JP3918722B2 - 車線逸脱防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中に自車両が走行車線から逸脱しそうになったときに、その逸脱を防止する車線逸脱防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような車線逸脱防止装置としては、例えば自車両が走行車線から逸脱しそうになるのを判断し、走行車線の基準位置に対する自車両の走行位置の横ずれ量に応じて、運転者が容易に打ち勝てる程度の操舵制御トルクを操舵アクチュエータにより出力することで車線逸脱を防止するものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、この車線逸脱防止装置では、操舵アクチュエータを必要とするため、例えばアンチスキッド制御装置や駆動力制御装置を用いて各車輪の制動力或いは駆動力を制御し、その結果、車両にヨーモーメントを発生せしめて自車両の走行方向、或いは走行位置を制御することが考えられる。
また、このような車線逸脱防止装置では、常に車線を検出し続けることが望まれる。そこで、例えば操舵角を道路パラメータとし、その道路パラメータから白線等のレーンマーカモデルを設定するものがある(例えば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−96497号公報
【特許文献2】
特開平11−296660号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、走行車線を正しく検出するためには、当該走行車線の両側の白線等のレーンマーカを検出する必要がある(走行車線は二本のレーンマーカの間に存在する)。従って、従来の車線逸脱防止装置では、走行車線両側のレーンマーカを検出できないときには、走行車線を正しく検出できていないとして、車線逸脱防止制御を中止している。具体的には、走行車線両側のレーンマーカの特定の部位の数、例えばレーンマーカ検出小領域とレーンマーカとの交点の数が所定値以下であるとき、走行車線両側のレーンマーカを検出できていないとし、そのような場合には走行車線を正しく検出できていないものとしている。しかしながら、例えば走行車線の一部が先行車両の陰に隠れ、CCDカメラなどの撮像手段で撮像できないときには、元来、検出できる、運転者の感覚でいえば見えている部位が少ないのであるから、そのような場合にレーンマーカの特定の部位の数が少ないからといって走行車線を正しく検出できていないとするのは、運転者の感覚との間にずれが生じ、違和感となっている。
本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発されたものであり、運転者の感覚との間のずれをなくし、違和感を払拭することが可能な車線逸脱防止装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の車線逸脱防止装置は、自車両の走行車線の両側のレーンマーカから当該走行車線を検出し、自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されたときに、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように車両の挙動を制御すると共に、自車両近傍の道路上の物体により走行車線が隠れている状態を検出し、自車両近傍の道路上の物体により隠れていない部位で走行車線を検出することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の効果】
而して、本発明の車線逸脱防止装置によれば、自車両の走行車線の両側のレーンマーカから当該走行車線を検出し、自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されたときに、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように車両の挙動を制御すると共に、自車両近傍の道路上の物体により走行車線が隠れている状態を検出し、自車両近傍の道路上の物体により隠れていない部位で走行車線を検出する構成としたため、先行車両等により走行車線が隠れているときには、隠れていない部位で走行車線を検出することが可能となり、運転者の感覚とずれがなく、違和感を払拭することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車線逸脱防止装置の第1実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の車線逸脱防止装置の一例を示す車両概略構成図である。この車両には、自動変速機及びコンベンショナルディファレンシャルギヤを搭載した後輪駆動車両であり、制動装置は、前後輪とも、左右輪の制動力を独立に制御可能としている。
【0009】
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は、運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じ、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧が、各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給されるようになっているが、このマスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御回路7が介装されており、この制動流体圧制御回路7内で、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
【0010】
前記制動流体圧制御回路7は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものであり、この実施形態では、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を、単独で増減圧することができるように構成されている。この制動流体圧制御回路7は、後述する制駆動力コントロールユニット8からの制動流体圧指令値に応じて各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を制御する。
【0011】
また、この車両は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比、並びにスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL、5RRへの駆動トルクを制御する駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。エンジン9の運転状態制御は、例えば燃料噴射量や点火時期を制御することによって制御することができるし、同時にスロットル開度を制御することによっても制御することができる。なお、この駆動トルクコントロールユニット12は、単独で、駆動輪である後輪5RL、5RRの駆動トルクを制御することも可能であるが、前述した制駆動力コントロールユニット8から駆動トルクの指令値が入力されたときには、その駆動トルク指令値を参照しながら駆動輪トルクを制御する。
【0012】
また、この車両には、自車両の走行車線逸脱防止判断用に走行車線内の自車両の位置を検出するための外界認識センサとして、CCDカメラ13及びカメラコントローラ14を備えている。このカメラコントローラ14では、CCDカメラ13で捉えた自車両前方の撮像画像から、例えば白線等のレーンマーカを検出して走行車線を検出すると共に、その走行車線に対する自車両のヨー角φ、即ち車線に対する自車両の向き、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅L、先行車両の幅W、先行車両までの距離Y、走行車線中央からの先行車両の横変位D等を算出することができるように構成されている。なお、このカメラコントローラ14は、後述するようにレーンマーカ等を検出するための走行車線検出エリアを用いて走行車線検出を行い、その検出された走行車線に対して前記各データを算出する。また、先行車両及びその諸元の検出については、レーダ装置等を用いてもよい。
【0013】
また、この車両には、自車両に発生する前後加速度Xg及び横加速度Ygを検出する加速度センサ15、自車両に発生するヨーレートφ' を検出するヨーレートセンサ16、前記マスタシリンダ3の出力圧、所謂マスタシリンダ圧Pm を検出するマスタシリンダ圧センサ17、アクセルペダルの踏込み量、即ちアクセル開度Accを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角δを検出する操舵角センサ19、各車輪5FL〜5RRの回転速度、所謂車輪速度Vwi (i=FL〜RR)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RR、方向指示器による方向指示操作を検出する方向指示スイッチ20が備えられ、それらの検出信号は前記制駆動力コントロールユニット8に出力される。また、前記カメラコントローラ14で検出された走行車線に対する自車両のヨー角φ、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅L、先行車両の幅W、先行車両までの距離Y、走行車線中央からの先行車両の横変位D等や、駆動トルクコントロールユニット12で制御された駆動トルクTwも合わせて制駆動力コントロールユニット8に出力される。なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、何れも左方向を正方向とする。即ち、ヨーレートφ' や横加速度Yg、操舵角δ、ヨー角φは、左旋回時に正値となり、横変位Xは、走行車線中央から左方にずれているときに正値となる。
【0014】
次に、前記制駆動力コントロールユニット8で行われる演算処理のロジックについて、図2のフローチャートに従って説明する。この演算処理は、例えば10msec. 毎の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
【0015】
この演算処理では、まずステップS110で、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットからの各種データを読込む。具体的には、前記各センサで検出された前後加速度Xg、横加速度Yg、ヨーレートφ' 、各車輪速度Vwi 、アクセル開度Acc、マスタシリンダ圧Pm 、操舵角δ、方向指示スイッチ信号、また駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTwを読込む。また、このステップS110では、合わせて、読込んだ各車輪速度Vwi のうち、非駆動輪である前左右輪速度VwFL、VwFRの平均値から自車両の走行速度Vを算出する。なお、この時点では、カメラコントローラ14からの走行車線に対する自車両のヨー角φ、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅L、先行車両の幅W、先行車両までの距離Y、走行車線中央からの先行車両の横変位Dは未だ読込まない。
【0016】
次にステップS120に移行して、例えば前記特開平11−296660号公報に記載される手法を用い、前記ステップS110で読込んだ操舵角δに基づいて後述する走行車線検出エリア、具体的にはレーンマーカ検出エリアを設定し、その設定されたレーンマーカ検出エリアに基づいて自車両が走行している走行車線の両側のレーンマーカを検出し、そのレーンマーカを用いて自車両が走行している走行車線を検出するように前記カメラコントローラ14に指示し、合わせて当該走行車線に対する自車両のヨー角φ、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅L、先行車両の幅W、先行車両までの距離Y、走行車線中央からの先行車両の横変位Dを算出し、それらのデータを読込む。
【0017】
このステップS120で行われる走行車線検出は、本発明の候補点数走行車線検出手段に相当する。例えば図3に示すように、前記CCDカメラ13で撮像された画像の中から、白線等のレーンマーカを検出するためのレーンマーカ検出エリアを設定する。具体的に、撮像された画像全域でレーンマーカを検出する(走査する)と、演算負荷も大きいし、時間もかかる。そこで、レーンマーカが存在しそうな領域に、更に小さな検出領域(所謂ウインドウ)を設定し、その検出領域内でレーンマーカを検出する。一般に、車線に対する自車両の向きが変わると、画像内に映し出されるレーンマーカの位置も変わるので、例えば前記特開平11−296660号公報では、操舵角δから車線に対する自車両の向きを推定し、画像内のレーンマーカが映し出されているであろう領域に検出領域を設定する。そして、例えばレーンマーカと路面との境界を際立たせるフィルタ処理などを施し、図4に示すように、各レーンマーカ検出領域内において、最もレーンマーカと路面との境界らしい直線を検出し、その直線上の一点(レーンマーカ候補点)をレーンマーカの代表的な部位として検出する。図5の例では、直線検出結果の最上点をレーンマーカ候補点として検出している。そして、本実施形態では、両側のレーンマーカのレーンマーカ候補点の総数が所定値以上であるとき、両側のレーンマーカを正しく検出し、その間にある走行車線を正しく検出しているものとする。なお、何れか片側のレーンマーカに対して車線逸脱防止制御を行う場合には、一本のレーンマーカに対するレーンマーカ候補点の数が予め設定された所定値以上であるときに、その検出されているレーンマーカは正しいものとすればよい。
【0018】
次にステップS130に移行して、前記ステップS120において自車両の走行車線が正しく検出されているか否かを判定し、走行車線が正しく検出されている場合にはステップS190に移行し、そうでない場合にはステップS140に移行する。
前記ステップS140では、後述する図6の演算処理に従って、可視判定走行車線検出を行ってからステップS150に移行する。この可視判定走行車線検出が、本発明の可視判定走行車線検出手段に相当する。なお、前記ステップS120の候補点数走行車線検出によって走行車線が検出できず、このステップS140の可視判定走行車線検出によって走行車線が検出できた場合には、当該可視判定走行車線検出で検出された走行車線に対して自車両のヨー角φ、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅L、先行車両の幅W、先行車両までの距離Y、走行車線中央からの先行車両の横変位Dを算出する。
【0019】
前記ステップS150では、前記ステップS140の可視判定走行車線検出によって走行車線が検出されているか否かを判定し、可視判定走行車線検出によって走行車線が検出されている場合には前記ステップS190に移行し、そうでない場合にはステップS210に移行する。
前記ステップS190では、逸脱推定値として将来の推定横変位XSを算出してからステップS200に移行する。具体的には、前記ステップS120又はステップS140で読込んだ自車両の走行車線に対するヨー角φ、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β及び前記ステップS110で算出した自車両の走行速度Vを用い、下記2式に従って将来の推定横変位XSを算出する。
【0020】
XS=Tt×V×(φ+Tt×V×β)+X ……… (2)
ここで、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間であり、車頭時間Ttに自車両の走行速度Vを乗じると前方注視距離になる。つまり、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位XSとなる。後述するように、本実施形態では、この将来の推定横変位XSが所定の横変位限界値以上となるときに自車両は走行車線を逸脱する可能性がある、或いは逸脱傾向にあると判断するのである。
【0021】
前記ステップS200では、自車両が走行車線から逸脱傾向にあるか否かの判断を行ってから前記ステップS210に移行する。具体的には、前記ステップS190で算出した逸脱推定値としての将来の推定横変位の絶対値|XS|が、前記横変位限界値XC 以上であるときに自車両が走行車線から逸脱傾向にあるとして逸脱判断フラグFLDをセットし、そうでないときには自車両は走行車線から逸脱傾向にはないとして逸脱判断フラグFLDをリセット状態とする。なお、前記方向指示スイッチ20からの入力によって推定される車線変更方向と、自車両の走行車線からの逸脱方向とが一致するときには逸脱判断フラグFLDをリセット状態とする。また、このステップS200で、自車両が走行車線から逸脱傾向にあることを警報するか否かの判断を行ってもよい。具体的には、前記ステップS190で算出した逸脱推定値としての将来の推定横変位の絶対値|XS|が、前記ステップS120で読込んだ走行車線幅Lの半分値から自車両の車幅L0 の半分値を減じた横変位限界値XC 以上であるときに警報するとし、そうでないときには警報しないものとするなどの手法が考えられる。
【0022】
前記ステップS210では、車線逸脱防止のための目標ヨーモーメントMS を算出設定する。ここでは、前記逸脱判断フラグFLDがセットされているときにだけ目標ヨーモーメントMS を設定するので、当該逸脱判断フラグFLDがセットされているときには、車両諸元から決まる比例係数K1 と、図5に示す車両走行速度Vに応じて設定される比例係数K2 と、前記ステップS190で算出された将来の推定横変位XSと、前記横変位限界値XC とを用いて、下記3式に従って目標ヨーモーメントMS を算出する。
【0023】
MS =−K1 ×K2 ×(XS−XC ) ……… (3)
なお、前記逸脱判断フラグFLDがリセット状態にあるときには目標ヨーモーメントMS は“0”とする。
次にステップS220に移行して、各車輪への目標制動流体圧PSi及び駆動輪の目標駆動力を算出する。具体的には、前記ステップS110で読込んだマスタシリンダ圧Pm に対し、前後制動力配分に基づく後輪用マスタシリンダ圧をPmRとしたとき、前記逸脱判断フラグFLDがリセット状態にあるときには、前左右輪5FL、5FRのホイールシリンダ6FL、6FRへの目標制動流体圧PSFL 、PSFR は共にマスタシリンダ圧Pm となり、後左右輪5RL、5RRのホイールシリンダ6RL、6RRへの目標制動流体圧PSRL 、PSRR は共に後輪用マスタシリンダ圧PmRとなる。
【0024】
一方、前記逸脱判断フラグFLDがセットされているときでも、前記ステップS210で算出された目標ヨーモーメントMS の大きさに応じて場合分けを行う。即ち、前記目標ヨーモーメントの絶対値|MS |が所定値MS0未満であるときには後左右輪の制動力にだけ差を発生させ、当該目標ヨーモーメントの絶対値|MS |が所定値MS0以上であるときには前後左右輪の制動力に差を発生させる。従って、前記目標ヨーモーメントの絶対値|MS |が所定値MS0未満であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPSFは“0”であり、後左右輪目標制動流体圧差ΔPSRは下記4式で与えられる。同様に、目標ヨーモーメントの絶対値|MS |が所定値MS0以上であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPSFは下記5式で、後左右輪目標制動流体圧差ΔPSRは下記6式で与えられる。なお、式中のTはトレッド(前後輪で同じとする)、KbF、KbRは、夫々、制動力を制動流体圧に換算するための換算係数であり、ブレーキ諸元によって決まる。
【0025】
ΔPSR=2×KbR×|MS |/T ……… (4)
ΔPSF=2×KbF×(|MS |ーMS0)/T ……… (5)
ΔPSR=2×KbR×|MS0|/T ……… (6)
従って、前記目標ヨーモーメントMS が負値であるとき、即ち自車両が左方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧PSiは下記7式で与えられる。
【0026】
PSFL =Pm
PSFR =Pm +ΔPSF
PSRL =Pm
PSRR =Pm +ΔPSR ……… (7)
これに対し、前記目標ヨーモーメントMS が正値であるとき、即ち自車両が右方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧PSiは下記8式で与えられる。
【0027】
PSFL =Pm +ΔPSF
PSFR =Pm
PSRL =Pm +ΔPSR
PSRR =Pm ……… (8)
また、本実施形態では、前記逸脱判断フラグFLDがセットされており、車線逸脱防止制御が行われるときには、アクセル操作が行われていてもエンジンの出力を絞って加速できなくする。従って、逸脱判断フラグFLDがセットされているときの目標駆動トルクTrqDSは、前記ステップS1で読込んだアクセル開度Accに応じた値から、前記前後輪の目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和に応じた値を減じた値とする。つまり、アクセル開度Accに応じた値とは、当該アクセル開度Accに応じて自車両を加速する駆動トルクであり、前後輪の目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和に応じた値とは、目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和によって生じる制動トルクである。従って、逸脱判断フラグFLDがセットされており、車線逸脱防止制御が行われるときには、前記目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和によって生じる制動トルク分だけ、エンジンのトルクが低減されることになる。なお、逸脱判断フラグFLDがリセットされているときの目標駆動トルクTrqDSは、前記アクセル開度Accに応じて自車両を加速する駆動トルク分だけとなる。
【0028】
次にステップS230に移行して、前記ステップS220で算出された各車輪の目標制動流体圧を前記制動流体圧制御回路7に向けて出力すると共に、駆動輪の目標駆動トルクを前記駆動トルクコントロールユニット12に向けて出力してからメインプログラムに復帰する。
次に、前記ステップS140で行われる可視判定走行車線検出の演算処理に付いて、図6のフローチャートを用いて説明する。この演算処理では、まずステップS341で、可視判定カウンタCNTを“0”にクリアしてからステップS342に移行する。
【0029】
前記ステップS342では、例えば図7に示す自車両に最も近い前記レーンマーカ候補点P1 が先行車両に隠れるか否かを判定し、当該自車両に最も近いレーンマーカ候補点P1 が先行車両に隠れる場合にはステップS343に移行し、そうでない場合にはステップS344に移行する。
ここで、図 8に示すように、各レーンマーカ候補点Pn (n=1、2、3…)までの距離をZn とし、前記ステップS120で読込むか、或いは前回の演算処理時に算出された走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線幅L、先行車両の幅W、先行車両までの距離Y、走行車線中央からの先行車両の横変位Dを重ね合わせると、縦方向に関しては、前記かクレーンマーカ候補点Pn までの距離Zn が前記先行車両までの距離以上であるときに当該レーンマーカ候補点Pn は先行車両に隠れる可能性が高い。また、横方向に関しては、前記走行車線中央からの先行車両の横変位Dと先行車両の幅の半分W/2との和が前記走行車線中央からの自車両の横変位Xと走行車線幅の半分L/2との和以上であるときに当該レーンマーカ候補点Pn は先行車両に隠れる可能性が高い。実質的に、二つの条件が満足されるときに当該レーンマーカ候補点Pn は先行車両に隠れる。
【0030】
前記ステップS344では、前記可視判定カウンタCNTをインクリメントしてから前記ステップS343に移行する。
前記ステップS344では、例えば図7に示す自車両から二番目に遠い前記レーンマーカ候補点P2 が先行車両に隠れるか否かを判定し、当該自車両から二番目に遠いレーンマーカ候補点P2 が先行車両に隠れる場合にはステップS345に移行し、そうでない場合にはステップS346に移行する。
【0031】
前記ステップS346では、前記可視判定カウンタCNTをインクリメントしてから前記ステップS345に移行する。
前記ステップS345では、例えば図7に示す自車両から三番目に遠い前記レーンマーカ候補点P3 が先行車両に隠れるか否かを判定し、当該自車両から三番目に遠いレーンマーカ候補点P3 が先行車両に隠れる場合にはステップS347に移行し、そうでない場合にはステップS348に移行する。
【0032】
前記ステップS348では、前記可視判定カウンタCNTをインクリメントしてから前記ステップS347に移行する。
前記ステップS347では、例えば図7に示す自車両から四番目に遠い前記レーンマーカ候補点P4 が先行車両に隠れるか否かを判定し、当該自車両から四番目に遠いレーンマーカ候補点P4 が先行車両に隠れる場合にはステップS349に移行し、そうでない場合にはステップS350に移行する。
【0033】
前記ステップS350では、前記可視判定カウンタCNTをインクリメントしてから前記ステップS349に移行する。
前記ステップS349では、例えば図7に示す自車両から五番目に遠い前記レーンマーカ候補点P5 が先行車両に隠れるか否かを判定し、当該自車両から五番目に遠いレーンマーカ候補点P5 が先行車両に隠れる場合にはステップS351に移行し、そうでない場合にはステップS352に移行する。
【0034】
前記ステップS352では、前記可視判定カウンタCNTをインクリメントしてから前記ステップS351に移行する。
前記ステップS351では、前記レーンマーカ候補点の総数が前記可視判定カウンタCNTに閾値算出係数αを乗じた値、即ちレーンマーカ候補点可視所定値以上であるか否かを判定し、当該レーンマーカ候補点数がレーンマーカ候補点可視所定値以上である場合にはステップS353に移行し、そうでない場合にはステップS354に移行する。
【0035】
前記ステップS353では、可視判定走行車線検出によって走行車線を検出したとしてから前記図2の演算処理のステップS150に移行する。また、このステップS353では、当該可視判定走行車線検出によって検出された走行車線に対して前記自車両のヨー角φ、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅L、先行車両の幅W、先行車両までの距離Y、走行車線中央からの先行車両の横変位Dを算出する。
【0036】
また、前記ステップS354では、可視判定走行車線検出によって走行車線を検出できなかったとしてから前記図2の演算処理のステップS150に移行する。
前記図2の演算処理によれば、図8に示すように、何らかの手法により走行車線が検出されており、運転者の意図的な車線変更でもなく、且つ将来の推定横変位XSが横変位限界値XC 以上となったときに、自車両は走行車線から逸脱する傾向にあると判断されて逸脱判断フラグFLDがセットされ、前記将来の推定横変位XSと横変位限界値XC との差に基づいて目標ヨーモーメントMS を算出し、その目標ヨーモーメントMS が達成されるように各車輪の制動力が制御される。これにより、例えば操舵入力が小さいときには、車両に車線逸脱を防止するヨーモーメントが発生して車線逸脱が防止されると共に、制動力によって車両の走行速度が減速されるため、より安全に車線の逸脱を防止することが可能となる。また、この実施形態では、車線逸脱防止制御が行われている間は、エンジンの出力トルクが低減されて自車両の走行速度が減速されるため、更に安全に車線に逸脱を防止することが可能となる。
【0037】
また、この実施形態では、前述した候補点数走行車線検出に限らず、可視判定走行車線検出で走行車線が検出されたときにも前記ヨーモーメントによる車線逸脱防止制御が行われる。特に、前記可視判定走行車線検出では、先行車両によって隠れていない部位、運転者の感覚で言えば見えている部分でレーンマーカを検出することになるから、実際に運転者が認識できるレーンマーカの状態と車線逸脱防止制御とが合致し、違和感が払拭される。
【0038】
以上より、図1の各センサ及びカメラコントローラ14及び図2の演算処理のステップS110及びステップS120が本発明の走行状態検出手段を構成し、以下同様に、図2の演算処理のステップS120及びステップS140が走行車線検出手段及びレーンマーカ検出手段を構成し、図2の演算処理のステップS190、ステップS200が逸脱判断手段を構成し、図2の演算処理のステップS210乃至ステップS230及び図1の制動流体圧制御回路7及び駆動トルクコントロールユニット12が車両挙動制御手段を構成し、図1のCCDカメラ13及びカメラコントローラ14及び図2の演算処理のステップS110が撮像手段を構成し、図2の演算処理のステップS140及び図6の演算処理が可視判定走行車線検出手段を構成し、図2の演算処理のステップS120が候補点数判定走行車線検出手段を構成し、図2の演算処理のステップS220が制駆動力制御量算出手段を構成し、図2の演算処理のステップS230及び図1の制動流体圧制御回路7及び駆動トルクコントロールユニット12が制駆動力制御手段を構成している。
【0039】
次に、本発明の車線逸脱防止装置の第2実施形態について説明する。この実施形態における車両概略構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。
本実施形態では、前記制駆動力コントロールユニット8で行われる演算処理が、前記第1実施形態の図2のものから図10のものに変更されている。この図10の演算処理は、前記図2の演算処理に類似しており、同等のステップもある。そこで、同等のステップには同等の符号を附して詳細な説明を省略する。具体的な相違点を挙げると、前記ステップS130とステップS190との間にステップS170が介装され、前記ステップS150とステップS190との間にステップS180が介装され、前記ステップS210がステップS211に変更されている。
【0040】
前記ステップS170では、目標ヨーモーメント比例係数kを“1”としてから前記ステップS190に移行する。
また、前記ステップS180では、前記目標ヨーモーメント比例係数kを“1”より小さい所定値k0 としてから前記ステップS190に移行する。
そして、前記ステップS211では、前記3式で算出される目標ヨーモーメントMS に前記目標ヨーモーメント比例係数kを乗じ、その値を新たな目標ヨーモーメントMS に設定してから前記ステップS220に移行する。
【0041】
この演算処理によれば、前記第1実施形態の作用に加え、前記可視判定走行車線検出でしか走行車線、或いはレーンマーカが検出できないときには、“1”より小さい所定値k0 からなる目標ヨーモーメント比例係数kが設定され、その目標ヨーモーメント比例係数kを乗じて目標ヨーモーメントMS が設定される。即ち、目標ヨーモーメントMS は、本実施形態の車線逸脱防止装置の制御出力であるから、ゲインを小さく変更することにより、可視判定走行車線検出でしか走行車線、或いはレーンマーカを検出できないときの制御出力を、候補点数走行車線検出で走行車線、或いはレーンマーカを検出したときのそれより小さく調整することになる。前述のように、車線逸脱防止制御は、可視判定走行車線検出で検出された走行車線、或いはレーンマーカに対しても行うべきであるが、しかしながら走行車線を完全に正確に検出していないことには代わりがない。そこで、可視判定走行車線検出でしか走行車線、或いはレーンマーカを検出できないときには、本実施形態のように制御出力を低減しながら車線逸脱防止制御を継続することにより、そうした状況下における適切な車線逸脱防止制御を行うことが可能となる。
【0042】
なお、本実施形態では前記目標ヨーモーメント比例係数kからなるゲインをステップ的に変化させたが、これを連続的に変化させるようにしてもよい。
また、制御出力の減少方法は、これ以外にも、制御の実行回数や制御継続時間を小さくすることによっても可能である。
以上より、図1の各センサ及びカメラコントローラ14及び図10の演算処理のステップS110及びステップS120が本発明の走行状態検出手段を構成し、以下同様に、図10の演算処理のステップS120及びステップS140が走行車線検出手段及びレーンマーカ検出手段を構成し、図10の演算処理のステップS190、ステップS200が逸脱判断手段を構成し、図10の演算処理のステップS170及びステップS180及びステップS211乃至ステップS230及び図1の制動流体圧制御回路7及び駆動トルクコントロールユニット12が車両挙動制御手段を構成し、図1のCCDカメラ13及びカメラコントローラ14及び図10の演算処理のステップS110が撮像手段を構成し、図10の演算処理のステップS140及び図6の演算処理が重要度判定走行車線検出手段を構成し、図10の演算処理のステップS120が候補点数判定走行車線検出手段を構成し、図10の演算処理のステップS220が制駆動力制御量算出手段を構成し、図10の演算処理のステップS230及び図1の制動流体圧制御回路7及び駆動トルクコントロールユニット12が制駆動力制御手段を構成している。
【0043】
次に、本発明の車線逸脱防止装置の第3実施形態について説明する。この実施形態における車両概略構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。
本実施形態では、前記制駆動力コントロールユニット8で行われる演算処理が、前記第1実施形態の図2のものから図10のものに変更されている。この図10の演算処理は、前記図2の演算処理に類似しており、同等のステップもある。そこで、同等のステップには同等の符号を附して詳細な説明を省略する。具体的な相違点を挙げると、前記ステップS130とステップS190との間にステップS171が介装され、前記ステップS150とステップS190との間にステップS181が介装されている。
【0044】
前記ステップS171では、前記逸脱傾向判定のための横変位限界値XC をそのまま横変位限界値XC としてから前記ステップS190に移行する。
また、前記ステップS181では、前記逸脱傾向判定のための横変位限界値XC を、当該横変位限界値XC より大きな所定値XC0としてから前記ステップS190に移行する。
【0045】
この演算処理によれば、前記第1実施形態の作用に加え、前記可視判定走行車線検出でしか走行車線、或いはレーンマーカが検出できないときには、本来の横変位限界値XC より大きな所定値XC0を新たな横変位限界値XC とし、この横変位限界値XC を用いて逸脱傾向の判定が行われる。この場合、前記逸脱推定値としての将来の推定横変位の絶対値|XS|が、前記横変位限界値XC 以上であるときに自車両が走行車線から逸脱傾向にあるとして逸脱判断フラグFLDをセットするので、当該横変位限界値XC が大きな値になれば逸脱傾向と判断されにくく、車線逸脱防止制御の介入タイミングが遅れる、つまり目標ヨーモーメントMS は“0”となる。また、前記3式で算出される目標ヨーモーメントMS も小さな値になり、前記第2実施形態と同様に制御出力が小さく調整されることになる。即ち、目標ヨーモーメントMS は、本実施形態の車線逸脱防止装置の制御出力であるから、閾値を大きく変更することにより、可視判定走行車線検出でしか走行車線、或いはレーンマーカを検出できないときの制御出力を、候補点数走行車線検出で走行車線、或いはレーンマーカを検出したときのそれより小さく調整することになる。前述のように、車線逸脱防止制御は、可視判定走行車線検出で検出された走行車線、或いはレーンマーカに対しても行うべきであるが、しかしながら走行車線を完全に正確に検出していないことには代わりがない。そこで、可視判定走行車線検出でしか走行車線、或いはレーンマーカを検出できないときには、本実施形態のように制御出力を低減しながら車線逸脱防止制御を継続することにより、そうした状況下における適切な車線逸脱防止制御を行うことが可能となる。
【0046】
なお、本実施形態では前記横変位限界値XC なる閾値をステップ的に変化させたが、これを連続的に変化させるようにしてもよい。
また、制御出力の減少方法は、これ以外にも、制御の実行回数や制御継続時間を小さくすることによっても可能である。
【0047】
以上より、図1の各センサ及びカメラコントローラ14及び図11の演算処理のステップS110及びステップS120が本発明の走行状態検出手段を構成し、以下同様に、図11の演算処理のステップS120及びステップS140が走行車線検出手段及びレーンマーカ検出手段を構成し、図11の演算処理のステップS190、ステップS200が逸脱判断手段を構成し、図11の演算処理のステップS171及びステップS181及びステップS210乃至ステップS230及び図1の制動流体圧制御回路7及び駆動トルクコントロールユニット12が車両挙動制御手段を構成し、図1のCCDカメラ13及びカメラコントローラ14及び図11の演算処理のステップS110が撮像手段を構成し、図11の演算処理のステップS140及び図6の演算処理が重要度判定走行車線検出手段を構成し、図11の演算処理のステップS120が候補点数判定走行車線検出手段を構成し、図11の演算処理のステップS220が制駆動力制御量算出手段を構成し、図11の演算処理のステップS230及び図1の制動流体圧制御回路7及び駆動トルクコントロールユニット12が制駆動力制御手段を構成している。
なお、前記実施形態では、車線逸脱判断の閾値となる横変位限界値XC を車幅と走行車線幅とから算出したが、例えば日本国内の高速道路の走行車線幅は3.35mと決まっていることから、例えばこれを0.8mと固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車線逸脱防止装置を搭載した車両の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の制駆動力コントロールユニット内で実行される情報演算処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図3】図2の演算処理の作用の説明図である。
【図4】図2の演算処理の作用の説明図である。
【図5】図2の演算処理に用いられる制御マップである。
【図6】図2の演算処理で行われるサブルーチン処理のフローチャートである。
【図7】図6の演算処理の作用の説明図である。
【図8】図6の演算処理の作用の説明図である。
【図9】図2の演算処理の作用の説明図である。
【図10】図1の制駆動力コントロールユニット内で実行される情報演算処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図11】図1の制駆動力コントロールユニット内で実行される情報演算処理の第3実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
6FL〜6RRはホイールシリンダ
7は制動流体圧制御回路
8は制駆動力コントロールユニット
9はエンジン
12は駆動トルクコントロールユニット
13はCCDカメラ
14はカメラコントローラ
15は加速度センサ
16はヨーレートセンサ
17はマスタシリンダ圧センサ
18はアクセル開度センサ
19は操舵角センサ
20は方向指示スイッチ
22FL〜22RRは車輪速度センサ
Claims (5)
- 自車両の走行車線を検出する走行車線検出手段と、自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記走行車線検出手段で検出された走行車線及び走行状態検出手段で検出された走行状態から自車両が走行車線から逸脱傾向にあることを検出する逸脱判断手段と、前記逸脱判断手段で自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されたときに、前記走行状態検出手段で検出された走行状態に応じて、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように車両の挙動を制御する車両挙動制御手段とを備え、前記走行車線検出手段は、自車両近傍の道路状態を撮像する撮像手段と、自車両の走行車線の両側のレーンマーカを検出するレーンマーカ検出手段と、縦方向に関しては、前記レーンマーカ検出手段で検出されたレーンマーカの特定の部位までの距離と自車両近傍の道路上の物体までの距離とを比較し、横方向に関しては、走行車線中央からの自車両近傍の道路上の物体の横変位と走行車線中央からの自車両の横変位とを比較することで当該自車両近傍の道路上の物体により当該レーンマーカの特定の部位が隠れている状態を検出し、当該自車両近傍の道路上の物体により隠れていないレーンマーカの特定の部位で走行車線を検出する可視判定走行車線検出手段とを備えたことを特徴とする車線逸脱防止装置。
- 前記走行車線検出手段は、前記レーンマーカ検出手段で検出されたレーンマーカの特定の部位の数から走行車線を検出する候補点数判定走行車線検出手段を備え、前記車両挙動制御手段は、前記可視判定走行車線検出手段でしか走行車線を検出できないときは、前記候補点数判定走行車線検出手段で走行車線を検出したときよりも制御出力を小さくすることを特徴とする請求項1に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記車両挙動制御手段は、制御ゲインを変更することにより制御出力を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記車両挙動制御手段は、制御閾値を変更することにより制御出力を小さくすることを特徴とする請求項2又は3に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記車両挙動制御手段は、前記自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように各車輪の制駆動力制御量を算出する制駆動力制御量算出手段と、前記制駆動力制御量算出手段で算出された制駆動力制御量に応じて各車輪の制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の車線逸脱防止装置。
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