JP5280954B2 - 通信媒体選定装置、通信媒体選定方法および通信媒体選定プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
通信局内の通信媒体(通信設備)は、大きく分けて光心線を接続するためのアダプタを設置する架と呼ばれるラックと、特定の波長の光を出力する所内装置、それらを接続するケーブルからなる。ラックには配線架と中間架があり、中間架は配線架と所内装置の間に位置する。配線架には、試験光を遮断するための光カプラユニットと呼ばれる片端アダプタ等が設置される。中間架には、配線架と中間架との間のケーブルと、中間架と所内装置との間のケーブルを中継するための中継アダプタ(SS用分岐機器)や、光信号を複数に分岐するための分岐機器(SP:Splitter)が設置される。また、所内装置は、光サービスを提供するための装置端子(パッケージ(PKG))を備える。
通信媒体選定の従来技術について説明する前に、通信局内における通信媒体のサービス特性について説明する。通信局内では、主にサービス種別として3つのパターンが存在する。
通信局内の通信媒体選定を実施するためには、通信局内の通信媒体群における任意の2点間端子の経路(ケーブルと配線架または所内装置の繋がり)を探索する上で、その経路を構成する心線、アダプタ端子、多分岐・波長多重アダプタ端子まで探索する必要がある。また、通信局内の通信媒体群における任意の2点間端子の経路を選定するには、サービス提供条件、設備条件、通信媒体の構成品の占有状況および状態、損失(接続点)/接続作業点数を考慮した経路を選定しなければならない。
通信局内における設備運用に関する従来技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。しかし、その目的は、通信局内設備の正確なデータベース構築を基盤とする設備運用の効率化であり、識別コードを用いた通信媒体の管理運用を実現するシステムおよびその管理方法に関するものである。
通信局内の経路選定処理に関する従来技術としては、例えば特許文献2に記載のものがある。本従来技術は、選定対象区間の全検索を行った結果に基づいて通信媒体を選定するものであった。「直収サービスによる繋がり検索処理により、所内選定基準点を抽出する処理では、選定条件の一つである最所外側の端子と最所内側の端子の始点・終点情報を取得する手順」では、直収サービスおよび最所外側の端子と最所内側の端子の1:1の単心サービスでの選定を対象としている。また、「所内側端子の接続状況が接続済みであった場合には、取得した端子およびコネクタの所外側の接続先の情報を抽出する手順、再度取得した所外側の設備の接続状況を確認する手順を利用して、最終的に未接続となるまで検索を継続する手順」では、最所内側端子からの接続状況を確認し、未接続端子まで検索することによって選定空間を狭める技術であった。
通信局内の通信媒体群における任意の経路の選定に関する従来技術としては、例えば特許文献3に記載のものがある。「アダプタのときは過去の構成検索NGルートと同質か否かを比較し、同質の場合は所内装置の端子の取得する手順に戻り、異質の場合は選定基準点を当該物品の端子に更新し、ケーブルルート探索手順に移行する手順」では、、1心サービスのルートを選定する際に所内装置の端子を複数貰い受け、各端子とつながり先ごとの端子が過去実施したつながり検索実施結果が同一であれば不用とする技術である。
図6は、従来の経路選定における課題を示す。直収方式−複数心同系では、始点の所外側ケーブルラックとケーブルは未接続と考えてよく、終点側の所内装置の接続を確認する必要がある。これは直収サービスでは始点側はサービス提供中には接続されているが、サービス提供廃止の際には配線架のラックに開放点が入り未接続状態となるからである。逆に終点側ではサービス提供廃止の際に途中まで接続された中間架ラック2に開放点が入るため、終点側から中間架ラック2までの接続は保持された状態となる。このため、直収方式−複数心同系では、ケーブル/ラックの物理的同一性を担保するために終点側の接続状況を把握する必要があり、選定条件として設定された終点側が異なる中間架のラックへ接続済みの場合は、同系でなくなるため選定エラーとして処理する必要がある。しかし、従来の経路選定ではこの判定が、経路選定の最終処理である心線/ポート単位の経路を選定する心線ルート探索時点でないと行われず、前手順であるケーブルルート探索やつながり検索を実施することで無駄な経路選定処理を発生させている問題があった。
図8は、従来のつながり検索における課題を示す。従来の直収方式−複数心同系のサービスにおける経路探索処理部では、始点−終点間のケーブルとラックの組み合わせを探索するケーブルルート探索の結果、全ケーブルルートを候補として保持し、次手順で終点端子側から接続状況を心線単位で把握するつながり検索が実施されている。しかし、従来のつながり検索による所内選定基準点の探索はあくまで単心単位で行われており、同系は考慮されておらず異系もつながり検索の結果として後行程へ渡される。また、従来のつながり検索の実施後、心線単位で経路探索を実施する心線ルート探索は複数所内選定基準点が異なっている場合を考慮し、ある一候補の所内選定基準点到達後も残り全ての所内選定基準点までの到達可否と必要な心線数分の設備空き状況を確認するために、心線ルート探索を継続して行う必要がある。前者の異系については、同系のみを候補とする事により解決可能であるが、後者はたとえ一候補の所内選定基準点が中間架に存在していた場合でも残り全ての所内選定基準点まで探索する必要があり、探索範囲を木構造と捉えると、その深さは変わらず結果的に経路探索の規模が増大する問題がある。例えば図8に示すように、同系で2心選定の場合、従来のつながり検索を実施後、所内選定基準点1がある中間架まで接続されており、所内選定基準点2が1よりも所内側の中間架で接続されていた場合、選定基準点が異なっているために心線ルート探索は所内選定基準点1に到達後も必要心線数を意識して所内選定基準点2の深さまで心線ルート探索を実施する必要がある。
図10は、従来のケーブルルート探索における課題を示す。従来の始点端子から所内選定基準点までのケーブルとラックの組み合わせを探索するケーブルルート探索では、ケーブルのサービス適合と経由架数のみを確認し、同一ケーブル、同一ラックといった同系についての条件は考慮されていない。このため、経由架数が最短のケーブルルートでも必要な設備空き状況が確保できなければ、それはサービスが提供不可となるエラールートとなってしまう。このため、直収方式−複数心同系に対する従来の経路選定では、経路探索処理の初期にケーブルルート探索を行い、探索結果の全ケーブルルート候補を後行程の心線ルート探索の探索対象とする必要があり、経路探索規模の増大の一因となっていた。図10では成端架ID2のラックはアダプタ端子の空きが無く、サービス提供不可であるが、設備の空き状態は確認していないためにケーブルルート2として後工程の選定対象候補に含まれてしまい、その分無駄な選定処理が実施される。
従来の直収方式−複数心同系の経路選定では、上記課題2により、複数所内選定基準点が異なるために、つながり検索による探索範囲の木構造の削減が難しく、また上記課題3により、同系を考慮する必要があるためにケーブルルート探索時の探索規模の削減が困難で、図12に示すように、経路探索処理全体としては探索規模の増大を招いていた。図12では、複数所内選定基準点は端子1が中間架ラック1、端子2が装置と異なっているため、つながり検索実施後も探索範囲は削減されず心線ルート探索は必要心線数分のルートを確保するために配線架から装置まで探索する必要が生じる。また心線ルート探索の対象となるケーブルルートは設備空き状況が不明のために全ケーブルルートが対象となる(図12では1ケーブルルートのみ)。
従来技術2は、通信媒体郡の任意の2点間端子の経路を経路探索対象としているが、本発明では通信媒体郡の任意の複数端子間で、特にケーブル、ラックといった通信媒体が物理的に同一である経路を経路探索の対象としている。
従来技術2は、事前に定義された評価式に基づいて探索された全心線ルートをソートし、最適ルートを決定する最適経路計算処理部を持っているが、これは経路選定の高速化という点では処理が多くなるため、最適な方法とは言えない。本発明は、高速化のために、前手順の選定基準点同一化で設備の必要空き数を確認し、また設備空き状況を意識したケーブルルート探索部で必要空き数を持つケーブルルートのみ候補として接続点数によりソートを行うことで、設備占有性と接続点数の両方を確認できるため、ソート後のケーブルルート候補から心線ルートが見つかった時点で最適経路として探索完了とすることが可能である。よって、本発明では最適経路計算処理部は必要ない。
従来技術2は、複数心線選定を行う際に「処理手順で取得した結果出力を保持しながら、再度必要心線分の選定を繰り返す」とあるが、直収方式でケーブルやラックが物理的に同一であることが条件となる複数心線選定では、これは高速化の面で処理回数が多くなってしまう。本発明は、このような条件の選定に特化したものであり、終端側つながり検索、選定基準点同一化、設備空き状況を意識したケーブル探索を用いることによって、選定処理部を一回実施することで必要心線分の空きを確保した経路選定が可能である。
従来技術2は、直収サービスでの繋がり検索処理では、所内側端子の接続状況を確認しているが、複数心線の選定時に媒体の物理的同一性は加味されていない。このため、ケーブルとラックが物理的に同一である条件の複数選定を行った際には、複数所内側端子が異なるケーブル、またはラックに接続されていても、エラー処理は実施されず、後手順の心線ルート探索まで処理が進んでしまい、無駄な選定処理が発生してしまう。本発明の終端側つながり検索では、条件部で入力された複数終点端子に対し、物理的なケーブル/ ラックの同一性を確認して接続状況を確認し、異なった媒体を経由した段階で、エラー処理を実施し無駄な選定処理の発生を防ぐことができる。
従来技術2は、始点から選定基準点までのケーブルとラックの組み合わせを探索するケーブルルート探索では、ケーブルあるいはラック内接続アダプタの設備占有については加味されていない。本発明で対象としている同一ケーブル、ラックを経路選定条件とする直収サービスの複数選定において、従来技術2では必要数分の設備空き状況が分からないため、ケーブルルート探索結果の全ケーブルルート候補を後手順の心線ルート探索範囲とする必要があり探索範囲が増加する。本発明の設備空き状況を意識したケーブルルート探索では、ケーブルとラック内設置の接続アダプタの設備空き状況について、外部テーブルデータを参照することによって占有状況を確認することができ、サービス提供可否を判断しながら探索を行うところに大きな違いがあり、これによって空きの無い不要なケーブルルート候補が削減されるため、後手順の心線ルート探索範囲を低減することができる。
(1) 技術分野について
従来技術3では、通信媒体郡の任意の2 点間端子の経路を経路探索対象としているが、本発明では通信媒体郡の任意の複数端子間で、特に直収方式でケーブル/ラックといった通信媒体が物理的に同一である複数経路を経路探索の対象としている。
従来技術3では、経路選定処理部の構成は1心の単心選定を対象としており、つながり検索部で終点端子からの接続状況を確認した後、ケーブルルート探索部へと移っている。しかし、これを本発明の対象である直収方式の同系ルート複数選定に適用した場合、つながり検索時にケーブル/ラックの物理的同一性は確認されず、また複数終点端子間で未接続先が異なる場合も考えられるため、探索範囲の削減が効率的に行えない。
本発明では、直収方式の複数選定でケーブル/ラックの物理的同一性を条件とする選定処理の効率化を図るため、ケーブル/ラックの物理的同一性を確認して接続状況を検索する終端側つながり検索部に、異なる未接続先をより所内側の所内選定基準点にまとめる選定基準点同一化部を置いている点が大きく異なる。この選定基準点同一化部により探索規模の削減を図ることができる。
従来技術3では、選定処理の後手順である心線ルート探索の探索量を低減するつながり検索は、直収方式の同系と呼ばれるケーブル、ラックが物理的に同一な経路を持つ事を条件とする複数選定の際に必要な、通信媒体の物理的同一性や未接続箇所の差異発生の可能性を加味していない。このため、従来技術3を上記条件の複数選定に適用した場合、複数端子間で経由している媒体が物理的に異なっていてもエラー処理は実施されず、後手順の心線ルート探索まで処理が実施されてしまい無駄な選定処理が発生する(図6)。
本発明では、終端側つながり検索によって、複数端子間のケーブル/ラックといった媒体の物理的同一性を判断しており、また未接続箇所の差異については次手順の選定基準点同一化で対応している点が大きく異なっている。終端側つながり検索によって、はじめから物理的条件を満足していないようなルートの選定において無駄な処理稼動の発生を防止することができる(図7)。
従来技術3では、つながり検索実施後の複数終点端子間で未接続箇所が異なっていた場合、つまり所内選定基準点が終点端子ごとに異なっていた場合には、後手順の心線ルート探索で、ある一候補の所内選定基準点に到達した後も他の全ての所内選定基準点までの必要心線数分の設備空き状況と到達可否の確認を行う必要があり、つながり検索を心線ルート探索の探索量低減に有効に用いることができない(図8)。
本発明では、選定基準点同一化によって、異なる未接続箇所をより所外側の所内選定基準点にケーブル、ラックの物理的同一性と設備占有状況を確認して一箇所に纏めることで、後手順である心線ルート探索の探索範囲を低減することができる(図9)。
従来技術3では、始点からケーブルとラックの組み合わせを探索するケーブルルート探索では、ラック間のケーブルを一つにまとめることで探索範囲の規模を削減し効率化を図っている。しかし、従来技術3では設備の占有状況については加味されていないため、そもそも必要心線分の空きが無いようなケーブルとラックについても候補として挙がってしまい、サービス提供不可なケーブルルート候補が選定処理の後手順に進んでしまう。このため、従来技術3の直収方式、同系ルートの複数選定では、当該設備に選定必要数分の空きがあるケーブルルート候補を確保するために探索された全ケーブルルートを心線ルート探索の探索範囲とする必要が生じ、探索規模が増大する(図10)。
本発明では、設備空き状況を意識したケーブルルート探索によってこの問題を解決しており、ケーブル単位の占有状況とラック内設置の接続アダプタの占有状況に関する情報をテーブルデータとして持ち、これを参照しながらケーブルとラックの組み合わせを探索する。この設備空き状況を意識したケーブルルート探索によって、候補となるケーブルルートの通信媒体には、必ず選定必要数分の空きがあることが約束され、ソートした接続点が最も少ないルートを最適ケーブルルートとして、後手順の心線ルート探索に渡すことが可能となり、探索規模の削減を実現することができる(図11)。
図1は、本発明の通信媒体選定装置の構成例を示す。
図において、通信媒体基本情報記憶部101は、通信局内の各通信媒体のうち、ケーブル心線に取り付けられているコネクタやアダプタ端子の形状、コネクタの反射特性といった光学的特性、光分岐装置の分岐数や通信波長といった通信媒体の性質を記憶する。通信媒体構成記憶部102は、各通信媒体の使用済み有無、予約済み有無といった媒体の状態を記憶する。経路探索処理部106は、通信媒体群の任意の複数端子間の経路の候補を決定する。通信媒体経路予約記憶部104は、経路探索処理部106で決定した経路候補の中から選ばれた経路を記憶する。コマンド処理部103は、経路探索処理部106と通信媒体経路予約記憶部104とを接続し、入出力インタフェース部110、入力部109を介して入力する入出力装置112からの指示によって命令を変える。出力部108は、通信媒体経路予約記憶部104に記憶された経路を入出力インタフェース部110を介して入出力装置112に出力する。制御部100は、各構成要素の制御を行う。以下、経路探索処理部106の構成および処理手順について説明する。
図2は、経路探索処理部106の構成例を示す。
図3は、終端側つながり検索部12の処理手順を示す。なお、図2に示す経路探索処理部106の選定条件部11で選定すべきサービス種別が直収方式−複数心同系と判断された場合に、終端側つながり検索部12の処理が実行される。
図4は、選定基準点同一化部13の処理手順を示す。
課題2を解決するには、終端側つながり検索12の実施後の複数終点端子の接続済み設備情報である設備つながり情報を基に、同系を意識しながら終点端子側から最も下部側に所内選定基準点を持つ接続点数が最大のルートへ、他ルートの所内選定基準点を纏めてしまう選定基準点同一化13の処理を行う。これにより、同系を保ったまま、後行程の経路探索の規模削減が可能となる。
図5は、ケーブルルート探索部14の処理手順を示す。
課題3を解決するには、同一ケーブル、同一ラックという同系の条件を考慮し、経路探索における心線ルート探索の規模を削減するために、所内設備におけるケーブル内心線とラック設置済みアダプタの媒体空き情報を、参照用テーブルデータとして随時更新して保持し、このデータを参照してケーブルルートの探索を実施する設備空き状況を意識したケーブルルート探索部14の処理を行う。具体的な参照用テーブルデータとしては、ケーブルIDごとに媒体空き情報をタイマ設定で定時更新、または当該媒体の接続/開放をトリガーとして随時更新するケーブル空き状況テーブルと、成端架ID(ラックID) ごとに搭載されている直収サービスに適応するアダプタ種別と空き情報をタイマ設定による定期更新、または媒体の接続/開放をトリガーとして随時更新するケーブルラック空き状況テーブルの2つのトランザクションテーブルを用いることによってサービスが提供不可なケーブルルートを排除する(図11参照)。
課題4を解決するには、課題2を解決するための選定基準点同一化部13の処理と、課題3を解決するための設備空き状況を意識したケーブルルート探索部14の処理を組み合わせることにより探索規模の削減を実現する。
図13の例では、直収方式−複数心同系の2心選定を条件とする。
終端側つながり検索部12は、端子1の接続状況を確認し、接続済みであるため、下部側のケーブルID8の心線接続情報を取得する。次にケーブルID8の当該心線の下部側接続状況を確認し、接続済みのため、接続先の中間架ラック3のアダプタポート情報を取得する。更に当該アダプタポートの前面の接続状況を確認し、接続済みのために下部側のケーブルID4の心線情報を取得する。ケーブルID4の当該心線の下部側接続状況を確認し、接続済みである中間架ラック1のアダプタポート情報を取得し、当該ポート前面の接続情報を確認する。当該ポートは未接続のため、中間架ラック1を端子1の所内選定基準点1を持つラックとし、設備つながり情報として保持する。次に、端子2も同様に接続状況の確認を行うが、端子2は未接続状態のため、端子2を所内選定基準点2をもつ装置とする。端子1と端子2の同系/異系の比較は所内選定基準点2が未接続状態のため行われない。端子1と端子2の同系性は保たれており、所内選定基準点を持つラックが異なるため、次手順の選定基準点同一化部13へ保持している設備つながり情報を渡して処理が終了する。
図7では、選定すべき直収方式−複数心同系の選定条件として光心線4心の経路選定を仮定する。端子1 の下部側設備状況を確認し、接続されているので、下部側ケーブル情報を取得する。更にこのケーブルの下部側接続状況を確認すると接続有りのため、接続先の中間架ラック3 のアダプタ情報を取得する。この接続確認と接続先情報の取得を繰り返すと中間架ラック2のアダプタ下部側の接続確認を行った際に未接続状態となる。このため、終点側端子1の所内選定基準点は中間架ラック2の接続アダプタポートとなる。これは検索1回目のため、所内選定基準点−終点端子間の接続情報(中間架ラック2から所内装置までの接続アダプタ、ケーブル、中間架) をキャッシュして記憶し保持する。
図9では、例として直収方式−複数心同系の選定条件として光心線2心の経路選定の場合を考える。終点端子情報が2つであり、上記終端側つながり検索の実施後、それぞれ所内選定基準点が中間架ラック1 、中間架ラック3に存在した状態で、所内選定基準点から終点端子までの接続状況が接続点数でソート後キャッシュされ保持されている。選定基準点同一化部13ではこの保持されているデータに基づいて探索を行う。まず、所内選定基準点が中間架ラック1である接続点数最大のルート(ここではルート1) を上位ルートとし、所内選定基準点が中間架ラック3である接続点数が次点のルート(ここではルート2) を下位ルートとして、下位ルートの所内選定基準点を取得する。上位ルートと所内選定基準点が異なるため、下位ルートの所内選定基準点下部側の設備に対応する設備媒体情報を上位ルートから取得する(ここではケーブルf)。ケーブルfの占有状況を確認し、空き数≧1であれば、更に下部側のラック2の上位ルート接続済みアダプタの占有状況を確認する。空き数≧1なので、更に上位ルートの下部側設備の占有状況確認を上位ルートの所内選定基準点に達するまで繰り返す。上位ルートの所内選定基準点であるラック1に達した際に下位ルートの所内選定基準点を中間架ラック3からラック1へ移動させ、その間のつながり情報を保持する。残りの所内選定基準点候補が無いので、選定基準点同一化OKとして処理を完了する。結果、実行例では、端子2の所内選定基準点は初期の所内選定基準点(ラック3) から、選定基準点同一化後の所内選定基準点(ラック1) へと移動し、選定基準点を持つ通信設備を一つに纏めることで、経路探索の探索規模を削減する。
図11では、例として直収方式−複数心同系の経路選定として光心線2心の場合を条件とする。終端側つながり検索部12の実施の結果、終点端子1、2とも全て未接続のため、選定基準点同一化部13の処理は実施されず、設備空き状況を意識したケーブルルート探索部14が実施される。まず選定条件となる複数始点端子情報から片端アダプタのサービス条件を確認後、上部側のケーブルを若番から取得する(ここではケーブルID1)。取得したケーブルのケーブルIDをキーにケーブル空き状況テーブルを参照し、設備の占有状況を確認する。2連番空きが10であるためサービス提供可として更に上部側のラックである成端架ID1をチェックする。成端架ID1は中間架ラックのため、IDをキーにケーブルラックポート空き状況テーブルを参照し、接続アダプタの占有状況を確認する。ケーブルのコネクタ種別が等しい接続アダプタの2連番空きは300 なので、サービス提供可として成端架ID1を基準点とし、更に上部側の探索を所内選定基準点である所内装置まで行う。途中、成端架ID3のアダプタポートを確認し、空き状況、サービス適合ともにOKのため、ケーブルID3とケーブルID4を統合し、成端架ID3を基準点として探索を行う。所内装置まで到達した際には、その経由架数を計算し、ケーブルとラックの組み合わせをルート1のケーブルルート情報として確定し保持する。
終点側つながり検索部12の実施後、選定基準点同一化部13と設備空き状況を意識したケーブルルート探索部14を組み合わせることによる経路探索規模の削減について、図13を参照して説明する。図13の例では直収・複数選定の同系サービス選定において選定条件の複数心は2とする。
12 終端側つながり検索部
13 選定基準点同一化部
14 設備空き状況を意識したケーブルルート探索部
15 ケーブルルート並び替え部
16 心線ルート探索部
17 記憶部
100 制御部
101 通信媒体基本情報記憶部
102 通信媒体構成記憶部
103 コマンド処理部
104 通信媒体経路予約記憶部
106 経路探索処理部
108 出力部
109 入力部
110 入出力インタフェース部
112 入出力装置
Claims (7)
- 通信局内でケーブル心線に取り付けられているコネクタやアダプタ端子の形状、コネクタの反射特性を含む光学的特性、光分岐装置の分岐数や通信波長を含む各通信媒体の性質を記憶した通信媒体基本情報記憶部と、
前記通信局内の各通信媒体の使用済み有無、予約済み有無を含む状態を記憶した通信媒体構成記憶部と、
経路の始点から終点まで同一ケーブルとラックを経由することが設備条件となる直収方式−複数心同系のサービス提供時に、通信媒体群の任意の複数端子間の経路候補を決定する経路探索処理部と、
前記経路探索処理部で抽出した経路を記憶する通信媒体経路予約記憶部と、
前記各部の制御を行う制御部と
を備え、前記通信局内の通信媒体を選定する通信媒体選定装置において、
前記経路探索処理部は、
経路探索を実施するサービスが、前記直収方式−複数心同系のサービスであるか否かを判定する選定条件部と、
通信局内設備において前記直収方式−複数心同系のサービスとなる複数心線の経路選定時に、そのサービス提供可否を終点端子毎の接続済み設備構成を検索することで判定する終端側つながり検索部と、
前記終端側つながり検索実施後の所内選定基準点と呼ぶ未接続位置が終点端子毎で異なっている場合に、その位置を前記直収方式−複数心同系のサービスに適合した状態で一箇所にまとめる選定基準点同一化部と、
始点端子側からケーブル内心線とラック搭載のアダプタ端子の設備空き状況を外部データを参照して確認し、前記直収方式−複数心同系のサービスに適合したケーブル/ラックの組み合わせを前記所内選定基準点まで探索する、設備空き状況を意識したケーブルルート探索部と、
前記ケーブルルート候補を接続点の数でソートして接続点の最も少ないケーブルルートを優先候補とするケーブルルート並び替え部と、
前記優先候補のケーブルルートに対して、始点端子から前記所内選定基準点までのケーブル心線/アダプタ端子を提供サービスの物品優先度を確認して選定する心線ルート探索部と、
前記心線ルート探索部で探索された心線ルートと、前記選定基準点同一化部で保持されている前記所内選定基準点から複数終点端子までの設備情報を統合して経路探索結果として記憶する記憶部と
を備えたことを特徴とする通信媒体選定装置。 - 通信媒体基本情報記憶部に、通信局内でケーブル心線に取り付けられているコネクタやアダプタ端子の形状、コネクタの反射特性を含む光学的特性、光分岐装置の分岐数や通信波長を含む各通信媒体の性質を記憶し、
通信媒体構成記憶部に、前記通信局内の各通信媒体の使用済み有無、予約済み有無を含む状態を記憶し、
経路探索処理部で、経路の始点から終点まで同一ケーブルとラックを経由することが設備条件となる直収方式−複数心同系のサービス提供時に、通信媒体群の任意の複数端子間の経路候補を決定し、抽出した経路を通信媒体経路予約記憶部に記憶し、
前記各部を制御して前記通信局内の通信媒体を選定する通信媒体選定方法において、
前記経路探索処理部は、
経路探索を実施するサービスが、前記直収方式−複数心同系のサービスであるか否かを判定する選定条件手順と、
前記選定条件手順の結果、通信局内設備において前記直収方式−複数心同系のサービスとなる複数心線の経路選定時に、そのサービス提供可否を終点端子毎の接続済み設備構成を検索することで判定する終端側つながり検索手順と、
前記終端側つながり検索実施後の所内選定基準点と呼ぶ未接続位置が終点端子毎で異なっている場合に、その位置を前記直収方式−複数心同系のサービスに適合した状態で一箇所にまとめる選定基準点同一化手順と、
始点端子側からケーブル内心線とラック搭載のアダプタ端子の設備空き状況を外部データを参照して確認し、前記直収方式−複数心同系のサービスに適合したケーブル/ラックの組み合わせを前記所内選定基準点まで探索する、設備空き状況を意識したケーブルルート探索手順と、
前記ケーブルルート候補を接続点の数でソートして接続点の最も少ないケーブルルートを優先候補とするケーブルルート並び替え手順と、
前記優先候補のケーブルルートに対して、始点端子から前記所内選定基準点までのケーブル心線/アダプタ端子を提供サービスの物品優先度を確認して選定する心線ルート探索手順と、
前記心線ルート探索手順で探索された心線ルートと、前記選定基準点同一化手順で保持されている前記所内選定基準点から複数終点端子までの設備情報を統合して経路探索結果として記憶する手順と
を有することを特徴とする通信媒体選定方法。 - 請求項2に記載の通信媒体選定方法において、
前記終端側つながり検索手順は、前記選定条件手順で前記直収方式−複数心同系のサービスであることを判定した後、始点端子と終点端子が1:1である直収サービスにおける複数心の選定で、局内通信設備が物理的に同一ケーブル/ラック構成をとる同系と呼ばれる選定条件の場合に、複数終点端子からの既に接続された所内設備情報とその接続先末端である所内選定基準点を取得するために当該処理を実施する手順であり、
入力された複数始点・終点端子情報の終点端子情報を若番から取得する手順と、
その終点端子に対する下部側の所内設備接続状況の有無を確認する手順と、
確認した結果、未接続の場合には該当する設備のアダプタポート端子を所内選定基準点として取得し、また接続されていた場合には、取得した設備のアダプタポート端子のさらに下部側の接続先情報を取得し、下部側の接続有無を確認し未接続となるまでこれを繰り返して、未接続となった末端のアダプタポート端子を所内選定基準点として取得する手順と、
所内選定基準点の取得が終端側つながり検索の1回目であれば、その所内選定基準点から終点端子までの設備つながり情報と呼ぶケーブル、ラック、接続アダプタを含む所内設備の接続情報を保持し、2回目以降からは保持している接続点の数が最大の設備つながり情報と経由しているケーブル/ラックの物理的同一性を比較して、異なったケーブル/ラック構成をとる場合には、サービスの物理的提供条件と異なるために選定エラーとして処理を実施し、同一ケーブル/ラックである場合には、サービスの物理的提供条件が可としてその設備つながり情報を保持する手順と、
未検索の終点端子候補が無くなるまでこの通信媒体接続情報の検索と保持している接続点数最大の媒体接続情報との比較を繰り返し、最終的に全終点端子の所内選定基準点を含むラックが物理的に全て同じであれば、後手順の複数始点端子から所内選定基準点までのケーブル/ラックの組み合わせを探索する設備空き状況を意識したケーブルルート探索手順へ移り、所内選定基準点を含むラックが同系を保持した状態で異なっていれば、後手順の所内選定基準点を一箇所に纏める選定基準点同一化手順へ保持している複数終点端子の設備つながり情報を渡す手順と
を有することを特徴とする通信媒体選定方法。 - 請求項2に記載の通信媒体選定方法において、
前記終端側つながり検索後の複数所内選定基準点を、外部ファイルで定義可能な通信媒体の物品優先度に基づいて、設備空き情報である占有状況の確認を行い物理的に同一なケーブル/ラックを経由して一箇所に纏める選定基準点同一化手順は、前記終端側つながり検索の結果、全ての終点端子側から下部側の所内設備が物理的に同一ケーブル/ラックを経由し、その所内選定基準点を含むラックが複数終点端子間で異なる場合に当該処理を実施する手順であり、
前手順で取得した接続点の数で降順ソートされたケーブル、ラック、接続アダプタを含む媒体の終点端子ごとの設備つながり情報と呼ぶ所内設備接続情報を取得する手順と、
接続点の数が最も大きい所内選定基準点−終点端子間の設備つながり情報を上位ルートとし、次点の接続点数を持つ所内選定基準点−終点端子間の設備つながり情報を下位ルートと設定して、下位ルートの所内選定基準点を取得する手順と、
取得した下位ルートの所内選定基準点が上位ルートの所内選定基準点と同一ケーブル/ラックか判断し、異なる場合には下位ルートの所内選定基準点下部側の設備情報に対して対応する上位ルートの通信媒体の占有状況を外部ファイルで定義された物品優先度に基づいて確認し、空きが無ければ選定エラーとして経路探索を終了し、空きがあり所内選定基準点であれば、下位ルートの所内選定基準点を上位ルートの所内選定基準点を持つラックまで移動してサービス提供時に接続する接続情報が確定され、空きはあるが上位ルートの所内選定基準点に達していない場合には、更に下部側の媒体を対応する上位ルートから取得して占有状況を確認する手順と、
選定基準点同一化処理未実施の残り所内選定基準点の有無を確認し、有ればそれまで下位ルートであった選定基準点同一化実施前の所内選定基準点を上位ルートの所内選定基準点として再設定し、新たに取得した接続点数が次点の所内選定基準点を下位ルートの所内選定基準点として設定して、上位ルートの所内選定基準点まで下位ルートの所内選定基準点からの媒体の占有状況を物品の優先度に基づいて確認する手順と、
前記選定基準点同一化処理未実施の残り所内選定基準点候補が無くなるまで繰り返し、無くなれば選定基準点同一化処理結果OKで処理終了として選定基準点同一化処理実施後のケーブル、ラック、アダプタを含む媒体のつながり情報を保持して、後手順であるケーブルとラックの組合せを探索する設備空き状況を意識したケーブルルート探索手順へと進む手順と
を有することを特徴とする通信媒体選定方法。 - 請求項2に記載の通信媒体選定方法において、
前記設備空き状況を意識したケーブルルート探索手順は、前手順の終端側つながり検索で所内選定基準点が全て物理的に同一ラックに存在していた場合、または選定基準点同一化によって所内選定基準点が全て物理的に同一ラックへ纏められた後に実施される複数始点端子−所内選定基準点間を経由するケーブル/ラックの組み合わせを、外部テーブルデータを参照し、ケーブル心線/ラック搭載の総アダプタ端子の占有状況を基に探索する手順であり、
始点となるラックの片端アダプタサービス条件のチェックを実施し、片端アダプタでない場合は選定エラーとして処理を終了し、片端アダプタである場合には、配線架であるラックの上部側のケーブルを取得し、そのケーブルIDを用いて外部テーブルデータを参照し、ケーブル付属コネクタのサービス条件と媒体の占有状況を確認し、空きが無い場合、他ルートの候補検索を実施し、候補が有る場合は次のケーブルに対して再度外部テーブルデータを参照してチェックし、候補が無い場合は選定エラーとして処理を終了する手順と、
コネクタのサービス条件チェックと媒体の占有状況がOKの場合、ケーブルの上部側架のラックのチェックを実施し、確認の結果、ラックが中間架であれば外部テーブルデータを参照してラック搭載済み総アダプタ端子の占有状況を確認し、必要空き数がOKな場合は、架間に複数ケーブルがある場合に統合し、上部側架のラックを基準点にして、再度ラックの上部側のケーブルを取得、媒体の占有状況を確認する手順と、
ケーブルの上部側架であるラックの確認結果、ラックが中間架または所内選定基準点以外の場合にはケーブルルートから当該ケーブルを除外して他ルートの候補検索を続行する手順と、
ケーブルの上部側架であるラックの確認結果、選定基準点を含む架または装置の場合には、経由架数がa以内であるかのチェックを実施し、a以内の場合、経由架数を計算し、ケーブルルートとして保持する手順と、
ケーブルルートとして保持した後、他ルート候補有無の確認を行い、候補有りの場合に次のケーブルを確認する手順と、
他ルート候補有無の確認後、候補無しの場合には、続いて保持しているルートの有無を確認し、保持しているルートが無い場合、選定エラーとして選定処理を終了し、保持しているルートが有る場合、次手順であるケーブルルートの並び替えを実施する手順と
を有することを特徴とする通信媒体選定方法。 - 請求項2に記載の通信媒体選定方法において、
前記通信媒体群の経路の候補を決定する経路探索処理部は、請求項3から請求項5のいずれかに記載の媒体の空き情報である占有状況を確認する手順を含み、これを組み合わせることによりサービス提供の可否を判断しながら後手順の心線ルート探索へ最小限の探索候補を渡す
ことを特徴とする通信媒体選定方法。 - 請求項1に記載の通信媒体選定装置の各部をコンピュータで処理し、請求項2〜6に記載の各手順をコンピュータに実行させ、複数の始点−終点端子間に対して物理的に同一のケーブル/ラックといった条件の下で、更に外部ファイルによる選定物品の優先度も加えて通信媒体の経路選定を行うプログラムを記録した
ことを特徴とする通信媒体選定プログラムを記録した記録媒体。
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