JP3923254B2 - カルバメート官能性化合物の配合物を含有する硬化性コーティング組成物 - Google Patents

カルバメート官能性化合物の配合物を含有する硬化性コーティング組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP3923254B2
JP3923254B2 JP2000527592A JP2000527592A JP3923254B2 JP 3923254 B2 JP3923254 B2 JP 3923254B2 JP 2000527592 A JP2000527592 A JP 2000527592A JP 2000527592 A JP2000527592 A JP 2000527592A JP 3923254 B2 JP3923254 B2 JP 3923254B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbamate
compound
coating composition
groups
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000527592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003522205A (ja
Inventor
マービン、エル.グリーン
ジョン、ディー.マギー
ブライアン、ディー.バメル
ダニエル、エー.レグルスキー
ウォルター、エイチ.オーボム
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF Corp
Original Assignee
BASF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BASF Corp filed Critical BASF Corp
Publication of JP2003522205A publication Critical patent/JP2003522205A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3923254B2 publication Critical patent/JP3923254B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L75/00Compositions of polyureas or polyurethanes; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L75/02Polyureas
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D161/00Coating compositions based on condensation polymers of aldehydes or ketones; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D161/20Condensation polymers of aldehydes or ketones with only compounds containing hydrogen attached to nitrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/70Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the isocyanates or isothiocyanates used
    • C08G18/72Polyisocyanates or polyisothiocyanates
    • C08G18/80Masked polyisocyanates
    • C08G18/8061Masked polyisocyanates masked with compounds having only one group containing active hydrogen
    • C08G18/807Masked polyisocyanates masked with compounds having only one group containing active hydrogen with nitrogen containing compounds
    • C08G18/8077Oximes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D201/00Coating compositions based on unspecified macromolecular compounds
    • C09D201/02Coating compositions based on unspecified macromolecular compounds characterised by the presence of specified groups, e.g. terminal or pendant functional groups
    • C09D201/025Coating compositions based on unspecified macromolecular compounds characterised by the presence of specified groups, e.g. terminal or pendant functional groups containing nitrogen atoms
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/31504Composite [nonstructural laminate]
    • Y10T428/31551Of polyamidoester [polyurethane, polyisocyanate, polycarbamate, etc.]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

【0001】
これは以下の各々の出願の一部継続出願である。出願番号第08/886,321号(1997年7月1日出願)、それは仮出願番号第60/021,068号(1996年7月1日出願)を基礎とする、 出願番号第08/333,915号(1994年11月3日出願)で現在特許第5,719,237号、それは第098,176号(1993年7月28日出願)で現在特許第5,512,639号の一部継続出願である、出願番号第08/333,917号(1994年11月3日出願)、出願番号第08/804,239号(1997年2月20日出願)で現在特許第5,726,246号、それは,出願番号第08/333,916号(1994年11月3日出願)で現在特許第5,605,965号の一部継続出願であり、それは出願番号第08/241,925号(1994年5月11日出願)で現在特許第5,474,811号の一部継続出願であり、それは出願番号第07/965,577号(1992年10月23日出願)で現在特許第5,356,669号の継続出願である、出願番号第08/333,804号(1994年11月3日出願)、出願番号第08/673,935号(1996年7月1日出願)。
【0002】
発明の分野
本発明は硬化性コーティング組成物に関し、とくに高光沢トップコート用、とくにはカラー-プラス-クリア複合コーティングのクリアコート用の組成物に関するものである。
【0003】
発明の背景
硬化性、または熱硬化性の、コーティング組成物はコーティング業界、特に自動車業界および工業用コーティング業界、においてトップコート用に広く使用されている。カラー−プラス−クリア複合コーティングは、特にすぐれた光沢、色の深み、イメージの鮮明度、または特殊な金属効果が望まれる場合のトップコート(仕上げ塗り)としてとくに有用である。自動車業界ではこれらのコーティングを自動車ボディーパネル用として広く使用している。
【0004】
しかしながら、カラー−プラス−クリア複合コーティングの単層トップコートおよびクリアコートは、所望の目視効果を達成するためには、透明性および光沢が極めて高いグレードであることが要求される。そのようなコーティングはまた、所望の目視効果、例えばイメージの高鮮明度(DOI)、を達成するために、塗膜面における目視収差の度合が低いことも要求される。そのようなものとして、これらのコーティングは環境腐食として知られる現象にはとくに敏感である。環境腐食自体は最終塗膜上または最終塗膜内のスポットまたはマークとして現れ、こすり取ることができない場合が多い。高光沢トップコートあるいはカラー−プラス−クリア複合コーティングが示す環境腐食への抵抗性の程度は、予測することがしばしば困難である。公知の高固形エナメルのような外部用コーティングに用いられるときにその耐久性および/または耐候性で知られている多くのコーティング組成物は、カラー-プラス-クリア複合コーティングのクリアコートのような高光沢コーティングに使用された場合、環境腐食に対する抵抗性は、望まれるレベルとはならない。
【0005】
トップコーティングやカラー-プラス-クリア複合コーティングのクリアコートとして使用するための上記の要件を満たすべく種々の組成物が提案されており、そのようなものに、ポリウレタン、酸−エポキシ系やその他のものが含まれている。しかしながら、多くの従来技術の系は、塗布性の問題、顔料入りベースコートとの低い適合性、溶解性の問題、および許容限界の外観等の欠点を持っている。さらに、1パックの組成物が2パックの組成物(時期尚早な反応を防止するために、塗布前には反応性成分を分離しておかなくてはならない)よりも好ましいが、とくに自動車用コーティングの環境に要求される、環境腐食への抵抗性を満足するような1パック組成物は極めて少ない。
【0006】
コーティング組成物中の揮発性有機物含量(VOC)を低減することも引き続き望まれている。従来の低VOCコーティング組成物は、一般に環境腐食抵抗性が低い。VOCの低減は、望ましいレベルの外観を保ちながら、組成物を問題なく塗布するために求められるコーティング組成物のレオロジー特性を犠牲にすることなくなされなければならない。さらに、諸特性、例えば耐久性、硬度、柔軟性、ならびに、引っ掻き、擦傷、溶剤、および酸に対する抵抗性等の良好な組合せを持つコーティングを提供することが望ましい。
【0007】
カルバメート官能性樹脂を用いた硬化性コーティング組成物は、例えば、米国特許第5,693,724号、第5,693,723号、第5,639,828号、第5,512,639号、第5,508,379号、第5,451,656号、第5,356,669号、第5,336,566号、および第5,532,061号の各明細書、ならびに米国特許出願第08/886,321号(1997年7月1日出願)、第08/698,529号(1996年8月15日出願)、第08/719,670号(1996年9月25日出願)、第08/166,277号(1993年12月13日出願)、第08/339,999号(1994年11月15日出願)、第08/333,917号(1994年11月3日出願)、第08/176,608号(1994年1月3日出願)、第08/287,351号(1994年8月8日出願)、第08/804,239号(1997年2月20日出願)、第08/333,804号(1994年11月3日出願)、第08/884,613号(1997年6月30日出願)、第08/885,638号(1997年6月30日出願)、第08/513,587号(1995年8月10日出願)、第08/867,547号(1997年6月2日出願)、第08/547,514号(1994年10月24日出願)、第08/547,513号(1994年10月24日出願)、第08/547,174号(1994年10月24日出願)、第08/698,524号(1996年8月15日出願)、第08/698,526号(1996年8月15日出願)、第08/667,261号(1996年6月20日出願)、第08/698,528号(1996年8月15日出願)、第08/698,522号(1996年8月15日出願)、第08/698,572号(1996年8月15日出願)、第08/698,523号(1996年8月15日出願)、第08/673,935号(1996年7月1日出願)、第08/886,321号(1997年7月1日出願)、および第08/831,810号(1997年4月2日出願)の各明細書に記載されており、これらの各々は参照として本明細書に含まれる。これらのコーティング組成物は、ヒドロキシ官能性アクリル/メラニンコーティング組成物のような他のコーティング組成物よりも、腐食に対する有意な優位性をもたらし得る。しかしながら、上記のコーティング特性について更なる改善を付与することがしばしば望まれている。とくに、改善された特性を有するコーティング組成物が、カルバメートもしくは尿素官能性樹脂にカルバメート、尿素、および/または異なる官能性を有する樹脂を配合することによって、あるいは異なる特性をその組合せから生じる硬化性コーティングにもたらすことによって、得られる。本発明の配合物は、低い揮発性有機物含量(VOC)と共に、改善された環境腐食抵抗性および改善された外部耐久性(耐候性または暴露耐久性)を有するコーティングを提供する。
【0008】
発明の要約
本発明は、下記の成分を含んでなる硬化性コーティング組成物を提供する。
(a)少なくとも2つの官能基を含んでなり、その少なくとも1つが、下記の成分の反応生成物であるカルバメートまたは尿素基である、第一成分、
(1)エポキシ基と有機酸基との開環反応の結果であるヒドロキシル基および、
(2)シアン酸またはカルバメートもしくは尿素基、
(b)成分(a)と反応する官能基を複数有する硬化剤、ならびに
(c)成分(a)もしくは成分(b)、または成分(a)および(b)の双方と反応する官能基を有する第二成分。
【0009】
詳細な説明
本発明の組成物は、(a)分子あたり平均して少なくとも2つの官能基、好ましくは分子あたり少なくとも2つの官能基を有し、その少なくとも1つがカルバメートまたは尿素基、好ましくはカルバメート基である、第一成分、(b)分子あたり平均して、第一成分と反応する官能基を複数有する硬化剤、および(c)第一成分か硬化剤のいずれか、または双方と反応する基を有する第二成分、を含む。好ましくは、第二成分は、分子あたり平均して、成分(a)および/または硬化剤(b)と反応する2つまたはそれより多い官能基を有する。
【0010】
第一成分は、分子あたり平均して少なくとも2つの官能基を有し、その少なくとも1つが、ヒドロキシル基と、シアン酸またはカルバメートもしくは尿素基を含んでなる化合物との反応生成物であるカルバメートまたは尿素基である。好ましくは、第一成分は、ヒドロキシル基とシアン酸またはカルバメート基を含んでなる化合物との反応生成物であるカルバメート基を少なくとも1つ有する。この反応生成物を生成するために用いられるヒドロキシル基は、それ自体、エポキシ基と有機酸との反応により形成される。
【0011】
第一成分のヒドロキシ基を有する前駆体は、種々の方法で製造される。有機酸はエポキシ基と反応して、β−ヒドロキシエステル基を形成する。この反応では、フェノール性化合物のような他の有機酸も用いられ得るが、しばしばカルボン酸が用いられる。酸/エポキシ反応は、溶媒中あるいは無溶媒で、そのままの条件で自発的に進行するが、加熱および/またはアミン触媒のような触媒で有利に促進し得る。可能な合成経路の例として、モノエポキシドとモノ酸との反応、モノエポキシドとヒドロキシ酸との反応、モノエポキシドとポリ酸との反応、ポリエポキシドとモノ酸との反応、ポリエポキシドとヒドロキシ酸との反応、およびポリエポキシドとポリ酸との反応が挙げられる。好ましい実施態様においては、ヒドロキシ酸もしくはポリ酸またはこれらの混合物がモノエポキシドと反応される。本明細書で用いられるように、用語「モノエポキシド」は、1つのエポキシドまたはオキシラン官能基を有する化合物のことを指す。用語「ポリエポキシド」は、複数のエポキシド官能基を有する化合物を指す。用語「モノ酸」は、1つの酸官能基を有する化合物を指す。用語「ポリ酸」は、複数の酸官能基を有する化合物を指す。用語「ヒドロキシ酸」は、少なくとも1つの酸官能基と少なくとも1つのヒドロキシル官能基を有する化合物を指す。
【0012】
本発明の実施において有用なエポキシドは、一般に下記の構造で特徴付けることができる。
【化3】
Figure 0003923254
〔式中、R、R、R、およびRは各々独立に、H(ただし、R〜Rの少なくとも1つはH以外である)、ポリマー状または非ポリマー状で、不飽和および/またはヘテロ原子を含んでいてもよい有機基であるか、あるいはRまたはRの1つはRまたはRの1つと共に、不飽和および/またはヘテロ原子を含んでいてもよい環を形成してもよい。〕
【0013】
有用なエポキシドは種々の方法により製造され、、アルコールまたは酸とエピハロヒドリン化合物(例えばエピクロロヒドリン)との反応により、対応するグリシジルエーテルまたはグリシジルエステルが生成する。そのようなグリシジルエーテルまたはグリシジルエステルの生成に有用なアルコールおよび酸含有化合物として、例えば、限定されるものではないが、ブタノール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ビスフェノールA、およびネオデカン酸のようなネオアルカン酸が挙げられる。他の例において、有用なエポキシドは炭素−炭素二重結合と過酸化物との反応によって製造される。
【0014】
エポキシドは単官能性でも多官能性でもよく、それは出発物質の選択により調整することができる。例えば、モノエポキシドは、モノアルコールまたはモノ酸をエピハロヒドリンと、あるいはモノ不飽和を過酸化物と反応させることにより製造することができ、ポリエポキシドは、ポリオール(ジオール、トリオール、および官能性がより高いポリオールを包含する)またはポリ酸をエピハロヒドリンと、あるいはポリ不飽和化合物を過酸化物と反応させることにより製造することができる。オリゴマー状またはポリマー状のポリエポキシド、例えばメタクリル酸グリシジルを含むモノマーから重合されたアクリル樹脂、あるいはエポキシ末端を有するポリグリシジルエーテル、例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテル(DGEBPA)、およびエポキシ末端を有するDGEBPAとビスフェノールAのようなポリフェノールまたはエチレンジアミンもしくはジエチレントリアミンのようなポリアミンとのオリゴマーも使用できる。エポキシド化されたポリウレタン樹脂またはポリエステル樹脂は、上記のように、OH基を含むポリウレタンまたはポリエステルをエピハロヒドリンと反応させることにより、あるいはポリエステルまたはポリウレタンの不飽和基をエポキシド化することにより製造することができる。エポキシドは、イソシアネート末端を有する成分、例えばモノマー状のポリイソシアネート(イソシアヌレート、例えばイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレートを包含する)、またはイソシアネート官能性ポリマーもしくはオリゴマーをグリシドールと反応させることによっても製造することができる。他の公知のポリエポキシド、例えばエポキシ−ノボラック樹脂も使用できる。
【0015】
好ましい実施態様の1つでは、エポキシドはモノエポキシド、好ましくはグリシジルエステルである。グリシジルエステルは、単官能性カルボン酸、例えば限定されるものではないが、オクタン酸、安息香酸、ベンジル酸(benzylic acid)、シクロヘキサンカルボン酸および、ネオデカン酸のようなネオアルカン酸を、エピハロヒドリン、例えばエピクロロヒドリンと、この分野で周知の条件下で反応させることにより製造することができる。ネオアルカン酸またはネオアルカン酸混合物のグリシジルエステルがとくに好ましい。グリシジルエステルは市販されており、例えばShell Oil Companyからの商品名CarduraR E、Exxon からの商品名GlydexxR N-10またはCiba-Geigyからの商品名AralditeR PT910 がある。グリシジルエステルは、一般に、下式で表される。
【化4】
Figure 0003923254
(式中、Rは炭素原子数1〜40、好ましくは炭素原子数1〜20、最も好ましくは炭素原子数1〜12、の炭化水素基である。)この炭化水素基は、分枝状であってもよく、また置換されていてもよい。ポリグリシジルエステルも使用することができ、多官能性カルボン酸、例えば限定されるものではないが、フタル酸、チオグリコール酸、またはアジピン酸を、エピハロヒドリンと反応させることにより製造することができる。ポリグリシジルエステルも上記の式で表すことができるが、その際、Rは他のグリシジルエステル基で置換されている。オリゴマー状またはポリマー状のポリグリシジルエステルは、2つまたはそれより多いカルボン酸基を有するオリゴマーまたはポリマーとエピハロヒドリンとの反応により形成される。適切なオリゴマー状またはポリマー状のポリ酸の例としては、限定されるものではないが、末端に酸基を有するポリエステル、あるいはアクリル酸および/またはメタクリル酸のコポリマーであるアクリル樹脂が挙げられる。オリゴマー状またはポリマー状のポリグリシジルエステルは、少なくとも1つのグリシジルエステルを有するモノマーの重合によっても形成される。例えば、限定されるものではないが、そのような物質は、例えば限定されるものではないが、アクリル酸グリシジルまたはメタクリル酸グリシジルを含むモノマー混合物の付加重合により製造され、グリシジルエステル官能性アクリル樹脂が得られるか、あるいはジメチロールプロピオン酸のグリシジルエステルのようなモノマーの逐次的または縮合重合により製造され、例えばエポキシド官能性ポリエステルまたはポリウレタンが得られる。
【0016】
他の有用な種類のモノエポキシドはグリシジルエーテルである。グリシジルエーテルは単官能性アルコール(例えば限定されるものではないが、n−ブタノール、プロパノール、2−エチルヘキサノール、ドデカノール、フェノール、クレゾール、シクロヘキサノールおよびベンジルアルコール)とエピハロヒドリン(例えばエピクロロヒドリン)との反応により製造することができる。有用なグリシジルエーテルとしては、2−エチルヘキサノールのグリシジルエーテル、ドデカノールのグリシジルエーテル、フェノールのグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの化合物は、CVC Specialties から商品名ErisysR として市販されている。ポリグリシジルエーテルも使用することができ、多官能性アルコール(例えば限定されるものではないが、ビスフェノールF、ビスフェノールA、または1,6−ヘキサンジオール)とエピハロヒドリンとの反応により製造することができる。フェノール性ヒドロキシルは一般に酸性であると考えられているが、反応の生成物は、グリシジルエステルではなく、グリシジルエーテルである。
【0017】
エポキシドはまた、1つまたはそれより多い二重結合を含む化合物を過酸化物または過酢酸と、この分野では周知の条件下で反応させることにより製造することができる。事実上、どのような二重結合含有化合物であっても使用することができる。望ましいエポキシド官能性物質として、環状脂肪族ポリエポキシド、例えば
【化5】
Figure 0003923254
が挙げられ、これらはUnion Carbide から商品名CyracureR として市販されている。本発明の実施に有用なエポキシドを製造するために用いられる他の二重結合含有化合物としては、エチレン、プロピレン、スチレン、スチレンオキシド、シクロヘキセン、ポリブタジエン等およびこれらの誘導体が挙げられる。
【0018】
エポキシドは、ポリマー状またはオリゴマー状、例えばアクリル含有ポリマーまたはオリゴマーであってもよい。エポキシ官能性アクリル樹脂は、好ましくは、そのエポキシ基がメタクリル酸グリシジルモノマー、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、シクロヘキシルモノエポキシメタクリレート、シクロペンタジエンメタクリレートの二量体のエポキシド、またはエポキシド化されたブタジエンから誘導される。とくに好ましいものはメタクリル酸グリシジルから誘導されるアクリル樹脂である。
【0019】
上記のエポキシド官能性化合物は、有機酸基を含む化合物と反応して、エポキシド化合物上のオキシラン環を開環する。有用な酸として、限定されるものではないが、モノ酸、ポリ酸、ヒドロキシ酸、およびその他が挙げられる。有用なモノ酸としては、限定されるものではないが、安息香酸、ピバル酸、VersaticR 酸、オクタン酸、酪酸、ドデカン酸、ベンジルフェノール、ならびにネオオクタン酸、ネオデカン酸、およびネオドデカン酸等のネオアルカン酸を含む混合物が挙げられる。有用なヒドロキシ酸としては、限定されるものではないが、ジメチロールプロピオン酸、ヒドロキシピバル酸、リンゴ酸、酒石酸、およびクエン酸が挙げられる。ヒドロキシ酸を使用する場合、ヒドロキシル基とエポキシ基との望ましくない反応が最少限に抑えられるように、反応は適切な条件下で行なうのが好ましい。有用なポリ酸としては、限定されるものではないが、トリカルバリル酸、アジピン酸、アゼライン酸、無水トリメリト酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、およびイソフタル酸が挙げられる。ポリエポキシドをヒドロキシ酸またはポリ酸と反応させることもできる。ただし、ポリ酸/ポリエポキシド反応の場合、VOCを増加させるまたはゲル化を引き起こす可能性がある高分子量化合物を生じ得る、望ましくない連鎖延長または分枝鎖形成を避けるために、原料および反応条件を調節すべきである。
【0020】
酸/エポキシ開環反応から誘導される第一成分のヒドロキシ基含有前駆体は次いで、第一成分を生成するために、シアン酸および/またはカルバメート基もしくは尿素基を含んでなる化合物と反応される。第一成分は、分子あたり平均して少なくとも1つのカルバメート基または尿素基を有する。シアン酸は、良く知られている尿素の熱分解反応により、または米国特許第4,389,386号または第4,364,913号各明細書に記載されているような、他の方法により形成され得る。カルバメート基または尿素基を含んでなる化合物を用いる場合には、ヒドロキシル基との反応は、OH基とカルバメート基または尿素基との間のエステル交換反応であると考えられる。カルバメート化合物は、ヒドロキシル基と反応(エステル交換反応)を行なうことができるカルバメート基を有するなら、どのような化合物であってもよい。これらの化合物としては、例えばメチルカルバメート、ブチルカルバメート、プロピルカルバメート、2−エチルヘキシルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、フェニルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメート等が挙げられる。有用なカルバメート化合物は、下記式で表すことができる。
−O−(C=O)−NHR
〔式中、Rは置換または非置換アルキル(好ましくは炭素原子数が1〜8、より好ましくは炭素原子数が1〜4)であり、RはH、置換または非置換アルキル(好ましくは炭素原子数が1〜8、より好ましくは炭素原子数が1〜4)、置換または非置換シクロアルキル(好ましくは炭素原子数が6〜10)、あるいは置換または非置換アリール(好ましくは炭素原子数が6〜10)である。〕好ましくは、RはHである。
【0021】
尿素基は、一般に下記式で表すことができる。
−NR−(C=O)−NHR
〔式中、RとRは各々独立に、Hまたは置換または非置換アルキル(好ましくは炭素原子数が1〜4)を表すか、またはRとRはが一体となってヘテロ環構造を形成してもよく(例えば、式中、RとRはエチレンブリッジを形成する)、そしてRは置換または非置換アルキル(好ましくは炭素原子数が1〜8、より好ましくは炭素原子数が1〜4)を表す。〕
【0022】
カルバメートまたは尿素とヒドロキシル基含有化合物との間のエステル交換反応は、代表的なエステル交換反応条件下で、例えば室温〜150℃の温度で、エステル交換反応触媒、例えばオクタン酸カルシウム、金属水酸化物(例えばKOH)、IまたはII族金属(例えばナトリウム、リチウム)、金属炭酸塩(例えば炭酸カリウムもしくは炭酸マグネシウム)、と共に行なうことができ、この反応はクラウンエーテル、金属酸化物(例えば酸化ジブチル錫)、金属アルコキシド(例えばNaOCH3、およびAl(OC37 3)、金属エステル(例えばオクタン酸第一スズ、オクタン酸カルシウム)、またはプロトン酸(例えばH2SO4)、あるいはPh4SbIと組合せて用いることにより促進し得る。反応はまた、その記載を本明細書に参照として含めるR. Anand, Synthetic Communications, 24(19), 2743-47 (1994)に記載されているように、室温でポリマーに担持された触媒、例えばAmberlyst-15R (Rohm & Haas) を用いて行ない得る。
【0023】
エポキシド化合物のオキシラン環をカルボン酸で開環させることにより、ヒドロキシエステル構造が得られる。この構造上にあるヒドロキシル基のエステル交換反応をカルバメート化合物により引き続き行うことによって、下記の構造のいずれか、またはそれらの組合せで表されるカルバメート官能性成分が得られる。
【化6】
Figure 0003923254
(式中、nは少なくとも1の正の整数であり、RはH、アルキルまたはシクロアルキルを表し、Rはアルキル、アリールまたはシクロアルキルを表し、Xはエポキシド化合物の残基である有機基を表す。)
【0024】
本明細書中で用いられているように、これらのアルキル、アリールまたはシクロアルキル基は置換されていてもよい。例えば、モノエポキシドをポリ酸と反応させる場合、上記構造中のRはポリ酸の残基を表し、そして、モノエポキシドと反応し、次いでカルバメート化合物とエステル交換反応するポリ酸上の他の酸基から得られる他のカルバメート基で置換され得る。
【0025】
2つの異なる種類の官能基が第一成分中の各分子上に存在していてもよい。好ましい実施態様の1つにおいては、エポキシド官能性化合物と有機酸との反応生成物は、平均して、化合物あたり1つを超えるヒドロキシル基を有し、そして、平均して、ヒドロキシル基のうちすべてより少ない基がシアン酸またはカルバメートもしくは尿素基を含んでなる化合物と反応する。とくに好ましい実施態様においては、エポキシド官能性化合物と有機酸との反応生成物は、分子あたり、約2〜約4個のヒドロキシル基を有し、平均してこれらの基のうち一部だけが反応して、成分(a)の化合物上のカルバメート基または尿素基を形成する。他の好ましい実施態様においては、エポキシド官能性化合物と有機酸との反応の前駆体生成物は、当量的に過剰の酸基の反応から生じる残存酸基を有するか、あるいは当量的に過剰のエポキシド基の反応から生じる残存エポキシド基を有する。ヒドロキシル基または生成した基は、次いで、シアン酸またはカルバメートもしくは尿素基を含んでなる化合物と反応して、エポキシドもしくは酸官能性と共に、カルバメートもしくは尿素官能性を有する成分(a)の化合物を形成する。
【0026】
本発明の組成物はまた、第一成分(a)上の官能基と反応する複数の基を有する硬化剤(b)をも含有する。第一成分はカルバメートまたは尿素官能性を有するが、ヒドロキシル、エポキシド、またはカルボキシル基やこれらの組合せのような異なる種類の1以上の官能基をも有していてもよい。有用な硬化剤は、成分(a)の1つまたはそれより多い官能基と反応し得る、この分野で公知のものである。
【0027】
有用な硬化剤としては、活性メチロールまたはメチルアルコキシ基を有する物質(例えばアミノプラスト架橋剤またはフェノール/ホルムアルデヒド付加物、イソシアネート基を有する硬化剤、とくにブロックされたイソシアネート硬化剤)、エポキシド基、アミン基、酸基、シロキサン基、環状カーボネート基、および酸無水物基を有する硬化剤、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましい硬化剤化合物の例としては、限定されるものではないが、メラミンホルムアルデヒド樹脂(モノマー状またはポリマー状メラミン樹脂および部分的に、または完全にアルキル化されたメラミン樹脂を含む)、ブロックされたまたはブロックされていないポリイソシアネート(例えば、TDI、MDI、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびこれらのイソシアヌレート三量体、これらは例えばアルコールまたはオキシムでブロックされていてもよい)、尿素樹脂(例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂のようなメチロール尿素、ブチル化尿素ホルムアルデヒド樹脂のようなアルコキシ尿素)、ポリ無水物(例えば、ポリ無水コハク酸)、およびシロキサン(例えば、トリメトキシシロキサン)が挙げられる。他の適切な架橋剤として、トリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジン(TACTの商品名でCytec Industriesから入手可能)が挙げられる。硬化剤は、これらの組合せ、とくにアミノプラスト架橋剤を含む組合せであってもよい。メラミンホルムアルデヒド樹脂または尿素ホルムアルデヒド樹脂のようなアミノプラスト樹脂がとくに好ましい。TACTとメラミンホルムアルデヒド樹脂および/またはブロックされたイソシアネート硬化剤の組合せが適切であり、望ましい。
【0028】
本発明によれば、成分(a)、成分(b)、または成分(a)および(b)は、成分(c)上の官能基と反応する基を分子あたり少なくとも1個有する必要がある。このことは、成分(C)が尿素、カルバメート、もしくはヒドロキシ官能性を有する場合には、アミノプラストを成分(C)として選択することにより、または成分(c)がエポキシド基を有する場合には、成分(a)もしくは(b)の1つに酸基を含ませること、あるいは成分(c)が酸基を有する場合には成分(a)もしくは(b)の1つにエポキシド基を含ませることにより、好適に達成される。硬化条件によっては、成分(b)として示された他の化合物も、成分(C)上のカルバメートまたは尿素基と反応し得る。成分(c)もまた、成分(a)のカルバメート基と反応する基、例えば重合したイソブトキシメチルアクリルアミド基を含有するアクリルポリマー、を含んでいてもよい。さらに他の好ましい実施態様においては、化合物(C)はオキサゾリジン官能性を有する。
【0029】
一般に、次いで、成分(c)の第二の化合物は、第一の化合物かまたは硬化剤のいずれかと反応する官能基を有する。第二の化合物は単純な化合物、オリゴマー、またはポリマー状の物質であり得る。(c)の第二の化合物は、好ましくはオキサゾリジン、エポキシド、または活性水素含有官能性基から選択される官能性を有している。そのような基として、例えば、ヒドロキシル基、カルバメート基、尿素基、アミノ基、チオール基、ヒドラジド基、および活性メチレン基が挙げられる。
【0030】
成分(c)は、オリゴマー状のまたはポリマー状の樹脂を含んでいてもよい。そのような樹脂として、例えば、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂、ポリエステル、ポリエポキシド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、およびポリシロキサンが挙げられ、これらの全てはこの分野で周知である。好ましくは、その樹脂は、アクリル、変性アクリル、またはポリエステルである。より好ましくは、その樹脂は、アクリル樹脂である。本発明の1つの好ましい実施態様において、第二の化合物はアクリル樹脂またはポリマーである。アクリル樹脂は、好ましくは500〜1,000,000、より好ましくは1500〜50,000、の分子量を有する。本明細書で用いられるように、「分子量」は数平均分子量を指し、それはポリスチレン標準を用いてGPC法により測定される。そのようなポリマーは、モノマー、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、およびその他、から製造される。官能基は、アクリルモノマーのエステル部位に導入される。例えば、そのようなポリマーを形成するために用いることができるヒドロキシ官能性アクリルモノマーとして、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等が挙げられ、アミノ官能性アクリルモノマーとして、メタクリル酸t−ブチルアミノエチルおよびアクリル酸t−ブチルアミノエチルが挙げられ、酸官能性モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、およびイタコン酸が挙げられ、エポキシド官能性モノマーとして、アクリル酸グリシジルおよびメタクリル酸グリシジルが挙げられる。
【0031】
変性アクリルもまた、本発明におけるポリマー(a)として用いることができる。そのようなアクリルは、この分野で周知の、ポリエステル変性アクリルまたはポリウレタン変性アクリルであり得る。e−カプロラクトンで変性されたポリエステル変性アクリルはEtzellらの米国特許第4,546,046号明細書に記載されており、その記載は参照として本明細書に含まれる。ポリウレタン変性アクリルもまた、この分野で周知である。それらは、例えば、米国特許第4,584,354号明細書に記載されており、その記載は参照として本明細書に含まれる。
【0032】
エポキシド基または活性水素基(例えば、ヒドロキシル基、酸基、もしくはカルバメート基)を有するポリエステルもまた、本発明による組成物中のポリマーとして用いることができる。そのようなポリエステルはこの分野で周知であり、有機ポリカルボン酸(例えば、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、マレイン酸)またはそれらの酸無水物を、第一級もしくは第二級ヒドロキシル基を含む有機ポリオール(例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール)とポリエステル化することにより製造し得る。カルバメート官能性ポリエステルは、米国特許第5,508,379号明細書、第5,451,656号明細書、および第5,532,061号明細書に記載されており、その記載は参照として本明細書に含まれる。エポキシド基を有するポリエステルは、成分(a)の合成について上記した方法に従って、不飽和ポリエステルまたはヒドロキシもしくは酸官能性ポリエステルから形成される。
【0033】
活性水素官能基を有するポリウレタンもまた、この分野で周知である。それらは、ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、MDI、およびその他)とポリオール(例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン)との連鎖延長反応により製造される。それらは、ポリウレタン鎖を過剰量のジオール、ポリアミン、アミノアルコール、およびその他でキャッピングすることにより、活性水素官能性基をもたらし得る。エポキシド基を有するポリウレタンは、成分(a)の合成について上記した方法に従って、不飽和ポリウレタンまたはヒドロキシもしくは酸官能性ポリウレタンから形成される。酸官能性ポリウレタンは、例えば限定されるものではないが、ジメチロールプロピオン酸のような酸官能性を有するモノマーを含ませることによって合成される。酸基はポリウレタン重合において反応することなく残るが、ヒドロキシル基は反応して、ウレタン結合を生成する。
【0034】
1つの実施態様において、第二成分はカルバメート官能性樹脂またはポリマーを含む。カルバメート官能性樹脂またはポリマーは、種々の方法で製造することができる。そのようなポリマーを製造するための一方法では、モノマーのエステル部分にカルバメート官能基を有するアクリルモノマーを製造する。そのようなモノマーはこの分野では周知であり、例えば本明細書にその記載を参照として含まれる、米国特許第3,479,328号、第3,674,838号、第4,126,747号、第4,279,833号、および第4,340,497号、第5,356,669号、およびWO94/10211号各明細書に記載されている。合成の一方法では、ヒドロキシ官能性モノマーをシアン酸(これは尿素の熱分解により生成される)と反応させ、カルバミルオキシカルボキシレート(すなわち、カルバメート変性(メタ)アクリレート)を形成させる。他の合成方法では、α,β−不飽和酸エステルをヒドロキシカルバミン酸エステルと反応させて、カルバミルオキシカルボキシレートを形成させる。さらに他の方法では、第一級もしくは第二級アミンまたはジアミンを環状カーボネート、例えば炭酸エチレンと反応させてヒドロキシアルキルカルバメートを形成させることを含む。次いでヒドロキシアルキルカルバメート上のヒドロキシル基をアクリル酸またはメタクリル酸との反応によりエステル化してモノマーを形成させる。カルバメート変性アクリルモノマーを製造する他の方法もこの分野で開示されており、同様に使用することができる。必要に応じて、この分野では周知の技術により、アクリルモノマーをその後、他のエチレン性不飽和モノマーと共に重合させることができる。
【0035】
カルバメート官能性ポリマーを製造するための別のルートでは、本明細書にその記載を参照として含める、米国特許第4,758,632号明細書に記載されているように、すでに形成されたポリマー、例えばアクリルポリマーを他の成分と反応させ、ポリマー骨格に付加したカルバメート官能性基を形成させる。成分(c)として有用なポリマーを製造するための一技術では、ヒドロキシ官能性アクリルポリマーの存在下で尿素を熱的に分解し(アンモニアおよびHNCOを放出する)、カルバメート官能性アクリルポリマーを形成することを含む。他の方法では、ヒドロキシアルキルカルバメートのヒドロキシル基を、イソシアネート官能性アクリルまたはビニルモノマーのイソシアネート基と反応させ、カルバメート官能性アクリルを形成させることを含む。イソシアネート官能性アクリルは、この分野で公知であり、例えば本明細書にその記載を参照として含める、米国特許第4,301,257号明細書に記載されている。イソシアネートビニルモノマーはこの分野では周知であり、不飽和m−テトラメチルキシレンイソシアネートおよびメタクリル酸イソシアナトエチルが含まれる。さらに他の方法では、環状カーボネート官能性アクリル上の環状カーボネート基をアンモニアと反応させ、カルバメート官能性アクリルを形成させる。環状カーボネート官能性アクリルポリマーは、この分野で公知であり、例えば本明細書にその開示を参照として含める米国特許第2,979,514号明細書に記載されている。他の方法は、ヒドロキシ官能性アクリルポリマーをアルキルカルバメートでカルバミル交換することである。より難しいが、効果的なポリマー製造法は、アクリレートポリマーをヒドロキシアルキルカルバメートでエステル交換させることである。
【0036】
カルバメート官能性付加ポリマー成分は、下記式のランダムに繰返す単位により表すことができる。
【化7】
Figure 0003923254
上記の式中、RはHまたはCH3を表し、RはH、アルキル、好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル、またはシクロアルキル、好ましくは環の炭素原子数が6までのシクロアルキルを表す。アルキルおよびシクロアルキルの用語は、置換されたアルキルおよびシクロアルキル、例えばハロゲン置換されたアルキルまたはシクロアルキルを包含するものとする。しかしながら、硬化した材料の特性に悪影響を及ぼす置換基は避けるべきである。例えば、エーテル結合は加水分解を受け易いと考えられ、架橋マトリックス中にエーテル結合をもたらすような位置では避けるべきである。xおよびyの値は重量%を表し、xは10〜90%、好ましくは40〜60%、であり、yは90〜10%、好ましくは60〜40%、である。
【0037】
上記の式中、Aは、1個またはそれより多いエチレン性不飽和コモノマーから誘導される繰返し単位を表す。共重合のためのそのようなモノマーは、この分野では公知である。それらとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、およびその他、およびビニルモノマー、例えば不飽和m−テトラメチルキシレンイソシアネート、スチレン、ビニルトルエン、およびその他が挙げられる。適切なコモノマーとして、また、ヒドロキシル、酸、およびエポキシド官能性を始めとする他の官能性を有するモノマーも挙げられる。
【0038】
Lは、二価の結合基、好ましくは炭素原子数1〜8の脂肪族、環状脂肪族、または炭素原子数6〜10の芳香族の結合基を表す。Lの例としては、
【化8】
Figure 0003923254
−(CH2)−、−(CH22−、−(CH24−、などが挙げられる。1つの好ましい実施態様においては、−L−は、−COO−L’−(式中、L’は二価の結合基である)で表される。したがって、本発明の好ましい実施態様では、ポリマー成分(a)は、下記式のランダムに繰返す単位により表される。
【化9】
Figure 0003923254
【0039】
この式中、R、R、A、xおよびyは上記の通りである。L’は二価の脂肪族結合基、好ましくは炭素原子数1〜8のもの、例えば−(CH2)−、−(CH22−、−(CH24−など、あるいは二価の環状脂肪族結合基、好ましくは炭素原子数8までのもの、例えばシクロヘキシルなどである。しかしながら、ポリマーの製造に用いる技術に応じて、他の二価の結合基も使用できる。例えば、ヒドロキシアルキルカルバメートがイソシアネート官能性アクリルポリマー上に付加物として形成されている場合、結合基L’はイソシアネート基の残基として−NHCOO−ウレタン結合を含み得る。
【0040】
成分(c)は、第二の活性水素官能基を有する尿素またはカルバメートをベースとする化合物、例えばヒドロキシアルキルカルバメート又はヒドロキシアルキル尿素を挙げることができる。ヒドロキシアルキルカルバメートは、例えば限定されるものではないが、ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメート、およびこれらのカルバメート化合物の混合物である。ヒドロキシアルキル尿素は、例えば、ヒドロキシエチルエチレン尿素である。第一の好ましい実施態様においては、成分(c)化合物は、カルバメートもしくは尿素基(好ましくは、第一級、つまり上記の構造中、RもしくはRがHである、不飽和カルバメートまたは尿素基)またはカルバメートもしくは尿素基および活性水素基に変換できる基を有する化合物、例えばヒドロキシアルキルカルバメートまたはヒドロキシアルキル尿素と、ラクトンまたはヒドロキシ酸化合物、好ましくはラクトン、とくに好ましくはε−カプロラクトン、との反応生成物である。第二の好ましい実施態様においては、第一の好ましい実施態様の反応生成物をさらに、第一の反応生成物の複数の分子上にあるヒドロキシル基と反応するが、カルバメートまたは尿素基とは反応しない化合物と反応させる。複数のヒドロキシル基と反応するそのような化合物は、好ましくはイソシアネートであり、例えば、限定されるものではないが、ジイソシアネート、トリイソシアネート、ビウレット、またはイソシアヌレートである。第三の好ましい実施態様においては、成分(c)化合物は、ヒドロキシアルキルカルバメートまたはヒドロキシアルキル尿素と、イソシアネートのようなヒドロキシル基と反応する化合物、例えば、限定されるものではないが、ジイソシアネート、トリイソシアネート、ビウレット、またはイソシアヌレートとの反応生成物である。第四の好ましい実施態様においては、成分(c)化合物は、ヒドロキシアルキルカルバメートまたはヒドロキシアルキル尿素と、イソシアネートのようなヒドロキシル基と反応する化合物、例えば、限定されるものではないが、ジイソシアネート、トリイソシアネート、ビウレット、またはイソシアヌレートとの反応生成物であり、その中に、1分子あたり少なくとも1個のイソシアネート基(またはヒドロキシル基と反応する他の基)が反応せずに残存していて、ジオールやトリオールのようなポリオールと反応するものである。ポリオールは直鎖状であっても、分枝状であってもよい。好ましいポリオールは、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、Esterdiol 204(Eastman Chemical Co. より入手できる)、およびシクロヘキサンジメタノール(CHDM)である。第五の好ましい実施態様においては、(c)は、カルバメート化ポリオール、とくに約150以上の分子量、好ましくは約200以上の分子量、また好ましくは約1500以下の分子量、好ましくは約1200以下の分子量、とくに好ましくは約900以下の分子量、を有するジオールまたはトリオールを含有し、それはヒドロキシル官能性樹脂からのカルバメート物質の製造について上記した方法に従って合成され得る。例えば、カルバメート化ポリオールは、錫触媒の存在下に、メチルカルバメートとポリオールとの反応により製造され得る。
【0041】
成分(c)に好ましい他の物質として、1−アザ−3,7−ジオキソビシクロ−2,8−ジイソプロピル−5−エチル(3.3.0)−オクタン(Angus Chemical Company(米国イリノイ州バッファローグローブ)より、商品名ZoldineR RD-20で入手できる)のようなオキサゾリジン官能性物質、カルボキシル官能性アクリル、およびエポキシド官能性アクリルが挙げられる。
【0042】
成分(c)として、あるいは成分(c)としての化合物の混合物の一部として好ましい他の化合物は、米国特許出願第08/698,529号、米国特許第5,532,061号、および米国特許第5,451,656号の各明細書に記載されている低分子量カルバメートまたは尿素成分であり、これら3つの文献の各々の記載は参照として本明細書中に含まれる。とくに、そのような有用な低分子量成分の例は、カルバメートもしくは尿素基に加えて、他の官能基、例えば、限定されるものではないが、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、シロキサンもしくはシラン基、メルカプト基、置換もしくは非置換のアミド、酸無水物、活性化メチレン基(例えばアセトアセテート基で活性化されたもの)を有する。
【0043】
成分(c)はまた、複数の官能性架橋基を含む化合物を含んでいてもよく、その少なくとも1つはカルバメート官能性基または尿素官能性基であり、その化合物はまた、少なくとも1個のカーボネート基を含む。カーボネート基は、下記の構造で表される。
【化10】
Figure 0003923254
【0044】
成分(c)はまた、第一の実施態様の反応生成物を含んでいてもよく、その生成物は、それと反応する成分とさらに反応して、そのヒドロキシル基を、カルバメートもしくは尿素基または第二の反応段階でカルバメートもしくは尿素基にその後変換できる基に変換するか、あるいはそのヒドロキシルで化合物上に付加物を形成する。
【0045】
少なくとも1つのカルバメート官能基または尿素官能基を有する多官能性化合物を製造するための合成経路は種々多数存在する。以下に記載の経路は、そのような化合物を製造する技術が実施可能であること示すこと、および製造技術を例示することを意図するものであって、これらに限定されることを意味するものではない。当業者にとって、本発明の知識を一度得たならば、以下に説明するものとは異なった方法で異なったタイプの化合物を製造することができるはずである。
【0046】
本発明の第六の好ましい実施態様では、化合物(c)は、ヒドロキシカルボン酸(例えば、ジメチルヒドロキシプロピオン酸、酒石酸、乳酸、ヒドロキシステアリン酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸、2−ヒドロキシエチル安息香酸)をヒドロキシカルバメートまたはヒドロキシ尿素と反応させてカルバメートまたは尿素化合物上のヒドロキシルを、ヒドロキシカルボン酸上の酸基でエステル化して製造することができる。得られた化合物は、カルバメートまたは尿素官能基、ヒドロキシル官能基、およびエステル水素結合受容体基を有している。この反応は、室温〜150℃の温度で、好ましくはAmberlystR 15 (Rohm & Haas)のようなポリマー上に担持された触媒を用いて好適に行うことができる。この反応混合物は、ヒドロキシカルボン酸の自己縮合を最少限に抑えるために、過剰のアルコールを含有すべきである。
【0047】
上記の多くの好ましい実施態様においては、エステル含有カルバメートまたは尿素官能性化合物は、ラクトンの開環反応を経由して、あるいはヒドロキシ酸化合物との反応により製造できる。成分(c)の化合物は、例えば限定されるものではないが、ラクトンを開環させ得る活性水素基(例えば、ヒドロキシル、第一級アミン、酸)およびカルバメートもしくは尿素基またはカルバメートもしくは尿素に変換し得る基を有する化合物と、ラクトンとを反応させることにより形成させることができる。活性水素基、およびカルバメートもしくは尿素に変換し得る基を有する化合物をラクトンの開環に使用する場合、この基のカルバメートもしくは尿素への変換は開環反応の間もしくは反応後に達成できる。
【0048】
カルバメートもしくは尿素基および活性水素基を有する化合物はこの分野で公知である。例えば、ヒドロキシプロピルカルバメートおよびヒドロキシエチルエチレン尿素は周知であり、市販されている。アミノカルバメートは米国特許第2,842,523号明細書に記載されている。ヒドロキシル尿素もオキサゾリドンをアンモニアもしくは第一級アミンと反応させることにより、またはエチレンオキシドをアンモニアと反応させてアミノアルコールを形成後、上記化合物のアミン基もしくは他のアミノアルコールを塩化水素酸と反応させ、次いで尿素と反応させてヒドロキシ尿素を形成させることにより製造することができる。アミノ尿素は例えば、ケトンを、反応から保護(例えば立体障害により)された1つのアミン基を有するジアミンと反応させ、次いでHNCO(すなわち、尿素の熱分解生成物)および引き続く水との反応により製造できる。別法として、これらの化合物は、以下に記載されているような、カルバメートもしくは尿素に変換し得る基と活性水素とを有する化合物を原料とし、次いでラクトン開環反応の開始に先立って当上記基をカルバメートもしくは尿素に変換することにより製造できる。
【0049】
カルバメートへ変換し得る基としては、環状カーボネート基、エポキシ基、および不飽和結合が挙げられる。環状カーボネート基は、アンモニアまたは第一級アミンと反応させることにより、環状カーボネートが開環してβ−ヒドロキシカルバメートを形成させて、カルバメート基に変換できる。エポキシ基は、COとの反応で環状カーボネート基に先ず変換することによりカルバメート基へ変換できる。この反応は常圧から超臨界CO圧の間の、いかなる圧力下でも実施できるが、加圧下(例えば60〜150psi)で実施するのが好ましい。この反応の温度は好ましくは60〜150℃である。有用な触媒としては、第三級アミンもしくは第四級塩(例えば、臭化テトラメチルアンモニウム)、錯化有機錫ハロゲン化物とアルキルホスホニウムハロゲン化物との組合せ[例えば、(CHSnI、BuSnI、BuPI、および(CHPI]、カリウム塩(例えば、KCO、KI)好ましくはクラウンエーテルとの組合せ、オクタン酸錫、オクタン酸カルシウム、およびその他の、オキシラン環を活性化させるどのようなものも挙げることができる。次いで環状カーボネート基は上記のようにカルバメート基に変換できる。不飽和結合はいずれも過酸化物と先ず反応させてエポキシ基に変換し、次いでCOと反応させて環状カーボネートとし、さらにアンモニアもしくは第一級アミンと反応させてカルバメートを形成させることにより、カルバメート基に変換させることができる。
【0050】
ヒドロキシル基またはイソシアネート基のような他の基もカルバメート基に変換させることができる。しかしながら、もしこのような基を化合物上に存在させ、そしてラクトンでの開環反応後にカルバメートに変換させなければならない場合には、これらの基はブロックして、ラクトンとあるいはラクトン開環反応に関与する活性水素基と反応しないようにする必要がある。これらの基のブロッキングが可能でない場合には、カルバメートまたは尿素への変換は、ラクトン開環反応に先立って完結させておかなくてはならない。ヒドロキシル基は、モノイソシアネート(例えば、メチルイソシアネート)と反応して第二級カルバメートを形成するか、あるいはシアン酸(このものは尿素の熱分解によりその場で生成し得る)と反応して第一級カルバメート基(すなわち、非置換カルバメート)を形成することにより、カルバメート基に変換し得る。この反応は、この分野で公知の触媒の存在下で好適に進行する。ヒドロキシル基はまた、ホスゲンおよび引き続いてアンモニアと反応して第一級カルバメート基を有する化合物を形成し、あるいはヒドロキシルをホスゲンおよび引き続いて第一級アミンと反応して第二級カルバメート基を有する化合物を形成し得る。他の経路は、イソシアネートをヒドロキシアルキルカルバメートのような化合物と反応させてカルバメートでキヤップされたイソシアネート誘導体を形成するものである。例えば、トルエンジイソシアネート上の1つのイソシアネート基をヒドロキシプロピルカルバメートと反応させ、次いで他のイソシアネートを過剰のポリオールと反応させてヒドロキシカルバメートを形成させることができる。最後に、カルバメートは、上記したように、ヒドロキシル基をアルキルカルバメート(例えば、メチルカルバメート、エチルカルバメート、ブチルカルバメート)と反応させるエステル交換経路で第一級カルバメート含有化合物を形成させることにより製造することができる。この反応は、好ましくは有機金属触媒(例えばジブチル錫ラウレート)の存在下で、加熱下に実施される。カルバメート製造の他の方法はこの分野で公知であり、例えばP. Adams & F. Baron,"Esters of Carbamic Acid", Chemical Review、65巻(1965)に記載されている。
【0051】
オキサゾリドンのような基も上記ラクトンでの開環反応後に尿素に変換することができる。例えば、ヒドロキシエチルオキサゾリドンはラクトンとの開環反応を開始するために使用でき、次いでオキサゾリドンとアンモニアまたは第一級アミンとの反応により、尿素官能基が形成される。アミノ基またはイソシアネート基のような他の基も尿素基へと変換して化合物を形成させることができる。しかしながら、もしこれらの基が化合物上に存在し、そしてラクトンとの開環反応後に尿素に変換させなければならない場合には、これらの基をブロックして、ラクトンとあるいはラトクトンの開環に関与する活性水素基と反応させないようにする必要がある。これらの基のブロッキングが可能でない場合には、カルバメートまたは尿素への変換は、ラクトン開環反応に先立って完結しておく必要がある。アミノ基は、モノイソシアネート(例えばメチルイソシアネート)との反応により第二級尿素基を、またはシアン酸(これは尿素の熱分解によりその場で形成させることができる)との反応により第一級尿素基を形成させることにより、尿素基へ変換することができる。この分野で公知にように、この反応は触媒の存在下で好適に進行する。アミノ基も、ホスゲン、次いでアンモニアと反応させて第一級尿素基を有する化合物を、あるいはアミノ基をホスゲン、次いで第一級アミンと反応させて第二級尿素基を有する化合物を形成させることができる。他の経路は、イソシアネートをヒドロキシ尿素化合物と反応させて尿素でキヤップされたイソシアネート誘導体を形成させるものである。例えば、トルエンジイソシアネート上の1つのイソシアネート基は、ヒドロキシエチルエチレン尿素と反応させ、次いで他のイソシアネート基を過剰のポリオールと反応させてヒドロキシカルバメートを形成させることができる。
【0052】
カルバメートに変換できる基および活性水素基を有する化合物の好ましい一つのクラスは、ヒドロキシアルキル環状カーボネートである。ヒドロキシアルキル環状カーボネートは、多くの経路によって製造することができる。3−ヒドロキシプロピルカーボネート(すなわちグリセリンカーボネート)のようなある種のヒドロキシアルキル環状カーボネートは市販されている。環状カーボネート化合物は種々の異なった経路で合成できる。1つの経路は、エポキシ基含有化合物をCOと、上記のような条件下および触媒を用いて反応させる方法を含むものである。そのような触媒の存在下で、エポキシドもβ−ブチロラクトンと反応させることができる。他の経路では、グリセリンのようなグリコールを80℃以上で、触媒(例えば炭酸カリウム)の存在下にジエチルカーボネートと反応させて、ヒドロキシアルキルカーボネートを形成させるものである。別法では、下記の構造
【化11】
Figure 0003923254
を有する1,2−ジオールのケタールを含む官能性化合物を、水、好ましくは痕跡量の酸を用いて開環して1,2−グリコールを形成させ、これをさらにジエチルカーボネートと反応させて環状カーボネートを形成させることができる。
【0053】
この分野で公知のように、環状カーボネートは典型的には5〜6員環を有する。合成の容易さおよび市販品としてより入手しやすいとの理由で5員環が好ましい。6員環は、環状カーボネートを生成するための公知の条件下で、ホスゲンと1,3−プロパジオールとを反応させることにより合成することができる。好ましいヒドロキシアルキル環状カーボネートは下記式で表される。
【化12】
Figure 0003923254
[式中、R(または、nが1より大きい場合にはRの各々)は炭素原子数1〜18、好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3、の直鎖状もしく分枝状ヒドロキシアルキル基であって、ヒドロキシル(それ自体は第一級、第二級、または第三級)に加えて置換基を有していてもよく、nは1または2であり、それはブロックされたアミンまたは不飽和基等の1以上の他の置換基により置換されていてもよい]。より好ましくは、Rは−C2mOH(式中、ヒドロキシルは第一級もしくは第二級であり、mは1〜8である)であり、さらにより好ましくは、Rは−(CH−OH(式中、ヒドロキシルは第一級であり、pは1〜2である)である。
【0054】
活性水素で開環し得るラクトンはこの分野で周知である。そのようなものとしては、e−カプロラクトン、g−カプロラクトン、b−ブチロラクトン、b−プロピオラクトン、g−ブチロラクトン、a−メチル−g−ブチロラクトン、b−メチル−g−ブチロラクトン、g−バレロラクトン、d−バレロラクトン、g−ノナン酸ラクトン、g−オクタン酸ラクトン、およびペントラクトンが挙げられる。1つの好ましい実施態様では、ラクトンはe−カプロラクトンである。本発明の実施において有用なラクトンはまた、次式により特徴付けられる。
【化13】
Figure 0003923254
(式中、nは1〜7の正の整数であり、Rは1以上のH原子であるか、または炭素原子数1〜7の置換もしくは非置換のアルキル基である)。
【0055】
ラクトンの開環反応は、典型的には例えば80〜150℃の加温下で実施される。反応物は通常は液体であるため、溶媒は必要ではない。しかしながら、溶媒は反応物が液体であっても、反応について良好な条件を促進する上で有用である。極性および非極性溶媒を包含して、非反応性溶媒であれば、どのようなものであっても使用し得る。有用な溶媒の例としては、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。好ましくは触媒を存在させる。有用な触媒の例として、プロトン酸(例えば、オクタン酸、AmberlystR 15 (Rohm & Haas))および錫触媒(例えばオクタン酸第一錫)が挙げられる。あるいは、反応は、ラクトン環と反応し得る分子上のヒドロキシル基のナトリウム塩を生成させることにより開始できる。
【0056】
もし充分量のラクトンが存在するならば、ラクトン開環反応により分子の連鎖延長がもたらされる。カルバメートまたは尿素化合物とラクトンの相対量を変更することにより、連鎖延長の程度を制御することができる。ラクトン環を、ヒドロキシルもしくはアミン基で開環すると、エステルまたはアミドおよびOH基が生成する。次いでこのOH基が、他のラクトン環と反応して連鎖延長がもたらされる。開始剤化合物の量に対するラクトンの割合を変えることにより、反応が制御される。本発明の好ましい実施態様においては、活性水素基の当量に対するラクトンの当量比は、好ましくは0.1:1〜10:1であり、より好ましくは1:1〜5:1である。酸でラクトンを開環した場合、得られた化合物は酸基を有し、この基は次いで、エチレンオキシドとの反応等の周知の技術によりヒドロキシル基に変換され得る。
【0057】
上記の実施態様の他のものでは、上記のような少なくとも1つのカルバメートもしくは尿素基(またはカルバメートもしくは尿素へ変換し得る基)および活性水素基を有する化合物とラクトンとの反応生成物である上記化合物は、この反応生成物の複数の分子上のヒドロキシル基とは反応し、カルバメートもしくは尿素基とは反応しない化合物とさらに反応させることができる。このようにして、最終生成物において、化合物の残基は、反応生成物の複数のカルバメートもしくは尿素官能残基が結合しているコアとして記述することができる。化合物との反応に先立って、反応生成物はまた、カルバメートもしくは尿素基(例えば、ヒドロキシプロピルカルバメート)+ヒドロシル基を含んでなる他の化合物と混合してもよい。この場合、得られた反応生成物混合物は、そのような他の化合物に対する反応生成物の化学量論的比率を反映する。
【0058】
ラクトンまたはヒドロキシ酸反応から得られる複数の分子上のヒドロキシル基と反応する化合物として有用な化合物としては、ポリイソシアネート、ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、CO、アセタール、ホスゲン、環状もしくは直鎖ホスファゼン、置換もしくは非置換環状シロキサンもしくはシラン、または置換もしくは非置換直鎖シロキサンもしくはシラン[このものは、SiXで表される。式中、Xはハロゲン化物、アルコキシ、水素化物、またはアセテート等のプロトンと反応する基であり、Rはアルキル、シラン、またはシロキサン。およびその他のプロトンと反応しない基であり、mは2〜4であり、またm+n=4である]、SO、POCl、POClR(式中、Rはアルキルまたはアリール)が挙げられる。ある種の化合物と共に、ジオールを反応混合物中に添加して、カルバメートまたは尿素末端を有する連鎖延長を行うこともできる。この反応は、例えばホスゲンを用いて行うことができ、ここでホスゲン/ジオール反応では連鎖延長が生起し、ホスゲンとその反応生成物との反応ではカルバメートまたは尿素基での連鎖の停止が生起する。
【0059】
ポリイソシアネートは、環状脂肪族ポリイソシアネートを含む脂肪族ポリイソシアネートまたは芳香族ポリイソシアネートであり得る。有用な脂肪族ポリイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、1,2−ジイソシアナトプロパン、1,3−ジイソシアナトプロパン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,4−ブチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、1,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびイソホロンジイソシアネート、およびその他の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。有用な芳香族ジイソシアネートおよびアラリファティック(araliphatic)ジイソシアネ−トとしては、トルエンジイソシアネートの各種異性体、メタキシレンジイソシアネ−ト、およびパラキシレンジイソシアネートが挙げられ、また4−クロロ−1,3−フエニレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジベンジルジイソシアネートおよび1,2,4−ベンゼントリイソシアネートも使用できる。さらに、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネ−トの各種異性体が使用できる。過剰のモノマー状ポリイソシアネートをポリオールと反応させて製造されるオリゴマー状またはポリマー状ポリイソシアネートも使用し得る。また、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレートまたはヘキサメチレンジイソシアネ−トのイソシアヌレートのようなイソシアヌレートまたはビウレットなどの他のモノマー状イソシアネートも使用し得る。BayerのDESMODURR N100のようなイソシアヌレートのビウレットも有用である。
【0060】
カー ボネート結合基を介して2つまたはそれより多い反応生成化合物と反応、結合する化合物としては、ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、CO、ジフェニルカーボネート、またはホスゲンが使用される。ホスゲンを使用する場合には、ホスゲンは、2モルの反応生成物[または2モルの反応生成物+他のヒロキシカルバメートもしくは尿素化合物、例えばヒドロキシプロピルカルバメート]に対して約1モルのホスゲンのモル比で、反応生成物の溶液に添加する。この反応は7℃未満の温度で、またはホスゲンを液体状態に維持するために加圧下で行うか、あるいは反応系にガス状のホスゲンをバブルさせてもよい。塩生成用塩基(例えばNaOH)を、反応を促進するために用いてもよい。反応は、−20℃〜80℃の温度で、また大気圧〜40psiの圧力で、事実上いかなる非プロトン性溶媒中においても行うことができる。
【0061】
環状カーボネートまたはジアルキルカーボネートは、適切なモル量での混合物[2モルの反応生成物+他のヒドロキシカルバメートもしくは尿素および1モルの環状カーボネートもしくはジアルキルカーボネート]を、オクタン酸カルシウム等のエステル交換触媒と共に、例えば80〜200℃に加熱することにより、反応生成物と反応させることができる。有用なジアルキルカーボネートとしては、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジフェニルカーボネート、およびジブチルカ−ボネートが挙げられる。有用な環状カーボネートとしては、プロピレンカーボネート、グリセリンカーボネート、およびジメチルエチレンカーボネートが挙げられる。環状カーボネートはまた、不飽和結合と過酸化物との反応によりオキシラン環を形成させ、次いでCOと反応させて環状カ−ボネートを形成させることにより、どのような不飽和結合からでも形成させ得る。有用な触媒としては、金属水酸化物(例えば、KOH)、IまたはII族金属(例えば、Na、Li)、金属炭酸塩(例えばKCO)(これは、クラウンエーテルと組合わせて用いることにより促進し得る)、金属酸化物(例えば、酸化ジブチル錫)、金属アルコキシド(例えば、NaOCH、Al(OCH)、金属エステル(例えば、オクタン酸第一錫、オクタン酸カルシウム)、またはプロトン酸(例えば、HSO)、MgCO、またはPhSbIが挙げられる。使用する溶媒は、エステル交換に対して不活性な溶媒であるべきである。触媒および/または反応条件は、反応生成物中の開環したラクトンからのエステル基のエステル交換を最小限に抑えるように調整することが必要である。COも、同様の触媒の存在下、同様の条件下で化合物として用いられ、1〜40気圧の圧力で用い得る。
【0062】
無機の反応基を有する化合物も、反応生成物のヒドロキシル基と反応させるために使用され得る。これらの例として、燐化合物、例えばPOClもしくはヘキサクロロシクロトリホスファゼン、SO源、例えばSOもしくはSOCl、あるいは置換もしくは非置換の環状シロキサンもしくはシラン、または式SiX(式中、Xはプロトンと反応する基、例えばハロゲン化物、アルコキシ、水素化物、またはアセテート、であり、Rはプロトンと反応しない基、例えばアルキル、シラン、またはシロキサン、であり、mは2〜4であり、またm+n=4である)で表される置換もしくは非置換の直鎖状シロキサン類もしくはシラン類のシランベース系が挙げられる。
【0063】
燐含有化合物、例えばホスファゼンベース系化合物(例えばヘキサクロロシクロトリホスファゼン)またはPOCl、も、反応生成物と反応させる化合物として使用される。典型的な反応では、燐反応剤1当量(塩素含量基準)を乾燥エーテル溶媒、例えばジエチルエーテルまたはテトロヒドロフラン、の中に溶解させて、約50%溶液を作成する。1.5当量の水素化ナトリウムを加え、次いで1当量の反応生成物(または反応生成物+他のヒドロキシカルバメートもしくは尿素化合物)を加える。反応生成物の添加速度によって反応温度を制御しつつ、この混合物が発熱により溶媒の還流温度となるようにする。反応生成物の添加が完了した後、反応混合物を加熱還流し、2〜3時間維持する。次いで混合物を冷却、濾過して塩化ナトリウムおよび全ての未反応水素化ナトリウムを除去し、減圧下に溶媒を留去する。
【0064】
シランベース系化合物も、OH官能性生成物に対する結合用化合物として使用し得る。そのような化合物は、式SiX(式中、Xはプロトンと反応する基、例えばハロゲン化物、アルコキシ、水素化物、またはアセテート、であり、Rはプロトンと反応しない基、例えばアルキル、シラン、またはシロキサン、であり、mは2〜4であり、またm+n=4である)で表される。これらの化合物は、全ての乾燥非プロトン性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中、この分野で公知の条件下に反応生成物と反応し、その条件はX基の性質に依存する。Xが水素化物の場合、反応は、錫触媒等の触媒を用いて、不活性雰囲気下、例えば0℃に冷却した反応物を用いて好適に開始される。物質の添加終了後、乾燥メタノールを加えて遊離の残留Si−H結合の全てを反応させる。Xがハロゲン化物である場合には、反応は室温で、不活性雰囲気下に好適に開始される。次いで上記混合物を加熱還流して反応を完結させる。HClが副生物として生じる。Xがアルコキシの場合には、反応は室温で、不活性雰囲気下に好適に開始され、反応中は室温に維持する。生成する副生物であるアルコールを吸着するために、モレキュラーシーブを使用してもよい。この反応は、僅かに塩基性もしくは酸性のpHで促進される。しかし、そのpHは同時にSi−O−Si結合の生成をも促進する。
【0065】
SO源については、反応生成物が液状であればそれにSOをバブルさせることにより、または反応生成物を溶媒中に溶解し、次いでその溶媒中にSOをバブルさせることにより、SOは化合物と反応させることができる。SOClと化合物との反応は、化合物をNaまたはNaOR(Rは有機基である)と予備反応させることにより促進され得る。
【0066】
他の実施態様においては、反応生成物上のヒドロキシル基は、化合物との反応によりカルバメートまたは尿素に変換させることができ、ここで化合物とは、反応生成物と反応して、その上のヒドロキシル基をカルバメートもしくは尿素基に変換させるものであるか、あるいはその上のヒドロキシル基と反応する基、および、同時にカルバメートもしくは尿素基、またはカルバメートもしくは尿素に変換し得る基を含んでなるものである。多くの化合物が、反応生成物上のヒドロキシル基をカルバメート基へ変換するための化合物として用い得る。ヒドロキシル基は、モノイソシアネート(例えば、メチルイソシアネート)との反応で第二級カルバメート基を形成することによりカルバメート基へ変換することができ、あるいはシアン酸との反応で第一級カルバメート基(すなわち、非置換カルバメート)を形成することによりカルバメート基に変換させることができる。この反応は、この分野で公知のように、好ましくは触媒の存在下、加熱下に行われる。ヒドロキシル基はまた、ホスゲン、次いでアンモニアと反応させて第一級カルバメート基を形成させることができ、あるいはヒドロキシルとホスゲンとの反応、次いで第一級アミンとの反応により、第二級カルバメート基を有する化合物を生成させることができる。
【0067】
種々の化合物が、反応生成物上のヒドロキシル基と反応する基および同時にカルバメートもしくは尿素基、またはカルバメートもしくは尿素に変換し得る基を有する化合物として使用できる。アルキルカルバメート(例えば、メチルカルバメート、ブチルカルバメート)または置換アルキルカルバメート(例えば、ヒドロキシプロピルカルバメート)は、前記のように、反応生成物上のヒドロキシル基とエステル交換し得る。この反応は、好ましくは触媒、例えば有機金属触媒(例えば、ジブチル錫ジラウレート)の存在下、加熱して行われる。メチロールアクリルアミドは、反応生成物上のヒドロキシル基と反応させ、次いでカルバメートに変換することができる。この反応において、不飽和結合はその後、過酸化物、CO、およびアンモニアと上記のように反応させる。次いでエポキシ基をCOと反応させて環状カーボネート基を形成させ、このものはアンモニアとの反応によりカルバメート基に変換される。部分的にブロックされたトルエンジイソシアネ−トも化合物として使用できる。1つの実施態様では、部分的にブロックされたトルエンジイソシアネート上のブロックされていないイソシアネートは、反応生成物上のヒドロキシル基と反応させることができる。その後、他のイソシアネートのブロックを除去して、ヒドロキシアルキルカルバメート(例えば、ヒドロキシプロピルカルバメート)またはヒドロキシ尿素(例えば、ヒドロキシエチレン尿素)と反応させることができる。あるいは、ブロックされていないイソシアネートを、ヒドロキシアルキルカルバメート(例えば、ヒドロキシプロピルカルバメート)またはヒドロキシ尿素(例えば、ヒドロキシエチレン尿素)と反応させ、次いで他のイソシアネート基のブロックを除去し、さらに反応生成物上のヒドロキシル基との反応を行うことができる。他のポリイソシアネートは、カルバメートもしくは尿素基を反応生成物上のヒドロキシル基上に付加させるために使用できるが、それらは、ポリイソシアネートが1分子を超える、または1つを超えるヒドロキシアルキルカルバメートもしくはヒドロキシ尿素と反応するという競合的副反応を生起するであろう。
【0068】
さらに他の実施態様においては、ポリオール、アミノアルコール、またはポリアミン(官能性のより高いポリオールもしくはポリアミンも使用できるが、典型的にはジオールもしくはジアミン)をラクトンもしくはヒドロキシカルボン酸と反応させて、ラクトンの開環またはヒドロキシカルボン酸の縮合反応に由来する少なくとも1つのエステルまたはアミド基を有するポリオールを形成させる。次いで、その上のヒドロキシル基は、カルバメートもしくは尿素基に変換することができ、あるいは上記いずれかの技術により、カルバメートもしくは尿素基またはカルバメートもしくは尿素に変換し得る基を有する化合物と反応させることができる。ラクトン環の開環反応から誘導されるポリオールは市販されており(例えば、Union Carbide CorporationのToneRポリオール製品系列下のToneR 0200、ToneR 2221、ToneR 0301、またはToneR 0310)、あるいはラクトン開環反応について上記した条件下、実質上いかなるものでもよいポリオールもしくはポリアミンを用いてのラクトンの開環により製造し得る。有用なポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ウレタンポリオール(このものは、過剰のポリオールをポリイソシアネートと反応させるか、あるいはBlankの米国特許第5,134,205号明細書に記載の技術により形成させ得る)、ダイマー脂肪アルコール、およびその他が挙げられる。有用なポリアミンとしては、イソホロンジアミン、ビス[ジアミノメチルシクロヘキサン]、ビス[4−アミノフェニルメタン]、ポリエチレンイミン(BASF社からPolyminRとして市販)、およびトリアミノノナンが挙げられる。有用なアミノアルコールとしては、ヒドロキシエチルアミン、5−アミノペンタン−1−オール、およびアミノメチルプロパノールが挙げられる。
【0069】
カーボネート基はまた、カルバメートもしくは尿素官能性化合物中に導入することができる。1つの方法において、カルバメートもしくは尿素基(またはカルバメートもしくは尿素に変換し得る基)およびヒドロキシル基を有する上記のような化合物は、CO源(例えば、CO、ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、ホスゲン、ジフェニルカーボネート)と反応させることができる。このヒドロキシカルバメートもしくはヒドロキシ尿素化合物は、上記いずれのタイプでもよく、または反応生成物であってもよい。CO源および反応条件は、反応生成物の反応に関して上記したとおりであり、この際はCO、ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、ホスゲン、またはジフェニルカーボネートである。
【0070】
本発明の他の実施態様において、化合物(c)は、置換もしくは非置換のアルキルカルバメート(例えば、メチルカルバメート、ブチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート)と、それに結合した複数のヒドロキシル基を有するポリカーボネートとの反応生成物である。そのようなポリカーボネートポリオールはこの分野で公知であり、例えば米国特許第4,024,113号明細書に記載があり、この記載は本明細書に参照として含められる。それらは、CO、ジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ホスゲン、またはジオキソラノンを上記のような技術および触媒を用いて、過剰のポリオールとエステル交換反応させることにより製造することができる。有用なポリオールの例としては、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメチロール、ビスフェノールA、ポリエーテルポリオール、例えばBASF Corporationから市販されているPluronicRポリオール、1,2−ヘキサンジオール、およびその他などが挙げられる。より多くの官能性を有する有用なポリオールとしては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、アクリル系ポリオール、およびその他が挙げられる。
【0071】
カルバメート化合物とポリカーボネートポリオールとの間のエステル交換反応は、一般的に先に記述したように、触媒を使用すべきである。そのような触媒はこの分野で公知であり、有機金属錯体が好ましい。適切な触媒としては、錫錯体、例えば酸化ジブチル錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジメトキシド、が挙げられる。他の触媒、例えばアルミニウム錯体(例えば、アルミニウムイソプロポキシド)、亜鉛錯体、チタネート、または酸触媒(例えば、オクタン酸)、もまた使用できる。触媒および/または反応条件は、化合物中のカーボネート基との相互作用を最小限に抑えるように調整することが必要である。
【0072】
さらに他の実施態様では、カーボネート基を含む化合物(c)は、ポリオールおよびCO源(例えば、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、CO)またはホスゲンが関与する上記の標準エステル交換技術により生成させることができ、この場合のポリオールには、側鎖カルバメート基または側鎖尿素基を有するジオールが包含される。側鎖カルバメート基を有するジオールは、アンモニアまたは第一級アミンによるヒドロキシアルキル置換環状カーボネートの公知技術を用いての開環反応によって形成させることができる。側鎖尿素基を有するジオールは、アンモニアもしくは第一級アミンによるヒドロキシアルキル置換オキサゾリドンの公知技術を用いての開環反応によって形成させることができる。
【0073】
成分(c)として好適な化合物はまた、基としてエーテル基を含んでいてもよい。カルバメートまたは尿素官能性エーテル含有化合物は、カルバメートもしくは尿素基(またはカルバメートもしくは尿素に変換し得る基)および活性水素基を有する上記化合物を用いて、先に述べたエポキシド反応におけると同様に、触媒の存在下でエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシド上のオキシラン基を開環させることによって製造できる。ラクトンの開環反応については、ポリエーテル延長の度合を、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドの量に比例した連鎖延長の度合いで、化学量論量により制御することができる。あるいは、ポリエーテルポリオール上のヒドロキシル基は、アルキルカルバメートとエステル交換することができ、または上記のようにシアン酸と反応させてカルバメート官能性を付与することができる。
【0074】
カルバメートもしくは尿素官能性ポリウレタンは、NCO末端ポリウレタンをヒドロキシカルバメート(例えば、ヒドロキシプロピルカルバメート)またはヒドロキシ尿素(例えば、ヒドロキシエチルエチレン尿素)と、米国特許第5,373,069号明細書に記載の方法を用いて反応させることにより、あるいはカルバメートもしくは尿素ジオール(これは、アンモニアもしくは第一級アミンを用いてヒドロキシアルキル環状カーボネートまたはヒドロキシアルキルオキサゾリドンを開環して形成し得る)を含有させることにより、製造することができる。水素結合受容体基を含む、ポリエステルポリオール以外のポリオール(例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ただし本発明の1つの実施態様では、ポリエーテルポリオールから誘導されたポリウレタンも化合物の範囲から除外することが考慮されている)は、ポリウレタン形成におけるポリオール成分に包含され得る。別法として、水素結合受容体基は、ヒドロキシル基および水素結合受容体基を含む化合物をイソシアヌレート上の1つのNCO基上で反応させ、次いで他の2つのNCO基を利用してポリオールとのポリウレタン反応を起こさせることにより導入できる。
【0075】
他の水素結合受容体基は、所望の水素結合受容体基を含むポリオールをシアン酸またはホスゲンと反応させ、次いでアンモニアと反応させてカルバメート誘導体を形成させるというような、この分野で周知の種々の方法でカルバメートまたは尿素官能性化合物中に導入することができる。例えば、硫化物含有化合物(c)は、硫化物含有ポリオール(例えば、2,2’−チオジエタノール)をシアン酸またはホスゲン/アンモニアと反応させることにより製造できる。同様に、スルホン含有化合物は、スルホン含有ポリオール(例えば、2,2’−スルホニルジエタノール)をシアン酸またはホスゲン/アンモニアと反応させることにより製造できる。また、第三級アミン含有カルバメート化合物は、第三級アミンポリオール(例えば、トリエタノールアミン)をシアン酸またはホスゲン/アンモニアと反応させてカルバメート誘導体を形成させることにより製造できる。グリコールアルデヒドダイマーは、シアン酸またはホスゲン/アンモニアと反応させて複素環式エーテル含有カルバメート化合物を形成することができる。第三級アミド化合物は、第三級アミドポリオール(例えば、N,N,N’,N’−テトラメチル−D−酒石酸アミド)をシアン酸またはホスゲン/アンモニアと反応させることにより製造できる。不飽和基含有カルバメート化合物は、不飽和ポリオール(例えば、5−ヘキセン−1,2−ジオール)をシアン酸またはホスゲン/アンモニアと同様に反応させることにより製造できる。ケトン含有化合物は、ケトンポリオール(例えば、エリスルロース)をシアン酸またはホスゲン/アンモニアと反応させることにより製造し得る。
【0076】
このような他の水素結合受容体基を含むカルバメートまたは尿素官能性化合物も、イソシアヌレート化合物を、ヒドロキシプロピルカルバメートまたはヒドロキシエチルエチレン尿素等の化合物2モルおよび水素結合受容体化合物1モルと部分的に反応させることにより、水素結合受容体基と単一の活性水素基を含む化合物から製造することができる。このような合成技術に有用な水素結合受容体化合物の例として、1−ヒドロキシルシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、3−ヒドロキシルメチルピペリジン、ジアセトンアルコール、ジアセチン、2−ヒドロキシメチル−12−クラウン−4,4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリンが挙げられる。
【0077】
上記タイプの水素結合受容体基の組合せは、本発明のカルバメートまたは尿素官能性化合物において使用し得る。このようなことは、例えば、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリンが上記のようにカルバメートまたは尿素官能性化合物中に導入される場合に生じる。水素結合受容体基の組合せの他の例は、2つのエステル含有カルバメート化合物がCOと互いに結合してカーボネート結合を形成し、それでエステルおよびカーボネート水素結合受容体基の双方を含む化合物が形成される場合に生じる。
【0078】
他の好ましい実施態様においては、成分(c)は、モノマー状、オリゴマー状、またはポリマー状であってもよい第一の物質を含んでなる混合物と、上記の第一の物質と反応する基、およびカルバメート基またはカルバメートに変換し得る基を含んでなる化合物との反応生成物であるカルバメート官能性物質を含んでなり、ここで、第一の物質は、ポリイソシアネートと活性水素含有連鎖延長剤を含む混合物の反応生成物である。このような物質は、本明細書に参照として含まれる米国特許第5,373,069号明細書に記載されている。好ましいものは、ヒドロキシカルバメート化合物と反応したイソシアネート官能性の第一の物質である。ポリイソシアネートは、環状脂肪族ポリイソシアネートを含む脂肪族ポリイソシアネートまたは芳香族ポリイソシアネートであり得る。有用な脂肪族ポリイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネートエチレンジイソシアネート、例えば1,2−ジイソシアナトプロパン、1,3−ジイソシアナトプロパン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,4−ブチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、1,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびイソホロンジイソシアネート、が挙げられる。有用な芳香族ジイソシアネートおよびアラリファティック(araliphatic)ジイソシアネ−トとしては、トルエンジイソシアネートの各種異性体、メタキシレンジイソシアネ−ト、およびパラキシレンジイソシアネートが挙げられ、また4−クロロ−1,3−フェニレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジベンジルジイソシアネートおよび1,2,4−ベンゼントリイソシアネートも使用できる。さらに、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネ−トの各種異性体が使用できる。ポリイソシアネートとして同様に有用なものは、MobayよりのDESMODURR 3300のようなイソシアヌレートおよびMobayよりのDESMODURR N100のようなイソシアネートのビウレットである。とくに好ましいものは、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、および1,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)である。
【0079】
有用な活性水素含有連鎖延長剤は一般に、少なくとも2個の活性水素基を含み、例えばジオール、ジチオール、ジアミン、あるいはヒドロキシル、チオール、およびアミン基の混ざりを有する化合物であり、アルカノールアミン、アミノアルキルメルカプタン、およびヒドロキシアルキルメルカプタン等である。本発明のこの面の目的に対しては、第一級および第二級アミンのいずれも1個の活性水素を有していると考えられる。活性水素含有連鎖延長剤は水をも包含する。本発明の好ましい態様においては、枝分かれを最少限に抑えるために、ジオールが連鎖延長剤として用いられ、それ以上のポリオールは殆んどまたはまったく用いられない。ポリウレタン連鎖延長剤として用いられる好ましいジオールの例として、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール(CHDMとしてEastman Chemicalより販売)、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、Esterdiol 204(Eastman Chemical Co. より販売)、および1,4−ブタンジオールが挙げられる。少なくとも3つのヒドロキシル基を含むポリヒドロキシ化合物を連鎖延長剤として用いることはできるが、これらの化合物を使用すると、分枝状のポリウレタン樹脂が得られる。これらの高度に官能性のポリヒドロキシ化合物としては、例えばトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールやその他の化合物が挙げられる。
【0080】
第一の物質は、少なくとも2つの活性水素基を有するこれらの化合物を用いて、どのような方法ででも連鎖を延長し得る。すなわち、これらの化合物は、ポリイソシアネート、ポリオール、および多官能性化合物の混合物に加えるか、あるいは中間段階で反応させて、中間体ポリマーの末端に存在する2個の遊離イソシアネート基に結合させてもよい。ポリマー状の連鎖延長剤もまた、使用することができ、例えばこの分野で公知の、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール、またはポリマー状アミノ基含有ポリマーが使用できる。また、上記の連鎖延長剤のいずれの混合物も使用することができる。
【0081】
ポリイソシアネートとポリオールとの反応は、適切な反応媒体、例えばキシレンまたはプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、の中で、成分を加熱することによって行われる。この反応用の触媒、例えばジブチル錫ジアセテート等の有機錫触媒を使用することは、この分野で周知である。重合度は、加温反応条件を維持する時間によって調節される。第一の物質として有用な物質は、600〜6000の数平均分子量を有する。非イオン性ポリエーテル安定化基、イオン性安定化基(例えば、カルボキシル基)、不飽和結合基などの各種の基を、この分野で公知なように、物質に導入または付加し得る。
【0082】
本発明の成分(c)を製造する上で用い得る第一の物質は、カルバメート含有化合物と反応するための1以上の官能基を含んでいる。これらの基の例として、イソシアネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、不飽和二重結合、カルボン酸基、およびケタールが挙げられる。好ましい実施態様において、第一の物質上の官能基は、末端イソシアネート基である。反応混合物中の活性水素:NCOのモル比が1未満であると、イソシアネート末端ポリマーが得られがちになる。第一の物質上の官能基は、末端基であっても、あるいは側鎖(ペンダント)基であってもよい。活性水素またはイソシアネート末端基は、反応混合物中の連鎖延長剤とポリイソシアネートの化学量論量を調整することによりもたらされる。他の末端基は、キャッピング剤を用いることによりもたらされる。例えば、酸末端基は、ポリマーをヒドロキシ酸でキャップすることによりもたらされる。側鎖の官能基は、この分野で周知なように、2個の活性水素基と望まれる官能基とを有する連鎖延長剤、例えばジメタノールプロピオン酸を用いることによってもたらされる。
【0083】
第一の物質上の官能基と反応する基を有する化合物はまた、カルバメート基か、カルバメート基を形成させ得る基のいずれかを有する。カルバメート基を形成させ得る基としては、環状カーボネート基、エポキシド基、および不飽和二重結合基が挙げられる。環状カーボネート基は、アンモニアとの反応により、カルバメート基に変換できる。エポキシド基は、COおよび引き続くアンモニアとの反応によりカルバメート基へ変換できる。不飽和二重結合基は、過酸化物との反応、次いでCOおよびアンモニアとの反応によりカルバメート基へ変換できる。第一の物質と反応する化合物上の基は、反応する第一の物質上の特定の官能基に依存する。その官能基がイソシアネートである場合には、カルバメート含有化合物上の基は、好ましくはヒドロキシルまたはアミノのような活性水素含有基である。例えば、第一の物質上のイソシアネート基は、ヒドロキシアルキルカルバメートと反応させることができ、あるいはヒドロキシ含有エポキシドと反応させ、次いでエポキシ基をCOおよび引き続くアンモニアとの反応によりカルバメート基へ変換させることができる。第一の物質は、ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメート、またはそれらの混合物と反応させることが好ましい。官能基がヒドロキシルである場合には、カルバメート含有化合物上の反応性基は、アルキルカルバメートまたはメチロールアクリルアミド(HO−CH=NH−CO−CH=CH)のようなメチロール上のカルバメート基のCOO部位の酸素原子である。アルキルカルバメート上のCOO基の場合には、第一の物質上のヒドロキシル基は、COO基でエステル交換を受け、ポリマーに付加したカルバメート基を与える。メチロールアクリルアミドの場合には、上記のように、その不飽和二重結合は次いで、過酸化物、COおよびアンモニアと反応させる。第一の物質上の官能基がカルボキシル基である場合には、酸基はエピクロルヒドリンと反応させてモノグリシジルエステルを形成させることができ、このエステルはCOおよび引き続くアンモニアとの反応によりカルバメート基へ変換させることができる。別法として、第一の物質上の酸官能性基は、無水酢酸と反応させて酸無水物を形成させることができ、この酸無水物は次いで、ヒドロキシルのような活性水素基およびカルバメート基またはカルバメート基に変換し得る基を有する化合物と反応させることができる。
【0084】
好適なカルバメート基に変換し得る基を有する化合物の例としては、アンモニアとの反応でカルバメートに変換し得る活性水素含有環状カーボネート化合物(例えば、グリシドールとCOとの反応生成物)、COおよび引き続くアンモニアとの反応によりカルバメート基へ変換し得るモノグリシジルエーテル(例えば、Cardura ER)、COおよび引き続くアンモニアとの反応によりカルバメート基へ変換し得るモノグリシジルエステル(例えば、カルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応生成物)、アルコール基がNCOと反応し、また二重結合が過酸化物との反応でカルバメートに変換し得るアリルアルコール、およびエステル基がNCOと反応し、またビニル基が過酸化物、次いでCOおよび引き続くアンモニアとの反応でカルバメートに変換し得るビニルエステル、が挙げられる。上記の化合物のいずれもが、ポリマーとの反応に先立ってその基をカルバメートに変換することによって、カルバメートに変換し得る基というよりはむしろ、カルバメート基を含む化合物として使用することができる。
【0085】
同様に成分(c)に好適な化合物は、上記の活性水素含有連鎖延長剤と、カルバメート基またはカルバメートに変換し得る基およびイソシアネート反応性基を有する化合物と上記したようなポリイソシアネートとの第一反応生成物との反応生成物であり、その第一反応生成物は少なくとも1つの未反応で残っているイソシアネート基を有している。
【0086】
化合物はまた、カルバメート基およびポリマー上のNCOと反応する基を含んでいてもよい。カルバメート基およびNCOと反応する基を含む化合物の例として、ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメートが挙げられる。
【0087】
同じく成分(c)として好適なものは、モノマー状ポリイソシアネートと、イソシアネートと反応する基およびカルバメート基またはカルバメートに変換し得る基を含んでなる化合物との反応生成物であるアルバメート官能性化合物である。このような化合物は、その全体の記載が本明細書に参照として含まれる米国特許第5,512,639号明細書に記載されている。そのモノマー状イソシアネートが、イソシアネートと反応する基およびカルバメートに変換し得る基を有する化合物と反応されると、続いて、後者の基をカルバメート基に変換する第二のステップがモノマー状イソシアネートとの反応の後に行われる。モノマー状ポリイソシアネートは、環状脂肪族ポリイソシアネートを含む脂肪族ポリイソシアネートまたは芳香族ポリイソシアネートであり得る。有用な脂肪族ポリイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、1,2−ジイソシアナトプロパン、1,3−ジイソシアナトプロパン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,4−ブチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、1,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびイソホロンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。有用な芳香族ジイソシアネートおよびアラリファティックジイソシアネ−トとしては、トルエンジイソシアネートの各種異性体、メタキシレンジイソシアネ−ト、およびパラキシレンジイソシアネートが挙げられ、また4−クロロ−1,3−フェニレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジベンジルジイソシアネートおよび1,2,4−ベンゼントリイソシアネートも使用できる。さらに、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネ−トの各種異性体が使用できる。MobayよりのDESMODURR N100のようなイソシアネートのビウレットも有用である。
【0088】
本発明の1つの実施態様においては、モノマー状のポリイソシアネートは、イソシアネート反応性基およびカルバメート基を含む化合物、例えばヒドロキシプロピルカルバメートまたはヒドロキシエチルカルバメート等のヒドロキシアルキルカルバメートと反応される。あるいは、ポリイソシアネートは、ポリイソシアネート化合物との反応が完結した後、カルバメート基を形成し得る置換基と付加物を形成し得る。例えば、ポリイソシアネートは、活性水素基(例えば、ヒドロキシル)および環状カーボネート基(例えば、グリシドールとCOとの反応生成物)を有する化合物と反応させることができ、次いで環状カーボネート基は、アンモニアと反応してカルバメート官能性基を形成する。別法として、ポリイソシアネートは、活性水素基(例えば、ヒドロキシル)およびエポキシ基と反応させ、次いでCOと反応させてエポキシ基を環状カーボネート基に変換させ、その後、環状カーボネート基をアンモニアと反応させてカルバメート官能性基を形成させることができる。
【0089】
他の合成法は、ポリイソシアネート上のイソシアネート基を、イソシアネートと反応する基および同時に非NCO官能性基を有する化合物と、まず反応させることである。次いで、この付加物を、少なくとも1つのカルバメート基またはカルバメートに変換し得る基、および非NCO官能性基と反応する少なくとも1つの基を含んでなる化合物と反応させる。非NCO官能性基の例として、カルボキシ、エポキシ、ヒドロキシ、アミノが挙げられる。例えば、OH官能性ポリイソシアネート(これはポリイソシアネートとアミノアルコールとの反応により生成する)は、アルキルカルバメート上のカルバメート基のCOO部位の酸素原子、またはメチロールアクリルアミド(HO−CH=NH−CO−CH=CH)のメチロール基と反応させることができる。アルキルカルバメート上のCOO基の場合には、ポリウレタン上のヒドロキシル基は、COO基でエステル交換を受け、ポリウレタンに付加したカルバメート基を与える。メチロールアクリルアミドの場合には、上記のように、その不飽和二重結合は次いで、過酸化物、COおよびアンモニアと反応させる。エポキシ基は次いで、COと反応して環状カーボネート基を形成し、アンモニアとの反応によりカルバメート基に変換される。別法として、酸官能性ポリイソシアネート(これはポリイソシアネートとヒドロキシ官能性カルボン酸との反応により形成させることができる)は、無水酢酸と反応させて酸無水物官能性トリイソシアネートを形成させることができ、次いで、ヒドロキシカルバメートと反応させることができる。
【0090】
上記のモノマー状ポリイソシアネートは、カルバメート基またはカルバメートに変換し得る基およびポリイソシアネート上のNCOもしくは非NCO官能性基と反応する基を含む化合物と付加物を形成する。ジイソシアネートまたはイソシアヌレートのNCO基上で付加物を形成し得るカルバメート含有化合物は、好ましくはヒドロキシアルキルカルバメート(例えば、ヒドロキシプロピルカルバメートまたはヒドロキシエチルカルバメート)のような活性水素含有カルバメートである。カルバメートに変換し得る基およびNCOと反応する基を含む化合物としては、アンモニアとの反応でカルバメートに変換し得る活性水素含有環状カーボネート化合物(例えば、グリシドールとCOとの反応生成物)、COおよび引き続くアンモニアとの反応によりカルバメート基へ変換し得るモノグリシジルエーテル(例えば、Cardura ER)、COおよび引き続くアンモニアとの反応によりカルバメート基へ変換し得るモノグリシジルエステル(例えば、カルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応生成物)、アルコール基がNCOと反応し、また二重結合が過酸化物との反応でカルバメートに変換し得るアリルアルコール;およびエステル基がNCOと反応し、またビニル基が過酸化物、次いでCOおよび引き続くアンモニアとの反応でカルバメートに変換し得るビニルエステル、が挙げられる。
【0091】
とくに好ましいものは、ヒドロキシプロピルカルバメート、もしくはヒドロキシブチルカルバメート、またはこれらの混合物と、脂肪族ジイソシアネート、とくにイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、またはこれらのジイソシアネートのイソシアヌレートの混合物との反応生成物である。
【0092】
さらに他の好ましい実施態様においては、成分(c)は、有効なイソシアネート基のうちの全てではない基がカルバメート含有化合物と反応したものである点を除いて上記したものと同様の、モノマー状ポリイソシアネートと、イソシアネートと反応する基およびカルバメート基またはカルバメートに変換し得る基を含んでなる化合物との反応生成物であるカルバメート官能性化合物である。残りのイソシアネート基は、ポリオールと反応させる。好ましいポリオールとしては、限定されるものではないが、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール(Eastman Chemical Co. よりCHDMとして市販)、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、Esterdiol 204 (Eastman Chemical Co. より市販)、および1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよびネオペンチルグリコールが挙げられる。とくに好ましい実施態様においては、モノマー状のイソシアネートはジイソシアネート、とくにイソホロンまたはヘキサメチレンジイソシアネートであり、有効なイソシアネート基の半分は、イソシアネートと反応する基およびカルバメート基またはカルバメートに変換し得る基を含んでなる化合物、好ましくはヒドロキシプロピルカルバメートと反応され、残りのイソシアネート基は、ポリオール、とくに2−エチル−1,6−ヘキサンジオールと反応される。
【0093】
他の適切なコーティング剤は、Exxon Chemical Co.より入手できる、Exx-RDTM 100反応性希釈剤である。Exx-RDTM 100は、グリセリンのヒドロキシベンゾエート(ヒドロキシ安息香酸エステル)およびネオアルカノエート(ネオアルカン酸エステル)である。
【0094】
成分(c)はまた、成分(c)として適切であると上記されたどのような物質の混合物をも含み得る。
【0095】
本発明の実施に際して用いるコーティング組成物中には、任意に溶剤を利用できる。本発明にしたがって使用される組成物は、例えば実質的に固体粉末あるいはヂスパージョン(分散液)の形態で利用することもできるが、組成物は実質的に液体状態であることが望ましく、これは溶剤を使用することにより達成することができる。この溶剤は、組成物の成分に関して溶媒として働く必要がある。1つの好ましい実施態様においては、溶剤は極性有機溶剤である。より好ましくは極性脂肪族溶剤または極性芳香族溶剤である。さらにより好ましい溶剤として、ケトン、エステル、アセテート、非プロトン性アミド、非プロトン性スルホキシド、非プロトン性アミン、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。有用な溶剤としては、限定されるものではないが、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、m−アミルアセテート、エチレングリコールブチルエーテル−アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン、N−メチルピロリドン、芳香族炭化水素の配合物、およびこれらの混合物が挙げられる。他の好ましい実施態様において、溶剤は水または水と少量の共溶剤との混合物である。
【0096】
本発明の実施において用いるコーティング組成物中には、硬化反応を増強するための触媒を含有していてもよい。例えばアミノプラスト化合物、とくにモノマー状メラミンを硬化剤として使用する場合は、強酸触媒が、硬化反応を増強するために用いられる。このような触媒はこの分野で周知であり、限定されることなく、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フェニル酸ホスフェート、モノブチルマレエート、ブチルホスフェート、およびヒドロキシホスフェートエステルが挙げられる。本発明の組成物中で有用な他の触媒として、ルイス酸、亜鉛塩、および錫塩が挙げられる。
【0097】
本発明の好ましい実施態様においては、溶剤は、約0.01〜約99重量%、好ましくは約10〜約60重量%、より好ましくは約30〜約50重量%、の範囲でコーティング組成物中に存在する。
【0098】
コーティング組成物は、多くのこの分野で周知のいずれの手法を用いてでも物体上に塗装できる。これらの例として、スプレーコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング、カーテンコーティング、およびその他が挙げられる。自動車のボデイパネルに対しては、スプレーコーティングが好ましい。
【0099】
コーティング組成物中には、例えば界面活性剤、フィラー、安定剤、湿潤剤、分散剤、接着促進剤、UV吸収剤、HALS、およびその他のどのような追加の添加剤をも添加し得る。これらの添加剤はこの分野で周知であり、使用量はコーティング特性に悪影響を与えないように調節しなければならない。
【0100】
本発明の組成物は、好ましくは、高光沢(ハイグロス)コーティング中で、および/または複合カラー-プラス-クリヤコーティングのクリアコートとして使用する。本明細書において使用する高光沢コーティングとは、20度グロス(ASTM D523−89)またはDOI(ASTM E430−91)が少なくとも80を示すコーティングである。
【0101】
本発明のコーティング組成物を顔料入り高光沢ペイントコーティングとして使用する場合、顔料としては、有機もしくは無機化合物または着色材料、フィラー、金属もしくは他の無機フレーク材料、例えばマイカもしくはアルミニウムフレーク、およびこの分野で通常に顔料と呼称する他の種類の材料が挙げられる。顔料は、通常、組成物中で、結合剤(バインダー)成分の全固体重量基準で1〜100%の量(すなわち、顔料対結合剤比が0.1〜1)で使用される。
【0102】
本発明のコーティング組成物を複合カラ−-プラス-クリアコーティングのクリアコートに使用する場合、顔料入りベースコート(下塗り)組成物はこの分野で周知の多くのタイプのいずれでもよく、本明細書中で詳細を説明する必要はない。ベースコート組成物に有用なこの分野で公知のポリマーとしては、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、アルキド、およびポリシロキサンが挙げられる。好ましいポリマーとして、アクリル樹脂およびポリウレタンが挙げられる。本発明の好ましい1つの実施態様においては、ベースコート組成物はまた、カルバメート官能性アクリルポリマーも使用する。ベースコートポリマーは、熱可塑性プラスチックであってもよいが、好ましくは架橋性であり、1種類またはそれより多くの架橋性官能基を含んでなる。そのような基としては、例えばヒドロキシル基、イソシアネート基、アミン基、エポキシ基、アクリレート基、ビニル基、シラン基、およびアセトアセテート基が挙げられる。これらの基は、望ましい硬化条件下、一般的には加温された温度下で、ブロックを外して架橋反応で用い得るような方法で、マスクまたはブロックしておくことができる。有用な架橋性官能基には、ヒドロキシ基、エポキシ基、酸基、無水物基、シラン基、およびアセトアセテート基がある。好ましい架橋性官能基として、ヒドロキシ官能基およびアミノ官能基が挙げられる。
【0103】
ベースコートポリマーは、自己架橋性であるか、またはポリマーの官能基と反応する別の架橋剤を必要とすることがある。ポリマーがヒドロキシ官能基を含んでなる場合、例えば、架橋剤は、アミノプラスト樹脂、イソシアネートおよびブロックされたイソシアネート(イソシアヌレートを含む)、および酸または無水物官能性架橋剤であってよい。
【0104】
本明細書に記載のコーティング組成物は、好ましくはコーティング層を硬化させる条件に付される。種々の硬化方法を使用し得るが、熱硬化が好ましい。一般的に、熱硬化は、塗装した物体を、主として放射熱源によりもたらされる高温にさらすことにより行なわれる。硬化温度は、架橋剤に使用する特定のブロッキング基により異なるが、一般的に93℃〜177℃である。本発明の第一の化合物は、比較的低い硬化温度でも好適に反応する。すなわち、好ましい実施態様においては、ブロックされた酸触媒系では、硬化温度は好ましくは115℃〜150℃、より好ましくは115℃〜138℃、の間である。ブロックされていない酸触媒系では、硬化温度は好ましくは82℃〜99℃の間である。硬化時間は、使用する特定の成分、および物理的パラメーター、例えば層の厚さ、により異なるが、典型的な硬化時間は、ブロックされた酸触媒系では15〜60分間、好ましくは15〜25分間、であり、またブロックされていない酸触媒系では10〜20分間である。
【0105】
本発明を以下の諸例でさらに説明する。諸例は本発明を単に説明するためのものであり、記載され、特許請求された発明の範囲を一切限定するものではない。全ての部は、特に示されない限り、重量部である。
【0106】
製造1
第一工程において、化学量論比の25%である89部のクエン酸を、1470部のGlydexxR N-10ネオデカン酸グリシジルと共に反応容器に入れた。この混合物を温度128℃に加熱した。少しの発熱の後、さらに25%に相当するクエン酸89部を3回、4時間の間に加え、温度を130℃に保持した。反応を酸価により、その値が<3になり、そして残留エポキシ基が含まれなくなるまでモニターした。
【0107】
第二工程において、50%過剰のメチルカルバメート840部を、12.8部の酸化ジブチルスズ触媒および1200部のトルエンと共に加えた。メタノールを除去しながら、還流温度109〜117℃を32時間維持した。反応の進行をヒドロキシル価により、少なくとも95%完了になるまでモニターした。過剰のメチルカルバメートおよび溶剤をストリッピングして除去し、425部の酢酸アミルを加えて不揮発性成分含有量80%に希釈した。
【0108】
製造2
5940gのε−カプロラクトン、2610gのヒドロキシカルバメート、および450gのキシレンを、撹拌器、温度計、および不活性ガス導入器を備えたガラス製の丸底フラスコに加えた。不活性雰囲気下で十分に混合した後、15.3gのオクタン酸第一錫を加えた。混合物を130℃に加熱し、その温度で4.5時間保持し、次いで室温まで冷却した。
【0109】
製造3
1800gのCardura E エステル(Shell Chemical Co.より入手できる第三級カルボン酸のグリシジルエステル)および109.5gのクエン酸を、撹拌器、温度計、加熱マントルおよび不活性ガス導入器を備えた丸底フラスコに入れた。この混合物を不活性雰囲気下で127℃に加熱し、マントルを下げて、約140℃に発熱するままにした。約125℃に冷却した後、さらに109.5gのクエン酸を加え、30分間撹拌した。後者の工程を、合計438gのクエン酸を加えてしまうまで、あと2回繰り返した。混合物をさらに30分間撹拌し、次いで冷却した。酸価は、1.6mgKOH/gNVと測定された。
【0110】
製造4
1931gのCardura E エステル(Shell Chemical Co.より入手できる第三級カルボン酸のグリシジルエステル)および116.3gの酒石酸を、撹拌器、温度計、加熱マントルおよび不活性ガス導入器を備えた丸底フラスコに入れた。この混合物を不活性雰囲気下で130℃に加熱し、マントルを下げて、約145℃に発熱するままにした。約125℃に冷却した後、さらに116.3gの酒石酸を加え、30分間撹拌した。後者の工程を、合計465gの酒石酸を加えてしまうまで、あと2回繰り返した。混合物をさらに30分間撹拌し、次いで冷却した。測定された酸価は、5mgKOH/gNVであった。
【0111】
例1
クリアコートコーティング組成物は、147.4gの製造1の樹脂、131.7gの製造2の樹脂、49.2gのResimeneR 747(Solutia Inc., Springfield MAより入手できるヘキサメトキシメチルメラミン樹脂)、3.0gのUVA溶液(不揮発分85重量%)、47.1gのUVA溶液(不揮発分14重量%)、4.5gの立体障害性アミン光安定剤、0.5gのレオロジー調節剤(不揮発分60重量%)、18.0gのブロックされたスルホン酸触媒(活性分25重量%)、21.0gのn−ブタノール、および25.2gのExxate 600(Exxon Chemical Co.より入手できるオキソ-ヘキシルアセテート)を一緒に混合することにより製造した。組成物の計算された理論上の固形分は67.0重量%NVであった。
【0112】
例2
クリアコートコーティング組成物は、140.3gの製造1の樹脂、110.5gのZolidineR RD(Angus Chemical Co.(米国イリノイ州バッファローグローブ)より入手できる)、60.6gのResimeneR 747、3.0gのUVA溶液(不揮発分85重量%)、47.1gのUVA溶液(不揮発分14重量%)、4.5gの立体障害性アミン光安定剤、0.5gのレオロジー調節剤(不揮発分60重量%)、18.0gのブロックされたスルホン酸触媒(活性分25重量%)、21.0gのn−ブタノール、および32.5gのExxate 600(Exxon Chemical Companyより入手できるオキソ-ヘキシルアセテート)を一緒に混合することにより製造した。組成物の計算された理論上の固形分は68.5重量%NVであった。
【0113】
例3
クリアコートコーティング組成物は、134.0gの製造1の樹脂、105.6gの製造4の樹脂、70.4gのResimeneR 747、3.0gのUVA溶液(不揮発分85重量%)、47.1gのUVA溶液(不揮発分14重量%)、4.5gの立体障害性アミン光安定剤、0.5gのレオロジー調節剤(不揮発分60重量%)、18.0gのブロックされたスルホン酸触媒(活性分25重量%)、21.0gのn−ブタノール、および55.3gのExxate 600(Exxon Chemical Co.より入手できるオキソ-ヘキシルアセテート)を一緒に混合することにより製造した。組成物の計算された理論上の固形分は65.3重量%NVであった。
【0114】
例4
クリアコートコーティング組成物は、124.7gの製造1の樹脂、98.2gの製造3の樹脂、42.6gのResimeneR 747、56.8gのヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートのメチルエチルケトキシム-ブロックされた混合物(不揮発分75重量%、Bayer Corp.より入手できる)、3.0gのUVA溶液(不揮発分85重量%)、47.1gのUVA溶液(不揮発分14重量%)、4.5gの立体障害性アミン光安定剤、0.5gのレオロジー調節剤(不揮発分60重量%)、18.0gのブロックされたスルホン酸触媒(活性分25重量%)、21.0gのn−ブタノール、および48.8gのExxate 600(Exxon Chemical Co.より入手できるオキソ-ヘキシルアセテート)を一緒に混合することにより製造した。組成物の計算された理論上の固形分は64.5重量%NVであった。
【0115】
本発明を、その好ましい実施態様を示して詳細に説明した。しかし、本発明の精神および範囲内で変形および変更が可能である。

Claims (40)

  1. 下記の成分を含んでなる硬化性コーティング組成物。
    (a)変性アクリル、ポリエステルおよびポリウレタンからなる群から選ばれ、少なくとも2つの官能基を含んでなり、その少なくとも1つが、下記の成分
    (1)エポキシ基と有機酸基との開環反応の結果であるヒドロキシル基および、
    (2)シアン酸またはカルバメートもしくは尿素基、
    の反応生成物であるカルバメートまたは尿素基であり、他の少なくとも1つがヒドロキシル基、エポキシド基または酸基である第一成分、
    (b)成分(a)と反応する官能基を複数有する硬化剤、
    および
    (c)成分(a)もしくは成分(b)、または成分(a)および(b)の双方と反応する官能基を有し、下記(イ)〜(チ)から選択されるものを含んでなる第二成分。
    (イ)下記(1)および(2)の反応生成物:
    (1)第一級カルバメートおよび(c)(2)と反応する活性水素基を含んでなる化合物
    および、
    (2)ラクトンまたはヒドロキシカルボン酸、
    (ロ)下記(1)および(2)の反応生成物:
    (1)カルバメート、ならびに、下記の成分の反応生成物であるヒドロキシル官能基を含んでなる化合物、
    (A)カルバメート、およびラクトンまたはヒドロキシカルボン酸と反応する活性水素基を含んでなる化合物および、
    (B)ラクトンまたはヒドロキシカルボン酸、
    ならびに
    (2)化合物(c)(1)の複数の分子上のヒドロキシル基と反応するが、化合物(c)(1)上のカルバメートと反応しない化合物であって、ジイソシアネート、トリイソシアネート、およびイソシアヌレートおよびそれらのビウレット、ならびにそれらの混合物から選択される1種を含んでなる化合物、
    (ハ)カルバメート官能基である複数の官能性架橋基を含んでなる化合物であり、その化合物が下記構造を有する少なくとも1つのカーボネート基をも含んでいる化合物:
    Figure 0003923254
    (ニ)下記(1)および(2)の反応生成物:
    (1)少なくとも1つのカルバメート、ならびに下記の成分の反応生成物である少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含んでなる化合物、
    (A)カルバメート、およびラクトンまたはヒドロキシカルボン酸と反応する活性水素基を含んでなる化合物、および
    (B)ラクトンまたはヒドロキシカルボン酸、
    ならびに
    (2)化合物(c)(1)と反応して化合物(c)(1)上のヒドロキシル基をカルバメート基に変換する成分、あるいは化合物(c)(1)上のヒドロキシル基と反応する基およびカルバメートを含んでなる成分。
    (ホ)ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメート、ヒドロキシエチルエチレン尿素、およびそれらの混合物からなる群から選択される化合物と、ヒドロキシ酸またはラクトンとの反応生成物:
    (へ)ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメート、およびそれらの混合物からなる群から選択される化合物と、ε−カプロラクトンとの反応生成物:
    (ト)下記の成分の反応生成物:
    (1)カルバメート、およびヒドロキシル官能基を含んでなる化合物、
    および
    (2)化合物(1)の複数の分子上のヒドロキシル基と反応するが、化合物(1)上のカルバメートと反応しない化合物であって、ジイソシアネート、トリイソシアネート、およびイソシアヌレートおよびそれらのビウレット、ならびにそれらの混合物から選択される1種を含んでなる化合物、
    ならびに
    (チ)下記の成分の反応生成物であるカルバメート官能性物質:
    (1)下記を含有する混合物の反応生成物である第一の物質、
    (A)ポリイソシアネート、および
    (B)活性水素を含む連鎖延長剤、
    ならびに、
    (2)上記第一の物質と反応する基および環状カーボネート基、エポキシ基、不飽和結合、ヒドロキシル基、イソシアネート基、オキサゾリドン基からなる群から選ばれるカルバメート基またはカルバメートに変換し得る基を含んでなる化合物。
  2. 第二成分(c)が少なくとも活性水素、オキサゾリジン、またはエポキシド官能基を有する化合物を含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  3. 第二成分(c)が、下記の成分の反応生成物を含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
    (1)第一級カルバメートおよび(c)(2)と反応する活性水素基を含んでなる化合物
    および、
    (2)ラクトンまたはヒドロキシカルボン酸。
  4. 第二成分(c)が、下記の成分の反応生成物を含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
    (1)カルバメート、ならびに、下記の成分の反応生成物であるヒドロキシル官能基を含んでなる化合物、
    (A)カルバメート、およびラクトンまたはヒドロキシカルボン酸と反応する活性水素基を含んでなる化合物および、
    (B)ラクトンまたはヒドロキシカルボン酸、
    ならびに
    (2)化合物(c)(1)の複数の分子上のヒドロキシル基と反応するが、化合物(c)(1)上のカルバメートと反応しない化合物であって、ジイソシアネート、トリイソシアネート、およびイソシアヌレートおよびそれらのビウレット、ならびにそれらの混合物から選択される1種を含んでなる化合物。
  5. 第二成分(c)が、その少なくとも1つがカルバメート官能基である複数の官能性架橋基を含んでなる化合物であり、その化合物が下記構造を有する少なくとも1つのカーボネート基をも含んでいる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
    Figure 0003923254
  6. 第二成分(c)が、下記の成分の反応生成物を含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
    (1)少なくとも1つのカルバメートまたは尿素基、ならびに下記の成分の反応生成物である少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含んでなる化合物、
    (A)カルバメート、およびラクトンまたはヒドロキシカルボン酸と反応する活性水素基を含んでなる化合物、および
    (B)ラクトンまたはヒドロキシカルボン酸、
    ならびに
    (2)化合物(c)(1)と反応して化合物(c)(1)上のヒドロキシル基をカルバメート基に変換する成分、あるいは化合物(c)(1)上のヒドロキシル基と反応する基およびカルバメートを含んでなる成分。
  7. 第二成分(c)が、ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメート、ヒドロキシエチルエチレン尿素、およびそれらの混合物からなる群から選択される化合物と、ヒドロキシ酸またはラクトンとの反応生成物を含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  8. 第二成分(c)が、ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメート、およびそれらの混合物からなる群から選択される化合物と、ε−カプロラクトンとの反応生成物を含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  9. 第二成分(c)が、下記の成分の反応生成物を含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
    (1)カルバメート、およびヒドロキシル官能基を含んでなる化合物、
    および
    (2)化合物(1)の複数の分子上のヒドロキシル基と反応するが、化合物(1)上のカルバメートと反応しない化合物であって、ジイソシアネート、トリイソシアネート、およびイソシアヌレートおよびそれらのビウレット、ならびにそれらの混合物から選択される1種を含んでなる化合物。
  10. 成分(c)が、下記の成分の反応生成物であるカルバメート官能性物質を含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
    (1)下記を含有する混合物の反応生成物である第一の物質、
    (A)ポリイソシアネート、および
    (B)活性水素を含む連鎖延長剤、
    ならびに、
    (2)上記第一の物質と反応する基および環状カーボネート基、エポキシ基、不飽和結合、ヒドロキシル基、イソシアネート基、オキサゾリドン基からなる群から選ばれるカルバメート基またはカルバメートに変換し得る基を含んでなる化合物。
  11. 成分(c)がエポキシド官能性樹脂を含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  12. 硬化剤(b)がアミノプラストである、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  13. アミノプラストがメラミンホルムアルデヒド樹脂である、請求項12に記載の硬化性コーティング組成物。
  14. 成分(a)がコーティング組成物中の全樹脂固形分の3〜50重量%存在する、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  15. 成分(c)が単一のカルバメート基を有する化合物を含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  16. 成分(c)が少なくとも2つのカルバメート基を有する化合物を含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  17. コーティング組成物が有機溶媒由来の組成物である、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  18. コーティング組成物が水性ディスパージョンである、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  19. コーティング組成物が粉末コーティング組成物である、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  20. 成分(a)が下記の構造式のいずれかに表される化合物、またはそれらの組合せを含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
    Figure 0003923254
    (式中、nは少なくとも1の正の整数であり、R1はH、アルキル、またはシクロアルキルを表し、R2はアルキル、アリール、またはシクロアルキルを表し、またXは有機基を表す)
  21. nが1である、請求項20に記載の硬化性コーティング組成物。
  22. nが2〜6の正の整数である、請求項20に記載の硬化性コーティング組成物。
  23. 4.6×102kg/m(3.8 lbs/gal)未満のVOCを有する、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  24. 3.6×102kg/m(3.0 lbs/gal)未満のVOCを有する、請求項23に記載の硬化性コーティング組成物。
  25. 2.4×102kg/m(2.0 lbs/gal)未満のVOCを有する、請求項24に記載の硬化性コーティング組成物。
  26. 1.2×102kg/m(1.0 lbs/gal)未満のVOCを有する、請求項25に記載の硬化性コーティング組成物。
  27. 上記有機酸基がカルボン酸基である、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  28. 請求項1に記載のコーティング組成物の反応生成物を含んでなる硬化したコーティング。
  29. ASTM D523−89で規定された20度グロスが少なくとも80を有する、請求項28に記載の硬化したコーティング。
  30. ASTM E430−91で規定されたDOIが少なくとも80を有する、請求項28に記載の硬化性コーティング。
  31. クリアコーティングが請求項1に記載のコーティング組成物に由来するものである、複合カラー−プラス−クリアコーティング。
  32. 活性水素基がヒドロキシル基であり、さらに成分(2)がε−カプロラクトンである、請求項3に記載の硬化性コーティング組成物。
  33. 成分(2)がイソシアヌレートである、請求項4に記載の硬化性コーティング組成物。
  34. イソシアヌレートがイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレートである、請求項33に記載の硬化性コーティング組成物。
  35. 成分(c)がカルバメート化ポリオールである、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  36. 成分(b)がトリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジンを含んでなる、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  37. 成分(c)がオキサゾリジン官能性を有する、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
  38. 成分(c)が1−アザ−3,7−ジオキソ−ビシクロ−2,8−ジイソプロピル−5−エチル(3.3.0)−オクタンを含んでなる、請求項37に記載の硬化性コーティング組成物。
  39. ポリイソシアネートがイソホロンジイソシアネートであり、かつ連鎖延長剤が、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメチロール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、1,4−ブタンジオール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の硬化性コーティング組成物。
  40. 成分(2)が、ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、およびそれらの混合物から選択される、請求項39に記載の硬化性コーティング組成物。
JP2000527592A 1997-12-23 1998-11-12 カルバメート官能性化合物の配合物を含有する硬化性コーティング組成物 Expired - Fee Related JP3923254B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/997,317 1997-12-23
US08/997,317 US5994479A (en) 1993-07-28 1997-12-23 Curable coating compositions containing blends of carbamate-functional compounds
PCT/US1998/024108 WO1999035198A1 (en) 1997-12-23 1998-11-12 Curable coating compositions containing blends of carbamate-functional compounds

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003522205A JP2003522205A (ja) 2003-07-22
JP3923254B2 true JP3923254B2 (ja) 2007-05-30

Family

ID=25543878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000527592A Expired - Fee Related JP3923254B2 (ja) 1997-12-23 1998-11-12 カルバメート官能性化合物の配合物を含有する硬化性コーティング組成物

Country Status (10)

Country Link
US (1) US5994479A (ja)
EP (1) EP1042418A1 (ja)
JP (1) JP3923254B2 (ja)
KR (1) KR20010030571A (ja)
CN (1) CN1152101C (ja)
AU (1) AU737256B2 (ja)
BR (1) BR9812004B1 (ja)
CA (1) CA2301705C (ja)
MX (1) MX216742B (ja)
WO (1) WO1999035198A1 (ja)

Families Citing this family (43)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6423788B1 (en) * 1995-10-06 2002-07-23 Basf Corporation Curable coating composition
US6084038A (en) * 1993-07-28 2000-07-04 Basf Corporation Curable coating compositions containing blends of carbamate-functional compounds
US6117931A (en) * 1996-07-01 2000-09-12 Basf Corporation Curable coating compositions having improved effect pigment orientation and a method of using the same
US6218480B1 (en) * 1997-06-16 2001-04-17 Mmr Technologies, Inc. Water-compatible urethane-containing amine hardener
US6291073B1 (en) * 1999-10-28 2001-09-18 Basf Corporation Curable coating composition with improved stability
DE10004498A1 (de) * 2000-02-02 2001-08-09 Basf Coatings Ag Diethyloctandioldicarbamate und Diethyloctandioldiallophanate, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung
US7226971B2 (en) * 2000-12-22 2007-06-05 Basf Corporation Polyester resin with carbamate functionality, a method of preparing the resin, and a coating composition utilizing the resin
US7005473B2 (en) * 2000-12-22 2006-02-28 Basf Corporation Polymeric pigment dispersant utilized as a grind resin for pigments in solventborne pigment dispersions and method of preparing the same
US6861150B2 (en) * 2001-02-26 2005-03-01 Basf Corporation Rheology control agent, a method of preparing the agent, and a coating composition utilizing the agent
US6900270B2 (en) * 2002-10-31 2005-05-31 Basf Corporation Curable coating compositions with carbamate compounds
US6858674B2 (en) * 2002-10-31 2005-02-22 Basf Corporation Carbamate functional materials, a method of making said materials, and curable coating compositions containing said materials
AU2002364601A1 (en) * 2001-12-17 2003-06-30 Basf Corporation Urethane polymers that reduce the effect of polylactone linkages
ATE387480T1 (de) * 2001-12-17 2008-03-15 Basf Corp Asymmetrische diisocyanatmonomere in uretanpolymeren und -oligomeren zur kristallinitaetserniedrigung
GB0222522D0 (en) 2002-09-27 2002-11-06 Controlled Therapeutics Sct Water-swellable polymers
US7232863B2 (en) 2002-10-31 2007-06-19 Basf Corporation Functional addition polymers and a method for their preparation
US20040087728A1 (en) * 2002-10-31 2004-05-06 Donald Campbell Carbamate functional addition polymers and a method for their preparation
US6890994B2 (en) * 2002-10-31 2005-05-10 Basf Corporation Curable coating compositions with carbamate-containing acrylic polymers
US8686090B2 (en) 2003-12-10 2014-04-01 Basf Coatings Gmbh Use of urea crystals for non-polymeric coatings
GB0417401D0 (en) 2004-08-05 2004-09-08 Controlled Therapeutics Sct Stabilised prostaglandin composition
US7838076B2 (en) * 2004-09-09 2010-11-23 Kansai Paint Co., Ltd. Thermosetting aqueous paint composition
FR2878251A1 (fr) * 2004-11-22 2006-05-26 Cognis Deutschland Gmbh Compositions durcissables par irradiation et leur utilisation
US7858190B2 (en) * 2005-09-15 2010-12-28 Basf Coatings Gmbh Thermosetting coating compositions with multiple cure mechanisms
WO2007112094A2 (en) 2006-03-23 2007-10-04 Dow Corning Corporation Coatings with carbinol- functional siloxane resin
GB0613333D0 (en) 2006-07-05 2006-08-16 Controlled Therapeutics Sct Hydrophilic polyurethane compositions
GB0613638D0 (en) 2006-07-08 2006-08-16 Controlled Therapeutics Sct Polyurethane elastomers
US7807743B2 (en) * 2006-09-22 2010-10-05 Basf Corporation Coating composition and film system therefrom
GB0620685D0 (en) 2006-10-18 2006-11-29 Controlled Therapeutics Sct Bioresorbable polymers
US20080124532A1 (en) * 2006-11-29 2008-05-29 Basf Corporation Materials and oligomers in low voc coatings
US20090044724A1 (en) * 2006-11-29 2009-02-19 Basf Corporation Coating compositions containing monomeric, long-chain reactants
EP2099838B1 (de) * 2006-12-04 2017-06-14 Basf Se Verfahren zur herstellung von polyisocyanaten
US20080293901A1 (en) * 2007-05-25 2008-11-27 Basf Corporation Polymers and compounds prepared with alpha-methylene lactones, methods therefor, and coatings
WO2011156315A2 (en) * 2010-06-08 2011-12-15 E. I. Du Pont De Nemours And Company Anticrater agent for electrocoating composition
ES2726111T3 (es) * 2012-07-09 2019-10-01 Covestro Deutschland Ag Procedimiento de revestimiento y endurecedor para pintura de poliuretano
CN105980496A (zh) * 2013-12-17 2016-09-28 日产化学工业株式会社 膜形成用组合物
WO2016150823A1 (en) * 2015-03-25 2016-09-29 Basf Coatings Gmbh Method using zinc catalyst for producing carbamate-functional materials
US10759950B2 (en) 2016-02-29 2020-09-01 Ndsu Research Foundation Non-isocyanate siloxane-modified glycidyl carbamate resins and coatings containing them
US10767073B2 (en) * 2016-10-18 2020-09-08 Ppg Industries Ohio, Inc. Curable film-forming compositions containing hydroxyl functional, branched acrylic polymers and multilayer composite coatings
EP3498745A1 (de) * 2017-12-18 2019-06-19 Covestro Deutschland AG Flammgeschützte polyurethan-hartschaumstoffe
EP3553107A1 (de) * 2018-04-13 2019-10-16 Covestro Deutschland AG Verfahren zur herstellung von polyurethan/polyisocyanurat (pur/pir) - hartschaumstoffen
JP7196316B2 (ja) * 2019-01-04 2022-12-26 ベーイプシロンカー ヘミー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング 尿素基含有レオロジー制御添加剤
JP6772421B1 (ja) * 2019-02-27 2020-10-21 関西ペイント株式会社 熱硬化性塗料組成物及び塗装物品
CN114763438B (zh) * 2021-01-14 2023-08-11 万华化学集团股份有限公司 一种有机硅固化配方及固化方法和由其制备的硅橡胶
CN114891180B (zh) * 2022-05-16 2023-06-27 北京化工大学 一种可自修复的硅氧烷改性聚氨酯材料及其制备方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6270457A (ja) * 1985-07-26 1987-03-31 ユニオン・カ−バイド・コ−ポレ−シヨン ハイソリツドのコ−テイング組成物
US5792810A (en) * 1995-10-06 1998-08-11 Basf Corporation Curable coating composition including compound having carbamate and hydroxyl functionality
US5756213A (en) * 1995-10-06 1998-05-26 Basf Corporation Curable coating composition having carbonate-containing component
US5872195A (en) * 1996-07-01 1999-02-16 Basf Corporation Curable coating compositions containing carbamate additive
US5744550A (en) * 1994-11-03 1998-04-28 Basf Corporation Curable coating compositions containing carbamate additives
US5852136A (en) * 1996-07-01 1998-12-22 Basf Corporation Curable coating composition
US5726244A (en) * 1995-08-10 1998-03-10 Basf Corporation Aqueous coating compositions for environmental etch resistant coatings
US5770650A (en) * 1995-10-06 1998-06-23 Basf Corporation Curable compositions for coatings
US6423788B1 (en) * 1995-10-06 2002-07-23 Basf Corporation Curable coating composition
CA2192231C (en) * 1995-12-20 2003-12-02 Youssef Moussa Coating composition
US5693724A (en) * 1996-07-01 1997-12-02 Basf Corporation Low VOC curable coating composition utilizing carbamate-functional compound

Also Published As

Publication number Publication date
AU1400699A (en) 1999-07-26
CN1152101C (zh) 2004-06-02
EP1042418A1 (en) 2000-10-11
CA2301705C (en) 2004-09-28
WO1999035198A1 (en) 1999-07-15
JP2003522205A (ja) 2003-07-22
AU737256B2 (en) 2001-08-16
CN1274381A (zh) 2000-11-22
CA2301705A1 (en) 1999-07-15
BR9812004A (pt) 2000-09-26
MX216742B (es) 2003-10-03
BR9812004B1 (pt) 2008-11-18
MX9911582A (es) 2000-03-31
US5994479A (en) 1999-11-30
KR20010030571A (ko) 2001-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3923254B2 (ja) カルバメート官能性化合物の配合物を含有する硬化性コーティング組成物
JP3722891B2 (ja) カルバメート基を有するポリウレタンポリマーあるいはオリゴマー、その製造法、およびコーティング組成物
US5872195A (en) Curable coating compositions containing carbamate additive
EP1127093B1 (en) Curable coating compositions containing blends of carbamate-functional compounds
JP3429934B2 (ja) 懸垂カルバメート基を有するカルバメート官能性ポリエステル重合体またはオリゴマー
JP4065849B2 (ja) ヒドロキシル及びカルバメート官能樹脂
JPH09221636A (ja) 低分子量カルバメート成分または尿素成分を含む硬化性塗料組成物
US6080825A (en) Curable coating compositions containing blends of carbamate-functional compounds
JP2002528631A (ja) カルバメート官能性化合物の混合物を含有する硬化性塗料
JPH10101992A (ja) 硬化性塗料組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040528

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20040819

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20040903

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060609

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20060908

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20060919

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees