JP3917856B2 - 容器のネジ部検査装置および検査方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、容器の外面に形成されたネジ部を検査する装置および方法に関し、特にレーザ光などの所定の検査光を僅かでも反射する金属製や合成樹脂製で形成されたネジ部の傷や変形を検出するための検査装置および検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属製のボトル型缶やビンなどの口部に形成されるネジ部には、キャップが螺着されたり、あるいは有底円筒状のキャップ素材を冠着した状態でそのキャップ素材をネジ部に合わせてロール成形するなどの加工が施される。したがってキャップによって確実に密閉するために、そのネジ部が設計どおりに形成されている必要がある。
【0003】
そのため、従来では、容器の口部に形成したネジ部を検査し、良品のみをキャップの取付工程に送ることがおこなわれている。その検査のための装置や方法の一例が、特開平10−38527号公報や特開昭63−115039号公報あるいは特開昭63−277959号公報に記載されている。
【0004】
これらの従来の装置や方法を簡単に説明すると、特開平10−38527号公報には、レーザ寸法測定器を使用してネジ深さを測定する装置が記載されている。これは、ボトルの口部に形成したネジ部の軸線に対して垂直な方向に、所定の幅をもったレーザ光を照射し、そのレーザ光をネジ部が遮った結果として生じる残りのレーザ光の幅に基づいてネジ深さを測定するように構成されている。
【0005】
また、特開昭63−115039号公報には、光源を基本周波数で駆動することにより発せられたパルス化された光をビンに向けて照射し、ひびで反射した光が変調するので、その変調した光信号の輝度に応じた検出信号を得、こうして得られた検出信号に基づいてビンのひびを検出するように構成した装置が記載されている。また、この公報に記載された装置では、容器を回転させることにより生じる振幅変調の信号に近い低周波数範囲の信号をフィルター処理によって取り出し、その信号に含まれるひびに基づく信号を検出するようになっている。
【0006】
さらに、特開昭63−277959号公報には、口ネジ部を撮像してその画像を得、その画像から得られる輪郭線の特徴を利用して欠陥を検出する方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平10−38527号公報に記載された発明では、レーザ光の光軸に対して垂直な切断面に現れるネジの深さを測定することになるので、ネジ部の一部の深さを測定することにとどまり、ネジ部1周分の検査をおこなうことができない。また、その測定項目は、ネジ部の深さに限られ、ネジ部に生じることのある傷などの欠陥を検出することが困難あるいはできないという不都合がある。
【0008】
また、上記の特開昭63−115039号公報に記載された発明では、ひびを検出することができるが、周波数の変調や輝度の変化が生じない欠陥を検出することができず、またネジ部の周期やその山の高さ、谷の深さなどネジ部自体の良否の検査をおこなうことが困難あるいはできないという不都合がある。
【0009】
さらに、特開昭63−277959号公報に記載された方法では、得られる画像の向きが一定している必要があるので、缶やビンなどの検査対象物がランダムに流れている製造ラインでの検査には採用することができない。また、画像処理する必要があるために、検査に時間が掛かり、また装置もしくは設備が高価になる不都合がある。さらに、ネジ部の周期やその山の高さ、谷の深さなどネジ部の形状の検査をおこなうことが困難あるいはできないという不都合がある。
【0010】
この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、容器に形成されたネジ部の微小な傷や変形、ネジ山谷部の周期やその山の高さ、谷の深さ等の総合的な検査を容易に、高精度、高速、かつ安価におこなうことが可能な検査装置および検査方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、容器のキャップが冠着されるネジ部からの反射光によってそのネジ部の欠陥を検査する容器のネジ部検査装置において、前記容器を回転させる回転手段と、前記ネジ部に検査光を照射するとともにそのネジ部での反射光を受光してネジ部表面までの距離を測定する距離測定手段と、前記容器を回転させることに伴う前記ネジ部表面までの距離の変化を示す波形信号について、ノイズに基づく高い周波数成分を除去する信号処理と、前記ノイズに基づく高い周波数成分および前記ネジ部の周期に基づく低い周波数成分を除去する他の信号処理とのいずれかを行う信号処理手段と、その信号処理手段で処理された信号のレベルが予め定めた範囲の上限値を超えもしくは下限値を下回ることにより前記ネジ部に生じている傷による凹凸の不良を判定する欠陥判定手段とを備えていることを特徴とする検査装置である。
【0013】
したがって請求項1の発明では、容器を回転させた際の距離測定手段によりネジ部表面までの距離の変化を検出し、その結果得られた波形信号を処理し、その処理した信号に基づいて欠陥を判断するので、画像を利用する装置に比較して容易に、ネジ部を検査してその欠陥を検出できるうえに、装置もしくは設備を低廉なものとすることができる。また、波形信号に基づいて検査をおこなうのであって、ネジ部における山谷部の絶対値を求めるものではないから、検査の開始位置に制約がなく、したがってランダムに搬送される容器を対象として迅速に検査をおこなうことができる。
【0014】
また、ネジ部における山谷部の周期的な変化に基づく低周波数成分およびノイズによる高周波数成分を除去した信号に基づいて欠陥の判定をおこなうので、金属製のネジ部を有し、圧延加工した際に発生する細かな表面の円周方向に異なる圧延目の粗さを生じているような場合の被検査体に大変有効であり、その信号にはネジ部における山谷部に微細な変形が生じていれば、これが波形信号として現れるので、例えば、その信号レベルがしきい値を超えることにより、そのような欠陥を容易に判定することができる。
【0015】
より具体的に説明すると、請求項1の発明では、容器を回転させてネジ部表面までの距離を測定する。得られた検出信号は、容器が回転することに伴う検査光の照射点の変動に起因した波形信号となり、この検出信号にフィルター処理などの信号処理を行い、ノイズに基づく高い周波数成分やネジ部における山谷部の周期に基づく低い周波数成分の信号を除去する。その結果、直線に近い波形信号に周波数変換される。従って、容器のネジ部が金属製の場合、金属製素材を圧延加工した際に発生する細かな表面の粗さが、後述する電気的ノイズ(内部的雑音(ノイズ)及び外部的雑音(ノイズ))に似た信号として現れる。これは、欠陥とならない雑音(ノイズ)として、フィルター処理などの信号処理を行うことで、電気的ノイズと共に除去して、容器ネジ部の欠陥を判定するようにする。
【0016】
この圧延加工した際に発生する細かな表面粗さはアルミニウム素材で、ネジ部が印刷されていない場合や、透明フィルムで覆われている場合に顕著に現れるため、このような対象物を検査する際には、圧延加工された金属製素材の細かな表面粗さに基づく信号を、信号処理して除去し検査できるので、この発明が大変有効である。
【0017】
次にネジ成形の際に生じる微小な傷や変形を、大きな周期(サインカーブ)の波形信号から検出するよりも、直線に近い波形信号から検出したほうが、大きな周期(サインカーブ)に惑わされることなく、確実に精度良く検査することが可能となる。
【0018】
また、容器のネジ成形開始・終了位置がランダムに取り込まれても、ネジ成形の際に生じる微小な傷や変形の検査を容易な調整で、高精度、高速、かつ安価におこなうことが可能となる。
【0019】
つまり、画像処理装置を用いた場合には、照明装置や撮像装置の調整、画像処理をおこなう上でのウィンドウや判定閾値などの設定、また容器のネジ成形開始・終了位置がランダムに取り込まれる画像の複雑な位置合わせなどの細かな設定をおこなう必要があるが、請求項1あるいは請求項2の発明は、検査位置の容器を回転させ、回転している容器のネジ部側方に設置された、距離測定手段により容器のネジ部表面までの距離を測定し、その距離信号から欠陥に基づく信号を取り出す信号処理を行い、その処理した信号に基づいて欠陥有りと判定した場合、不良品として判断するため、容器のネジ成形開始・終了位置がランダムに取り込まれても、ネジ部の検査を容易な調整で、精度良く、高速、かつ安価におこなうことが可能である。
【0020】
特に、請求項1の発明では、ネジ部の周期的な変化に基づく低周波数成分およびノイズによる高周波数成分を除去した信号に基づいて欠陥の判定をおこなうので、金属製のネジ部を有し、圧延加工した際に発生する細かな表面の円周方向に異なる圧延目の粗さを生じているような場合の被検査体に大変有効であり、その信号にはネジ部における山谷部に微細な変形が生じていれば、これが波形信号として現れるので、例えば、その信号レベルがしきい値を超えることにより、そのような欠陥を容易に判定することができる。
【0021】
さらに、請求項1の発明における距離測定手段では、変位センサーを使用しているため、スポット的な任意の点までの距離を測定することが可能であり、画像処理では検出が困難なネジ成形の際に生じる微小な傷や変形に対しても、高精度に、しかも画像処理装置に比べ高速に、かつ安価に検査をおこなうことが可能である。
【0022】
さらにまた、ネジ部を成形する外側や内側の成形ツールに異物が付着した状態で成形したときに発生する傷や、外側と内側との成形ツールに口部を挟み込み、口部は公転しながら自転し、ネジ部を成形するが、自転力を伝達する中子と口部とがスリップしたりして、口部の自転する速度が安定しなかった場合には、ネジ部における山谷部にずれが生じ、一定の螺旋形状のネジ山谷部が形成されなかったり、ネジ部を成形する外側と内側とのツールの噛み合いが合わずにずれたまま成形したりする噛み合い不良により、ネジ部における山谷部の正規な高低差(深さ)が確保できなかったり等の成形過程の不具合により発生するネジ部における山谷部の欠陥については、ネジ成形の開始から終了までの、ネジ成形部の任意な外周点を少なくとも1回転分(1周期分)検査すれば欠陥が発生していることを傾向的に検出することが可能である。
【0023】
したがって、このようなキャップの成形不良や巻締め不良、内容物の漏れ等につながる、重欠陥になる恐れのある、ネジ成形の際に生じる傷や変形、ネジ山谷部の周期やその山の高さ、谷の深さ等を、このような簡易な方法で傾向的に検査することができる。
【0024】
また、請求項2の発明は、容器のキャップが冠着されるネジ部からの反射光によってそのネジ部の欠陥を検査する容器のネジ部検査方法において、検査位置の容器を回転させ、回転している容器のネジ部側方から、前記ネジ部表面までの距離を少なくとも1回転分測定し、測定された容器のネジ部側方から前記ネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の、前記ネジ部の山部の周期、または、前記ネジ部の谷部の周期と、予め設定された良品の容器のネジ部側方から該容器のネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の容器のネジ部における山部の周期、または、谷部の周期に上下限を定めた規定範囲とを比較して容器ネジ部の欠陥を検査する工程と、測定された容器のネジ部側方から前記ネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の、最大値・最小値と、予め設定された良品の容器のネジ部側方から該容器のネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の最大値・最小値に上下限を定めた規定範囲とを比較して前記ネジ部の欠陥を検査する工程と、測定された容器のネジ部側方から前記ネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の、波形パターンと、予め設定された良品の容器のネジ部側方から該容器のネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の波形パターンに上下限を定めた規定範囲とを比較して前記ネジ部の欠陥を検査する工程と、測定された容器のネジ部側方から前記ネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分と、前記ネジ部における山部または谷部の周期に基づく低い周波数成分を除去するフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の、最大値と最小値との差と、予め設定された良品の容器のネジ部側方から該容器のネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分と、ネジ部における山部あるいは谷部の周期に基づく低い周波数成分を除去するフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の、最大値と最小値との差に上下限を定めた規定範囲とを比較して前記ネジ部の欠陥を検査する工程との何れかの検査工程で欠陥有りと判定されたときに不良な容器と判断する容器のネジ部検査方法である。
【0025】
したがって請求項2の発明では、容器を回転させ、その容器のネジ部側方から、ネジ部表面までの距離を少なくとも1回転分測定し、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理を行って周波数変換されたネジ部における山部の周期、または、ネジ部における谷部の周期を検査する工程と、最大値・最小値を検査する工程と、波形パターンを検査する工程と、ノイズに基づく高い周波数成分とネジ部における山谷部の周期に基づく低い周波数成分を除去するフィルター処理をおこなって周波数変換された最大値と最小値との差とを検査する工程の何れかの検査工程が欠陥有りと判定したときに不良な容器と判断するネジ部の欠陥を検査する方法であるため、容器のネジ成形開始・終了位置がランダムに取り込まれても、ネジ成形の際に生じる微小な傷や変形、ネジ山谷部の周期やその山の高さ、谷の深さ等の総合的な検査を容易な調整で、高精度、高速、かつ安価におこなうことが可能となる。
【0026】
請求項2の発明は、検査位置の容器を回転させ、回転している容器のネジ部側方に設置された、変位検出器から容器のネジ部表面までの距離を測定し、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理を行って周波数変換された距離信号の少なくとも1回転分の測定値により算出された、周期や最大・最小値、波形パターンと、予め設定された良品の変位検出器からネジ部表面までの距離のノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理を行って周波数変換された距離信号の少なくとも1回転分の測定値に上下限を定めた周期や最大・最小値、波形パターンの規定範囲とを比較し、何れかが欠陥有りと判定した場合、または、ノイズに基づく高い周波数成分とネジ部における山谷部の周期に基づく低い周波数成分を除去するフィルター処理を行った周波数変換された信号の、最大値と最小値との差と、予め設定された良品の容器のネジ部側方からネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分とネジ部における山谷部の周期に基づく低い周波数成分のみを除去するフィルター処理を行った周波数変換された信号の、最大値と最小値との差に上下限を定めた規定範囲とを比較し、何れかの検査工程で欠陥有りと判定された場合には、不良品として判断するため、ネジ部における山部の周期、または、ネジ部における谷部の周期を検査する工程と、最大値・最小値を検査する工程と、波形パターンを検査する工程と、ハイパスフィルター処理を行った周波数変換された最大値と最小値との差とを検査する工程のそれぞれ個々の工程では検査しきれない点を、他の工程が補って検査することで、ネジ成形の際に生じる微小な傷や変形、ネジ山谷部の周期やその山の高さ、谷の深さ等を総合的に検出し、容器の品質を向上させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を、金属製の容器に形成したネジ部の検査をおこなうように構成した具体例に基づいて説明する。
【0028】
まず、検査対象である金属製容器におけるネジ部の構造およびその製造方法の一例を説明する。図9は、ネジ部成形装置1の略示的な正面図である。ネジ部成形装置1は、インナーツール2およびアウターツール3を有している。このインナーツール2は、ターレット(図示せず)の外周側に、円周方向に沿って複数取り付けられている。インナーツール2は、マンドレル2A(図11参照)の先端にネジ部材2B(図11参照)により固定されている。また、ターレットは図10の公転軸D1を中心として回転可能に構成されており、このターレットを回転させる電動機(図示せず)および動力伝達機構(図示せず)と、各マンドレル2Aを自転させる電動機(図示せず)および動力伝達機構(図示せず)とが設けられている。
【0029】
このため、ターレットが回転すると、各インナーツール2は、公転軸D1を中心とする真円の軌道E1上を、図9および図10に示すように時計方向に公転でき、各インナーツール2は軌道E1上で、図9に示すように反時計方向に自転できる。
【0030】
図11は、ネジ部成形装置1の側面図である。ボトル型の金属容器K1は、口頸部8に連続する肩部9と、肩部9に連続する円筒形状の胴部9A(図9に示す)とを有しており、この胴部9Aにおける口頸部8とは反対側の端部は開口されている。また、金属容器K1における口頸部8の端部には、傾斜部10を介してカール部11が形成されている。
【0031】
前記インナーツール2は、胴部9Aを経由して口頸部8側に挿入されるように構成されている。各インナーツール2は、図9および図11に示すように、水平な軸線F1を中心として自転する。インナーツール2の軸部4の外周には、軸線F1を中心として螺旋方向に傾斜した凹部5および凸部6が形成されている。また、軸部4における凹部5および凸部6よりも先端側には保持面7が形成されている。上記凹部5および凸部6によりネジ部51が構成されている。この保持面7は軸線F1を中心として環状に設けられているとともに、保持面7には、先端に向かうに伴い縮径する方向のテーパが付与されている。さらに、前記ターレットの外周には保持装置(図示せず)が設けられており、この保持装置により、金属容器K1の胴部9Aを保持するように構成されている。
【0032】
一方、前記アウターツール3は、軌道E1の外側に設けられている。このアウターツール3には、図9の上下方向、言い換えれば、軌道E1の半径方向に延ばされ長孔12が形成されており、この長孔12に挿入されたボルト(図示せず)の締め付けにより、保持台(図示せず)にアウターツール3が取り付けられている。アウターツール3は金属板などにより構成されており、図9においてアウターツール3の下面側、つまり、軌道E1に臨む領域には、複数の凹部13および凸部14が交互に形成されている。図12および図13は、アウターツール3をその長さ方向に分割して示す展開図(底面図)であり、凹部13および凸部14は、軸線F1に対して螺旋方向に傾斜している。なお、軸線F1方向において、アウターツール3の凸部14の幅方向の中心線(図示せず)同士の距離と、インナーツール2の凸部6の幅方向の中心線(図示せず)同士の距離とが同一に設定されている。
【0033】
また、図9および図10に示すように、アウターツール3の凹部13および凸部14の高さ方向の基準線G1と、インナーツール2の軌道E1との距離は、金属容器K1の移送方向の下流側に向かうにともない狭められている。基準線G1は、この実施形態においては、凹部13および凸部14により構成されるネジ部50の高さ方向の中心線になっている。図10には軌道E1を含む平面内において、金属容器K1の移送方向の上流側から下流側に向けて、基準線G1上に点A3、点A2、点A1、点AB、点B1を順次設定した場合が示されている。
【0034】
なお、曲率中心H1を中心として、点A3と点A2とのなす角度、曲率中心H1を中心として、点A2と点A1とのなす角度、曲率中心H1を中心として、点A1と点ABとのなす角度、曲率中心D1を中心として、点ABと点B1とのなす角度は、全てほぼ10度に設定されている。基準線G1上における各点同士の間の長さは、それぞれ金属容器K1の周長とほぼ一致している。さらに、点A3と点ABとの間の領域では、基準線G1が曲率中心H1を中心とする半径r1に設定されている。これに対して、点ABと点B1との間の領域では、基準線G1が曲率中心D2を中心とする半径r2に設定されている。この曲率中心D2は、前記公転軸D1上に設定されている。
【0035】
また、半径r2は半径r1よりも小さく設定されている。さらに、点A1と曲率中心H1とを結ぶ線分をJ1とし、前記軌道E1を含む平面内において、線分J1と直交する線分をK2とした場合、線分K2上において、曲率中心H1に対して距離L1分位置ずれした位置に、曲率中心D2が設定されている。曲率中心H1に対する曲率中心D2の位置ずれ方向は、金属容器K1の位相方向の下流側である。
【0036】
このように、点A3と点ABとの間の領域では、基準線G1と軌道E1との距離が、金属容器K1の移送方向の下流側に向けて狭められている。また、点ABと点B1との間の領域においては、基準線G1と軌道E1との距離が一定になっている。
【0037】
上記構成のネジ部成形装置1は、金属容器K1の製造工程に配置される。この製造工程には、ネジ部成形工程の他に、例えば、トリミング工程、カール工程、ビード成形工程などが含まれている。まず、トリミング工程においては、円筒形状の金属材料の両端部の不要部分が除去される。このトリミング工程の後でおこなわれるカール工程においては、円筒部材の一方の開口端がカールされ、カール部11が製造される。そして、カール工程の後工程であるネジ成形工程において、胴部9Aを経由して口頸部8の内部に、インナーツール2を挿入する。そして、図11に示すように、保持面7を傾斜面10の内周に接触させ、かつ、保持装置(図示せず)により金属容器K1の胴部9Aを保持した状態で、インナーツール2を図9に示すように反時計方向に自転させながら時計方向に公転させる。
【0038】
すると、金属容器K1も反時計方向に自転し、かつ、軌道E1に沿って移送されるとともに、アウターツール3に接近する。図9のように、アウターツール3の下方、つまり、金属容器K1の移送方向の最上流側に対応する位置に、金属容器K1が移送された時点では、図11に示すように、金属容器K1とアウターツール3とが非接触の状態にある。
【0039】
そして、前述したように、アウターツール3の基準線G1と、インナーツール2の軌道E1との距離が、金属容器K1の移送方向の下流側に向けて狭められている。このため、金属容器K1が下流側に移送されるにともない、金属容器K1の口頸部8の外表面が、アウターツール3に接触するとともに、金属容器K1の口頸部8がアウターツール13に沿って転動する。すると、図14および図15に示すように、アウターツール3の凹部13および凸部14と、インナーツール2の凸部6および凹部5とにより、金属容器K1の口頸部8が、その半径方向に挟み付けられてプレス加工される。
【0040】
このようにして、金属容器K1が、点A3に対応する位置から点A2に対応する位置に移送される際、金属容器K1が1回転自転して、図15に示すように、金属容器K1の口頸部8がプレス加工され、インナーツール2の凹部5および凸部6と、アウターツール3の凸部14および凹部13とに対応して、凹部15および凸部16を有するネジ部17が、口頸部8に形成される。さらに、点A2に対応する位置から点A1に対応する位置に移送される際に、金属容器K1が1回転自転して、口頸部8の半径方向における変形量が増加する。つまり、ネジ部17の高さ(言い換えれば深さ)が増加する。
【0041】
さらにまた、点A1に対応する位置から点ABに対応する位置に移送される際に、金属容器K1が1回転自転して、ネジ部17の高さが増加する。言い換えればネジ部17の深さが深くなる。さらにまた、点ABに対応する位置から点B1に対応する位置に移送される間は、軌道E1と基準線G1との距離が一定であるため、金属容器K1が自転する際に、ネジ部17の仕上げ加工がおこなわれ、図16に示すようなネジ部17が完成する。
【0042】
その後、金属容器K1の公転にともない、金属容器K1とアウターツール3とが離れるとともに、インナーツール2が金属容器K1から抜き取られる。ネジ部17が成形された金属容器K1はビード成形工程に移送され、口頸部8におけるネジ部17と肩部9との間が全周に亘って折り曲げられてビード(図示せず)が成形される。このビードは、口頸部8に取り付けるキャップのタンパーエビデンスの下端部(図示せず)を係止するためのものである。
【0043】
次に容器K1における口頸部8に形成したネジ部17に欠陥が存在するか否かを判別する欠陥検査ステーションで用いられる検査装置の構成を図1および図2に基づいて説明する。この図1は、検査対象であるネジ付きの容器K1と、そのネジ部17を検査する検査装置のセンサー部20とを示す図であり、また図2は、この発明の検査装置の制御回路を主に示すブロック図である。
【0044】
検査装置のセンサー部20は、容器K1におけるネジ部17の成形状態を全周に亘って検査するために、容器K1を自転させる回転装置21を有している。この回転装置21はこの発明の回転手段に相当し、容器K1の開口部を有する図1で示す上端部と、容器K1の底部に相当する図1で示す下端部とを上下方向からクランプし(図示せず)、容器K1を回転させるように構成されている。あるいは、回転装置21だけで、容器K1の底部に相当する図1で示す下端部をバキューム吸引して、容器K1を回転させるように構成するようにしてもよい。
【0045】
上記の回転装置21で保持された容器K1のネジ部17の側方、より正確には、ネジ部17の軸線に垂直な平面上に、ネジ部17に向けた変位センサー22が設けられている。この変位センサー22はこの発明の距離測定手段に相当し、レーザー光などの検査光を利用してネジ部17表面までの距離を測定するように構成されている。具体的には、投光部からネジ部17表面の一点に向けて、レーザー光を照射し、その反射光を受光部で受け取り、容器K1の回転に伴うその反射光の位置や光量あるいはその変化などに基づいて変位センサー22からネジ部17表面の特定点までの距離の変化を検出するように構成されている。この変位センサー22には、距離に対応する検出信号を増幅して出力するアンプ(増幅器)23が接続されている。
【0046】
なお、変位センサー22は、容器K1の回転速度が安定した後、容器K1が少なくとも1回転する間の距離の変化を検出し、ネジ部17の検出信号を得るようになっている。
【0047】
次に図2に基づいて検査装置の構成を説明する。前記アンプ23から検出信号が入力される周波数変換装置24が設けられている。この周波数変換装置24は、この発明における信号処理手段に相当し、入力された検出信号に含まれる高周波数成分を除去するローパスフィルター25と、入力された検出信号に含まれる低周波数成分を除去するハイパスフィルター26とを備えている。
【0048】
前記変位センサー22は、ネジ部17の半径方向で外側からネジ部17のほぼ半径方向に向けてレーザー光を照射し、容器K1が少なくとも1回転する間の反射光に基づいて変位センサー22とネジ部17との間の距離を検出するから、レーザー光の照射される特定の一点を通過するネジ部17は、変位センサー22に対して接近し、また離隔する。したがって正常なネジ部17の山および谷に応じた検出信号は、原理的には、図3の(A)に示すようにサインカーブのように滑らかに連続して変化する波形信号となる。
【0049】
しかしながら、実際には検査装置20自体の内部で使用しているトランジスターや抵抗器もしくはダイオードなどの電子部品、あるいは端子の接触部分などから発生する内部的雑音(ノイズ)や、検査装置20の外部の電気器具やプラグのスパーク、あるいは誘導雑音(TVやラジオ)、雷、空電等からの外部的雑音(ノイズ)又は容器ネジ部が金属製の場合、金属製素材を圧延加工した際に発生する細かな表面の円周方向により異なる圧延目の粗さ等、直接欠陥に由来しない雑音(ノイズ)が存在しており、そのノイズは、例えば図3の(B)に示すように、高周波の波形信号となる。
【0050】
前記アンプ23から出力される検出信号は、正常なネジ部17の山谷形状の場合には、これらの波形信号が重なり合った信号となり、例えば図3の(C)に示すような波形信号となる。前記ローパスフィルター25とハイパスフィルター26とは、このような検出信号からネジ部17の検査に有効な特定の周波数成分を抽出するために設けられている。
【0051】
より具体的には、前記ローパスフィルター25はノイズによる高周波数成分(例えば7.5kHz以上)を除去し、またハイパスフィルター26はネジ部17の山谷部の周期による低周波数成分(例えば1.0kHz以下)を除去する。したがってこれらのフィルター25,26によって処理された信号は、1.0kHzを超えかつ7.5kHz未満の周波数の信号であり、ネジ部17に生じている欠陥による信号が含まれる。なお、このような周波数帯域の信号を取り出すためには、バンドパスフィルターを使用してもよい。
【0052】
この周波数変換装置24に比較判定装置27が接続されている。この比較判定装置27は、この発明における欠陥判定手段に相当し、上記のローパスフィルター25およびハイパスフィルター26によって高周波数成分および低周波数成分が除去された信号に基づいて第1検査工程を実行する比較器28と、前記ローパスフィルター25によって高周波数成分が除去された信号に基づいて第2ないし第4の検査工程を実行する比較器29,30,31とを備えている。これらの各比較器28,29,30,31は、入力された信号と所定のしきい値あるいは基準信号と比較して良否(OKおよびNG)の判定に相当する判定結果信号をそれぞれ出力するように構成されている。
【0053】
さらに、比較判定装置27に制御装置32が接続されている。この制御装置32は、不良判定された容器K1をラインから排除する信号を出力するように構成されている。
【0054】
この発明に係る検査装置の作用すなわちこの発明の検査方法は、以下のとおりである。前述したようにネジ部17の基本的な形状に対応する信号は、図3の(A)に示すようなサインカーブに近似した波形信号であり、したがってネジ部17の基本的な形状に異常が生じていれば、その波形信号の変動として現れる。また、ネジ部17の表面に局部的に生じている傷や変形などのいわゆる微小な凹凸やネジ部成形ツールとの擦り傷あるいはネジ部の欠損等の欠陥は、ローパスフィルター25およびハイパスフィルター26で処理された後の信号の周波数帯域に含まれている。そこで、比較判定装置27における第1ないし第4の各検査工程では、ローパスフィルター25やハイパスフィルター26によって処理された信号を利用して、ネジ部17の各項目について検査を実行する。各検査工程は、以下のとおりである。
【0055】
(1)第1検査工程:ノイズ成分である高周波数成分の信号を除去するローパスフィルター処理をおこなった信号に対し、更にハイパスフィルター処理した信号は、低周波数成分が除去されるために、微細な欠陥に起因する波形信号のみとなる。すなわち、微細な凹凸やネジ部成形ツールとの擦り傷あるいはネジ山谷部の欠損などの欠陥が生じていないネジ部17の場合、周波数変換装置24に入力される信号は、図4の(A)に示すように、ネジ部17の周期に基づく低周波数信号(サインカーブに近似する波形信号)に、ノイズによる高周波数信号が乗った信号であり、これがローパスフィルター25によって処理されることにより図4の(B)に示すノイズ成分が除去されたネジ部17の山谷部の周期成分のみの周波数信号となる。これを更にハイパスフィルター処理することにより、図4の(C)に示すように、レベル変化のない直線で表される信号となる。
【0056】
これに対して、欠陥が生じている場合には、その欠陥に対応した信号が、周波数変換装置24に入力される信号(図5の(A))およびローパスフィルター処理した信号(図5の(B))のそれぞれに含まれている。したがってこのローパスフィルター処理した信号を更にハイパスフィルター処理すると、欠陥に基づく波形信号のみが取り出される。第1検査工程では、このようにして取り出された欠陥に基づく信号を、予め定めた規定範囲の上限値と下限値とで評価し、すなわちそれぞれのしきい値と入力信号のレベルとを比較し、そのしきい値を超えた場合に不良の判定結果信号を出力し、そのしきい値を超えない場合には、良品の判定結果信号を出力する。
【0057】
(2)第2検査工程:ノイズ成分を含む高周波数成分の信号が除去されるローパスフィルターの処理を行った信号を使用して、ネジ部17における山部もしくは谷部の周期を検査する。つまり、検査対象であるネジ部17における山谷部が正常な周期(ピッチ)であれば、図6の(A)に示すような波形が検出されるが例えば、ネジ部成形ツールの係合不良などで発生する、ネジ部17における山谷部の周期が短い異常の場合には、図6の(B)に示すような波形が検出され、反対に長い異常の場合には、図6の(C)のような波形が検出される。
【0058】
したがって、ローパスフィルター処理をおこなって得られた変位信号を、予め設定された任意のレベル以上の領域と、以下の領域とに分別(デジタル(パルス)変換)し、そのレベル以上に達したパルスの個数、またはそのレベルに達しなかったパルスの個数をカウントする。一方、良品について検査した結果として、単位時間内に上記の任意のレベル以上に達したパルスの個数、または任意のレベルに達しなかったパルスの個数を、設定しておく。被検査容器K1についての上記のパルス個数と良品についての上記のパルス個数とを比較し、被検査容器K1のパルスの個数が、規定のパルスの個数に満たなかった場合や、規定のパルスの個数より多かった場合に、ネジ部17における山谷部の周期や山谷数の異常と判断し、不良品と判定する。
【0059】
具体的には、1回転するのに要する時間に所定値αを加えた時間を単位時間とし、正常なネジ部であれば、必ず2個のパルスが検出されるように設定する。検出されたパルス数が2個であれば良品、検出されたパルス数が、2個以外の個数であれば不良品と判定する。
【0060】
つまり、前記信号処理手段を、前記波形信号をローパスフィルター処理する手段として、かつ前記欠陥判定手段を、前記ローパスフィルター処理された信号の周期に基づいて前記ネジ部のピッチの良・不良を判定する手段とすることができるので、ネジ部のピッチの良・不良を容易に判定することができる。
【0061】
(3)第3検査工程:ノイズ成分を含む高周波数成分の信号が除去されるローパスフィルターの処理を行った信号を使用して、ネジ部17におけるねじ山あるいは谷の寸法の過不足の欠陥を検出する。つまり、ネジ部17における山の高さもしくは谷の深さが正常であれば、図7の(A)に示すような波形が検出される。これに対して、ネジ山の高さが過剰な欠陥の場合すなわち山径が大きすぎる欠陥の場合には、図7の(B)に示すような波形が検出され、反対にねじ山の高さが過小な欠陥の場合すなわち山径が小さすぎる欠陥の場合には、図7の(C)に示すような波形が検出される。
【0062】
また、谷径が大きいためにねじ谷が高くなっている異常の場合には、図7の(D)に示すような波形が検出され、反対に谷径が小さいためにねじ谷が低くなっている異常の場合には、図7の(E)に示すような波形が検出される。
【0063】
したがって、被検査缶K1のネジ部17における山径が、上限値と下限値とで予め定めた規定範囲に入っているか否か、および谷径が、上限値と下限値とで予め定めた規定範囲に入っているか否かを判定し、山径と谷径とのいずれかがそれぞれの規定範囲を外れている場合に、不良品と判定する。
【0064】
つまり、前記信号処理手段を、前記波形信号をローパスフィルター処理する手段とし、かつ前記欠陥判定手段を、前記ローパスフィルター処理された信号のレベルが予め定めた範囲の上限値を超えもしくは下限値を下回ることにより前記ネジ部表面の良・不良を判定する手段とすることができるので、ネジ部の山の高さの良・不良、谷径や山径の良・不良などを容易に判定することができる。
【0065】
(4)第4検査工程:ノイズ成分を含む高周波数成分の信号が除去されるローパスフィルターの処理を行った信号を使用して、ネジ部17における全体的に形状の良否を判定する。具体的には、容器K1を少なくとも1回転させた際の変位センサーとネジ部17における山谷部との間隔(距離)の推移を波形パターンとして検出し、その検出された波形パターンと、予め設定された良品についての変位センサーとネジ部17における山谷部との間隔(距離)の推移を示す基準となる波形パターンとを比較し、その基準となる波形パターンを中心にして設定した規定範囲から被検査容器K1について得られた波形パターンが部分的にも外れている場合には、ネジ部17の傷に起因する欠陥、ネジ部17の変形に起因する欠陥、ネジ部17の山部または谷部の周期もしくは山谷部の数に起因する欠陥、ネジ部17における山部の過大もしくは過小に起因する欠陥、またネジ部17における谷部の過大もしくは過小に起因する欠陥について判定する。
【0066】
つまり、被検査容器K1のネジ部17表面に欠陥が生じていなければ、その波形パターンは図8の(A)に示すような波形となり、これを基準波形として規定範囲を設定する。これに対してネジ部17に傷や微小な変形があった場合には、図8の(B)に示すような波形が検出され、またネジ部17の山谷部の周期が短くなっている異常の場合には、図8の(C)に示すような波形が検出され、反対に周期が長くなっている異常の場合には、図8の(D)に示すような波形が検出される。さらに、ネジ部17における山部の山径が過剰であってその高さが高い異常の場合には、図8の(E)に示すような波形が検出され、反対に山径が過小であってその高さが低い異常の場合には、図8の(F)に示すような波形が検出される。
【0067】
また、谷径が大きいことによりネジ谷の高さが高い異常の場合には、図8の(G)に示すような波形が検出され、反対に谷径が小さいことによりネジ谷の高さが低い異常の場合には、図8の(H)に示すような波形が検出される。
【0068】
したがって、ローパスフィルターを通した変位信号を用い、変位センサーにより検出された変位センサーからネジ部17における山谷部までの距離の波形パターンと、予め設定された良品についての変位センサーからネジ部17表面までの距離の波形パターンを中心にして上下限を定めた規定範囲を示すパターンとを重ね合わせ、こうして少なくとも1周分に亘る波形パターンを比較し、被検査容器K1のネジ部17の成形状態を判定する。すなわち、この規定範囲を越えるような上記の異常について、ネジ部17における山谷部の少なくとも1周分の波形パターンで総合的に判定する。
【0069】
つまり、前記信号処理手段を、前記波形信号をローパスフィルター処理する手段とし、かつ前記欠陥判定手段は、前記ローパスフィルター処理された信号と基準信号との偏差が許容範囲を超えたことに基づいて前記ネジ部の変形による不良を判定する手段とすることができるので、ネジ部の全体的な変形などによる形状の不良を容易に判定することができる。
【0070】
また、上記の波形パターンに基づく第4検査工程は、前述した第2および第3の各検査工程と類似した検査工程ではあるが、第2検査工程では、任意のレベル以上、または以下の領域に分別し、その領域の個数を判定する検査であり、また第3検査工程では、ネジ部17における山部の高い側の信号と谷部の低い側の信号が規定範囲内にあるか否かを判断しているのに対して、第4検査工程では、ネジ部17の波形パターンとして現れる全ての検出点の形状について少なくとも1回転分検査している。
【0071】
したがって、規定範囲が共に同一であった場合には、第2および第3の検査工程よりも第4検査工程の方が、比較判定する範囲が広いため、品質に対する信頼性が向上する。
【0072】
比較判定装置27で、以上のようなデータ解析(波形分析)がなされ、被検査容器K1が良品であるか否かが比較、判定される。そして、その良否結果は、良信号、または不良信号として比較判定装置27から出力され、制御装置32に入力される。
【0073】
制御装置32は、比較判定装置27から出力された良否判定結果の信号を受け取り、良品については、継続して次工程の製造ライン(図示せず)ヘ搬送し、不良品については、次工程の製造ラインヘは搬送せずに排出装置(図示せず)を用いてライン外へ排除するように制御する。
【0074】
なお、この実施例では、距離を測定する光の反射を利用した変位センサーを用いて説明しているが、利用される光は、レーザーや、LED(発光ダイオード)、ハロゲン、白熱球等から発せられる光であってよく、その反射光を利用した変位センサー(距離センサー)であればよい。
【0075】
さらに、上記の具体例では、1個の変位センサーを使用した例を示したが、この発明では、複数の変位センサーを設けてもよく、ネジ部の条数と同数の変位センサーを用い、これらをネジ部における山谷部に対して垂直な方向に設置し、各条の山谷部について個別に検査をおこなえば、より精度の良い検査が可能である。
【0076】
そして、上記の具体例では、金属製のネジ部を有する容器を対象とした例を示したが、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、容器やそのネジ部の材料に関しては、光を透過しにくい材料、例えば、金属や合成樹脂等、反射型の光電変位センサーが正常に動作し得る材料で構成されていればよい。
【0077】
さらに、この発明で対象とする被検査容器の胴部材料については特に限定はしない。例えば、合成樹脂製のペットボトル等でも、ネジ部が上記の条件を満たしていれば、ネジ部を成形する外側や内側の成形ツールに異物が付着した状態で成形したときに発生する傷や、外側の2分割される成形ツールの継ぎ目であるパーティングラインに発生するバリ、外側と内側の成形ツールの間に樹脂を流し込んでネジ山谷部を成形する際に、樹脂が細部まで行き渡らなかったような場合に発生する、部分的な欠けやネジ山谷部の正規な高低差(深さ)が確保できなかったりする等の欠陥、外側の2分割されるツールの噛み合いが、互いにずれていたような噛み合い不良による場合に、ネジ山谷部にずれが生じ、一定の螺旋形状のネジ山谷部が形成されなかったりする欠陥についても、この発明による装置および方法で検査することができ、簡易的な方法で欠陥が発生していることを傾向的に検出することが可能である。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、容器を回転させた際の距離測定手段からネジ部表面までの距離の変化を検出し、その結果得られた波形信号を処理し、その処理した信号に基づいて欠陥を判断するので、画像を利用する装置に比較して容易に、ネジ部を検査してその欠陥を検出できるうえに、装置もしくは設備を低廉なものとすることができる。また、波形信号に基づいて検査をおこなうのであって、ネジ部表面までの距離の絶対値を求めるものではないから、検査の開始位置に制約がなく、したがってランダムに搬送される容器を対象として迅速に検査をおこなうことができる。
【0079】
に、ネジ部の周期的な変化に基づく低周波数成分およびノイズによる高周波数成分を除去した信号に基づいて欠陥の判定をおこなうので、金属製のネジ部を有し、表面加工の粗さを生じているような場合の被検査体に大変有効であり、その信号にはネジ部における山谷部に微細な変形が生じていれば、これが波形信号として現れるので、例えば、その信号レベルがしきい値を超えることにより、そのような欠陥を容易に判定することができる。
【0080】
また、請求項2の発明によれば、容器を回転させ、その容器のネジ部側方から、ネジ部表面までの距離を少なくとも1回転分測定し、その結果得られた信号をフィルター処理し、その処理した信号に基づいて形状の異常や傷、ネジ山谷部の周期やその山の高さ、谷の深さなどのネジ部の欠陥を検査する方法であるため、容器のネジ成形開始・終了位置がランダムに取り込まれても、ネジ成形の際に生じる微小な傷や変形、ネジ山谷部の周期やその山の高さ、谷の深さ等の検査を容易な調整で、高精度、高速、かつ安価におこなうことが可能となる。また特に、請求項3の発明では、信号処理の態様や検査の内容を異ならせた複数の工程で検査を行うので、個々の工程では検査しきれない点を、他の工程が補って検査することで、ネジ成形の際に生じる微小な傷や変形を検出し、容器の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る検査装置のセンサー部の一例を模式的に示す図である。
【図2】 その検査装置の制御回路を主に示すブロック図である。
【図3】 容器を回転させてそのネジ部までの距離を光学的に検出して得られた波形信号を示す図であって、(A)はネジ部における山谷部の螺旋形状に起因する低周波数成分の信号を示し、(B)はノイズに基づく高周波数成分の信号を示し、(C)はこれらの信号を重ね合わせた信号を示す。
【図4】 欠陥のない正常品についての信号の一例を示し、(A)は周波数変換装置の入力信号を示し、(B)はローパスフィルター処理して得た信号を示し、(C)は更にハイパスフィルター処理して得た信号を示す。
【図5】 欠陥のある容器についての信号の一例を示し、(A)は周波数変換装置の入力信号を示し、(B)はローパスフィルター処理して得た信号を示し、(C)は更にハイパスフィルター処理して得た信号を示す。
【図6】 ローパスフィルター処理して得た信号の一例を示し、(A)は良品についての信号を示し、(B)および(C)はピッチに欠陥のあるネジ部についての信号を示す。
【図7】 ローパスフィルター処理して得た信号の一例を示し、(A)は良品についての信号を示し、(B)および(C)は山径に異常のあるネジ部についての信号を示し、(D)および(E)は谷径に異常のあるネジ部についての信号を示す。
【図8】 ローパスフィルター処理して得た信号の一例を示し、(A)は良品についての信号を示し、(B)はネジ表面に突起や欠損が生じているネジ部についての信号を示し、(C)はピッチの小さい異常が生じているネジ部についての信号を示し、(D)はピッチの大きい異常が生じているネジ部についての信号を示し、(E)および(F)は山径に異常のあるネジ部についての信号を示し、(G)および(H)は谷径に異常のあるネジ部についての信号を示す。
【図9】 この発明のネジ成形装置の一実施形態を示す略示的な正面図である。
【図10】 図9に示すインナーツールの公転軌道と、アウターツールの基準線との関係を示す概念図である。
【図11】 図9のネジ成形装置であり、一部を破断した側面図である。
【図12】 図9に示すアウターツールの展開図である。
【図13】 図9に示すアウターツールの展開図である。
【図14】 図9のネジ成形装置であり、一部を破断した側面図である。
【図15】 図9のネジ成形装置によりネジ部を成形する工程の拡大側面図である。
【図16】 図9のネジ成形装置によりネジ部を成形した金属容器の断面図である。
【符号の説明】
17…ネジ部、 20…検査装置のセンサー部、 21…回転装置、 22…変位センサー、 24…周波数変換装置、 25…ローパスフィルター、 26…ハイパスフィルター、 27…比較判定装置、 28,29,30,31…比較器。

Claims (2)

  1. 容器のキャップが冠着されるネジ部からの反射光によってそのネジ部の欠陥を検査する容器のネジ部検査装置において、
    前記容器を回転させる回転手段と、
    前記ネジ部に検査光を照射するとともにそのネジ部での反射光を受光してネジ部表面までの距離を測定する距離測定手段と、
    前記容器を回転させることに伴う前記ネジ部表面までの距離の変化を示す波形信号について、ノイズに基づく高い周波数成分を除去する信号処理と、前記ノイズに基づく高い周波数成分および前記ネジ部の周期に基づく低い周波数成分を除去する他の信号処理とのいずれかを行う信号処理手段と、
    その信号処理手段で処理された信号のレベルが予め定めた範囲の上限値を超えもしくは下限値を下回ることにより前記ネジ部に生じている傷による凹凸の不良を判定する欠陥判定手段と
    を備えていることを特徴とする容器のネジ部検査装置。
  2. 容器のキャップが冠着されるネジ部からの反射光によってそのネジ部の欠陥を検査する容器のネジ部検査方法において、
    検査位置の容器を回転させ、回転している容器のネジ部側方から、前記ネジ部表面までの距離を少なくとも1回転分測定し、測定された容器のネジ部側方から前記ネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の、前記ネジ部における山部の周期、または、前記ネジ部における谷部の周期と、予め設定された良品の容器のネジ部側方から該容器のネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の容器のネジ部における山部の周期、または、谷部の周期に上下限を定めた規定範囲とを比較して容器ネジ部の欠陥を検査する工程と、
    測定された容器のネジ部側方から前記ネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の、最大値・最小値と、予め設定された良品の容器のネジ部側方から該容器のネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の最大値・最小値に上下限を定めた規定範囲とを比較して前記ネジ部の欠陥を検査する工程と、
    測定された容器のネジ部側方から前記ネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の、波形パターンと、予め設定された良品の容器のネジ部側方から該容器のネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分を除去するローパスフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の波形パターンに上下限を定めた規定範囲とを比較して前記ネジ部の欠陥を検査する工程と、
    測定された容器のネジ部側方から前記ネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分と、前記ネジ部における山部または谷部の周期に基づく低い周波数成分を除去するフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の、最大値と最小値との差と、予め設定された良品の容器のネジ部側方から該容器のネジ部表面までの距離の少なくとも1回転分の距離信号のうち、ノイズに基づく高い周波数成分と、ネジ部における山部または谷部の周期に基づく低い周波数成分を除去するフィルター処理をおこなって周波数変換された信号の、最大値と最小値との差に上下限を定めた規定範囲とを比較して前記ネジ部の欠陥を検査する工程と
    の何れかの検査工程で欠陥有りと判定されたときに不良な容器と判断する容器のネジ部検査方法。
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