JP3921913B2 - ウエハ処理装置およびウエハ製造方法 - Google Patents

ウエハ処理装置およびウエハ製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体等の製造技術に関し、特に、ウエハ処理装置およびウエハの処理時にウエハの温度制御を行うウエハ製造方法に好適である。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体素子の高集積化にともない回路パターンは微細化の一途をたどっており、要求される加工寸法精度はますます厳しくなってきており、処理中のウエハの温度性御が非常に重要になってくる。例えば、高いアスペクト比が要求されるエッチングプロセスにおいては異方性エッチングを実現するために側壁を有機ポリマで保護しながらエッチングを行うプロセスが知られているが、有機ポリマの生成は温度により変化し、処理中のウエハの温度制御が不十分であると側壁の保護膜がウエハ間でばらつき、その結果エッチング形状の再現性が悪化する恐れがある。
【0003】
処理中のウエハの温度上昇に対処する方法として、近年の半導体製造ラインにおいては、温調器により一定温度に制御した冷媒をウエハステージ内に循環させる方法が適用されている。この冷媒の容量をある程度大きくすると、ウエハへ急激な入熱があった場合でも冷媒の熱容量が大きいため温度の安定性がよいという利点があるものの、冷媒の熱容量が大きいため冷媒の温度を応答性よく制御することが難しい、すなわちウエハステージの温度を応答性よく制御するのが難しい。ウエハステージの温度を応答性よく制御する方法としては、被処理物であるウエハを電極上の熱電素子上に配設された静電チャック上に積載して処理する方法が知られ、例えば特開平4-87321に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、熱電素子は最大でもウエハ裏面の全面積に相当する程度の面にしか取り付けることができないために、非常に入熱の大きなプロセスなどに使用した場合には十分ウエハの温度を制御できない。具体的には、現状の熱電素子の吸熱量は最大でも4W/cm2程度であるが、例えば酸化膜のドライエッチング装置などでは5W/cm2以上の入熱がある場合があり、ウエハへ入熱される熱を吸熱するようにウエハステージへ熱電素子を配置することは実質的に不可能である。よって、処理中のウエハの温度が上昇してしまい、エッチング特性が悪化する原因となる。
【0005】
また、熱電素子には繰り返し熱応力が作用するため、疲労によりP型半導体とN型半導体の接着部等の構造に破壊が発生する場合がある。さらに、上記従来技術のように、熱電素子がウエハステージの裏面に直接取り付けられている場合、その交換に非常な手間がかかるうえ、交換中には装置全体を完全に止めてしまわなければならず装置の稼働率が大きく低下してしまうことになる。
【0006】
本発明の目的は、処理中のウエハの温度を安定してかつ精度良く制御することができるばかりでなく、応答性の良いウエハ処理装置およびウエハ製造方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の目的は、ウエハステージに流れ込む配管が結露することがなく運転を可能にすることにある。さらに、本発明の目的は、ウエハとウエハステージの間の熱抵抗を小さくし、処理中のウエハの温度制御性をより優れたものにすることにある。さらに、本発明の目的は、より単純な構造とすることにある。
【0008】
なお、本発明は、上記課題あるいは目的の少なくとも一つを解決することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、ウエハにプラズマ処理を行なう処理室と、処理室内にプラズマを発生させる手段と、ウエハを積載するウエハステージを備えたウエハ処理装置において、ウエハステージ内に設けられ冷媒が流れる冷媒流路と、冷媒流路に接続された複数個の熱交換器とを備え、ウエハの温度は複数個の熱交換器により制御されるものである。
【0010】
これにより、冷媒流路に複数個の熱交換器を接続するので、一方で急激な入熱量の変化に対して安定するように対応し、他方で必要に応じて応答性よくウエハの温度を制御すれば、入熱が大きなプロセスであっても十分にウエハの温度を応答性よく制御できる。
【0011】
また、本発明はウエハにプラズマ処理を行なう処理室と、該処理室内に前記プラズマを発生させる手段と、ウエハを積載するウエハステージを備えたウエハ処理装置において、ウエハステージ内に設けられ冷媒が流れる冷媒流路と、冷媒流路に連結され冷媒を蓄える容器を有する第一の熱交換器と、第一の熱交換器と直列に連結され、冷媒がウエハステージに流れ込む直前に配置された第二の熱交換器とを備えたものである。
【0012】
これにより、冷媒を蓄える容器を有する第一の熱交換器により、ウエハへの入熱量が変化した場合でも急激に冷媒の温度が上昇することなく、第二の熱交換器によりウエハステージに流れ込む直前の冷媒の温度を制御できるので、プラズマ処理中のウエハの温度を安定性良く制御するばかりでなく、応答性よく制御することが可能となる。
【0013】
さらに、本発明はウエハステージに設けられ冷媒が循環する冷媒流路と、冷媒流路に連結され冷媒を蓄える容器を有する第一の熱交換器と、第一の熱交換器と直列に連結され、冷媒の加熱、冷却を行うように配置された熱電素子を有する第二の熱交換器とを備えたものである。
【0014】
さらに、上記のものにおいて、冷媒流路に冷媒を流す配管は真空断熱されていることが、結露の点から望ましい。
【0015】
さらに、上記のものにおいて、ウエハステージのウエハの裏面となる位置に冷却ガスを導入してウエハにプラズマ処理を施すことが望ましい。
【0016】
さらに、上記のものにおいて、ウエハステージは導電性材料より構成され、ウエハステージの表面に設けられた誘電体膜と、ウエハステージとウエハの間に電位差を与える手段と、を備え、誘電膜とウエハ間に蓄えられた電荷の静電気力によりウエハを固定することが望ましい。
【0017】
さらに、本発明はウエハをウエハステージに積載し、ウエハステージに冷媒が流れ込む直前の温度を制御しながらウエハにプラズマ処理を行なうウエハ製造方法であって、直前の温度の制御をウエハもしくはウエハステージの温度を測定した結果に関連して制御することを特徴とするものである。
【0018】
さらに、上記のものにおいて、直前の温度の制御を、ウエハに施すプラズマ処理の手順に基づいて行うことが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって詳細に説明する。
図1ないし図3は、本発明の第一の実施例であり、図1は本発明の第一の実施例をプラズマ処理装置に適用した例の〓断面図である。また、図2は第一の実施例の熱電素子を用いた熱交換器部の内部を拡大した断面図であり、図3は図2の熱交換器の斜視図である。
【0020】
処理中のウエハ1を載せるためのウエハステージ2は、0リング3を介してボルト4で締められたフランジ5上に固定されている。ウエハステージ2上にウエハ1を積載し、ウエハ1をプラズマ6に曝すことによりウエハ表面にエッチング処理を施す。7はウエハ1がウエハステージ2からずれないようにするためのガイドである。8は真空チャンバ9の内部に設けられた円盤状の電極10に高周波電圧を印加するための高周波電源であり、この電極10に高周波電圧を印加することにより真空チャンバ9内にプラズマ6を発生させる。
【0021】
11は真空チャンバ内に処理ガスを導入するためのガス配管であり、13は真空チャンバ内を真空排気するためのターボ分子ポンプであり、バルブ12の開度を調節することにより真空チャンバ9内の圧力を任意に設定することができる。処理中のウエハ1はプラズマ6からの入熱により加熱されるので、再現性のよいエッチング処理を実現するためには処理中のウエハ1の温度を測定して調節する必要がある。
【0022】
ウエハの温度を測定するために熱電対14を用いて、フランジ5の温度をモニタしている。実際に測定すべきはウエハ1の温度であるが、熱電対14で測定した位置の温度とウエハ1の温度の相関をあらかじめ取っておけば直接ウエハの温度を測定しなくともウエハ温度を予測可能である。
ウエハステージ内には冷媒流路15が設けられ、真空チャンバ外の熱交換器により一定温度に管理された冷媒が流され、ウエハステージは冷却される。フランジ5の下部にはウエハステージ内に冷媒を流し込む貫通穴が2個設けられており、一方は冷媒の流入用貫通穴16、もう一方は冷媒の流出用貫通穴17である。流入用貫通穴16、流出用貫通穴17のいずれにも0リング18を介してボルト19締めされた配管20、28が接続されており、それぞれの反対側の端部は第二の熱交換器21の冷媒排出口23、および第一の熱交換器22の冷媒もどり口24に接続されている。また、第二の熱交換器21の冷媒流入口25もフランジ下部に接続されたのと同様の配管26が接続されており、この反対側の端部は第一の熱交換器の冷媒流出口27に接続されている。配管20、26、28は中空パイプの中に冷媒流路用の配管29を内蔵した構成となっており、中空部はさらにバルブ30、31を介して真空ポンプ32、33に接続され真空引きする。これは、冷媒温度が低温の場合に冷媒流路用の配管周りに結露するのを防止するためである。
【0023】
第一の熱交換器22の構成を説明する。第一の熱交換器は冷媒34を容器35に蓄えておき、冷媒34を冷凍機36により冷却およびヒータ37により加熱させ、ポンプ38により冷媒排出口27から排出する。冷凍機36の冷却能力は3kWであり、ヒータ37の加熱能力も3kWである。この値はエッチング装置用ウエハステージの温調機の能力としては標準的な値であるが、使用条件によって適宜選択されるべき値である。
【0024】
第一の熱交換器は、容器内に多量の冷媒を内蔵しているため冷媒の熱容量が大きいので、仮にウエハへの入熱量が変化した場合でも、冷媒が循環していれば急激に冷媒の温度が上昇することなくウエハの温度を一定に保つことができる。しかし、熱容量が大きいために逆にウエハの温度を応答性よく制御するには困難が有り、応答性よく制御するには第二の熱交換器21を設ける。
【0025】
第二の熱交換器21の冷媒流入口25は第一の熱交換器22の冷媒排出口27と接続されており、冷媒が容器に流れ込むようになっている。反対側の冷媒排出口23は、フランジ5の流入よう貫通穴16に接続されており、第二の熱交換器で冷却した冷媒をウエハステージ2に送り込む。
【0026】
第二の熱交換器は図3に示すように側板で四方を囲まれた直方体状の構造をしており、下側の配管26から冷媒が流入し上側の配管28から流出する。39はバルブ31を介して接続された真空ポンプ33により内部を真空引きするための配管である。40は内部の熱電素子に直流電圧を印加するための電流導入端子である。第二の熱交換器21の内部には冷媒を冷却するための容器41が内蔵されており、容器41の周囲にはN型半導体素子42とP型半導体素子43を直列に連結した熱電素子が伝熱板44を介して接触している。この熱電素子は電流導入端子40を介して外部の直流電源45に接続され、印加する電圧の極性を変えることにより電熱板44を加熱、冷却する。熱電素子の加熱と冷却能力は熱電素子に投入する電力を制御することにより制御される。ウエハの温度を制御する方法としては熱電対14に接続された温度計46によりフランジ5の温度を測定してコンピュータ47の処理によりウエハの温度を予測し、この値をもとに直流電源45の出力を制御することが良い。つまり、ウエハの処理中の温度をフィードバック制御する。
【0027】
本実施例では伝熱板44と容器41の間の熱伝導を確保する目的で、間に導電性の真空グリースを薄く塗布しているが、例えば伝熱板をバネ機構等により容器に押さえつけるなどの方法により熱伝導を確保する方法でも良い。いずれにせよ何らかの手法により伝熱板と容器間の熱伝導は十分に確保できるように注意すべきである。また、熱電素子の容器と接触する側とは反対側の伝熱板48の内部には配管49が埋設されており、冷媒から吸熱した熱を逃すための循環水51を流して熱電素子の温度上昇を防いでいる。本実施例では伝熱板の冷却に水を使用しているが、パイプ中に送風し空冷しても良いし、水以外の冷媒を使用することでも良い。なお、50は0リングである。
【0028】
本実施例では熱電素子の個数や連結方法について詳しく言及していないが、必要な冷却能力にみあった個数の熱電素子を直列に連結してもよいし、並列に連結してもよい。但し、並列に連結した場合の方が、万が一1個の熱電素子が故障した場合にも全体の冷却能力を失うことなく運転を継続できるというメリットがある。この場合、その他の事情で装置運転を停止させた際に故障した熱電素子を交換するなどして修理すれば、装置稼動率を低下させない。
【0029】
冷媒を蓄えておく容器を有する第一の熱交換器と、冷媒を熱電素子により加熱冷却する第二の熱交換器を、第二の熱交換器がウエハステージに流れ込む直前に配置されるように直列に連結するように構成したウエハステージでは、第一の熱交換器に冷媒を蓄えておく容器を備えているために、冷媒の熱容量がある程度大きくウエハへの入熱が急激に増加した場合にも温度が安定しているだけでなく、ウエハステージに流れ込む冷媒の温度を熱電素子に供給する電力を制御することにより応答性よく変化させることができる。
【0030】
また、熱電素子を備えた第二の熱交換器は配管を介してウエハステージに連結しているため、仮に故障した場合でも容易に交換できるうえ、第一の熱交換器のみの運転により処理装置の運転が可能であるため装置の稼働率低下を防ぐことができる。
【0031】
さらに、熱電素子に供給する電力の制御は、ウエハの温度もしくはウエハの温度を予測可能な部位を測定した結果に関連して、あるいはそれを基にフィードバック制御すれば、非常に制御性に優れたウエハステージとすることができる。さらに、冷媒を流す配管は真空中に配置されるため、低温の冷媒を循環させる場合でも結露することがない。
【0032】
第一の実施例であるウエハ処理装置を使うことにより実現することができたエッチング処理の一例を説明する。図8(a)は従来の半導体メモリのゲート電極の断面図を示したものであり、80はシリコン基板、81は絶縁酸化膜、82は電極となるポリシリコン、83は配線と接続される金属シリサイドである。しかし、素子の高密度化、高速化のためにゲート電極を流れる電流密度を上げることが必要となり、金属シリサイドに比べてより低抵抗の金属を金属シリサイドの代わりに使うようになってきている。例えば、図8(b)は従来のゲート電極構造に変わる構造の断面図であるが、絶縁酸化膜81、ポリシリコン84、金属シリサイド85、金属86という構造をしている。ここで金属シリサイド85はポリシリコン84と金属86の密着性を確保するるために使用されている。
【0033】
従来の図8(a)のような電極構造を実現するためには絶縁酸化膜の上にポリシリコン、金属シリサイドの膜を形成した後金属シリサイド上にレジスト87でパターンを形成して、塩素ガスを主体としたガスを用いてウエハを室温程度の温度に管理して金属シリサイドとポリシリコンを所望のパターンにエッチングしていた。一方、図8(b)では絶縁酸化膜の上にポリシリコン、金属シリサイド、金属の膜を形成した後、金属上にレジストパターンを形成しエッチングすることになる。しかし、金属のエッチングには6フッ化硫黄を主体にしたガスを用いてウエハの温度をより低い温度(〜10℃程度)でエッチングするほうがより効率的であり、金属シリサイドやポリシリコンのエッチングとは使用するガス種やウエハの温度条件が異なる。そこで、従来の装置でエッチングするためには金属のエッチングが終了後、金属シリサイドのエッチングをおこなう前に設定温度を10℃程度上昇させるための待ち時間が必要になる。
【0034】
本実施例による例を説明する。ウエハステージの材質はアルミニウム、フランジの材質はステンレス鋼であり、合計の熱容量は6kJ/Kである。また、第一の熱交換器の容器や配管すべてに含まれる冷媒の熱容量は30kJ/Kである。この場合、第一の熱交換器のヒータが作用して冷媒を加熱することになるが、全熱容量の36kJ/Kを3kWで加熱するのに要する時間は120秒となる。つまり少なくともこれだけの時間は実際のエッチングに寄与しないむだ時間となり装置の処理能力の低下原因となる。これに対し、第一の実施例のように第二の熱交換器を設けた場合は、第一の熱交換器から流れ出る10℃程度の温度の冷媒を第二の熱交換器を用いて室温程度に温調した冷媒をウエハステージに送り出せばよいことになる。
【0035】
本実施例では第二の熱交換器の容器容量が3リットル、冷媒の流量が毎秒3リットルであり、第二の熱交換器で単位時間あたり加熱、冷却される冷媒の熱容量は5.4kJ/Kであった。したがって、これを第二の熱交換器の加熱機能(10kW)により暖めるのに要する時間はわずか5.4秒となる。この程度の時間ならば全プロセスに影響を与えることはほとんどない。つまり、装置の処理能力が最大限活かすことができる。
【0036】
以上において、第一の熱交換器の設定温度も第二の熱交換器の設定温度と同じように10℃程度上昇させるかどうかはその後のプロセスによって適宜決定すればよい。また、全プロセスの中で第二の熱交換器を用いて冷媒を温調する時間の方が短くなるように設定する方が装置の安定性は増すことになるので、例えば本実施例とは逆に第一の熱交換器では冷媒を金属シリサイドのエッチングする温度に設定しておき、初めにエッチングする金属の時のみ第二の熱交換器を用いて10℃程度低い温度に温調することでも良い。
【0037】
さらに、上記のプロセスでは金属、金属シリサイド、ポリシリコンの3種類の膜を連続してエッチングする例を挙げたが、エッチングする膜種が変化する時に一旦プラズマ処理を停止することも良い。つまり、上記の例では設定温度の違いがたかだか10℃程度であったが、もっと温度差が大きく第二の熱交換器の能力との兼ね合いで数秒程度を要するような場合、一旦プラズマを切りこの間にウエハステージの温度を所望の値にする。
【0038】
この方法では、冷媒の温度を温調している間にプラズマからの入熱がないのでより早く設定温度に到達できる、温度を調節している間に制御不能なエッチングの進行が防止される、ガス種を変更する必要がある場合にはその間にガスを完全に置換することができる、などの効果がある。
【0039】
なお、上記実施例では半導体メモリのゲート電極を処理する場合の例として説明したが、必ずしもこれに限るわけではなく、その他の材質からなる別の構造の処理に使用しても良い。
【0040】
本実施例では第一の熱交換器に冷媒を蓄えておくための容器が設けてあるばかりでなく、実際に冷媒を加熱、冷却することもできる構成としていたが、ウエハステージから排出された冷媒を単に蓄えるための容器と、第一の実施例と同様な構成の第二の熱交換器を直列に連結しておき、冷媒の温調はすべて第二の熱交換器によりおこなうことでも良い。この場合では第一の熱交換器が省略された構成となるため第一の実施例ほどの冷却能力を期待することはできないが、容器に蓄えられた冷媒の熱容量によりウエハに対する入熱が急激に増加した場合でも比較的安定して冷媒の温調をおこなうことができる。
【0041】
図4に第一の実施例の熱電素子の制御方法とは異なる制御方法の一例を示す。本実施例では熱電素子に電力を供給する直流電源45を制御するためのコンピュータ52には、温度計46からの情報とエッチング処理を自動運転するための処理制御装置53の情報が送られている。コンピュータ52は処理制御装置53からの情報、例えばウエハに施すプラズマ処理の手順に基づいて次に設定すべきウエハの温度情報を決定し、現在の温度と比較し、第二の熱交換器から排出される冷媒の温度とウエハ温度の時間遅れを予測し、先行して冷媒の温度を調節する。
【0042】
これにより、ウエハの温度制御を最適化することができ、エッチング特性をさらに改善することができる。
【0043】
図5に本発明の第二の実施例を示す。本実施例は第一の実施例と同様のプラズマ処理装置に本発明のウエハステージを適用したものであり、真空チャンバ9に0リング54を介してフランジ55を取り付け、フランジ55上に絶縁プレート56をはさんだ状態で、表面に誘電膜57を取り付け、静電チャック機能を付加したウエハステージ58をボルト59で固定している点が第一の実施例とは異なる。
【0044】
また、フランジ55、絶縁プレート56、ウエハステージ58には貫通穴60が設けてあり、フランジには図示しないヘリウムガス供給機構から供給されるヘリウムガスの流量を制御するマスフローコントローラ61を介して配管62が接続してある。
【0045】
さらに、ウエハステージにはフランジと絶縁プレートを貫通して埋め込まれた絶縁パイプ63中に埋め込まれた給電棒64により外部の直流電源65から直流電圧を印加でき、ウエハステージ58に直流電圧を供給する導線66に高周波電源67を接続し、高周波電圧も供給することができる。68は高周波電流が直流電源に流れ込まないようにするためのコイルであり、69はブロッキングコンデンサである。
【0046】
真空チャンバ内に処理ガスを導入し、電極に高周波電圧を印加してプラズマを生成した状態でウエハステージにマイナス電圧を印加すると、プラズマを介してウエハステージとウエハ間に電位差が発生し、誘電膜内に分極電荷が発生するためにウエハは誘電膜表面に静電気的に吸着、固定される。また、このときウエハステージには高周波電圧が印加されるためウエハにバイアス電圧が発生しプラズマ中のイオンを効果的に引き込むことができ、より効果的にエッチングをおこなうことができるようになる。しかし、同時にウエハへの入熱量が増加するためにウエハの温度上昇が増加することになるので、ウエハへの入熱を効果的にウエハステージに逃すためにウエハ裏面と誘電膜間にヘリウムガスを導入する。このようにすることにより、ウエハと誘電膜、すなわちウエハステージへの熱抵抗が小さくなり効果的にウエハの冷却をおこなうことができる。
【0047】
以上のようなウエハステージでは、ウエハとウエハステージ間の熱抵抗が小さくなり、ウエハの冷却効率があがるため、第一の実施例と比べてさらに応答性よくまた制御性よくウエハの温度を制御することができる。
【0048】
図6に本発明の第三の実施例を示す。本実施例は、第二の熱交換器内の熱電素子の冷却用として伝熱板内の配管に冷却水を循環させる代わりに、ウエハステージ内を流れて排出された冷媒を循環させる点が第二の実施例とは異なる。フランジの冷媒の流出用貫通穴17に接続された配管の端部は、第二の熱交換器の側板に設けられた冷媒の流入口70に接続され、側板に設けられた冷媒の排出口71は、第一の熱交換器の冷媒戻り口24に接続される。また、これらの配管は第一の実施例、第二の実施例と同様に中空構造となっており、バルブ72を介して接続された真空ポンプ73により真空引きすることができる。
【0049】
以上のように構成されたウエハステージでは、熱電素子の冷却に循環水のような設備を必要としないので装置の構成が単純になる。
【0050】
図7に本発明の第4の実施例を示す。本実施例では、第3の実施例とは異なり、フランジ55の流出用貫通穴17と第二の熱交換器21の冷媒流入口70を結ぶ配管74と、第一の熱交換器22の冷媒戻り口24と第二の熱交換器の冷媒排出口71を結ぶ配管75と、をバイパスする配管76が設けてある。そして、配管74、75、76にはそれぞれ冷媒を流したり止めたりするためのバルブ77、78、79を備えている。
【0051】
ウエハへの入熱が当初予想していたよりも小さく、第二の熱交換器による温度制御が不要な場合、ウエハステージ内を循環し温度が上昇した冷媒が第二の熱交換器内を循環すると、第一の熱交換器で温調されて流れ出した冷媒がウエハステージに流れ込む前に第二の熱交換器の部分で加熱され温度上昇してしまうことがある。このような場合、バルブ77、79を閉じ、バルブ78を開にしてウエハステージを流れ出た冷媒が第二の熱交換器に流れ込むことなく直接第一の熱交換器22に戻るようにすれば、ウエハステージに流れ込む前の冷媒の温度が不要に上昇することを防ぐことができる。当然、先に説明したように第二の熱交換器によるウエハの温度制御が必要な場合には、バルブの動作を逆にすればよい。
【0052】
このウエハステージでは、ウエハへの入熱量に応じて第一の熱交換器のみによるウエハの温度制御と第二の熱交換器を併用したウエハの温度制御を適宜選択することができる。
【0053】
以上説明した実施例では、ウエハの温度は直接測定した構成とはしていないが、例えば、フランジとウエハステージに貫通穴を設けておき、この貫通穴の中に蛍光温度計を埋設しウエハ裏面の温度を直接接触するようにしてもよいし、蛍光温度計の代わりに熱電対をウエハ裏面に直接接触させるようにすることも良い。
【0054】
また、ウエハステージ内の冷媒が流れるための流路は1系統のみとして説明したが、冷媒の流れる系統が、ウエハステージの中心付近と外周付近の2系統に分割されているようにすることも良い。この場合、例えば通常温度条件的にはウエハの外周付近で温度が上昇しやすい傾向があるので、外側の流路に流す冷媒の冷却にのみ本発明を適用することも効率等より好ましい。また、外周付近と中心付近の流路に流す冷媒の温調に本発明を適用すれば、中心付近と外側付近の温度を別の温度に設定することも可能となる。さらに、本発明の適用例としてプラズマエッチング装置を使い説明したが、その他の処理装置、例えばCVD装置や電子描画装置、液晶用ガラス基板処理装置等のステージとして適用することも可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、処理中のウエハの温度を安定してかつ精度良く制御することができるばかりでなく、応答性の良いウエハ処理装置およびウエハ製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による第一の実施例の横断面図。
【図2】 図1の第二の熱交換器を拡大した断面図。
【図3】 図2の斜視図。
【図4】 本発明による第一の実施例の制御法を示すブロック図。
【図5】 本発明による第一の実施例の横断面図。
【図6】 本発明による第一の実施例の横断面図。
【図7】 本発明による第一の実施例の横断面図。
【図8】 本発明による実施例でのエッチング例を示す断面図。
【符号の説明】
1…ウエハ 2…ウエハステージ
5…フランジ 6…プラズマ
7…ガイド 8…高周波電源
9…真空チャンバ 11…ガス配管
13…ターボ分子ポンプ 14…熱電対
15…冷媒流路 16…流入用貫通穴
17…流出用貫通穴 20…配管
21…第二の熱交換器 22…第一の熱交換器
23…冷媒排出口 24…冷媒戻り口
25…冷媒流入口 26…配管
27…冷媒排出口 28…配管
29…配管 34…冷媒
35…容器 37…ヒータ
70…冷媒の流入口 71…冷媒の排出口

Claims (6)

  1. ウェハにプラズマ処理を行う処理室と、該処理室内にプラズマを発生させる手段と、前記ウエハを積載するウエハステージを備えたウエハ処理装置において、
    前記ウエハステージに設けられ冷媒が循環する冷媒流路と、
    前記冷媒流路に連結され、前記冷媒を蓄える容器と温度調節手段を備えた第一の熱交換器と、
    前記ウエハステージと第一の熱交換器の間に、前記ウェハステージからは離間しかつ前記第1の熱交換器に対して直列に接続された、熱電素子を有する第二の熱交換器とを備えたことを特徴とするウエハ処理装置。
  2. 請求項1に記載のウエハ処理装置において、
    前記冷媒流路に前記冷媒を流す配管が真空断熱されていることを特徴とするウエハ処理装置。
  3. 請求項2に記載のウエハ処理装置において、
    前記ウエハステージの前記ウエハの裏面となる位置に冷却ガスを導入して前記ウエハにプラズマ処理を施すことを特徴とするウエハ処理装置。
  4. 請求項1ないし3に記載のウエハ処理装置において、
    前記ウエハステージは、前記ウエハステージの表面に設けられた誘電体膜と、
    前記ウエハステージと前記ウエハの間に電位差を与える手段とを備え、
    前記誘電膜と前記ウエハ間に蓄えられた電荷の静電気力により前記ウエハを固定することを特徴とするウエハ処理装置。
  5. ウエハをウエハステージに積載し、該ウエハステージに流れ込む冷媒の温度を制御しながら前記ウエハにプラズマ処理を行なうウエハ製造方法であって、
    第1の熱交換器により温度制御された冷媒を、前記ウェハステージからは離間しかつ前記第1の熱交換器に対して直列に接続された、熱電素子を備えた第2の熱交換器に供給し、
    前記第1の熱交換器から供給された冷媒に対して前記第2の熱交換器により第2の温度制御を施し、
    当該第2の温度制御が施された冷媒を前記ウェハステージに供給して前記ウェハのプラズマ処理を行うことを特徴とするウエハ処理方法。
  6. 請求項5に記載のウェハ処理方法において、
    前記第2の熱交換器による温度制御を前記ウエハもしくは前記ウエハステージの温度を測定した結果に関連して制御することを特徴とするウエハ処理方法。
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