JP3923543B2 - 撮像光学系及び撮像装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、CCD及びMOS等の比較的高い反射率を有する撮像素子を含む、主に内視鏡に用いられる撮像光学系及び撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学系内部の反射光により発生するフレア光の対処方法としては、内部反射光の強度を軽減するために、光学系内のレンズ面に反射防止膜を施して対処する方法が一般的であった。例えば、本願と同一出願人により出願された特開平7−128501号公報に記載のように、有効径外の反射率の高い特定反射部に反射膜を施したり、粗面を形成したりするなどしてフレア・ゴーストの強度の軽減を図ったもの等が提案されている。
一方、設計による対処方法も以下の如く提案されている。
まず、ズームレンズ光学系としては、特開昭64−40808号公報に開示されているように、予定結像面或いはその近傍から強い反射光が発生した場合でも良好な画像が得られるようにするため、レンズ設計の際にレンズ面形状,位置等を工夫して、結像面とレンズ面とによる反射光の再結像位置を前記結像面より結像レンズ側に移動させて構成したものが提案されている。
又、ビデオスコープ用としては、特開平3−78716号公報に開示されるように、テレセントリック光学系における撮像面とフィルタ面との繰り返し反射により発生するフレア光を実用上影響のないレベルにまで軽減するために、設計的に前記フレア光の強度が許容レベル以下となるように光学系内のフィルタの配置を規定したものが提案されている。
【0003】
更に、ビデオカメラ用としては、特開平2−186318号公報に開示されているように、フィルタを有する撮影レンズにおいて、撮像面とフィルタ面との反射により発生するフレア光を軽減するために、前記フィルタ面を湾曲させてそのフィルタ面で反射した光束が結像面で発散するように構成したものが提案されている。
遮光マスクを用いる方法としては、実開平2−107111号公報に開示されているように、レンズの特定反射面により発生するフレア・ゴーストを防止するために、画面外の有害光をゴーストを生じさせる特定反射面より前で遮断するための遮光マスクを設けたものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例のように、レンズ面に反射防止膜を施し、反射光の強度を軽減させたとしても、特に、以下に示すように場合には問題となるフレア・ゴーストが発生してしまう。
まず、反射率が数%乃至数十%の撮像面で有効光束が反射され、その反射光がレンズ面で再度反射されて、再度前記撮像面に入射するような場合において、その反射光に含まれる有害光が、前記撮像面近傍で集束する場合である。
この場合、有害光は、撮像面に入射する際、その反射光の光束径の大きさの二乗に反比例して、単位面積当たりの明るさが増加する。そのため、レンズ面での反射率を軽減しても、光束径の大きさが小さくなるにしたがって実用上問題となるゴーストが発生してしまう。
更に、反射率が数%乃至数十%の撮像面で有効光束が反射され、その反射光がレンズ面で再度反射されて、再度撮像面に入射するような場合において、その反射光に含まれる有害光が、光軸(撮像面の中心)近傍に入射する場合である。
この場合、同じ像高位置の近傍からの反射光は全て光軸の近傍に集まるため、例えば、管状物体内部の観察時に画面周辺部が画面の中心部に比べて明るくなる現象が起きる。これは、かかる反射光が重なり合って光軸(画面の中心)近傍が明るくなるフレア(以下、管空フレアという)が発生するためで、この管空フレアの発生が問題となる。
【0005】
しかし、上記特願平5−273770号明細書に記載された技術では、有害光が集束する場合や有害光が光軸近傍に再入射する場合等に発生する上記のような不具合に対しては、レンズ等に反射防止膜を施しただけでは対処しきれない。又、特定反射部に粗面を形成する方法では、レンズに新たに加工を施すため原価の上昇を招いてしまう他、物によってはレンズの特性,レンズ枠と有効光束との関係等から粗面を形成できない場合もある。更に、特定反射部がレンズの有効径の内側や接合面に位置しているような場合には、前記方法を適用することはできない。
【0006】
又、上記特開昭64−40808号公報,特開平3−78716号公報及び特開平2−186318号公報に夫々開示された技術では、設計的な対処方法であるため、設計時の制約が多く当該光学系の設計が困難になる。更に、場合によっては、適切な硝材がなく対処不可能であったり、又、もしレンズやレンズ枠の形状が加工困難な場合であれば、製造工程におけるコスト高につながるという問題も生じる。又、上記各公報に記載の技術は、レンズ系の構成が変わると応用することができず、各光学系毎に対処しなければならない。従って、このような設計的な対処方法では、前記のように制約を受ける条件が多く、又、設計に多くの時間を要するという欠点や、製造工程におけるコスト高にもつながる等多くの問題を含んでいる。
【0007】
実開平2−107111号公報に開示された技術では、撮像面で有効光束が反射されて発生した反射光によるフレア・ゴーストに対処する方法は、一切考慮されていない。又、この公報に記載された光学系では、本発明の例のような特定反射部が撮像面に形成されており、フレア・ゴーストを発生させる有害光が有効光束の反射で生じるような場合、フレア・ゴーストの発生を防止しきれない。
【0008】
そこで、本発明は上記のような従来技術の有する問題に鑑みてなされたもので、光学系の設計に制約を受けることなく、容易に且つ確実に撮像素子からの反射光により発生するフレア・ゴーストを防止若しくは実用上問題のないレベルにまで軽減し得る撮像光学系及び撮像装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による撮像光学系は、撮像素子を備え、該撮像素子に物体からの主光線を光軸に対し外周方向に向けて斜入射させる撮像光学系において、画像情報を含み画面を形成する有効光束の一部が、撮像面又はその近傍で反射して、明るさ絞りの配置位置より像側に位置している、曲率中心を像側に向けた光学素子面上の特定反射部によって少なくとも一回反射され、且つ前記特定反射部を介して前記撮像面近傍で集束されて前記撮像面に再入射する有害光と、前記有効光束のうち画面外周形状を形成する有効光束の主光線とが交わらない分離部が、前記特定反射部の近傍であって該特定反射部よりも像側にあり、前記分離部に、前記特定反射部で反射され前記撮像面近傍で集束されて前記撮像面に再入射する光のうち前記撮像面上での光束の断面積が前記明るさ絞りの面積の10%以下となる有害光を遮断するための遮光手段を設けたことを特徴としている。
尚、上記において撮像面又はその近傍とは、本発明が撮像素子面だけでなく、例えば撮像素子面に設けたカバーガラスやフィルタの面で反射した光束についても有効であることを示すものである。
また、本発明の撮像光学系においては、内視鏡に用いられるのが好ましい。
また、本発明の撮像光学系においては、前記明るさ絞りを、該明るさ絞りより後方に配置されている後群レンズ系の前側焦点位置より前記後群レンズ系側に配置するのが好ましい。
また、本発明の撮像光学系においては、前記有害光の前記撮像面への再入射位置は、光軸近傍であるのが好ましい。
また、本発明の撮像光学系においては、前記遮光手段を、前記撮像面とそれに最も近い位置にある光学素子との間に配置するのが好ましい。
また、本発明の撮像光学系においては、前記遮光手段は、前記有害光の透過する任意の光学素子面に遮光処理を施して形成されるのが好ましい。
また、本発明の撮像光学系においては、前記遮光手段の開口部の形状が画面形状と略相似形であるのが好ましい。
また、本発明による撮像装置は、内部に明るさ絞りを有する結像光学系と、該結像光学系により形成された像を受ける撮像素子とを備えた撮像装置において、前記明るさ絞りを、前記撮像素子に入射する結像光束の軸外主光線が撮像素子に対して斜めに入射する位置に設け、前記撮像素子の撮像面又はその近傍で反射した有効光束の一部が、前記明るさ絞りより像側に位置している、曲率中心を像側に向けた光学素子面上の特定反射部で反射され、且つ前記特定反射部を介して前記撮像面近傍で集束されて前記撮像面に再入射する光と、画像情報を含み画面を形成する有効光束とが空間的に分離した分離部が、前記特定反射部の近傍であって該特定反射部よりも像側にあり、前記分離部に、前記特定反射部で反射され前記撮像面近傍で集束されて前記撮像面に再入射する光のうち前記撮像面上での光束の断面積が前記明るさ絞りの面積の10%以下となる有害光を除去するための遮光手段を設けたことを特徴としている。
【0010】
本発明の原理を図1及び2に基づき説明する。
図1はビデオ内視鏡(ビデオスコープ)に使用される撮像光学系の全体図である。この撮像光学系は、前群レンズ系(L1,L2)と後群レンズ系(L3,L4及び最終レンズ7)とからなる対物レンズと、撮像面2を有するCCDイメージセンサ等の固体撮像素子と、赤外光除去用フィルタ,光学的ローパスフィルタ等の各種フィルタ(F1,F3,6)と、CCDカバーガラス5とを備えている。フィルタ6とカバーガラス5は接合されている。対物レンズの明るさ絞り20はフィルタF1の入射面に設けられ、前記後群レンズ系の前側焦点位置より後(後群レンズ系側)に配置されている。LC は対物レンズの光軸である。
この撮像光学系はビデオ内視鏡の先端部に配置して使用されるもので、対物レンズが観察対象物の像をCCD受光面(撮像面)に形成するようになっている。レンズL1は入射窓を兼ねている。
【0011】
前群レンズ系(L1,L2)で屈折して絞り20の中心部を通過した主光線A(図の実線)は、更に、後群レンズ系(L3,L4及び最終レンズ7)で屈折して撮像面2に角度εを有して入射する。この撮像面2上で数%乃至数十%の光が反射されて、反射光B(図の破線)として主光線Aの進行方向とは逆向きに進行する。このとき、反射光Bは、主光線Aが角度εをなして斜めに撮像面2に入射するため、図示したように、主光線Aと角度2εをなして反射され、主光線Aから遠ざかりながら、絞り20よりも後(撮像面2側)に配置されている光学素子面(この図では、最終レンズ7であるが、その他の後群レンズ系L3,L4,CCDカバーガラス5或いはフィルタ6であっても良い)でコンマ数%乃至数%反射され、撮像面2に再入射する。以下の説明では、このような有害反射光を生ずる光学素子面上の部位のことを特定反射部と呼ぶことにする。
【0012】
この反射光が、前述のような管空フレアやゴーストの原因となるため、本発明の光学系では、かかる管空フレアやゴーストの発生を防止し得る手段を講じている。即ち、図2に示すように、有効光束3と反射光4とが分離する部分(図のα部)に反射光4を遮断する遮光手段10を設けることにより、前記管空フレアやゴーストの発生を防止若しくは実用上問題のないレベルにまで軽減しているのである。
このように、本発明の撮像光学系及び撮像装置では、画像に悪影響を与える撮像面2と特定反射部8とによる反射光4を有効光束3と分離するために、有効光束3を撮像面2に斜入射せしめ、反射光4が有効光束3と分離する分離部αに、反射光を遮断するための遮光手段10を設けることにより、前記管空フレアやゴーストによる不具合を抑制している。
【0013】
次に、前記管空フレア及びゴーストの発生原因と本発明によるその防止若しくは軽減する方法を説明する。
図12は、ゴーストの発生経路の概念を示した図である。有効光束3は、撮像面2でその一部が反射され、反射光4が発生する。反射光4は、レンズ7面上の特定反射部8で反射される。この際、特定反射部8が曲面であり更にレンズ7がパワーを有しているため反射光4は強く集束され、撮像面に再入射する際には光束径がかなり細くなる。その単位面積当たりの強度は、その光束径の大きさの2乗に反比例して強くなる。そして、反射光4の撮像面への再入射時の光束径の大きさが小さい程強いゴーストが発生する。このため、その撮像面2上での反射光4の光束の断面積は明るさ絞りの面積の10%以上にするのがよい。しかるに、図12の構成において、撮像面2で反射された反射光4は反射されたときは拡散光であるが、レンズ周辺部を通過するため、レンズ面への入射角が大きくなり、レンズによる屈折作用がより強く働く。その結果、高い像高での反射光4程その経路中に配置されている各レンズの作用を受けて集束されやすく、問題となるゴーストの発生原因となる。そこで、光学系を構成している各レンズの周辺部を通過する反射光4を前述のように、有効光束と分離する部分で遮断することにより、ゴーストの発生を防止できる。又、反射光4と有効光束3との分離が不十分で、必ずしも反射光4全てを除去できない場合でも、少なくとも特に集束性が高い反射光を除去して上述のように撮像面2上での反射光4の光束の断面積が明るさ絞りの面積の10%以上にすることにより、実用上問題となるゴーストは防止でき、その全体の発生量も減少させられ、実用上問題とならないレベルにまで抑制できる。
【0014】
次に管空フレアについて説明する。
図14及び16は、ガス管等の管状物体の内部にビデオ内視鏡を挿入して観察している状態を示す図である。図16の斜線を施した部分が管状物体である。内視鏡は先端部に対物レンズとCCDを備えた撮像光学系と、これと並列配置されたライトガイドファイバ束と照明レンズとを備えた照明光学系とを有する。このような状態では内視鏡の正面に物体がないので、照明光学系から射出する照明光のうち正面に向かって進むものは観察に際して使用されない。従って、照明光学系からの射出光は、図16の管内相対配光に示すような配光分布を有する。この図は、縦軸は照明光の強度を最大値を1に規格化して示したもの、横軸は照明系からの角度である。図から判る通り、角度ω1 〜ω2 の範囲の方向に強い光が照射されるように照明レンズ又はライトガイドファイバ束の構成が工夫されているので、内視鏡の側前方の管壁に強い光が当たる。対物レンズによりCCDの撮像面に形成された管壁の像は、壁面に格子を描いたとすれば図14のようになる。八角形の黒い部分はCCDの撮像面の近傍に設けた視野マスクである。
【0015】
図13は、このような管空内観察の際のフレアの発生経路の概念を示した図である。有効光束3は、像高hの位置に入射する光束であり、撮像面2上でその一部が反射され、反射光A4が発生する。反射光A4は、レンズ7面上の特定反射部8で反射される。そして、反射光A4は撮像面2上の光軸LC 近傍に再度入射する。又、像高h’(光軸LC を挟んで像高hと対称の位置)の位置に入射する有効光束により生じる反射光B4は、前記反射光A4と同様な経路を辿った後、撮像面2上の光軸LC 近傍に再入射する。このように、同じ像高位置近傍からの反射光は全て光軸近傍に集まるために、図14に示す管状物体の内部の観察時のように、画面周辺部が画面中心部に比べて明るくなるような場合に、反射光が重なり合って光軸LC (画面の中心)近傍が明るくなる管空フレアの発生が問題となってくる。
【0016】
このフレアは、像高の高い位置からの反射光によるもの程、又、反射光の入射位置が光軸近傍であればある程、強いフレアとなって発生する。例えば、図15(光軸LC 方向から撮像面2を見た図)に示すように、像高Rの位置と像高rの位置(R>r)とからの反射光は、夫々撮像面上における像の占める範囲が違う。像高Rの長さは2πRであり、又、像高rの長さは2πrであり、その面積も像高RのほうがR/r倍広いためその分反射光の光量が多く強度も増す。その上、管空内では画角が大きい程物体距離が近くなるため、図16に示すように、内視鏡21の照明光学系22から照射される照明光の光軸LC に対して半画角ω1以下のところと半画角ω1 からω2 までの位置との相対配光は、半画角ω1 からω2 までの位置の方が明るくなる。このため、像高の高い位置からの反射光の強度が強くなり、管空フレアは更に強いものとなる。又、そればかりでなく、配光は画面中央程相対的に暗くなるため、管空フレアは相対的にさらに目立ち易くなる。
【0017】
又、図17(光軸LC 方向から撮像面2を見た図)に示すように、有害光が光軸LC から距離r離れたところに光束径Φ(光軸から見て半径方向での有害光の幅)で入射する場合、同じ像高の位置からの反射光は面積Sのドーナツ形に重ね合わされる。このドーナツ形の面積Sは、S=π(Φ+r)2 −πr2 であり、rが小さくなる程、即ち光軸に近い位置に反射光が入射する程、前記面積Sは小さくなり単位面積当たりの強度は強くなる。更に、前記光束径Φの大きさが小さくなっても、前記面積Sは小さくなるので、光束径Φの大きさは明るさ絞り径の大きさの1/2倍以上、好ましくは1.5倍以上になるように設定するのが良い。更に、図13に示されるように、撮像面上で光軸が反射光の光束径内に位置する場合には、より強力な管空フレアが発生する。
【0018】
図18(a)は、図13において光軸LC 方向から撮像面2を見た光軸LC を原点とするX−Y平面図である。像高h,像高h’は共にX2 +Y2 =h2 で示される円上にあり、像高hの反射光は円A(実線)、像高h’の反射光は円B(破線)で夫々示されている。又、図18(b)は、同図(a)のh−h’線に沿う断面における反射光の強度を示す図であり、横軸に反射光の強度をとっている。A’(実線)は像高hの反射光の、B’(破線)は像高h’の反射光の強度を示している。図18(c)は、同図(b)の像高hの位置からの反射光の強度A’と像高h’の位置からの反射光の強度B’とを重ね合わせて示した図である。図18(d)は、X2 +Y2 =h2 で示される円上の点からの反射光を重ね合わせた状態をh−h’線に沿う断面から見た図である。実際には、像高h近傍の位置(図の±δの位置)からの反射光も光軸近傍に入射されるため、最終的には図18(e)に示すように、中心の強度は大きくかつ拡がりの大きい強度分布となる。
【0019】
このように、反射光が光軸近傍に入射される場合には、光軸近傍により強いフレアが発生し大きな問題になる。そこで、この像高の高い位置からの反射光を前述のように、有効光束と分離するところで遮断することにより、管空フレアを防止できる。又、反射光4と有効光束3との分離が不十分で、必ずしも反射光4を全て除去できない場合でも、光軸近傍に入射する像高の高い位置からの反射光の一部を遮断することで、重なり合う反射光の総量を減少させ、発生する管空フレアの強度を軽減せしめ、実用上問題とならないレベルにまで抑制することができる。
【0020】
以上のように、本発明の撮像光学系及び撮像装置によれば、従来の設計による対処方法に比べ、設計上の制約がなく設計期間の短縮も図れる。又、反射光が有効光束と分離されるところで遮断されるため、有効光束が殆ど悪影響を与えることなく、容易に且つ確実に反射光を遮断することができる。
【0021】
【実施例】
以下、図示した実施例に基づき、本発明を詳細に説明する。
第一実施例
図3は、本発明の第一実施例にかかる撮像光学系の光軸に沿う断面図である。又、図4は、図3に示した光学系の撮像面近傍の拡大図である。
本実施例の光学系は、図のように、最終面にCCD1が配置され、最終レンズ7の物体側面に特定反射部8が位置し、更に、有効光束3とその反射光4の分離量の大きい像側の面に遮光枠を兼ねたレンズ枠11が設けられている。レンズ枠11の開口部の形状は、図5(a)に示すように、円形である。又、2は撮像面、5はCCDカバーガラス、6はカバーガラス、9は最大像高有効光線である。図5(b)は同図(a)のX−X線に沿う断面図である。又、その他本実施例の光学系を構成している部材は、図1において示した光学系を構成しているものと同様である。
尚、各レンズ面の有効系内には、反射防止膜が施されている。
【0022】
CCD1の撮像面2は反射率を数十%有しているため、有効光束3は、撮像面2の表面で反射され、図4に示したように、その光束径の大きさを広げながら光学系内を逆行し、最終レンズ7の物体側の面にある特定反射面で再度反射される。その際、その面が有する曲率と最終レンズ7による屈折力とにより、当該光束は集束され、強度の強いフレア光として再度撮像面2に入射する。しかし、本実施例の光学系では、特定反射部8を含めた最終レンズ7の像側の面には反射防止処理が施されており、更に、有効光束は透過するが集束性の強い反射光は遮断する遮光枠の機能をレンズを保持するレンズ枠11に備えたので、強度の強い反射光4は撮像面2に入射することはなく、実用上問題にならないレベルにまでフレア・ゴーストの発生を抑制することができる。又、レンズ枠11で反射される僅かな反射光は、光束径の大きさを更に広げつつ光軸から離れる方向に拡散されるため、フレアの発生等の不具合を生じることはない。
【0023】
第二実施例
図6は、本発明の第二実施例にかかる撮像光学系の光軸に沿う断面図である。又、図7は、図6に示した光学系の撮像面近傍の拡大図である。
本実施例の光学系は、図のように、最終面にCCD1が配設され、最終レンズ7の物体側の面には特定反射部8が位置し、又、有効光束3と反射光4との分離量の大きい像側の面にレンズ枠11が設けられている。更に、レンズ枠11には、リン青銅板により形成された薄板の遮光マスク12が備えられており、その開口部の形状は図8に示すような略画面形状に相似形の八角形に構成されているので、画面形成に必要十分な光束以外の光束を除去することができる。又、その他本実施例の光学系を構成している部材は、第一実施例において示したものと同様である。
尚、各レンズ面の有効径内には、反射防止膜が形成されている。
【0024】
CCD1の撮像面2は反射率を数十%有しているため、有効光束3は、撮像面2の表面で反射され、図14に示したように、その光束径の大きさを広げながら光学系内を逆行し、最終レンズ7の物体側の面にある特定反射面で再度反射される。その際、その面が有する曲率と最終レンズ7とにより屈折されるため、前記光束は強く集束され、強度の強いフレア光として、再度撮像面2に入射する。しかし、本実施例の光学系では、特定反射部8を含めた最終レンズ7の像側の面に、反射防止処理を施した遮光マスク12が備えられているため、強度の強い反射光は撮像面2に入射することはなく、よって、実用上問題とならないレベルにまでフレア・ゴーストの発生を抑制することができる。又、遮光マスク12で反射される僅かな反射光は、その光束径の大きさを更に広げつつ光軸から離れる方向に拡散されるので、それによるフレア等の不具合を生じることはない。
【0025】
第三実施例
図9は、本発明の第三実施例にかかる撮像光学系の光軸に沿う断面図である。又、図10は、図9に示した光学系の撮像面近傍の拡大図である。
本実施例の光学系は、図のように、最終面にCCD1が配設され、最終レンズ7の物体側面に特定反射部8が位置し、更に、有効光束3と反射光4との分離量の大きい像側の面には遮光性を有する塗料を塗布した遮光部13を備えられている。遮光部13の開口部形状は図11に示したように略画面形状に相似形の四角形をなしているので、画面形成に必要十分な光束以外の光束を除去することができる。又、その他本実施例の光学系を構成している部材は、第一実施例において示したものと同様である。
尚、図10に破線で示す光束は最大像高に向かう光束である。レンズ枠11に設けた遮光部はこの光線をカットしないように設けられているため、像が蹴られることなく有害光を除去することができる。有効光束を蹴らない点は、他の実施例も同様である。又、各レンズ面の有効径内には、反射防止膜が形成されている。
【0026】
CCD1の撮像面2は数十%の反射率を有しているので、有効光束3は、撮像面2の表面で反射され、図17に示す如く、その光束径の大きさを広げながら光学系内を逆行し、レンズの物体側の面にある特定反射面において再度反射される。その際、その面が有する曲率と最終レンズ7とにより屈折されるため、その光束は強力に集束され、強度の強いフレア光として、再度撮像面2に入射する。しかし、本実施例の光学系では、特定反射部8を含めた最終レンズ7の像側の面に、有効光束は透過するが集束性の強い反射光は遮断するように、レンズ面に遮光のための塗料を塗布した遮光部13が設けられているため、強度の強い反射光は撮像面2に入射せず、よって、実用上問題のないレベルにまでフレア・コーストの発生を抑制することができる。又、遮光部13により反射される僅かな反射光は、その光束径の大きさを更に広げつつも光軸から離れる方向に拡散されるため、それによるフレア発生等の不具合も生じない。
【0027】
尚、上記各実施例において示した特定反射部8は、必ずしも最終レンズ面7上のみに限られるものではなく、又、同時に複数の面上にあってもよい。又、上記遮光手段の配置位置も特定反射部8の近傍に限られる必要はない。
【0033】
【発明の効果】
上述のように、本発明による撮像光学系及び撮像装置は、撮像面からの反射光による有害なフレア・ゴーストの発生を防止若しくは実用上問題のないレベルにまで軽減することができ、良好な画像を得ることができるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の原理説明図である。
【図3】本発明の第一実施例にかかる撮像光学系の光軸に沿う断面図である。
【図4】図3に示した光学系の撮像面近傍の拡大図である。
【図5】図4に示した光学系が有するレンズ枠の開口部の形状を示す図であり、(a)は光軸方向から見た正面図,(b)は(a)のX−X線に沿う断面図である。
【図6】本発明の第二実施例にかかる撮像光学系の光軸に沿う断面図である。
【図7】図6に示した光学系の撮像面近傍の拡大図である。
【図8】図7に示した光学系が有するレンズ枠の開口部の形状を示す光軸方向から見た正面図である。
【図9】本発明の第三実施例にかかる撮像光学系の光軸に沿う断面図である。
【図10】図9に示した光学系の撮像面近傍の拡大図である。
【図11】図17に示した光学系が有するレンズ枠の開口部の形状を示す光軸方向から見た正面図である。
【図12】ゴーストの発生経路を示す概念図である。
【図13】管空フレアの発生経路を示す概念図である。
【図14】管状物の内部を観察した様子を示した図である。
【図15】像高の異なる位置からの反射光の状態を説明するための図である。
【図16】管空内における内視鏡の照明光学系による照射光の強度を説明するための図である。
【図17】有害光が撮像面に入射する状態を説明するための図である。
【図18】(a)は図13に示した図の光軸方向から撮像面を見た図、(b)は同図(a)のh−h’線に沿う断面で見た反射光の強度を示したす図、(c)は同図(b)の像高hの位置からの反射光の強度Aと像高h’の位置からの反射光の強度Bとを重ね合わせた図、(d)は同図(a)に示した円X2 +Y2 =h2 上の点からの反射光の強度をh−h’に沿う断面で見た図、(e)は同図(a)に示した像高hの近傍の位置からの反射光を含めた光の強度分布図である。
【符号の説明】
1 CCD
2 撮像面
3 有効光束
4 反射光
5 CCDカバーガラス
6 カバーガラス
7 最終レンズ
8 特定反射部
9 最大像高有効光線
10 遮光手段
11 レンズ枠
12 遮光マスク
13 遮光部
20 明るさ絞り
21 内視鏡
22 照明光学系
L1 ,L2 前群レンズ群
L3 ,L4 後群レンズ群
F1 ,F2 光学素子
LC 光軸
Claims (8)
- 撮像素子を備え、該撮像素子に物体からの主光線を光軸に対し外周方向に向けて斜入射させる撮像光学系において、
画像情報を含み画面を形成する有効光束の一部が、撮像面又はその近傍で反射して、明るさ絞りの配置位置より像側に位置している、曲率中心を像側に向けた光学素子面上の特定反射部によって少なくとも一回反射され、且つ前記特定反射部を介して前記撮像面近傍で集束されて前記撮像面に再入射する有害光と、前記有効光束のうち画面外周形状を形成する有効光束の主光線とが交わらない分離部が、前記特定反射部の近傍であって該特定反射部よりも像側にあり、前記分離部に、
前記特定反射部で反射され前記撮像面近傍で集束されて前記撮像面に再入射する光のうち前記撮像面上での光束の断面積が前記明るさ絞りの面積の10%以下となる有害光を遮断するための遮光手段を設けたことを特徴とする撮像光学系。 - 内視鏡に用いられることを特徴とする請求項1に記載の撮像光学系。
- 前記明るさ絞りを、該明るさ絞りより後方に配置されている後群レンズ系の前側焦点位置より前記後群レンズ系側に配置したことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学系。
- 前記有害光の前記撮像面への再入射位置は、光軸近傍であることを特徴とする請求項1に記載の撮像光学系。
- 前記遮光手段を、前記撮像面とそれに最も近い位置にある光学素子との間に配置したことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学系。
- 前記遮光手段は、前記有害光の透過する任意の光学素子面に遮光処理を施して形成されることを特徴とする請求項1に記載の撮像光学系。
- 前記遮光手段の開口部の形状が画面形状と略相似形であることを特徴とする請求項1に記載の撮像光学系。
- 内部に明るさ絞りを有する結像光学系と、該結像光学系により形成された像を受ける撮像素子とを備えた撮像装置において、
前記明るさ絞りを、前記撮像素子に入射する結像光束の軸外主光線が撮像素子に対して斜めに入射する位置に設け、
前記撮像素子の撮像面又はその近傍で反射した有効光束の一部が、前記明るさ絞りより像側に位置している、曲率中心を像側に向けた光学素子面上の特定反射部で反射され、且つ前記特定反射部を介して前記撮像面近傍で集束されて前記撮像面に再入射する光と、画像情報を含み画面を形成する有効光束とが空間的に分離した分離部が、前記特定反射部の近傍であって該特定反射部よりも像側にあり、前記分離部に、
前記特定反射部で反射され前記撮像面近傍で集束されて前記撮像面に再入射する光のうち前記撮像面上での光束の断面積が前記明るさ絞りの面積の10%以下となる有害光を除去するための遮光手段を設けたことを特徴とする撮像装置。
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