JP3917694B2 - 搬送アーム装置及び処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送アーム装置および処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造においては、被処理基板である半導体ウエハに酸化、拡散、CVD等の各種の処理を施すために、例えば縦型熱処理装置のような処理装置が用いられている。このような処理装置においては、複数枚のウエハを収納した運搬用の容器であるカセット(キャリアともいう)を運搬ロボットまたは作業者が搬出入口より搬入すると、このカセットが設置台上に設置され、更にこの設置台上のカセット内から基板保持具であるボートに高さ方向に多数枚のウエハが移載されるようになっている。ウエハが移載されたボートは熱処理炉に装入され、ウエハに所定の処理が施される。所定の処理が終了して、熱処理炉からボートが搬出されると、ボートから処理済みのウエハが上記とは逆の手順でカセットに戻され、処理済みのウエハを収納したカセットが搬出入口から搬出される。
【0003】
ところで、上記ボートを搬送する手段として、例えば真空中において複数のアーム部材を端部で回動軸を介して回転可能に連結してなる多関節構造の搬送アーム装置を用いることが考えられる。この搬送アーム装置においては、アーム部材内の回転機構部で発生する粉塵を外部にまき散らさないようにするために、上記回転軸を回転可能に支持する側のアーム部材に回転軸との隙間を磁性流体を介してシールする磁性流体シールを設け、回転機構部と外部とを遮断することが好ましい。この磁性流体シールの性能を確保するために、磁性流体シールと回転軸の隙間(クリアランス寸法)を約0.1mmに保持することが必要な条件となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記搬送アーム装置においては、回転機構部のベルト交換等のメンテナンスを行なうために、上記アーム部材を分解する際に、磁性流体シールと回転軸が離れてしまう。このため、アーム部材の組立て時に、再び磁性流体シールと回転軸の隙間を調整し、その隙間に磁性流体を注入する必要があり、手間がかかるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、磁性流体シールと回転軸の位置関係を保ったままアーム部材を分解することができ、メンテナンスが容易にできる搬送アーム装置および処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のうち請求項1に係る発明は、基部が水平回転可能に支持された第1アーム部材の先端部に回転軸を介して第2アーム部材の基部を水平回転可能に連結し、この第2アーム部材の先端部に回転軸を介して第3アーム部材の基部を水平回転可能に連結し、上記第1アーム部材および第2アーム部材に回転軸との隙間を磁性流体を介してシールする磁性流体シールを設け、上記第1アーム部材および第2アーム部材を回転軸と磁性流体シールの隙間を保持したままそれぞれ上部構成体と下部構成体とに上下に分割可能に構成した搬送アーム装置であって、上記回転軸の下端部にはプーリが着脱可能に取付けられ、上記回転軸が上部構成体に且つ上記プーリが下部構成体にそれぞれ軸受を介して独立して支持され、上部構成体の上部に上記磁性流体シールが取付けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、上記回転軸の下端部はプーリ押えとして分割され、このプーリ押えが回転軸にネジにより下方から固定され、上記プーリが回転軸にプーリ押えを介してネジにより上方から固定されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、基部が水平回転可能に支持された第1アーム部材の先端部に回転軸を介して第2アーム部材の基部を水平回転可能に連結し、この第2アーム部材の先端部に回転軸を介して第3アーム部材の基部を水平回転可能に連結し、上記第1アーム部材および第2アーム部材に回転軸との隙間を磁性流体を介してシールする磁性流体シールを設け、上記第1アーム部材および第2アーム部材を回転軸と磁性流体シールの隙間を保持したままそれぞれ上部構成体と下部構成体とに上下に分割可能に構成した搬送アーム装置を有する処理装置であって、上記回転軸の下端部にはプーリが着脱可能に取付けられ、上記回転軸が上部構成体に且つ上記プーリが下部構成体にそれぞれ軸受を介して独立して支持され、上部構成体の上部に上記磁性流体シールが取付けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、上記回転軸の下端部はプーリ押えとして分割され、このプーリ押えが回転軸にネジにより下方から固定され、上記プーリが回転軸にプーリ押えを介してネジにより上方から固定されていることを特徴とする。
【0011】
【実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0012】
図2ないし図3において、1は処理装置として例示した縦型熱処理装置の筐体、2は被処理基板である半導体ウエハWを複数枚例えば25枚程度垂直に立てた状態で所定のピッチで収納する上部に収納口2aを有する運搬用の容器であるカセットである。上記筐体1の一端には、上記カセット2を搬入搬出するための開閉ゲートを有する搬出入口3が設けられている。上記筐体1内における搬出入口3近傍には、上記カセット2を収納口2aが上部にある垂直状態で載置するための載置台4が設けられている。
【0013】
上記載置台4には、カセット2を前後から押える押え部5,6、カセット2内のウエハWのオリフラ合せを行うオリフラ整合機等(図示省略)が設けられている。また、載置台4は、垂直に回動可能に設けられており、上記カセット2内のウエハWを垂直状態から水平状態にすべくカセット2をほぼ90度回動できるようになっている。上記筐体1内には、昇降および回転可能な基台7を有する搬送機構8が設けられ、その基台7の周囲に上記載置台4と、上記カセット2を設置する設置台9と、第1の真空予備室(ロードロック室ともいう)10とが配置されている。
【0014】
上記第1の真空予備室10は、後述の縦型熱処理炉11内に多数枚例えば30枚のウエハWを装入するために用いられる基板保持具である石英製のボート12を収容してウエハWの移載と予備真空を行うための部屋で、上記基台7を挟んで上記載置台4と対向する位置に配置されている。この第1の真空予備室10の上記基台7側へ臨む前面部は開口しており、この前面部にはその開口部を開閉するロードロックドア13が設けられている。また、第1の真空予備室10の後部には、ゲートバルブ14を介して第2の真空予備室15が連設されている。
【0015】
上記筐体1の後端側上部には、下部に装入口(炉口)16を有する縦型熱処理炉11が設けられ、この熱処理炉11の下方のローディングエリア(搬送領域)が上記第2の真空予備室15になっている。この第1および第2の真空予備室10,15は、例えば上記熱処理炉11の熱処理時の真空度例えば1Torrとほぼ同じ真空度とされる。
【0016】
上記第1の真空予備室10は、ゲートバルブ14を開けて第2の真空予備室15と連通するに際して第2の真空予備室15と同じ圧力に制御され、第1の真空予備室10と第2の真空予備室15との間のゲートバルブ14を閉めた状態で第1の真空予備室10のロードロックドア13を開けて筐体1内と連通するに際して筐体1内と同じ圧力(大気圧)に制御される。
【0017】
上記熱処理炉11の下方には、その装入口16を開閉する蓋体17が昇降機構の昇降アーム18により昇降可能に設けられ、この蓋体17の上部には、石英製の保温筒19を介して上記ボート12が載置されるようになっている。第2の真空予備室15には、上記ボート12を上記保温筒19上から第1の真空予備室10にまたはその逆に搬送するための搬送アーム装置20が設けられている。また、上記保温筒19は、洗浄等のために、上記搬送アーム装置20により上記蓋体17上から第1の真空予備室10に搬送されて、筐体1外に搬出可能になっていいる。
【0018】
上記搬送機構8は、ボールネジ等を用いた昇降機構により昇降可能に設けられた昇降アーム21を有し、この昇降アーム21上に上記基台7が水平に回転可能に取付けられている。上記昇降アーム21内には、上記基台7を位置決め可能に回転駆動するための回転駆動部が設けられている(図示省略)。
【0019】
上記基台7上には、ウエハWを支持する水平に延出した短冊状のウエハ支持部(フォークともいう)22を複数段例えば5段有するウエハ移載機23と、上記カセット2を載置して支持する水平に延出したカセット支持部24を有するカセット移載機25とが対向して往復移動可能に設けられ、そのカセット移載機25によりカセット2を載置台4から設置台9にまたはその逆に、上記ウエハ移載機23によりウエハWを設置台9のカセット2内から第1の真空予備室10内のボート12にまたはその逆にそれぞれ移載可能に構成されている。
【0020】
上記ウエハ移載機23およびカセット移載機25が基台7上の待機位置にある状態において、上記カセット支持部24が上記ウエハ移載機23の直上に配置され、これによりカセット2を基台7から外側にはみ出さない状態で旋回させることができ、旋回半径Rの縮小化が図られている。上記設置台9は、高さ方向にカセット2を複数個設置可能に棚部26を複数段例えば4段有している。
【0021】
上記搬送アーム装置20は、図4ないし図5に示すように水平に旋回および伸縮可能な多関節構造のアーム27を有し、このアーム27の先端部にボート12の下面を支持する平面U字状のボート支持受け28が設けられている。第2の真空予備室15には、搬送アーム装置20を設置するための開口部29を有するベース部30が設けられ、搬送アーム装置20は、そのベース部30の開口部29の位置に分解可能な取付構造体31を介して着脱可能に且つ気密に取付けられている。
【0022】
上記搬送アーム装置20は、アーム27の駆動手段として、内外2重の回転駆動軸33,34を回転駆動する上下2つのモータ35,36を備えている。内外2重の駆動軸33,34のうち、内軸33は、上部のモータ35により駆動され、中空の外軸34は、下部のモータ36により上部のモータ35を介して駆動されるようになっている。具体的には、取付構造体31には軸封手段である多段構造の磁性流体シール38を介してモータハウジング37が取付けられ、このモータハウジング37内に上記磁性流体シール38を介して導かれた外軸34に上部のモータ35のステータ35aが連結され、内軸33に上部のモータ35のロータ35bが連結されている。また、モータハウジング37内の下部に下部のモータ36のロータ36bが固定され、下部のモータ36のステータ36aが上部モータ35のステータ35aと連結されている。
【0023】
上記アーム27は、複数のアーム部材39,40,41を端部で回転軸42,43を介して水平回転可能に連結してなり、回転軸42,43を回転可能に支持する側のアーム部材39,40には、後述するように回転軸42,43との隙間sを磁性流体を介してシールする磁性流体シール44,45が設けられている(図6,図1参照)。また、上記磁性流体シール44,45を有するアーム部材39,40は、回転軸42,43と磁性流体シール44,45の隙間sを保持したまま上下に分割可能に構成されている。
【0024】
具体的に説明すると、上記アーム27は、基端が水平回転可能に支持された第1アーム部材39と、この第1アーム部材39の先端部に回転軸42を介して基部が水平回転可能に連結された第2アーム部材40と、この第2アーム部材40の先端部に回転軸43を介して基部が水平回転可能に連結された第3アーム部材41とからなり、その第1および第2アーム部材39,40に磁性流体シール44,45が取付けられている。また、第1および第2アーム部材39,40は、図6に示すように、ベルト等の回転機構を内蔵するために中空箱状に形成されていると共に、その回転機構のメンテナンスが可能なように上下に2分割されている。この場合、第1および第2アーム部材39,40は、上部が開放された下部構成体39a,40aと、この下部構成体39a,40aの上部にこれを覆うようにネジ46で着脱可能に且つ気密に取付けられる蓋状の上部構成体39b,40bとから構成されている。図6において、B1は、第1アーム部材39の分割面、B2は第2アーム部材40の分割面である。
【0025】
上記第1アーム部材39の基部には、図6に示すように、上記内外2重の回転駆動軸33,34のうちの内軸33が連結されると共に、外軸34が軸受47を介して回転可能に支持され、且つその外軸34との隙間を磁性流体を介してシールする磁性流体シール(第1の磁性流体シールともいう)48が下方からの止めネジ49により取付けられている。上記内軸33の上端部は、第1アーム部材39の上部構成体39bに固定部材50を介して固定され、内軸33により第1アーム部材39が旋回駆動されるようになっている。第1アーム部材39の上部構成体39bには、固定部材50を取付けるための開口部75が形成され、この開口部75を密閉する蓋76が取付けられる。上記固定部材50は、図7にも示すように、すり割50aを有し、ボルト77を締め込むことにより内軸33の上端部を挟んで締め付け、ネジ78で第1アーム部材39の上部構成体39bに固定されるようになっている。79は、固定部材50から内軸33に差込まれた回り止めのためのピンである。
【0026】
上記外軸34は、第2アーム部材40に回転を付与するもので、外軸34の上端部には、第1アーム部材39内において、内軸33の外周に非接触で位置された環状のプーリ(第1プーリともいう)51が取付けられている。上記外軸34の上端部は、プーリ押え34aとして分割されており、第1プーリ51は、短いネジ52によりプーリ押え34aに固定されていると共に、長いネジ53によりプーリ押え34aを介して外軸34に固定されている。従って、上記長いネジ53を取外すことにより、第1の磁性流体シール48と外軸34の上端部であるプーリ押え34aの位置関係を保持したまま外軸34から第1アーム部材39を取外すことができるようになっている。
【0027】
上記第1アーム部材39の先端部には、その下部構成体39aの内底部より固定軸54が立設され、この固定軸54の外周に中空の回転軸42が軸受55を介して回転可能に支持されている。この回転軸42は、第1アーム部材39の上部構成体39bに貫通する状態で軸受56を介して回転可能に支持されており、回転軸42の上端部には第2アーム部材40の下部構成体40aの基部が短いネジ57と長いネジ58で着脱可能に且つ気密に取付けられている。第1アーム部材39の上部構成体39bには、回転軸42との隙間sを磁性流体を介してシールする磁性流体シール(第2の磁性流体シールともいう)44が取付けられている。
【0028】
上記回転軸42の下端部には、第1アーム部材39内において、固定軸54の外周に非接触で位置された環状のプーリ(第2プーリともいう)59が取付けられ、この第2プーリ59は、第1アーム部材39の下部構成体39aに軸受60を介して回転可能に支持されている。上記第2プーリ59は、上記第1プーリ51に無端ベルトである例えばタイミングベルト61を介して連結され、これにより第2アーム40が旋回駆動されるようになっている。
【0029】
上記回転軸42の下端部は、プーリ押え42aとして分割されており、このプーリ押え42aは、回転軸42に短いネジ62により下方から固定されている。また、第2プーリ59は、上記長いネジ58により回転軸42にプーリ押え42aを介して固定されている。すなわち、回転軸42と第2プーリ59は分割可能に構成され、回転軸42および第2プーリ59がそれぞれ独立して軸受56,60に支持されている。従って、上記長いネジ58を取外して回転軸42と第2プーリ59の結合を解除することにより、第2の磁性流体シール44と回転軸42の位置関係、すなわち隙間(クリアランス寸法)sを保持したまま第1アーム部材39の下部構成体39aから上部構成体39bを分割することができるようになっている。
【0030】
上記固定軸54の上端部には、第2アーム部材40内に位置されるプーリ(第3プーリともいう)63がネジ止めにより着脱可能に取付けられている。第2アーム部材40の先端部には、図1に示すように、上部構成体40bを貫通する状態で回転軸43が軸受64を介して回転可能に支持され、この回転軸43の上端部に上記第3アーム部材41の基部がネジ止めにより着脱可能に取付けられている。第2アーム部材40の上部構成体40bには、回転軸43との隙間sを磁性流体を介してシールする磁性流体シール(第3の磁性流体シールともいう)45が取付けられている。
【0031】
上記回転軸43の下端部には、第2アーム部材40内に位置されるプーリ(第4プーリともいう)65が取付けられ、この第4プーリ65は、第2アーム部材40の下部構成体40aに軸受66を介して回転可能に支持されている。上記第4プーリ65は、上記第3プーリ63に無端ベルト例えばタイミングベルト67を介して連結され、これにより、第2アーム部材40が固定軸54を中心に旋回するときのタイミングベルト67の相対的回転によって、第3アーム41が旋回駆動されるようになっている。
【0032】
上記回転軸43の下端部は、プーリ押え43aとして分割されており、このプーリ押え43aは、回転軸43にネジ68により下方から固定されている。また、第4プーリ65は、上方からのネジ69により回転軸43にプーリ押え43aを介して固定されている。すなわち、回転軸43と第4プーリ65は分割可能に構成され、回転軸43および第4プーリ65がそれぞれ独立して軸受64,66に支持されている。従って、上記ネジ69を取外して回転軸43と第4プーリ65の結合を解除することにより、第3の磁性流体シール45と回転軸43の位置関係(クリアランス寸法s)を保持したまま第2アーム部材40の上部構成体40bと下部構成体40aを上下に分割することができるようになっている。
【0033】
上記第1および第2アーム部材39,40は、固定軸54に設けられた軸孔70を介して内部が連通されており、また、第1アーム部材39の内部は、内軸33に設けられた軸孔80(図6参照)を介して図示しない減圧ポンプに連通されており、第1〜第3磁性流体シール48,44,45の磁性流体が内外の圧力差によってバーストしないように、第1および第2アーム部材39,40の内部の圧力が外部の圧力すなわち第2の真空予備室15内の圧力とほぼ同じ圧力に制御されている。
【0034】
上記搬送アーム装置20は、ボート12を昇降させる機能を有していないため、第1の真空予備室10の底部にはボート支持受け28との間のボート12の受取り受渡し時にボート12を昇降させる昇降機構71が設けられている(図2参照)。なお、搬送アーム装置20としては、アーム27を介してボート12を昇降させる機能を有していても良い。
【0035】
次に上記実施の形態による作用を述べる。ウエハWを垂直に立てて収納したカセット2を搬出入口3から処理装置の筐体1内に搬入して載置台4上に載置すると、カセット2が押え部5,6により前後から押えられ、オリフラ合せ後、カセット2がウエハWを水平にすべく載置台4と共にほぼ90度回動される。これによりカセット2は、上部に収納口2aがある垂直状態から収納口2aが水平に向いた水平状態になる。
【0036】
上記搬送機構8における昇降アーム21の昇降、基台7の旋回およびカセット移載機25の移動により、カセット2をカセット支持部24に上記載置台4から受け取り、設置台9まで搬送して棚部26上に載置する。所定個数のカセット2を設置台9の各棚部26に載置したなら、搬送機構8における昇降アーム21の昇降、基台7の旋回およびウエハ移載機23の移動により、上記設置台9上のカセット2内からウエハWをウエハ支持部22で抜き取り、予め第1の真空予備室10内に移載されているボート12に移載する。
【0037】
上記ウエハWの移載に際して、第1の真空予備室10と第2の真空予備室15との間のゲートバルブ14は閉じられ、第1の真空予備室10のロードロックドア13は開放されている。所定枚数のウエハWをボート12に移載したなら、ロードロックドア13を閉じ、第1の真空予備室10内を所定の真空度に真空引きし、第1の真空予備室10と第2の真空予備室15との間のゲートバルブ14を開放して、搬送アーム装置20のアーム27により第1の真空予備室10内から第2真空予備室15内の保温筒19上にボート12を移載する。
【0038】
上記ボート12の移載後に、上記ゲートバルブ14を閉じ、ボート12を昇降アーム18により蓋体17上の保温筒19と共に上昇移動させて熱処理炉11内に装入し、装入口16を蓋体17で閉じて、所定の熱処理を開始する。熱処理が終了すると、上記とは逆の動作でボート12が熱処理炉11内から第2の真空予備室15内に搬出されて第1の真空予備室10内に移載され、そのボート12から設置台9上の空のカセット2内に処理済みのウエハWが移載され、そのカセット2が設置台9から載置台4に搬送されて搬出入口3から搬出される。
【0039】
ここで、例えば第2アーム部材40内のタイミングベルト67を交換しなければならない事態が発生したとすると、図1の(b)に示すように第2アーム部材40の上部構成体40bと下部部構成体40aを連結しているネジ46および回転軸43と第4プーリ65を連結しているネジ69を取外すことにより、第3の磁性流体シール45と回転軸43の位置関係を保持したまま第2アーム部材40の上部構成体40bと下部部構成体40aを上下に分割することができ、第3の磁性流体シール45と回転軸43のクリアランス寸法sを保持したままベルト交換が可能となる。従って、ベルト交換後に、第2アーム部材40の上部構成体40bと下部部構成体40aを組付けるときに、磁性流体シール45と回転軸43の隙間調整およびその隙間sへの磁性流体の注入作業が不要になる。なお、このメンテナンスは、第2の真空予備室15内および第1および第2アーム部材39,40内の圧力を大気圧に戻した状態で行なう。
【0040】
このように上記処理装置における搬送アーム装置20によれば、回転軸42,43との隙間sをシールする磁性流体シール44,45を有するアーム部材39,40が、回転軸42,43と磁性流体シール44,45の隙間sを保持したまま上下に分割可能に構成されているため、アーム部材39,40内のベルト交換等のメンテナンス時に、磁性流体シール44,45と回転軸42,43の位置関係を保持したままアーム部材39,40を上下に分割することができ、再びアーム部材39,40を組立てる時に、磁性流体シール44,45と回転軸42,43の隙間調整およびその隙間sへの磁性流体の注入する手間が省け、メンテナンスが容易になる。
【0041】
上記回転軸42,43にはプーリ59,65が着脱可能に設けられ、回転軸42,43およびプーリ59,65がそれぞれ独立して軸受56と60,64と66に支持されているため、磁性流体シール44,45と回転軸42,43の位置関係を保持したままアーム部材39,40を上下に容易に分割することが可能となる。また、上記第1および第2アーム部材39,40は、内部が連通しており、その内部の圧力が外部の圧力とほぼ同じ圧力に制御されているため、アーム部材39,40の内外の圧力差による磁性流体シール44,45の磁性流体のバーストを防止でき、シール機能を維持できる。上記第1アーム部材39の基部には、内外2重の回転駆動軸33,34のうちの内軸33が連結されると共に、プーリ51を有する外軸34が軸受47を介して回転可能に支持され、且つその外軸34との隙間を磁性流体を介してシールする磁性流体シール48が下方からのネジ止め49により取付けられているため、第1アーム39内のベルト交換等のメンテナンス時に、誤って基部側の磁性流体シール48を取外してしまうことがない。
【0042】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。例えば、上記処理装置としては、第1および第2の真空予備室を必ずしも備えている必要はなく、常圧の筐体内でボートの搬送移載を行うようになっていてもよい。本発明は、ボートの搬送以外に、例えば枚葉処理装置における被処理基板の搬送等にも適用可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
【0044】
(1)請求項1または3に係る発明によれば、基部が水平回転可能に支持された第1アーム部材の先端部に回転軸を介して第2アーム部材の基部を水平回転可能に連結し、この第2アーム部材の先端部に回転軸を介して第3アーム部材の基部を水平回転可能に連結し、上記第1アーム部材および第2アーム部材に回転軸との隙間を磁性流体を介してシールする磁性流体シールを設け、上記第1アーム部材および第2アーム部材を回転軸と磁性流体シールの隙間を保持したままそれぞれ上部構成体と下部構成体とに上下に分割可能に構成し、上記回転軸の下端部にはプーリが着脱可能に取付けられ、上記回転軸が上部構成体に、プーリが下部構成体にそれぞれ軸受を介して独立して支持され、上部構成体の上部に上記磁性流体シールが取付けられているため、アーム部材内のベルト交換等のメンテナンス時に、磁性流体シールと回転軸の位置関係を保持したままアーム部材を上下に分割することができ、再びアーム部材を組立てる時に、磁性流体シールと回転軸の隙間調整およびその隙間への磁性流体の注入する手間が省け、メンテナンスが容易になる。
【0045】
(2)請求項2また4に係る発明によれば、上記回転軸の下端部はプーリ押えとして分割され、このプーリ押えが回転軸にネジにより下方から固定され、上記プーリが回転軸にプーリ押えを介してネジにより上方から固定されているため、上方からのネジを取外して回転軸とプーリの結合を解除することにより、磁性流体シールと回転軸の位置関係を保持したまま上部構成体と下部構成体とを上下に分割することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である搬送アーム装置における関節部の構造を示す図で、(a)は組立状態の断面図、(b)は分割状態の断面図である。
【図2】本発明が適用された搬送アーム装置を有する熱処理装置の全体構成を概略的に示す側面断面図である。
【図3】同熱処理装置の平面断面図である。
【図4】搬送アーム装置の平面図である。
【図5】同搬送アーム装置の全体構成を概略的に示す側面断面図である。
【図6】同搬送アーム装置における基部側の関節部の構造を示す断面図である。
【図7】内軸の上端部を固定する固定部材の平面図である。
【符号の説明】
20 搬送アーム装置
33 内軸
34 外軸
39 第1アーム部材
40 第2アーム部材
41 第3アーム部材
42,43 回転軸
44,45,48 磁性流体シール
47,56,60,64,66 軸受
51,59,63,65 プーリ
Claims (4)
- 基部が水平回転可能に支持された第1アーム部材の先端部に回転軸を介して第2アーム部材の基部を水平回転可能に連結し、この第2アーム部材の先端部に回転軸を介して第3アーム部材の基部を水平回転可能に連結し、上記第1アーム部材および第2アーム部材に回転軸との隙間を磁性流体を介してシールする磁性流体シールを設け、上記第1アーム部材および第2アーム部材を回転軸と磁性流体シールの隙間を保持したままそれぞれ上部構成体と下部構成体とに上下に分割可能に構成した搬送アーム装置であって、上記回転軸の下端部にはプーリが着脱可能に取付けられ、上記回転軸が上部構成体に且つ上記プーリが下部構成体にそれぞれ軸受を介して独立して支持され、上部構成体の上部に上記磁性流体シールが取付けられていることを特徴とする搬送アーム装置。
- 上記回転軸の下端部はプーリ押えとして分割され、このプーリ押えが回転軸にネジにより下方から固定され、上記プーリが回転軸にプーリ押えを介してネジにより上方から固定されていることを特徴とする請求項1記載の搬送アーム装置。
- 基部が水平回転可能に支持された第1アーム部材の先端部に回転軸を介して第2アーム部材の基部を水平回転可能に連結し、この第2アーム部材の先端部に回転軸を介して第3アーム部材の基部を水平回転可能に連結し、上記第1アーム部材および第2アーム部材に回転軸との隙間を磁性流体を介してシールする磁性流体シールを設け、上記第1アーム部材および第2アーム部材を回転軸と磁性流体シールの隙間を保持したままそれぞれ上部構成体と下部構成体とに上下に分割可能に構成した搬送アーム装置を有する処理装置であって、上記回転軸の下端部にはプーリが着脱可能に取付けられ、上記回転軸が上部構成体に且つ上記プーリが下部構成体にそれぞれ軸受を介して独立して支持され、上部構成体の上部に上記磁性流体シールが取付けられていることを特徴とする処理装置。
- 上記回転軸の下端部はプーリ押えとして分割され、このプーリ押えが回転軸にネジにより下方から固定され、上記プーリが回転軸にプーリ押えを介してネジにより上方から固定されていることを特徴とする請求項3記載の処理装置。
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JP31714996A JP3917694B2 (ja) | 1996-11-13 | 1996-11-13 | 搬送アーム装置及び処理装置 |
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