JP3923237B2 - トンネル構築用覆工エレメント、及びトンネル覆工工法 - Google Patents

トンネル構築用覆工エレメント、及びトンネル覆工工法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非開削方式でトンネルを構築するために用いる土留用スライドプレートを有するトンネル構築用覆工エレメント、及び土留用スライドプレートを有するトンネル構築用覆工エレメントによりトンネルを構築するトンネル覆工工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道線路や道路等の下方に非開削方式でトンネルを構築する方法として、「ロ」字状断面や「コ」字状断面等のトンネル構築用覆工エレメントを推進又はけん引により地中に順次挿入して組み合わせ、覆工エレメントにより囲まれた部分の土砂等を掘削し、トンネル構築用覆工エレメントからなる構造体(以下、「エレメント構造体」という。)をトンネルの本体として利用する工法が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したトンネル構築用覆工エレメントにおいては、「ロ」字状断面又は「コ」字状断面の側壁部は、例えば板状の部材等で構成されていたため、覆工エレメントの内部にコンクリートを打設してトンネル本体として用いる場合、個々の覆工エレメント内にコンクリートを流し込む必要があり、作業が煩雑になる、という問題があった。
【0004】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、覆工エレメントの内部にコンクリートを打設してトンネル本体として用いる場合に、複数の覆工エレメント内にコンクリートを流し込むことが可能な土留用スライドプレートを有するトンネル構築用覆工エレメントと、このエレメントを用いたトンネル覆工工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るトンネル構築用覆工エレメントは、
エレメント軸方向に延設される第1固定プレートと、
前記エレメント軸方向に延設されるとともに前記第1固定プレートに平行に配置された第2固定プレートと、
前記第1固定プレートの端部及び前記第2固定プレートの対応する端部において前記第1固定プレート及び前記第2固定プレートを連結するとともに、外部と連通する外部連通開口を形成可能なプレート連結部材と、
前記エレメント軸方向に延設され、隣接するエレメント継手部どうしの嵌合により相互の接続を行い、前記エレメント継手部により前記エレメント軸方向に直角な方向であるエレメント軸直角方向の力を伝達可能としたエレメント継手部を有し、側面の一部に外部連通開口を有する中空箱状に構成されたエレメントと、
前記エレメントを前記エレメント軸方向を挿入方向としつつ地盤の掘削を行って地中に挿入する際に、前記外部連通開口を閉塞し前記地盤の土砂等が前記エレメントの内部に入り込むこと又は前記外部連通開口付近の地盤が崩落することを防止するスライドプレートと、
前記スライドプレートにおいて配置されると共に前記エレメント軸方向に延設され、前記エレメント継手部との嵌合により前記エレメントとの接続を行うとともに、前記スライドプレートをエレメント軸方向にスライド移動させることにより前記エレメントへの着脱を行う土留用スライドプレート継手部とを有する土留用スライドプレートを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るトンネル覆工工法は、エレメント軸方向に延設される第1固定プレートと、前記エレメント軸方向に延設されるとともに前記第1固定プレートに平行に配置された第2固定プレートと、前記第1固定プレートの端部及び前記第2固定プレートの対応する端部において前記第1固定プレート及び前記第2固定プレートを連結するとともに、外部と連通する外部連通開口を形成可能なプレート連結部材と、前記エレメント軸方向に延設され、隣接するエレメント継手部どうしの嵌合により相互の接続を行い、前記エレメント継手部により前記エレメント軸方向に直角な方向であるエレメント軸直角方向の力を伝達可能としたエレメント継手部を有し中空箱状に構成されたエレメントと、
記エレメントに着脱可能な土留用スライドプレートであって、前記外部連通開口を閉塞し前記外部連通開口を閉塞し前記地盤の土砂等が前記エレメントの内部に入り込むこと又は前記外部連通開口付近の地盤が崩落することを防止するスライドプレートと、前記スライドプレートにおいて配置されると共に前記エレメント軸方向に延設され、前記エレメント継手部との嵌合により前記エレメントとの接続を行うとともに、前記スライドプレートをエレメント軸方向にスライド移動させることにより着脱を行う土留用スライドプレート継手部を備えた土留用スライドプレートを用いたトンネル覆工工法であって、
記エレメントに前記土留用スライドプレートを装着した状態で、前記エレメント軸方向を挿入方向とし、地盤の掘削を行いつつ地中に挿入し、
次いで、次のエレメントに前記土留用スライドプレートを装着した状態で、前記次のエレメントのエレメント継手部を先行のエレメントのエレメント継手部に嵌合させて誘導案内させ、先行のエレメントの土留用スライドプレートをスライド移動させながら、他のエレメントを、前記エレメント軸方向を挿入方向として掘削しつつ地中に挿入することを繰り返すことにより、複数のエレメントを地中で接続させてエレメント構造体を形成し、
次いで、前記エレメント構造体の各エレメント内にコンクリートを打設し、
次いで、コンクリートが打設されたエレメント構造体を防護工として前記エレメント構造体により囲まれた部分の地盤を掘削しトンネルを構築することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態であるトンネルの全体構成を示す正面図である。
【0010】
図1に示すように、このトンネル101は、「ロ」字状の断面形状を有する箱型の構造物である。トンネル101は、「ロ」字状の断面形状を有するエレメント構造体Eにより構成されている。
【0011】
エレメント構造体Eは、上床版部の中央位置に設置されるトンネル構築用覆工エレメント(以下、「基準エレメント」という。)10と、基準エレメント10の左右両側に隣接させ、次いで図1の太い矢印の方向に順次連結させるように設置されるトンネル構築用覆工エレメント(以下、「連結エレメント」という。)20と、エレメント構造体Eの4つの隅角位置に設置されるトンネル構築用覆工エレメント(以下、「隅角部エレメント」という。)30が組み合わされることによって構成されている。
【0012】
図2は、図1に示すトンネルに用いられるトンネル構築用覆工エレメントのさらに詳細な構成を示す図であり、図2(A)は基準エレメントの正面図を、図2(B)は隅角部エレメントの正面図を、それぞれ示している。また、図3は、図1に示すトンネルに用いられるトンネル構築用覆工エレメントのさらに詳細な構成を示す図であり、図3(A)は基準エレメントの側面図を、図3(B)は連結エレメントの側面図を、それぞれ示している。また、図4は、図2及び図3に示すトンネル構築用覆工エレメントの施工時の状態を示す図であり、図4(A)は基準エレメントの左側の連結エレメントに土留用スライドプレートを装着した状態の正面図を、図4(B)は基準エレメントに土留用スライドプレートを装着した状態の正面図を、図4(C)は基準エレメントの右側の連結エレメントに土留用スライドプレートを装着した状態の正面図を、それぞれ示している。
【0013】
図2(A)に示すように、基準エレメント10は、第1固定プレート11aと、第2固定プレート11bと、柱状部材12と、エレメント継手部13を備え、「ロ」字状断面の中空箱状に構成されている。第1固定プレート11aは、基準エレメント10の長手方向(以下、「エレメント軸方向」という。)に延設される鋼又はアルミニウム等の金属若しくは合金等からなる板状部材である。また、第2固定プレート11bは、エレメント軸方向に延設されるとともに、第1固定プレート11aの下方に平行に配置される鋼又はアルミニウム等の金属若しくは合金等からなる板状部材である。
【0014】
また、柱状部材12は、図2(A)と図3(A)に示すように、棒状の形鋼又は鉄筋等からなり、第1固定プレート11aと第2固定プレート11bに対して側壁に相当する部分において、鉛直方向に延在するように複数配置されている。柱状部材12は、第1固定プレート11aと第2固定プレート11bに溶接、ボルト接合等により接合され、第1固定プレート11aと第2固定プレート11bを連結している。また、柱状部材12は、基準エレメント10の内部の空洞部と外部を連通させる矩形断面の外部連通開口14を形成している。これらの複数の柱状部材12は、プレート連結部材を構成している。
【0015】
また、エレメント継手部13は、鋼又はアルミニウム等の金属若しくは合金等からなり、その断面が概略「C」字状に構成されている嵌合部と、嵌合部に接続する平板部を有している。嵌合部と平板部は、溶接等により接合されている。また、エレメント継手部13は、基準エレメント10の4隅部において、エレメント軸方向に延設されるように配置されている。
【0016】
上記のような構成を有しているため、エレメント継手部13は、同様の形状をした他の継手と嵌合することにより、エレメント軸方向に直角な方向(以下、「エレメント軸直角方向」という。)の力を伝達することができるようになっている。
【0017】
また、図4(A)及び図4(C)と図3(B)に示すように、連結エレメント20は、第1固定プレート21aと、第2固定プレート21bと、トラス斜材22と、エレメント継手部23を備え、「ロ」字状断面を有する部材となっている。第1固定プレート21aは、連結エレメント20のエレメント軸方向に延設される鋼又はアルミニウム等の金属若しくは合金等からなる板状部材である。第2固定プレート21bは、エレメント軸方向に延設されるとともに、第1固定プレート21aの下方に平行に配置される鋼又はアルミニウム等の金属若しくは合金等からなる板状部材である。
【0018】
また、トラス斜材22は、棒状の形鋼又は鉄筋等からなり、第1固定プレート21aと第2固定プレート21bに対して側壁に相当する部分において、斜め方向に延在するように複数配置されている。トラス斜材22は、第1固定プレート21aと第2固定プレート21bに溶接、ボルト接合等により接合され、第1固定プレート21aと第2固定プレート21bを連結している。また、トラス斜材22は、連結エレメント20の内部の空洞部と外部を連通させる三角形断面の外部連通開口24a、24bを形成している。これらの複数のトラス斜材22は、プレート連結部材を構成している。
【0019】
また、エレメント継手部23は、鋼又はアルミニウム等の金属若しくは合金等からなり、その断面が概略「C」字状に構成されている嵌合部と、嵌合部に接続する平板部を有している。嵌合部と平板部は、溶接等により接合されている。また、エレメント継手部23は、連結エレメント20の4隅部において、エレメント軸方向に延設されるように配置されている。
【0020】
上記のような構成を有しているため、エレメント継手部23は、同様の形状をした他の継手と嵌合することにより、エレメント軸直角方向の力を伝達することができるようになっている。
【0021】
また、図2(B)に示すように、隅角部エレメント30は、第1固定プレート31aと、第2固定プレート31bと、板状部材32と、エレメント継手部33a及び33bを備え、「ロ」字状断面を有する部材となっている。第1固定プレート31aは、隅角部エレメント30のエレメント軸方向に延設される鋼又はアルミニウム等の金属若しくは合金等からなる板状部材である。第2固定プレート31bは、エレメント軸方向に延設されるとともに、第1固定プレート31aの右方に平行に配置される鋼又はアルミニウム等の金属若しくは合金等からなる板状部材である。
【0022】
また、板状部材32は、鋼材からなり、第1固定プレート31aと第2固定プレート31bに対して天井又は床に相当する部分において、水平方向に延在するように複数配置されている。板状部材32は、第1固定プレート31aと第2固定プレート31bに溶接、ボルト接合等により接合され、第1固定プレート31aと第2固定プレート31bを連結している。また、板状部材32は、隅角部エレメント30の内部の空洞部と外部を連通させる矩形断面の外部連通開口(図示せず)を形成している。
【0023】
また、エレメント継手部33a又は33bは、鋼又はアルミニウム等の金属若しくは合金等からなり、その断面が概略「C」字状に構成されている嵌合部と、嵌合部に接続する平板部を有している。嵌合部と平板部は、溶接等により接合されている。また、エレメント継手部33a又は33bは、隅角部エレメント30の4隅部において、エレメント軸方向に延設されるように配置されている。
【0024】
上記のような構成を有しているため、エレメント継手部33a及び33bは、同様の形状をした他の継手と嵌合することにより、エレメント軸直角方向の力を伝達することができるようになっている。
【0025】
次に、上記した基準エレメント10と連結エレメント20と隅角部エレメント30を用いたエレメント構造体Eの施工方法について説明する。
【0026】
まず、基準エレメント10を、エレメント軸方向に向けて地中に挿入する。この際、図4(B)に示すように、基準エレメント10のエレメント軸方向に対して左右両側には、土留用スライドプレート50が装着されている。
【0027】
土留用スライドプレート50は、スライドプレート51及び52と、2つの土留用スライドプレート継手部53を備え、扁平な「ロ」字状断面の中空箱状に構成されている。
【0028】
スライドプレート51は、エレメント軸方向に延設され、鋼やアルミニウム等の金属又は合金、合成樹脂、FRP(繊維補強プラスチック)、木材等からなる板状部材である。また、スライドプレート52は、エレメント軸方向に延設されるとともに、スライドプレート51に平行に配置される鋼又はアルミニウム等の金属若しくは合金等からなる板状部材である。
【0029】
また、土留用スライドプレート継手部53は、鋼又はアルミニウム等の金属若しくは合金等からなり、その断面が概略「C」字状に構成されている嵌合部と、嵌合部に接続する平板部を有している。嵌合部と平板部は、溶接等により接合されている。また、土留用スライドプレート継手部53は、スライドプレート51、52を連結し、土留用スライドプレート50の上端部及び下端部において、エレメント軸方向に延設されるように配置されている。
【0030】
上記のような構成を有しているため、土留用スライドプレート継手部53は、同様の形状をした他の継手と嵌合することにより、エレメント軸直角方向の力を伝達することができるようになっている。
【0031】
また、土留用スライドプレート50は、土留用スライドプレート継手部53を他の継手部と嵌合させた状態で、エレメント軸方向にスライド移動させることにより、他のトンネル構築用覆工エレメント10又は20若しくは30に装着又は離脱させることができるようになっている。
【0032】
さらに、スライドプレート51又は52は、スライドにより外部連通開口14、又は24a、24b、若しくは隅角部エレメント30の外部連通開口(図示せず)を閉塞することができ、これにより、地盤の土砂等が基準エレメント10又は連結エレメント20若しくは隅角部エレメント30の内部に入り込むこと、あるいは外部連通開口14又は24a、24b若しくは隅角部エレメント30の外部連通開口(図示せず)の付近の地盤が崩落することを防止することができるようになっている。
【0033】
したがって、土留用スライドプレート50は、基準エレメント10に装着された場合には、外部連通開口14から周囲の土砂等が基準エレメント10内に流入しないように防護し、土圧を支持する仮土留めとしての機能を果たすことができる。このため、基準エレメント10の内部にオーガードリル等を配備しておけば、エレメント先端部又は内部の土砂等を掘削、除去しつつ、基準エレメント10を地中へ挿入することができる。
【0034】
次に、連結エレメント20の外部側に、図4(A)又は図4(C)に示すように、他の土留用スライドプレート50(基準エレメント10に装着されている土留用スライドプレートと構造は同一だが別個の土留用スライドプレート)を装着する。この状態で、基準エレメント10のエレメント継手部13と、他の土留用スライドプレート50が外部側に装着された連結エレメント20のエレメント継手部23を嵌合させ、連結エレメント20をエレメント軸方向にわずかに押し込むことにより、基準エレメント10の左右両側に、連結エレメント20の先端を嵌合させることができる。これにより、それまで基準エレメント10の両側に嵌合していた土留用スライドプレート50は、わずかにエレメント軸方向にスライドして押し出されることになる。
【0035】
その後、エレメント軸方向を挿入方向としてオーガー等で掘削・挿入を行うことにより、連結エレメント20は基準エレメント10により誘導案内されて挿入される。これにより、それまで基準エレメント10の両側に嵌合していた土留用スライドプレート50は、連結エレメント20が挿入された分だけスライドし、エレメント軸方向へ押し出されることになる。このようにして、連結エレメント20の先端は到達位置に到達する。連結エレメント20の先端が到達位置に到達すると、それまで基準エレメント10の両側に嵌合していた土留用スライドプレート50は、スライドしてエレメント軸方向に完全に押し出され、基準エレメント10から取り外されることになる。この状態を図5に示す。
【0036】
次に、図5における左右の連結エレメント20の外部側(左の連結エレメント20のさらに左側、あるいは右の連結エレメント20のさらに右側)に、上記と同様にして、他の連結エレメント(連結エレメント20と同様の構成を有する。図示せず。)を接続させる。この際、最も外部側に新たに接続される他の連結エレメント(図示せず)の外部側には、上記の場合と同様に、土留用スライドプレート(土留用スライドプレート50と同様の構成を有する。図示せず。)をあらかじめ装着しておく。この最も外部側に新たに接続される他の連結エレメント(図示せず)の外部側に装着される土留用スライドプレートは、上述のようにして基準エレメント10から取り外された土留用スライドプレートを転用することが可能である。あるいは、全く新しい土留用スライドプレートを使用してもよい。
【0037】
図5に示す左右の連結エレメント20のエレメント継手部23と、あらかじめ他の土留用スライドプレート(図示せず)が外部側に装着された他の連結エレメント(図示せず)のエレメント継手部を嵌合させ、新たに接続される最外側の連結エレメント(図示せず)をエレメント軸方向にわずかに押し込むことにより、図5に示す左の連結エレメント20のさらに左側、及び図5に示す右の連結エレメント20のさらに右側に、新たな連結エレメント(図示せず)の先端を嵌合させることができる。これにより、それまで左右の連結エレメント20の両側に嵌合していた土留用スライドプレート50は、わずかにエレメント軸方向にスライドして押し出されることになる。
【0038】
その後、エレメント軸方向を挿入方向としてオーガー等で掘削・挿入を行うことにより、新たに接続される最外側の連結エレメント(図示せず)は、図5の連結エレメント20により誘導案内されて挿入される。これにより、それまで図5の連結エレメント20の外部側(左の連結エレメント20の左側、及び右の連結エレメント20の右側)に嵌合していた土留用スライドプレート50は、あらたに接続される最外側の連結エレメント(図示せず)が挿入された分だけスライドし、エレメント軸方向へ押し出されることになる。このようにして、新たに接続される最外側の連結エレメント(図示せず)の先端は到達位置に到達する。新たに接続される最外側の連結エレメント(図示せず)の先端が到達位置に到達すると、それまで左右の連結エレメント20の両側に嵌合していた土留用スライドプレート50は、スライドしてエレメント軸方向に完全に押し出され、左右の連結エレメント20から取り外されることになる。
【0039】
上記の過程を繰り返すことにより、図1に示すように、基準エレメント10、連結エレメント20、及び隅角部エレメント30を地中で接続させ、これによりエレメント構造体Eを形成することができる。この際、最も外部側に新たに接続されるエレメントの外部側に装着される土留用スライドプレートは、以前に他のエレメントから取り外された土留用スライドプレートを転用することが可能である。あるいは、全く新しい土留用スライドプレートを使用してもよい。
【0040】
次に、各エレメント10、20、30の内部にコンクリートを打設し、硬化させる。この場合、本実施形態の基準エレメント10と連結エレメント20は、外部連通開口14、24a及び24b等を有しているため、いずれかのエレメントにコンクリートを打設すれば、コンクリートが隣接するエレメント内へ流入し、さらに隣接する外側のエレメントへ流入し、全体に行き渡る。したがって、コンクリート打設がまとめてできる、という利点がある。
【0041】
次に、各エレメント内部にコンクリートが打設されたエレメント構造体を防護工として利用し、エレメント構造体により囲まれた部分の地盤を掘削する。これにより、トンネル101が構築される。
【0042】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0043】
例えば、上記実施形態においては、基準エレメント10と連結エレメント20の上部のプレートを第1固定プレートとし、基準エレメント10と連結エレメント20の下部のプレートを第2固定プレートとし、隅角部エレメント30の左側のプレートを第2固定プレートとした例について説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の構成、例えば、上記と逆の構成としてもよい。
【0044】
また、上記実施形態においては、矩形管状の断面を有する基準エレメント10及び連結エレメント20及び隅角部エレメント30によってエレメント構造体を構成する例について説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の構成のトンネル構築用覆工エレメント、例えば、略「コ」字状等の断面を有するトンネル構築用覆工エレメントであってもよい。また、これらを適宜の組み合わせで用いてもよい。
【0045】
また、上記実施形態においては、基準エレメントのプレート連結部材が柱状部材で、連結エレメントのプレート連結部材がトラス斜材である例について説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の構成のトンネル構築用覆工エレメント、例えば、上記とは逆に、基準エレメントのプレート連結部材をトラス斜材とし、連結エレメントのプレート連結部材を柱状部材としてもよい。あるいは、両方とも柱状部材でもよいし、両方ともトラス斜材でもよい。隅角部エレメントについても同様である。
【0046】
また、上記実施形態においては、土留用スライドプレートが、2つの板状部材(スライドプレート51及び52)と2つの土留用スライドプレート継手部(53)を備え、扁平な「ロ」字状断面の中空箱状に構成された例について説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の構成の土留用スライドプレート、例えば、1つの板状部材(スライドプレート)と、その両端に設けられる2つの土留用スライドプレート継手部(53)を備え、全体として「I」字状の断面の梁状に構成された土留用スライドプレートであってもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外部連通開口を有し中空箱状に構成されたトンネル構築用覆工エレメントに着脱可能な土留用スライドプレートとして、外部連通開口を閉塞するスライドプレートと、スライドプレートにおいてエレメント軸方向に延設され、他のエレメント継手部との嵌合によりトンネル構築用覆工エレメントとの接続を行うとともに、スライドプレートをエレメント軸方向にスライド移動させることにより着脱を行う土留用スライドプレート継手部を備えるように構成したので、トンネル構築用覆工エレメントをエレメント軸方向を挿入方向としつつ地盤の掘削を行って地中に挿入する際に、外部連通開口を閉塞し地盤の土砂等がトンネル構築用覆工エレメントの内部に入り込むこと又は外部連通開口付近の地盤が崩落することを防止することができる、という利点を有している。
【0048】
また、トンネル構築用覆工エレメントは、外部連通開口を有しているため、いずれかのエレメントにコンクリートを打設すれば、コンクリートが隣接するエレメント内へ流入し、さらに隣接する外側のエレメントへ流入し、全体に行き渡る。したがって、コンクリート打設がまとめてできる、という利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるトンネルの全体構成を示す正面図である。
【図2】図1に示すトンネルに用いられるトンネル構築用覆工エレメントのさらに詳細な構成を示す図であり、図2(A)は基準エレメントの正面図を、図2(B)は隅角部エレメントの正面図を、それぞれ示している。
【図3】図1に示すトンネルに用いられるトンネル構築用覆工エレメントのさらに詳細な構成を示す図であり、図3(A)は基準エレメントの側面図を、図3(B)は連結エレメントの側面図を、それぞれ示している。
【図4】図2及び図3に示すトンネル構築用覆工エレメントの施工時の状態を示す図であり、図4(A)は基準エレメントの左側の連結エレメントに土留用スライドプレートを装着した状態の正面図を、図4(B)は基準エレメントに土留用スライドプレートを装着した状態の正面図を、図4(C)は基準エレメントの右側の連結エレメントに土留用スライドプレートを装着した状態の正面図を、それぞれ示している。
【図5】図4に示す基準エレメントの両側に連結エレメントを連結し、基準エレメントの両側の連結エレメントに土留用スライドプレートを装着した状態を示す正面図である。
【符号の説明】
10 基準エレメント(トンネル構築用覆工エレメント)
11a 第1固定プレート
11b 第2固定プレート
12 柱状部材(プレート連結部材)
13 エレメント継手部
14 外部連通開口
20 連結エレメント(トンネル構築用覆工エレメント)
21a 第1固定プレート
21b 第2固定プレート
22 トラス斜材(プレート連結部材)
23 エレメント継手部
24a、24b 外部連通開口
30 隅角部エレメント(トンネル構築用覆工エレメント)
31a 第1固定プレート
31b 第2固定プレート
32 板状部材(プレート連結部材)
33a、33b エレメント継手部
50 土留用スライドプレート
51、52 スライドプレート
53 土留用スライドプレート継手部
101 トンネル
E エレメント構造体

Claims (2)

  1. エレメント軸方向に延設される第1固定プレートと、
    前記エレメント軸方向に延設されるとともに前記第1固定プレートに平行に配置された第2固定プレートと、
    前記第1固定プレートの端部及び前記第2固定プレートの対応する端部において前記第1固定プレート及び前記第2固定プレートを連結するとともに、外部と連通する外部連通開口を形成可能なプレート連結部材と、
    前記エレメント軸方向に延設され、隣接するエレメント継手部どうしの嵌合により相互の接続を行い、前記エレメント継手部により前記エレメント軸方向に直角な方向であるエレメント軸直角方向の力を伝達可能としたエレメント継手部を有し、側面の一部に外部連通開口を有する中空箱状に構成されたエレメントと、
    前記エレメントを前記エレメント軸方向を挿入方向としつつ地盤の掘削を行って地中に挿入する際に、前記外部連通開口を閉塞し前記地盤の土砂等が前記エレメントの内部に入り込むこと又は前記外部連通開口付近の地盤が崩落することを防止するスライドプレートと、
    前記スライドプレートにおいて配置されると共に前記エレメント軸方向に延設され、前記エレメント継手部との嵌合により前記エレメントとの接続を行うとともに、前記スライドプレートをエレメント軸方向にスライド移動させることにより前記エレメントへの着脱を行う土留用スライドプレート継手部とを有する土留用スライドプレートを備えたことを特徴とするトンネル構築用覆工エレメント。
  2. エレメント軸方向に延設される第1固定プレートと、前記エレメント軸方向に延設されるとともに前記第1固定プレートに平行に配置された第2固定プレートと、前記第1固定プレートの端部及び前記第2固定プレートの対応する端部において前記第1固定プレート及び前記第2固定プレートを連結するとともに、外部と連通する外部連通開口を形成可能なプレート連結部材と、前記エレメント軸方向に延設され、隣接するエレメント継手部どうしの嵌合により相互の接続を行い、前記エレメント継手部により前記エレメント軸方向に直角な方向であるエレメント軸直角方向の力を伝達可能としたエレメント継手部を有し中空箱状に構成されたエレメントと、
    記エレメントに着脱可能な土留用スライドプレートであって、前記外部連通開口を閉塞し前記外部連通開口を閉塞し前記地盤の土砂等が前記エレメントの内部に入り込むこと又は前記外部連通開口付近の地盤が崩落することを防止するスライドプレートと、前記スライドプレートにおいて配置されると共に前記エレメント軸方向に延設され、前記エレメント継手部との嵌合により前記エレメントとの接続を行うとともに、前記スライドプレートをエレメント軸方向にスライド移動させることにより着脱を行う土留用スライドプレート継手部を備えた土留用スライドプレートを用いたトンネル覆工工法であって、
    記エレメントに前記土留用スライドプレートを装着した状態で、前記エレメント軸方向を挿入方向とし、地盤の掘削を行いつつ地中に挿入し、
    次いで、次のエレメントに前記土留用スライドプレートを装着した状態で、前記次のエレメントのエレメント継手部を先行のエレメントのエレメント継手部に嵌合させて誘導案内させ、先行のエレメントの土留用スライドプレートをスライド移動させながら、他のエレメントを、前記エレメント軸方向を挿入方向として掘削しつつ地中に挿入することを繰り返すことにより、複数のエレメントを地中で接続させてエレメント構造体を形成し、
    次いで、前記エレメント構造体の各エレメント内にコンクリートを打設し、次いで、コンクリートが打設されたエレメント構造体を防護工として前記エレメント構造体により囲まれた部分の地盤を掘削しトンネルを構築することを特徴とするトンネル覆工工法。
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