従来技術を説明する前に、本明細書で使用する用語について説明する。
まず、集合構造体をなす通信媒体とその切断について説明する。例えば、光ファイバケーブルなどの通信媒体は、ケーブルの高密度化、接続作業の向上などの理由から複数の通信媒体をまとめて構成される1つの集合構造体である通信媒体集合体となるように作られている。そのため、1本の通信媒体のみを切断して使用することができず、集合構造体単位での切断および使用が行なわれる。
図9を参照して、集合構造体をなす通信媒体とその切断について具体的に説明する。図9(a)は、階層的に構成される集合構造体の一例を説明するための図であり、(イ)は4心の集合から構成されるテープ状の集合構造体を示し、(ロ)はこのテープ状の集合構造体を5枚接合して構成される集合構造体を示し、(ハ)はこの集合構造体をケーブルに組み込んだ集合構造体を示している。なお、図9(a)の(ハ)に示す集合構造体は、中心に設けられた鋼線の周囲にテープ集合収容部が設けられ、このテープ集合収容部の凹部内に5個のテープ集合体が収容され、そのうちの1つの凹部に作業用通信媒体が収容されている。そして、これらの周囲は保護被覆部で保護され、最外側には外皮が設けられている。
また、図9(b)は、4心の光ファイバから構成される集合構造体を切断して、ばらばらの単心に分離し、そのうちの2心を使用し、残りの2心を空き(在庫となる)にした状態を示している。更に、図9(c)は、集合構造体の別の例を示している。この集合構造体は、単心の通信媒体が複数心集まって1つのチューブに収められ、このチューブが複数集まってケーブルを構成しているものである。すなわち、この集合構造体は、中心に設けられた鋼線の周囲に6個のチューブが設けられ、各チューブは中心に銅線を有し、この鋼線の周囲に4本の単心通信媒体とこれらの通信媒体を固定するためのバランサが設けられ、この6個のチューブの周囲は外皮で包まれて保護されている。
次に、図9で示したように構成されるケーブルに収容されている通信媒体を選択する場合などに使用する若番、老番について説明する。若番、老番は番号の大小を表す概念であり、ある番号より相対的に小さい番号を若番、大きい番号を老番という。
また、点設備とは、通信媒体の接続および分岐を行なうべくケーブルに沿って配置されている設備であり、例えば電柱、マンホール、ハンドホールなどのようにケーブルが通過する設備である。この点設備において通信媒体の接続や分岐を行なう。この点設備は、図10において(イ)に示すように、通信装置収容局から延出するケーブルに沿って設けられている。
ケーブルを利用者の家屋やビルまで配線するためには、あるポイントでケーブルから通信媒体を取り出す必要があるが、この通信媒体を取り出す点を配線点と称する。この配線点は、図10において(ロ)で示すように、通常点設備上に存在する。
また、上部、下部という用語は、方向の概念を示す用語であり、例えば図10において(ハ)で示すように、通信線路上のある1点において通信装置を収容している通信装置収容局の方向を上部、端末の接続されている加入者側を下部と称する。
リーフケーブルとは、図10において(ニ)で示すように、自分の下部側において他のケーブルと接続されていない末端に位置するケーブルである。
また、通信媒体の配線は、面状に広がったユーザに通信サービスを提供するために、図10において(ホ)で示すように、何ヶ所かで分岐される。
図11を参照して、光分岐モジュールについて説明する。同図に示す光分岐モジュール111は、光通信媒体を試験するために、試験光を通信媒体に対して入力させたり、出力させるものであり、通信装置112や通信端末113に接続されている通信媒体と接続するためのコネクタ111a、111b、試験光を結合するための光カプラ111c、サービス提供波長などを遮断するフィルタ111dなどから構成されている。この光分岐モジュールは、通信、試験に用いる波長、試験光を遮断するフィルタの有無、コネクタの反射特性などにより複数の種類が存在する。
通信媒体の使用区分という用語は、通信媒体の使用状態を示す区分を示すものであって、例えば「空き」「使用中」「予約」「故障」「端末空き」「単心化空き」などがある。端末空きとは、下部側で他の通信媒体と接続されてなく、かつ「空き」状態の通信媒体のことであり、単心化空きとは、集合構造体が単心化され、かつ「空き」状態の通信媒体のことである。図12は、配線点における通信媒体の上述した使用区分を示している。
次に、従来の通信媒体選定装置について図13を参照して説明する。図13に示す従来の通信媒体選定装置は、制御部110、選定部122、通信媒体使用区分記憶部124、コマンド処理部126、配線点記憶部128、出力部132、入力部134、入出力インタフェース部140、ネットワーク150、および入出力装置152から構成されている。
従来の通信媒体選定装置により通信媒体の選定を行なうには、通信媒体選定者は、ネットワーク150を介してまたは入出力装置152を用いて、選定コマンドおよび通信媒体に対する新規需要のあった地点に近い点設備を特定する点設備特定情報を入出力インタフェース部140に入力する。この入出力インタフェース部140に入力された選定コマンドおよび点設備特定情報は、制御部110の指示により入力部134に読み込まれ、更に制御部110の指示により入力部134からコマンド処理部126に送られる。
コマンド処理部126は、制御部110の指示により、選定コマンドを解析し、点設備特定情報を選定部122に供給するとともに、選定処理の実行を選定部122に指示する。選定部122は、制御部110の指示により、配線点記憶部128から当該点設備に配線点が存在するか否かの確認を行い、配線点が存在する場合には、選定部122は通信媒体使用区分記憶部124から該配線点を通過する通信媒体の使用区分を読み込み、この読み込んだ通信媒体使用区分から該配線点に端末空きまたは単心化空きの通信媒体が存在するか否かを判定し、存在する場合には、該通信媒体を選定し、また存在しない場合には、新規に該配線点を通過している空き集合構造体を切断するために若番から通信媒体の選定を行い、この処理結果を通信媒体使用区分記憶部124および出力部132に供給する。
また、配線点の存在の確認において、配線点が存在しない場合には、媒体選定処理の継続が不可能であるので、エラーとして処理を終了する。
なお、通信媒体使用区分記憶部124に送られたデータは、制御部110の指示により所定の位置のデータを使用中に変更して記憶される。また、出力部132に送られた処理結果は、制御部110の指示により入出力インタフェース部140を介してネットワーク150または入出力装置152に送信される。
上述したように、通信媒体の選定には配線点情報が必要であるが、入力された点設備情報から選定を行なうためには、予め点設備Xに対応する配線点Yのデータを作成しておく必要があり、この場合、例えば図14に示すように、複数の点設備が1つの配線点に対応している多:1の対応データを作成しておかなければならないという問題がある。また、点設備X対配線点Yの対応データが存在しない場合には、通信媒体の選定処理を継続することができないという問題がある。
更に、通信媒体選定者によって指定された点設備に目的とする通信媒体ケーブルとは伝送方式が異なるなどのように種類の異なる通信媒体ケーブルしか存在しない場合には、通信媒体の選定処理を継続することができないという問題がある。
また、通信媒体の選定においては、通信媒体使用率の向上が重要であり、すなわちできるだけ多くの需要に対して対応できることが求められるが、従来の通信媒体選定装置では需要発生点の下部側の通信媒体使用率の記憶機能や判断機能がなく、指定された配線点において通信媒体の若番から順に通信媒体を選定するしかなく、そのため、ある配線点に需要が集中した場合には、それよりも下部側で発生した需要に対応する通信媒体が残ってなく、ケーブル全体では通信媒体使用率が低いにも関わらず、需要に対応できないことがあるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、近傍点設備からケーブルに沿って配線点を検索し、ケーブルの通信媒体使用率を比較して使用率を向上させ得るように通信媒体を選定し得る通信媒体選定装置および方法と通信媒体選定プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、複数の通信媒体をまとめて構成される通信媒体集合体を更に複数まとめて形成されるケーブルを敷設して構成される通信線路において通信媒体の需要に対してケーブルから通信媒体を選定する通信媒体選定装置であって、通信媒体の接続および分岐を行なうべくケーブルに沿って配置されている点設備のうち、通信媒体の需要のあった地点に近い近傍点設備に敷設されているケーブルの属性が通信媒体の需要において必要とする目的のケーブル属性に合ったものであるか否かを判定するケーブル属性判定手段と、この判定の結果、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、目的に合った属性のケーブルを当該ケーブルに沿って検索するケーブル検索手段と、前記判定の結果、ケーブル属性が目的に合ったものである場合、当該ケーブルから通信媒体を取り出すための配線点を当該ケーブルに沿って特定し、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、前記ケーブル検索手段で検索した目的の属性のケーブルに沿って配線点を特定する配線点特定手段と、この特定された配線点から通信媒体を選定する通信媒体選定手段とを有することを要旨とする。
請求項1記載の本発明にあっては、通信媒体の需要のあった地点に近い近傍点設備に敷設されているケーブルの属性が目的に合ったものか否かを判定し、ケーブル属性が目的に合ったものである場合、当該ケーブルに沿って配線点を特定し、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、目的に合った属性のケーブルを当該ケーブルに沿って検索して、検索した目的の属性のケーブルに沿って配線点を特定し、この特定した配線点から通信媒体を選定するため、目的に合った属性のケーブルに沿って配線点を効率的に特定できる。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の本発明において、前記ケーブル属性判定手段が、ケーブルを特定するケーブル特定情報に対応して該ケーブルの属性情報を各ケーブル毎に記憶するケーブル属性記憶手段と、前記近傍点設備に敷設されているケーブルの属性情報を前記ケーブル属性情報記憶手段から読み出し、この読み出したケーブル属性情報が前記目的のケーブル属性に合ったものであるか否かを判断するケーブル属性判断手段とを有し、前記ケーブル検索手段が、ケーブルを特定するケーブル特定情報に対応して該ケーブルに接続されているケーブルを特定するケーブル特定情報を各ケーブル毎に記憶するケーブル接続情報記憶手段と、前記ケーブル属性判断手段による判断の結果、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、前記近傍点設備に敷設されているケーブルに接続されているケーブル特定情報を前記ケーブル接続情報記憶手段から読み出し、この読み出したケーブル特定情報で特定されるケーブルに沿って前記目的に合った属性のケーブルの検索を行なう手段とを有し、前記配線点特定手段が、ケーブルを特定するケーブル特定情報に対応して該ケーブルに存在する配線点を特定する配線点特定情報を各ケーブル毎に記憶する配線点記憶手段と、前記目的のケーブル属性に合った属性のケーブルに沿って該ケーブルの配線点特定情報を前記配線点記憶手段から読み出し、この読み出した配線点特定情報で特定される配線点を出力する特定配線点出力手段とを有することを要旨とする。
請求項2記載の本発明にあっては、近傍点設備に敷設されているケーブルの属性情報をケーブル属性情報記憶手段から読み出し、この属性情報が目的のケーブル属性に合ったものであるか否かを判断し、この判断の結果、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、近傍点設備に敷設されているケーブルに接続されているケーブル特定情報をケーブル接続情報記憶手段から読み出し、このケーブル特定情報で特定されるケーブルに前記目的に合った属性のケーブルの検索を行ない、目的のケーブル属性に合ったケーブルに沿って該ケーブルの配線点特定情報を配線点記憶手段から読み出し、この読み出した配線点特定情報で特定される配線点を出力するため、配線点を適確かつ効率的に得ることができる。
更に、請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の本発明において、前記通信媒体選定手段が、優先して選定すべき通信媒体の優先順位を予め設定する優先順位設定手段と、通信媒体を特定する通信媒体特定情報に対応して該通信媒体の使用状態を各通信媒体毎に記憶する通信媒体使用状態記憶手段と、前記特定された配線点において選定対象となる通信媒体の使用状態を前記通信媒体使用状態記憶手段から読み出し、この読み出した通信媒体使用状態を前記優先順位設定手段で設定されている優先順位と比較する優先順位比較手段と、この比較の結果、前記配線点において使用可能な通信媒体を前記優先順に抽出する優先媒体抽出手段とを有することを要旨とする。
請求項3記載の本発明にあっては、特定された配線点において選定対象となる通信媒体の使用状態を通信媒体使用状態記憶手段から読み出し、この通信媒体使用状態を優先順位と比較し、この比較の結果、配線点において使用可能な通信媒体を優先順に抽出するため、適確な通信媒体を効率的に選定でき、通信媒体の使用率を向上することができる。
請求項4記載の本発明は、請求項3記載の本発明において、前記通信媒体選定手段が、前記優先順位比較手段における比較結果に基づき、前記配線点において通信媒体を選定するために該通信媒体を含む通信媒体集合体またはケーブルを切断する必要があるか否かを判定する切断判定手段と、この判定の結果、ケーブルを切断する必要がある場合には、前記配線点を通過する通信媒体が接続されている末端のケーブルであるリーフケーブルを特定するリーフケーブル特定手段と、配線点において通信媒体を選定するためにケーブルを切断するための切断条件を予め設定する切断条件設定手段と、前記特定したリーフケーブルの通信媒体使用率を比較しながら前記切断条件設定手段で設定されているケーブル切断条件に基づき当該リーフケーブルの通信媒体使用率を並び替えする比較並び替え手段と、この並び替えられた通信媒体使用率から切断可能な通信媒体を抽出する通信媒体抽出手段とを有することを要旨とする。
請求項4記載の本発明にあっては、優先順位の比較結果に基づき、配線点において通信媒体を選定するために該通信媒体を含む通信媒体集合体またはケーブルを切断する必要があるか否かを判定し、ケーブルを切断する必要がある場合には、配線点を通過する通信媒体が接続されている末端のケーブルであるリーフケーブルを特定し、この特定したリーフケーブルの通信媒体使用率を比較しながらケーブル切断条件に基づき当該リーフケーブルの通信媒体使用率を並び替えし、この並び替えられた通信媒体使用率から切断可能な通信媒体を抽出するため、適確な通信媒体を効率的に選定でき、通信媒体の使用率を向上することができる。
請求項5記載の本発明は、複数の通信媒体をまとめて構成される通信媒体集合体を更に複数まとめて形成されるケーブルを敷設して構成される通信線路において通信媒体の需要に対してケーブルから通信媒体を選定する通信媒体選定方法であって、通信媒体の接続および分岐を行なうべくケーブルに沿って配置されている点設備のうち、通信媒体の需要のあった地点に近い近傍点設備に敷設されているケーブルの属性が通信媒体の需要において必要とする目的のケーブル属性に合ったものであるか否かを判定し、この判定の結果、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、目的に合った属性のケーブルを当該ケーブルに沿って検索し、前記ケーブル属性の判定の結果、ケーブル属性が目的に合ったものである場合、当該ケーブルから通信媒体を取り出すための配線点を当該ケーブルに沿って特定し、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、前記検索した目的の属性のケーブルに沿って配線点を特定し、この特定された配線点から通信媒体を選定することを要旨とする。
請求項5記載の本発明にあっては、通信媒体の需要のあった地点に近い近傍点設備に敷設されているケーブルの属性が目的に合ったものか否かを判定し、ケーブル属性が目的に合ったものである場合、当該ケーブルに沿って配線点を特定し、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、目的に合った属性のケーブルを当該ケーブルに沿って検索して、検索した目的の属性のケーブルに沿って配線点を特定し、この特定した配線点から通信媒体を選定するため、目的に合った属性のケーブルに沿って配線点を効率的に特定できる。
請求項6記載の本発明は、請求項5記載の本発明において、前記ケーブル属性が目的に合ったものであるか否かについての判定処理が、ケーブルを特定するケーブル特定情報に対応して該ケーブルの属性情報を各ケーブル毎にケーブル属性記憶手段に記憶し、前記近傍点設備に敷設されているケーブルの属性情報を前記ケーブル属性情報記憶手段から読み出し、この読み出したケーブル属性情報が前記目的のケーブル属性に合ったものであるか否かを判断し、前記ケーブルを検索する処理が、ケーブルを特定するケーブル特定情報に対応して該ケーブルに接続されているケーブルを特定するケーブル特定情報を各ケーブル毎にケーブル接続情報記憶手段に記憶し、前記ケーブル属性が目的にあるものであるか否かの判断の結果、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、前記近傍点設備に敷設されているケーブルに接続されているケーブル特定情報を前記ケーブル接続情報記憶手段から読み出し、この読み出したケーブル特定情報で特定されるケーブルに沿って前記目的に合った属性のケーブルの検索を行ない、前記配線点を特定する処理が、ケーブルを特定するケーブル特定情報に対応して該ケーブルに存在する配線点を特定する配線点特定情報を各ケーブル毎に配線点記憶手段に記憶し、前記目的のケーブル属性に合った属性のケーブルに沿って該ケーブルの配線点特定情報を前記配線点記憶手段から読み出し、この読み出した配線点特定情報で特定される配線点を出力することを要旨とする。
請求項6記載の本発明にあっては、近傍点設備に敷設されているケーブルの属性情報をケーブル属性情報記憶手段から読み出し、この属性情報が目的のケーブル属性に合ったものであるか否かを判断し、この判断の結果、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、近傍点設備に敷設されているケーブルに接続されているケーブル特定情報をケーブル接続情報記憶手段から読み出し、このケーブル特定情報で特定されるケーブルに前記目的に合った属性のケーブルの検索を行ない、目的のケーブル属性に合ったケーブルに沿って該ケーブルの配線点特定情報を配線点記憶手段から読み出し、この読み出した配線点特定情報で特定される配線点を出力するため、配線点を適確かつ効率的に得ることができる。
また、請求項7記載の本発明は、請求項5または6記載の本発明において、前記通信媒体を選定する処理が、優先して選定すべき通信媒体の優先順位を予め設定し、通信媒体を特定する通信媒体特定情報に対応して該通信媒体の使用状態を各通信媒体毎に通信媒体使用状態記憶手段に記憶し、前記特定された配線点において選定対象となる通信媒体の使用状態を前記通信媒体使用状態記憶手段から読み出し、この読み出した通信媒体使用状態を前記優先順位と比較し、この比較の結果、前記配線点において使用可能な通信媒体を前記優先順に抽出することを要旨とする。
請求項7記載の本発明にあっては、特定された配線点において選定対象となる通信媒体の使用状態を通信媒体使用状態記憶手段から読み出し、この通信媒体使用状態を優先順位と比較し、この比較の結果、配線点において使用可能な通信媒体を優先順に抽出するため、適確な通信媒体を効率的に選定でき、通信媒体の使用率を向上することができる。
更に、請求項8記載の本発明は、請求項7記載の本発明において、前記通信媒体を選定する処理が、前記優先順位の比較結果に基づき、前記配線点において通信媒体を選定するために該通信媒体を含む通信媒体集合体またはケーブルを切断する必要があるか否かを判定し、この判定の結果、ケーブルを切断する必要がある場合には、前記配線点を通過する通信媒体が接続されている末端のケーブルであるリーフケーブルを特定し、配線点において通信媒体を選定するためにケーブルを切断するためのケーブル切断条件を予め設定し、前記特定したリーフケーブルの通信媒体使用率を比較しながら前記ケーブル切断条件に基づき当該リーフケーブルの通信媒体使用率を並び替えし、この並び替えられた通信媒体使用率から切断可能な通信媒体を抽出することを要旨とする。
請求項8記載の本発明にあっては、優先順位の比較結果に基づき、配線点において通信媒体を選定するために該通信媒体を含む通信媒体集合体またはケーブルを切断する必要があるか否かを判定し、ケーブルを切断する必要がある場合には、配線点を通過する通信媒体が接続されている末端のケーブルであるリーフケーブルを特定し、この特定したリーフケーブルの通信媒体使用率を比較しながらケーブル切断条件に基づき当該リーフケーブルの通信媒体使用率を並び替えし、この並び替えられた通信媒体使用率から切断可能な通信媒体を抽出するため、適確な通信媒体を効率的に選定でき、通信媒体の使用率を向上することができる。
更に、請求項9記載の本発明は、複数の通信媒体をまとめて構成される通信媒体集合体を更に複数まとめて形成されるケーブルを敷設して構成される通信線路において通信媒体の需要に対してケーブルから通信媒体を選定する通信媒体選定プログラムを記録した記録媒体であって、通信媒体の接続および分岐を行なうべくケーブルに沿って配置されている点設備のうち、通信媒体の需要のあった地点に近い近傍点設備に敷設されているケーブルの属性が通信媒体の需要において必要とする目的のケーブル属性に合ったものであるか否かを判定し、この判定の結果、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、目的に合った属性のケーブルを当該ケーブルに沿って検索し、前記ケーブル属性の判定の結果、ケーブル属性が目的に合ったものである場合、当該ケーブルから通信媒体を取り出すための配線点を当該ケーブルに沿って特定し、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、前記検索した目的の属性のケーブルに沿って配線点を特定し、この特定された配線点から通信媒体を選定する通信媒体選定プログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
請求項9記載の本発明にあっては、通信媒体の需要のあった地点に近い近傍点設備に敷設されているケーブルの属性が目的に合ったものか否かを判定し、ケーブル属性が目的に合ったものである場合、当該ケーブルに沿って配線点を特定し、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、目的に合った属性のケーブルを当該ケーブルに沿って検索して、検索した目的の属性のケーブルに沿って配線点を特定し、この特定した配線点から通信媒体を選定する通信媒体選定プログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
更に、請求項10記載の本発明は、請求項9記載の本発明において、前記ケーブル属性が目的に合ったものであるか否かについての判定処理が、ケーブルを特定するケーブル特定情報に対応して該ケーブルの属性情報を各ケーブル毎にケーブル属性記憶手段に記憶し、前記近傍点設備に敷設されているケーブルの属性情報を前記ケーブル属性情報記憶手段から読み出し、この読み出したケーブル属性情報が前記目的のケーブル属性に合ったものであるか否かを判断し、前記ケーブルを検索する処理が、ケーブルを特定するケーブル特定情報に対応して該ケーブルに接続されているケーブルを特定するケーブル特定情報を各ケーブル毎にケーブル接続情報記憶手段に記憶し、前記ケーブル属性が目的にあるものであるか否かの判断の結果、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、前記近傍点設備に敷設されているケーブルに接続されているケーブル特定情報を前記ケーブル接続情報記憶手段から読み出し、この読み出したケーブル特定情報で特定されるケーブルに沿って前記目的に合った属性のケーブルの検索を行ない、前記配線点を特定する処理が、ケーブルを特定するケーブル特定情報に対応して該ケーブルに存在する配線点を特定する配線点特定情報を各ケーブル毎に配線点記憶手段に記憶し、前記目的のケーブル属性に合った属性のケーブルに沿って該ケーブルの配線点特定情報を前記配線点記憶手段から読み出し、この読み出した配線点特定情報で特定される配線点を出力する通信媒体選定プログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
請求項10記載の本発明にあっては、近傍点設備に敷設されているケーブルの属性情報をケーブル属性情報記憶手段から読み出し、この属性情報が目的のケーブル属性に合ったものであるか否かを判断し、この判断の結果、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、近傍点設備に敷設されているケーブルに接続されているケーブル特定情報をケーブル接続情報記憶手段から読み出し、このケーブル特定情報で特定されるケーブルに前記目的に合った属性のケーブルの検索を行ない、目的のケーブル属性に合ったケーブルに沿って該ケーブルの配線点特定情報を配線点記憶手段から読み出し、この読み出した配線点特定情報で特定される配線点を出力する通信媒体選定プログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
請求項11記載の本発明は、請求項9または10記載の本発明において、前記通信媒体を選定する処理が、優先して選定すべき通信媒体の優先順位を予め設定し、通信媒体を特定する通信媒体特定情報に対応して該通信媒体の使用状態を各通信媒体毎に通信媒体使用状態記憶手段に記憶し、前記特定された配線点において選定対象となる通信媒体の使用状態を前記通信媒体使用状態記憶手段から読み出し、この読み出した通信媒体使用状態を前記優先順位と比較し、この比較の結果、前記配線点において使用可能な通信媒体を前記優先順に抽出する通信媒体選定プログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
請求項11記載の本発明にあっては、特定された配線点において選定対象となる通信媒体の使用状態を通信媒体使用状態記憶手段から読み出し、この通信媒体使用状態を優先順位と比較し、この比較の結果、配線点において使用可能な通信媒体を優先順に抽出する通信媒体選定プログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
また、請求項12記載の本発明は、請求項11記載の本発明において、前記通信媒体を選定する処理が、前記優先順位の比較結果に基づき、前記配線点において通信媒体を選定するために該通信媒体を含む通信媒体集合体またはケーブルを切断する必要があるか否かを判定し、この判定の結果、ケーブルを切断する必要がある場合には、前記配線点を通過する通信媒体が接続されている末端のケーブルであるリーフケーブルを特定し、配線点において通信媒体を選定するためにケーブルを切断するためのケーブル切断条件を予め設定し、前記特定したリーフケーブルの通信媒体使用率を比較しながら前記ケーブル切断条件に基づき当該リーフケーブルの通信媒体使用率を並び替えし、この並び替えられた通信媒体使用率から切断可能な通信媒体を抽出する通信媒体選定プログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
請求項12記載の本発明にあっては、優先順位の比較結果に基づき、配線点において通信媒体を選定するために該通信媒体を含む通信媒体集合体またはケーブルを切断する必要があるか否かを判定し、ケーブルを切断する必要がある場合には、配線点を通過する通信媒体が接続されている末端のケーブルであるリーフケーブルを特定し、この特定したリーフケーブルの通信媒体使用率を比較しながらケーブル切断条件に基づき当該リーフケーブルの通信媒体使用率を並び替えし、この並び替えられた通信媒体使用率から切断可能な通信媒体を抽出する通信媒体選定プログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
以上説明したように、本発明によれば、通信媒体を選定する毎に、ケーブルにおける通信媒体使用率を計算し、この計算した通信媒体使用率を使用率記憶手段に記憶更新し、通信媒体の選定に当たって、各ケーブルにおける通信媒体の使用率を使用率記憶手段から読み出して各ケーブル毎に比較し、この比較結果に基づいて通信媒体を選定するので、通信媒体の使用率を向上することができる。
また、本発明によれば、通信媒体の需要のあった地点に近い近傍点設備に敷設されているケーブルの属性が目的に合ったものか否かを判定し、ケーブル属性が目的に合ったものである場合、当該ケーブルに沿って配線点を特定し、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、目的に合った属性のケーブルを当該ケーブルに沿って検索して、検索した目的の属性のケーブルに沿って配線点を特定し、この特定した配線点から通信媒体を選定するので、目的に合った属性のケーブルに沿って配線点を効率的に特定できる。
本発明によれば、通信媒体の需要のあった地点に近い近傍点設備に敷設されているケーブルの属性が目的に合ったものか否かを判定し、ケーブル属性が目的に合ったものである場合、当該ケーブルに沿って配線点を特定し、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、目的に合った属性のケーブルを当該ケーブルに沿って検索して、検索した目的の属性のケーブルに沿って配線点を特定し、この特定した配線点から通信媒体を選定する毎に、ケーブルにおける通信媒体使用率を計算し、この計算した通信媒体使用率を使用率記憶手段に記憶更新し、通信媒体の選定に当たって、各ケーブルにおける通信媒体の使用率を使用率記憶手段から読み出して各ケーブル毎に比較し、この比較結果に基づいて通信媒体を選定するとともに、該通信媒体に接続された光分岐モジュールが使用可能なものであるか否かを判断し、使用可能な光分岐モジュールに接続された通信媒体を選定するため、目的に合った属性のケーブルに沿って配線点を効率的に特定できるとともに、通信媒体の使用率を向上することができ、また使用可能な光分岐モジュールを選定でき、従来のように通信媒体の選定後に人手により確認する必要がなく、通信媒体の選定のやり直しがなく、効率化および迅速化を図ることができる。
また、本発明によれば、近傍点設備に敷設されているケーブルの属性情報をケーブル属性情報記憶手段から読み出し、この属性情報が目的のケーブル属性に合ったものであるか否かを判断し、この判断の結果、ケーブル属性が目的に合ったものでない場合には、近傍点設備に敷設されているケーブルに接続されているケーブル特定情報をケーブル接続情報記憶手段から読み出し、このケーブル特定情報で特定されるケーブルに前記目的に合った属性のケーブルの検索を行ない、目的のケーブル属性に合ったケーブルに沿って該ケーブルの配線点特定情報を配線点記憶手段から読み出し、この読み出した配線点特定情報で特定される配線点を出力するので、配線点を適確かつ効率的に得ることができる。
更に、本発明によれば、特定された配線点において選定対象となる通信媒体の使用状態を通信媒体使用状態記憶手段から読み出し、この通信媒体使用状態を優先順位と比較し、この比較の結果、配線点において使用可能な通信媒体を優先順に抽出するので、適確な通信媒体を効率的に選定でき、通信媒体の使用率を向上することができる。
本発明によれば、優先順位の比較結果に基づき、配線点において通信媒体を選定するために該通信媒体を含むケーブルを切断する必要があるか否かを判定し、ケーブルを切断する必要がある場合には、配線点を通過する通信媒体が接続されている末端のケーブルであるリーフケーブルを特定し、この特定したリーフケーブルの通信媒体使用率を比較しながらケーブル切断条件に基づき当該リーフケーブルの通信媒体使用率を並び替えし、この並び替えられた通信媒体使用率から切断可能な通信媒体を抽出するので、適確な通信媒体を効率的に選定でき、通信媒体の使用率を向上することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係わる通信媒体選定装置の構成を示すブロック図である。図1に示す通信媒体選定装置は、制御部210、通信媒体の選定手段を構成する選定部222、通信媒体使用状態記憶手段を構成する通信媒体使用区分記憶部224、コマンド処理部226、出力部232、入力部234、入出力インタフェース部240、ネットワーク250、入出力装置252、使用率記憶手段を構成する通信媒体使用率情報記憶部262、使用率計算手段を構成する通信媒体使用率計算部264、光分岐モジュール判断手段を構成する光分岐モジュール判断部266、および配線点特定手段を構成する配線点特定部268から構成されている。
前記配線点特定部268は、図2に示すように、ケーブル接続情報記憶手段を構成するケーブル接続記憶部310、ケーブル属性記憶手段を構成するケーブル属性記憶部312、ケーブル属性判定手段、ケーブル検索手段、ケーブル属性判断手段、特定配線点出力手段を構成する配線点選定部314、および配線点記憶手段を構成する配線点記憶部316から構成されている。前記選定部222は、図3に示すように、優先順位設定手段を構成する選定優先順位設定部1010、優先順位比較手段、比較並び替え手段を構成する優先順位比較部1012、優先媒体抽出手段、切断判定手段、通信媒体抽出手段を構成する優先媒体抽出部1014、切断条件設定手段を構成する通信媒体切断条件設定部1020、通信媒体使用率比較部1022、切断媒体抽出部1024、およびリーフケーブル特定手段を構成するリーフケーブル特定部1026から構成されている。前記光分岐モジュール判断部266は、図4に示すように、光分岐モジュール接続記憶手段を構成する光分岐モジュール接続記憶部410、光分岐モジュール属性記憶手段を構成する光分岐モジュール属性記憶部412、および光分岐モジュール使用条件充足判定手段を構成する判断部414から構成されている。
次に、図5に示すフローチャートを参照して、図1に示す通信媒体選定装置の作用について説明する。
例えば、図6において(イ)に示すように利用者の家屋やビルまで光ケーブルまたはメタルケーブルを新たに敷設する通信媒体の新規需要が発生したとすると、この新規需要に対して敷設するための通信媒体を選定する通信媒体選定者は、この新規需要のあった地点に近い点設備を特定する点設備特定情報、およびこの新規需要に応えて通信媒体を敷設した後に該通信媒体の試験などを行なうために使用する光分岐モジュールの使用条件を選定コマンドとともにネットワーク250を介してまたは入出力装置252から入出力インタフェース部240に入力する。この入出力インタフェース部240に入力された点設備特定情報、光分岐モジュール使用条件、および選定コマンドは、制御部210に指示により入力部234に読み込まれ、更に入力部234からコマンド処理部226に送られる。
コマンド処理部226は、制御部210の指示により選定コマンドを解析し、点設備特定情報を配線点特定部268に送るとともに、配線点特定部268に対して配線点特定処理の実行を指示する。
配線点特定部268においては、まず制御部210の指示により配線点選定部314が、前記特定された点設備に敷設されているケーブルの属性をケーブル属性記憶部312から読み出す(ステップS101)。そして、この読み出したケーブルの種別が目的とするものに一致するか否かを判定する(ステップS102)。すなわち、通信媒体選定者によって特定された点設備に設けられているケーブルの種別が例えば図6の(イ)において発生した新規需要で要求しているケーブルの種別、例えば光ケーブルに一致するか否かを判定する。読み出したケーブルの種別が目的とするものに一致する場合には、配線点選定部314は、配線点記憶部316から当該点設備におけるケーブルに沿って該ケーブルの配線点情報を読み出し(ステップS103)、この読み出した配線点情報から当該点設備に配線点が存在するか否かを判定する(ステップS104)。この判定の結果、配線点が存在する場合は、該配線点は目的とするものであるから、配線点選定部314は、制御部210の指示によりこの選択結果である配線点情報をコマンド処理部226に送る。
ステップS104の判定において、配線点が存在しない場合には、通信媒体選定者によって特定された点設備に敷設されているケーブルに辿って配線点を検出するために、配線点選定部314は、制御部210の指示によりケーブル接続記憶部310から当該点設備におけるケーブル接続情報を読み出し(ステップS120)、この読み出したケーブル接続情報からケーブル接続先が存在するか否かを判定する(ステップS121)。ケーブル接続先が存在しない場合は、ケーブルの端点まで検索したことになり、配線点が検出できないものであるため、エラー処理を行い(ステップS150)、本処理を終了する。
一方、ケーブル接続先が存在する場合は、ケーブル接続情報から接続先のケーブルと接続先のケーブルが敷設されている点設備を特定することができるので、配線点選定部314は制御部210の指示により接続先ケーブルのケーブル情報および点設備情報をケーブル接続記憶部310から読み出す(ステップS122)。このようにして接続先ケーブルから点設備情報が得られると、ステップS103に戻り、配線点選定部314は、この取得した点設備におけるケーブルの配線点情報を配線点記憶部316から読み出し(ステップS103)、更にこの読み出した配線点情報から当該点設備に配線点が存在するか否かを判定する(ステップS104)という処理を配線点選定部314が配線点を検出するまで繰り返し行い、配線点を検出した場合には、配線点選定部314は制御部210の指示により、この検出した配線点情報をコマンド処理部226に送る。
次に、前記ステップS102における判定において、読み出したケーブルの種別が目的とするものに一致しなかった場合には(ステップS102のNo)、目的とするケーブル種別を検出する必要があるので、配線点選定部314は、制御部210の指示により、通信媒体選定者によって特定された点設備に敷設されているケーブルのケーブル接続情報をケーブル接続記憶部310から読み出し(ステップS110)、この読み出したケーブル接続情報からケーブル接続先が存在するか否かを判定する(ステップS111)。ケーブル接続先が存在しない場合は、ケーブルの端点まで検索したことになり、目的とするケーブルが検出できないものであるため、エラー処理を行い(ステップS150)、本処理を終了する。
一方、ケーブル接続先が存在する場合は、前記読み出したケーブル接続情報から特定されるケーブルの種別を調べるために、配線点選定部314は制御部210の指示により、当該ケーブルの属性をケーブル属性記憶部312から読み出す(ステップS112)。それから、ステップS102に戻り、この読み出したケーブルの種別が目的とするものに一致するか否かを判定し(ステップS102)、配線点選定部314は目的とするケーブル種別が検出されるまで、この処理を繰り返し行なう。
なお、図6は、需要発生点において通信媒体の種別が異なる場合の例を示しているが、同図の(イ)に示すように、例えば光通信媒体を使用する新規需要が発生した場合、この新規需要に最寄の点設備、すなわち新規需要のあった地点に近い近傍点設備には同図の(ロ)に示すようにメタル通信媒体のみが敷設されていて、目的とする光通信媒体種別がない場合には、上述したように、ケーブル接続情報と該接続情報から特定される接続先の点設備に存在するケーブル種別情報を調べて、同図の(ハ)に示すように、目的とする光通信媒体を検出し、この光通信媒体の配線点を同図の(ニ)に示すように発見することにより配線点が特定される。
以上のようにして、配線点が検出されると、すなわち、ステップS104の判定において配線点が存在することが分かり、この配線点情報がコマンド処理部226に送られると、コマンド処理部226は、この配線点情報を受け取り、この受け取った配線点情報と通信媒体選定者から最初に受け取っている光分岐モジュール使用条件を制御部210の指示により選定部222に送り、通信媒体選定処理の実行を選定部222に指示する。
選定部222においては、制御部210の指示により、優先媒体抽出部1014が選定優先順位設定部1010から予め設定済みの優先して選定すべき通信媒体使用区分の一覧と通信媒体使用区分記憶部224に記憶されている該配線点での通信媒体使用区分の一覧とを読み出し(ステップS105)、優先順位比較部1012に送る。優先順位比較部1012は、制御部210の指示により、選定優先順位設定部1010からの優先選定通信媒体使用区分である優先順位と通信媒体使用区分記憶部224からの該配線点での通信媒体使用区分とを比較し、該配線点における通信媒体に対して優先順位の高い順に通信媒体特定情報を並び替え(ステップS106)、この並び替えた結果を優先媒体抽出部1014に送る。
具体的に説明すると、選定優先順位設定部1010では優先順位として高い順に、例えば単心化空き>端末空き>空きなどと予め設定されていたとする。また、通信媒体使用区分記憶部224には、当該配線点における通信媒体の使用区分として、例えば図12に示すように媒体番号1:使用中、2:故障、3−4:単心化空き、5−8:空き、9−16:端末空き、21−24:空きという通信媒体使用区分が記憶されているとする。なお、図12において、集合構造体からなるケーブルは複数のテープ集合で構成され、各テープ集合は4本の通信媒体で構成されている場合を示している。
このような場合、優先順位比較部1012は、この優先順位と通信媒体使用区分とを比較し、該配線点における優先順位の高い順に通信媒体特定情報を媒体番号(通信媒体特定情報)3−4(単心化空き)、9−16(端末空き)、5−8,21−24(空き)などのように並び替えて、優先媒体抽出部1014に送ることになる。
優先媒体抽出部1014は、該配線点における通信媒体に対して優先順位の高い順に並び替えられた通信媒体特定情報を受け取ると、この情報から通信媒体を新規に切断せずに、すなわちケーブルを新規に切り開いて複数の単心にばらばらに分離することなく、選定可能かどうかを判定する(ステップS107)。なお、通信媒体の新規切断とは、例えば図9(a)の(イ)や図9(c)に示すようなケーブル単位の切断ではなく、ケーブルに内包される通信媒体(の集合体)、例えば図9(a)の場合には(イ)のテープ状の心線集合の単位での切断であり、また図9(c)の場合にはチューブ単位での切断である。従って、このようにケーブルの新規切断の場合でも、他の集合体の通信媒体は使用中となっているものがある。
上述した通信媒体を新規に切断せずに選定可能かどうかの判定の結果、通信媒体を切断せずに選定可能である場合には、制御部210の指示により、この優先順位の高い順に並び替え済みの選定可能な通信媒体特定情報を抽出し(ステップS140)、光分岐モジュール判断部266に送る。なお、この通信媒体を切断せずに選定可能かどうかについての判定は、上述したように、優先順位の高い順に並び替えられた通信媒体特定情報3−4(単心化空き)、9−16(端末空き)、5−8,21−24(空き)などに基づき行なわれるが、この場合のように既に切断されてばらばらに分離されているものの中に空きの通信媒体がある場合には、切断せずに通信媒体を選定できることになる。また、このように既に切断されてばらばらに分離されている空きの通信媒体がない場合には、テープ集合やチューブなどのような通信媒体の集合構造体を新規に切断して選定することになる。
一方、ステップS107の判定において、前記配線点において通信媒体を切断せずに選定できない場合には、新規の通信媒体を切断して使用する必要があるため、優先媒体抽出部1014は、制御部210の指示により、切断候補となる通信媒体特定情報を抽出し、この抽出した切断候補の通信媒体特定情報を切断媒体抽出部1024に送る。
切断媒体抽出部1024は、この切断候補の通信媒体特定情報を受け取ると、制御部210の指示により、この切断候補の通信媒体特定情報をリーフケーブル特定部1026に送る。リーフケーブル特定部1026は、制御部210の指示により、前記切断候補の通信媒体特定情報から該通信媒体と接続されているリーフケーブルを抽出して、リーフケーブルの一覧を作成し(ステップS130)、切断媒体抽出部1024に送る。
切断媒体抽出部1024は、制御部210の指示により、通信媒体切断条件設定部1020から予め設定済みの通信媒体切断条件を読み込む(ステップS131)。なお、通信媒体切断条件としては、例えば通信媒体使用率の小さなものを優先的に切断したり、または空き心線数が物理的に多いものを優先的に切断したり、または空き心線数が所定以上存在し、かつ心線使用率が所定以内のものを優先的に切断するなどの条件が設定可能なものである。
また、切断媒体抽出部1024は、制御部210の指示により、前記リーフケーブル一覧情報をもとに内包されている通信媒体の使用区分を通信媒体使用区分記憶部224から読み込んで、通信媒体使用率計算部264に送る。通信媒体使用率計算部264は、この受信した通信媒体の使用区分から、空き状態などの選定対象となる通信媒体数と使用中や故障などの選定対象外となる通信媒体数を集計して全通信媒体数を算出し、選定対象外となる通信媒体数を全通信媒体数で割ることにより、通信媒体使用率を計算する。そして、この計算された通信媒体使用率は、選定対象通信媒体数および選定対象外通信媒体数とともに制御部210の指示により通信媒体使用率情報記憶部262に送られ、通信媒体使用率情報記憶部262の所定の位置に記憶される。
切断媒体抽出部1024は、制御部210の指示により、ステップS131で読み込んだ通信媒体切断条件と前記リーフケーブル一覧をキーとして通信媒体使用率情報記憶部262から読み込んだ各リーフケーブルの通信媒体使用率情報とを通信媒体使用率比較部1022に送る。通信媒体使用率比較部1022は、この通信媒体切断条件と各リーフケーブルの通信媒体使用率情報とを受け取ると、制御部210の指示により、該通信媒体切断条件に従って各リーフケーブルの通信媒体使用率情報を並び替え(ステップS132)、切断媒体抽出部1024に送る。
切断媒体抽出部1024は、上述したように通信媒体切断条件に従って並び替えられた通信媒体使用率情報から切断可能であって、選定可能な通信媒体が存在するか否かを判定する(ステップS133)。切断可能な通信媒体が存在する場合には、切断媒体抽出部1024は、通信媒体切断条件に従って並び替えられた通信媒体使用率情報から切断可能な通信媒体を抽出し(ステップS140)、光分岐モジュール判断部266に送る。また、切断可能な通信媒体が存在しない場合には、エラー処理を行い(ステップS150)、本処理を終了する。
上述したように、ステップS140において、光分岐モジュール判断部266は、ステップS107からの通信媒体の切断を行なわない場合において優先順位の高い順に並び替えられて抽出された選定可能な通信媒体特定情報またはステップS133からの通信媒体の切断を行なう場合において通信媒体切断条件に従って並び替えられた通信媒体使用率情報から抽出された切断可能な通信媒体特定情報、すなわち選定可能な通信媒体の一覧を受信すると、光分岐モジュール判断部266の判断部414は、制御部210の指示により、光分岐モジュール接続記憶部410から前記通信媒体に接続されている光分岐モジュール特定情報を読み込み、更に該光分岐モジュール特定情報に基づき光分岐モジュール属性記憶部412から光分岐モジュール種別情報を読み込む(ステップS141)。
判断部414は、制御部210の指示により、この読み込んだ光分岐モジュール種別情報と通信媒体選定者から最初に受け取っている光分岐モジュール使用条件とから使用可能な光分岐モジュールに接続されている通信媒体を抽出し(ステップS142)、選定部222に送る。
選定部222は、制御部210の指示により、前記抽出された通信媒体から必要な媒体数分の選定を行い(ステップS143)、この処理結果、すなわち選定した通信媒体の特定情報を通信媒体使用区分記憶部224、通信媒体使用率計算部264、および出力部232に送る。
通信媒体使用区分記憶部224は、選定部222から選定された通信媒体特定情報を受け取ると、制御部210の指示により、この通信媒体特定情報に対応する使用区分を使用中に変更する。また、通信媒体使用率計算部264は、制御部210の指示により、該通信媒体特定情報で特定される通信媒体が使用中になったことにより変更される該通信媒体を含むケーブルの通信媒体使用率を計算し、この計算結果を通信媒体使用率情報記憶部262に送る。通信媒体使用率情報記憶部262は、この計算結果の通信媒体使用率を制御部210の指示により所定の位置に記憶する(ステップS144)。なお、上述したように、ステップS131において通信媒体切断条件の読み込みに続いて行なわれた通信媒体使用率の計算および通信媒体使用率情報記憶部262への記憶が行なわれた場合には、このステップS144における通信媒体使用率の計算および記憶は不要となる。
また、出力部232に送られた選定部222の処理結果である選定した通信媒体の特定情報は、制御部210の指示により出力部232から入出力インタフェース部240を介してネットワーク250または入出力装置252に送信され、本処理は終了する(ステップS141)。
図7は、本発明の通信媒体選定装置を用いた場合の通信媒体使用率の向上を説明するための設備モデルの一例を示す図である。同図(a)に示すように、簡単化のため敷設されたケーブルは、4心テープ構造×25テープの100心であり、この100心ケーブルは60心ケーブルと40心ケーブルに分岐され、更に60心ケーブルは40心ケーブルと20進ケーブルに分岐され、更に40心ケーブルは2つの20心ケーブルに分岐されている。
また、図7(b)に示すように、ケーブル区間Aの通信媒体とリーフケーブルの通信媒体との接続関係は、区間Aの通信媒体番号1番から20番がそれぞれリーフケーブルGの通信媒体番号1番から20番に、区間Aの21番から40番がリーフケーブルHの1番から20番に、区間Aの41番から60番がリーフケーブルIの1番から20番に、区間Aの61番から100番がリーフケーブルFの1番から40番にそれぞれ接続されている。なお、配線点はすべての点設備に存在するものとする。
このような場合において、従来の通信媒体選定装置では、需要の発生した配線点に使用可能な通信媒体が存在しない場合、通信媒体番号の若番から順に通信媒体を切断して使用していたため、ケーブル区間A・Dで発生した需要には、ケーブル区間Gに繋がっていた通信媒体を次々に切断することで対応することになっていた。例えば、ケーブル区間Gで1心も需要が発生していなくても、ケーブル区間A・D順に連続して全体で20心以上の需要が発生すると、それ以後ケーブル区間Gで発生した需要には対応できないことになっていた。
これに対して、本実施形態の通信媒体選定装置では、下部の通信媒体使用率を考慮した選定が行なわれるため、従来の1リーフケーブルでの通信媒体の使い切りが発生しづらくなる。例えば、通信媒体切断条件設定部1020にリーフケーブルの通信媒体使用率の最も小さいものに繋がっている通信媒体を選定するように条件が設定されているとすると、上述したように、ケーブル区間A・Dで20心の需要が連続して発生したとしても、最初の通信媒体選定は、例えばケーブルGに繋がる通信媒体から選択されるが、2つめの切断時には通信媒体使用率の低いケーブルFまたはHまたはIに接続されている通信媒体が選定されることになり、最終的にはリーフケーブルであるケーブル区間F、G、H、Iの通信媒体の切断数はそれぞれ2テープ(8心)、1テープ(4心)、1テープ(4心)、1テープ(4心)となり、それ以後にケーブル区間Gで発生した需要にも対応することができるものである。
図8は、上述した図7に示した設備モデルを前提とした需要発生シミュレーションを行なった結果を示す図である。発生する需要はケーブル区間A・iでランダムに発生するものとする。また、シミュレーションは10回行ない、最大値と最小値を除いた値で平均をとるものとする。図8(a)は、発生した需要に対して通信媒体を使い切るなどのように需要に対応できなくなった時点で100心ケーブルの通信媒体使用状態を本発明の通信媒体選定装置の場合と従来の通信媒体選定装置の場合について示し、図8(b)は、この結果をグラフ上にプロットした図であり、横軸は選定できた通信媒体数を示し、縦軸はその時点でのテープ媒体の使用率を示している。
図8に示すように、従来の通信媒体選定装置では、平均49心の通信媒体が選定でき、平均テープ媒体使用率は62%であるのに対して、本発明の通信媒体選定装置では、平均75心の通信媒体を選定でき、テープ媒体使用率は87.5%であり、約25%の通信媒体使用率の向上が見られる。
なお、上記実施形態において、光分岐モジュール使用条件を個別に入力する代わりに、光分岐モジュール使用条件を特定するキーを入力し、このキーに合致する別途記憶済みの使用条件を読み込んで、処理を実行する方法も可能である。また、上記実施形態では、集合構造体をなす通信媒体について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、単心構造の通信媒体でも同様に適用し得るものである。
次に、図15を参照して、本発明の他の実施形態に係わる通信媒体選定方法を実施する通信媒体選定装置について説明する。同図に示す通信媒体選定装置は、図1に示す実施形態において通信媒体を取り出し得る配線点を検出したが、この配線点において通信媒体を新規に切断せずに選定できない場合に、ケーブルがツリー状に分岐していく場合に生成される分岐エリアを定め、分岐エリアから切断可能な通信媒体を抽出するという点が図1の実施形態と機能的に異なるものであり、また図1に示す構成においては通信媒体使用率計算部264および通信媒体使用率情報記憶部262の代わりに通信媒体を選定する毎に需要点下部の分岐エリア内に属する個々のケーブル在庫心線数を加算して得られる分岐エリア毎の分岐エリア在庫媒体数を計算する分岐エリア在庫媒体数計算手段を構成する分岐エリア在庫媒体数計算部265およびこの計算された分岐エリア毎の分岐エリア在庫媒体数を記憶する分岐エリア在庫媒体数記憶手段を構成する分岐エリア在庫媒体数記憶部263をそれぞれ有するとともに、また選定部222の機能を符号222aとして示し、また後述する図17に示すように構成されている点が異なるものであり、その他の構成および作用は同じであり、同じ構成要素には同じ符号が付されている。
ここで、図面を用いて本実施形態を詳細に説明する前に、本実施形態で使用する用語について説明する。
配線ブロックとは、通信媒体需要数を算出するために設定された論理的なエリアであり、加入者数、平均媒体需要割合などの属性を有する。
また、分岐エリアについて図19を参照して説明する。ケーブルは、図19に示すように、通信装置収容局から分岐を繰り返しながら配線され、一般的にはツリー型をとる。分岐エリアとはケーブル分岐点において、下部側のケーブルツリーをすべて包含するエリアを意味する。例えば、図19の分岐点1のように二分岐している場合、該分岐点の下部には2つのケーブルツリーが存在し、各々のケーブルツリーを包含する分岐エリア1−1,1−2が得られる。ある分岐エリアにおいて更にケーブルが分岐している場合は、各々に分岐エリアが存在するため、分岐エリアは包含構造となる。
前記分岐エリア在庫媒体数計算部265は、図16に示すように、計算ルール設定手段を構成する計算ルール設定部1110、配線ブロックの属性情報記憶手段を構成する配線ブロック属性記憶部1113、および計算ルールに基づいて在庫媒体数を計算する計算手段を構成する計算部1114から構成されている。
また、前記選定部222aは、図3に示した選定部222における通信媒体使用率比較部1022およびリーフケーブル特定部1026の代わりに通信媒体在庫数比較部1023、およびケーブルツリー情報抽出手段、分岐エリア情報生成手段を構成するケーブルツリー検索部1027をそれぞれ有する点が異なるものであり、その他の構成および作用は同じであり、同じ構成要素には同じ符号が付されている。
次に、図18に示すフローチャートを参照して、図15に示す本実施形態の通信媒体選定装置の作用について説明する。なお、本作用、すなわち図18に示すフローチャートは、図5に示したフローチャートにおけるステップS130,S132,S144の代わりにステップS130a,S130b,S130c,S132a,S144aが設けられている点が異なるのみであり、その他のステップは同じであるため、特にステップS107以前のステップの図示は省略されている。従って、本説明では異なっている部分を含むステップS107以降の作用について説明を行なう。
図18のステップS107の判定において、前記配線点において通信媒体を切断せずに選定できない場合には、新規の通信媒体を切断して使用する必要があるため、優先媒体抽出部1014は、制御部210の指示により、切断候補となる通信媒体特定情報を抽出し、この抽出した切断候補の通信媒体特定情報を切断媒体抽出部1024に送る。
切断媒体抽出部1024は、この切断候補の通信媒体特定情報を受け取ると、制御部210の指示により、この切断候補の通信媒体特定情報をケーブルツリー検索部1027に送る。ケーブルツリー検索部1027は、制御部210の指示により、ケーブル接続記憶部310からケーブル接続情報を引き出し、前記切断候補の通信媒体特定情報と前記ケーブル接続情報から該通信媒体と接続されているケーブルのツリー構造情報を抽出し(ステップS130a)、ケーブルツリー全体を包含するエリアを分岐エリアと定める。更に、前記分岐エリア中に存在する分岐点毎に分岐エリア情報を抽出し、すべてを抽出したら前記ケーブルツリー構造情報と分岐エリア情報を分岐エリア在庫媒体数計算部265の計算部1114に送る。
計算部1114は、制御部210の指示により計算ルール設定部1110から予め設定済みの在庫媒体数計算ルールを読み込む(ステップS130b)。なお、在庫媒体数計算ルールとしてはケーブル在庫媒体数、分岐エリア在庫媒体数等の複数の媒体計算ルールを設定できる。ケーブル在庫媒体数は物理ケーブル毎の存在媒体数であり、分岐エリア在庫媒体数とは分岐エリアに存在するケーブル在庫媒体数を足し合わせたものである。ケーブル在庫媒体数の計算は、ケーブルの実媒体数から実使用媒体数と潜在需要媒体数を引くことによってなされ、計算ルールとしては例えば、潜在需要媒体数を加入者数と媒体需要率から得られるポアソン分布と仮定して計算したり、あるいは一定の係数を掛けることによって計算したり、あるいは時間とともに変動する関数として計算し、また媒体故障率を予め見込んだり、予備媒体を予め見込むなどの条件を設定する。
また、計算部1114は制御部210の指示により指定ケーブルの通信媒体使用区分を通信媒体使用区分記憶部224から読み込み、潜在需要数を計算するのに必要なユーザ数や媒体需要率などの配線エリアの属性情報を配線エリア属性記憶部1113から読み込み、前記読み込み済みの計算ルールに従ってケーブル在庫媒体数を計算し、更に前記読み込み済みの分岐エリア情報に従ってケーブル在庫媒体数を足し合わせ、分岐エリア在庫媒体数を算出する(ステップS130c)。計算結果は、制御部210の指示により分岐エリア在庫媒体数記憶部263に送られ、分岐エリア在庫媒体数記憶部263は制御部210の指示により分岐エリア情報とともに前記分岐エリア在庫媒体数を所定の位置に記憶する。
切断媒体抽出部1024は、制御部210の指示により、通信媒体切断条件設定部1020から予め設定済みの通信媒体切断条件を読み込む(ステップS131)。なお、通信媒体切断条件としては、大きな分岐エリア在庫媒体数をもつ分岐エリアに属するリーフケーブルを優先的に切断したり、あるいは在庫媒体数が同じ場合には実使用数が小さい方を優先的に切断するなどの設定が可能である。
例えば図19において、各分岐エリア在庫媒体数が次の条件を満たすものとする。分岐エリア1−1>分岐エリア1−2、分岐エリア2−1<分岐エリア2−2、分岐エリア3−1>分岐エリア3−2、分岐エリア4−1<分岐エリア4−2。この場合、切断優先順位は次の分岐エリアに属するリーフケーブルに繋がる媒体の順である。分岐エリア2−2、分岐エリア4−2、分岐エリア4−1、分岐エリア3−1、分岐エリア3−2。これは分岐点毎に大きな分岐エリア在庫媒体数をもつエリアを順次選択し(枝刈りをし)、リーフケーブルを選択し、すべてのリーフケーブルを抽出するまで、該処理を繰り返したときに得られる順序と同一である。
切断媒体抽出部1024は、制御部210の指示により、分岐エリア在庫媒体数記憶部263に記憶された分岐エリア情報と分岐エリア在庫媒体数を読み込み、前記読み込み済みの通信媒体切断条件とともに、通信媒体在庫数比較部1023に送る。通信媒体在庫数比較部1023は、制御部210の指示により、該通信媒体切断条件に従って分岐エリア情報を並び替え(ステップS132a)、切断媒体抽出部1024に該並び替え済み分岐エリア情報を送る。
切断媒体抽出部1024は、上述したように通信媒体切断条件に従って並び替えられた分岐エリア在庫情報から切断可能であって、選定可能な通信媒体が存在するか否かを判定する(ステップS133)。切断可能な通信媒体が存在する場合には、切断媒体抽出部1024は、通信媒体切断条件に従って並び替えられた分岐エリア在庫情報から切断可能な通信媒体を抽出し(ステップS140)、光分岐モジュール判断部266に送る。また、切断可能な通信媒体が存在しない場合、エラー処理を行ない(ステップS150)、本処理を終了する。
ステップS140において、光分岐モジュール判断部266は、ステップS107からの通信媒体の切断を行なわない場合において優先順位の高い順に並び替えられて抽出された選定可能な通信媒体特定情報またはステップS133からの通信媒体の切断を行なう場合において通信媒体切断条件に従って並び替えられた通信媒体使用率情報から抽出された切断可能な通信媒体特定情報、すなわち選定可能な通信媒体の一覧を受信すると、光分岐モジュール判断部266の判断部414は、制御部210の指示により、光分岐モジュール接続記憶部410から前記通信媒体に接続されている光分岐モジュール特定情報を読み込み、更に該光分岐モジュール特定情報に基づき光分岐モジュール属性記憶部412から光分岐モジュール種別情報を読み込む(ステップS141)。
判断部414は、制御部210の指示により、この読み込んだ光分岐モジュール種別情報と通信媒体選定者から最初に受け取っている光分岐モジュール使用条件とから使用可能な光分岐モジュールに接続されている通信媒体を抽出し(ステップS142)、選定部222に送る。
選定部222は、制御部210の指示により、前記抽出された通信媒体から必要な媒体数分の選定を行ない(ステップS143)、この処理結果、すなわち選定した通信媒体の特定情報を通信媒体使用区分記憶部224、および出力部232に送る。
通信媒体使用区分記憶部224は、選定部222から選定された通信媒体特定情報を受け取ると、制御部210の指示により、この通信媒体特定情報に対応する使用区分を使用中に変更する(ステップS144a)。なお、本作用の説明では、上述したように選定の前段階で分岐エリア毎の分岐エリア在庫媒体数を計算する手順について記述したが、選定の後段階で、すなわちステップS144aで分岐エリア在庫媒体数の計算と記憶を行なってもよいものである。
なお、上記実施形態の通信媒体選定方法の処理手順をプログラムとして例えばCDやFDなどの記録媒体に記録して、この記録媒体をコンピュータシステムに組み込んだり、または記録媒体に記録されたプログラムを通信回線を介してコンピュータシステムにダウンロードしたり、または記録媒体からインストールし、該プログラムでコンピュータシステムを作動させることにより、通信媒体選定方法を実施する通信媒体選定装置として機能させることができることは勿論であり、このような記録媒体を用いることにより、その流通性を高めることができるものである。