利用することにより浮上安定
性を改善する。 【解決手段】 超伝導体を固定子側に有し、超伝導体に
よる磁束のピン止め作用により回転子が固定子上に浮上
する構成の超伝導磁気軸受に用いられる磁気軸受用回転
子であって、複数の弧状セグメント磁石が周方向で接合
された環状永久磁石２を有し、この環状永久磁石２の少
なくとも一方の磁極面に環状ヨーク３が接合されてお
り、この環状ヨーク３が、前記超伝導体に向かって先細
となる径方向断面形状をもつ磁気軸受用回転子。前記環
状ヨークが接合された前記環状永久磁石を２つ以上有
し、これらの環状永久磁石が入れ子状に配置されている
磁気軸受用回転子。
に使用される超伝導磁気軸受において、回転抵抗の増大
を防ぎ、かつ、磁力を有効利用することにより浮上安定
性を改善する。 【解決手段】 超伝導体を固定子側に有し、超伝導体に
よる磁束のピン止め作用により回転子が固定子上に浮上
する構成の超伝導磁気軸受に用いられる磁気軸受用回転
子であって、複数の弧状セグメント磁石が周方向で接合
された環状永久磁石２を有し、この環状永久磁石２の少
なくとも一方の磁極面に環状ヨーク３が接合されてお
り、この環状ヨーク３が、前記超伝導体に向かって先細
となる径方向断面形状をもつ磁気軸受用回転子。前記環
状ヨークが接合された前記環状永久磁石を２つ以上有
し、これらの環状永久磁石が入れ子状に配置されている
磁気軸受用回転子。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力貯蔵システム
などに利用される超伝導磁気軸受と、これに用いる磁気
軸受用回転子とに関する。
などに利用される超伝導磁気軸受と、これに用いる磁気
軸受用回転子とに関する。
【０００２】
【従来の技術】電力使用量は昼間と夜間で著しく異なる
が、電力設備は最大電力をまかなえるように設置する必
要があるため、電力設備を効率的に運用するためには、
昼夜間での電力需要の平準化（日負荷平準化）が重要な
課題である。
が、電力設備は最大電力をまかなえるように設置する必
要があるため、電力設備を効率的に運用するためには、
昼夜間での電力需要の平準化（日負荷平準化）が重要な
課題である。
【０００３】日負荷平準化のために揚水発電所などが利
用されているが、日本国内において揚水発電所をこれ以
上建設することは困難であるため、その代替手段が求め
られている。このような代替手段として、超伝導フライ
ホイール電力貯蔵システムの実用化が期待されている。
超伝導フライホイール電力貯蔵システムは、深夜電力を
フライホイールの回転エネルギーとして貯蔵し、この回
転エネルギーを、昼間の需要ピーク時に電気エネルギー
として取り出すシステムである。このシステムでは、フ
ライホイールの軸受として超伝導磁気軸受を使い、非接
触状態でフライホイールを回転させるので、回転ロスが
低くなり、メンテナンスが不要で、軸受寿命も長くな
る。
用されているが、日本国内において揚水発電所をこれ以
上建設することは困難であるため、その代替手段が求め
られている。このような代替手段として、超伝導フライ
ホイール電力貯蔵システムの実用化が期待されている。
超伝導フライホイール電力貯蔵システムは、深夜電力を
フライホイールの回転エネルギーとして貯蔵し、この回
転エネルギーを、昼間の需要ピーク時に電気エネルギー
として取り出すシステムである。このシステムでは、フ
ライホイールの軸受として超伝導磁気軸受を使い、非接
触状態でフライホイールを回転させるので、回転ロスが
低くなり、メンテナンスが不要で、軸受寿命も長くな
る。
【０００４】超伝導磁気軸受の一例を、図８に断面図と
して示す。この軸受は、固定子側に環状の超伝導体６を
有し、この超伝導体６の中心孔に、これと離間した状態
でフライホイール５の回転軸５１が挿入される。回転軸
５１には、軸方向に着磁された環状永久磁石２を有する
回転子が固定されている。環状永久磁石２から超伝導体
６内部に侵入した磁束は、超伝導体６内でピン止めされ
るため、その拘束力により回転子は超伝導体６上に安定
して浮上することになる。
して示す。この軸受は、固定子側に環状の超伝導体６を
有し、この超伝導体６の中心孔に、これと離間した状態
でフライホイール５の回転軸５１が挿入される。回転軸
５１には、軸方向に着磁された環状永久磁石２を有する
回転子が固定されている。環状永久磁石２から超伝導体
６内部に侵入した磁束は、超伝導体６内でピン止めされ
るため、その拘束力により回転子は超伝導体６上に安定
して浮上することになる。
【０００５】フライホイールに貯蔵される回転エネルギ
ーは、「重量×周速2」に比例するので、貯蔵エネルギ
ーを高くするためには、フライホイールの直径が大きい
ことが望ましい。大径フライホイールを使用する場合、
軸受に用いる環状永久磁石も大型とする必要がある。し
かし、大径の環状永久磁石は製造が困難で高価となるた
め、弧状セグメント磁石を貼り合わせた接合型の環状永
久磁石を用いることが一般的である。
ーは、「重量×周速2」に比例するので、貯蔵エネルギ
ーを高くするためには、フライホイールの直径が大きい
ことが望ましい。大径フライホイールを使用する場合、
軸受に用いる環状永久磁石も大型とする必要がある。し
かし、大径の環状永久磁石は製造が困難で高価となるた
め、弧状セグメント磁石を貼り合わせた接合型の環状永
久磁石を用いることが一般的である。
【０００６】しかし、接合型環状永久磁石では、接合部
において発生磁場が不均一となり、フライホイールの回
転に悪影響を及ぼす。具体的には、コギングのような現
象が生じ、回転抵抗が大きくなってしまう。これを防ぐ
ために、図８に示すように接合型環状永久磁石２の磁極
面に環状ヨーク３を貼り付けることが考えられている。
しかし、この方法では、環状ヨーク３側面からの漏れ磁
束が多くなり、磁力を有効に使うことができなくなるの
で、浮上安定性が悪くなってしまう。
において発生磁場が不均一となり、フライホイールの回
転に悪影響を及ぼす。具体的には、コギングのような現
象が生じ、回転抵抗が大きくなってしまう。これを防ぐ
ために、図８に示すように接合型環状永久磁石２の磁極
面に環状ヨーク３を貼り付けることが考えられている。
しかし、この方法では、環状ヨーク３側面からの漏れ磁
束が多くなり、磁力を有効に使うことができなくなるの
で、浮上安定性が悪くなってしまう。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、超伝
導フライホイール電力貯蔵システムなどに使用される超
伝導磁気軸受において、回転抵抗の増大を防ぎ、かつ、
磁力を有効利用することにより浮上安定性を改善するこ
とである。
導フライホイール電力貯蔵システムなどに使用される超
伝導磁気軸受において、回転抵抗の増大を防ぎ、かつ、
磁力を有効利用することにより浮上安定性を改善するこ
とである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
（１）〜（３）のいずれかの構成により達成される。 （１） 超伝導体を固定子側に有し、超伝導体による磁
束のピン止め作用により回転子が固定子上に浮上する構
成の超伝導磁気軸受に用いられる磁気軸受用回転子であ
って、複数の弧状セグメント磁石が周方向で接合された
環状永久磁石を有し、この環状永久磁石の少なくとも一
方の磁極面に環状ヨークが接合されており、この環状ヨ
ークが、前記超伝導体に向かって先細となる径方向断面
形状をもつ磁気軸受用回転子。 （２） 前記環状ヨークが接合された前記環状永久磁石
を２つ以上有し、これらの環状永久磁石が入れ子状に配
置されている上記（１）の磁気軸受用回転子。 （３） 上記（１）または（２）の磁気軸受用回転子を
回転子側に有する超伝導磁気軸受。
（１）〜（３）のいずれかの構成により達成される。 （１） 超伝導体を固定子側に有し、超伝導体による磁
束のピン止め作用により回転子が固定子上に浮上する構
成の超伝導磁気軸受に用いられる磁気軸受用回転子であ
って、複数の弧状セグメント磁石が周方向で接合された
環状永久磁石を有し、この環状永久磁石の少なくとも一
方の磁極面に環状ヨークが接合されており、この環状ヨ
ークが、前記超伝導体に向かって先細となる径方向断面
形状をもつ磁気軸受用回転子。 （２） 前記環状ヨークが接合された前記環状永久磁石
を２つ以上有し、これらの環状永久磁石が入れ子状に配
置されている上記（１）の磁気軸受用回転子。 （３） 上記（１）または（２）の磁気軸受用回転子を
回転子側に有する超伝導磁気軸受。
【０００９】
【発明の実施の形態】図１および図２に、本発明の磁気
軸受用回転子の構成例をそれぞれ示す。図１は平面図で
あり、図２は図１のII−II断面図である。
軸受用回転子の構成例をそれぞれ示す。図１は平面図で
あり、図２は図１のII−II断面図である。
【００１０】この回転子は、複数の弧状セグメント磁石
が周方向で接合された環状永久磁石２を有する。この環
状永久磁石２の着磁方向は、図示するように軸方向であ
る。環状永久磁石２の両磁極面には、強磁性体からなる
環状ヨーク３が接合されている。図２には、磁束を示し
てある。図２に示す磁気軸受用回転子を超伝導磁気軸受
に組み込んだとき、超伝導体は、図中上側または下側ま
たは上下両側に配置され、環状ヨーク３からの磁束が侵
入することになる。この構成では、環状永久磁石の超伝
導体に対向する磁極面に環状ヨーク３を設ける。ただ
し、超伝導体が環状永久磁石の一方の面側だけにしか存
在しない場合でも、両磁極面に環状ヨークを設けること
が好ましい。
が周方向で接合された環状永久磁石２を有する。この環
状永久磁石２の着磁方向は、図示するように軸方向であ
る。環状永久磁石２の両磁極面には、強磁性体からなる
環状ヨーク３が接合されている。図２には、磁束を示し
てある。図２に示す磁気軸受用回転子を超伝導磁気軸受
に組み込んだとき、超伝導体は、図中上側または下側ま
たは上下両側に配置され、環状ヨーク３からの磁束が侵
入することになる。この構成では、環状永久磁石の超伝
導体に対向する磁極面に環状ヨーク３を設ける。ただ
し、超伝導体が環状永久磁石の一方の面側だけにしか存
在しない場合でも、両磁極面に環状ヨークを設けること
が好ましい。
【００１１】図３および図４に、本発明の磁気軸受用回
転子の他の構成例をそれぞれ示す。図３は平面図であ
り、図４は図３のIV−IV断面図である。
転子の他の構成例をそれぞれ示す。図３は平面図であ
り、図４は図３のIV−IV断面図である。
【００１２】この回転子は、２つの環状永久磁石２ａ、
２ｂを有する。環状永久磁石２ａ、２ｂは、いずれも複
数の弧状セグメント磁石が周方向で接合されたものであ
る。小径の環状永久磁石２ｂは、大径の環状永久磁石２
ａの内周面に包囲された空間に配置されている。すなわ
ち、２個の環状永久磁石が、入れ子状に配置されてい
る。環状永久磁石２ａ、２ｂは、着磁方向がいずれも軸
方向であり、各環状永久磁石のそれぞれの一方の磁極面
（超伝導体に対向する面）には、図１および図２と同様
な環状ヨーク３ａ、３ｂが接合されている。各環状永久
磁石の他方の磁極面には、一方の環状永久磁石２ａと他
方の環状永久磁石２ｂとを磁気的に接続する環状バック
ヨーク４が接合されている。この環状バックヨーク４
は、環状永久磁石からの磁束漏れを抑えて磁束の利用効
率を高める。
２ｂを有する。環状永久磁石２ａ、２ｂは、いずれも複
数の弧状セグメント磁石が周方向で接合されたものであ
る。小径の環状永久磁石２ｂは、大径の環状永久磁石２
ａの内周面に包囲された空間に配置されている。すなわ
ち、２個の環状永久磁石が、入れ子状に配置されてい
る。環状永久磁石２ａ、２ｂは、着磁方向がいずれも軸
方向であり、各環状永久磁石のそれぞれの一方の磁極面
（超伝導体に対向する面）には、図１および図２と同様
な環状ヨーク３ａ、３ｂが接合されている。各環状永久
磁石の他方の磁極面には、一方の環状永久磁石２ａと他
方の環状永久磁石２ｂとを磁気的に接続する環状バック
ヨーク４が接合されている。この環状バックヨーク４
は、環状永久磁石からの磁束漏れを抑えて磁束の利用効
率を高める。
【００１３】この構成では、環状永久磁石２ａと環状永
久磁石２ｂとは着磁方向がいずれも軸方向であって、か
つ互いに逆であり、これらを同心的に配置することによ
り、磁束は図４に示すものとなる。
久磁石２ｂとは着磁方向がいずれも軸方向であって、か
つ互いに逆であり、これらを同心的に配置することによ
り、磁束は図４に示すものとなる。
【００１４】図５および図６に、本発明の磁気軸受用回
転子の他の構成例を、それぞれ断面図として示す。図５
に示す構成は、着磁方向が径方向である環状永久磁石２
を用い、その磁極面、すなわち、外周面および内周面
に、それぞれ環状ヨーク３ａおよび環状ヨーク３ｂを接
合したものである。図５には、超伝導体に対向する側に
おける磁束を示してある。また、図６に示す構成は、そ
れぞれ径方向に着磁された大径の環状永久磁石２ａと小
径の環状永久磁石２ｂとを、周面間に環状ヨーク３ｂを
挟んで入れ子状に配置すると共に、外周側の環状永久磁
石２ａの外周面に環状ヨーク３ａを、内周側の環状永久
磁石２ｂの内周面に環状ヨーク３ｃを、それぞれ接合し
たものである。図６の構成では、両環状永久磁石は、間
に存在する環状ヨーク３ｂを挟んで同極同士が向かい合
う配置とする。図６には、超伝導体に対向する側におけ
る磁束を示してある。
転子の他の構成例を、それぞれ断面図として示す。図５
に示す構成は、着磁方向が径方向である環状永久磁石２
を用い、その磁極面、すなわち、外周面および内周面
に、それぞれ環状ヨーク３ａおよび環状ヨーク３ｂを接
合したものである。図５には、超伝導体に対向する側に
おける磁束を示してある。また、図６に示す構成は、そ
れぞれ径方向に着磁された大径の環状永久磁石２ａと小
径の環状永久磁石２ｂとを、周面間に環状ヨーク３ｂを
挟んで入れ子状に配置すると共に、外周側の環状永久磁
石２ａの外周面に環状ヨーク３ａを、内周側の環状永久
磁石２ｂの内周面に環状ヨーク３ｃを、それぞれ接合し
たものである。図６の構成では、両環状永久磁石は、間
に存在する環状ヨーク３ｂを挟んで同極同士が向かい合
う配置とする。図６には、超伝導体に対向する側におけ
る磁束を示してある。
【００１５】本発明では、図１〜図６に示されるよう
に、環状ヨークの径方向断面の形状を、超伝導体に向か
って先細となるものとする。これにより、環状ヨークの
先細領域に磁束が集中するため、環状永久磁石の磁力を
有効に利用することができる。図示例では、環状ヨーク
径方向断面の先細形状はテーパ状、すなわち、外周側お
よび内周側に傾斜面をもつ形状であり、本発明ではこの
形状が好ましいが、一方の側だけを傾斜面としてもよ
い。また、環状ヨーク径方向断面の先細形状を構成する
傾斜面は、図示例のように断面が直線となるものに限ら
ず、曲線となるものであってもよい。また、図示例で
は、この傾斜面の始点が環状永久磁石の上面と一致して
いるが、より上側から傾斜面が始まっていてもよい。た
だし、先細領域の軸方向高さは、環状永久磁石上面から
測った環状ヨーク高さの好ましくは２０％以上、より好
ましくは５０％以上、さらに好ましくは１００％を占め
ることが望ましい。
に、環状ヨークの径方向断面の形状を、超伝導体に向か
って先細となるものとする。これにより、環状ヨークの
先細領域に磁束が集中するため、環状永久磁石の磁力を
有効に利用することができる。図示例では、環状ヨーク
径方向断面の先細形状はテーパ状、すなわち、外周側お
よび内周側に傾斜面をもつ形状であり、本発明ではこの
形状が好ましいが、一方の側だけを傾斜面としてもよ
い。また、環状ヨーク径方向断面の先細形状を構成する
傾斜面は、図示例のように断面が直線となるものに限ら
ず、曲線となるものであってもよい。また、図示例で
は、この傾斜面の始点が環状永久磁石の上面と一致して
いるが、より上側から傾斜面が始まっていてもよい。た
だし、先細領域の軸方向高さは、環状永久磁石上面から
測った環状ヨーク高さの好ましくは２０％以上、より好
ましくは５０％以上、さらに好ましくは１００％を占め
ることが望ましい。
【００１６】環状ヨークにおいて、上記傾斜面の傾斜の
程度は、図２に例示する角度θで表すことができる。こ
の角度θは、傾斜面の始点と終点とを結ぶ線と、環状ヨ
ークの軸方向とがなす角度である。本発明では、この角
度θが５°以上であることが好ましい。角度θが小さす
ぎると、傾斜面を設けることによる効果が不十分とな
る。なお、角度θは、外周側と内周側とで一致している
必要はなく、また、複数の環状ヨークを有する場合、各
環状ヨークにおいて同一である必要はない。
程度は、図２に例示する角度θで表すことができる。こ
の角度θは、傾斜面の始点と終点とを結ぶ線と、環状ヨ
ークの軸方向とがなす角度である。本発明では、この角
度θが５°以上であることが好ましい。角度θが小さす
ぎると、傾斜面を設けることによる効果が不十分とな
る。なお、角度θは、外周側と内周側とで一致している
必要はなく、また、複数の環状ヨークを有する場合、各
環状ヨークにおいて同一である必要はない。
【００１７】なお、環状ヨークの先細領域が超伝導体と
対向する構成であれば、環状永久磁石着磁方向は軸方向
または径方向である必要はない。また、環状ヨークの先
細領域は、頂部に平面部を有する必要はなく、先端が尖
っていてもよい。
対向する構成であれば、環状永久磁石着磁方向は軸方向
または径方向である必要はない。また、環状ヨークの先
細領域は、頂部に平面部を有する必要はなく、先端が尖
っていてもよい。
【００１８】また、上記各構成例では、環状永久磁石の
数を２以下としてあるが、環状永久磁石の数は３以上で
あってもよい。その場合も、小径の環状永久磁石が大径
のものの中心孔内に存在するように入れ子状に配置し、
環状ヨークの先細領域と超伝導体とが対向するように、
環状永久磁石の着磁方向および環状ヨークの配置を決定
すればよい。
数を２以下としてあるが、環状永久磁石の数は３以上で
あってもよい。その場合も、小径の環状永久磁石が大径
のものの中心孔内に存在するように入れ子状に配置し、
環状ヨークの先細領域と超伝導体とが対向するように、
環状永久磁石の着磁方向および環状ヨークの配置を決定
すればよい。
【００１９】環状ヨークや環状バックヨークの構成材料
は特に限定されず、磁石用の通常のヨークと同様な強磁
性材料、例えば、鉄およびこれを含む合金、コバルトお
よびこれを含む合金、ニッケルおよびこれを含む合金、
酸化物強磁性体などから適宜選択すればよいが、回転子
を高速に回転させるためには、高強度材料を選択するこ
とが好ましい。
は特に限定されず、磁石用の通常のヨークと同様な強磁
性材料、例えば、鉄およびこれを含む合金、コバルトお
よびこれを含む合金、ニッケルおよびこれを含む合金、
酸化物強磁性体などから適宜選択すればよいが、回転子
を高速に回転させるためには、高強度材料を選択するこ
とが好ましい。
【００２０】本発明の超伝導磁気軸受の構成例を、図７
に断面図として示す。この超伝導磁気軸受は、図３およ
び図４に示す磁気軸受用回転子をフライホイール５の回
転軸５１に固定し、固定子側に環状の超伝導体６を設
け、超伝導体６の中心孔内にこれと離間して回転軸５１
を挿入して、超伝導体６に環状ヨーク３ａ、３ｂを対向
して配置したものである。この超伝導磁気軸受では、回
転子の環状ヨーク３ａと環状ヨーク３ｂとを結ぶ磁束が
超伝導体６内でピン止めされるので、回転子は超伝導体
６上に浮上する。
に断面図として示す。この超伝導磁気軸受は、図３およ
び図４に示す磁気軸受用回転子をフライホイール５の回
転軸５１に固定し、固定子側に環状の超伝導体６を設
け、超伝導体６の中心孔内にこれと離間して回転軸５１
を挿入して、超伝導体６に環状ヨーク３ａ、３ｂを対向
して配置したものである。この超伝導磁気軸受では、回
転子の環状ヨーク３ａと環状ヨーク３ｂとを結ぶ磁束が
超伝導体６内でピン止めされるので、回転子は超伝導体
６上に浮上する。
【００２１】本発明が適用される磁気軸受用回転子の各
部寸法は特に限定されず、どのような寸法であっても本
発明の効果は実現するが、環状永久磁石（２つ以上ある
場合は、最も大径のものの寸法）は、通常、外径１０〜
５００cm程度、径方向幅２〜１００cm程度、高さ１〜５
０cm程度である。また、環状ヨークは、通常、環状永久
磁石の超伝導体対向面からの高さが０．２〜１０cm程度
である。
部寸法は特に限定されず、どのような寸法であっても本
発明の効果は実現するが、環状永久磁石（２つ以上ある
場合は、最も大径のものの寸法）は、通常、外径１０〜
５００cm程度、径方向幅２〜１００cm程度、高さ１〜５
０cm程度である。また、環状ヨークは、通常、環状永久
磁石の超伝導体対向面からの高さが０．２〜１０cm程度
である。
【００２２】
【実施例】図３および図４に示す構造の磁気軸受用回転
子を作製した。大径の環状永久磁石２ａは、外径を２０
cm、径方向幅を２．５cm、高さを４cmとし、希土類合金
からなる弧状セグメント磁石を１２個貼り合わせて作製
した。小径の環状永久磁石２ｂは、外径を１２cm、径方
向幅を２．５cm、高さを４cmとし、希土類合金からなる
弧状セグメント磁石を８個貼り合わせて作製した。大径
の環状ヨーク３ａおよび小径の環状ヨーク３ｂは、平面
寸法をそれぞれ環状永久磁石２ａおよび環状永久磁石２
ｂと同一とし、高さを０．５cmとし、純鉄で構成した。
環状バックヨーク４は、外径を大径の環状永久磁石２ａ
の直径と同一とし、内径を小径の環状永久磁石２ｂの内
径と同一とし、高さを２cmとし、純鉄から構成した。環
状ヨーク２ａ、２ｂの角度θは、０°（先細領域な
し）、１０°または４５°とした。また、環状ヨークを
設けない磁気軸受用回転子も作製した。
子を作製した。大径の環状永久磁石２ａは、外径を２０
cm、径方向幅を２．５cm、高さを４cmとし、希土類合金
からなる弧状セグメント磁石を１２個貼り合わせて作製
した。小径の環状永久磁石２ｂは、外径を１２cm、径方
向幅を２．５cm、高さを４cmとし、希土類合金からなる
弧状セグメント磁石を８個貼り合わせて作製した。大径
の環状ヨーク３ａおよび小径の環状ヨーク３ｂは、平面
寸法をそれぞれ環状永久磁石２ａおよび環状永久磁石２
ｂと同一とし、高さを０．５cmとし、純鉄で構成した。
環状バックヨーク４は、外径を大径の環状永久磁石２ａ
の直径と同一とし、内径を小径の環状永久磁石２ｂの内
径と同一とし、高さを２cmとし、純鉄から構成した。環
状ヨーク２ａ、２ｂの角度θは、０°（先細領域な
し）、１０°または４５°とした。また、環状ヨークを
設けない磁気軸受用回転子も作製した。
【００２３】これらの磁気軸受用回転子にフライホイー
ル（ＦＲＰ製、直径４０cm）の回転軸を固定し、この回
転軸を固定子側の環状超伝導体の中心孔内に挿入して、
図７に示すような超伝導磁気軸受を構成した。
ル（ＦＲＰ製、直径４０cm）の回転軸を固定し、この回
転軸を固定子側の環状超伝導体の中心孔内に挿入して、
図７に示すような超伝導磁気軸受を構成した。
【００２４】これらの超伝導磁気軸受について、角度θ
と回転抵抗との関係を調べた。回転抵抗は、回転数が半
減するまでの時間で評価した。結果を表１に示す。
と回転抵抗との関係を調べた。回転抵抗は、回転数が半
減するまでの時間で評価した。結果を表１に示す。
【００２５】
【表１】
【００２６】表１から、環状ヨークを設けることにより
回転抵抗が著しく低減することがわかる。
回転抵抗が著しく低減することがわかる。
【００２７】次に、環状ヨークを設けた超伝導磁気磁気
軸受について、環状ヨークの角度θと浮上安定性との関
係を調べた。浮上安定性は、超伝導磁気軸受に振動を与
えたときに固定子と回転子との接触が生じる最小の起振
力（単位：ワット）を求め、角度θが０°のときの起振
力を１００％として相対値で評価した。結果を表２に示
す。
軸受について、環状ヨークの角度θと浮上安定性との関
係を調べた。浮上安定性は、超伝導磁気軸受に振動を与
えたときに固定子と回転子との接触が生じる最小の起振
力（単位：ワット）を求め、角度θが０°のときの起振
力を１００％として相対値で評価した。結果を表２に示
す。
【００２８】
【表２】
【００２９】表２に示される結果から、本発明の効果が
明らかである。
明らかである。
【００３０】
【発明の効果】本発明の磁気軸受用回転子では、弧状セ
グメント磁石を接合した環状永久磁石を用いるので、低
コストで大型化することができ、また、環状永久磁石に
環状ヨークを接合するので、回転抵抗が小さくなる。そ
して、環状ヨークの超伝導体対向側に先細領域を設ける
ので、環状永久磁石の磁力を有効に使うことができ、良
好な浮上安定性が得られる。
グメント磁石を接合した環状永久磁石を用いるので、低
コストで大型化することができ、また、環状永久磁石に
環状ヨークを接合するので、回転抵抗が小さくなる。そ
して、環状ヨークの超伝導体対向側に先細領域を設ける
ので、環状永久磁石の磁力を有効に使うことができ、良
好な浮上安定性が得られる。
【図１】本発明の磁気軸受用回転子の構成例を示す平面
図である。
図である。
【図２】図１に示す磁気軸受用回転子のII−II断面図で
ある。
ある。
【図３】本発明の磁気軸受用回転子の構成例を示す平面
図である。
図である。
【図４】図３に示す磁気軸受用回転子のIV−IV断面図で
ある。
ある。
【図５】本発明の磁気軸受用回転子の構成例を示す断面
図である。
図である。
【図６】本発明の磁気軸受用回転子の構成例を示す断面
図である。
図である。
【図７】本発明の超伝導磁気軸受の構成例を示す断面図
である。
である。
【図８】従来の超伝導磁気軸受の構成例を示す断面図で
ある。
ある。
２、２ａ、２ｂ 環状永久磁石 ３、３ａ、３ｂ、３ｃ 環状ヨーク ４ 環状バックヨーク ５ フライホイール ５１ 回転軸 ６ 超伝導体
Claims (3)
- 【請求項１】 超伝導体を固定子側に有し、超伝導体に
よる磁束のピン止め作用により回転子が固定子上に浮上
する構成の超伝導磁気軸受に用いられる磁気軸受用回転
子であって、 複数の弧状セグメント磁石が周方向で接合された環状永
久磁石を有し、この環状永久磁石の少なくとも一方の磁
極面に環状ヨークが接合されており、この環状ヨーク
が、前記超伝導体に向かって先細となる径方向断面形状
をもつ磁気軸受用回転子。 - 【請求項２】 前記環状ヨークが接合された前記環状永
久磁石を２つ以上有し、これらの環状永久磁石が入れ子
状に配置されている請求項１の磁気軸受用回転子。 - 【請求項３】 請求項１または２の磁気軸受用回転子を
回転子側に有する超伝導磁気軸受。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10085058A JPH11257354A (ja) | 1998-03-16 | 1998-03-16 | 磁気軸受用回転子および超伝導磁気軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10085058A JPH11257354A (ja) | 1998-03-16 | 1998-03-16 | 磁気軸受用回転子および超伝導磁気軸受 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11257354A true JPH11257354A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13848047
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10085058A Withdrawn JPH11257354A (ja) | 1998-03-16 | 1998-03-16 | 磁気軸受用回転子および超伝導磁気軸受 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11257354A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010156418A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-15 | Niigata Univ | 集合磁石 |
| CN106230321A (zh) * | 2016-08-16 | 2016-12-14 | 张广 | 一种电磁悬浮电动机 |
| CN107226220A (zh) * | 2017-05-09 | 2017-10-03 | 哈尔滨工业大学 | 用于卫星载荷稳定旋转的磁悬浮支撑装置 |
| CN113151792A (zh) * | 2021-03-26 | 2021-07-23 | 洛阳理工学院 | 磁体部件、磁控溅射阴极及柔性线材镀膜用磁控溅射装置 |
-
1998
- 1998-03-16 JP JP10085058A patent/JPH11257354A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010156418A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-15 | Niigata Univ | 集合磁石 |
| CN106230321A (zh) * | 2016-08-16 | 2016-12-14 | 张广 | 一种电磁悬浮电动机 |
| CN107226220A (zh) * | 2017-05-09 | 2017-10-03 | 哈尔滨工业大学 | 用于卫星载荷稳定旋转的磁悬浮支撑装置 |
| CN107226220B (zh) * | 2017-05-09 | 2019-09-17 | 哈尔滨工业大学 | 用于卫星载荷稳定旋转的磁悬浮支撑装置 |
| CN113151792A (zh) * | 2021-03-26 | 2021-07-23 | 洛阳理工学院 | 磁体部件、磁控溅射阴极及柔性线材镀膜用磁控溅射装置 |
| CN113151792B (zh) * | 2021-03-26 | 2023-01-03 | 洛阳理工学院 | 磁体部件、磁控溅射阴极及柔性线材镀膜用磁控溅射装置 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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