JP3924061B2 - 競技場等に用いる人工芝生およびその製造方法 - Google Patents

競技場等に用いる人工芝生およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、競技場等に用いる人工芝生に関し、さらに詳しくは、運動競技場あるいは公園などに設置され、芝目内に砂などの充填物を充填して使用される競技場等に用いる人工芝生である。また本発明は、上記人工芝生の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
運動競技場あるいは公園などに敷設される人工芝生は、通常ポリプロピレンやナイロン等のパイル糸を基布に植設したものが広く用いられている。これらの人工芝生は耐久性があり、水はけがよく、手入れが容易であるなどの利点が多いが、長期間の使用に対してパイル糸のへたりが生じたり、運動競技者に対してクッション性が不十分であるなどの理由で芝目内に砂などの充填物を充填した砂入り人工芝生が多用されるようになっている。しかしながら、通常の直毛パイル糸が植設された人工芝生では、直立して植設されているパイル糸は砂を充填するとき、投入された砂により芝目に方向性が生じて砂を均一に充填するのが困難であったり、また使用中に砂が偏在して人工芝生表面に凹凸箇所や硬軟箇所を生じるなどの問題があった。
【0003】
このような問題を解決するために、特開平1−135312号公報には、ストレートパイル糸とこのストレートパイル糸より背の低い捲縮パイル糸とを交互に基材に植毛した人工芝の芝目の中に砂を散布した人工芝グランドが開示されている。しかしながら、この方法においては、ストレートパイル糸を捲縮させるために捲縮工程を余分に必要とするためにコスト高となり、安価で砂などの偏在を起こさない人工芝生の開発が要望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みて、砂などを均一に充填することが容易で、かつ使用中に砂などの偏在を生じることのないクッション性にすぐれた競技場等に用いる人工芝生を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を技術的に解決するために、下記の(1)〜(5)の性状を有するメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体50〜90重量%と、曲げ弾性率800MPa以上のポリオレフィン系樹脂10〜50重量%とからなる樹脂組成物を用いて形成した熱収縮性パイル糸と、直毛パイル糸とを混在させて基布に植設してなり、前記熱収縮性パイル糸が熱収縮してなることを特徴とする競技場等に用いる人工芝生およびその製造方法を提供して、上記課題を解消するものである。
(1)メルトフローレートが0.1〜10g/10min.
(2)密度が0.90〜0.93g/cm
(3)DSCによる最大ピーク温度(Tm)が80〜125℃
(4)分子量分布(Mw/Mn)が1.8〜3.5
(5)メルトテンションが0.5〜4g
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体とは、下記の(1)〜(5)の性状を有するエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体である。
【0007】
(1)メルトフローレート(以下、MFRと略す)は0.1〜10g/10min.、好ましくは0.5〜5g/10min.である。 MFRが0.1g/10min.未満ではの成形加工性が劣り、10g/10min.を超えると延伸倍率を上げても得られるパイル糸の熱収縮性が向上しないので好ましくない。
【0008】
(2)密度は0.90〜0.93g/cm3、好ましくは0.91〜0.92g/cm3である。密度が0.90g/cm3未満では耐摩耗性が低下し、0.93g/cm3を超えると熱収縮性が低下するので好ましくない。
【0009】
(3)DSCによる最大ピーク温度(Tm)が80〜125℃、好ましくは90〜120℃である。DSCによる最大ピーク温度(Tm)が80℃未満では延伸温度との差が小さくなりすぎ、125℃を超えると最適延伸温度が高くなりすぎて好ましくない。
【0010】
(4)分子量分布(Mw/Mn)が1.8〜3.5、好ましくは2.2〜3.0である。Mw/Mnが1.8未満では成形加工性が劣り、3.5以上では延伸性が劣り好ましくない。
【0011】
(5)メルトテンションが0.5〜4g、好ましくは1.0〜3gである。メルトテンションが0.5g未満では成形安定性が劣り、4gを超えるものは製造が困難である。
【0012】
上記エチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法は、特開昭58−19309号公報、特開昭59−95292号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭60−35009号公報などに記載されているメタロセン触媒を使用してエチレンとα−オレフィンを共重合させて得ることができる。
【0013】
上記メタロセン触媒は、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド(Cp2ZrCl2)に代表されるメタロセン化合物と、メチルアルミノキサン(MAO)などを助触媒として構成される触媒である。
【0014】
上記メタロセン化合物としては、シクロペンタジエニル環、アルキル基等で置換した置換シクロペンタジエニル環、インデニル環等を有する配位子および水素、ハロゲン原子、アルキル基等がジルコニウム、チタン、ハフニウム等の遷移金属に結合した化合物であって、その具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド等が挙げられる。
【0015】
上記メタロセン化合物に対して助触媒として、アルミノキサンまたは硼素化合物等を使用することができる。アルミノキサンとしては、通常、トリアルキルアルミニウムと水を接触させて生成された鎖状あるいは環状アルミノキサンが好ましい。代表的なメチルアルミノキサン(MAO)はトリメチルアルミニウムと水との反応によって得ることができる。また、上記メタロセン触媒は、無機酸化物などに担持して使用することができる。
【0016】
重合方法については特に限定されるものではなく、高圧法、溶液法、気相法、スラリー法等で製造される。
【0017】
エチレンと共重合されるα−オレフィンとしては、炭素数3以上のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらの1種または2種以上のα−オレフィンを5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%を、エチレン50〜95重量%、好ましくは70〜90重量%と共重合させるとよい。
【0018】
本発明に用いられる曲げ弾性率が800MPa以上のポリオレフィン系樹脂とは、具体的には、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体などのポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレンなどである。これらの内では、曲げ弾性率が1000MPa以上のポリプロピレン、高密度ポリエチレンなどがより好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂のMFRは好ましくは0.1〜10g/10min.、より好ましくは0.5〜5g/10min.の範囲から選択するのがよい。
【0019】
前記メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体と上記ポリオレフィン系樹脂を配合する割合は、エチレン・α−オレフィン共重合体が50〜90重量%、ポリオレフィン系樹脂が10〜50重量%であり、好ましくはエチレン・α−オレフィン共重合体が60〜80重量%、ポリオレフィン系樹脂が20〜40重量%である。つまり、ポリオレフィン系樹脂が50重量%を超えると熱収縮性パイル糸の収縮率が低下して本発明の目的の達成が困難となるうえ、柔軟性が劣り好ましくない。また、10重量%未満では熱収縮性パイル糸の腰が弱く、へたりが生じて好ましくない。
【0020】
本発明の競技場等に用いる人工芝生用熱収縮性パイル糸を形成する方法は、原料として前記エチレン・α−オレフィン共重合体と曲げ弾性率が800MPa以上のポリオレフィン系樹脂との混合物を用いて、フラットヤーン、モノフィラメント、扁平モノフィラメントなどを成形し、これらを単独または混用して熱収縮性パイル糸を形成するものである。
【0021】
上記フラットヤーンの成形方法は、上記混合物を押出機を用いて溶融押出し、Tダイ法またはインフレーション法にてフィルムを成形し、一旦冷却固化したフィルムをスリットした後延伸可能な温度まで再加熱して延伸し、次いで熱処理してフラットヤーンを形成する。このフラットヤーンは、さらに回転する針布ロールなどで割繊してスプリットヤーンとすることもできる。ここでの延伸温度は、好ましくは70〜120℃、より好ましくは80〜110度である。延伸温度が70℃未満では白化が生じたり延伸性が低下し、120℃を超えると熱収縮率が低下して好ましくない。また延伸倍率は好ましくは5〜12倍、より好ましくは8〜10倍である。延伸倍率が5倍より小さいと機械的強力が不十分となり、12倍より大きいと糸割れを生じて好ましくない。延伸の際の加熱方式としては、熱ロール式、熱板式、赤外線式、熱風式等いずれの方式も採用できる。
【0022】
上記フラットヤーンは、単糸繊度は好ましくは100〜10000デニール(以下、dと略す)、より好ましくは1000〜8000dである。フラットヤーンの幅は好ましくは0.5〜50mm、より好ましくは2〜20mmで、厚みは好ましくは30〜150μm、より好ましくは50〜100μmである。このフラットヤーンは、1本単独で、あるいは複数本撚り加工して熱収縮性パイル糸として用いることができる。
【0023】
上記モノフィラメント、扁平モノフィラメントの成形方法は公知のモノフィラメント成形法を用いて成形される。上記モノフィラメント、扁平モノフィラメントの単糸繊度は好ましくは200〜2000dで、1本単独で、あるいは複数本撚り加工して熱収縮性パイル糸として用いることができる。
【0024】
本発明の競技場等に用いる人工芝生を形成する方法は、まず上記熱収縮性パイル糸と従来から一般に用いられているポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデンなどから形成されてなる直毛パイル糸とを混在させて基布に植設して人工芝生原反を形成する。熱収縮性パイル糸と直毛パイル糸とを混在させて基布に植設するとは、熱収縮性パイル糸と直毛パイル糸を1本ずつまたは複数本ずつ交互に基布に植設したものであってもよいし、あるいは熱収縮性パイル糸と直毛パイル糸の混撚糸を基布に植設したものであってもよい。ここでの熱収縮性パイル糸と直毛パイル糸の割合は、30:70〜70:30の範囲が好ましく、40:60〜60:40の範囲がより好ましい。
【0025】
ついで、上記人工芝生原反にバッキング加工が施されて人工芝生が形成されるが、バッキング層も従来と同様のポリ塩化ビニルまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体等が主体として使用される。バッキング加工温度は熱収縮性パイル糸を形成する樹脂の融点未満で、バッキング層を形成する樹脂の軟化点以上の温度範囲で行われ、通常100〜140℃であり、120〜130℃がより好ましい。
【0026】
上記人工芝生においては、熱収縮性パイル糸がバッキング加工工程中の熱により熱収縮して背丈が短くなり、かつ屈曲し、からみあうなど不規則な配列を構成するために嵩高現象を呈することになる。一方直毛パイル糸は熱収縮を生じないので直立している。したがって、直立して背丈の高い直毛パイル糸と熱収縮して背丈の低い熱収縮性パイル糸が混在しているパイル糸長さが不揃いの人工芝生となることが肝要である。このようなパイル糸が不揃いの人工芝生は天然芝生に似た外観を呈し、かつ芝目に方向性のないものが得られる。
【0027】
この人工芝生に砂などの充填物を充填して競技場等に用いる人工芝生を形成するが、芝目に方向性がないので充填密度にムラなく充填物を充填可能である。充填物の量は熱収縮した熱収縮性パイル糸が丁度埋没する程度が好ましい。充填物より上方に直立する直毛パイル糸は、人工芝生を踏む足の力により一方向へ引っ張られて充填物が使用中に偏在してしまう原因となるが、充填物に埋没した熱収縮性パイル糸は充填物とともに移動するので適度のクッション性を備えるとともに、充填物の偏在を防止するものである。このようにして、長期間の使用に対しても充填物の偏在を生じることのない耐久性を有する競技場等に用いる人工芝生を得ることができる。
【0028】
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂には、その使用目的により本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、無機充填剤、有機充填剤、架橋剤、発泡剤、核剤等の添加剤を配合してもよい。
【0029】
【実施例】
(試験方法)
1.DSCによる最大ピーク温度(Tm):JISK7121準拠
2.分子量分布(Mw/Mn):GPC法
3.メルトテンション:東洋精機(株)製メルトテンションテスターにより測定(測定温度190℃)
4.曲げ弾性率:JISK6758準拠
5.引張強力:JISL1068準拠
6.引張伸び:JISL1068準拠
7.熱収縮率:100、90、80℃のエチレングリコールバスに10分間浸漬前後の収縮率を測定した。
8.剛軟度:JISL1096準拠
【0030】
実施例1:
メタロセン触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0g/10min.、密度=0.913g/cm3、Tm=114℃、Mw/Mn=2.5)70重量%と高密度ポリエチレン(MFR=0.8、密度=0.953g/10min.、曲げ弾性率=1300MPa)30重量%との混合物を用いて、インフレーション法によりフィルムを形成し、冷却してスリット後延伸温度115℃、アニーリング温度90℃で熱板接触式延伸法にて5.2倍延伸で繊度6000dのフラットヤーンを得た。同フラットヤーンの100℃における収縮率は45%であった。
【0031】
上記フラットヤーンからなる熱収縮性パイル糸と、ナイロン製6000dフラットヤーンからなる直毛パイル糸を1本ずつ交互に基布に植設した人工芝生原反を形成し、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主体としてバッキング加工を120℃で行った。この人工芝生の直毛パイル糸の長さは22mmであり、上記フラットヤーンからなる熱収縮を生じた熱収縮性パイル糸の長さは13mmであった。
【0032】
この人工芝生に対して熱収縮性パイル糸が埋没するまで砂を充填して競技場に設置した。この人工芝生は、クッション性に富み、長期間の使用後も砂が偏在しないことを確認した。その評価結果を表1に示す。
【0033】
実施例2:
フラットヤーン原料として、メタロセン触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0g/10min.、密度=0.913g/cm3、Tm=114℃、Mw/Mn=2.5)70重量%とポリプロピレン(MFR=1.2、密度=0.9g/10min.、曲げ弾性率=1250MPa)30重量%との混合物を用いて、インフレーション法によりフィルムを形成し、冷却してスリット後延伸温度120℃、アニーリング温度95℃で熱板接触式延伸法にて5.2倍延伸で繊度6000dのフラットヤーンを得た。同フラットヤーンの100℃における収縮率は50%であった。その他は実施例1と同様に行った。
【0034】
この人工芝生は、腰があるとともにクッション性に富み、長期間の使用後も砂が偏在しないことを確認した。その評価結果を表1に示す。
【0035】
比較例1:
フラットヤーン原料として、メタロセン触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0g/10min.、密度=0.913g/cm3、Tm=114℃、Mw/Mn=2.5)を用いた他は実施例1と同様に行った。
【0036】
得られた熱収縮性パイル糸は熱収縮後の風合いが柔らかすぎ、これを用いて形成した人工芝生はクッション性に劣り好ましくなかった。その評価結果を表1に示す。
【0037】
比較例2:
フラットヤーン原料として、メタロセン触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0g/10min.、密度=0.913g/cm3、Tm=114℃、Mw/Mn=2.5)40重量%とポリプロピレン(MFR=1.2、密度=0.9g/10min.、曲げ弾性率=1250MPa)60重量%との混合物を用いた他は実施例2と同様に行った。同フラットヤーンの100℃における収縮率は30%であった。
【0038】
得られた熱収縮性パイル糸は、収縮率が小さく本発明の目的を達成することは困難であった。その評価結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003924061
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体および特定のポリオレフィン系樹脂を特定の割合で配合した樹脂組成物を用いて形成したフラットヤーンおよび/またはモノフィラメントからなる熱収縮性パイル糸と、従来から用いられている直毛パイル糸とを混在して植設した人工芝生であって、前記熱収縮性パイル糸がバッキング加工時の熱により熱収縮して背丈が短くなり、かつ屈曲し、からみあうなど不規則な配列を構成するために嵩高現象を呈することになる。一方直毛パイル糸は熱収縮を生じないので直立している。したがって、直立して背丈の高い直毛パイル糸と熱収縮して背丈の低い熱収縮性パイル糸が混在しているパイル糸長さが不揃いの人工芝生となる。このようなパイル糸が不揃いの人工芝生は天然芝生に似た外観を呈し、かつ芝目に方向性のないものが得られる。
【0041】
この人工芝生に砂などの充填物を充填して競技場等に用いる人工芝生を形成するが、芝目に方向性がないので充填密度にムラなく充填物を充填可能である。充填物の量は熱収縮した熱収縮性パイル糸が丁度埋没する程度が好ましく、充填物より上方に直立する直毛パイル糸は、人工芝生を踏む足の力により一方向へ引っ張られて充填物が使用中に偏在してしまう原因となるが、充填物に埋没した熱収縮性パイル糸は充填物とともに移動するので適度のクッション性を備えるとともに、充填物の偏在を防止するものである。このようにして、長期間の使用に対しても充填物の偏在を生じることのない耐久性を有する競技場等に用いる人工芝生を得ることができる。

Claims (3)

  1. 下記の(1)〜(5)の性状を有するメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体50〜90重量%と、曲げ弾性率が800MPa以上のポリオレフィン系樹脂10〜50重量%とからなる樹脂組成物を用いて形成した熱収縮性パイル糸と、直毛パイル糸とを混在させて基布に植設してなり、前記熱収縮性パイル糸が熱収縮してなることを特徴とする競技場等に用いる人工芝生。
    (1)メルトフローレートが0.1〜10g/10min.
    (2)密度が0.90〜0.93g/cm
    (3)DSCによる最大ピーク温度(Tm)が80〜125℃
    (4)分子量分布(Mw/Mn)が1.8〜3.5
    (5)メルトテンションが0.5〜4g
  2. 下記の(1)〜(5)の性状を有するメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体50〜90重量%と、曲げ弾性率が800MPa以上のポリオレフィン系樹脂10〜50重量%とからなる樹脂組成物を用いて形成した熱収縮性パイル糸と、直毛パイル糸とを混在させて基布に植設してから、前記熱収縮性パイル糸を熱収縮させることを特徴とする競技場等に用いる人工芝生の製造方法。
    (1)メルトフローレートが0.1〜10g/10min.
    (2)密度が0.90〜0.93g/cm
    (3)DSCによる最大ピーク温度(Tm)が80〜125℃
    (4)分子量分布(Mw/Mn)が1.8〜3.5
    (5)メルトテンションが0.5〜4g
  3. 前記熱収縮性パイル糸と前記直毛パイル糸とを混在させて基布に植設してからバッキング加工し、該バッキング加工の加工工程中の熱により前記熱収縮性パイル糸を熱収縮させる請求項2記載の人工芝生の製造方法。
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