JP3923751B2 - 電動工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータを収容したハウジングの側面に、モータの冷却用空気の排気口を形成したポリッシャやサンダ等の電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリッシャやサンダ等の電動工具においては、ハウジングに収容したモータの出力軸に冷却用ファンを固着し、モータの駆動に伴う冷却用ファンの回転で、ハウジングに設けた吸気口から冷却用空気を取り込み、ハウジング内を通過させて同じくハウジングの側面に設けた排気口から排気することで、モータの冷却が可能となっている。
一方、上記電動工具においては、当該工具の操作用に、ハウジングの側方にグリップを装着したものがある。よって、グリップの装着位置が排気口の近傍にあると、モータの冷却によって温度上昇した冷却用空気がグリップを把持する手に当たり、不快感を生じさせてしまう。そこで、冷却用空気が手に当たらないように、排気口の一部を閉塞部材で閉塞したり(例えば実開昭52−125784号公報や実用新案登録第2516194号掲載公報等)、ハウジングに排気の方向を変える案内部材を、ネジや係止構造、或いは単に弾性を利用して設けたり(例えば実開昭52−125786号公報や実開昭55−55379号公報等)する技術等が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前者の排気口を閉塞する構造は、冷却用空気による不快感の発生は防止される反面、排気口の開口面積が減少することでモータの冷却効果が低下してしまう。又、後者の案内部材を設けるものは、ハウジングに取り付けるための構造が別途必要となってコストアップに繋がり、ハウジングに弾性的に外装させるものでは位置ズレや脱却のおそれが生じて信頼性に欠ける。
【0004】
そこで、請求項1に記載の発明は、冷却用空気の吹き出しによる不快感の発生を、冷却作用に影響を与えることなく、簡単な構造で確実に防止できる電動工具を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングとグリップとの間に、グリップのねじ込み装着によってハウジングとグリップとの間で挟持固定され、その挟持固定状態で排気口からの冷却用空気の吹き出し方向前方に位置してグリップ側への冷却用空気の吹き出しを阻止可能な防風板を設け、その防風板における被挟持部分に、グリップのネジ部を中心とした所定の回転位置でハウジングの側面に当接して防風板の回転を規制可能な円弧状のリブを立設したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、ハウジングの側面にグリップの装着用のネジ孔を複数箇所形成してグリップの装着位置を選択可能としたものにおいて、構成の合理化を図るために、防風板を、グリップの何れの装着位置でもグリップ側への冷却用空気の吹き出しを阻止する姿勢で挟持固定可能としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ポリッシャの分解斜視図で、ポリッシャ1は、図示しないモータを収容した筒状のハウジング2の下方に、モータの駆動で回転するスピンドルを突出し、スピンドルの先端に円盤状のパッド3を装着してなる。又、ハウジング2の一側面には、ハンドル4が直交状に延設されている。
更に、ハウジング2におけるパッド3と反対側の端面には、冷却用空気の吸気口5,5・・が形成される一方、ハウジング2におけるパッド3寄りで、ハンドル4を挟んだ左右の両側面には、図2にも示すように、冷却用空気の排気口6,6・・が左右対称に形成されている。この排気口6,6・・は、モータの出力軸に固着された冷却用ファンの外周位置にあって、モータの駆動に伴って冷却用ファンが回転すると、吸気口5,5・・から吸い込まれた冷却用空気がハウジング2内を通過してモータを冷却した後の出口となるものである。
【0007】
そして、ハウジング2の両側面で排気口6,6・・とパッド3との間には、ネジ孔7,7を形成したボス8,8が突設され、そのボス8,8にグリップ9が装着可能となっている。このグリップ9は、ネジ孔7に螺合可能なネジ部10と、そのネジ部10と同軸のグリップ部11とを有し、ネジ部10をネジ孔7,7の何れか一方にねじ込むことで、グリップ部11がハウジング2の側面からハンドル4と直交状に装着される。尚、このようにボス8,8の一方を選択して何れかにグリップ9を装着可能としたのは、作業者の利き手や使用状況等の使い勝手を考慮したものである。
【0008】
但し、ここでは、ハウジング2のボス8とグリップ部11との間に、防風板12が介在されている。この防風板12は、当該側面側の排気口6,6・・を全面に亘ってカバー可能なカバー部13と、そのカバー部13の端部に連設され、透孔15を備えた取付部14とからなるL字状の偏平な板体で、カバー部13が排気口6,6・・の吹き出し方向前方へ位置する姿勢で、グリップ9のネジ部10を透孔15に貫通させてネジ孔7にねじ込むことで、図2,3のように、取付部14がボス8とグリップ部11との間で狭持固定される。この状態で、カバー部13が排気口6,6・・の吹き出し方向前方へ隙間を隔ててグリップ9と直交状に立設するものとなる。又、取付部14には、透孔15と同心で円弧状のリブ16,16が左右両面で略対称に立設されている。
【0009】
以上の如く構成されたポリッシャ1においては、研磨作業を行う場合、ハンドル4とグリップ9とを把持してポリッシャ1を操作する。ここで、モータ駆動に伴い、前述のように排気口6,6・・から冷却用空気が吹き出しても、図2に点線矢印で示す如く、防風板12のカバー部13に当接してその上下又は左右方向の何れかへ分かれ、グリップ9側への吹き出しは防止されるから、作業者の手に冷却用空気が当たることがなく、不快感は生じない。
そして、グリップ9をハウジング2の反対側のボス8にねじ込み装着する場合も、図4に示すように、防風板12をそのまま反対側に平行移動させて同様にボス8とグリップ部11との間で挟持固定できる。よって、当該側での排気口6,6・・から吹き出される冷却用空気がカバー部13で遮られ、作業者の手に当たることがない。
【0010】
尚、グリップ9の付け替え等に伴ってグリップ部11を緩めると、ハウジング2との間で挟持されていた防風板12がカバー部13の重みで当該側へ回転するが、リブ16の端部がハウジング2の膨出した側面に当接して、図3で示す二点鎖線の位置で防風板12の回転を規制するため、防風板12が回転し過ぎてパッド3を傷付けたりするおそれがなくなる。
【0011】
このように上記形態のポリッシャ1によれば、ハウジング2とグリップ9との間に、グリップ9のねじ込み装着によってハウジング2との間で挟持固定され、その挟持固定状態で排気口6,6・・からの冷却用空気の吹き出し方向前方に位置する防風板12を設けたことで、冷却用空気の吹き出しによる不快感の発生を確実に防止できる。又、元々あるグリップ9の装着構造を利用して、グリップ9のねじ込み装着と同時に防風板12が挟持固定される合理的な構造となるため、ハウジング2やグリップ9に何等形状変更が生じず、コストも少なくて済む。勿論排気口6,6・・の開口はそのまま維持されるから、モータの冷却作用に影響を与えることもない。
そして、ここでは、ハウジング2の左右の側面にネジ孔7,7を形成してグリップ9の装着位置を選択可能としたものにおいて、防風板12を、グリップ9の左右何れの装着位置でもグリップ9側への冷却用空気の吹き出しを阻止する姿勢で挟持固定可能としているから、グリップ9の装着位置にかかわらず同じ防風板12を使用して構成の合理化を図ることができる。
【0012】
尚、防風板の形状は、上記形態に限らず、排気口の配置や開口面積に合わせて扇状や円盤状等適宜設計変更可能で、更にグリップと完全に別体とせずに、グリップのネジ部に回動可能な状態で装着したものであっても差し支えない。
又、上記形態では、防風板に設けた透孔にグリップのネジ部を遊挿させているが、透孔に代えて切欠きとする等、ハウジングとグリップとの間で挟持固定可能であれば、防風板側の被挟持部分の形態も設計変更可能である。但し、上記形態のような透孔とすれば、防風板の位置決めが楽で、着脱時に脱落のおそれもなくて好ましい。
そして、本発明は、ポリッシャやサンダ等に限らず、ハウジングの側面に設けた排気口の近傍にグリップを装着するものであれば、電動ハンマーやハンマードリル等の他の電動工具にも採用可能である。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ハウジングとグリップとの間で挟持固定される防風板により、冷却用空気の吹き出しによる不快感の発生を確実に防止できる。又、元々あるグリップの装着構造を利用して、グリップのねじ込み装着と同時に防風板が挟持固定される合理的な構造となるため、ハウジングやグリップに何等形状変更が生じず、コストも少なくて済む。勿論排気口の開口はそのまま維持されるから、モータの冷却作用に影響を与えることもない。
特にここでは、防風板に、所定の回転位置でハウジングの側面に当接して防風板の回転を規制するリブを設けたことで、グリップを緩めた際に防風板が回転し過ぎてパッド等を傷付けたりするおそれがなくなる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ハウジングの側面にグリップの装着用のネジ孔を複数箇所形成してグリップの装着位置を選択可能としたものにおいては、防風板を、グリップの何れの装着位置でもグリップ側への冷却用空気の吹き出しを阻止する姿勢で挟持固定可能としたことで、グリップの装着位置にかかわらず同じ防風板を使用して構成の合理化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリッシャの分解斜視図である。
【図2】グリップを装着したポリッシャの正面説明図である。
【図3】グリップを装着したポリッシャの側面説明図である。
【図4】グリップを反対側へ装着したポリッシャの正面説明図である。
【符号の説明】
1・・ポリッシャ、2・・ハウジング、5・・吸気口、6・・排気口、7・・ネジ孔、9・・グリップ、10・・ネジ部、11・・グリップ部、12・・防風板、13・・カバー部、14・・取付部、15・・透孔。

Claims (2)

  1. モータを収容したハウジングの側面に、前記モータの冷却用空気の排気口を形成すると共に、前記排気口の近傍に、操作用のグリップをねじ込み装着した電動工具であって、
    前記ハウジングとグリップとの間に、前記グリップのねじ込み装着によって前記ハウジングとグリップとの間で挟持固定され、その挟持固定状態で前記排気口からの前記冷却用空気の吹き出し方向前方に位置して前記グリップ側への前記冷却用空気の吹き出しを阻止可能な防風板を設け、その防風板における被挟持部分に、前記グリップのネジ部を中心とした所定の回転位置で前記ハウジングの側面に当接して前記防風板の回転を規制可能な円弧状のリブを立設したことを特徴とする電動工具。
  2. ハウジングの側面にグリップ装着用のネジ孔を複数箇所形成して前記グリップの装着位置を選択可能としたものにおいては、防風板を、前記グリップの何れの装着位置でも前記グリップ側への冷却用空気の吹き出しを阻止する姿勢で挟持固定可能とした請求項1に記載の電動工具。
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