JP3918863B1 - 発光装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】封止部中へのボイドの発生を抑制することができる発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】実装基板20にLEDチップ10を実装してLEDチップ10とボンディングワイヤ14,14とを電気的に接続した後、LEDチップ10およびボンディングワイヤ14,14を封止部50の一部となる液状の第1の封止樹脂50aにより覆ってから(図1(a)参照)、光学部材60の内側に第1の封止樹脂と同一材料からなり封止部50の他の部分となる液状の第2の封止樹脂50bを注入し(図1(b)参照)、その後、光学部材60と実装基板20とを位置合わせして各封止樹脂を硬化させることにより封止部50を形成するのと同時に光学部材60を実装基板20に固着し(図1(c)参照)、続いて、色変換部材70を実装基板20に取り付けるようにしている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、LEDチップ(発光ダイオードチップ)を利用した発光装置の製造方法に関するものである。
従来から、LEDチップと、LEDチップが実装された実装基板と、LEDチップから放射された光の配光を制御する光学部材であって実装基板との間にLEDチップを収納する形で実装基板の一表面側に固着されたドーム状の光学部材と、光学部材と実装基板とで囲まれた空間でLEDチップおよび当該LEDチップに電気的に接続されたボンディングワイヤを封止した封止樹脂からなり透光性および弾性を有する封止部とを備えた発光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここにおいて、上記特許文献1には、上述の発光装置の製造方法として、LEDチップとボンディングワイヤとを電気的に接続した後、ドーム状の光学部材の内側に上記封止部となる液状の封止樹脂(例えば、シリコーン樹脂)を注入し、その後、光学部材と実装基板との位置合わせを行ってから未硬化の封止樹脂を硬化させることにより上記封止部を形成する製造方法が記載されている。
特開平5−19705号公報
しかしながら、上述の発光装置の製造方法では、製造過程において封止部中にボイドが発生しやすく、当該ボイドが発光装置の光出力の低下や信頼性の低下の原因になる懸念があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、封止部中へのボイドの発生を抑制することができる発光装置の製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、LEDチップと、LEDチップが実装された実装基板と、LEDチップから放射された光の配光を制御する光学部材であって実装基板との間にLEDチップを収納する形で実装基板の一表面側に固着されたドーム状の光学部材と、光学部材と実装基板とで囲まれた空間でLEDチップを封止した封止樹脂からなり透光性および弾性を有する封止部とを備えた発光装置の製造方法であって、実装基板にLEDチップを実装した後、LEDチップを封止部の一部となる第1の封止樹脂により覆ってから、光学部材の内側に第1の封止樹脂と同一材料からなり封止部の他の部分となる第2の封止樹脂を注入し、その後、光学部材と実装基板とを位置合わせして各封止樹脂を硬化させることにより封止部を形成することを特徴とする。
この発明によれば、封止部中へのボイドの発生を抑制することができ、光出力が大きく且つ信頼性の高い発光装置を提供することができる。
請求項1の発明では、封止部中へのボイドの発生を抑制することができるという効果がある。
まず、本実施形態における発光装置について図2〜図5を参照しながら説明し、その後で、製造方法について図1を参照しながら説明する。
本実施形態における発光装置1は、LEDチップ10と、LEDチップ10が実装された矩形板状の実装基板20と、LEDチップ10から放射された光の配光を制御するドーム状の光学部材であって実装基板20との間にLEDチップ10を収納する形で実装基板20の一表面側(図2(a)における上面側)に固着された透光性材料からなる光学部材60と、光学部材60と実装基板20とで囲まれた空間でLEDチップ10および当該LEDチップ10に電気的に接続されたボンディングワイヤ14,14を封止した封止樹脂からなり透光性および弾性を有する封止部50と、LEDチップ10から放射され封止部50および光学部材60を透過した光によって励起されてLEDチップ10の発光色とは異なる色の光を放射する蛍光体を透光性樹脂とともに成形した成形品であって実装基板20の上記一表面側で光学部材60の光出射面60bとの間に空隙80が形成される形で配設されるドーム状の色変換部材70とを備えている。
なお、本実施形態における発光装置1は、例えば照明器具の光源として用いるものであり、例えばグリーンシート(例えば、シリカやアルミナなどのフィラーを高充填したエポキシ樹脂層のような熱伝導性が高く加熱時の流動性が高い可塑性シート材料)を用いて金属(例えば、Al,Cuなどの熱伝導率の高い金属)製の器具本体100に実装する(発光装置1と器具本体100との間にグリーンシートを介在させた後でグリーンシートを加熱して塑性変形させることでグリーンシートを基礎とする絶縁層90により発光装置1と器具本体100とを固着する)ことによって、発光装置1と器具本体100との間にサーコン(登録商標)のようなゴムシート状の放熱シートなどを挟む場合に比べて、LEDチップ10から器具本体100までの熱抵抗を小さくすることができて放熱性が向上し、LEDチップ10のジャンクション温度の温度上昇を抑制できるから、入力電力を大きくでき、光出力の高出力化を図れる。ここで、照明器具の場合には、所望の光出力が得られるように、器具本体100に複数個の発光装置1を実装して複数個の発光装置1を直列接続したり並列接続したりすればよい。また、発光装置1を上述のように照明器具の光源として用いる場合、グリーンシートを用いて発光装置1を固着する相手側部材は器具本体100に限らず、照明器具における器具本体100以外の部材(器具本体100に直接接合される部材)でもよい。
実装基板20は、熱伝導性材料からなりLEDチップ10が熱応力緩和用のサブマウント部材30を介して実装される矩形板状の伝熱板21と、伝熱板21の一面側(図2(a)における上面側)に積層される矩形板状の配線基板22とで構成されている。ここにおいて、配線基板22は、伝熱板21側とは反対の表面側にLEDチップ10への給電用の一対のリードパターン23,23が設けられるとともにサブマウント部材30に対応する部位に厚み方向に貫通する矩形状の窓孔24が形成されており、LEDチップ10で発生した熱が配線基板22を介さずにサブマウント部材30および伝熱板21に伝熱できるようになっている。上述の熱伝導性材料としては、Cuを採用しているが、Cuに限らず、例えば、Alなどを採用してもよい。また、配線基板22の絶縁性基材としては、FR4を用いたガラスエポキシ基板を採用しており、各リードパターン23,23は、上記ガラスエポキシ基板の一表面側に形成されたCu膜とNi膜とAg膜との積層膜により構成されている。なお、伝熱板21と配線基板22とは、上記ガラスエポキシ基板の他表面側に形成された金属材料(ここでは、Cu)からなる接合用金属層25を介して固着されている。また、配線基板22の絶縁性基材の材料は、FR4のようなガラスエポキシ樹脂に限らず、例えば、ポリイミド系樹脂や、フェノール樹脂などでもよい。
また、配線基板22は、伝熱板21側とは反対の表面側に白色系の樹脂からなるレジスト層26が積層されており、レジスト層26は、中央部に両リードパターン23,23のインナーリード部23a,23aを露出させる開口窓26aが形成され、周部に各リードパターン23,23のアウターリード部23b,23bそれぞれを露出させる円形状の開口窓26b,26bが形成されている。
LEDチップ10は、青色光を放射するGaN系青色LEDチップであり、結晶成長用基板としてサファイア基板に比べて格子定数や結晶構造がGaNに近く且つ導電性を有するn形のSiC基板からなる導電性基板11を用いており、導電性基板11の主表面側にGaN系化合物半導体材料により形成されて例えばダブルへテロ構造を有する積層構造部からなる発光部12がエピタキシャル成長法(例えば、MOVPE法など)により成長され、導電性基板11の裏面に図示しないカソード側の電極であるカソード電極(n電極)が形成され、発光部12の表面(導電性基板11の主表面側の最表面)に図示しないアノード側の電極であるアノード電極(p電極)が形成されている。要するに、LEDチップ10は、一表面側にアノード電極が形成されるとともに他表面側にカソード電極が形成されている。上記カソード電極および上記アノード電極は、Ni膜とAu膜との積層膜により構成してあるが、上記カソード電極および上記アノード電極の材料は特に限定するものではなく、良好なオーミック特性が得られる材料であればよく、例えば、Alなどを採用してもよい。
なお、本実施形態では、LEDチップ10の発光部12が導電性基板11よりも伝熱板21から離れた側となるように伝熱板21に実装されているが、LEDチップ10の発光部12が導電性基板11よりも伝熱板21に近い側となるように伝熱板21に実装するようにしてもよい。光取り出し効率を考えた場合には、発光部12を伝熱板21から離れた側に配置することが望ましいが、本実施形態では導電性基板11と発光部12とが同程度の屈折率を有しているので、発光部12を伝熱板21に近い側に配置しても光の取り出し損失が大きくなりすぎることはない。
また、LEDチップ10は、LEDチップ10のチップサイズよりも大きなサイズの矩形板状に形成されLEDチップ10と伝熱板21との線膨張率の差に起因してLEDチップ10に働く応力を緩和する上述のサブマウント部材30を介して伝熱板21に実装されている。
サブマウント部材30は、上記応力を緩和する機能だけでなく、LEDチップ10で発生した熱を伝熱板21においてLEDチップ10のチップサイズよりも広い範囲に伝熱させる熱伝導機能を有している。本実施形態では、サブマウント部材30の材料として熱伝導率が比較的高く且つ絶縁性を有するAlNを採用しており、LEDチップ10は、上記カソード電極がサブマウント部材30におけるLEDチップ10側の表面に設けられ上記カソード電極と接続される導体パターン31(図5参照)および金属細線(例えば、金細線、アルミニウム細線など)からなるボンディングワイヤ14を介して一方のリードパターン23と電気的に接続され、上記アノード電極がボンディングワイヤ14を介して他方のリードパターン23と電気的に接続されている。なお、LEDチップ10とサブマウント部材30とは、例えば、SnPb、AuSn、SnAgCuなどの半田や、銀ペーストなどを用いて接合すればよいが、AuSn、SnAgCuなどの鉛フリー半田を用いて接合することが好ましい。
また、サブマウント部材30は、導体パターン31の周囲に、LEDチップ10から放射された光を反射する反射膜32が形成されている。サブマウント部材30の厚み寸法は、反射膜32の表面が配線基板22の上記一表面(レジスト層26の表面)よりも伝熱板21から離れるように設定してある。したがって、LEDチップ10の側面から放射された光がサブマウント部材30や配線基板22に吸収されるのを防止することができて外部への光取り出し効率の向上による光出力の向上を図れる。なお、反射膜32は、Ni膜とAg膜との積層膜により構成してある。また、反射膜32には、両ボンディングワイヤ14,14が接触したときにLEDチップ10の両電極間が反射膜32を介して短絡されるのを防止するために反射膜32を2つの領域に絶縁分離するスリット33,33が形成されている。
ここにおいて、LEDチップ10およびサブマウント部材30は、それぞれ平面形状が矩形状(本実施形態では、正方形状)であり、LEDチップ10は、平面視における各辺それぞれがサブマント部材30の一対の対角線のいずれか一方の対角線に交差する形でサブマウント部材30の中央部に配置されているので、LEDチップ10の各側面それぞれからサブマウント部材30側へ放射された光を反射膜32により効率良く反射することができ、外部への光取り出し効率の向上による光出力の向上を図れる。なお、本実施形態では、LEDチップ10とサブマント部材30とを厚み方向に沿った中心軸が略一致し、且つ、LEDチップ10の平面視における各辺それぞれがサブマウント部材30の上記一方の対角線と略45度の角度をなすように配置してある。
サブマウント部材30の材料はAlNに限らず、線膨張率が導電性基板11の材料である6H−SiCに比較的近く且つ熱伝導率が比較的高い材料であればよく、例えば、複合SiC、Siなどを採用してもよい。本実施形態では、LEDチップ10がサブマウント部材30を介して伝熱板21に実装されているので、LEDチップ10で発生した熱をサブマウント部材30および伝熱板21を介して効率良く放熱させることができるとともに、LEDチップ10と伝熱板21との線膨張率差に起因してLEDチップ10に働く応力を緩和することができる。
上述の封止部50の材料である封止樹脂としては、シリコーン樹脂を用いているが、シリコーン樹脂に限らず、例えばアクリル樹脂などを用いてもよい。
光学部材60は、透光性材料(例えば、シリコーン樹脂など)の成形品であってドーム状に形成されている。ここで、本実施形態では、光学部材60をシリコーン樹脂の成形品により構成しているので、光学部材60と封止部50との屈折率差および線膨張率差を小さくすることができる。なお、封止部50の材料がアクリル樹脂の場合には、光学部材60もアクリル樹脂により形成することが好ましい。
ところで、光学部材60は、光出射面60bが、光入射面60aから入射した光を光出射面60bと上述の空隙80との境界で全反射させない凸曲面状に形成されている。ここで、光学部材60は、光出射面60bが球面の一部により形成されており、当該球面の中心がLEDチップ10の厚み方向に沿った発光部12の中心線上に位置するように配置されている。言い換えれば、光学部材60は、当該光学部材60の光軸がLEDチップ10の厚み方向に沿った発光部12の中心線上に位置するように配置されている。したがって、LEDチップ10から放射され光学部材60の光入射面60aに入射された光が光出射面60bと空隙80との境界で全反射されることなく色変換部材70まで到達しやすくなり、全光束を高めることができる。なお、LEDチップ10の側面から放射された光は封止部50および光学部材60および空隙80を伝搬して色変換部材70まで到達し色変換部材70の蛍光体を励起したり蛍光体には衝突せずに色変換部材70を透過したりする。また、光学部材60は、位置によらず法線方向に沿って肉厚が一様となるように形成されており、上述の封止部50は、半球状の形状に形成されている。
色変換部材70は、シリコーン樹脂のような透光性樹脂とLEDチップ10から放射された青色光によって励起されてブロードな黄色系の光を放射する粒子状の黄色蛍光体とを混合した混合物の成形品により構成されている(つまり、色変換部材70は、蛍光体を含有している)。したがって、発光装置1は、LEDチップ10から放射された青色光と黄色蛍光体から放射された光とが色変換部材70の外面70bを通して放射されることとなり、白色光を得ることができる。なお、色変換部材70の材料として用いる透光性樹脂は、シリコーン樹脂に限らず、例えば、アクリル樹脂などを採用してもよい。また、色変換部材70の材料として用いる透光性樹脂に混合する蛍光体も黄色蛍光体に限らず、例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを混合しても白色光を得ることができる。
ここで、色変換部材70は、当該色変換部材70の内面70aの曲率半径を光学部材60の光出射面60bの曲率半径よりもやや大きく設定してあり、色変換部材70の頂部と光学部材60の光出射面60bとが近接し、当該頂部から離れるにつれて光学部材60の光出射面60bとの間の距離が徐々に大きくなっている。なお、色変換部材70の頂部と光学部材60の光出射面60bとが近接とは、色変換部材70の頂部と光学部材60の光出射面60bとが接している場合、色変換部材70の頂部と光学部材60の光出射面60bとを接しない程度に近づけてある場合の両方を含む概念であり、図示例では、前者の場合を示してある。また、色変換部材70は、位置によらず法線方向に沿った肉厚が一様となるように成形されている。
ところで、色変換部材70は、実装基板20側の端縁から実装基板20側へ突出し先端部に外方へ突出した係止爪71aを有する複数(本実施形態では、4つ)の取付脚71が上記端縁の周方向に離間して設けられ、実装基板20は、上記一表面側に各取付脚71それぞれが挿入される複数の凹所であってそれぞれ係止爪71aが係止される係止面を有する複数の凹所27が形成されている。要するに、発光装置1は、色変換部材70における実装基板20側の端縁から実装基板20側へ突出した複数の取付脚71の先端部に設けられた係止爪71aが実装基板20の上記一表面に形成された凹所27の上記係止面に係止されている。ここで、凹所27は、配線基板22において窓孔24の周囲で厚み方向に貫設された矩形状の貫通孔27aと、伝熱板21の上記一面側に形成されて貫通孔27aに連通し且つ貫通孔27aよりも開口面積が大きな円形状の凹溝27bとで構成され、配線基板22において凹溝27bに臨む面が上記係止面を構成している。
なお、上述の発光装置1では、サブマウント部材30の厚み寸法を、上述のように反射膜32の表面が配線基板22の上記一表面(レジスト層26の表面)よりも伝熱板21から離れるように設定してあるが、当該厚み寸法を、反射膜32の表面が色変換部材70における実装基板20側の端縁よりも伝熱板21から離れて位置するように設定することにより、色変換部材70の端縁と実装基板20の上記一表面との間に隙間が形成されている場合でもLEDチップ10から側方に放射された光が色変換部材70と実装基板20との隙間を通して出射されるのを防止することができる(つまり、LEDチップ10から放射された青色光が色変換部材70を通らずに外部へ出射されるのを防止することができる)。
以上説明した発光装置1では、色変換部材70が実装基板20の上記一表面側において光学部材60の光出射面60bとの間に空隙80が形成される形で配設されているので、色変換部材70に外力が作用したときに色変換部材70に発生した応力がLEDチップ10やボンディングワイヤ14,14に伝達されるのを抑制でき、LEDチップ10の発光特性の変動や各ボンディングワイヤ14,14の断線が起こりにくくなるから信頼性が高くなり、また、色変換部材70の頂部と光学部材60の光出射面60bとが近接しており、色変換部材70における実装基板20側の端縁から実装基板20側へ突出した複数の取付脚71の先端部に設けられた係止爪71aが実装基板20の上記一表面に形成された凹所27の係止面に係止されているので、例えば天井取付型の照明器具などのように実装基板20の上記一表面側が下側となるような状態で使用される場合にLEDチップ10などの発熱に起因してゲル状の封止部50が軟化しても光学部材60および色変換部材70が落下するのを防止することができ、信頼性が高くなる。また、本実施形態の発光装置1では、色変換部材70の各係止爪71aが各取付脚71それぞれの先端部から外方へ突設されているので、組立時に各係止爪71aが光学部材60に接触して封止部50に応力がかかるのを防止することができる。
以下、上述の発光装置1の製造方法について説明する。
発光装置1の製造にあたっては、実装基板20の伝熱板21にLEDチップ10をサブマウント部材30を介して実装してLEDチップ10とボンディングワイヤ14,14とを電気的に接続した後、サブマウント部材30およびLEDチップ10およびボンディングワイヤ14,14を封止部50の一部となる液状の第1の封止樹脂(例えば、シリコーン樹脂)50aにより覆ってから(図1(a)参照)、光学部材60の内側に第1の封止樹脂と同一材料からなり封止部50の他の部分となる液状の第2の封止樹脂(例えば、シリコーン樹脂)50bを注入し(図1(b)参照)、その後、光学部材60と実装基板20とを位置合わせして各封止樹脂50a,50bを硬化させることにより封止部50を形成するのと同時に光学部材60を実装基板20に固着し(図1(c)参照)、続いて、色変換部材70を実装基板20に取り付けるようにしている。このような製造方法によれば、製造過程で封止部50中へのボイドの発生を抑制でき、信頼性が高く且つ光出力が大きな発光装置1を提供することができる。なお、本実施形態では、配線基板22のレジスト層26の中央部に形成された開口窓26の内周縁により上記各封止樹脂がレジスト層26の表面へ流れ出すのを防止することができるとともに第1の封止樹脂の注入量を管理することができる。また、上述の製造方法では、封止樹脂の一部を光学部材60における実装基板20側の端縁と実装基板20とを固着する接着剤として利用しているが、封止樹脂とは別の接着剤を用いて光学部材60の端縁と実装基板20とを固着するようにしてもよい。
ところで、上述の発光装置1では、LEDチップ10がサブマウント部材30を介して実装基板20の伝熱板21に実装されているが、LEDチップ10と伝熱板21との線膨張率差が比較的小さい場合にはサブマウント部材30は必ずしも設ける必要はなく、このような場合には、上述の製造方法において説明したサブマウント部材30は不要となる。また、LEDチップ10の構造や実装基板20へのLEDチップ10の実装形態によってはボンディングワイヤ14,14も必ずしも必要ではない。
ところで、上述の実施形態では、LEDチップ10として、発光色が青色の青色LEDチップを採用しており、導電性基板11としてSiC基板を採用しているが、SiC基板の代わりにGaN基板を用いてもよく、SiC基板やGaN基板を用いた場合には結晶成長用基板として絶縁体であるサファイア基板を用いている場合に比べて、結晶成長用基板の熱伝導率が高く結晶成長用基板の熱抵抗を小さくできる。また、LEDチップ10の発光色は青色に限らず、例えば、赤色、緑色などでもよい。すなわち、LEDチップ10の発光部12の材料はGaN系化合物半導体材料に限らず、LEDチップ10の発光色に応じて、GaAs系化合物半導体材料やGaP系化合物半導体材料などを採用してもよい。また、導電性基板11もSiC基板に限らず、発光部12の材料に応じて、例えば、GaAs基板、GsP基板などから適宜選択すればよい。
また、本実施形態の発光装置1では、LEDチップ10としてチップサイズが1mm□のものを用いサブマウント部材30上に1個のLEDチップ10を配置しているが、LEDチップ10のチップサイズや数は特に限定するものではなく、例えば、LEDチップ10としてチップサイズが0.3mm□のものを採用するようにして、図6に示すように、1個のサブマウント部材30上に複数個(図示例では、8個)のLEDチップ10を配置し、これら複数個のLEDチップ10を導体パターン31および図示しないボンディングワイヤを介して直列接続するようにしてもよい(なお、図6中の2つのボンディングワイヤ14,14は、複数個のLEDチップ10の直列回路と給電用のリードパターン23,23とを接続するためのものである)。
実施形態における発光装置の製造方法の説明図である。 同上における発光装置を示し、(a)は器具本体に実装した状態の概略断面図、(b)は要部概略平面図である。 同上の発光装置の一部破断した概略分解斜視図である。 同上の発光装置における色変換部材を示し、(a)は一部破断した正面図、(b)は下面図である。 同上の発光装置におけるサブマウント部材の概略斜視図である。 同上の発光装置の他の構成例を示す要部概略平面図である。
符号の説明
1 発光装置
10 LEDチップ
14 ボンディングワイヤ
20 実装基板
30 サブマウント部材
50 封止部
50a 第1の封止樹脂
50b 第2の封止樹脂
60 光学部材
70 色変換部材

Claims (1)

  1. LEDチップと、LEDチップが実装された実装基板と、LEDチップから放射された光の配光を制御する光学部材であって実装基板との間にLEDチップを収納する形で実装基板の一表面側に固着されたドーム状の光学部材と、光学部材と実装基板とで囲まれた空間でLEDチップを封止した封止樹脂からなり透光性および弾性を有する封止部とを備えた発光装置の製造方法であって、実装基板にLEDチップを実装した後、LEDチップを封止部の一部となる第1の封止樹脂により覆ってから、光学部材の内側に第1の封止樹脂と同一材料からなり封止部の他の部分となる第2の封止樹脂を注入し、その後、光学部材と実装基板とを位置合わせして各封止樹脂を硬化させることにより封止部を形成することを特徴とする発光装置の製造方法。
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