JP3919462B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3919462B2
JP3919462B2 JP2001127019A JP2001127019A JP3919462B2 JP 3919462 B2 JP3919462 B2 JP 3919462B2 JP 2001127019 A JP2001127019 A JP 2001127019A JP 2001127019 A JP2001127019 A JP 2001127019A JP 3919462 B2 JP3919462 B2 JP 3919462B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diffusion layer
concentration diffusion
ions
impurity
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001127019A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002083819A (ja
Inventor
泰史 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2001127019A priority Critical patent/JP3919462B2/ja
Publication of JP2002083819A publication Critical patent/JP2002083819A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3919462B2 publication Critical patent/JP3919462B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路の超高集積化を実現できる微細化構造を有し、高速且つ低消費電力で動作できるMIS型の半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の超高集積化に伴って、MIS型半導体装置、とりわけ、MIS型トランジスタの微細化が望まれており、その実現のために浅い接合を有するMIS型トランジスタが求められている。
【0003】
以下、図8(a)〜図8(e)を参照しながら、従来のMIS型トランジスタの製造方法について説明する。
【0004】
まず、図8(a)に示すように、例えば、P型シリコンからなり、主面の晶帯軸が<100>である半導体基板101に対して、P型不純物であるインジウム(In)イオンを注入エネルギーが200keVで、注入ドーズ量が約1×1012/cm2 であるイオン注入を行ない、注入後に熱処理を加えて、半導体基板101の上部にチャネル領域となるP型チャネル拡散層101aを形成する。続いて、半導体基板101の上に、膜厚が約2.2nmのゲート絶縁膜102を介して膜厚が約200nmの多結晶シリコンからなるゲート電極103を形成する。
【0005】
次に、図8(b)に示すように、ゲート電極103をマスクとして、P型不純物であるInイオンを半導体基板101に注入エネルギーが100keVで、注入ドーズ量が約1×1014/cm2 のイオン注入を行なう。このときのInイオンの注入電流密度は約1000μA/cm2 であり、注入角度は基板の法線に対して0°〜7°程度である。続いて、N型不純物であるヒ素(As)イオンを注入エネルギーが10keVで、注入ドーズ量が5×1014/cm2 のイオン注入を行なう。その後、高温で且つ短時間の熱処理により、半導体基板101のソース・ドレイン領域にP型不純物拡散層104A及び浅い接合を持つN型高濃度不純物拡散層105Aを形成する。
【0006】
次に、図8(c)に示すように、半導体基板101の上に全面にわたって、膜厚が約50nmのシリコン窒化膜を700℃程度の温度で堆積し、堆積したシリコン窒化膜に対して異方性エッチングを行なって、ゲート電極103の側面にサイドウォール106を形成する。なお、サイドウォール106は、シリコン窒化膜に代えてシリコン酸化膜により形成してもよい。
【0007】
次に、図8(d)に示すように、ゲート電極103及びサイドウォール106をマスクとして、N型の不純物であるAsイオンを半導体基板101に注入エネルギーが30keVで、注入ドーズ量が約3×1015/cm2 のイオン注入を行ない、続いて、高温且つ短時間の熱処理を行なって、半導体基板101上のソース・ドレイン領域に深い接合を持つN型のソース・ドレイン高濃度拡散層107、該ソース・ドレイン高濃度拡散層107の内側に位置し該ソース・ドレイン高濃度拡散層107よりも浅い接合を持つN型のエクステンション高濃度拡散層105B、及び該エクステンション高濃度拡散層105Bの下側に位置するP型のポケット高濃度拡散層104Bをそれぞれ形成する。
【0008】
次に、図8(e)に示すように、スパッタリング法により、半導体基板101の上に、膜厚が約10nmのコバルト又はチタンからなる金属膜及び膜厚が約20nmの窒化チタン膜を順次堆積した後、温度が550℃程度で10秒間程度の熱処理を行ない、その後、窒化チタン膜と未反応の金属膜を、硫酸と過酸化水素と水との混合液で選択的にエッチングして除去する。続いて、温度が800℃程度で10秒間程度の熱処理を行なって、ゲート電極103の上部及びソース・ドレイン高濃度拡散層107の上部に、膜厚が30nm程度のコバルトシリサイド層108を自己整合的に形成する。
【0009】
このように、従来のMIS型トランジスタの製造方法は、ポケット高濃度拡散層104Bに対するイオン注入に重イオンであるInイオンを用いることにより、浅い接合で且つ急峻な不純物プロファイルを実現しようとしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来のMIS型トランジスタの製造方法は、ポケット高濃度拡散層104Bに重イオンを用いているため、該重イオンは半導体基板101の結晶に対する注入ダメージが大きいことにより、所定のドーズ量を超えると、半導体基板101にアモルファス層が形成されてしまう。さらに注入後の熱処理により、このアモルファス−クリスタル界面の下側の領域にEOR(End-of-Range)転位ループ欠陥層が形成され、このEOR転位ループ欠陥層にInイオン等の重いイオンが強く偏析してしまうという問題がある。
【0011】
特に、重いイオンを用いた不純物注入においては、アモルファス−クリスタル界面が不純物の濃度ピークよりも深い位置に形成されるため、エクステンション高濃度拡散層105Bの拡散後の接合面は、設計値よりも深い位置に生成されてしまう。また、EOR転位ループ欠陥層が、エクステンション高濃度拡散層105Bの接合面の近傍に形成されると、接合リークが発生するという問題をも発生する。
【0012】
しかしながら、ポケット領域やエクステンション領域等の高濃度拡散層に質量数が相対的に大きい重イオンを用いない限り、現状の過渡増速拡散を抑制しながら、今以上の浅い接合を達成することは極めて困難である。例えば、デザインルールが0.1μmのCMOSトランジスタの場合は、エクステンション高濃度拡散層105Bの接合に20nm〜30nm程度の接合深さを要求される。このとき、サイドウォール106を形成する際の低温の熱処理プロセスにより生じる過渡増速拡散によって、Asイオンが数十nm程度も移動すると考えられる。従って、MIS型トランジスタの微細化が進むと、注入エネルギーが小さいイオン注入をいくら行なっても、その後の熱処理によって、エクステンション高濃度拡散層105Bの接合深さが目標値よりも大きくなってしまうという問題がある。
【0013】
なお、過渡増速拡散とは、格子間に過剰に存在する点欠陥と注入された不純物とが相互作用により拡散し、その結果、その熱平衡状態の拡散係数以上に不純物が拡散してしまう現象のことをいう。
【0014】
本発明は、前記従来の問題を解決し、浅い接合に必須である重イオンをエクステンション領域やポケット領域となる高濃度拡散層に用いながらも、該重イオンに起因する転位ループ欠陥の発生を抑制できるようにすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は、MIS型の半導体装置及びその製造方法を、欠陥層の発生を抑制できる半導体基板を用いたり、注入時の注入ダメージを低減し且つ半導体基板自体に欠陥層が生じにくいように重イオンを注入したりする構成とする。
【0016】
具体的に、本発明に係る第1の半導体装置は、シリコン基板上に、シリコンをエピタキシャル成長させてなり、晶帯軸が<110>であるエピタキシャル領域を有する積層構造のエピタキシャル半導体基板と、エピタキシャル領域の上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、エピタキシャル領域におけるソース・ドレイン領域にゲート電極の側面の下側の領域から距離をおいて形成された第1導電型のソース・ドレイン高濃度拡散層と、エピタキシャル領域におけるソース・ドレイン高濃度拡散層とゲート電極の側面の下側の領域との間に形成され、接合の深さがソース・ドレイン高濃度拡散層よりも浅い第1導電型のヒ素イオンが拡散してなるエクステンション高濃度拡散層と、エピタキシャル領域におけるエクステンション高濃度拡散層の下側の領域に形成された第2導電型のポケット高濃度拡散層とを備え、ポケット高濃度拡散層は、晶帯軸が<110>であるエピタキシャル領域に対して、注入ドーズ量が5×10 13 /cm 以上のインジウムイオンをチャネリングして形成され、且つ、インジウムイオンがEOR転位ループ欠陥層に偏析してなる偏析部分がエクステンション高濃度拡散層の下側の領域に形成されており、EOR転位ループ欠陥層は、インジウムイオンのイオン注入によってアモルファス化されたエピタキシャル領域への熱処理により形成されており、インジウムイオンの偏析部分のピークは、晶帯軸が<100>である場合のピークよりも低いことを特徴とする。
【0017】
第1の半導体装置は、シリコンからなるエピタキシャル領域を有する半導体基板における該エピタキシャル領域に、質量数が相対的に大きいインジウムイオンをチャネリングして形成されたポケット高濃度拡散層を有している。一般にエピタキシャル成長法により得られる半導体は、通常の回転引き上げ(CZ)法による半導体よりもその結晶品位に優れる。従って、エピタキシャル領域に重イオンであるインジウムイオンが注入及び拡散してなるポケット高濃度拡散層は、通常の半導体基板の場合よりもEOR転位ループ欠陥の発生が少なくなる。その結果、インジウムイオンがアモルファス−クリスタル界面の下側の領域に偏析しにくくなるので、偏析に起因するリーク電流を抑制しながら、微細化を図ることができる。
【0018】
また、第1の半導体装置、エピタキシャル領域の晶帯軸が<110>であることから、通常の晶帯軸が<100>である半導体基板の場合と異なり、注入される重イオンがチャネリングを起こし、シリコン原子との衝突確率が減るため、半導体基板に対する注入ダメージが低減するので、格子間シリコンの発生が抑制される。その結果、EOR転位ループ欠陥の発生が減少して、重イオンがアモルファス−クリスタル界面の下側の領域により偏析しにくくなる。
【0019】
また、第1の半導体装置、高濃度拡散層は不純物イオンに、注入ドーズ量が5×1013/cm−2以上のインジウムイオンを用いて形成されていることから、高濃度拡散層をアモルファス化することができるため、後から注入される他の不純物イオンのチャネリングを抑制できるので、浅い接合を持つ高濃度拡散層を確実に形成できる。
【0020】
第1の半導体装置において、ポケット高濃度拡散層は、エピタキシャル領域におけるゲート電極の両側方部分に設けられたエクステンション高濃度拡散層の下側の領域にそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0021】
第1の半導体装置において、エピタキシャル領域におけるゲート電極の下側にインジウムイオンを用いて形成されたチャネル拡散層を有していることが好ましい。
【0022】
本発明に係る第2の半導体装置は、晶帯軸が<110>である半導体基板と、半導体基板の上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、半導体基板におけるソース・ドレイン領域にゲート電極の側面の下側の領域から距離をおいて形成された第1導電型のソース・ドレイン高濃度拡散層と、半導体基板におけるソース・ドレイン高濃度拡散層とゲート電極の側面の下側の領域との間に形成され、接合の深さがソース・ドレイン高濃度拡散層よりも浅い第1導電型のヒ素イオンが拡散してなるエクステンション高濃度拡散層と、半導体基板におけるエクステンション高濃度拡散層の下側の領域に形成された第2導電型のポケット高濃度拡散層とを備え、ポケット高濃度拡散層は、晶帯軸が<110>である半導体基板に対して、注入ドーズ量が5×10 13 /cm 以上のインジウムイオンをチャネリングして形成され、且つ、インジウムイオンがEOR転位ループ欠陥層に偏析してなる偏析部分がエクステンション高濃度拡散層の下側の領域に形成されており、EOR転位ループ欠陥層は、インジウムイオンのイオン注入によってアモルファス化された半導体基板への熱処理により形成されており、インジウムイオンの偏析部分のピークは、晶帯軸が<100>である場合のピークよりも低いことを特徴とする。
【0023】
第2の半導体装置によると、晶帯軸が<110>である半導体基板を用いていることから、前述したように、注入されるインジウムイオンがチャネリングを起こし、シリコン原子との衝突確率が減るため、半導体基板に対する注入ダメージが低減する。注入ダメージが低減すると、格子間シリコンの発生が抑制されるため、EOR転位ループ欠陥の発生が減少して、インジウムイオンがアモルファス−クリスタル界面の下側の領域に偏析しにくくなるので、偏析に起因するリーク電流を抑制できる。また、インジウムイオンはチャネリングを起こしても、インジウムイオン自体の質量効果によりその注入飛程が軽イオン程には大きくならないので、浅い接合をも実現できる。
【0025】
第2の半導体装置において、半導体基板におけるゲート電極の下側にインジウムイオンを用いて形成されたチャネル拡散層を有していることが好ましい
【0027】
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、シリコン基板上にシリコンをエピタキシャル成長させてなり、晶帯軸が<110>であるエピタキシャル領域を有する積層構造のエピタキシャル半導体基板のエピタキシャル領域上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程(a)と、ゲート電極をマスクとして、第1導電型の第1の不純物をエピタキシャル領域に注入することにより、ポケット高濃度拡散層となる第1の不純物層を形成する工程(b)と、工程(b)の後に、ゲート電極をマスクとして、第2導電型のヒ素イオンからなる第2の不純物をエピタキシャル領域に対して第1の不純物層よりも浅い接合となるように注入することにより、エクステンション高濃度拡散層となる第2の不純物層を形成する工程(c)と、工程(b)及び工程(c)の後に、エピタキシャル半導体基板を熱処理することにより、ポケット高濃度拡散層及びエクステンション高濃度拡散層を形成する工程(d)と、工程(d)の後に、ゲート電極の側面にサイドウォールを形成した後、ゲート電極及びサイドウォールをマスクとして、第2導電型の第3の不純物をエピタキシャル領域に対して第2の不純物層よりも深い接合となるように注入することにより、ソース・ドレイン高濃度拡散層となる第3の不純物層を形成する工程(e)とを備え、工程(b)では、第1の不純物としてインジウムイオンを用いて、注入ドーズ量が5×10 13 /cm 以上で、インジウムイオンの飛程のピークが第2の不純物の飛程のピークと同等となる注入条件で注入して第1の不純物層を形成することにより、エピタキシャル領域をアモルファス化すると共に、インジウムイオンを晶帯軸が<110>であるエピタキシャル領域に対してチャネリングを生じさせ、工程(d)では、熱処理によって、エクステンション高濃度拡散層の下側の領域に形成されたEOR転位ループ欠陥層にインジウムイオンが偏析してなる偏析部分を持つポケット高濃度拡散層を形成することにより、インジウムイオンの偏析部分のピークを、晶帯軸が<100>である場合のピークよりも低くすることを特徴とする。
【0028】
第1の半導体装置の製造方法によると、シリコンからなるエピタキシャル領域にインジウムイオンが注入及び拡散してなるポケット高濃度拡散層は、通常のCZ法により形成された半導体基板の場合と比べてEOR転位ループ欠陥の発生が少なくなるため、インジウムイオンがアモルファス−クリスタル界面の下側の領域に偏析しにくくなる。このため、偏析に起因するリーク電流を抑制しながら、微細化を図ることができる。
【0029】
また、第1の半導体装置の製造方法、エピタキシャル領域の晶帯軸を<110>としていることから、注入されるインジウムイオンがチャネリングを起こし、シリコン原子との衝突確率が減るため、半導体基板に対する注入ダメージが低減する。注入ダメージが低減すると、格子間シリコンの発生が抑制されるため、EOR転位ループ欠陥の発生が減少して、重イオンがアモルファス−クリスタル界面の下側の領域に偏析しにくくなるので、偏析に起因するリーク電流を抑制できる。また、インジウムイオンはチャネリングを起こしても、インジウムイオン自体の質量効果によりその注入飛程が軽イオン程には大きくならないので、浅い接合をも実現できる。
【0030】
また、第1の半導体装置の製造方法ポケット高濃度拡散層を形成する不純物イオンに注入ドーズ量が5×1013/cm−2以上のインジウムイオンを用いて形成していることから、第1の不純物層をアモルファス化することができるため、続いて注入される第2の不純物のチャネリングを抑制できるので、浅い接合を持つエクステンション高濃度拡散層及びポケット高濃度拡散層を確実に形成でき、その結果、高駆動力の半導体装置を実現することができる。
【0032】
この場合に、第1の半導体装置の製造方法は、工程(a)の前に、エピタキシャル領域に第1導電型の第4の不純物を注入することにより、チャネル拡散層となる第4の不純物層を形成する工程をさらに備えていることが好ましい。このようにすると、チャネル拡散層の不純物にも重イオンであるInイオンを用いるような場合には、エピタキシャル領域の表面近傍ではInイオンの不純物濃度が低く、表面近傍から少し深い位置で急峻な不純物濃度分布を形成できるため、トランジスタの駆動力を低下することなく、微細化を実現できる。
【0033】
また、この場合に、第の不純物にはインジウムイオンを用いることが好ましい。
【0042】
本発明に係る第の半導体装置の製造方法は、晶帯軸が<110>である半導体基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程(a)と、ゲート電極をマスクとして、第1導電型の第1の不純物を半導体基板に注入することにより、ポケット高濃度拡散層となる第1の不純物層を形成する工程(b)と、工程(b)の後に、ゲート電極をマスクとして、第2導電型のヒ素イオンからなる第2の不純物を半導体基板に対して第1の不純物層よりも浅い接合となるように注入することにより、エクステンション高濃度拡散層となる第2の不純物層を形成する工程(c)と、工程(b)及び工程(c)の後に、半導体基板を熱処理することにより、ポケット高濃度拡散層及びエクステンション高濃度拡散層を形成する工程(d)と、工程(d)の後に、ゲート電極の側面にサイドウォールを形成した後、ゲート電極及びサイドウォールをマスクとして、第2導電型の第3の不純物を半導体基板に対して第2の不純物層よりも深い接合となるように注入することにより、ソース・ドレイン高濃度拡散層となる第3の不純物層を形成する工程(e)とを備え、工程(b)では、第1の不純物としてインジウムイオンを用いて、注入ドーズ量が5×10 13 /cm 以上で、インジウムイオンの飛程のピークが第2の不純物の飛程のピークと同等となる注入条件で注入して第1の不純物層を形成することにより、半導体基板をアモルファス化すると共に、インジウムイオンを晶帯軸が<110>である半導体基板に対してチャネリングを生じさせ、工程(d)では、熱処理によって、エクステンション高濃度拡散層の下側の領域に形成されたEOR転位ループ欠陥層にインジウムイオンが偏析してなる偏析部分を持つポケット高濃度拡散層を形成することにより、インジウムイオンの偏析部分のピークを、晶帯軸が<100>である場合のピークよりも低くすることを特徴とする。
【0043】
の半導体装置の製造方法によると、ポケット高濃度拡散層用のインジウムイオンを半導体基板に注入する際に、晶帯軸が<110>である半導体基板は注入されるインジウムイオンがチャネリングを起こす。これにより、半導体基板に対する注入ダメージが低減して格子間シリコンの発生が抑制されるため、EOR転位ループ欠陥の発生が減少する。その結果、インジウムイオンがアモルファス−クリスタル界面の下側の領域に偏析しにくくなるので、偏析に起因するリーク電流を抑制することができる。また、インジウムイオンはチャネリングを起こしても、インジウムイオン自体の質量効果によりその注入飛程が軽イオン程には大きくならないので、浅接合をも実現できる。
【0046】
の半導体装置の製造方法は、工程(a)の前に、半導体基板に第1導電型の第4の不純物を注入することにより、チャネル拡散層となる第4の不純物層を形成する工程をさらに備えていることが好ましい。
【0047】
の半導体装置の製造方法において、第の不純物にはインジウムイオンを用いることが好ましい。
【0048】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0049】
図1(a)及び図1(b)は本発明の第1の実施形態に係るMIS型トランジスタであって、図1(a)は断面構成を示し、図1(b)は図1(a)のA1-A2 線に沿った基板表面からの深さ方向の不純物濃度を表わしている。
【0050】
図1(a)に示すように、例えばP型シリコンがエピタキシャル成長してなるエピタキシャル半導体基板11の上には、ゲート絶縁膜12を介して多結晶シリコンからなるゲート電極13が形成されている。
【0051】
エピタキシャル半導体基板11の上部には、ゲート電極13のサイドウォール16の両側方に位置するソース・ドレイン領域に、ゲート電極13の側面の下側の領域から距離をおいてN型のヒ素(As)イオンが拡散したソース・ドレイン高濃度拡散層17が形成されている。ソース・ドレイン高濃度拡散層17とゲート電極13の側面の下側の領域との間には、接合の深さがソース・ドレイン高濃度拡散層17よりも浅くなるようにN型のAsイオンが拡散したエクステンション高濃度拡散層15が形成され、該エクステンション高濃度拡散層15の下側の領域には、質量数が相対的に大きい重イオンであるP型のインジウム(In)イオンが拡散したポケット高濃度拡散層14が形成されている。また、エピタキシャル半導体基板11におけるゲート電極13の下側であって、エクステンション高濃度拡散層15同士の間で且つポケット高濃度拡散層14同士の間の領域には、P型のInイオンが拡散したチャネル拡散層11aが形成されている。
【0052】
このように、本実施形態に係るMIS型トランジスタは、エピタキシャル半導体基板11に重イオンであるInイオンを拡散してなるポケット高濃度拡散層14を有していることを特徴とする。
【0053】
図1(b)において、曲線1Aはエクステンション高濃度拡散層15のAsイオンの濃度を示し、曲線2Aはポケット高濃度拡散層14のInイオンの濃度を示している。破線3は比較用であって、半導体基板に通常の回転引き上げ(CZ)法により形成されたシリコンウェハを用いた場合のポケット高濃度拡散層のInイオンの濃度を示している。
【0054】
半導体製造プロセスにおいて、質量数が相対的に大きい重イオン、例えばInイオンは、質量数が相対的に小さいボロン(B)イオン等に比べて急峻な注入プロファイルを示すのに加え、図1(b)に示すように、欠陥層への偏析や表面拡散によって、不純物プロファイルにおける低濃度のテール部分、すなわち深い領域への拡散による広がりが小さいため、エクステンション高濃度拡散層15の不純物濃度曲線1Aのみならず、ポケット高濃度拡散層14の不純物濃度曲線2Aに対しても急峻なプロファイルを実現できる。その結果、ゲート長が小さいMIS型トランジスタであっても浅い接合が可能なり、その結果高駆動力を実現できる。また、エクステンション高濃度拡散層15及びポケット高濃度拡散層14に浅い接合深さを得られるため、短チャネル効果を抑制できるので、微細化トランジスタの設計が可能となる。
【0055】
また、図1(b)からも分かるように、本実施形態は半導体基板にエピタキシャル半導体基板11を用いているため、本実施形態のポケット高濃度拡散層14の不純物曲線2Aは、従来のCZ法による半導体基板に設けたポケット高濃度拡散層の不純物曲線3と比べてEOR転位ループ欠陥の発生が減少し、その結果、Inイオンの該EOR転位ループ欠陥層への偏析部分のピークが低くなる。これにより、EOR転位ループ欠陥に偏析する重イオンに起因するリーク電流を抑制することができる。
【0056】
以下、前記のように構成されたMIS型トランジスタの製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0057】
図2(a)〜図2(d)は第1の実施形態に係るMIS型トランジスタの製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0058】
まず、図2(a)に示すように、例えば、P型シリコンがエピタキシャル成長してなるエピタキシャル半導体基板11に対して、P型で相対的に質量数が大きい不純物イオン、例えばインジウム(In)イオンを注入エネルギーが約200keVで且つ注入ドーズ量が約1×1012/cm2 の注入条件でイオン注入する。イオン注入に続いて、昇温レートが約100℃/秒で900℃〜1025℃程度の高温にまで昇温し、この温度を1秒間〜10秒間程度保持する短時間の熱処理、すなわち急速熱処理(RTA)を行なうことにより、エピタキシャル半導体基板11の上部にP型のチャネル拡散層11aを形成する。続いて、エピタキシャル半導体基板11の上に、膜厚が2.2nm程度のゲート絶縁膜12を形成し、該ゲート絶縁膜12の上に膜厚が250nm程度の多結晶シリコンからなるゲート電極13を形成する。
【0059】
次に、図2(b)に示すように、ゲート電極13をマスクとして、P型の不純物イオンである、例えばInイオンをエピタキシャル半導体基板11に、注入エネルギーが約30keVで且つ注入ドーズ量が約1×1014/cm2 の注入条件でイオン注入する。続いて、ゲート電極13をマスクとして、N型の不純物イオンである、例えばAsイオンをエピタキシャル半導体基板11に注入エネルギーが約10keVで且つ注入ドーズ量が約5×1014/cm2 の注入条件でイオン注入する。その後、昇温レートが約100℃/秒で900℃〜1025℃程度の高温にまで昇温し、この温度を1秒間〜10秒間程度保持する急速熱処理を行なうことにより、エピタキシャル半導体基板11のソース・ドレイン領域に、P型のポケット高濃度拡散層形成層14A及び該ポケット高濃度拡散層形成層14Aよりも浅い接合を持つN型のエクステンション高濃度拡散層形成層15Aを形成する。
【0060】
次に、図2(c)に示すように、ゲート電極13を覆うようにエピタキシャル半導体基板11の上に全面にわたって膜厚が50nm程度のシリコン窒化膜を堆積し、堆積したシリコン窒化膜に対して、基板面に垂直な方向に強い異方性を有する異方性エッチングを行なうことにより、ゲート電極13のゲート長方向側の側面にシリコン窒化膜からなるサイドウォール16を形成する。なお、シリコン窒化膜に代えてシリコン酸化膜からなるサイドウォール16を形成しても良い。
【0061】
次に、図2(d)に示すように、ゲート電極13及びサイドウォール16をマスクとして、N型の不純物イオンである、例えばAsイオンをエピタキシャル半導体基板11に注入エネルギーが約30keVで且つ注入ドーズ量が約3×1015/cm2 の注入条件でイオン注入する。注入後に、昇温レートが約100℃/秒で1000℃〜1025℃程度の高温にまで昇温し、この温度を1秒間〜10秒間程度保持する急速熱処理を行なうことにより、エピタキシャル半導体基板11のソース・ドレイン領域にN型のソース・ドレイン高濃度拡散層17を形成する。
【0062】
これにより、エピタキシャル半導体基板11におけるゲート電極13の下側に位置するチャネル拡散層11aと、半導体基板11におけるゲート電極13の両側方部分にチャネル拡散層11aを挟むように設けられたエクステンション高濃度拡散層形成層15Aからなるエクステンション高濃度拡散層15と、該エクステンション高濃度拡散層15の下側に位置するポケット高濃度拡散層形成層14Aからなるポケット高濃度拡散層14と、半導体基板11におけるサイドウォール16の両側方に位置し且つエクステンション高濃度拡散層15及びポケット高濃度拡散層14と側部で接するように設けられたソース・ドレイン拡散層17とが形成される。
【0063】
このように、第1の実施形態は、図2(b)に示す工程において、エピタキシャル半導体基板11に対して重イオンの注入を行なうことにより、ポケット高濃度拡散層形成層14Aを形成することを特徴とする。
【0064】
ここで、図3は図2(b)に示す工程におけるポケット領域及びエクステンション領域への不純物注入の直後の基板の深さ方向の不純物プロファイルを示している。図3において、曲線1Bはエクステンション領域におけるAsイオンのプロファイルを示し、曲線2Bはポケット領域におけるInイオンのプロファイルを示している。図3に示すように、図2(b)に示すAsイオンとInイオンとの注入条件によると、AsイオンとInイオンとの各飛程のピークRpはほぼ同等となるが、Inイオンによるアモルファス−クリスタル界面4は、Asイオンの飛程のピークRpよりも深くなる。さらに、アモルファス−クリスタル界面4の下側には、その後の熱処理によりEOR転位ループ欠陥層5が形成される。このとき、エピタキシャル半導体基板11を用いているため、通常のCZ法による半導体基板を用いた場合と比べてEOR転位ループ欠陥層5の発生が減少する。これにより、最終的なInイオンのプロファイルは、図1(b)に示す曲線2Aのような偏析部分を持つ曲線となる。
【0065】
第1の実施形態においては、Inイオンのアモルファス化によるEOR転位ループ欠陥層の発生と、該EOR転位ループ欠陥層へのInイオンの偏析によるリーク電流とを半導体基板にエピタキシャルウェハを用いることにより抑制することができる。
【0066】
エピタキシャルシリコンウェハは、ウェハ自体の含有酸素量が少なく且つ結晶欠陥も少ない。従って、通常のCZ法によるシリコンウェハと比べて、より理想的な結晶状態に近いエピタキシャルウェハを用いることにより、重イオン注入後のアニールによるEOR転位ループ欠陥の発生が抑制される。
【0067】
その上、ポケット高濃度拡散層形成層14Aを形成する際に、Inイオンを5×1013/cm2 以上の注入ドーズ量で注入しているため、エピタキシャル半導体基板11がアモルファス化される。これにより、続くエクステンション高濃度拡散層形成層15Aを形成するためのAsイオンの注入時に、注入されるAsイオンが結晶格子間を貫通する現象であるチャネリングが抑制されるので、エクステンション高濃度拡散層形成層15Aの浅い接合をも確実に実現できる。
【0068】
また、チャネル拡散層11aにも重イオンであるInイオンを用いることにより、エピタキシャル半導体基板11の表面の近傍ではInイオンの不純物濃度が低く、表面の近傍から少し深い位置では急峻な不純物濃度分布を形成できるので、トランジスタの駆動力を低下することなく、微細化を実現できる。また、チャネル拡散層11aにInイオンを注入した後に熱処理を加えることにより、Inイオンによる注入ダメージを速やかに回復することができる。
【0069】
なお、第1の実施形態においては、図2(b)に示したポケット高濃度拡散層形成層14A及びエクステンション高濃度拡散層形成層15Aの注入後、及び図2(d)に示したソース・ドレイン高濃度拡散層17の注入後にそれぞれ急速熱処理を行なっているが、図2(d)に示した工程でのみ急速熱処理を行なってもよい。
【0070】
また、エピタキシャル半導体基板11は、トランジスタの拡散層が形成される少なくとも上部にシリコンからなるエピタキシャル領域を有しておればよい。従って、基板自体がエピタキシャル成長してなるエピタキシャルウェハを用いてもよく、CZ法によるシリコン基板の上にシリコンをエピタキシャル成長させてなるエピタキシャル層を有する積層構造のエピタキシャル基板を用いてもよい。
【0071】
また、エクステンション高濃度拡散層形成層15Aを、質量数が相対的に大きいN型不純物であるアンチモン(Sb)イオン等の重イオンを用いて形成してもよい。この場合のSbイオンの注入条件は、注入エネルギーを約10keVとし、注入ドーズ量を約2×1014/cm2 とすると良い。
【0072】
また、ゲート電極13に多結晶シリコンを用いたが、多結晶シリコンに代えてポリメタルを用いてもよい。
【0073】
また、チャネル拡散層11aにInイオンを用いたが、代わりにBイオン、又はBイオンとInイオンとを混合した混合イオンとしてもよい。
【0074】
また、MIS型トランジスタをNチャネルMIS型トランジスタとしたが、代わりにPチャネルMIS型トランジスタとしてもよい。PチャネルMIS型トランジスタとする場合には、チャネル拡散層11a及びポケット高濃度拡散層形成層14Aに注入するN型の重イオンとして、Sbイオンを用いることが好ましい。
【0075】
第1の参考例
以下、本発明の第1の参考例に係る半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0076】
図4(a)〜図4(d)は第1の参考例に係るMIS型トランジスタの製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0077】
まず、図4(a)に示すように、例えば、P型シリコンからなる半導体基板31に対して、P型で相対的に質量数が大きい不純物イオン、例えばInイオンを注入エネルギーが約200keVで且つ注入ドーズ量が約1×1012/cm2 の注入条件で注入する。イオン注入に続いて、昇温レートが約100℃/秒で900℃〜1025℃程度の高温にまで昇温し、この温度を1秒間〜10秒間程度保持する短時間の急速熱処理を行なうことにより、半導体基板31の上部にP型のチャネル拡散層31aを形成する。続いて、半導体基板31の上に、膜厚が2.2nm程度のゲート絶縁膜32を形成し、該ゲート絶縁膜32の上に膜厚が250nm程度の多結晶シリコンからなるゲート電極33を形成する。
【0078】
次に、図4(b)に示すように、ゲート電極33をマスクとして、P型の不純物イオンである、例えばInイオンを半導体基板31に、注入エネルギーが約30keV、注入ドーズ量が約1×1014/cm2 及び電流密度が約100μA/cm2 の注入条件として室温下でイオン注入する。続いて、ゲート電極33をマスクとして、N型の不純物イオンである、例えばAsイオンを半導体基板31に注入エネルギーが約10keVで且つ注入ドーズ量が約5×1014/cm2 の注入条件でイオン注入する。その後、昇温レートが約100℃/秒で900℃〜1025℃程度の高温にまで昇温し、この温度を1秒間〜10秒間程度保持する急速熱処理を行なうことにより、半導体基板31のソース・ドレイン領域に、P型のポケット高濃度拡散層形成層34A及び該ポケット高濃度拡散層形成層34Aよりも浅い接合を持つN型のエクステンション高濃度拡散層形成層35Aを形成する。
【0079】
次に、図4(c)に示すように、ゲート電極33を覆うように半導体基板31の上に全面にわたって膜厚が50nm程度のシリコン窒化膜を堆積し、堆積したシリコン窒化膜に対して異方性エッチングを行なうことにより、ゲート電極33のゲート長方向側の側面にシリコン窒化膜からなるサイドウォール36を形成する。なお、シリコン窒化膜に代えてシリコン酸化膜からなるサイドウォール36を形成しても良い。
【0080】
次に、図4(d)に示すように、ゲート電極33及びサイドウォール36をマスクとして、N型の不純物イオンである、例えばAsイオンを半導体基板31に注入エネルギーが約30keVで且つ注入ドーズ量が約3×1015/cm2 の注入条件でイオン注入する。注入後に、昇温レートが約100℃/秒で1000℃〜1025℃程度の高温にまで昇温し、この温度を1秒間〜10秒間程度保持する急速熱処理を行なうことにより、半導体基板31のソース・ドレイン領域にN型のソース・ドレイン高濃度拡散層37を形成する。
【0081】
これにより、半導体基板31におけるゲート電極33の下側に位置するチャネル拡散層31aと、半導体基板31におけるゲート電極33の両側方部分にチャネル拡散層31aを挟むように設けられたエクステンション高濃度拡散層形成層35Aからなるエクステンション高濃度拡散層35Bと、該エクステンション高濃度拡散層35Bの下側に位置するポケット高濃度拡散層形成層34Aからなるポケット高濃度拡散層34Bと、半導体基板31におけるサイドウォール36の両側方に位置し且つエクステンション高濃度拡散層35B及びポケット高濃度拡散層34Bと側部で接するように設けられたソース・ドレイン拡散層37とが形成される。
【0082】
このように、第1の参考例は、図4(b)に示すイオン注入工程において、半導体基板31に対して、室温下で電流密度が100μA/cm という比較的低い電流密度でInイオンの注入を行なうことにより、ポケット高濃度拡散層形成層34Aを形成することを特徴とする。これにより、ポケット高濃度拡散層形成層34Aの形成時に、低電流密度で注入されるInイオンによって、半導体基板31が被る注入ダメージが低減されるため、EOR転位ループ欠陥の原因となる格子間シリコンの発生を抑制できる。その結果、熱処理後に発生するEOR転位ループ欠陥が減少するので、InイオンがEOR転位ループ欠陥層に強く偏析されなくなる。その結果、Inイオンの強い偏析によるリーク電流を抑制できる。
【0083】
なお、ポケット高濃度拡散層形成層34Aのイオン注入時の電流密度は、およそ150μA/cm2 よりも低いことが好ましく、さらには、100μmA/cm2 程度が好ましい。
【0084】
その上、ポケット高濃度拡散層形成層34Aを形成する際に、Inイオンを5×1013/cm2 以上の注入ドーズ量で注入しているため、半導体基板31がアモルファス化されるので、これにより、続くエクステンション高濃度拡散層形成層35Aを形成するためのAsイオンの注入時に、注入されるAsイオンのチャネリングが抑制される。その結果、エクステンション高濃度拡散層形成層35Aの浅接合を確実に実現できる。
【0085】
また、チャネル拡散層31aにも重イオンであるInイオンを用いることにより、半導体基板31の表面の近傍ではInイオンの不純物濃度が低く、表面の近傍から少し深い位置では急峻な不純物濃度分布を形成できるので、トランジスタの駆動力を低下することなく、微細化を実現できる。また、チャネル拡散層31aにInイオンを注入した後に熱処理を加えることにより、Inイオンによる注入ダメージを速やかに回復することができる。
【0086】
また、第1の参考例においても、エクステンション高濃度拡散層形成層35Aを、N型で質量数が相対的に大きいSbイオン等の重イオンを用いて形成してもよい。この場合のSbイオンの注入条件は、注入エネルギーを約10keVとし、注入ドーズ量を約2×1014/cm とすると良い。
【0087】
また、図4(b)に示したポケット高濃度拡散層形成層34A及びエクステンション高濃度拡散層形成層35Aの注入後、及び図4(d)に示したソース・ドレイン高濃度拡散層37の注入後にそれぞれ急速熱処理を行なっているが、図4(d)に示した工程でのみ急速熱処理を行なってもよい。
【0088】
また、ゲート電極33に多結晶シリコンを用いたが、多結晶シリコンに代えてポリメタルを用いてもよい。
【0089】
また、チャネル拡散層31aにInイオンを用いたが、代わりにBイオン、又はBイオンとInイオンとを混合した混合イオンとしてもよい。
【0090】
また、MIS型トランジスタをNチャネルMIS型トランジスタとしたが、代わりにPチャネルMIS型トランジスタとしてもよい。PチャネルMIS型トランジスタとする場合には、チャネル拡散層31a及びポケット高濃度拡散層形成層34Aに注入するN型の重イオンとして、Sbイオンを用いることが好ましい。
【0091】
第2の参考例
以下、本発明の第2の参考例に係る半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0092】
図5(a)〜図5(d)は第2の参考例に係るMIS型トランジスタの製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0093】
まず、図5(a)に示すように、例えば、P型シリコンからなる半導体基板41に対して、P型で相対的に質量数が大きい不純物イオン、例えばInイオンを注入エネルギーが約200keVで且つ注入ドーズ量が約1×1012/cm2 の注入条件で注入する。イオン注入に続いて、昇温レートが約100℃/秒で900℃〜1025℃程度の高温にまで昇温し、この温度を1秒間〜10秒間程度保持する短時間の急速熱処理を行なうことにより、半導体基板41の上部にP型のチャネル拡散層41aを形成する。続いて、半導体基板41の上に、膜厚が2.2nm程度のゲート絶縁膜42を形成し、該ゲート絶縁膜42の上に膜厚が250nm程度の多結晶シリコンからなるゲート電極43を形成する。
【0094】
次に、図5(b)に示すように、ゲート電極43をマスクとして、P型の不純物イオンである、例えばInイオンを半導体基板41に、注入エネルギーが約30keVで且つ注入ドーズ量が約1×1014/cm2 の注入条件で、さらにゲート電極43のゲート長方向側の各側面からのチルト角θがそれぞれ約45°となる角度注入でイオン注入する。続いて、ゲート電極43をマスクとして、N型の不純物イオンである、例えばAsイオンを半導体基板41に注入エネルギーが約10keVで且つ注入ドーズ量が約5×1014/cm2 の注入条件でイオン注入する。このときのAsイオンの注入時のチルト角θは0°〜7°程度である。その後、昇温レートが約100℃/秒で900℃〜1025℃程度の高温にまで昇温し、この温度を1秒間〜10秒間程度保持する急速熱処理を行なうことにより、半導体基板41のソース・ドレイン領域に、P型のポケット高濃度拡散層形成層44A及び該ポケット高濃度拡散層形成層44Aよりも浅い接合を持つN型のエクステンション高濃度拡散層形成層45Aを形成する。
【0095】
次に、図5(c)に示すように、ゲート電極43を覆うように半導体基板41の上に全面にわたって膜厚が50nm程度のシリコン窒化膜を堆積し、堆積したシリコン窒化膜に対して異方性エッチングを行なうことにより、ゲート電極43のゲート長方向側の側面にシリコン窒化膜からなるサイドウォール46を形成する。なお、シリコン窒化膜に代えてシリコン酸化膜からなるサイドウォール46を形成しても良い。
【0096】
次に、図5(d)に示すように、ゲート電極43及びサイドウォール46をマスクとして、N型の不純物イオンである、例えばAsイオンを半導体基板41に注入エネルギーが約30keVで且つ注入ドーズ量が約3×1015/cm2 の注入条件でイオン注入する。注入後に、昇温レートが約100℃/秒で1000℃〜1025℃程度の高温にまで昇温し、この温度を1秒間〜10秒間程度保持する急速熱処理を行なうことにより、半導体基板41のソース・ドレイン領域にN型のソース・ドレイン高濃度拡散層47を形成する。
【0097】
これにより、半導体基板41におけるゲート電極43の下側に位置するチャネル拡散層41aと、半導体基板41におけるゲート電極43の両側方部分にチャネル拡散層41aを挟むように設けられたエクステンション高濃度拡散層形成層45Aからなるエクステンション高濃度拡散層45Bと、該エクステンション高濃度拡散層45Bの下側に位置するポケット高濃度拡散層形成層44Aからなるポケット高濃度拡散層44Bと、半導体基板41におけるサイドウォール46の両側方に位置し且つエクステンション高濃度拡散層45B及びポケット高濃度拡散層44Bと側部で接するように設けられたソース・ドレイン拡散層47とが形成される。
【0098】
このように、第2の参考例は、図5(b)に示すイオン注入工程において、半導体基板41に対してInイオンを、ゲート電極43の側面から45°程度外側に傾斜する比較的チルト角が大きい角度の角度注入を行なうことにより、ポケット高濃度拡散層形成層44Aを形成することを特徴とする。これにより、ポケット高濃度拡散層形成層44Aの形成時に、基板面に対して斜めに注入されるInイオンにより、半導体基板41が被る注入ダメージが低減されるため、EOR転位ループ欠陥の原因となる格子間シリコンの発生が抑制される。その結果、熱処理後に発生するEOR転位ループ欠陥が減少するので、InイオンがEOR転位ループ欠陥層に強く偏析されなくなり、その結果、Inイオンの強い偏析によるリーク電流を抑制できる。
【0099】
なお、ポケット高濃度拡散層形成層44Aのイオン注入時のチルト角θは、およそ30°〜60°が好ましく、さらには45°程度が好ましい。
【0100】
その上、ポケット高濃度拡散層形成層44Aを形成する際に、Inイオンを5×1013/cm2 以上の注入ドーズ量で注入しているため、半導体基板41がアモルファス化されるので、これにより、続くエクステンション高濃度拡散層形成層45Aを形成するためのAsイオンの注入時に、注入されるAsイオンのチャネリングが抑制される。その結果、エクステンション高濃度拡散層形成層45Aの浅接合を確実に実現できる。
【0101】
また、チャネル拡散層41aにも重イオンであるInイオンを用いることにより、半導体基板41の表面の近傍ではInイオンの不純物濃度が低く、表面の近傍から少し深い位置では急峻な不純物濃度分布を形成できるので、トランジスタの駆動力を低下することなく、微細化を実現できる。また、チャネル拡散層41aにInイオンを注入した後に熱処理を加えることにより、Inイオンによる注入ダメージを速やかに回復することができる。
【0102】
また、第2の参考例においても、エクステンション高濃度拡散層形成層45Aを、N型で質量数が相対的に大きいSbイオン等の重イオンを用いて形成してもよい。この場合のSbイオンの注入条件は、注入エネルギーを約10keVとし、注入ドーズ量を約2×1014/cm とすると良い。
【0103】
また、図5(b)に示したポケット高濃度拡散層形成層44A及びエクステンション高濃度拡散層形成層45Aの注入後、及び図5(d)に示したソース・ドレイン高濃度拡散層47の注入後にそれぞれ急速熱処理を行なっているが、図5(d)に示した工程でのみ急速熱処理を行なってもよい。
【0104】
また、ゲート電極43に多結晶シリコンを用いたが、多結晶シリコンに代えてポリメタルを用いてもよい。
【0105】
また、チャネル拡散層41aにInイオンを用いたが、代わりにBイオン、又はBイオンとInイオンとを混合した混合イオンとしてもよい。
【0106】
また、MIS型トランジスタをNチャネルMIS型トランジスタとしたが、代わりにPチャネルMIS型トランジスタとしてもよい。PチャネルMIS型トランジスタとする場合には、チャネル拡散層41a及びポケット高濃度拡散層形成層44Aに注入するN型の重イオンとして、Sbイオンを用いることが好ましい。
【0107】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0108】
図6(a)及び図6(b)は本発明の第4の実施形態に係るMIS型トランジスタであって、図6(a)は断面構成を示し、図6(b)は図6(a)のB1-B2 線に沿った基板表面からの深さ方向の不純物濃度を表わしている。
【0109】
図6(a)に示すように、晶帯軸が<110>である、すなわち、基板の主面の面方位が{110}であるP型シリコンからなる半導体基板51(以下、<110>半導体基板51と称する。)の上には、ゲート絶縁膜52を介して多結晶シリコンからなるゲート電極53が形成されている。
【0110】
<110>半導体基板51の上部には、ゲート電極53のサイドウォール56の両側方に位置するソース・ドレイン領域にゲート電極53の側面の下側の領域から距離をおいてN型のAsイオンが拡散したソース・ドレイン高濃度拡散層57が形成されている。ソース・ドレイン高濃度拡散層57とゲート電極53の側面の下側の領域との間には、接合の深さがソース・ドレイン高濃度拡散層57よりも浅くなるようにN型のAsイオンが拡散したエクステンション高濃度拡散層55が形成され、該エクステンション高濃度拡散層55の下側の領域には、質量数が相対的に大きい重イオンであるP型のInイオンが拡散したポケット高濃度拡散層54が形成されている。
【0111】
また、<110>半導体基板51におけるゲート電極53の下側であって、エクステンション高濃度拡散層55同士の間で且つポケット高濃度拡散層54同士の間の領域には、P型のInイオンが拡散したチャネル拡散層51aが形成されている。
【0112】
このように、本実施形態に係るMIS型トランジスタは、<110>半導体基板51に重イオンでありInイオンを拡散してなるポケット高濃度拡散層54を有していることを特徴とする。
【0113】
図6(b)において、曲線1Cはエクステンション高濃度拡散層55のAsイオンの濃度を示し、曲線2Cはポケット高濃度拡散層54のInイオンの濃度を示している。破線3は比較用であって、半導体基板に通常の晶帯軸が<100>であるシリコンウェハを用いた場合のポケット高濃度拡散層のInイオンの濃度を示している。
【0114】
半導体製造プロセスにおいて、質量数が相対的に大きい、例えばInイオンのような重イオンは、質量数が相対的に小さいBイオン等に比べて、急峻で浅いプロファイルを形成する。その上、図6(b)に示すように、欠陥層への偏析や表面拡散によって、不純物プロファイルにおける低濃度のテール部分、すなわち深い領域への拡散による広がりが小さいため、エクステンション高濃度拡散層55の不純物濃度曲線1Cのみならず、ポケット高濃度拡散層54の不純物濃度曲線2Cに対しても急峻なプロファイルを実現できる。その結果、ゲート長が小さいMIS型トランジスタであっても浅い接合が可能となって、高駆動力を実現できる。また、エクステンション高濃度拡散層55及びポケット高濃度拡散層54に浅い接合深さを得られるため、短チャネル効果を抑制できるので、微細化トランジスタの設計が可能となる。
【0115】
さらに、本実施形態は半導体基板に<110>半導体基板51を用いていることにより、注入されるInイオンに積極的にチャネリングを起こさせている。これにより、注入されるInイオンと基板を構成するシリコン結晶格子とが衝突しにくくなるため、シリコン結晶格子に対するInイオンの注入ダメージが弱められるので、EOR転位ループ欠陥の原因となる格子間シリコンの発生が減少する。
【0116】
その結果、図6(b)からも分かるように、本実施形態のポケット高濃度拡散層54の不純物曲線2Cは、従来の<100>半導体基板に設けたポケット高濃度拡散層の不純物曲線3と比べてEOR転位ループ欠陥の発生が減少し、Inイオンの該EOR転位ループ欠陥層への偏析部分のピークが低くなる。また、EOR転位ループ欠陥層に起因するリーク電流を抑制することができる。
【0117】
ここで、<110>半導体基板51に注入されるInイオンは、チャネリングを起こしても、Inの質量効果により注入飛程が他の典型的な軽イオン程には大きくならないため、浅接合化の大きな障害とはならない。
【0118】
以下、前記のように構成されたMIS型トランジスタの製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0119】
図7(a)〜図7(d)は第4の実施形態に係るMIS型トランジスタの製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0120】
まず、図7(a)に示すように、例えば、P型シリコンからなる<110>半導体基板51に対して、P型で相対的に質量数が大きい不純物イオン、例えばIイオンを注入エネルギーが約200keVで且つ注入ドーズ量が約1×1012/cm の注入条件でイオン注入する。イオン注入に続いて、昇温レートが約100℃/秒で900℃〜1025℃程度の高温にまで昇温し、この温度を1秒間〜10秒間程度保持する短時間の急速熱処理を行なうことにより、<110>半導体基板51の上部にP型のチャネル拡散層51aを形成する。続いて、<110>半導体基板51の上に、膜厚が2.2nm程度のゲート絶縁膜52を形成し、該ゲート絶縁膜52の上に膜厚が250nm程度の多結晶シリコンからなるゲート電極53を形成する。
【0121】
次に、図7(b)に示すように、ゲート電極53をマスクとして、P型の不純物イオンである、例えばInイオンを<110>半導体基板51に注入エネルギーが約30keVで且つ注入ドーズ量が約1×1014/cm2 の注入条件でイオン注入する。続いて、ゲート電極53をマスクとして、N型の不純物イオンである、例えばAsイオンを<110>半導体基板51に注入エネルギーが約10keVで且つ注入ドーズ量が約5×1014/cm2 の注入条件でイオン注入する。その後、昇温レートが約100℃/秒で900℃〜1025℃程度の高温にまで昇温し、この温度を1秒間〜10秒間程度保持する急速熱処理を行なうことにより、<110>半導体基板51のソース・ドレイン領域に、P型のポケット高濃度拡散層形成層54A及び該ポケット高濃度拡散層形成層54Aよりも浅い接合を持つN型のエクステンション高濃度拡散層形成層55Aを形成する。
【0122】
次に、図7(c)に示すように、ゲート電極53を覆うように<110>半導体基板51の上に全面にわたって膜厚が50nm程度のシリコン窒化膜を堆積し、堆積したシリコン窒化膜に対して、異方性エッチングを行なうことにより、ゲート電極53のゲート長方向側の側面にシリコン窒化膜からなるサイドウォール56を形成する。なお、シリコン窒化膜に代えてシリコン酸化膜からなるサイドウォール56を形成しても良い。
【0123】
次に、図7(d)に示すように、ゲート電極53及びサイドウォール56をマスクとして、N型の不純物イオンである、例えばAsイオンを、<110>半導体基板51に注入エネルギーが約30keVで且つ注入ドーズ量が約3×1015/cm2 の注入条件でイオン注入する。注入後に、昇温レートが約100℃/秒で1000℃〜1025℃程度の高温にまで昇温し、この温度を1秒間〜10秒間程度保持する急速熱処理を行なうことにより、<110>半導体基板51のソース・ドレイン領域にN型のソース・ドレイン高濃度拡散層57を形成する。
【0124】
これにより、<110>半導体基板51におけるゲート電極53の下側に位置するチャネル拡散層51aと、半導体基板51におけるゲート電極53の両側方部分にチャネル拡散層51aを挟むように設けられたエクステンション高濃度拡散層形成層55Aからなるエクステンション高濃度拡散層55Bと、該エクステンション高濃度拡散層55Bの下側に位置するポケット高濃度拡散層形成層54Aからなるポケット高濃度拡散層54Bと、半導体基板51におけるサイドウォール56の両側方に位置し且つエクステンション高濃度拡散層55及びポケット高濃度拡散層54と側部で接するように設けられたソース・ドレイン拡散層57とが形成される。
【0125】
このように、第4の実施形態は、図7(b)に示す工程において、<110>半導体基板51に対して重イオンの注入を行なうことにより、ポケット高濃度拡散層形成層54Aを形成することを特徴とする。これにより、前述したように、注入されるInイオンにチャネリングが生じて、注入されるInイオンとシリコン結晶格子とが衝突しにくくなるため、シリコン結晶格子に対するInイオンの注入ダメージが弱まり、EOR転位ループ欠陥の原因となる格子間シリコンの発生が減少する。このとき、注入されるInイオンにチャネリングが生じても、Inの質量効果により、その注入飛程は他の軽イオン程には大きくはならない。Inイオンによる注入ダメージが低減されることにより、EOR転位ループ欠陥の原因となる格子間シリコンが減少し、該EOR転位ループ欠陥層の生成が抑制されるため、EOR転位ループ欠陥層に偏析するInイオンも減少する。これにより、リーク電流を増大させることなく、重イオンのポケット高濃度拡散層54を形成できる。
【0126】
その上、Inイオンの注入ダメージは小さくなっても、<110>半導体基板51はアモルファス化されるため、Inイオンによるポケット注入後に行なうエクステンション高濃度拡散層形成層55Aに対するAsイオンの注入は、アモルファス状態の半導体層に対して行なわれることになるので、プリアモルファス効果が作用する。このため、エクステンション注入時のAsイオンのチャネリングが抑制されるので、極めて浅い接合を持つエクステンション高濃度拡散層55を形成できる。
【0127】
また、チャネル拡散層51aにも重イオンであるInイオンを用いることにより、<110>半導体基板51の表面の近傍ではInイオンの不純物濃度が低く、表面の近傍から少し深い位置でピーク濃度となる急峻な不純物濃度分布を形成できるので、トランジスタの駆動力を低下することなく、微細化を実現できる。また、チャネル拡散層51aにInイオンを注入した後に熱処理を加えることにより、Inイオンによる注入ダメージを速やかに回復することができる。
【0128】
なお、第4の実施形態においては、図7(b)に示したポケット高濃度拡散層形成層54A及びエクステンション高濃度拡散層形成層55Aの注入後、及び図7(d)に示したソース・ドレイン高濃度拡散層57の注入後にそれぞれ急速熱処理を行なっているが、図7(d)に示した工程でのみ急速熱処理を行なってもよい。
【0129】
また、エクステンション高濃度拡散層形成層55Aに対しても、N型で質量数が相対的に大きいSbイオン等の重イオンを用いて形成してもよい。この場合のSbイオンの注入条件は、注入エネルギーを約10keVとし、注入ドーズ量を約2×1014/cm2 とすると良い。
【0130】
また、ゲート電極53に多結晶シリコンを用いたが、多結晶シリコンに代えてポリメタルを用いてもよい。
【0131】
また、チャネル拡散層51aにInイオンを用いたが、代わりにBイオン、又はBイオンとInイオンとを混合した混合イオンとしてもよい。
【0132】
また、MIS型トランジスタをNチャネルMIS型トランジスタとしたが、代わりにPチャネルMIS型トランジスタとしてもよい。PチャネルMIS型トランジスタとする場合には、チャネル拡散層51a及びポケット高濃度拡散層形成層54Aに注入するN型の重イオンとして、Sbイオンを用いることが好ましい。
【0133】
また、<110>半導体基板51に、主面の晶帯軸が<110>であるシリコンからなるエピタキシャル半導体基板を用いても良い。
【0134】
【発明の効果】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、浅い接合を持つエクステンション高濃度拡散層やポケット高濃度拡散層の形成に必須となる重イオンを用いながらも、該重イオンに起因する欠陥の発生を抑制できるため、リーク電流を抑制しながら高駆動力で且つ微細化構造を有する半導体装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係るMIS型トランジスタを示し、(a)は構成断面図であり、(b)は(a)のA1−A2線に沿った基板表面からの深さ方向の不純物濃度を示すグラフである。
【図2】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係るMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るMIS型トランジスタの製造方法の図2(b)に示す工程におけるポケット領域及びエクステンション領域への不純物注入の直後の基板の深さ方向の不純物プロファイルを示すグラフである。
【図4】 (a)〜(d)は本発明の第1の参考例に係るMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図5】 (a)〜(d)は本発明の第2の参考例に係るMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の第4の実施形態に係るMIS型トランジスタを示し、(a)は構成断面図であり、(b)は(a)のB1−B2線に沿った基板表面からの深さ方向の不純物濃度を示すグラフである。
【図7】(a)〜(d)は本発明の第4の実施形態に係るMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図8】(a)〜(e)は従来のMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【符号の説明】
11 エピタキシャル半導体基板
11a チャネル拡散層(第4の不純物層)
12 ゲート絶縁膜
13 ゲート電極
14 ポケット高濃度拡散層
14A ポケット高濃度拡散層形成層(第1の不純物層)
15 エクステンション高濃度拡散層
15A エクステンション高濃度拡散層形成層(第2の不純物層)
16 サイドウォール
17 ソース・ドレイン高濃度拡散層(第3の不純物層)
31 半導体基板
31a チャネル拡散層(第4の不純物層)
32 ゲート絶縁膜
33 ゲート電極
34A ポケット高濃度拡散層形成層(第1の不純物層)
35A エクステンション高濃度拡散層形成層(第2の不純物層)
34B ポケット高濃度拡散層
35B エクステンション高濃度拡散層
36 サイドウォール
37 ソース・ドレイン高濃度拡散層(第3の不純物層)
41 半導体基板
41a チャネル拡散層(第4の不純物層)
42 ゲート絶縁膜
43 ゲート電極
44A ポケット高濃度拡散層形成層(第1の不純物層)
45A エクステンション高濃度拡散層形成層(第2の不純物層)
44B ポケット高濃度拡散層
45B エクステンション高濃度拡散層
46 サイドウォール
47 ソース・ドレイン高濃度拡散層(第3の不純物層)
51 <110>半導体基板
51a チャネル拡散層(第4の不純物層)
52 ゲート絶縁膜
53 ゲート電極
54 ポケット高濃度拡散層
54A ポケット高濃度拡散層形成層(第1の不純物層)
55 エクステンション高濃度拡散層
55A エクステンション高濃度拡散層形成層(第2の不純物層)
56 サイドウォール
57 ソース・ドレイン高濃度拡散層(第3の不純物層)

Claims (11)

  1. シリコン基板上に、シリコンをエピタキシャル成長させてなり、晶帯軸が<110>であるエピタキシャル領域を有する積層構造のエピタキシャル半導体基板と、
    前記エピタキシャル領域の上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
    前記エピタキシャル領域におけるソース・ドレイン領域に前記ゲート電極の側面の下側の領域から距離をおいて形成された第1導電型のソース・ドレイン高濃度拡散層と、
    前記エピタキシャル領域における前記ソース・ドレイン高濃度拡散層と前記ゲート電極の側面の下側の領域との間に形成され、接合の深さが前記ソース・ドレイン高濃度拡散層よりも浅い第1導電型のヒ素イオンが拡散してなるエクステンション高濃度拡散層と、
    前記エピタキシャル領域における前記エクステンション高濃度拡散層の下側の領域に形成された第2導電型のポケット高濃度拡散層とを備え、
    前記ポケット高濃度拡散層は、晶帯軸が<110>である前記エピタキシャル領域に対して、注入ドーズ量が5×1013/cm 以上のインジウムイオンをチャネリングして形成され、且つ、前記インジウムイオンがEOR転位ループ欠陥層に偏析してなる偏析部分が前記エクステンション高濃度拡散層の下側の領域に形成されており、
    前記EOR転位ループ欠陥層は、前記インジウムイオンのイオン注入によってアモルファス化された前記エピタキシャル領域への熱処理により形成されており、
    前記インジウムイオンの前記偏析部分のピークは、晶帯軸が<100>である場合のピークよりも低いことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ポケット高濃度拡散層は、前記エピタキシャル領域における前記ゲート電極の両側方部分に設けられた前記エクステンション高濃度拡散層の下側の領域にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記エピタキシャル領域における前記ゲート電極の下側にインジウムイオンを用いて形成されたチャネル拡散層を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 晶帯軸が<110>である半導体基板と、
    前記半導体基板の上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
    前記半導体基板におけるソース・ドレイン領域に前記ゲート電極の側面の下側の領域から距離をおいて形成された第1導電型のソース・ドレイン高濃度拡散層と、
    前記半導体基板における前記ソース・ドレイン高濃度拡散層と前記ゲート電極の側面の下側の領域との間に形成され、接合の深さが前記ソース・ドレイン高濃度拡散層よりも浅い第1導電型のヒ素イオンが拡散してなるエクステンション高濃度拡散層と、
    前記半導体基板における前記エクステンション高濃度拡散層の下側の領域に形成された第2導電型のポケット高濃度拡散層とを備え、
    前記ポケット高濃度拡散層は、晶帯軸が<110>である前記半導体基板に対して、注入ドーズ量が5×1013/cm 以上のインジウムイオンをチャネリングして形成され、且つ、前記インジウムイオンがEOR転位ループ欠陥層に偏析してなる偏析部分が前記エクステンション高濃度拡散層の下側の領域に形成されており、
    前記EOR転位ループ欠陥層は、前記インジウムイオンのイオン注入によってアモルファス化された前記半導体基板への熱処理により形成されており、
    前記インジウムイオンの前記偏析部分のピークは、晶帯軸が<100>である場合のピークよりも低いことを特徴とする半導体装置。
  5. 前記半導体基板における前記ゲート電極の下側にインジウムイオンを用いて形成されたチャネル拡散層を有していることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. シリコン基板上にシリコンをエピタキシャル成長させてなり、晶帯軸が<110>であるエピタキシャル領域を有する積層構造のエピタキシャル半導体基板の前記エピタキシャル領域上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程(a)と、
    前記ゲート電極をマスクとして、第1導電型の第1の不純物を前記エピタキシャル領域に注入することにより、ポケット高濃度拡散層となる第1の不純物層を形成する工程(b)と、
    前記工程(b)の後に、前記ゲート電極をマスクとして、第2導電型のヒ素イオンからなる第2の不純物を前記エピタキシャル領域に対して前記第1の不純物層よりも浅い接合となるように注入することにより、エクステンション高濃度拡散層となる第2の不純物層を形成する工程(c)と、
    前記工程(b)及び工程(c)の後に、前記エピタキシャル半導体基板を熱処理することにより、前記ポケット高濃度拡散層及びエクステンション高濃度拡散層を形成する工程(d)と、
    前記工程(d)の後に、前記ゲート電極の側面にサイドウォールを形成した後、前記ゲート電極及びサイドウォールをマスクとして、第2導電型の第3の不純物を前記エピタキシャル領域に対して前記第2の不純物層よりも深い接合となるように注入することにより、ソース・ドレイン高濃度拡散層となる第3の不純物層を形成する工程(e)とを備え、
    前記工程(b)では、前記第1の不純物としてインジウムイオンを用いて、注入ドーズ量が5×1013/cm 以上で、前記インジウムイオンの飛程のピークが前記第2の不純物の飛程のピークと同等となる注入条件で注入して前記第1の不純物層を形成することにより、前記エピタキシャル領域をアモルファス化すると共に、前記インジウムイオンを晶帯軸が<110>である前記エピタキシャル領域に対してチャネリングを生じさせ、
    前記工程(d)では、前記熱処理によって、前記エクステンション高濃度拡散層の下側の領域に形成されたEOR転位ループ欠陥層に前記インジウムイオンが偏析してなる偏析部分を持つ前記ポケット高濃度拡散層を形成することにより、前記インジウムイオンの前記偏析部分のピークを、晶帯軸が<100>である場合のピークよりも低くすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記工程(a)の前に、前記エピタキシャル領域に第1導電型の第4の不純物を注入することにより、チャネル拡散層となる第4の不純物層を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記第4の不純物には、インジウムイオンを用いることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 晶帯軸が<110>である半導体基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程(a)と、
    前記ゲート電極をマスクとして、第1導電型の第1の不純物を前記半導体基板に注入することにより、ポケット高濃度拡散層となる第1の不純物層を形成する工程(b)と、
    前記工程(b)の後に、前記ゲート電極をマスクとして、第2導電型のヒ素イオンからなる第2の不純物を前記半導体基板に対して前記第1の不純物層よりも浅い接合となるように注入することにより、エクステンション高濃度拡散層となる第2の不純物層を形成する工程(c)と、
    前記工程(b)及び工程(c)の後に、前記半導体基板を熱処理することにより、前記ポケット高濃度拡散層及びエクステンション高濃度拡散層を形成する工程(d)と、
    前記工程(d)の後に、前記ゲート電極の側面にサイドウォールを形成した後、前記ゲート電極及びサイドウォールをマスクとして、第2導電型の第3の不純物を前記半導体基板に対して前記第2の不純物層よりも深い接合となるように注入することにより、ソース・ドレイン高濃度拡散層となる第3の不純物層を形成する工程(e)とを備え、
    前記工程(b)では、前記第1の不純物としてインジウムイオンを用いて、注入ドーズ量が5×1013/cm 以上で、前記インジウムイオンの飛程のピークが前記第2の不純物の飛程のピークと同等となる注入条件で注入して前記第1の不純物層を形成することにより、前記半導体基板をアモルファス化すると共に、前記インジウムイオンを晶帯軸が<110>である前記半導体基板に対してチャネリングを生じさせ、
    前記工程(d)では、前記熱処理によって、前記エクステンション高濃度拡散層の下側の領域に形成されたEOR転位ループ欠陥層に前記インジウムイオンが偏析してなる偏析部分を持つ前記ポケット高濃度拡散層を形成することにより、前記インジウムイオンの前記偏析部分のピークを、晶帯軸が<100>である場合のピークよりも低くすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 前記工程(a)の前に、前記半導体基板に第1導電型の第4の不純物を注入することにより、チャネル拡散層となる第4の不純物層を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記第4の不純物には、インジウムイオンを用いることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
JP2001127019A 2000-06-20 2001-04-25 半導体装置及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3919462B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001127019A JP3919462B2 (ja) 2000-06-20 2001-04-25 半導体装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-185025 2000-06-20
JP2000185025 2000-06-20
JP2001127019A JP3919462B2 (ja) 2000-06-20 2001-04-25 半導体装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002083819A JP2002083819A (ja) 2002-03-22
JP3919462B2 true JP3919462B2 (ja) 2007-05-23

Family

ID=26594293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001127019A Expired - Fee Related JP3919462B2 (ja) 2000-06-20 2001-04-25 半導体装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3919462B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6887758B2 (en) * 2002-10-09 2005-05-03 Freescale Semiconductor, Inc. Non-volatile memory device and method for forming
JP4639040B2 (ja) * 2002-10-10 2011-02-23 パナソニック株式会社 半導体装置の製造方法
US20050104092A1 (en) * 2003-11-19 2005-05-19 International Business Machiness Corportion Method of reducing dislocation-induced leakage in a strained-layer field-effect transistor
JP2007220755A (ja) 2006-02-14 2007-08-30 Toshiba Corp 半導体装置及びその製造方法
JP5034332B2 (ja) 2006-06-14 2012-09-26 富士通セミコンダクター株式会社 半導体装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002083819A (ja) 2002-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6475888B1 (en) Method for forming ultra-shallow junctions using laser annealing
US6037640A (en) Ultra-shallow semiconductor junction formation
US7887634B2 (en) Method of producing a semiconductor element and semiconductor element
JP2848439B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US20060202287A1 (en) Semiconductor device and method for fabricating the same
US20060258063A1 (en) Gettering of silicon on insulator using relaxed silicon germanium epitaxial proximity layers
JPH10189970A (ja) 半導体素子の製造方法
JP4639040B2 (ja) 半導体装置の製造方法
EP1408553A2 (en) Semiconductor device and method for fabricating the same
JP2006059843A (ja) 半導体装置とその製造方法
JP2003188373A (ja) 半導体装置およびその製造方法
US7071069B2 (en) Shallow amorphizing implant for gettering of deep secondary end of range defects
US6432802B1 (en) Method for fabricating semiconductor device
US7429771B2 (en) Semiconductor device having halo implanting regions
US7972947B2 (en) Method for fabricating a semiconductor element, and semiconductor element
US6720632B2 (en) Semiconductor device having diffusion layer formed using dopant of large mass number
JP3919462B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
US6514829B1 (en) Method of fabricating abrupt source/drain junctions
US20060220112A1 (en) Semiconductor device forming method and structure for retarding dopant-enhanced diffusion
JP4167381B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US7749875B2 (en) Method of manufacturing a semiconductor element and semiconductor element
JP3574613B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP3371875B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2924016B2 (ja) Mis型半導体装置の製法
KR100680436B1 (ko) 반도체 소자의 트랜지스터 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040906

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041220

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050118

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050311

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140223

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees