JP3920598B2 - クレーンの過巻防止装置および故障診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、クレーンの過巻防止装置および故障診断装置に関し、特に、タワークレーン等におけるブームおよびジブの過巻、フックの過巻を防止するためのウインチの過巻防止装置および故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
クレーンには、従来より安全を確保するためのさまざまな過巻防止装置が装備されている。クレーンに装備される過巻防止装置には、実開平6−16389号公報に示されているように、ブームの過俯仰を防止するためのブーム過巻防止装置、特開平9−104590号公報に示されているように、ジブの過俯仰を防止するためのジブ過巻防止装置、特開平9−175784号公報に示されているように、フックの過巻き上げ防止するためのフック過巻防止装置がある。
【0003】
過巻防止装置は次のように構成されている。すなわち、ウインチの非過巻時に閉じる接点を有するリミットスイッチを検出器として用い、過巻状態になると、リミットスイッチが開き、リレーコイルが非励磁状態になり、リレー接点が開いて自動停止用の電磁弁への通電停止を行い、自動停止状態になる。その結果、巻上等の操作が停止される。
【0004】
上述の過巻防止装置では、リミットスイッチの配線系統の断線に対しては、自動停止となるので、安全側故障となる。リミットスイッチの配線系統の接地との短絡についても、接地短絡時にはフューズが溶断することで、断線と同じ結果となり、安全側故障になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したような従来の過巻防止装置では、リミットスイッチの配線間の短絡については、フューズが溶断しないので、自動停止となる安全側故障にならない。このような状態が発生する要因としては、次のような場合が考えられる。
【0006】
(1)リミットスイッチへの配線を誤って押しつぶし、線間で短絡接触した場合。
(2)リミットスイッチ内部に雨水等が浸水し、スイッチ内部の端子間で絶縁劣化が発生した場合。
(3)リミットスイッチへの配線に使われているコネクタに雨水等が浸水し、コネクタ端子間で絶縁劣化が発生した場合。
(4)リミットスイッチへの配線に傷ができ、配線内の導線部に浸水した水が毛細管現象によってコネクタあるいはリミットスイッチに達し、端子間で絶縁劣化が発生した場合。
【0007】
特に、クローラクレーンのフック過巻やタワークレーンのジブ過巻の場合、次のような悪条件がある。
(1)リミットスイッチへの配線はブーム部分に沿って設けられるので、配線長が長くなり、風雨に曝され、しかも、外力を受けて損傷する危険がある。
(2)リミットスイッチへの配線・コネクタは、クレーンの分解・組立に伴ってユーザが取り扱う必要があり、コネクタの締め忘れによる雨水等の浸水の危険や、配線固定作業の不備により損傷を受ける危険がある。
【0008】
本発明の目的は、断線だけでなく、配線間の短絡やコネクタの絶縁劣化等が発生したときも自動停止となる安全側故障になるフェールセーフ性に優れた過巻防止装置、およびその過巻防止装置の故障診断を行う故障診断装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
実施の形態を示す図面を参照して説明する。
この発明によるクレーンの過巻防止装置は、クレーンに搭載されるウインチと、第1の端子とコモン端子との間を開閉し、ウインチの過巻時に閉じ非過巻時に開く第1の接点bと、第2の端子とコモン端子との間を開閉し、ウインチの非過巻時に閉じ過巻時に開く第2の接点aとを有する一つの過巻検出手段18と、第1の端子に接続される第1の配線40bと、第2の端子に接続される第2の配線40aと、コモン端子をアースに接続する第3の配線40cと、第1の配線40bおよび第2の配線40aが接続され、第1の配線40bおよび第2の配線40aから得られる信号が入力されるとともに、第3の配線40cおよび電源が接続される判定手段50とを備え、判定手段50には、第1の接点bが閉じまたは第1の配線40bが短絡すると第1の信号が入力され、第1の接点bが開または第1の配線40bが断線すると第2の信号が入力され、第2の接点aが閉じまたは第2の配線40aが短絡すると第3の信号が入力され、第2の接点aが開または第2の配線40aが断線すると第4の信号が入力され、判定手段50は、第1の信号、第2の信号、第3の信号および第4の信号の組み合わせにより過巻判定を行い、判定手段50による過巻判定結果に応じてウインチの動作を停止するウインチ停止手段60とを具備することにより上述した目的を達成する。
【0010】
この発明によるクレーンの過巻防止装置で使用する過巻検出手段18は、常開接点と常閉接点とを有するリミットスイッチにより構成することができ、第1の接点bを常閉接点とし、第2の接点aを常開接点とすることを特徴とする。
【0011】
判定手段50は、論理回路等で構成でき、過巻時に閉じ非過巻時に開く接点bに接続される配線40bより得られる信号Yが接点開を示し、且つ非過巻時に閉じ過巻時に開く接点aに接続される配線40aより得られる信号Xが接点閉を示している場合のみウインチの動作を許可する旨の判定を行い、それ以外の場合にはウインチの動作を停止する旨の判定を行うことを特徴とする。
【0012】
また、判定手段50は、過巻時に閉じ非過巻時に開く接点bに接続される配線40bより得られる信号Yと、非過巻時に閉じ過巻時に開く接点aに接続される配線40aより得られる信号Xが、同一の接点開閉状態を示す場合には異常と判定することを特徴とする。例えば、配線間の短絡やコネクタの絶縁劣化により異常と判定する。
【0013】
この発明によるクレーンの過巻防止装置は、さらに、前記第1の接点bに接続される配線40bより得られる信号Yと前記第2の接点aに接続される配線40aより得られる信号Xの組み合わせにより故障診断を行う故障診断手段70を有することを特徴とする。
【0014】
過巻検出手段は、ブームの過巻を検出するもの(17)、ジブの過巻を検出するもの(18)、フックの過巻を検出するもの(19)の何れかとすることができ、ブーム過巻防止、ジブ過巻防止、フック過巻防止を行うことができる。
【0015】
また、この発明による過巻防止装置の故障診断装置は、クレーンに搭載されるウインチと、第1の端子とコモン端子との間を開閉し、ウインチの過巻時に閉じ非過巻時に開く第1の接点bと、第2の端子とコモン端子との間を開閉し、ウインチの非過巻時に閉じ過巻時に開く第2の接点aとを有する一つの過巻検出手段18と、第1の端子に接続される第1の配線40bと、第2の端子に接続される第2の配線40aと、コモン端子をアースに接続する第3の配線40cと、第1の配線40bおよび第2の配線40aが接続され、第1の配線40bおよび第2の配線40aから得られる信号が入力されるとともに、第3の配線40cおよび電源が接続される故障診断手段70とを備え、故障診断手段70には、第1の接点bが閉じまたは第1の配線40bが短絡すると第1の信号が入力され、第1の接点bが開または第1の配線40bが断線すると第2の信号が入力され、第2の接点aが閉じまたは第2の配線40aが短絡すると第3の信号が入力され、第2の接点aが開または第2の配線40aが断線すると第4の信号が入力され、故障診断手段70は、第1の信号、第2の信号、第3の信号および第4の信号の組み合わせにより故障診断を行うことにより上述した目的を達成する。
【0016】
この故障診断装置は、過巻時における前記2つの信号X、Yと非過巻時における前記2つの信号の組み合わせにより多項目に亘る故障診断を行うことができる。
【発明の実施の形態】
まず、この発明による過巻防止装置、故障診断装置が適用されるクレーンの一例として、タワークレーンの概要を図1を参照して説明する。
【0017】
タワークレーンはクレーン本体1を有しており、クレーン本体1にタワーブーム2が起伏可能に軸支され、タワーブーム2の先端にジブ3が軸支されている。クレーン本体1には、タワーブーム起伏用ウインチ4、ジブ起伏用ウインチ5、フック巻上用ウインチ6が設けられている。
【0018】
ペンダントロープ7は、一端をタワーブーム2の先端部に連結され、他端をブライドル装置8を介してタワーブーム起伏用ウインチ4のタワーブーム起伏ロープ9に連結されている。これにより、タワーブーム2はタワーブーム起伏用ウインチ4の駆動によって俯仰動する。
【0019】
タワーブーム2の先端部にはスイングレバー10が回動可能に軸支されている。スイングレバー10は、3角形状をなし、一つの頂角部をペンダントロープ11によってジブ3の先端部と連結され、他の頂角部はペンダントロープ12、ブライドル装置13を介してジブ起伏用ウインチ5のジブ起伏ロープ14に連結されている。スイングレバー10がジブ起伏用ウインチ5によって時計廻り方向、あるいは反時計廻り方向に回動されることにより、ジブ3が俯仰動する。
【0020】
ジブ3の先端にはフック巻上用ウインチ6の巻上ロープ15によって吊り荷用のフック16が吊り下げられている。フック巻上用ウインチ6は、巻上ロープ15の巻取り、巻き戻しを行い、フック16の吊り上げ、吊り下げを行う。
以上が、タワークレーンの一般的な構成である。
【0021】
タワークレーンには、タワーブーム2、ジブ3、フック16の過巻検出を行うリミットスイッチ17、18、19が各部に取り付けられている。リミットスイッチ17はタワーブーム2の俯仰角が所定値に達したことを検出する。リミットスイッチ18はジブ3の俯仰角が所定値に達したことを検出する。リミットスイッチ19は錘20がフック16によって持ち上げられることによりフック16の吊り上げ位置が所定値に達したことを検出する。
【0022】
つぎに、タワークレーンの油圧回路と、この発明による過巻防止装置および故障診断装置を図2を参照して説明する。この発明による過巻防止装置は、ブーム過巻防止装置、ジブ過巻防止装置、フック過巻防止装置の何れにも適用できるものであり、ここでは、その代表として、ジブ過巻防止装置に適用した場合について説明する。
【0023】
ジブ起伏用の油圧回路は、ジブ起伏用ウインチ5を駆動する油圧モータ30と、カウンタバランス弁31と、油圧モータ30の駆動源となる圧油を吐出する油圧ポンプ32と、パイロット圧油によって切換えらる制御弁33と、パイロット操作装置34と、自動停止用の電磁弁35と、パイロット用油圧ポンプ36とを有している。
【0024】
制御弁33は、油圧ポンプ32から吐出される圧油を制御して油圧モータ30の回転方向、速度などを制御する制御弁であり、ジブ3を仰動させる切換位置aと、俯動させる切換位置bと、停止させる中立位置cの3位置に切換えられる。制御弁33は、切換位置a、bにそれぞれ切り換えるパイロット圧油を受ける第1のパイロット室33a、第2のパイロット室33bを有しており、パイロット圧油を与えられない状態では、中立位置cに切り換えられる。
【0025】
パイロット操作装置34は、制御弁33の第1、第2のパイロット室33a、33bに対する圧油の供給、排出および供給圧を制御するものであり、オペレータにより操作される。このパイロット操作装置34は、パイロット用油圧ポンプ36から吐出される圧油を、その操作量に応じて減圧して所定の圧力に制御し、制御弁33の第1、第2のパイロット油室33a、33bに供給する一対の減圧弁34a、34bからなる。
【0026】
電磁弁35は、制御弁33の第1のパイロット室33aとパイロット操作装置34の一方の減圧弁34bとを連絡する管路39に設けられている。電磁弁35は、パイロット操作装置34の一方の減圧弁34bと制御弁33の第1のパイロット室33aとを連通する切換位置dと、減圧弁34bと制御弁33の第1のパイロット室33aとの連通を遮断して第1のパイロット室33aをドレン接続する切換位置eとを有する。電磁弁35は、ソレノイド部35aへ通電されるとバネ力に抗して切換位置dに切り換わり、無通電で切換位置eに復帰する。従って、通電時にはウインチ作動可能になり、無通電時にはウインチ停止状態になる。
【0027】
リミットスイッチ18は、常開接点aと常閉接点bとを有する。接点bは、非過巻時には開いていて、過巻時、換言すれば、ジブ3が所定の上限角度まで回動した時に閉じる。接点aは、非過巻時には閉じていて、過巻時には開く。
【0028】
リミットスイッチ18の各端子は、配線40a、40b、40cによってクレーン本体1に設けられている論理回路50に接続され、リミットスイッチ18の各接点a、bの状態を示すオンオフ信号は、配線40a、40b、40cによって論理回路50に入力される。
【0029】
配線40a、40b、40cは、通常、3線の1本の絶縁被覆ケーブルにより構成される。配線40a、40b、40cは、タワーブーム2に沿って設けられるため、ケーブル長が長く、図には示されていないが、途中に、中継ボックスや接続コネクタが設けられる。
【0030】
論理回路50は、共通の電源29に接続された論理素子51と、プルアップ抵抗52a、52bとを有する。論理回路50は、配線40a、40bの信号状態(H、L)の入力X、Yに応じて図4に示されているような論理により、自動停止信号Sと異常検出信号Eを停止回路60に出力する。論理回路50は、ロジック素子やリレー回路等により構成することができ、マイクロコンピュータ構成の場合にはソフトウェアによって実現することもできる。
【0031】
入力Xは、リミットスイッチ18の接点aが閉あるいは配線40a短絡の場合にL(ローレベル)、リミットスイッチ18の接点aが開あるいは配線40a断線の場合にH(ハイレベル)になる。入力Yは、リミットスイッチ18の接点bが閉あるいは配線40b短絡の場合にL(ローレベル)、リミットスイッチ18の接点bが開あるいは配線40b断線の場合にH(ハイレベル)になる。
【0032】
出力側の自動停止信号Sに関しては、L(ローレベル)でウインチ停止、H(ハイレベル)でウインチ作動可能、異常検出信号Eに関しては、L(ローレベル)で異常表示灯28の消灯、H(ハイレベル)で異常表示灯28の点灯となる。
【0033】
論理回路50は、図4のケース2で示されているように、非過巻時に閉じ過巻時に開く接点aに接続される配線40aより得られる信号(入力X)が接点閉(ローレベル)を示し、且つ過巻時に閉じ非過巻時に開く接点bに接続される配線40bより得られる信号(入力Y)が接点開(ハイレベル)を示している場合のみ、ウインチの動作を許可する旨の判定を行って自動停止信号Sをハイレベル(H)とする。それ以外(ケース1、3、4)の場合には、ウインチの動作を停止する旨の判定を行って自動停止信号Sをローレベル(L)とする。
【0034】
論理回路50は、ケース1、4で示されているように、過巻時に閉じる接点bに接続される配線40bより得られる信号と非過巻時に閉じる接点aに接続される配線40aより得られる信号が接点開閉について同一である場合には、異常検出信号Eをハイレベル(H)出力し、ケース2、3で示されているように、相反する場合には、異常検出信号Eをローレベル(L)出力する。
【0035】
停止回路60は、駆動素子61a、61bと、電磁弁35のソレノイド部35aに対する通電を制御するリレー62とを含み、駆動素子61aに自動停止信号Sを入力し、駆動素子61bに異常検出信号Eを入力する。自動停止信号Sがハイレベル(H)であると、駆動素子61aによってリレーコイル62aを励磁してリレー接点62bを閉じる。この状態では、電磁弁35のソレノイド部35aに通電が行われて電磁弁35が位置dに切り換わり、ウインチ作動可能状態になる。
【0036】
これに対し、自動停止信号Sがローレベル(L)であると、駆動素子61aによるリレーコイル62aの励磁が取り止められて消磁し、リレー接点62bを開く。この状態では、電磁弁35のソレノイド部35aに対する通電が停止されて電磁弁35が位置eに復帰し、ウインチ停止状態になる。
【0037】
上述したように、自動停止信号Sがハイレベル(H)となるのは、非過巻時に閉じる接点aに接続される配線40aより得られる信号(入力X)が接点閉(L)を示し、且つ、過巻時に閉じる接点bに接続される配線40bより得られる信号(入力Y)が接点開(H)を示している場合のみである。それ以外の場合には、自動停止信号Sはローレベル(L)出力であるから、正常時はもとより、配線断線(ケース4)、配線間短絡(ケース1)の異常時にも、自動停止となる安全側故障になり、優れたフェールセーフ性が得られる。
【0038】
異常検出信号Eがローレベルであると、駆動素子61bによる異常表示灯28の点灯が行われず、異常検出信号Eがハイレベルであると、駆動素子61bによって異常表示灯28が点灯する。これにより、配線断線(ケース4)、配線間短絡(ケース1)の異常発生をオペレータに迅速に知らせることができる。
【0039】
論理回路50の入力X、Yと同等の信号は、故障診断装置70にも入力される。故障診断装置70は、マイクロコンピュータにより構成され、過巻時における入力X、Yと、非過巻時における入力X、Yの組み合わせによる論理演算によって、図5に示されているように、故障診断を行う。
【0040】
図5より、全ての故障モードにおいて、過巻状態では、自動停止(出力Sが“L”)になることがわかる。故障なしの場合には、異常表示ランプ28は常に消灯(出力Eが“L”)するが、故障がある場合には、非過巻あるいは過巻状態あるいはその何れでも異常表示ランプ28が点灯(出力Eが“H”)し、異常があることをオペレータに知らせることができる。
【0041】
故障診断装置70には、キー入力部71と、CRT、LCD等による表示器72が接続され、故障診断モードでは、表示器72によるメッセージ表示によりインターラクティブに故障診断を実行することができる。この故障診断を図3に示されているフローチャートを参照して説明する。
【0042】
(1)X=L、Y=Hの場合(ステップS101肯定)
非過巻と同じ状態なので、「過巻状態にしてください」というメッセージ出力を行い(ステップS102)、表示器72にメッセージ表示を行う。この後、信号入力(X、Y)の変化を監視する(ステップS103〜ステップS105)。
【0043】
これは、オペレータ操作によって非過巻状態から過巻状態へ移行したことに伴う入力状態の変化を監視して故障判定を行うことを意味する。ステップS103が肯定されてX=L、Y=Lであれば、「a側が短絡しています」、ステップS104が肯定されてX=H、Y=Hであれば、「b側が断線しています」、ステップS105が肯定されてX=H、Y=Lであれば、「過巻は正常です」のメッセージ出力を行い(ステップS106〜ステップS108)、表示器72にメッセージ表示を行う。
【0044】
入力状態が変化しない場合には(ステップS103〜ステップS105否定)、「過巻状態ですか」というメッセージ出力を行い(ステップS109)、表示器72にメッセージ表示を行う。オペレータによるキー入力部73のキー入力操作により、オペレータから「はい」というキー入力があった場合には(ステップS110肯定)、「スイッチが変化しません」というメッセージ出力を行い(ステップS111)、表示器72にメッセージ表示を行う。
【0045】
(2)X=H、Y=Hの場合(ステップS101否定、ステップS112肯定)
何らかの断線状態なので、「断線が発生しています。過巻状態にしてください」というメッセージ出力を行い(ステップS113)、表示器72にメッセージ表示を行う。この後、信号入力(X、Y)の変化を監視し(ステップS114)、故障判定を行う。ステップS114が肯定されてX=H、Y=Lであれば、「a側が断線しています」のメッセージ出力を行い(ステップS115)、表示器72にメッセージ表示を行う。
【0046】
ステップS114が否定されて入力状態が変化しない場合には、「過巻状態ですか」というメッセージ出力を行い(ステップS116)、表示器72にメッセージ表示を行う。オペレータによるキー入力部73のキー入力操作により、オペレータから「はい」というキー入力があった場合には(ステップS117肯定)、「aとb側またはc側が断線しています」というメッセージ出力を行い(ステップS118)、表示器72にメッセージ表示を行う。
【0047】
(3)X=L、Y=Lの場合(ステップS101,S112否定、ステップS119肯定)
何らかの短絡状態なので、「短絡が発生しています。過巻状態にしてください」というメッセーを出力を行い(ステップS120)、表示器72にメッセージ表示を行う。この後、信号入力(X、Y)の変化を監視し(ステップS121)、故障判定を行う。ステップS121が肯定されてX=H、Y=Lであれば、「b側が短絡しています」のメッセージ出力を行い(ステップS122)、表示器72にメッセージ表示を行う。
【0048】
ステップS121が否定されて入力状態が変化しない場合には、「過巻状態ですか」というメッセージ出力を行い(ステップS123)、表示器72にメッセージ表示を行う。オペレータによるキー入力部73のキー入力操作により、オペレータから「はい」というキー入力があった場合には(ステップS124肯定)、「aとb側が短絡しています」というメッセージ出力を行い(ステップS1125)、表示器72にメッセージ表示を行う。
【0049】
(4)上記以外、すなわち、X=H、Y=Lの場合(ステップS101,S112,S119否定)
過巻と同じ状態なので、「スイッチが過巻状態です」というメッセージ出力を行い(ステップS126)、表示器72にメッセージ表示を行う。つぎに、「非過巻状態ですか」というメッセージ出力を行い(ステップS127)、表示器72にメッセージ表示を行う。
【0050】
オペレータによるキー入力部73のキー入力操作により、オペレータから「はい」というキー入力があった場合には(ステップS128肯定)、「スイッチが変化しません」というメッセージ出力を行い(ステップS129)、表示器72にメッセージ表示を行う。
【0051】
以上の故障診断における故障モードと入力信号の状態と故障診断メッセージの関係を、入力信号の状態で分類し整理すると、図6に示されているようになる。
【0052】
以上のように、過巻配線の短絡・断線状態や、過巻スイッチの作動状態について、詳細なメッセージを出力できるので、始業前点検や、作業中にも容易に過巻防止装置の故障部位を見つけることができ、安全性の向上および予防保全が可能になる。
【0053】
以上の説明では、リミットスイッチ18を過巻検出手段とするジブ過巻防止について述べたが、この発明による過巻防止装置、故障診断装置は、リミットスイッチ17を過巻検出手段とするブーム過巻防止、リミットスイッチ19を過巻検出手段とするフック過巻防止にも同様に適用できる。
【0054】
以上の実施の形態と請求項との対応において、リミットスイッチ18が過巻検出手段を、接点bが第1の接点を、接点aが第2の接点を、論理回路50が判定手段を、停止回路60がウィンチ停止手段を、さらに故障診断装置70が故障診断手段を構成する。
【0055】
【発明の効果】
この発明によれば、過巻検出手段の第1の接点に接続される配線より得られる信号と過巻検出手段の第2の接点に接続される配線より得られる信号の組み合わせにより過巻判定を行うので、正常時はもとより、配線断線、配線間短絡の異常時にも、自動停止となる安全側故障になり、優れたフェールセーフ性が得られる。
さらに、この発明によれば、過巻配線の短絡・断線状態や、過巻スイッチの作動状態についての詳細な故障診断を行うことができ、始業前点検や、作業中にも容易に過巻防止装置の故障部位を見つけることができ、安全性の向上および予防保全が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態による過巻防止装置、故障診断装置が適用されるタワークレーンの概要を示す全体構成図。
【図2】 ジブ起伏用の油圧回路と本発明によるクレーンの過巻防止装置および故障診断装置の一つの実施の形態を示す回路図。
【図3】 本発明によるクレーンの過巻防止装置および故障診断装置における故障診断の動作フローを示すフローチャート。
【図4】 論理回路50における配線40a、40bの信号状態の入力X、Yと自動停止信号Sおよび異常検出信号Eの出力との関係を示す図。
【図5】 故障診断装置70における故障診断の論理と、それに応じた故障モードを示す図。
【図6】 故障モードと故障診断メッセージとの関係を示す図。
【符号の説明】
1:クレーン本体
2:タワーブーム
3:ジブ
4:タワーブーム起伏用ウインチ
5:ジブ起伏用ウインチ
6:フック巻上用ウインチ
16:フック
17、18、19:リミットスイッチ
28:異常表示灯
30:油圧モータ
33:制御弁
34:パイロット操作装置
35:自動停止用の電磁弁
40a、40b、40c:配線
50:論理回路
60:停止回路
Claims (10)
- クレーンに搭載されるウインチと、
第1の端子とコモン端子との間を開閉し、前記ウインチの過巻時に閉じ非過巻時に開く第1の接点と、第2の端子と前記コモン端子との間を開閉し、前記ウインチの非過巻時に閉じ過巻時に開く第2の接点とを有する一つの過巻検出手段と、
前記第1の端子に接続される第1の配線と、
前記第2の端子に接続される第2の配線と、
前記コモン端子をアースに接続する第3の配線と、
前記第1の配線および前記第2の配線が接続され、前記第1の配線および前記第2の配線から得られる信号が入力されるとともに、前記第3の配線および電源が接続される判定手段とを備え、
前記判定手段には、前記第1の接点が閉じまたは前記第1の配線が短絡すると第1の信号が入力され、前記第1の接点が開または前記第1の配線が断線すると第2の信号が入力され、前記第2の接点が閉じまたは前記第2の配線が短絡すると第3の信号が入力され、前記第2の接点が開または前記第2の配線が断線すると第4の信号が入力され、前記判定手段は、前記第1の信号、前記第2の信号、前記第3の信号および前記第4の信号の組み合わせにより過巻判定を行い、
前記判定手段により過巻が判定されると前記ウインチの動作を停止するウインチ停止手段をさらに備えることを特徴とするクレーンの過巻防止装置。 - 前記過巻検出手段は、常開接点と常閉接点とを有するリミットスイッチにより構成され、前記第1の接点が常開接点であり、前記第2の接点が常閉接点であることを特徴とする請求項1記載のクレーンの過巻防止装置。
- 前記判定手段は、過巻時に閉じる前記第1の接点に接続される前記第1の配線より得られる信号が接点開である前記第2の信号を示し、且つ非過巻時に閉じる前記第2の接点に接続される前記第2の配線より得られる信号が接点閉である前記第3の信号を示している場合のみ前記ウインチの動作を許可する旨の判定を行い、それ以外の場合には前記ウインチの動作を停止する旨の判定を行うことを特徴とする請求項1または2記載のクレーンの過巻防止装置。
- 前記判定手段は、過巻時に閉じる前記第1の接点に接続される前記第1の配線より得られる前記第1の信号および前記第2の信号と、非過巻時に閉じる前記第2の接点に接続される前記第2の配線より得られる前記第3の信号および前記第4の信号が、同一の接点開閉状態を示す場合には異常と判定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のクレーンの過巻防止装置。
- 前記第1の接点に接続される前記第1の配線より得られる前記第1の信号および前記第2の信号と前記第2の接点に接続される前記第2の配線より得られる前記第3の信号および前記第4の信号の組み合わせにより故障診断を行う故障診断手段を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のクレーンの過巻防止装置。
- 前記過巻検出手段がブームの過巻を検出することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載のクレーンの過巻防止装置。
- 前記過巻検出手段がジブの過巻を検出することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載のクレーンの過巻防止装置。
- 前記過巻検出手段がフックの過巻を検出することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載のクレーンの過巻防止装置。
- クレーンに搭載されるウインチと、
第1の端子とコモン端子との間を開閉し、前記ウインチの過巻時に閉じ非過巻時に開く第1の接点と、第2の端子と前記コモン端子との間を開閉し、前記ウインチの非過巻時に閉じ過巻時に開く第2の接点とを有する一つの過巻検出手段と、
前記第1の端子に接続される第1の配線と、
前記第2の端子に接続される第2の配線と、
前記コモン端子をアースに接続する第3の配線と、
前記第1の配線および前記第2の配線が接続され、前記第1の配線および前記第2の配線から得られる信号が入力されるとともに、前記第3の配線および電源が接続される故障診断手段とを備え、
前記故障診断手段には、前記第1の接点が閉じまたは前記第1の配線が短絡すると第1の信号が入力され、前記第1の接点が開または前記第1の配線が断線すると第2の信号が入力され、前記第2の接点が閉じまたは前記第2の配線が短絡すると第3の信号が入力され、前記第2の接点が開または前記第2の配線が断線すると第4の信号が入力され、
前記故障診断手段は、前記第1の信号、前記第2の信号、前記第3の信号および前記第4の信号の組み合わせにより故障診断を行うことを特徴とする過巻防止装置の故障診断装置。 - 前記故障診断手段は、過巻時における前記第1の信号、前記第2の信号、前記第3の信号および前記第4の信号と非過巻時における前記第1の信号、前記第2の信号、前記第3の信号および前記第4の信号の組み合わせにより故障診断を行う請求項9記載の過巻防止装置の故障診断装置。
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