JP3920755B2 - アルマイト加工製品の保持具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアルマイト加工を施すアルマイト加工装置の移動ベルトに装着するアルミ製品の保持具に関し、さらに詳しくは、パイプや筒状のアルミ製品をアルマイト加工する最にこれらの製品を保持する保持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば口紅のケース等のように、アルミ材からなる略筒形状、若しくはパイプ形状の品物の表面にアルマイト加工を施す際には、多くの品物を一度に保持するホルダ100を用いていた。上記したホルダ100は、例えば図5にて示すもののように、掛け枠110の上下に張り線101,102を張設し、この2本の張り線101,102の間に掛け渡して垂直に保持して装着する。
上記ホルダ100には多数のパイプ状のアルミ製品103を嵌挿して外れないように保持し、掛け枠110ごと薬液槽内に浸漬する工程(前処理,陽極酸化処理,後処理等)を順番に行なうことによりアルミ製品103の表面に酸化皮膜を形成している。
上記したホルダ100を用いた製造方法は人手により作業を進めることを基本とするものであり、工程ごとに各槽内から出し入れする必要があるので、時間と手間のかかる作業であった。上記したような製造方法に用いるホルダ100の特徴は下記の特許文献に開示されいている。
【特許文献1】
公開実用 52−139319号(第2頁、図5)
【0003】
上記したホルダ100を使用したアルマイト加工は現在でも行なわれているが、製造ロットの多い場合は、アルマイト加工専用の装置を用いている。
この装置は、図6にて示すように無端状の金属ベルト210を具備し、該金属ベルト210にホルダ200をベルト長さ方向へ適宜な間隔を置いて着脱可能に装着する。上記ベルト210及びホルダ200は薬品に強いチタンを用いて構成してある。
【0004】
ベルト210の表面には上記ホルダ200の基板203の両端部を嵌入する装着部201を設け、この装着部201の間に上記基板203の両端を着脱可能に嵌挿することで、ホルダ200を着脱可能に嵌装している。
上記したホルダ200の基板203の表面には定間隔を置いて多数の保持片202を並列状に取り付け固定している。これらの保持片202は、略U字形に屈曲成形して弾性を持たせ、略筒状、パイプ状のアルミ製品220を被嵌し、保持片202の弾性を利用して着脱可能に保持するように構成してある。ちなみに、このホルダ200はアルミ製品220を嵌装する保持片を前後一対に突出せしめて構成したものである(図6)。
【0005】
上記したホルダ200は加工する製品の変更に伴ってホルダ自体を入れ換える必要がある。しかしながら、上記したホルダ200は、構造的に大きくなる上に帯状基板203の両端部をベルト210に設けた装着部201に挿入したり引き抜く作業が大変であり、特に女性の作業者の場合には、力が無いので作業能率が低下する欠点があった。さらに、アルマイト加工を行なう作業中に上記したホルダ200がベルトから外れるとアルマイト加工装置に挟み込まれて装置の復旧に大変な労力と時間を費やすので、作動中におけるホルダ200の脱落は絶対に起こしてはならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した如き従来事情に鑑みなされたものであり、その課題は、上記した如き略筒状もしくはパイプ状のアルミ製品の表面をアルマイト加工する際に用いる保持具に関し、同保持具をアルマイト加工装置のベルトに対して簡単に且つ確実に着脱できる機能を具備せしめることである。
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、
【0007】
本発明のアルマイト加工製品の保持具は、アルマイト加工装置の駆動ベルトに装着するガイド金具と、このガイド金具に嵌挿するスライド金具と、該スライド金具に沿って適宜な間隔を置いて取り付け固定する保持片とを具備して成る。
上記ガイド金具は駆動ベルトに取り付け固定され、同金具両側を内側に向けて鋭角状に屈曲させることにより、その屈曲部の内側にガイド縁を形成してある。また、両内側のガイド縁同士は所定の幅にて並行を保っている。
【0008】
スライド金具は、両側縁部に沿って外側へ向けて延出する弾性当接片を具備している。そしてスライド金具は、弾性当接片の先端縁を上記ガイド金具のガイド縁同士の間に一端から挿入し、そのまま押し込んで完全に嵌挿する。ガイド金具の内部に嵌装状態のスライド金具は弾性当接片の先端がガイド金具の両ガイド縁同士に対して内側から弾性的に当接してある。よって、適度な力にて一端部を押すことによりガイド金具の中をスライド移動する。即ち、スライド金具は駆動ベルトに取り付け固定されるガイド金具に対して挿入且つ引き抜き可能に装着する。
上記ガイド金具の表面には略逆U形に屈曲形成した保持片が適宜な間隔を置いて取り付け支持してある。保持片は、折り返し部を突出先端とし、且つ先端部を基端部側へ向けて押圧することにより、同片の対向部分の間隔が弾性的に可変する。よって、上記保持片の外側に略パイプ形の製品を嵌装すると、保持片は弾性的に反発し、パイプ製品の内面を圧着することにより、同製品を確実に保持できる。
【0009】
請求項2記載のアルマイト加工製品の保持具は、上記スライド金具の両側に形成した弾性当接片を長さ方向に沿って所定の間隔を置いて切欠形成すると、一枚状の弾性当接片が、複数の部分片が並列した形態となる。これにより、スライド金具をガイド金具の内部に嵌挿する際に個々の部分片が別々に弾性変形するので、一片毎の弾性力,摩擦力は弱くなり、これによりスライド金具をガイド金具内に嵌挿する作業を円滑に行なうことができる。
また、部分片同士の間に形成される切欠部分は、液体を抜く際の流路となり、薬液がスライド金具の内側から流れ出て残ることなく排出される。
【0010】
請求項3記載のアルマイト加工製品の保持具は、上記ガイド金具の両側縁部に液はけ孔を切欠形成してあるので、鋭角に屈曲して薬液の溜り易い部分から薬液を残ることなく排出することができる。
【0011】
請求項4記載のアルマイト加工製品の保持具は、各保持片の先端部に形成した断面略円弧形の押し圧部を作業者が指で押すことにより、同保持片の先端側が基端側へ押され、保持片対向部同士の間隔を弾性的に可変して製品を抜き差しすることができる。
また、押し圧部から上方に保持片基端部側(中央)へ向けて屈曲傾斜する所定長さの逃げ部を設けることにより、保持片にパイプ状の製品を被嵌させた状態において上記逃げ部が製品の下側開口部に接触することを防止できる。その結果、製品開口部の口縁内側に保持片が接触するとにより不自然な模様ができる不具合を回避できる。
【0012】
請求項5記載のアルマイト加工製品の保持具は、上記保持片の表面に沿って突出する突条がプレス形成される。これにより、保持片とパイプ状製品内面との接触が略線接触となり、液はけを向上すると共に、保持片の補強を兼ねることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3は、本発明を実施したアルマイト加工製品の保持具Aを示している。保持具Aは、アルマイト加工装置(図示せず)が具備する無端状の金属製ベルトbの表面に適宜な間隔を置いて装着するものである(図1)。
また、本発明の保持具Aは、チタンやアルミからなる帯状の板材を屈曲してなるガイド金具1と、このガイド金具1の内部に出し入れ可能に挿嵌するスライド金具2と、該スライド金具2の表面上に沿って適宜間隔を置いて取り付け固定する保持片3とからなる。
【0014】
上記アルマイト加工装置の金属製ベルトbは薄く圧延したチタン合金を所定の幅にて裁断してなる無端状の帯体である。この金属製ベルトbの表面には、保持具Aのガイド金具1を同金属製ベルトbの長さ方向に適宜な間隔にて取り付け固定し並設しせめてある。尚、本実施例におけるガイド金具1は金属製ベルトbの表面に対してスポット溶接して固定せしめることにより金属製ベルトbと一体になるように固定している。また、ガイド金具1は金属製ベルトbの幅方向へ延びるように配置してある(図1)。
【0015】
上記した如く金属製ベルトbに取り付け固定するガイド金具1は、チタン合金からなる長方形の板材(例えば板厚08mm)の両側部を内側に向けて断面略V形に屈曲成形し、その屈曲部の内側にガイド縁11を形成し、このガイド縁11相互が並行するように構成してある(図2,図3)。尚、この実施例の場合、上記ガイド縁11を挟む屈曲部の内角が略60゜となるように設定してある。
また、上記ガイド金具の両側縁部の屈曲部に沿って適宜な間隔をおいて平面視略円弧型となる液はけ孔12を切欠形成してある。この液はけ孔12は、ガイド金具1の両側部を屈曲させる前に丸孔として穿孔し、両側部の屈曲により平面視略円弧形となるように構成してある。また、この液はけ孔12は上記ガイド縁11に沿って穿設することにより良好な液はけ性を発揮する。
【0016】
次に、上記した如く金属製ベルトbに固定されるガイド金具1の内部に抜き差し可能に嵌装するスライド金具2について説明する。
スライド金具2は、上記ガイド金具1と略同じ長さの長方形で且つ比較的板厚の薄いチタン合金板(例えば板厚0.4mm)を屈曲形成してなる。ガイド金具1は、中央部に所定幅の表面部20を平面的に形成し、その両側部を真下に向けて略直角に屈曲して立面21を形成する。さらにスライド金具2は上記立面21の下部から外側へ向けて断面略く型に屈曲せしめ、その屈曲部2bから斜め下方へ延出する斜片23を形成してある。これにより、上記した立面21と斜片23とから成る一対の弾性片2aをスライド金具2の両側に沿って形成してある。
【0017】
また、上記した弾性当接片2aに沿って切欠部2cを一定の間隔を置いて切欠形成し、これにより長く一枚状であった弾性当接片2aを適宜枚数、例えば8枚程度の部分片24が一列に並列するように構成する。このように、一枚の長い片であった当接片2aを複数に分割して部分片24が並列するように構成してある。
部分片24は各切欠部2cにより分割することで、弾性変形が生じ易くなり柔軟となる。また、各部分片24は立面21と斜片23との屈曲部22,25が弾性的に屈曲変形するようになり、これに伴ってスライド金具2の短辺方向へ向けて適度に弾性変形することになる。尚、上記した部分片24は斜辺23の角部を丸く成形すると、スライド金具2をガイド金具1内に嵌挿する際に生じる引っ掛かり防止してスライド金具2の挿入をより円滑にできるようになる。
【0018】
尚、上記したスライド金具2の幅は、ガイド金具1内で並行に対面する両ガイド縁11同士の間隔よりも若干幅広くなるように設定してある。よって両側部の当接片2aを構成する各部分片24が内側へ向けて弾性的に押し付けられて、幅方向へ押圧されることにより幅が縮小し、上記ガイド金具1内の一端から挿入して、短辺方向に弾性圧縮する形でガイド金具1内部にスライドしながら嵌挿できるように構成してある。
ガイド金具1内のガイド縁11間に嵌挿されたスライド金具2は、両側の各部分片24の先端縁が同ガイド縁11に対して圧接される。この圧接力の作用により、アルマイト加工装置の作動中に生じる負荷や振動によってガイド金具1内から脱落することを確実に防止することが可能となる。ちなみにガイド金具1内にスライド金具2を嵌挿、引き抜きするこの作業は不慣れな作業者でも円滑に行なうことができる。
【0019】
次に、上記スライド金具2の表面部20に並列した状態で設置する保持片3について説明する。保持片3は、例えば口紅のケース等のように、パイプ型、筒型の製品cを嵌挿して保持するものである(図3−b)。また、保持片3は細帯状のチタン合金からなる細帯板(例えば板厚0.4mm)からなり、その基端部31をスライド金具2の表面部20上にスポット溶接等により固着してある。
保持片3は略逆U形に屈曲し、その一端を基端31部位として、上記した如くスライド金具2の表面部20に固着し、同基端部31から略垂直に立ち上がる立ち上がり部32を形成してある。
【0020】
立ち上がり部32の上部には略クランク形に屈曲する屈曲部33を形成し、さらに上方に延びる接触部34を略直線的に形成してある。接触部34の上端部39にて折り返すように屈曲し、この屈曲部を同保持片3の先端部とする。
屈曲部39から下へ向けて直線的に延びる接触部35を形成する。
保持片3の接触部35は上記した接触部34と一対となり、パイプ状製品cの内周面に圧着され、保持力を得る。上記接触部35の下端部は内側、即ち保持片3の中央側(基端側)へ向けて幾分屈曲せしめ、その屈曲部36から所定長さの逃げ部37を形成する。保持片3の先端(他端部)となる逃げ部37の下端には断面略半円弧形の押し圧部38を形成し、同保持片3の先端部を内側に曲げるように弾性変形させる場合の指載せ部とする。
【0021】
上記した保持片3先端の屈曲部39は適宜な間隔を置いて2段階に屈曲せしめてある。即ち屈曲部39a,39bである。保持片3の先端部をこのように形成することにより、製品c内面に接触する接触部34,35をできるだけ自然な形で製品cの内面に当接するように工夫してある。
また、上記した保持片3の幅方向の中央部分に沿って表面側に突出する突条30をブレス成形し、保持片3の補強と共に、製品c内面との間に残り易い薬液の液はけを考慮している。
【0022】
上記した如く構成した保持片3は、負荷の加わらない通常状態において先端部が大きく拡がった状態を維持する。同片先端部からパイプもしは筒状の製品cを被嵌した際に、内側から外側へ向けて弾性的な反発力が生じ、上記接触部34,35が製品cの内面に安定した状態で押圧して製品cを確実に保持する。この際、保持片の両接触部34,35は略並行状態を保って製品cの内周面に長い範囲で接触するので保持状態における製品cの安定性もよい。このような作用は、保持片3先端の屈曲部39を屈曲部39aと39bとに分け、両屈曲部39a,39bの間に適度な距離を設けることにより、製品cを装着した際に両接触部34,35が略並行に保たれて製品cの内面に出来るだけぴったりと接触せしめ、上記した如き効果を奏する。
【0023】
以上のように構成した保持片3は、基端部31をスライド金具2の表面部20に沿って適宜な間隔をおいて取り付け固定する。本実施例の場合基端部31と表面部20とをスポット溶接することにより固定してある。また、各保持片3は先端を側方へ向けた状態で揃えて並列する。上記したように保持片3の表面に沿って並設する保持片3同士の間隔は、各保持片3に被嵌した製品c同士が作業中に触れない程度に設定する。
【0024】
上記した如く構成した保持片3付きのスライド金具2をアルマイト加工装置の金属製ベルトbに取り付け固定したガイド金具1に装着する際には、スライド金具2の一端をベルトb上のガイド金具1の一端部に側方から差し込む。この際各部分片24を斜辺23を内側へ向けて押圧した状態で差し込み、その幅が狭くなるように弾性変形させる。
そして、スライド金具2の両部分片24の先端をガイド金具1内の両ガイド縁11間に圧入した状態とし、そのまま押し込むことにより、スライド金具2の各部分片24が順次弾性変形してガイド金具1内に沿って嵌挿され、その全長が前部挿入した状態で装着完了である。
実際の作業では上記したように金属製ベルトbの表面部20にガイド金具1が連続して配置されるため、作業者はこれらのガイド金具1に上記した如く順番に嵌挿していく。
【0025】
各保持片3に製品cを装着する際には、製品cの開口部同保持片3先端部に被嵌し、先端側の接触部35の弾性に抗しながらそのまま保持片3の下まで嵌挿してもよい。しかし、製品cの開口部の縁に傷がつくのを防止する必要がある場合には、保持片3先端に設けた押し圧部38を指で押した状態で製品cの嵌挿,取り外しを行なうとよい。
上記した如くアルマイト加工装置の金属製ベルトbに装着した各スライド金具2、及びそれに装着した沢山の製品cは上記金属製ベルトbの上に載った状態で波状の経路に沿って移動し、その間に薬液で満たされた薬液槽や洗浄槽等の中を順次通過して浸漬させ、アルマイト処理の工程を進めていく。その際、薬液槽や洗浄水の中に浸漬され、さらに引き揚げられるが、例えば薬液槽に浸漬した製品cを引き揚げた際に、保持片3と製品c,ガイド金具1とスライド金具2との間、や接触部位に残留している状態では綺麗なアルマイト加工はできず、斑やはじかれる部分が露呈して不良品となる。
【0026】
しかし、本発明の保持片3は、ガイド金具1の液はけ孔12、スライド金具2の切欠部2c、保持金片3の突条30,逃げ部37等により良好な液はけ効果を発揮するので、薬液の残留により不良品がでる確率を低減することができる。
そして、アルマイト加工が施された製品cは、各保持片3に嵌挿された状態から引き抜いて回収する。また、この際にも保持片3先端の押し圧部38を押し付けることにより、よりスムースに保持片3から製品cを引き抜くことができる。
上記したようにガイド金具1に嵌挿されるスライド金具2を取り外す際には、スライド金具2の端部を手で掴んで引き抜いてもよいが、ペンチや専用工具を用いてスライド金具2の端部を掴持し、そのまま水平に引き抜くのが一番簡単である。
また、アルマイト加工をする製品の形状や内径、長さ等が変わったばあいは、それ用に成形した保持片を具備するスライド金具を用意し、これを上記した場合と同様にガイド金具1内に嵌装することになる。
【0027】
尚、上記した実施例のスライド金具2は一枚状の当接片2aに切欠部2cを入れることにより多数の部分片24に分割したが、本発明の主旨によれば、上記当接片は切欠部2cを入れる前のように、一枚状に形成したままでもよい。
また、上記した保持金具Aは、ガイド金具1,スライド金具,保持片3を全てチタン合金にて形成したが、これらの部品はアルミを用いて構成してもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上の如く構成したものであるから、アルマイト加工装置を用いて作業している際に、アルマイト加工する製品を交換する必要が生じた際に、既に装着されているスライド金具を駆動ベルトに取り付け固定したガイド金具から引き抜いて、新たなスライド金具を同ガイド金具の一端から嵌挿するだけでスライド金具の交換作業を至極簡単に行なうことができる。
また、一度嵌装したスライド金具は、弾性当接片がガイド金具のガイド縁に対,して弾性的に当接して保持力を発揮するので、作業中に加わる負荷によってガイド金具から外れてしまうような不具合を確実に防止することができる。
そして、上記した如くガイド金具の表面に取り付け支持する保持片は、先端部を基端へ向けて押圧することにより、同保持片の対向部同士の間隔を弾性的に可変することができ、保持片の嵌装と引き抜きをスムースに行なうことができる。特に上記保持片の外側にパイプ形の製品を嵌装すると、保持片は弾性的に反発し、パイプ製品の内面に圧着して同製品を確実に保持することができる。
【0029】
請求項2記載のアルマイト加工製品の保持具は、弾性当接片を長さ方向に沿って所定の間隔を置いて切欠し、一枚状の弾性当接片を複数の部分片が並列した形態と成すものであるから、スライド金具をガイド金具の内部に嵌挿する際に個々の部分片が別々に弾性変形するようになる。その結果、スライド金具をガイド金具内に嵌挿する作業、及びガイド金具内からスライド金具を引き抜く作業を円滑に行なうことができる。
さらに、部分片同士の間に形成される切欠部は、薬液を抜く際の流路となるので、薬液槽から品物を引き揚げる際に、薬液がスライド金具の内側から流れ出て残ることなく排出することができる。よって、薬液の残留により製品の表面にむらが生じるような不具合を防止できる。
【0030】
請求項3記載のアルマイト加工製品の保持具は、上記ガイド金具の両側縁部に液はけ孔を切欠形成して成るので、鋭角に屈曲して薬液の溜り易い部分から薬液を残ることなく排出せしめ、薬液の残留により製品の表面にむらが出るような不具合を回避し得る。
【0031】
請求項4記載のアルマイト加工製品の保持具は、保持片の先端部に形成した押し圧部を指で押すことにより同保持片の先端側が基端側へ押されて対向部同士の間隔を弾性力に抗して可変することにより製品の抜き差しを簡単に行なうことができる。
また、上記押し圧部から上方に保持片木端部側へ向けて屈曲する逃げ部を設けてあるので、保持片にパイプ状の製品を被嵌させた状態において上記逃げ部が製品の下側開口部付近に接触することを防止できる。その結果、製品開口部の口縁内側に保持片が接触するとにより不自然な模様ができるような不具合を回避することができる。
【0032】
請求項5記載のアルマイト加工の保持具は、上記保持片の表面に沿って突出する突条を形成したものであるから、保持片とパイプ状製品内面との接触が略線接触となり、薬液槽から製品引き揚げ時における液はけを向上し、且つ保持片を補強して良好な弾力性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施したアルマイト加工製品の保持具の装着状態を示す斜視図。
【図2】 ガイド金具,スライド金具,保持片,製品を示す分解斜図。
【図3】 同保持具の重断面図であり、(a)は保持が開いた状態、(b)は製品を被嵌した状態を示す。
【図4】 図3(b)のIV-IV 線断面図。
【図5】 従来の手動式ホルダを示す斜視図。
【図6】 従来の保持具を示す斜視図。
【符号の説明】
A・・・保持具
b・・・金属製ベルト(アルマイト加工装置)
c・・・製品(パイプや筒状の製品)
1・・・ガイド金具
2・・・スライド金具
2a・・・当接片
2c・・・切欠部
3・・・保持片
11・・・ガイド縁
12・・・液はけ孔
20・・・表面部
24・・・部分片
30・・・突条
31・・・基端部
37・・・逃げ部
38・・・押し圧部
39(39a,39b)・・・屈曲部
Claims (5)
- アルマイト加工装置が具備する無端状駆動ベルトに装着する略板状のガイド金具と、このガイド金具に嵌挿するスライド金具と、該スライド金具に沿って適宜な間隔を置いて取り付け固定する保持片とから成り、上記ガイド金具の両側縁を内側へ向けて各々鋭角状に折り曲げ、その折り曲げ部の内側屈曲部分にガイド縁を形成して相互の縁を並行と成し、且つ、上記スライド金具は、両側縁部に沿って、外側へ向けて延出する弾性当接片を各々に屈曲成形し、これら弾性当接片の先端縁を、上記ガイド金具の両ガイド縁に対して内側から弾性的に当接せしめた状態にて、同ガイド金具の長さ方向へスライドすることで同スライド金具をガイド金具内に対して抜き差し可能に装着せしめ、上記スライド金具に取り付け固定する保持片は、細帯板を略逆U形に屈曲形成してその折り返し部を突出先端とする形状と成し、その屈曲部を上方に向けて一端の基端をスライド金具の表面に取り付け固定すると共に、他方端は開放状態とし、その開放した他方端側を基端部側へ押圧すことにより、同保持片の対向部同士の間隔を弾性的に可変可能とし、該保持片に対して略管状の製品を嵌入して抜き差し可能に保持せしめるように構成したアルマイト加工製品の保持具。
- 上記スライド金具の両側に形成した弾性当接片の長さ方向に沿って各々適宜な間隔を置いて切欠部を形成し、上記弾性当接片を複数の部分片が並列して成るように構成した請求項1記載のアルマイト加工製品の保持具。
- 上記ガイド金具両側縁部に、液はけ孔を切欠形成して成る請求項1又は2記載のアルマイト加工製品の保持具。
- 各保持片の先端部に断面略半円弧形状に形成した押し圧部を設け、且つ、この押し圧部から上に、同保持片基端部側へ向けて屈曲する所定長さの逃げ部を設けてなる請求項1乃至3記載の何れか一項記載のアルマイト加工製品の保持具。
- 上記保持片の表面に沿って突条をプレス成形してなる請求項1乃至4の何れか一項記載のアルマイト加工製品の保持具。
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