JP3922933B2 - トンネル内の換気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、掘削作業が行われているトンネル内における粉塵濃度を低減するためのトンネル内の換気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、山岳トンネルなどの掘削工事を行う際には、掘削作業に伴い切羽を掘削した位置から大量の粉塵が発生する。発生した粉塵は、作業者の視界を妨げたり、健康を害したりするおそれがあるので、切羽を切削したときに発生した粉塵は極力速やかに除去させる必要がある。このような粉塵の除去を行うにあたり、従来においては、散水やウォータージェットを使用して、粉塵を水滴粒子により捕捉する方法や、送気式や排気式などの強制換気による方法があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の換気方式では、いずれもトンネル内の粉塵を除去する能力は低いので、トンネル内の粉塵を十分に除去することができなかった。このため、トンネル内の作業者は十分な視界を得ることが困難であった。その結果、切羽の切削部の視認が不正確になり、トンネル縁部のプロフィールをオーバーする余掘りが発生し不経済となる問題があった。また、視界不良により、切削部における岩の肌落ち、吹付コンクリートの剥落などの安全確認が困難となるという問題があった。
【0004】
あるいは、トンネル内の作業員が高濃度の粉塵にさらされることになるので、塵肺の危険性が増したり、坑内の換気の悪化により、ずり処理など坑内車両運行の危険が増したりするなどの問題もあった。
【0005】
他方、トンネル内の粉塵を除去するにあたり、トンネル内に集塵機を持ち込んで、粉塵を集塵することも行われている。ここで、掘削作業で発生する粉塵量は多大であるため、大型の集塵機を用いなければ粉塵を十分に除去することができない。ところが、トンネル内に大型の集塵機を設けたとしても、トンネルの掘削を進むにつれて、その都度集塵機を移動させなければならず、集塵機が大型であるために、その移動は非常に手間の掛かるものとなる。
【0006】
また、掘削装置が自走式の場合には、掘削装置に集塵機を搭載して、掘削が進行するとともに集塵機も移動させることが考えられる。ところが、掘削装置の搭載量には限度があるため、大型の集塵機を搭載することができず、小型の集塵機しか搭載することができない。このため、結局十分な集塵能力を得ることができないものであった。
【0007】
そこで、本発明の課題は、トンネルの切羽を掘削する際に生じる粉塵の除去効率を高めることにより、視界不良による弊害や塵肺などの危険を少なくするトンネル内の換気装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明に係るトンネル内の換気装置は、トンネルの切羽を切削手段により切削する掘削装置に設置される換気装置において、切削手段による切削位置における切削によって発生する粉塵を除去する上方粉塵除去手段と、切削位置から落下した切削ずりによって発生する粉塵を除去する下方粉塵除去手段と、掘削装置の後方位置に設けられ、エアカーテンを生成するエアカーテン生成手段と、を備え、エアカーテン生成手段が、エアカーテン生成位置に向けて空気を吹き出す吹出口が形成された送気風管を備え、送気風管には、内部を通風する空気を分流させる分岐路が形成されているとともに、トンネル内のうちのエアカーテン生成位置を避けた位置に、分流された空気を吹き出す分岐吹出口が形成されていることを特徴とする。また、送気風管における吹出口から吹き出された空気をトンネルの坑口側に送気する通風路を形成する排気風管を備え、送気風管には、内部を通風する空気を分流させる分岐路が形成されているとともに、トンネル内のうちのエアカーテン生成位置を避けた位置に、分流された空気を吹き出す分岐吹出口が形成されている態様とすることもできる。
【0009】
本発明に係るトンネル内の換気装置においては、切削手段による切削位置における切削によって発生する粉塵を除去する上方粉塵除去手段と、切削位置から落下した切削ずりによって発生する粉塵を除去する下方粉塵除去手段とを備えている。このため、切削手段による切削で発生した粉塵と、切削ずりの落下によって発生した粉塵との両方を除去することができ、効果的に粉塵除去が行える。また、掘削装置の後方にエアカーテンを生成することにより、エアカーテンを境として、エアカーテンよりも前方側と後方側で、独立した空気領域を形成することができる。この独立した空気領域内、特にエアカーテンよりも前方位置における空気領域内で、粉塵除去手段により粉塵の除去を行うことにより、計画的かつ効率的に粉塵の除去を行うことができる。なお、本発明において、上方粉塵除去手段は、切削手段による切削で発生した粉塵を主に除去するが、切削ずりの落下によって発生した粉塵やその他の粉塵もわずかに除去するものであってもよい。また、下方粉塵除去手段は、切削ずりの落下によって発生した粉塵を主に除去するものであるが切削手段による切削で生じた粉塵やその他の粉塵もわずかに除去するものであってもよい。
また、送気風管における空気導入口側に、集塵機が取り付けられているのが好適である。このような集塵機が取り付けられていることによりエアカーテンが形成されている位置よりも後方位置の作業場所の空気を清浄に保つことができる。
【0010】
また、掘削装置が切羽における切削位置を移動するブームを備えており、上方粉塵除去手段が、切削手段とともにブームに取り付けられており、ブームの移動により、上方粉塵除去手段が切削手段に伴って移動する態様とするのが好適である。
【0011】
トンネルの切羽を切削する場合に、切羽における切削位置を移動するブームを備える自由断面切削手段が好適に用いられている。このとき、切削手段はブームに取り付けられるが、本発明では、上方粉塵除去手段を切削手段とともにブームに取り付けている。そして、ブームの移動により、切削手段の移動に伴って上方粉塵除去手段が移動するので、切削手段による切削に伴って発生する粉塵を、上方粉塵除去手段により、確実に除去することができる。
【0012】
さらに、掘削装置は、走行手段を有する自走式掘削装置であり、下方粉塵除去手段は、走行手段の側方に形成されているのが好適である。
【0013】
切削ずりに伴う粉塵は、下方位置において大量に発生し、通常、自走式掘削装置における走行手段が設けられている高さ位置において大量に発生する。したがって、本発明においては、下方粉塵除去手段を自走式掘削装置における走行手段の高さ位置にくるように、走行手段の側方に設けている。このため、切削ずりの落下によって発生する粉塵を下方粉塵除去手段によって好適に除去することができる。
【0014】
また、上方粉塵除去手段および下方粉塵除去手段が、空気を吐出する吐出手段、または空気とこの空気に含まれる粉塵を吸引する吸引手段である態様とすることができる。
【0015】
このように、上方粉塵除去手段および下方粉塵除去手段として、空気を吐出する吐出手段、または空気およびこの空気に含まれる粉塵を吸引する吸引手段とすることにより、切削または切削ずりの落下によって発生した粉塵を効果的に除去することができる。ここで、上方粉塵除去手段および下方粉塵除去手段の両方を吐出手段とすることができる。この場合は、切削や切削ずりによって生じた粉塵は、吐出手段から吐出される空気によって走行手段よりも後方に吹き飛ばすことにより、粉塵を除去することができる。また、上方粉塵除去手段および下方粉塵除去手段の両方を吸引手段とすることもできる。この場合には、切削や切削ずりによって生じた粉塵は、周囲の空気とともに吸引手段によって吸引することにより、粉塵を除去することができる。さらには、上方粉塵除去手段および下方粉塵除去手段の一方を吐出手段、他方を吸引手段とすることもできる。この場合には、吐出手段によって吐出された空気によって粉塵が切羽近傍から排除され、吐出手段から吐出された空気に含まれる粉塵が空気とともに吸引手段に吸引されることにより、粉塵を除去することができる。
【0016】
また、上方粉塵除去手段および下方粉塵除去手段が、それぞれ吐出手段または吸引手段のいずれかに切替え可能である態様とすることもできる。
【0017】
このような態様とすることにより、掘削が行われている切羽の状態やトンネル工事の規模等に応じて、適切な状態で粉塵の除去を行うことができる。
【0018】
トンネルの切羽を切削する切削手段を有する掘削装置と、掘削装置に設けられた粉塵除去手段と、粉塵除去手段によって切羽から除去された粉塵を集塵する集塵機とを備え、掘削装置は、走行手段を有する自走式掘削装置であり、集塵機は、自走式掘削装置から独立した集塵機搭載車両に搭載されており、掘削装置の後方位置に設けられ、エアカーテンを生成するエアカーテン生成手段をさらに備え、エアカーテン生成手段が、エアカーテン生成位置に向けて空気を吹き出す吹出口が形成された送気風管を備え、送気風管には、内部を通風する空気を分流させる分岐路が形成されているとともに、トンネル内のうちのエアカーテン生成位置を避けた位置に、分流された空気を吹き出す分岐吹出口が形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
このように、集塵機が自走式掘削装置と独立した集塵機搭載車両に搭載されていることにより、大型の集塵機を自走式掘削装置とともに移動させることができる。したがって、自走式掘削装置に粉塵除去手段を設けた際、粉塵除去手段によって除去された粉塵を大量に集塵機によって集塵しながらトンネルの掘削作業を継続することができる。
【0020】
また、集塵機搭載車両が、自走式掘削装置に連結されているのが好適である。集塵機搭載車両が、自走式掘削装置に連結されていることにより、自走式掘削装置とともに集塵機搭載車両を移動させることができる。
【0021】
さらに、集塵機搭載車両が、自走式であるのが好適である。集塵機搭載車両が自走式であることにより、集塵機搭載車両をトンネル内に搬送する際の手間を軽減することができ、また、自走式掘削装置の走行のための動力の負担を軽減することができる。
【0022】
ここで、集塵機搭載車両が自走式掘削装置に対して非連結状態とされている態様とすることもできる。このように、集塵機搭載車両が自走式掘削装置に対して非連結状態とされていることにより、たとえばリモコン操作によって、集塵機搭載車両を自走式掘削装置から独立させて、自由に移動させることができる。
【0023】
また、集塵機搭載車両に設けられた走行手段が、クローラ式であるのがさらに好適である。集塵機搭載車両に設けられた走行手段がクローラ式であることにより、トンネル工事を行っているトンネルが悪路であった場合でも、円滑に集塵機搭載車両を移動させることができる。
【0024】
さらに、集塵機が、粉塵除去手段に対してフレキシブル管を介して接続されているのが好適である。集塵機が粉塵除去手段にフレキシブル管を介して接続されていることにより、自走式掘削装置と集塵機搭載車両の離間距離が変動した際にも、集塵機と粉塵除去手段を接続する風管の破損を防止することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0030】
図1は、本実施形態に係るトンネル内の換気装置の側面図、図2はその平面図、図3はその正面図である。
【0031】
図1および図2に示すように、本実施形態に係るトンネル内の換気装置1は、上方噴射装置2および下方噴射装置3を有しており、これらは自由断面掘削装置(以下「掘削装置」という)10に取り付けられている。
【0032】
ここで、換気装置1の構造を説明する前に、まず掘削装置10の構造について説明する。
【0033】
掘削装置10は、運転室11が設けられた本体部12を備えている。本体部12の下方位置には、走行手段、本実施形態では、クローラ式の走行部13が設けられており、自走可能な自走式となっている。また、走行部13の前方であって、その最前の位置には、土砂を避けるためのアウトリガースカート14が取り付けられている。
【0034】
本体部12の前方位置には、ブーム15が取り付けられている。ブーム15は、本体部12に対して、鉛直軸周りおよび水平軸周りにそれぞれ回動可能に取り付けられている。また、本体部12およびブーム15には、一対の水平移動シリンダ16A,16B、および連動して駆動する一対の鉛直移動シリンダ17A,17Bがそれぞれ取り付けられている。水平移動シリンダ16A,16Bの一方を伸長させ他方を収縮させることにより、ブーム15が鉛直軸周りに揺動する。また、鉛直移動シリンダ17A,17Bを伸縮させることにより、ブーム15が水平軸周りに揺動する。さらに、ブーム15には、自らを伸縮自在とするためのシリンダ機構(図示なし)が設けられている。
【0035】
ブーム15の先端部には、切削手段である切削ドラム18が取り付けられている。切削ドラム18は、図示しないモータによってブーム15の長手方向に沿った軸周りに回転可能とされている。また、ブーム15の移動により、切羽Kの切断位置を前後上下左右に自由に移動させることができるようになっている。そして、ブーム15を移動させながら、切削ドラム18を回転させることにより、切羽Kの切削が行われる。
【0036】
かかる構造を有する掘削装置10に換気装置1が設けられている。換気装置1は、切削ドラム18よる切削位置における切削によって発生する粉塵を除去する上方粉塵除去手段である上方噴射装置2を備えている。上方噴射装置2は、2本の空気噴射部材2A,2Aと、空気噴射部材2A,2Aまで空気を案内する風管2B,2Bとを有している。空気噴射部材2A,2Aは、ブーム15の先端部に水平方向に併設されて固定されており、ブーム15の移動に伴い、切削ドラム18とともに移動するようになっている。このため、空気噴射部材2A,2Aは、常に切削ドラム18の近傍に位置することになる。風管2Bは、フレキシブルな材料によって形成されており、空気噴射部材2Aがブーム15の移動に伴って移動する際にその移動に追従する。風管2Bにおける一端部は、空気噴射部材2Aに接続されており、他端部はエアチャンバ5に接続されている。そして、エアチャンバ5からは風管2Bを介して空気噴射部材2Aに空気が供給される。供給された空気は、空気噴射部材2A,2Aから噴射され、その空気の風力によって周囲の粉塵が後方に吹き飛ばされる。
【0037】
また、換気装置1は、切削位置から落下した切削ずりによって発生する粉塵を除去する下方粉塵除去手段である下方噴射装置3を備えている。下方噴射装置3は、掘削装置10における走行部13の左右両側方にそれぞれ1つずつ設けられており、それらは平面視して左右対称の形状をなす以外は同一の構成を有している。その一方について説明すると、下方噴射装置3は、略L字形状をなす鋼管または樹脂製のパイプ管からなり、直線部3A、湾曲部3B、および鉛直部3Cを備えている。直線部3Aは、走行部13に沿って配置され、その高さ位置が走行部13と同じとなるようにされている。また、走行部13の側方には、板状の部材からなり、前後方向に延在するダクトサポート4が配設されており、下方噴射装置3における直線部3Aは、ダクトサポート4によって支持されている。直線部3Aの一端側には噴射口3Dが形成されており、この噴射口3Dから空気が噴射され、切削ずりに伴って生じる粉塵を吹き飛ばして除去する。湾曲部3Bは、中心角が90度の円弧状をなしており、一端部が直線部3Aと、他端部が鉛直部3Cと、それぞれ連続している。鉛直部3Cは、鉛直方向に沿って延在しており、下端部が湾曲部3Bと連続している。
【0038】
さらに、掘削装置10には、4ポートチャンバからなるエアチャンバ5が設けられている。エアチャンバ5には、排出ポートが4ポート、吸入ポートが1ポートそれぞれ形成されており、4つの排出ポートのうち、2つの排出ポートには、上方噴射装置2における風管2B,2Bの他端部がそれぞれ接続されている。また、他の2つの排出ポートには、下方噴射装置3,3における鉛直部3C,3Cの上端部がそれぞれ接続されている。
【0039】
また、エアチャンバ5の吸入ポートには連通管6が接続されている。この連通管6は、集塵機搭載車両20に搭載された大型の集塵機7に接続されており、エアチャンバ5と集塵機7は、連通管6を介して連通しており、空気の流通が可能となっている。集塵機搭載車両20は、掘削装置10の後方に配置されており、けん引部材21によって掘削装置10と接続されている。このけん引部材21を介して、掘削装置10の走行に伴って集塵機搭載車両20が移動可能となっている。なお、けん引部材としては、集塵機搭載車両20が掘削機10の前後進に追従できるように、剛性のあるものが好ましい。また、連通管6は、フレキシブル管によって構成されている。このため、掘削装置10と集塵機搭載車両20の間の離間距離が変動した場合には、連通管6が伸縮することにより、連通管6の破損が防止されている。
【0040】
さらに、集塵機7には、図示しないファンが設置されており、吐出部7Aと吸入部7Bを備えている。本実施形態では、吐出部7Aに連通管6が接続されており、連通管6およびエアチャンバ5を介して上方噴射装置2および下方噴射装置3に連通している。そして、集塵機7におけるファンを駆動することにより、吐出部7Aから空気が吐出され、エアチャンバ5を介して上方噴射装置2および下方噴射装置3に対して空気が供給される。また、吸入部7Bでは、吹き飛ばされた粉塵(汚染空気)を集塵機7の後方より集塵し、清浄化している。
【0041】
また、掘削装置10の後方位置には、エアカーテンACを生成するため、図4に模式的に示すエアカーテン生成装置30が設けられている。エアカーテン生成装置30は、いわゆる排気式の換気システムを応用したものであり、短尺の送気風管31を備えている。送気風管31は、トンネルの坑道に沿って配設されており、坑口側端部における空気導入口には、送風機32が接続されている。この送風機32を駆動することにより、送気風管31のエアカーテン生成位置AC側に清浄な空気が供給される。送気風管31におけるエアカーテン生成位置AC側の端部には、制御風管33が形成されている。制御風管33は、エアカーテン生成位置ACに向けて空気を案内する本管33Aと、内部通風する空気を分流させる分岐路が形成され、側方に空気を案内する分岐路が形成された分岐管33Bを備えている。制御風管33の内部には分岐路が形成されており、送気風管31から供給された空気を本管33Aと分岐管33Bに振り分けている。本管33Aの吹出口は、エアカーテン生成位置ACに空気を吹き出す吹出口である。一方、分岐管33Bの吹出口には、本管33Aから分流された空気が供給され、その吹出口は、エアカーテン生成位置を避けた位置に空気を吹き出す分岐吹出口である。本管33Aから吐出される空気は、トンネルの坑道に沿った方向、換言すれば、エアカーテン生成位置ACに直交する方向に移動する。一方、分岐管33Bから吐出される空気は、エアカーテン生成位置ACを避けて、その側方に向けて移動する。
【0042】
エアカーテン生成装置30における送気風管31に設けられた制御風管33の本管33Aと、集塵機7における後端部との間の距離は、たとえば20〜60mの範囲内とするのが好ましく、さらには、20〜30mの範囲内とするのが好ましい。
【0043】
送気風管31の側方には、排気風管34がトンネルの坑道に沿って配置されている。排気風管34におけるエアカーテン生成位置AC側の端部には、排気用ファン35が取り付けられている。この排気用ファン35を駆動することにより、制御風管33から吐出された空気およびその周囲の空気が排気風管34内に導かれる。そして、排気風管34を通過した空気は、その坑口側の端部から排出される。このように、制御風管33における本管33Aおよび分岐管33Bから吐出される空気の吐出方向および排気用ファン35で空気が吸入される際の吸引力などを適宜調整することにより、エアカーテン生成位置ACにおいてちょうど空気が折り返すようになる空気の層が形成され、エアカーテン生成位置ACには、エアカーテンACが生成された状態となる。このエアカーテンACの存在により、掘削装置10に設けられた換気装置1の噴射装置2,3によって後方に吹き飛ばされた粉塵を含む空気は、集塵機7の方向に折り返すようになる。
【0044】
以上の構成を有する本実施形態に係る換気装置1の動作および作用について説明する。
【0045】
掘削装置10における運転室11に作業員が乗車し、掘削装置10を操作して、トンネルの切羽Kの切削を行う。切削を行っているときには、切削ドラム18によって切羽Kを切削する際に、その切削位置で多量の粉塵が発生する。また、切削ドラム18によって切削を行うと、切削ずりが生じる。この切削ずりによる随伴流に伴い、切削ドラム18で切削している位置の下方には、やはり多量の粉塵が発生する。これに対して、本実施形態に係る換気装置1では、切削ドラム18による切削が行われる位置の近傍に上方噴射装置2が設けられ、その下方位置には、下方噴射装置3が設けられている。上方噴射装置2および下方噴射装置3には、集塵機7から吐出された空気が供給されており、それぞれ空気噴射部材2Aおよび噴射口3Dから清浄な空気が噴射され、この空気の風力によって粉塵が後方に吹き飛ばされる。したがって、切羽Kの近傍の粉塵を十分に除去し、トンネル内を好適に換気することができる。また、清浄な空気が噴射されているので、粉塵が除去された後の切羽Kの近傍は清浄な空気が残るようになる。
【0046】
また、集塵機搭載車両20の後方位置には、エアカーテン生成装置30によってエアカーテンACが形成されている。このエアカーテンACが生成されていることにより、噴射装置2,3から噴射された空気によって、空気とともに後方に吹き飛ばされた粉塵を含む汚染空気は、エアカーテンACに跳ね返り、集塵機7の方向へと移動する。このとき、集塵機7の吸入部7Bは後方を向いているので、エアカーテンACによって跳ね返された汚染空気を良好に導入することができる。そして、汚染空気に含まれる粉塵が集塵機7によって除去される。
【0047】
また、上方噴射装置2は、切削ドラム18とともにブーム15に取り付けられているので、切削ドラム18の移動に伴って移動する。このため、上方噴射装置2を常に切削ドラム18の近傍に配置しておくことができるので、より好適に粉塵の除去を行うことができる。
【0048】
このようなエアカーテンACを生成することにより、トンネル内における粉塵発生エリアをエアカーテンACによって仕切って考えることができる。このため、たとえば、エアカーテンACよりも前方であって、切羽作業を行っているエリアAでは、大型の集塵機7で粉塵を集塵し、エアカーテンACよりも後方のエリアBでは、通常の排気式または送気式の換気を行って粉塵を除去することができる(図4参照)。このため、粉塵が多量に発生するエリアAでは、大型の集塵機を使用し、粉塵の発生量が少ないエリアBでは、小型の集塵機を用いたり、坑道の外にそのまま排出したりするなどの対策を施すことができる。
【0049】
また、下方噴射装置3では、切羽Kの近傍において粉塵の除去を行うので、その噴射口3Dは、切羽Kに近い方が、高い除去能力を発揮することができる。この点、本実施形態に係る下方噴射装置3では、噴射口3Dがアウトリガースカート14よりも前方に突出しているので、より切羽Kに近い位置で粉塵の除去を行うことができる。
【0050】
さらに、エリアAにおける切羽Kの掘削作業で発生した粉塵は集塵機7で捕捉されるが、本実施形態に係る換気装置1では、大型の集塵機7、具体的には1200m3/min以上の集塵機7を用いているので、切羽Kの掘削作業で発生した多量の粉塵を十分に集塵することができる。このような集塵機を用いるにあたり、たとえば掘削装置10とともに移動させるのが好適であるが、集塵機が大型であると、掘削装置10に搭載することができず、集塵機を移動させるのは困難であった。従来、掘削装置10に搭載することができる集塵機としては、掘削装置10に搭載するものとしての大きさの制限から300〜500m3/minのものが限界であった。
【0051】
この点、本実施形態では、集塵機7が集塵機搭載車両20に搭載されている。このため、大型の集塵機7を移動させることができるので、切羽Kの切削によって発生する大量の粉塵も、十分に集塵できるようになった。また、集塵機搭載車両20は、掘削装置10とけん引部材21で接続されているので、集塵機搭載車両20を掘削装置10とともに移動させるのが容易である。ここで用いられる集塵機7としては、切羽Kの掘削工事が行われているトンネル内空壁をフードとみなし、トンネル断面風速≒捕集制御風速と考えて、粉塵の捕集制御風速が0.2〜0.3m/sとなる容量のものを用いるのが好適である。
【0052】
こうして、トンネルの切羽を掘削する際に生じる粉塵の除去効率を高めることができる。その結果、視界不良による弊害や塵肺などの危険を少なくすることができる。
【0053】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0054】
図5は、本実施形態に係るトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。図5に示すように、本実施形態に係る換気装置40は、上記の第1の実施形態における換気装置1と比較して、エアカーテン生成装置41のみが異なっている。このエアカーテン生成装置41について説明すると、エアカーテン生成装置41は、送気風管42を備えている。送気風管42は、トンネルの坑道に沿って配設されており、その坑口側端部には送風機43が接続されている。この送風機43によって送気風管42内に清浄な空気が通風される。
【0055】
また、送気風管42のエアカーテン生成位置AC側の端部には、制御風管44が形成されている。制御風管44は、エアカーテン生成位置ACに向けて空気を案内する本管44Aと、その側方に空気を案内する分岐管44Bを備えている。制御風管44内には、送気風管42から供給される空気が導入される。制御風管44における本管44Aから吐出される空気は、トンネルの坑道に沿った方向に移動する。一方、分岐管44Bから吐出される空気は、エアカーテン生成位置ACを避けて、その側方に向けて移動する。
【0056】
本実施形態に係る換気装置40においては、上記の第1の実施形態と比較して、エアカーテン生成装置41が異なる。本実施形態におけるエアカーテン生成装置41では、排気風管が設けられていないが、送気風管42におけるエアカーテン生成位置側の端部に接続された制御風管44における本管44Aから吐出する空気の風量と、分岐管44Bから吐出する空気の風量を適宜調整することにより、空気の層を形成し、その結果、エアカーテン生成位置にエアカーテンACを生成することができる。本実施形態に係るエアカーテン生成装置41では、上記第1の実施形態と比べると、排気風管および排気用ファンなどが設けられていないので、その分装置構成が簡素なものとなり、コストの低減を図ることができる。
【0057】
また、エアカーテン生成装置41により、エアカーテン生成位置にエアカーテンACを生成することができる。このエアカーテンACにより、前記第1の実施形態と同様に、噴射装置2,3で後方に吹き飛ばされた空気およびこの空気に含まれる粉塵を前方に跳ね返す。そして、跳ね返された空気および粉塵を集塵機7で集塵することにより、切羽Kの近傍の粉塵を十分に除去し、トンネル内の換気を好適に行うことができる。
【0058】
続いて、本発明の第3の実施形態いついて説明する。
【0059】
図6は、本実施形態に係るトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。
【0060】
図6に示すように、本実施形態に係る換気装置50は、前記第1の実施形態と比較して、やはりエアカーテン生成装置51のみが異なる。エアカーテン生成装置51は、送気風管52を備えている。送気風管52における坑口側端部には、送風機が内蔵された集塵機53が取り付けられている。また、送気風管52のエアカーテン生成位置AC側の端部には、制御風管54が接続されている。制御風管54は、上記の各実施形態と同様に、本管54Aと分岐管54Bを備えており、それぞれエアカーテン生成位置ACおよびエアカーテン生成位置ACを避けた側方に空気を吹き出している。また、送気風管52の側方には、排気風管55がトンネルの坑道に沿って配置されている。排気風管55におけるエアカーテン生成位置AC側の端部には、排気用ファン56が取り付けられている。この排気用ファン56を駆動することにより、制御風管54から吐出された空気およびその周囲の空気が排気風管55内に導かれる。
【0061】
以上の構成を有する本実施形態に係るトンネルの換気装置では、第1の実施形態に比較して、送気風管52の導入口側に集塵機53が取り付けられている点のおいて異なる。この集塵機53を設けることにより、送気風管52および制御風管54には清浄な空気が導入され、制御風管54からは清浄な空気が吹き出される。したがって、たとえばエアカーテン生成位置ACの近傍で作業員が作業を行っている場合でも、この作業員に対して清浄な空気を供給することができる。
【0062】
また、エアカーテン生成装置51により、エアカーテン生成位置にエアカーテンACを生成することができる。このエアカーテンACにより、前記第1の実施形態と同様に、噴射装置2,3で後方に吹き飛ばされた空気およびこの空気に含まれる粉塵を前方に跳ね返す。そして、跳ね返された空気および粉塵を集塵機7で集塵することにより、切羽Kの近傍の粉塵を十分に除去し、トンネル内の換気を好適に行うことができる。
【0063】
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0064】
図7は、本実施形態に係るトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。
【0065】
図7に示すように、本実施形態に係る換気装置60は、上記各実施形態で示した換気装置1,40,50と同様の部材で構成されているが、掘削装置10に搭載される車載部61の使用態様が異なる。また、集塵機7は、集塵機搭載車両20において、上記第1の実施形態とは前後に反転した状態で配設されており、連通管6が、集塵機7における吐出部7Aに接続されている点において異なる。そのため、上方噴射装置2に相当する部材は、空気とこの空気に含まれる粉塵を吸引する上方吸引装置62となっており、下方噴射装置3に相当する部材は、やはり空気およびこの空気に含まれる粉塵を吸引する下方吸引装置63となっている。また、エアチャンバ5においては、上記第1の実施形態における4つの排出ポートは、本実施形態では4つの吸入ポートとして用いられ、1つの吸入ポートは排出ポートとして用いられる。また、排出ポートには、排出管8が接続されており、集塵機7によって粉塵を集塵されて清浄となった空気は、排出管8を介して後方に排出される。そして、上方吸引装置62では、集塵機7における図示しないファンによる吸引力により、切削ドラム18による切削位置における粉塵を空気とともに吸引して除去している。また、下方吸引装置63では、切削位置から落下した切削ずりによって発生する粉塵を空気とともに吸引して除去している。さらに、集塵機7によって粉塵を集塵され、清浄な空気となって排出管8から排出される。排出管8から排出された清浄な空気は、エアカーテンACに跳ね返されて、切羽Kの方向に移動する。こうして、切羽Kの付近には、清浄な空気が供給されるので、作業者の塵肺や視界不良による事故などを防止することができる。
【0066】
このように、粉塵除去手段としては、粉塵を吸引する態様のものを用いることができる。このように、吸引装置62,63で粉塵を吸引する場合、吸引装置62,63や連通管6(図1)内に粉塵が残留して、これらを閉塞してしまうことを防止する必要がある。そのために、集塵機7から、比較的大きな吸引力で空気および粉塵を吸引することが好適であり、具体的には、たとえば連通管6内の流速が20m/s以上となるように調整するのが好適である。
【0067】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0068】
図8は、本実施形態に係るトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。
【0069】
図8に示すように、本実施形態に係る換気装置66は、上記第4の実施形態と同様に、車載部61において、吸引装置62,63を備えるものであり、切羽Kの近傍における粉塵を空気とともに吸引することによって除去するものである。また、エアカーテン生成位置ACの後方に配置されているエアカーテン生成装置41は、上記第2の実施形態に用いたものと同一のものである。このように、換気装置66として粉塵を吸引して除去するものを用いたときに、いわゆる送気式の換気装置を応用したエアカーテン生成装置41を用いることもできる。
【0070】
続いて、本発明の第6の実施形態について説明する。
【0071】
図9は、本実施形態に係るトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。
【0072】
図9に示すように、本実施形態に係る換気装置67は、上記第4の実施形態と同様に、車載部61において、吸引装置62,63を備えるものであり、切羽Kの近傍における粉塵を空気とともに吸引することによって除去するものである。また、エアカーテン生成位置ACの後方に配置されているエアカーテン生成装置51は、上記第3の実施形態に用いたものと同一のものである。このように、換気装置66として粉塵を吸引して除去するものを用いたときに、いわゆる排気式の換気装置を応用したエアカーテン生成装置51を用いることもできる。この場合にも、上記第3の実施形態と同様に、エアカーテンACの後方における作業領域に、清浄な空気を供給することができる。
【0073】
さらに、本発明の第7の実施形態について説明する。
【0074】
図10は、本実施形態に係る換気装置における掘削装置および集塵機搭載車両に搭載された部分を示す側面図である。
【0075】
図10に示すように、本実施形態に係る換気装置70は、上記各実施形態に用いられた掘削装置10におけるブーム15に取り付けられた上方噴射装置71を備えている。この上方噴射装置71は、風管72の一端部に接続されており、風管72の他端部は、集塵機搭載車両20に搭載された集塵機7に接続されている。また、風管72は、第1フレキシブル部72A、鋼管部72B、および第2フレキシブル部72Cを備えている。このうちの第1フレキシブル部72Aの一端部が上方噴射装置71に接続され、第1フレキシブル部72Aの他端部が鋼管部72Bの一端部に接続されている、また、鋼管部72Bの他端部が、第2フレキシブル部72Cの一端部に接続されている。そして、第2フレキシブル部72Cの他端部が集塵機7の吐出部7Aに接続されている。
【0076】
また、集塵機搭載車両20は、上記第1の実施形態で用いたものと同一のものを用いており、集塵機搭載車両20はけん引部材21を介して掘削装置10と接続されている。さらに、集塵機搭載車両20の後方である坑口側には、図10には図示しないが、たとえば第1〜第3の実施形態で用いたエアカーテン形成手段などが設けられている。
【0077】
かかる構成を有する本実施形態に係る換気装置においては、上方噴射装置71が設けられているが、下方噴射装置が設けられておらず、そのためエアチャンバも設けられていない。かかる態様では、切削ずりに伴う粉塵の除去性能が低下するものの、切削ドラム18による切削位置における切削によって発生する粉塵を良好に除去することができる。この切削位置においても、やはり多量の粉塵が発生しており、集塵機7としては大型のものを用いるのが好適であるが、本実施形態では、集塵機7が集塵機搭載車両20に搭載されているので、切羽Kの切削によって発生する大量の粉塵も、十分に集塵できる。また、集塵機搭載車両20は、掘削装置10とけん引部材21で接続されているので、集塵機搭載車両20を掘削装置10とともに移動させるのが容易である。
【0078】
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
【0079】
図11は、本実施形態に係る換気装置における掘削装置および集塵機搭載車両に搭載された部分を示す側面図である。
【0080】
図11に示すように、本実施形態に係る換気装置1は、第1の実施形態で説明したものと同一の構成を有しており、集塵機搭載車両が自走式でない非自走式集塵機搭載車両22である点で上記第1の実施形態と異なる。また、非自走式集塵機搭載車両22は、けん引部材としてロッド23を介して掘削装置10と接続されている。
【0081】
このように、集塵機搭載車両として非自走式のものを用いることもできる。この場合には、集塵機搭載車両の運転をする作業者が不要となる。
【0082】
さらに、本発明の第9の実施形態について説明する。
【0083】
図12は、本実施形態に係るトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。
【0084】
図12に示すように、本実施形態に係る換気装置80においては、掘削装置10に対して、上方噴射装置81と下方吸引装置82が設けられている。上方噴射装置81および下方吸引装置82は、いずれもエアチャンバ5および図示しない連通管を介して、図示しない集塵機搭載車両に搭載された集塵機7に接続されている。このように、本実施形態に係る換気装置80では、粉塵除去手段として、上方に噴射装置8、下方に吸引装置82を用いている。このため、切削ドラム18で切削した部分には空気が噴射され、切削による切削ずりが生じた下方位置の粉塵は吸引手段で吸引される。このように、噴射と吸引を適宜使い分けることにより、切羽Kの掘削の状況に応じて、換気態様を変えて、効率的に粉塵を除去するようにできる。たとえば、切削ドラム18の視認のみを優先させたい場合には、上方粉塵除去手段を噴射装置81とし、下方粉塵除去手段を吸引装置82とすることができる。
【0085】
本実施形態では、上方粉塵除去手段を噴射装置、下方粉塵除去装置を吸引装置としているが、逆に上方粉塵除去手段を吸引装置、下方粉塵除去手段を噴射装置とすることもできる。また、これらの上方粉塵除去手段および下方粉塵除去手段に接続されるエアチャンバとして、吸入ポートと排出ポートの切替が可能なものを用いることにより、掘削が進行し、切羽Kの状況が変化した場合において、適切に吸引、噴射を交換可能とする態様とすることもできる。
【0086】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。たとえば、噴射装置あるいは吸引装置の設置数は適宜選択することができる。集塵機搭載車両における走行部としては、車輪を用いているが、これをクローラ式のものとすることができる。クローラ式とすることにより、坑道内が悪路であった場合でも、円滑に移動することができる。
【0087】
さらに、エアカーテン生成手段の制御風管における吹出口と分岐吹出口の分岐路に、風量調整手段が設けられているのが好適である。このような風量調整手段を設けることにより、切羽の形状や粉塵の量に応じて、上方粉塵除去手段および下方粉塵除去手段から噴射され、または吸引される空気の流量を、風量調整手段によって調整することができる。
【0088】
また、集塵機搭載車両としては自走式のものと非自走式のものについて説明したが、集塵機搭載車両が自走式のものである場合、リモコン式で集塵機搭載車両を走行させて、掘削装置に追従させる態様とすることもできる。
【0089】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、トンネルの切羽を掘削する際に生じる粉塵の除去効率を高めることにより、視界不良による弊害や塵肺などの危険を少なくするトンネル内の換気装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るトンネル内の換気装置の側面図である。
【図2】図1に示すトンネル内の換気装置の平面図である。
【図3】図1に示すトンネル内の換気装置の正面図である。
【図4】図1に示すトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。
【図5】第2の実施形態に係るトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。
【図6】第3の実施形態に係るトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。
【図7】第4の実施形態に係るトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。
【図8】第5の実施形態に係るトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。
【図9】第6の実施形態に係るトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。
【図10】第7の実施形態に係る換気装置における掘削装置および集塵機搭載車両に搭載された部分を示す側面図である。
【図11】第8の実施形態に係る換気装置における掘削装置および集塵機搭載車両に搭載された部分を示す側面図である。
【図12】第9の実施形態に係るトンネル内の換気装置を平面視した模式図である。
【符号の説明】
1,40,50,60,66,67,70,80…換気装置、2…上方噴射装置、2A…空気噴射部材、2B…風管、3…下方噴射装置、3A…直線部、3B…湾曲部、3C…鉛直部、3D…噴射口、4…ダクトサポート、5…エアチャンバ、6…連通管、7,53…集塵機、7A…吐出部、7B…吸入部、10…掘削装置、13…走行部、14…アウトリガースカート、15…ブーム、18…切削ドラム、20…集塵機搭載車両、22…非自走式集塵機搭載車両、30,41,51…エアカーテン生成装置、31,42,52…送気風管、32,43…送風機、33,44,54…制御風管、33A,44A,54A…本管、33B,44B,54B…分岐管、34,55…排気風管、35,56…排気用ファン、62…上方吸引装置、63…下方吸引装置、AC…エアカーテン(生成位置)、K…切羽。
Claims (14)
- トンネルの切羽を切削手段により切削する掘削装置に設置される換気装置において、
前記切削手段による切削位置における切削によって発生する粉塵を除去する上方粉塵除去手段と、
前記切削位置から落下した切削ずりによって発生する粉塵を除去する下方粉塵除去手段と、
前記掘削装置の後方位置に設けられ、エアカーテンを生成するエアカーテン生成手段と、を備え、
前記エアカーテン生成手段が、エアカーテン生成位置に向けて空気を吹き出す吹出口が形成された送気風管を備え、
前記送気風管には、内部を通風する空気を分流させる分岐路が形成されているとともに、前記トンネル内のうちの前記エアカーテン生成位置を避けた位置に、分流された空気を吹き出す分岐吹出口が形成されていることを特徴とするトンネル内の換気装置。 - トンネルの切羽を切削手段により切削する掘削装置に設置される換気装置において、
前記切削手段による切削位置における切削によって発生する粉塵を除去する上方粉塵除去手段と、
前記切削位置から落下した切削ずりによって発生する粉塵を除去する下方粉塵除去手段と、
前記掘削装置の後方位置に設けられ、エアカーテンを生成するエアカーテン生成手段と、を備え、
前記エアカーテン生成手段が、前記エアカーテン生成位置に向けて空気を吹き出す吹出口が形成された送気風管と、
前記送気風管における吹出口から吹き出された空気をトンネルの坑口側に送気する通風路を形成する排気風管を備え、
前記送気風管には、内部を通風する空気を分流させる分岐路が形成されているとともに、前記トンネル内のうちの前記エアカーテン生成位置を避けた位置に、分流された空気を吹き出す分岐吹出口が形成されていることを特徴とするトンネル内の換気装置。 - 前記送気風管における空気導入口側に、集塵機が取り付けられている請求項2に記載のトンネル内の換気装置。
- 前記掘削装置が前記切羽における切削位置を移動するブームを備えており、
前記上方粉塵除去手段が、前記切削手段とともに前記ブームに取り付けられており、
前記ブームの移動により、前記上方粉塵除去手段が前記切削手段に伴って移動する請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載のトンネル内の換気装置。 - 前記掘削装置は、走行手段を有する自走式掘削装置であり、
前記下方粉塵除去手段は、前記走行手段の側方に配置されている請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載のトンネル内の換気装置。 - 前記上方粉塵除去手段および前記下方粉塵除去手段が、空気を吐出する吐出手段、または空気とこの空気に含まれる粉塵を吸引する吸引手段である請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載のトンネル内の換気装置。
- 前記上方粉塵除去手段および前記下方粉塵除去手段が、それぞれ吐出手段または吸引手段のいずれに切替え可能である請求項6に記載のトンネル内の換気装置。
- トンネルの切羽を切削する切削手段を有する掘削装置と、
前記掘削装置に設けられた粉塵除去手段と、
前記粉塵除去手段によって切羽から除去された粉塵を集塵する集塵機とを備え、
前記掘削装置は、走行手段を有する自走式掘削装置であり、
前記集塵機は、前記自走式掘削装置から独立した集塵機搭載車両に搭載されており、
前記掘削装置の後方位置に設けられ、エアカーテンを生成するエアカーテン生成手段をさらに備え、
前記エアカーテン生成手段が、エアカーテン生成位置に向けて空気を吹き出す吹出口が形成された送気風管を備え、
前記送気風管には、内部を通風する空気を分流させる分岐路が形成されているとともに、前記トンネル内のうちの前記エアカーテン生成位置を避けた位置に、分流された空気を吹き出す分岐吹出口が形成されていることを特徴とするトンネル内の換気装置。 - トンネルの切羽を切削する切削手段を有する掘削装置と、
前記掘削装置に設けられた粉塵除去手段と、
前記粉塵除去手段によって切羽から除去された粉塵を集塵する集塵機とを備え、
前記掘削装置は、走行手段を有する自走式掘削装置であり、
前記集塵機は、前記自走式掘削装置から独立した集塵機搭載車両に搭載されており、
前記掘削装置の後方位置に設けられ、エアカーテンを生成するエアカーテン生成手段をさらに備え、
前記エアカーテン生成手段が、前記エアカーテン生成位置に向けて空気を吹き出す吹出口が形成された送気風管と、
前記送気風管における吹出口から吹き出された空気をトンネルの坑口側に送気する通風路を形成する排気風管を備え、
前記送気風管には、内部を通風する空気を分流させる分岐路が形成されているとともに、前記トンネル内のうちの前記エアカーテン生成位置を避けた位置に、分流された空気を吹き出す分岐吹出口が形成されていることを特徴とするトンネル内の換気装置。 - 前記集塵機搭載車両が、前記自走式掘削装置に連結されている請求項8または請求項9に記載のトンネル内の換気装置。
- 前記集塵機搭載車両が、自走式である請求項8〜請求項10のうちのいずれか1項に記載のトンネル内の換気装置。
- 前記集塵機搭載車両が前記自走式掘削装置に対して非連結状態とされている請求項11に記載のトンネル内の換気装置。
- 前記集塵機搭載車両に設けられた走行手段が、クローラ式である請求項11または請求項12に記載のトンネル内の換気装置。
- 前記集塵機が、前記粉塵除去手段に対してフレキシブル管を介して接続されている請求項8から請求項13のうちのいずれか1項に記載のトンネル内の換気装置。
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