JP3920036B2 - 高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高アスペクト比な貫孔部を高密度に有する工業用部品の製造方法に関し、更に詳細には、打抜後の取扱により変形する軟性の材料を使用した場合において、所定の厚さの工業用部品に、薄い板状材料に孔部を開ける場合の精度と同等な高い精度で、高アスペクト比な貫孔部を数多く形成する、工業用部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工業生産される全ての製品に共通した要求は、より安く、より軽く、より小さくであり、特に電子回路を数多く搭載した工業製品では、小さいことが付加価値となるために、それを支える実装化技術の発展には目覚ましいものがある。その発展の中で電子部品が載る配線基板においては、冷却効果を考慮し高い信頼性を確保しながら、より高密度な回路形成が可能なように、小さな貫孔部が正確に精度よく製作されている必要がある。又、その他にもインクジェットプリンターのインク吐出部では、配線基板以上に小さな貫孔部が高精度に開いていることが要求される等、工業用部品において小さな貫孔部を高精度に開ける技術は、必要不可欠なものである。
【0003】
最近は、より高密度化が進み、材料基板の一定面積の中により多くの小さな貫孔部を開けることが必要で、必然的にその貫孔部は、小さく深い、言い換えれば貫孔部の直径が小さく軸長が長い、即ち、高アスペクト比なものとなり、高い精度でそれら貫孔部を形成することが要求されている。一般にアスペクト比とは、貫孔部が円筒形の場合に、その直径と軸長の比をいい、貫孔部が円筒形でない場合には、貫孔部の開口面において縁から対向する縁への最短距離と軸長との比をいう。ここで縁から対向する縁への最短距離とは、図5(a)、図5(b)に示す最短距離Sのことである。即ち、高アスペクト比な貫孔部とは、直径又は孔の最短距離に比べて軸長の長い、細長い孔のことをいう。
【0004】
このような板状材料に小さな貫孔部を多く開ける従来の方法の1つとして、打抜金型による孔加工が挙げられる。パンチとダイを用いて、工業用部品としての所定の厚さの板状材料を一度に打抜方法である。この方法では、最初から厚い板状材料を打抜対象としていて、パンチとダイの隙間であるクリアランスが多く必要となり、精度が悪いという問題を抱えている。又、打抜時に、薄い板状材料の場合よりも大きな剪断力がかかり、貫孔部の密度が大きい場合には特にダイにも孔が数多く必要であるため、その大きな剪断力にダイの強度が耐えられず、剛性不足により変形し、更には破損するという問題も生じる。
【0005】
図3は、打抜金型による貫孔部開口を示す図である。図3(a)に示すように、パンチ10がダイ12上に置かれた板状材料13を、パンチ10とダイ12との隙間であるクリアランス16を設けて打ち抜くと、一般に、パンチ10とダイ12のそれぞれのエッジ14からクラック15が発生する。このクラック15はクリアランス16の範囲で発生し、貫孔部の精度はそのクリアランス16の範囲の中でばらつく。その結果、一般に打抜金型による貫孔部開口方法では、打抜後の板状材料の貫孔部の断面形状は、図3(b)に示すような打抜方向に対して拡がったテーパ状になる。
【0006】
打抜金型に必要なクリアランス16は、日刊工業新聞社発行の基本機械工作(I)によれば、薄板の場合で板厚の4〜12%、厚板の場合で板厚の18〜26%であり、板厚が厚くなるほど大きくなる。即ち、上記したように、厚い板状材料では貫孔部の精度は低下する。従って、打抜方向出口側の直径の寸法がばらついてしまい、高アスペクト比な小さい貫孔部を高密度に開ける方法には適さない。
【0007】
この打抜金型による孔加工を改善した方法として、薄い板状材料を打抜対象とし、打ち抜いた後に板状材料を移動して積み重ね、所定の厚さの工業用部品を得る方法がある。この方法では、一度に打ち抜く材料の板厚は薄いため、打抜毎の一枚の板状材料における孔部の精度は良好で、又、パンチとダイによる剪断力も小さくて済むため、高密度に孔部を開けられる。しかしながら、板状材料を移動するための治具や、積み重ねるスペースが必要で、且つ工程が増えて生産効率が下がり、高コストとなる問題がある。又、正確に積み重ねるためにガイドピンが必要となり、工業用部品の中に必要な孔部以外の孔を開けるという無駄も生じる。更には、打ち抜いた後に変形するような軟性の材料では、移動して積み重ねる間に孔部にズレが生じ、積み重ねて所定の厚さの工業用部品になると、貫孔部の精度が低下するといった問題が生じ、やはり、高アスペクト比な小さい貫孔部を高密度に開ける方法には適さない。
【0008】
従来の方法として、打抜金型によらないレーザーによる孔加工がある。レーザー光線による加工であり、ビーム光をレンズで集光して対象材料にあてて加工する方法である。このレーザー加工では、基本原理である集光方法そのものによって、貫孔部がビーム光の進行方向に向かって絞られるテーパ状となってしまい、高アスペクト比では精度が悪いという根本的な問題がある。
【0009】
図4は、レーザー加工による貫孔部開口を示す図である。図4(a)に示すように、レーザー加工機において、平行ビーム光17が集光レンズ18を通って、焦点距離20の場所に集光し加工される。焦点からずれるほどレーザー光幅19は広くなり、加工される貫孔部の直径は大きくなる。従って、板状材料の板厚が厚いほどに、ビーム光の進行方向出口側の孔加工を施しているときの、ビーム光の進行方向入口側に開く貫孔部の直径は大きくなる。その結果、図4(b)に示すような絞りテーパ状の貫孔部が形成されてしまう。
【0010】
又、レーザー加工では熱エネルギーを用いているので、この熱の影響により加工対象となる板状材料が変形し、変質層が形成され、これらにより貫孔部の直径がばらつくといった別の問題も生じる。この問題でも厚い板状材料ほど多くのレーザー光線量、即ち熱エネルギーが必要となるため、板状材料の板厚が厚いほどに貫孔部の精度が低下する。従って、レーザー加工も、高アスペクト比な小さい貫孔部を高密度に開ける方法としては適しているといえない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、電子部品を中心として工業分野での実装化技術はより高密度化してきていて、微細化した貫孔部を、高密度に開けることが要求される工業用部品においては、孔加工後の取扱によって、変形を生じるような寸法若しくは形状の軟質材料を用いた場合でも、より高アスペクト比な貫孔部を、破損の生じないように安全に、より高精度に形成する方法が求められているが、適切な方法が提案されていなかった。
【0012】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは従来技術の問題を解決するところにあり、変形の可能性がある柔らかな材料を使用した場合においても、直径が例えば100μm以下と細く、直径に比べ軸長が一定比率以上の長さを有する微細な貫孔部を、一枚の薄い板状材料に孔部を開ける精度と同等な高い精度で、ほぼ真っ直ぐに開口することが出来、それによって数多くの高アスペクト比な小さい貫孔部を有した所定の厚さの工業用部品を提供し、電子機器を主とする工業用部品の実装化技術において、より一層の高密度化に寄与することにある。
【0013】
本発明者らは、打抜金型による板状材料への孔加工手段、及び製造工程につき種々検討した結果、パンチとダイを用いた金型打抜方法において、パンチにより板状材料に孔部を開けた後に、パンチを孔部から抜かない状態で板状材料をストリッパーに密着させて持ち上げ、ダイより引き上げたパンチを、孔部の最下部より僅かに引き込むように戻し、次の板状材料も同様にして、パンチにより孔部を開けた後に、パンチを孔部から抜かない状態で前の板状材料の下部に重ねるように密着させて持ち上げ、ダイより引き上げたパンチを、持ち上げた板状材料の孔部の最下部より僅かに引き込むように戻す。これを繰り返して、パンチとダイの装置内において、孔の開いた板状材料を複数積層するといった製造方法により、上記の目的を達成出来ることを見出した。
【0014】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明によれば、パンチとダイを用いた、高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法であって、パンチにより、第一の板状材料に第一の孔部を開ける第一の工程と、第一の板状材料をストリッパーに密着させて引き上げる第二の工程と、孔部からパンチを抜かない状態で、パンチの先端部が引き上げた第一の板状材料の最下部より僅かに引き込む程度にパンチを引き上げる第三の工程と、パンチにより、第二の板状材料に第二の孔部を開ける第四の工程と、第二の板状材料を第一の板状材料に密着させて引き上げる第五の工程と、パンチの先端部が引き上げた第二の板状材料の最下部より僅かに引き込む程度にパンチを引き上げる第六の工程を含み、以降、複数枚の板状材料を、第四の工程から第六の工程を繰り返して接着させて積層することを特徴とする高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法が提供される。
【0015】
第四の工程から第六の工程を繰り返し、所望枚数の板状材料を積層した後には、即ち、打ち抜き完了し板状材料を打抜金型内から取り外す際には、積層された板状材料が引き上げられている状態において、ワーク受け治具をダイ上に挿入し、積層された板状材料をワーク受け治具上に移載することが好ましい。
【0016】
本発明の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法においては、第二の工程と第三の工程の間において、パンチの先端部が、引き上げた第一の板状材料の最下部より僅かに飛び出た状態において、第一の板状材料の第一の孔部のカス取りを行う工程と、及び、第五の工程と第六の工程の間において、パンチの先端部が、引き上げた第二の板状材料の最下部より僅かに飛び出た状態において、第二の板状材料の第二の孔部のカス取りを行う工程とを含むことが好ましい。カス取りは、例えば、圧縮空気の流れでカスを除去する空気ブロー手段によるか、若しくは、粘着媒体に付着させてカスを除去する粘着手段により、行うことが出来る。
【0017】
本発明においては、工業用部品に開けた貫孔部の直径の精度を、一枚の板状材料に開けた孔部の直径の精度と同等にすることが可能である。
又、本発明においては、貫孔部の直径若しくは縁と対向する縁との最短距離と軸長との比が、概ね1:1〜1:7であるような高アスペクト比な貫孔部を形成することが出来、貫孔部と隣接する貫孔部との間隔と、貫孔部の軸長との比が、概ね1:1〜1:7であるような高アスペクト比な貫孔部も形成出来る。更には、直径が100μm以下である高アスペクト比な貫孔部を形成することが可能であり、貫孔部と隣接する貫孔部との間隔が100μm以下である高アスペクト比な貫孔部も形成することが可能である。
【0018】
本発明においては、積層する板状材料どうしを、予め接着剤が塗布されている板状材料を用いて接着させてもよく、又、板状材料と板状材料との間に、接着シートを挟んで接着させてもよい。更には、真空吸引出来る穴を板状材料に予め開けておき、真空吸引によって各板状材料を密着させて積層してもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法について、実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。尚、本書中において、貫孔部と孔部とは、例えば、厚さを有する板状材料の一の面から反対側の面につながり開けられた同じ孔を指すが、単に孔部という場合には、積層された一枚の板状材料に開けられる孔を示す。
【0020】
本発明においては、従来の方法におけるガイドピンのような重ね合わせる軸としてパンチそのものを利用していて、パンチ&ダイの製造装置内で、薄い板状材料を積層することに大きな特徴がある。又、個々に開けた薄い板状材料一枚毎の孔部が変形しないように、パンチを引き上げる際に、パンチの先端が、引き上げた板状材料の最下部より僅かに引き込むところで引き上げを止めることにも特徴がある。
【0021】
図10に、従来方法に係るパンチとダイを用いた打ち抜き方法の一例を示す。パンチ10がストリッパー11の穴を移動する以上は、パンチ10とストリッパー11の穴との間に一定のクリアランスは必要であり、従って、パンチ10の中心軸とストリッパー11の穴の中心軸との間にはどうしてもズレが生じる。
従来は、図10に示すように、パンチ10の中心軸とストリッパー11の穴の中心軸とのズレa1、a2、a3の方向及び大きさが、打ち抜く度に変わってしまい、一枚毎に板状材料の孔部の位置が異なっていた。従って、これらを積層して貫孔部を形成しても精度の高い孔部とはならなかった。
【0022】
本発明の特徴によれば、パンチを軸として板状材料を積層することによって、板状材料がパンチを保持し固定する役目を果たすので、打ち抜く度にパンチの中心軸とストリッパーの穴の中心軸とのズレの方向及び大きさが変わらない。即ち、引き上げられた板状材料の打ち抜きされた孔においては、パンチを外周から締め付ける方向(半径方向)に、弾性変形の範囲で力が働くため、パンチを保持することが出来る。従って、より高精度な孔部を板状材料に開けることが可能となる。
図11は、本発明に係る高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法の一例を示す説明図であり、3シートの板状材料3を打ち抜いた後にストリッパー11を引き上げた状態を表している。この例のように、3シートの板状材料3に貫孔部を開ける場合においても、それぞれのパンチ10の中心軸とストリッパー11の穴の中心軸とは、それぞれ方向及び大きさが異なるズレa4、a5、a6を有しているが、パンチ10を軸として板状材料3を積層しているので、3シートの板状材料3それぞれの孔部において、各々のズレa4、a5、a6が変わることはない。従って、3シートの板状材料3が重なって形成される貫孔部は、より高精度なものとなる。又、図11のように板状材料3がパンチ10の先端部周囲について、パンチ10を支えるため、パンチ10先端部の座屈を防止する働きも持つ。
【0023】
このように、所定の厚さの工業用部品としたときに、従来の方法ではその厚さが厚いほど貫孔部の精度は低下したが、本発明では、打抜後の取扱により変形する軟性の材料を使用した場合においても、薄い板状材料に孔部を開ける場合の精度と同等の高い精度で、高アスペクト比な貫孔部を高密度に形成することが可能となる。
【0024】
電子回路用配線基板やプリンター用インク吐出部等で求められる高密度で高アスペクト比な貫孔部とは、図2に示す次のような貫孔部である。
本発明に係る高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品を図2に示す。図2(a)は高アスペクト比な貫孔部2を有する工業用部品1の一例を示しており、その一部を拡大した図が、図2(b)である。工業用部品1においては、図2(b)における貫孔部直径Dと貫孔部軸長Lとの比が、概ね1:1〜1:7程度の細長い貫孔部が形成されていることが好ましい。又、工業用部品1においては、貫孔部間隔Nと貫孔部軸長Lとの比が、同様に概ね1:1〜1:7程度になるような高い密度で貫孔部が形成されることが要求される。貫孔部直径D、貫孔部間隔Nともに数十μm程度である。工業用部品1には、そのような100μm以下の小さな貫孔部が100μm以下の間隔で精度よく数多く形成されることが求められ、本発明の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法により実現することが可能である。
【0025】
精度の高い貫孔部とは、貫孔部軸長Lの全ての区間において、貫孔部直径Dがほぼ一定であるものをいう。言い換えれば板状材料の厚さを真っ直ぐに貫通した孔であり、貫孔部2断面を円とすれば貫孔部2がほぼ円柱となるような孔である。貫孔部2断面形状は必ずしも円である必要はなく、例えば、図6に示すような断面が細長い楕円であってもよく、その形状は問わない。貫孔部の精度が低い場合に高密度に貫孔部2を形成すれば、貫孔部間隔Nがなくなって2つ以上の貫孔部2が合体したり、貫孔部間隔Nが少なくて強度不足となり、貫孔部2と貫孔部2の間の壁部Wが曲がる等の変形が起きたり破損する等が生じ、工業用部品1としての信頼性が著しく損なわれるが、本発明の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法によれば、上記の壁部Wが薄くても高い形状精度で部品を作製出来るため、このような問題は起こらない。
【0026】
本発明の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法において対象とする、打抜後の取扱により変形を生じるような寸法、若しくは形状の軟質材料とは、例えばヤング率が3000kgf/mm2未満の軟質材料であり、ポリエチレン(ヤング率310kgf/mm2)、ポリイミド(ヤング率430kgf/mm2)、強化プラスチック(ヤング率2500kgf/mm2)、グリーンシート(ヤング率4kgf/mm2)等が該当する。又、ヤング率が3000kgf/mm2以上の材料であっても、例えば極薄い板状の金属等、打抜後の取扱により変形を生じるような寸法、若しくは形状の材料は、全て本発明の対象となり得る。
【0027】
以下に、本発明に係る、高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法の一例を説明する。
先ず、図1により、製造方法の概略工程を説明する。
打抜加工機は、パンチ10とダイ12、及びストリッパー11を主な機器として構成され、ダイ12の上に一枚ずつ薄い板状材料3を載せ、パンチ10で打ち抜くものである。薄い板状材料3の材質や大きさ、及び厚さは、特に限定されるものではないが、例えば厚さ40μmのグリーンシートを使用することが出来る。
【0028】
図1(a)は、打抜準備のためにダイ12に1シート目の薄い板状材料3を載せた状態を示している。次に、図1(b)に示すように、1シート目をパンチ10で板状材料3を打ち抜く。その後、図1(c)に示す2シート目の打抜準備に入るが、従来の方法のように打抜済の1シート目の板状材料3を他の場所へ移動して積層することはせず、パンチ10に差し込んだままストリッパー11に密着させ上方に移動する。ストリッパー11に板状材料3を密着させる方法は、図1(c)に示すようなストリッパー11に貫通した吸気口から真空吸引8を行ってもよく、1シート目の板状材料3の表面に接着剤を塗布する等でストリッパー11に接着させてもよい。
【0029】
又、2シート目の打抜準備に入るために、図1(c)に示すように、ダイ12からパンチ10、及びストリッパー11を引き上げるが、このときにパンチ10を、一緒に引き上げた1シート目の板状材料3の孔部の中央部まで戻さないことが好ましい。板状材料3の最下部より僅かに引き込むところで止めることが肝要である。ここで、僅かに引き込むとは、常に、少なくとも飛び出てはいない状態にすることを指す。パンチ10を板状材料3の孔部の中央部まで戻したり、完全にストリッパー11の中へ格納してしまうと、軟質材料を用いた板状材料3では孔部が変形してしまい、板状材料3を積層して工業用部品1としたときの孔の精度が低下する。
【0030】
このようにパンチ10自体を、従来の方法のガイドピンのように薄い板状材料3の積層軸として用い、又、パンチ10自体で開けた孔部の変形を防止することにより、薄い板状材料を積層する手段をとりながら、板状材料3を移動するための治具や、積み重ねるスペースが不用となり、製造工程数の増加もより少なくて済む。従って、一枚の薄い板状材料3に開ける孔と同じ高い精度でつくられた高アスペクト比な貫孔部を高密度に有した工業用部品1を、より低コストで製造出来る。
【0031】
図1(d)は、2シート目の板状材料3の打抜工程を示す。次いで、図1(c)のような打抜準備を行い、これを繰り返して複数枚の板状材料3を、打抜加工機内で順次積層する。
図1(e)に示すように、板状材料3を全シート分について打ち抜いて、積層を終えたら、ストリッパー11より積層した板状材料3を離して打抜完了となる。
【0032】
次に、図15を用いて、上記した1シート目の板状材料3の打抜準備工程(図1(a))から、2シート目の板状材料3の打抜準備工程(図1(c))までの詳細を、即ち、1シート目の打抜の詳細を説明する。
図15(a)は、図1(a)と同じくダイ12に1シート目の薄い板状材料3を載せた状態を示している。次に、図15(b)に示すように、ストリッパー11を下ろしてダイ12にあてる。このとき、未だ、パンチ10はストリッパー11内に納まったままである。ストリッパー11を下ろしたときに、ストリッパー11がダイ12に当たる前に、パンチ10で板状材料3を打ち抜くことは好ましくない。ストリッパー11を下ろしたときに、ストリッパー11は、パンチ10を把持するとともに、板状材料3を押さえる働きを担うが、板状材料3を押さえないと、板状材料3の平面度が悪くうねっている場合に、不安定な打抜になり、高精度に打ち抜き出来ないからである。又、打抜時に生じる板状材料3の剪断以外の変形、具体的には反りなどをストリッパー11で押さえることで防止出来る。防止しないと高精度に打抜出来ない。
【0033】
その後に、図15(c)に示す通り、ストリッパー11がダイ12に当たった状態において、パンチ10で板状材料3を打ち抜き、パンチ10をダイ12中へ入れる。そして、図15(d)に示すように、今度はストリッパー11をダイ12にあてたまま、先ず、パンチ10のみを引き上げ板状材料3の最下部より僅かに引き込む。パンチ10が引き込むと同時に、あるいは、パンチ10が引き込むより先に、ストリッパー11を引き上げないほうが好ましい。ストリッパー11とダイ12、及び、パンチ10で囲まれた状態は、板状材料3の打抜形状が高精度に確保されている状態なので、この配置を維持したまま、パンチ10を引き上げたほうが精度を落とさずに済むからである。
【0034】
そして、図15(e)に示す通り、板状材料3をパンチ10に差し込んだまま、ストリッパー11を引き上げて、1シート目の打抜を終える。図15(f)は、図1(c)と同じく2シート目準備工程を示している。
【0035】
次に、図9により、板状材料に開けた孔部にカスが詰まることを防ぐカス取り工程を説明する。
図9(a)は、ダイ12に板状材料3を載せた打抜前の準備状態である。そして、図9(b)に示すように、パンチ10で板状材料3を打ち抜く。このとき、打抜によって形成される板状材料の孔部を源とするカスが生じる。カスの大部分は、ダイのザグリ部21に抜け落ちるが、一部分はパンチ10に付着して上方に引き上げられる。この上方に引き上げられたカスが、板状材料3に付着すると打抜製品不良につながる。そこで、図9(c)に示すように、板状材料3とともにストリッパー11を引き上げて、パンチ10の先端部が引き上げた板状材料3の下面より僅かにa7だけ飛び出た状態においてカスを除去する。ここで、僅かに飛び出た状態とは、常に、少なくとも引き込んではいない状態にすることを指す。
【0036】
打抜で形成された板状材料3の孔部にはパンチ10が抜かれていないので、カスが板状材料3の孔部に入って残ることはなく、図9(c)の状態で、ダイ12上や、パンチ10あるいは板状材料3の下面に付着したカスを除去すれば事足りる。カス取りが容易な上に、カスが板状材料3の孔部に入って残ることはなく、歩留まりが、より向上する。
【0037】
従来の製造方法においては、板状材料を打ち抜いた後にストリッパーに密着させて板状材料を引き上げることは行われていないため、ダイ上に残った板状材料の下側、即ち、ダイのザグリ部側から、真空で吸引したり、反対に空圧でブローしたり、あるいは、粘着媒体に付着させる等で、カスが板状材料の孔部に残らないように除去していた。
【0038】
ところが、図7に打抜工程が示されるような、パンチ10の打抜先端部分の径が太く、パンチとパンチとの間が広くとれる、大きなパンチピッチの打抜加工機の場合には、ダイのザグリ部21に十分な空間があるので、上記のようなカス取りが行えるが、パンチ10の打抜先端部分の径がより細く、パンチとパンチとの間が狭い、小さなパンチピッチの打抜加工機では、上記のようなカス取りは困難であった。
【0039】
図8に打抜工程が示されるような打抜加工機は、近年において、貫孔部の高密度化が進む中で用いられることが多い。このような打抜加工機では、特にパンチ10の先端部分a8において径が細く、先端部分a8の座屈を防止するために先端部分a8の長さは極力短くする。打抜カスを除去するために、パンチ10は、ダイのザグリ部21の中に突き出す必要があるので、ダイのザグリ部21の上面の厚さbは薄くなり、ダイ12の強度はより低下する。又、パンチピッチが小さいため、パンチ10の剪断力はより大きくなるため、ダイ12への負荷はより大きくなる。そのため、ダイ12の強度を向上させることを目的としてダイのザグリ部21にリブを設ける等のダイ12の補強が行われているが、そのような補強はダイ12の構造を複雑にし、カス取り作業の実施に困難をきたす。結果的にカス取りが不十分となり、板状材料3の孔部にカスが残り、歩留まり低下を招くことになる。
【0040】
本発明においては、ダイ12上からカス取りが行えるので、ダイ12の構造に影響されず容易にカス取りを実施出来る。又、板状材料3は打抜、積層を完了するまでパンチから抜かれないので、板状材料3の孔部にカスが入ることは起こり難い。
尚、本発明におけるカス取り手段は、従来と同じ方法で構わない。より設備が簡素になる圧縮空気によるブロー、若しくは、粘着媒体による付着等、適宜選択すればよい。
【0041】
積層した板状材料3をストリッパー11より外す方法は、例えば板状材料3を引き上げていた真空吸引を止め真空破壊し、剥離治具7で機械的にとり外せばよい。このとき、パンチ10及びストリッパー11から取り外した板状材料3をダイ12上に置いてから取り出すのではなく、例えば、ワーク受け治具をダイ上に差し入れて、積層した板状材料3をワーク受け治具上に移載し次工程へ移送すれば、より生産効率が向上するので好ましい。板状材料が軟質の場合には、変形も起こし難くなるので好適である。
【0042】
図12は、積層した板状材料をワーク受け治具上に移載する工程の説明図であり、3シートの板状材料を打抜、積層した後に、パンチ及びストリッパーから取り外す一例を示している。図12(a)に示すような、打抜、積層を完了した板状材料3を密着させたままストリッパー11を引き上げたときに、図12(b)に示すように、ワーク受け治具23をダイ12上に挿入し、図12(c)に示す通り、ストリッパー11に対してパンチ10を引き上げる動作をさせることで、板状材料3とパンチ10を引き離し、且つ、板状材料3を引き上げていた真空吸引8を止め真空破壊9を行い、剥離治具7で機械的にストリッパー11から積層した板状材料3を取り外し、ワーク受け治具23上に移載すればよい。
【0043】
板状材料3を積層して工業用部品1とする際に、板状材料3どうしを接着する必要があるが、その方法は、各々の板状材料3の表面に予め接着剤を塗布することで接着してもよく、板状材料3と板状材料3との間に接着シートを挟んでも構わない。接着シートを用いると打抜の工程が増えるため、予め表面に接着性を持たせた板状材料3を用いることが好ましい。
【0044】
又、真空吸引出来る穴を板状材料に予め開けておき、真空吸引によって各板状材料を密着させて積層してもよい。図13に、真空吸引により板状材料を積層させる場合に、板状材料に開ける真空吸引用穴の設置例を示す。
図13(a)は、ストリッパー11に配置する真空吸引用穴24の例を示し、図13(b)は、1シート目の板状材料3に配置する真空吸引用穴24の例を示す。先ず、重ねたときに図13(a)にはあって図13(b)にはない真空吸引用穴24を通して、1シート目の板状材料3を真空吸引しストリッパー11に密着させる。次に、例えば、図13(c)のような真空吸引用穴24を、2シート目の板状材料3に配置する。図13(b)にはあって図13(c)にはない真空吸引用穴24を通して、2シート目の板状材料3を真空吸引し1シート目の板状材料3に密着させる。同じように、図13(d)は、3シート目の板状材料3に配置する真空吸引用穴24を示し、図13(e)は、4シート目の板状材料3に配置する真空吸引用穴24を示す。図13(f)に示す通り、次に積層する板状材料がない最後の5シート目の板状材料3には真空吸引用穴24は不用である。
【0045】
真空吸引用穴を配置する場所は限定されないが、吸引力で板状材料を引き上げるので、真空吸引用穴が不用な最後の板状材料を除いて、真空吸引用穴は各板状材料の四辺に均等に配置することが好ましい。
又、通常、全ての真空吸引を1基の真空装置で行うが、この場合に、最後の板状材料を真空吸引するときを除いて、開放された真空吸引用穴が存在するため、そのままでは真空圧がたたない。この対策として、各シート毎に真空吸引する場所を決めておき、配管ラインを分別し経路に制御弁を設けること等で真空圧を確保することも可能であるが、真空吸引用穴に絞り部を形成しておくことでも、板状材料を引き上げる程度の吸引力は発揮し得る。
【0046】
板状材料を積層する更に別の方法として、パンチの表面仕上げを粗くして、パンチと板状材料と間に生じる摩擦力を上げて、この摩擦力によって板状材料をパンチに保持する方法を用いることも好ましい。板状材料がパンチに保持される結果、順に打ち抜かれる板状材料はストリッパーに密着して積層される。一般に、打抜された孔は打抜過程で生じた内部応力のために、パンチを締め付ける方向、即ち、孔の径が小さくなるように弾性変形する。特に弾性の大きな材料ほど変形量は大きい。従って、パンチの表面仕上げを粗くするだけで板状材料をパンチに保持することが出来る。
【0047】
弾性が大きな材料を板状材料に用いる場合には、より確実に、板状材料をパンチに保持するために、図14に示すような表面にタケノコ状の段差部31を有するパンチ30を用いることも好ましい。板状材料はパンチ30で打ち抜かれた瞬間に塑性変形せずに段差部31を乗り越え、順に積層される。パンチ30の段差高さHを板状材料の厚さに等しくすれば、密着して積層することが出来、又、弾性変形によって段差部31に引っ掛かるため板状材料がパンチ30から抜け落ちることがない。
【0048】
工業用部品1としての貫孔部直径Dが98μm、貫孔部間隔Nが50μmとなるように、板状材料3である厚さ50μmのグリーンシートに孔部を開ける場合を例にとれば、一枚の板状材料3におけるパンチ10とダイ12のクリアランスは、板厚の4%として2μm程度あればよい。このとき、一枚の板状材料3における孔部直径と孔部軸長の比、即ちアスペクト比はほぼ2:1であり、孔部間隔と孔部軸長の比は1:1である。この板状材料3を6枚積層して工業用部品1を得れば、その厚さは0.3mmとなり、工業用部品1としての貫孔部直径Dと貫孔部軸長Lの比、即ちアスペクト比は概ね1:3になり、貫孔部間隔Nと貫孔部軸長Lの比は1:6となる。このような高アスペクト比な貫孔部2を、一枚の板状材料3におけるクリアランスで、言い換えれば貫孔部直径Dとして4μm内のバラツキの精度で設けることが可能となる。
【0049】
【実施例】
次に、本発明を実施例により説明し、その効果を確認する。
【0050】
(実施例) パンチ&ダイによる打抜加工機を使用して、ヤング率4kgf/mm2のグリーンシートを材料に用い、直径80μm、軸長0.4mmの貫孔部を、隣接する貫孔部の間隔を70μmとした密度になるように形成された配線基板を作製した。
このとき、一枚のグリーンシートの厚さを40μmとし、パンチを積層軸として10枚重ね合わせて作製した。得られた配線基板の貫孔部の直径を測定したところ、基板の表面側で80μm、基板の裏面側で80〜81μmであった。又、光学顕微鏡で基板の表面裏面を観察したところ、全く亀裂等はみられなかった。
【0051】
(比較例1) 一枚のグリーンシートの厚さを0.4mmとして、積層しない一枚のグリーンシートだけを用いた以外は、実施例と同様に配線基板を作製した。得られた配線基板の貫孔部の直径を測定したところ、基板の表面側で80μm、基板の裏面側で95〜110μmであった。光学顕微鏡で基板の表面裏面を観察したところ、孔の歪みが確認され、孔の縁に亀裂がある貫孔部が所々みられた。
【0052】
(比較例2) レーザー加工機を使用して、ヤング率4kgf/mm2のグリーンシートを材料に用い、実施例と同じ貫孔部が形成された配線基板を作製した。比較例1と同様に用いたグリーンシートは一枚だけで、その厚さは0.4mmとした。得られた配線基板の貫孔部の直径を測定したところ、基板の表面側で80μm、基板の裏面側で50〜69μmであった。光学顕微鏡による基板の表面裏面を観察したところ、孔の歪みが確認され、真円度の低下や孔の縁にバリや欠けが生じていた。
【0053】
このように、本発明によれば、高アスペクト比な小さい貫孔部を、高密度に、従来の方法では得られない高い精度で、変形や亀裂を生じることなく形成した工業用部品を製造出来る。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、変形の可能性がある柔らかな材料を使用した場合においても、直径が極小さく100μm以下で、又、直径に比べ軸長が一定比率以上の長さを有する微細な貫孔部、即ち、小さく且つ高アスペクト比な貫孔部を、一枚の薄い板状材料に孔部を開ける精度と同等の精度で、高密度に設けた工業用部品を製造することが出来る。そして、この高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法によって、所望の配線基板や液体吐出用ノズル等を製作することが可能となり、工業製品の実装化技術の向上に貢献し、よりコンパクトで便利な製品を世に送り出すことが出来るといった優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る、パンチとダイを用いた、高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法の一例を示す工程説明図であり、
図1(a)は、ダイに1シート目の薄い板状材料を載せた1シート目準備工程を示し、
図1(b)は、1シート目をパンチで打抜1シート目打抜工程を示し、
図1(c)は、2シート目準備工程を示し、
図1(d)は、2シート目打抜工程を示し、
図1(e)は、全シートの打抜、積層を終えて、ストリッパーより積層した板状材料を離すシート打抜完了工程を示す。
【図2】 本発明に係る高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品を示す図で、
図2(a)は、高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の一例を示す斜視図で、
図2(b)は、図2(a)における高アスペクト比な貫孔部の拡大図である。
【図3】 従来方法に係る打抜金型による貫孔部開口を示す図で、
図3(a)は、クラックの発生状況を示す模式図で、
図3(b)は、打抜後の板状材料の貫孔部の断面形状を示す説明図である。
【図4】 従来方法に係るレーザー加工による貫孔部開口を示す図で、
図4(a)は、レーザー光線による加工状況を示す模式図で、
図4(b)は、レーザー加工後の貫孔部の断面形状を示す説明図である。
【図5】 本発明に係る高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品を示す図で、
図5(a)は、貫孔部の最短距離の一例を示す説明図で、
図5(b)は、貫孔部の最短距離の他の一例を示す説明図である。
【図6】 本発明に係る、高アスペクト比な貫孔部の断面形状の一例を示す説明図である。
【図7】 従来方法に係るパンチとダイを用いた打ち抜き方法の一例を示す工程説明図である。
【図8】 従来方法に係るパンチとダイを用いた打ち抜き方法の他の一例を示す工程説明図である。
【図9】 本発明に係る、パンチとダイを用いた、高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法の一例を示す工程説明図であり、
図9(a)は、ダイに薄い板状材料を載せた準備工程を示し、
図9(b)は、パンチで板状材料を打ち抜く打抜工程を示し、
図9(c)は、板状材料とともにストリッパーを引き上げてカスを除去するカス取り工程を示す。
【図10】 従来方法に係るパンチとダイを用いた打ち抜き方法の一例を示す説明図である。
【図11】 本発明に係る、パンチとダイを用いた、高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法の一例を示す説明図である。
【図12】 本発明に係る、パンチとダイを用いた、高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法の一例を示す工程説明図であり、
図12(a)は、所望の全n(n=3)シートの板状材料を打抜、積層して、ストリッパーを引き上げたシート打抜完了工程Aを示し、
図12(b)は、ワーク受け治具をダイ上に挿入するシート打抜完了工程Bを示し、
図12(c)は、ストリッパーより積層した板状材料を離し、ワーク受け治具上に移載するシート打抜完了工程Cを示す。
【図13】 本発明に係る、パンチとダイを用いた、高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法の一例を示す説明図であり、
図13(a)は、ストリッパーに配置する真空吸引用穴を示し、
図13(b)は、1シート目の板状材料に配置する真空吸引用穴を示し、
図13(c)は、2シート目の板状材料に配置する真空吸引用穴を示し、
図13(d)は、3シート目の板状材料に配置する真空吸引用穴を示し、
図13(e)は、4シート目の板状材料に配置する真空吸引用穴を示し、
図13(f)は、5シート目(最後)の板状材料に配置する真空吸引用穴(穴なし)を示す。
【図14】 本発明に係る高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法に用いられるパンチの一実施例を示す側面図である。
【図15】 本発明に係る、パンチとダイを用いた、高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法の一例を示す詳細の工程説明図であり、
図15(a)は、ダイに1シート目の薄い板状材料を載せた1シート目準備工程を示し、
図15(b)は、1シート目打抜工程において、ストリッパーを下ろしてダイにあてた状態を示し、
図15(c)は、1シート目打抜工程において、パンチをダイ中へ打ち抜いた状態を示し、
図15(d)は、1シート目打抜工程において、ストリッパーをダイにあてたまま、パンチを引き上げ板状材料の最下部より僅かに引き込んだ状態を示し、
図15(e)は、1シート目打抜工程において、ストリッパーを引き上げた状態を示し、
図15(f)は、2シート目準備工程を示す。
【符号の説明】
1…工業用部品、2…貫孔部、3…板状材料、7…剥離治具、8…真空吸引、9…真空破壊、10,30…パンチ、11…ストリッパー、12…ダイ、13…板状材料、14…エッジ、15…クラック、16…クリアランス、17…平行ビーム光、18…集光レンズ、19…レーザー光幅、20…焦点距離、21…ダイのザグリ部、23…ワーク受け治具、24…真空吸引用穴、31…段差部、D…貫孔部直径、H…段差高さ、L…貫孔部軸長、N…貫孔部間隔、W…壁部、S…最短距離。

Claims (11)

  1. パンチとダイを用いた、高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法であって、
    前記パンチにより、第一の板状材料に第一の孔部を開ける第一の工程と、
    前記第一の板状材料をストリッパーに密着させて引き上げる第二の工程と、
    前記孔部から前記パンチを抜かない状態で、前記パンチの先端部が引き上げた前記第一の板状材料の最下部より僅かに引き込む程度に、前記パンチを引き上げる第三の工程と、
    前記パンチにより、第二の板状材料に第二の孔部を開ける第四の工程と、
    前記第二の板状材料を前記第一の板状材料とともに引き上げる第五の工程と、
    前記パンチの先端部が引き上げた前記第二の板状材料の最下部より僅かに引き込む程度に、前記パンチを引き上げる第六の工程を含み、
    以降、複数枚の板状材料を、第四の工程から第六の工程を繰り返して積層することを特徴とする高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法。
  2. 前記第四の工程から第六の工程を繰り返し、所望枚数の板状材料を積層した後に、
    積層された板状材料が引き上げられている状態において、ワーク受け治具をダイ上に挿入し、前記積層された板状材料を前記ワーク受け治具上に移載する工程を有する請求項1に記載の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法。
  3. 前記第二の工程と第三の工程の間において、前記パンチの先端部が、引き上げた前記第一の板状材料の最下部より僅かに飛び出た状態において、前記第一の板状材料の第一の孔部のカス取りを行う工程と、
    及び、前記第五の工程と第六の工程の間において、前記パンチの先端部が、引き上げた前記第二の板状材料の最下部より僅かに飛び出た状態において、前記第二の板状材料の第二の孔部のカス取りを行う工程と、を含む請求項1に記載の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法。
  4. 前記カス取りが、圧縮空気の流れでカスを除去する空気ブロー手段によるか、若しくは、粘着媒体に付着させてカスを除去する粘着手段による請求項3に記載の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法。
  5. 前記工業用部品に開けた前記貫孔部の寸法の精度が、一枚の前記板状材料に開けた前記孔部の寸法の精度と同等である請求項1に記載の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法。
  6. 前記貫孔部の直径若しくは縁と対向する縁との最短距離と、軸長との比が、略1:1〜1:7である請求項1〜5の何れか一項に記載の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法。
  7. 前記貫孔部と隣接する貫孔部との間隔と、前記貫孔部の軸長との比が、略1:1〜1:7である請求項1〜6の何れか一項に記載の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法。
  8. 前記貫孔部の直径が100μm以下である請求項1〜7の何れか一項に記載の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法。
  9. 前記貫孔部と隣接する貫孔部との間隔が100μm以下である請求項1〜8の何れか一項に記載の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法。
  10. 予め接着剤が塗布されている前記板状材料を用いる請求項1〜9の何れか一項に記載の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法。
  11. 前記第一の板状材料と前記第二の板状材料との間に、接着シートを挟む工程を有する請求項1〜10の何れか一項に記載の高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法。
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