JP3924527B2 - 高周波信号伝送用積層構造およびそれを用いた高周波半導体パッケージ - Google Patents

高周波信号伝送用積層構造およびそれを用いた高周波半導体パッケージ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロ波帯・ミリ波帯といった高周波において使用される積層構造および半導体素子を収容する高周波半導体パッケージに関し、特に高周波の伝送特性が良好な高周波信号伝送積層構造およびそれを用いた高周波半導体パッケージに関する。
【0002】
【発明の背景】
上記高周波信号伝送積層構造として、本発明者は既に特願2001−365134号ならびに特願2002−20774号において提案した。例えば、図7に示すような構造はその一例である。この図の(a)は平面図、(b)は(a)のA−A'線断面図である。
【0003】
図7において、1は誘電体層であり、それぞれを積層することで積層板としている。11および21は信号配線導体であり、13および23の信号配線接続導体を介して、14および24の表層信号用貫通導体にそれぞれ接続している。内層には34の内層信号用貫通導体とそれらを接続する33の信号用貫通導体接続導体が形成され、表層信号用貫通導体14,24との間を接続しており、32の内層接地導体の内側には36に示す円形状の内層接地導体非形成領域が形成され、内層接地導体非形成領域36の外周近傍に35に示す内層接地用貫通導体が形成されている。そして、内層接地導体非形成領域36は上下に互いに重なるように配置し、表層信号用貫通導体14,24の間を内層信号用貫通導体34および信号用貫通導体接続導体33によりなめらかに接続するように順次ずらして配置することにより、高周波信号伝送用積層構造としている。
【0004】
しかしながら、上記高周波信号伝送用積層構造では、内層部において内層接地導体および内層接地用貫通導体で取り囲まれた電磁遮蔽空間が形成されているために、この電磁遮蔽空間が円筒誘電体共振器として働く結果、共振による使用可能周波数帯域の制限が生じることが考えられる。
【0005】
本発明者は、例えば、図7の構造をなす高周波信号伝送用積層構造として、比誘電率が9.2で厚みが0.2mmの誘電体層1を9層積層して積層板とし、信号配線導体11の幅を0.21mmで形成し、信号配線接続導体13,23の幅を0.21mmで信号配線導体11,21と表面信号用貫通導体14,24までの距離を0.13mmにて形成し、表層信号用貫通導体14,24および内層信号用貫通導体34を直径0.1mmの円形状に形成し、信号用貫通導体接続導体を幅0.16mmの矩形状とし、内層接地内層接地導体非形成領域36は直径が1.24mmの円形状に、内層接地用貫通導体35は直径0.1mmの円形状にて内層接地導体非形成領域36の外周より中心が0.08mmだけ離れた位置の円周上の8箇所に配置することで構成し、そして、表層信号用貫通導体14,24および内層信号用貫通導体34の9層間のずれを表面側から0.195mm, 0.115mm, 0.075mm, 0.055mm, 0.055mm, 0.075mm, 0.115mm, 0.195mmとした。
【0006】
表層信号配線導体11,21の信号配線接続導体13,23と反対側の端部間を上方から見て2.0mmとして、この間の高周波特性を電磁界シミュレーションにて抽出すると、図10に線図で示すような周波数特性の特性曲線が得られた。図10において、横軸は周波数(単位:GHz)、縦軸は入力した信号のうちの反射された量の評価指標としての反射係数(単位:dB)を示しており、特性曲線は反射係数の周波数特性を示している。図10における特性曲線は、45.2GHz付近に共振が生じていることを示しており、共振による使用可能周波数帯域の制限が生じていることが判明した。
【0007】
そこで本発明は、上記高周波信号伝送用積層構造における問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、共振周波数を高周波側へ移動させることにより使用可能周波数の広帯域化がなされた高周波信号伝送用積層構造およびそれを用いた高周波半導体パッケージを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る高周波信号伝送用積層構造は、4層以上の誘電体層を積層して成る積層基板の最上層および最下層のそれぞれに形成した信号配線導体が、互いに一端から逆方向に延びる関係にあり、これら各信号配線導体の一端と、前記最上層および前記最下層の誘電体層を上下に貫く表層信号用貫通導体とを、信号配線接続導体を介して接続し、前記最上層および前記最下層を除く内層の各層に、平面形状が円形状、楕円形状または偶多角形状を成す内層接地導体非形成領域と、内層接地導体とを形成し、前記内層接地導体非形成領域には、前記内層の各層を上下に貫く内層信号用貫通導体に接続する信号用貫通導体接続導体を形成し、前記内層接地導体非形成領域の外周の外側に、前記内層の各層を上下に貫く内層接地用貫通導体を形成することで前記内層接地導体間を接続し、前記表層信号用貫通導体を前記内層接地導体非形成領域の外周の内側に配置し、且つ前記内層信号用貫通導体を前記表層信号用貫通導体間が接続されるように順次ずらして配置するとともに、前記内層を成す各層のうち中間に位置する層に形成された前記内層接地導体非形成領域を、他の層に形成された前記内層接地導体非形成領域よりも狭い領域に形成したことを特徴とする。
【0009】
これにより、内層部において内層接地導体および内層接地用貫通導体で取り囲まれた電磁遮蔽空間が形成されているために、この電磁遮蔽空間が円筒誘電体共振器として働く結果、共振による使用可能周波数帯域の制限が生じる場合と比較して、中間層近傍の内層接地導体非形成領域が小さくなっていることで共振制御層として働く。すなわち、共振制御層における円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数が他層の円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数よりも高いためにリアクタンス減衰器とみなされることから高次モード伝搬が抑圧される結果、円筒誘電体共振モードに準じた共振は高周波側へ移動するために、使用可能周波数帯域が広くなる。その結果、使用可能周波数帯域の広帯域化がなされた高周波信号伝送用積層構造となる。
【0010】
また、請求項2に係る高周波信号伝送用積層構造は、上記請求項1の構造において、前記積層基板の最上層の上面および/または最下層の下面において、前記表層信号用貫通導体および前記信号配線接続導体を取囲む状態で、前記信号配線導体に対し所定間隔をあけて表面接地導体を形成し、且つ該表面接地導体と前記内層接地導体との間を上下に貫く表層接地用貫通導体により接続したことを特徴とする。
【0011】
これにより、請求項1の場合と同様な作用・効果に加えて、入出力線路としてコプレナ線路として構成することで、外部配線がコプレナ線路の場合に、外部配線との接続におけるインピーダンスの不連続性を小さくすることができる構造となる上、共振周波数は表面接地導体および表層接地用貫通導体が設けられない場合と比較して、一方面、さらに両面に設けるにしたがって高くなる。その結果、使用可能周波数帯域の広帯域化がなされた高周波信号伝送用積層構造となる。
【0012】
また、請求項3に係る高周波信号伝送用積層構造は、上記請求項1の構造において、前記積層基板の最上層の上面および/または最下層の下面において、前記信号配線導体に対し所定間隔をあけて表面接地導体を形成し、且つ該表面接地導体と前記内層接地導体との間を上下に貫く表層接地用貫通導体により接続したことを特徴とする。
【0013】
これにより、請求項2と同様な作用・効果に比べて、表層接地導体を信号配線導体の両脇のみに形成したことから、表層から内層へ(もしくは内層から表層へ)向かう電磁波の直進性に対して伝搬モードを安定に維持したままに伝搬方向を変えることが安定してできるので、反射が生じにくく、インピーダンス整合が良好に行なえるという作用・効果が期待できる。
【0014】
さらに請求項4の高周波半導体パッケージによれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の高周波信号伝送用積層構造を備えた前記積層基板の上面に枠体および蓋体を設けることにより、高周波半導体素子を収容する構造としたことを特徴とする。
【0015】
ここで、本発明の高周波信号伝送用積層構造においては、特に、内層における誘電体層の厚みおよび内層接地用貫通導体の間隔を、使用する最高周波数の管内波長の半分よりも小さく設定するのが望ましい。この理由は、発明の背景で説明したように、内層に電磁遮蔽空間を形成しない場合に内層において電磁波が漏れてしまい、放射損失となってしまうことを防止するためである。すなわち、内層の上下の接地導体と接地用貫通導体がなす矩形を矩形導波管として捉えると、矩形導波管の最低次の伝送モード(基本モード)はTE10モードであり、このモードの遮断波長は矩形における長辺の2倍の実効長に等しい。このため、使用する周波数帯域内において内層部に電磁遮蔽空間を形成するためには、内層における誘電体層の厚みおよび内層接地用貫通導体の間隔は、使用する最高周波数の管内波長の半分よりも小さくすることが必要であり、より好適には4分の1波長以下に設定するのが望ましい。したがって、製造上の困難が生じない範囲で上記範囲を満たすことも重要である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、模式的に示した図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更・改良を施すことは何ら差し支えない。
【0017】
図1は本発明の請求項1に係る、第1の高周波信号伝送用積層構造の例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’線断面図である。第1の高周波信号伝送用積層構造は、4層以上の誘電体層を積層して成る積層基板の最上層と最下層を除いた内層の各誘電体層は使用する最高周波数の管内波長の半分より小さい厚みとして成し、積層基板の上面および下面に互いに逆方向に延びる信号配線導体を形成し、信号配線導体の一端は誘電体層の最上層と最下層に設けられた各層を上下に貫く表層信号用貫通導体との間をそれぞれ信号配線接続導体を介して接続し、積層基板の上面および下面に表層信号用貫通導体を形成し、内層の各層には内層接地導体を円形状楕円形状または偶多角形状の2軸対称形状に設けた内層接地導体非形成領域を除いて略全面に形成し、これらの内層接地導体非形成領域は互いに上下に重なり合うように配置し、内層接地導体非形成領域の内側には誘電体層の内層の各層を上下に貫く内層信号用貫通導体のそれぞれを接続する信号用貫通導体接続導体を形成するとともに、使用する最高周波数の管内波長の半分よりも短い間隔をあけて内層接地導体非形成領域の外周近傍に内層の各層を上下に貫く複数の内層接地用貫通導体を配設することにより内層部に電磁遮蔽空間を形成し、表層信号用貫通導体と内層信号用貫通導体との間を信号用貫通導体接続導体を介して接続することにより積層基板の上下面の間を電気的に接続し、表層信号用貫通導体は信号配線接続導体の長さが短くなるように内層接地導体非形成領域の外周近傍に配置するとともに、内層信号用貫通導体を表層信号用貫通導体間をなめらかに接続するように順次ずらして配置した高周波信号伝送用積層構造において、内層を成す各層のうち中間に位置する層に形成された前記内層接地導体非形成領域を、他の層に形成された内層接地導体非形成領域よりも狭い領域に形成した。
【0018】
すなわち、図1において、1は誘電体層でありそれぞれを積層することで積層板としている。11および21は信号配線導体であり13および23の信号配線接続導体を介して14および24の表層信号用貫通導体にそれぞれ接続している。内層には34の内層信号用貫通導体とそれらを接続する33の信号用貫通導体接続導体が形成され、表層信号用貫通導体14,24との間を接続しており、32の内層接地導体の内側には36に示す円形状の内層接地導体非形成領域が形成され、内層接地導体非形成領域36の外周近傍に35に示す内層接地用貫通導体が形成されている。そして、内層接地導体非形成領域36は上下に互いに重なるように配置し、表層信号用貫通導体14,24の間を内層信号用貫通導体34および信号用貫通導体接続導体33によりなめらかに接続するように順次ずらして配置し、内層を成す各層のうち37に示す中間層近傍の内層接地導体非形成領域を他層の内層接地導体非形成領域36よりも小さい円形状にて共振制御用接地導体非形成領域として形成した。なお、信号配線接続導体13および23は、直下もしくは直上の内層接地導体32と重ならない信号導体領域をさすものとする。
【0019】
これにより、内層部において内層接地導体および内層接地用貫通導体で取り囲まれた電磁遮蔽空間が形成されているために、この電磁遮蔽空間が円筒誘電体共振器として働く結果、共振による使用可能周波数帯域の制限が生じる場合と比較して、中間層近傍の内層接地導体非形成領域が小さくなっていることで共振制御層として働く。すなわち、共振制御層における円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数が他層の円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数よりも高いためにリアクタンス減衰器とみなされることから高次モード伝搬が抑圧される結果、円筒誘電体共振モードに準じた共振は高周波側へ移動するために、使用可能周波数帯域が広くなる。その結果、使用可能周波数帯域の広帯域化がなされた高周波信号伝送用積層構造となる。
【0020】
次に、図2および図3は本発明の請求項2に係る、第2の高周波信号伝送用積層構造の例を示す図であり、各図において、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’線断面図である。第2の高周波信号伝送用積層構造は、上記第1の高周波信号伝送用積層構造において、前記積層基板の最上層の上面および/または最下層の下面において、表層信号用貫通導体および信号配線接続導体を取囲む状態で、信号配線導体に対し所定間隔をあけて表面接地導体を形成し、且つこの表面接地導体と内層接地導体との間を上下に貫く表層接地用貫通導体により接続した。
【0021】
図2および図3において、図1と同様の箇所には同じ符号を付してあり、1は誘電体層であり、11および21は信号配線導体、13および23は信号配線接続導体、14および24は表層信号用貫通導体、32は内層接地導体、33は信号用貫通導体接続導体、34は内層信号用貫通導体、35は内層接地用貫通導体、36は内層接地導体非形成領域、37は共振制御用接地導体非形成領域である。そして、図2は前記積層基板の最上層の上面において、表層信号用貫通導体14および信号配線接続導体13を取囲む状態で、信号配線導体に対し所定間隔をあけて12の表面接地導体を形成し、且つこの表面接地導体12と内層接地導体32との間を上下に貫く15の表層接地用貫通導体により接続している。また、図3は前記積層基板の最上層の上面および最下層の下面において、表層信号用貫通導体14,24および信号配線接続導体13,23を取囲む状態で、信号配線導体に対し所定間隔をあけて12,22の表面接地導体を形成し、且つこの表面接地導体12,22と内層接地導体32との間を上下に貫く15,25の表層接地用貫通導体により接続している。
【0022】
これにより、内層部において内層接地導体および内層接地用貫通導体で取り囲まれた電磁遮蔽空間が形成されているために、この電磁遮蔽空間が円筒誘電体共振器として働く結果、共振による使用可能周波数帯域の制限が生じる場合と比較して、中間層近傍の内層接地導体非形成領域が小さくなっていることで共振制御層として働く。すなわち、共振制御層における円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数が他層の円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数よりも高いためにリアクタンス減衰器とみなされることから高次モード伝搬が抑圧される結果、円筒誘電体共振モードに準じた共振は高周波側へ移動するために、使用可能周波数帯域が広くなる。さらに、入出力線路としてコプレナ線路として構成することで、外部配線がコプレナ線路の場合に、外部配線との接続におけるインピーダンスの不連続性を小さくすることができる構造となる上、共振周波数は表面接地導体および表層接地用貫通導体が設けられない場合と比較して、一方面(図2に相当)、さらに両面(図3に相当)に設けるにしたがって高くなる。その結果、使用可能周波数帯域の広帯域化がなされた高周波信号伝送用積層構造となる。
【0023】
次に、図11は本発明の請求項3に係る、第2の高周波信号伝送用積層構造の他の例を示す図であり、各図において、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’線断面図である。
第2の高周波信号伝送用積層構造の他の例は、上記第1の高周波信号伝送用積層構造において、前記積層基板の最上層の上面および/または最下層の下面において、信号配線導体に対し所定間隔をあけて表面接地導体を形成し、且つこの表面接地導体と内層接地導体との間を上下に貫く表層接地用貫通導体により接続した。
【0024】
図11において、図1と同様の箇所には同じ符号を付してあり、1は誘電体層であり、11および21は信号配線導体、13および23は信号配線接続導体、14および24は表層信号用貫通導体、32は内層接地導体、33は信号用貫通導体接続導体、34は内層信号用貫通導体、35は内層接地用貫通導体、36は内層接地導体非形成領域、37は共振制御用接地導体非形成領域である。そして、前記積層基板の上面において、信号配線導体11に対し所定間隔をあけて12の表面接地導体を形成し、且つこの表面接地導体12と内層接地導体32との間を上下に貫く15の表層接地用貫通導体により接続している。
【0025】
これにより、内層部において内層接地導体および内層接地用貫通導体で取り囲まれた電磁遮蔽空間が形成されているために、この電磁遮蔽空間が円筒誘電体共振器として働く結果、共振による使用可能周波数帯域の制限が生じる場合と比較して、中間層近傍の内層接地導体非形成領域が小さくなっていることで共振制御層として働く。すなわち、共振制御層における円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数が他層の円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数よりも高いためにリアクタンス減衰器とみなされることから高次モード伝搬が抑圧される結果、円筒誘電体共振モードに準じた共振は高周波側へ移動するために、使用可能周波数帯域が広くなる。さらに、入出力線路としてコプレナ線路として構成することで、外部配線がコプレナ線路の場合に、外部配線との接続におけるインピーダンスの不連続性を小さくすることができる構造となる上、共振周波数は表面接地導体および表層接地用貫通導体が設けられない場合と比較して、一方面(図11に相当)、さらに両面に設けるにしたがって高くなる。さらに、表層接地導体を信号配線導体の両脇のみに形成したことから、表層から内層へ(もしくは内層から表層へ)向かう電磁波の直進性に対して伝搬モードを安定に維持したままに伝搬方向を変えることが安定してできるので、反射が生じにくく、インピーダンス整合が良好に行なえる。その結果、使用可能周波数帯域の広帯域化がなされた高周波信号伝送用積層構造となる。
【0026】
また、上記高周波信号伝送用積層構造を高周波半導体パッケージに適用が可能である。すなわち、図12に示すように、上記高周波信号伝送用積層構造を構成する積層基板Sの上面に、高周波半導体素子を収容する枠体41および枠体41の上面を覆う蓋体42を形成し、積層基板の最下層の下面における信号配線導体の信号配線接続導体と反対側に、外部との信号入出力のための入出力信号配線接続導体を形成することにより、高周波の伝送特性が良好な高周波半導体パッケージとなる。
【0027】
このような本発明の高周波半導体パッケージにおいて、誘電体基板としては、例えばアルミナやムライト、窒化アルミ等のセラミックス材料、いわゆるガラセラ(ガラス+セラミック)材料が広く用いられ、信号配線導体や接地導体といった導体パターンは、高周波配線導体用の金属材料、例えば、Cuなどの単体金属やMoMn+Ni+Au、W+Ni+Au、Cr+Cu、Cr+Cu+Ni+Au、Ta +NiCr+Au、Ti+Pd+Au、NiCr+Pd+Auなどの合金を用いて厚膜印刷法あるいは各種の薄膜形成方法やメッキ処理法などにより形成される。また、その厚みや幅も伝送される高周波信号の周波数や使用する特性インピーダンスなどに応じて誘電体の誘電率や厚みとともに設定される。また、枠体や蓋体に金属を用いる場合には、Fe−Ni−CoやFe−Ni42アロイ等のFe−Ni合金・無酸素銅・アルミニウム・ステンレス・Cu−W合金・Cu−Mo合金などから成る材料を用い、金属構造物間の接合には、ハンダ・AuSnロウやAuGeロウ等の高融点金属ロウ・シームウェルド(溶接)等により取着することによって気密封止し、また、誘電体基板と金属構造物とは、AgCuロウ・AuSnロウ・AuGeロウ等の高融点金属ロウにより接合することによって、半導体素子を収容することで良好な伝送特性を有する高周波半導体パッケージを提供できる。
【0028】
【実施例】
次に、本発明の高周波信号伝送用積層構造について具体例を説明する。
〔例1〕
まず、本発明の請求項1に係る第1の高周波信号伝送用積層構造を示す図1と同様の構成にて、比誘電率が9.2で厚みが0.2mmの誘電体層1を9層積層して積層板とし、信号配線導体11の幅を0.21mmで形成し、信号配線接続導体13,23の幅を0.21mmで信号配線導体11,21と表面信号用貫通導体14,24までの距離を0.13mmにて形成し、表層信号用貫通導体14,24および内層信号用貫通導体34を直径0.1mmの円形状に形成し、信号用貫通導体接続導体を幅0.16mmの矩形状とし、内層接地内層接地導体非形成領域36は直径が1.24mmの円形状に、共振制御用接地導体非形成領域37は直径が1.04mmの円形状に、内層接地用貫通導体35は直径0.1mmの円形状にて内層接地導体非形成領域36および共振制御用接地導体非形成領域37の外周より中心が0.08mmだけ離れた位置の円周上の8箇所に配置することで構成し、そして、表層信号用貫通導体14,24および内層信号用貫通導体34の9層間のずれを表面側から0.195mm, 0.115mm, 0.075mm, 0.055mm, 0.055mm, 0.075mm, 0.115mm, 0.195mmとし、表層信号配線導体11,21の信号配線接続導体13,23と反対側の端部間を上方から見て2.0mmとすることにより、本発明の高周波信号伝送用積層構造の試料Aを得た。
【0029】
また、比較例としての高周波信号伝送用積層構造を示す図7と同様の構成にて、上記試料Aに対して共振制御用接地導体非形成領域を設けず、内層接地導体非形成領域36を全ての層で同一形状とすることにより、比較例としての高周波信号伝送用積層構造の試料Bを得た。
【0030】
そして、これらの試料A・Bについて、下面における信号配線導体21の端部から上面における信号配線導体11の端部間の電気的特性を電磁界シミュレーションにより抽出すると、図4に線図で示すような周波数特性の特性曲線が得られた。図4において、横軸は周波数(単位:GHz)、縦軸は入力した信号のうちの反射された量の評価指標としての反射係数(単位:dB)を示しており、特性曲線は反射係数の周波数特性を示している。また、特性曲線に付記したA・Bは各々試料A・Bの特性曲線であることを示している。
【0031】
この結果から、本発明の高周波信号伝送用積層構造である試料Aは共振周波数が47.4GHzであり、比較例としての高周波信号伝送用積層構造である試料Bの共振周波数が45.3GHzであるのに対して、共振周波数が高周波側に移動しており、広帯域化がなされた高周波信号伝送用積層構造であることが分かる。
〔例2〕
まず、本発明の請求項2に係る第2の高周波信号伝送用積層構造を示す図2と同様の構成にて、上記〔例1〕の試料Aと同様に、ただし、上面の信号配線導体11の線幅を0.14mmとし、上面の信号配線接続導体13の線幅を0.16mmとし、積層基板1の最上層の上面には表層信号用貫通導体14および信号配線接続導体13を取囲む状態で内層接地導体非形成領域36と形状を一致させて、信号配線導体11に対し0.10mmの間隔をあけて表面接地導体12を形成し、さらにこの表面接地導体12と内層接地導体32との間を上下に貫く直径0.1mmの表層接地用貫通導体15により接続することにより、本発明の高周波信号伝送用積層構造の試料Cを得た。
【0032】
また、比較例としての高周波信号伝送用積層構造を示す図8と同様の構成にて、上記試料Cに対して共振制御用接地導体非形成領域を設けず、内層接地導体非形成領域36を全ての層で同一形状とすることにより、比較例としての高周波信号伝送用積層構造の試料Dを得た。
【0033】
そして、これらの試料C・Dについて、最下層の下面における信号配線導体21の端部から最上層の上面における信号配線導体11の端部間の電気的特性を電磁界シミュレーションにより抽出すると、図5に線図で示すような周波数特性の特性曲線が得られた。図5において、横軸は周波数(単位:GHz)、縦軸は入力した信号のうちの反射された量の評価指標としての反射係数(単位:dB)を示しており、特性曲線は反射係数の周波数特性を示している。また、特性曲線に付記したC・Dは各々試料C・Dの特性曲線であることを示している。
【0034】
この結果から、本発明の高周波信号伝送用積層構造である試料Cは共振周波数が48.3GHzであり、比較例としての高周波信号伝送用積層構造である試料Dの共振周波数が45.8GHzであるのに対して、共振周波数が高周波側に移動しており、広帯域化がなされた高周波信号伝送用積層構造であることが分かる。
〔例3〕
まず、本発明の請求項2に係る第3の高周波信号伝送用積層構造を示す図3と同様の構成にて、上記〔例1〕の試料Aと同様に、ただし、最上層の上面および最下層の下面の信号配線導体11,21の線幅を0.14mmとし、最上層の上面および最下層の下面の信号配線接続導体13,23の線幅を0.16mmとし、積層基板1の最上層の上面および最下層の下面には表層信号用貫通導体14,24および信号配線接続導体13,23を取囲む状態で内層接地導体非形成領域36と形状を一致させて、信号配線導体11,21に対し0.10mmの間隔をあけて表面接地導体12,22を形成し、さらにこの表面接地導体12,22と内層接地導体32との間を上下に貫く直径0.1mmの表層接地用貫通導体15,25により接続することにより、本発明の高周波信号伝送用積層構造の試料Eを得た。
【0035】
また、上記試料Eと同様に、ただし、共振制御用接地導体非形成領域37を直径が0.84mmの円形状とすることにより、本発明の高周波信号伝送用積層構造の試料Fを得た。
【0036】
さらに、比較例としての高周波信号伝送用積層構造を示す図9と同様の構成にて、上記試料Eに対して共振制御用接地導体非形成領域を設けず、内層接地導体非形成領域36を全ての層で同一形状とすることにより、比較例としての高周波信号伝送用積層構造の試料Gを得た。
【0037】
そして、これらの試料E・F・Gについて、最下層の下面における信号配線導体21の端部から最上層の上面における信号配線導体11の端部間の電気的特性を電磁界シミュレーションにより抽出すると、図6に線図で示すような周波数特性の特性曲線が得られた。図6において、横軸は周波数(単位:GHz)、縦軸は入力した信号のうちの反射された量の評価指標としての反射係数(単位:dB)を示しており、特性曲線は反射係数の周波数特性を示している。また、特性曲線に付記したE・F・Gは各々試料E・F・Gの特性曲線であることを示している。
【0038】
この結果から、本発明の高周波信号伝送用積層構造である試料Eは共振周波数が49.1GHzであり、また、本発明の高周波信号伝送用積層構造である試料Fは共振周波数が52.6GHzであり、比較例としての高周波信号伝送用積層構造である試料Gの共振周波数が46.8GHzであるのに対して、共振周波数が高周波側に移動しており、広帯域化がなされた高周波信号伝送用積層構造であることが分かる。特に、共振制御用接地導体非形成領域37が最も小さい試料Fはその傾向は顕著であり、より広帯域化がなされた。
【0039】
なお、以上はあくまで本発明の実施形態の例示であって、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改良を加えることは何ら差し支えない。
【0040】
例えば、本発明の実施形態の例示では、表面接地導体非形成領域ならびに内層接地導体非形成領域、共振制御用接地導体非形成領域の形状として、円形状を示したが、その他、楕円形状・偶多角形状等の2軸対称形状を用いることも可能である。さらに、内層接地導体非形成領域と共振制御用接地導体非形成領域とは相似関係である必要はなく、各々が異なる2軸対称形状であってもよい。しかし、これらの構造について、導波管の遮断周波数に対しては同等の領域を占有する場合において、円形状を用いることが最も高い遮断周波数を有することから、広帯域化に対しては円形状が最も良い。すなわち、例えば、接地導体が直径1.26mmの円形でその中心に直径0.10mmの信号導体があり、その間を比誘電率9.2の誘電体を充填した断面を持つ特性インピーダンスが50Ωのいわゆる同軸線路における高次モード(TE11モード)の遮断周波数は45.5GHzであり、一方、比較として接地導体が一辺1.17mmの正方形でその中心に直径0.10mmの信号導体があり、その間を比誘電率9.2の誘電体を充填した断面を持つ特性インピーダンスが50Ωの伝送線路における高次モード(TE10モード)の遮断周波数は41.8GHzであるから、円形状を用いた方が、より遮断周波数を高くすることができると言える。
【0041】
また、共振制御用接地導体非形成領域が設けられる層が増加すれば伝送距離が増加するためにリアクタンス減衰量は増加するので、遮断効果が期待できるが、その距離が長くなり過ぎると、遮断周波数までの周波数においては容量が増加するために特性インピーダンスの低下が顕著に現れるために、反射の増大を招くという悪影響があるので、その距離すなわち共振制御用接地導体非形成領域が設けられる層は適宜決定すれば良い。
【0042】
また、積層基板の上面および/または下面に表面接地導体を設ける場合には、表面接地導体は信号配線導体の両側に所定幅をあけて形成することで高周波伝送線路として成すことが主たる目的であり、必ずしも信号配線接続導体を取り囲んでいなくとも高周波特性に優れるが、信号配線接続導体を取り囲んだ構造に近づけることでより好適な高周波伝送特性を有する構造となる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の高周波信号伝送用積層構造によれば、4層以上の誘電体層を積層して成る積層基板の最上層および最下層のそれぞれに形成した信号配線導体が、互いに一端から逆方向に延びる関係にあり、これら各信号配線導体の一端と、前記最上層および前記最下層の誘電体層を上下に貫く表層信号用貫通導体とを、信号配線接続導体を介して接続し、前記最上層および前記最下層を除く内層の各層に、平面形状が円形状、楕円形状または偶多角形状を成す内層接地導体非形成領域と、内層接地導体とを形成し、前記内層接地導体非形成領域には、前記内層の各層を上下に貫く内層信号用貫通導体に接続する信号用貫通導体接続導体を形成し、前記内層接地導体非形成領域の外周の外側に、前記内層の各層を上下に貫く内層接地用貫通導体を形成することで前記内層接地導体間を接続し、前記表層信号用貫通導体を前記信号配線接続導体の長さが短くなるように、前記内層接地導体非形成領域の外周の内側に配置し、前記内層信号用貫通導体を前記表層信号用貫通導体間がなめらかに接続されるように順次ずらして配置するとともに、前記内層を成す各層のうち中間に位置する層に形成された前記内層接地導体非形成領域を、他の層に形成された前記内層接地導体非形成領域よりも狭い領域に形成したことから、内層部において内層接地導体および内層接地用貫通導体で取り囲まれた電磁遮蔽空間が形成されているために、この電磁遮蔽空間が円筒誘電体共振器として働く結果、共振による使用可能周波数帯域の制限が生じる場合と比較して、中間層近傍の内層接地導体非形成領域が小さくなっていることで共振制御層として働く。すなわち、共振制御層における円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数が他層の円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数よりも高いためにリアクタンス減衰器とみなされることから高次モード伝搬が抑圧される結果、円筒誘電体共振モードに準じた共振は高周波側へ移動するために、使用可能周波数帯域が広くなる。その結果、使用可能周波数帯域の広帯域化がなされた高周波信号伝送用積層構造となる。
【0044】
また、請求項2の高周波信号伝送用積層構造によれば、請求項1の高周波信号伝送用積層構造において、前記積層基板の最上層の上面および/または最下層の下面において、前記表層信号用貫通導体および前記信号配線接続導体を取囲む状態で、前記信号配線導体に対し所定間隔をあけて表面接地導体を形成し、且つ該表面接地導体と前記内層接地導体との間を上下に貫く表層接地用貫通導体により接続したことから、内層部において内層接地導体および内層接地用貫通導体で取り囲まれた電磁遮蔽空間が形成されているために、この電磁遮蔽空間が円筒誘電体共振器として働く結果、共振による使用可能周波数帯域の制限が生じる場合と比較して、中間層近傍の内層接地導体非形成領域が小さくなっていることで共振制御層として働く。すなわち、共振制御層における円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数が他層の円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数よりも高いためにリアクタンス減衰器とみなされることから高次モード伝搬が抑圧される結果、円筒誘電体共振モードに準じた共振は高周波側へ移動するために、使用可能周波数帯域が広くなる。さらに、入出力線路としてコプレナ線路として構成することで、外部配線がコプレナ線路の場合に、外部配線との接続におけるインピーダンスの不連続性を小さくすることができる構造となる上、共振周波数は表面接地導体および表層接地用貫通導体が設けられない場合と比較して、一方面、さらに両面に設けるにしたがって高くなる。その結果、使用可能周波数帯域の広帯域化がなされた高周波信号伝送用積層構造となる。
【0045】
また、請求項3の高周波信号伝送用積層構造によれば、請求項1の高周波信号伝送用積層構造において、前記積層基板の最上層の上面および/または最下層の下面において、前記信号配線導体に対し所定間隔をあけて表面接地導体を形成し、且つ該表面接地導体と前記内層接地導体との間を上下に貫く表層接地用貫通導体により接続したことから、内層部において内層接地導体および内層接地用貫通導体で取り囲まれた電磁遮蔽空間が形成されているために、この電磁遮蔽空間が円筒誘電体共振器として働く結果、共振による使用可能周波数帯域の制限が生じる場合と比較して、中間層近傍の内層接地導体非形成領域が小さくなっていることで共振制御層として働く。すなわち、共振制御層における円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数が他層の円筒導波管モード(TE11モード)の遮断周波数よりも高いためにリアクタンス減衰器とみなされることから高次モード伝搬が抑圧される結果、円筒誘電体共振モードに準じた共振は高周波側へ移動するために、使用可能周波数帯域が広くなる。さらに、入出力線路としてコプレナ線路として構成することで、外部配線がコプレナ線路の場合に、外部配線との接続におけるインピーダンスの不連続性を小さくすることができる構造となる上、表層接地導体を信号配線導体の両脇のみに形成したことから、表層から内層へ(もしくは内層から表層へ)向かう電磁波の直進性に対して伝搬モードを安定に維持したままに伝搬方向を変えることが安定してできるので、反射が生じにくく、インピーダンス整合が良好に行なえる。その結果、使用可能周波数帯域の広帯域化がなされた高周波信号伝送用積層構造となる。
【0046】
さらに、請求項4の高周波半導体パッケージによれば、例えば請求項1乃至2の高周波信号伝送用積層構造を有する積層基板の上面に高周波半導体素子を収容するように枠体および蓋体を形成し、積層基板の下面における信号配線導体の信号配線接続導体と反対側に外部との信号入出力のための入出力信号配線接続導体を形成したことにより、高周波の伝送特性が良好な高周波半導体パッケージとして提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の高周波信号伝送用積層構造の一例を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA-A'線断面図である。
【図2】本発明に係る第2の高周波信号伝送用積層構造の一例を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA-A'線断面図である。
【図3】本発明に係る第3の高周波信号伝送用積層構造の一例を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA-A'線断面図である。
【図4】本発明の第1の高周波信号伝送用積層構造および比較例としての高周波信号伝送用積層構造の高周波特性を比較した線図である。
【図5】本発明の第2の高周波信号伝送用積層構造および比較例としての高周波信号伝送用積層構造の高周波特性を比較した線図である。
【図6】本発明の第3の高周波信号伝送用積層構造および比較例としての高周波信号伝送用積層構造の高周波特性を比較した線図である。
【図7】高周波信号伝送用積層構造の一比較例を示す平面図ならびに断面図である。
【図8】高周波信号伝送用積層構造の他の比較例を示す平面図ならびに断面図である。
【図9】高周波信号伝送用積層構造のさらに他の比較例を示す平面図ならびに断面図である。
【図10】高周波信号伝送用積層構造(比較例)の高周波特性例を示す線図である。
【図11】本発明に係る第2の高周波信号伝送用積層構造の他の一例を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA-A'線断面図である。
【図12】本発明に係る高周波信号伝送用積層構造を用いた高周波半導体パッケージの一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・誘電体層
11,21・・・・・信号配線導体
12,22・・・・・表面接地導体
13,23・・・・・信号配線接続導体
14,24・・・・・表層信号用貫通導体
15,25・・・・・表層接地用貫通導体
16,26・・・・・表面接地導体非形成領域
32・・・・・内層接地導体
33・・・・・信号用貫通導体接続導体
34・・・・・内層信号用貫通導体
35・・・・・内層接地用貫通導体
36・・・・・内層接地導体非形成領域
37・・・・・共振制御用接地導体非形成領域

Claims (4)

  1. 4層以上の誘電体層を積層して成る積層基板の最上層および最下層のそれぞれに形成した信号配線導体が、互いに一端から逆方向に延びる関係にあり、これら各信号配線導体の一端と、前記最上層および前記最下層の誘電体層を上下に貫く表層信号用貫通導体とを、信号配線接続導体を介して接続し、前記最上層および前記最下層を除く内層の各層に、平面形状が円形状、楕円形状または偶多角形状を成す内層接地導体非形成領域と、内層接地導体とを形成し、前記内層接地導体非形成領域には、前記内層の各層を上下に貫く内層信号用貫通導体に接続する信号用貫通導体接続導体を形成し、前記内層接地導体非形成領域の外周の外側に、前記内層の各層を上下に貫く内層接地用貫通導体を形成することで前記内層接地導体間を接続し、前記表層信号用貫通導体を前記内層接地導体非形成領域の外周の内側に配置し、且つ前記内層信号用貫通導体を前記表層信号用貫通導体間が接続されるように順次ずらして配置するとともに、前記内層を成す各層のうち中間に位置する層に形成された前記内層接地導体非形成領域を、他の層に形成された前記内層接地導体非形成領域よりも狭い領域に形成したことを特徴とする高周波信号伝送用積層構造。
  2. 前記積層基板の最上層の上面および/または最下層の下面において、前記表層信号用貫通導体および前記信号配線接続導体を取囲む状態で、前記信号配線導体に対し所定間隔をあけて表面接地導体を形成し、且つ該表面接地導体と前記内層接地導体との間を上下に貫く表層接地用貫通導体により接続したことを特徴とする請求項1に記載の高周波信号伝送用積層構造。
  3. 前記積層基板の最上層の上面および/または最下層の下面において、前記信号配線導体に対し所定間隔をあけて表面接地導体を形成し、且つ該表面接地導体と前記内層接地導体との間を上下に貫く表層接地用貫通導体により接続したことを特徴とする請求項1に記載の高周波信号伝送用積層構造。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の高周波信号伝送用積層構造を構成する前記積層基板の上面に枠体を設け、該枠体内に高周波半導体素子を収容するとともに、前記枠体を蓋体で覆うようにしたことを特徴とする高周波半導体パッケージ。
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