JP3917421B2 - 画像輝度補正装置、画像読取装置、画像形成装置、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

画像輝度補正装置、画像読取装置、画像形成装置、プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像輝度補正装置、画像読取装置、画像形成装置、プログラム及び記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
フラットベッドスキャナを用いて読み取る原稿の多くはシート状の原稿であり、コンタクトガラス上に開閉自在の圧板を設け、コンタクトガラス上に原稿を載置した後に圧板を閉じて原稿をスキャンするようにしている。しかし、原稿としてはシート状のものに限られず、ブック原稿(本、冊子など)も原稿として扱われることがあり、そのような場合にもコンタクトガラス上にブック原稿を載置し、原稿をスキャンすることになる。
【0003】
ところが、原稿としてブック原稿を用いた場合には、図36に示すように、ブック原稿100のページ綴じ部101がコンタクトガラス102から浮き上がってしまう。このようにブック原稿100のページ綴じ部101がコンタクトガラス102から浮き上がってしまった場合には、ページ綴じ部101が焦点面から離れてしまうため、浮き上がった部分のスキャン画像には、画像歪み、影、文字ボケなどの画像劣化が発生する。劣化した画像のページ綴じ部101は読みにくく、OCRにより文字認識処理を行うときの認識率が著しく低下する。特に、厚手製本ではその割合が高く、また、ブック原稿100のページ綴じ部101を焦点面から離れないように加圧作業した場合には、ブック原稿100自体を破損してしまうこともある。
【0004】
このような問題を解決すべく、画像の濃度情報から物体の3次元形状を推定する方法を用いて、画像の歪みを補正する方法が提案されている。このような画像の濃度情報から物体の3次元形状を推定する方法としては、
T. Wada, H. Uchida and T. Matsuyama, “Shape from Shading with Interreflections under a Proximal Light Source: Distortion-Free Copying of an Unfolded Book”, International Journal Computer Vision 24(2), 125-135(1997)
に記載されているShape from Shadingと呼ばれる方法が代表的な例である。
【0005】
また、特開平5-161002号公報には、三角測量方式により書籍の形状を測定し、歪みを補正する方法が提案されている。
【0006】
さらに、特開平11-41455号公報には、読み取りスキャン画像のページ外形の形状を用いて書籍表面の3次元形状を推定する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したShape from Shadingと呼ばれる方法や特開平5-161002号公報に記載されている方法においては、歪みを補正する際に、書籍綴じ部の輝度補正も併せて行うようにしている。しかしながら、この輝度補正の際に、基準の地肌値を検出するために画像全面を探索するとともに、歪み領域と歪みのない領域とを区別せずに画像全面に対して輝度補正処理を施すことにより、処理時間が長くなるので、実用化は困難である。
【0008】
また、特開平11-41455号公報に記載されている方法によれば、ページ外形の近傍で地肌値と最も黒い画素値とを求めて輝度補正を行うようにしている。ところが、特開平11-41455号公報に記載されている輝度補正の方法によれば、ページ中央部の画素値が過補正されて白く抜けてしまうという問題がある。これは、一般にページ外形の近傍はページ中央部に比べるとスキャナからの光量が不足するため、輝度補正の基準となるページ外形の近傍の地肌値も相対的に黒っぽくなってしまうからである。
【0009】
本発明の目的は、使用する画像読取手段に最も適した処理モードを選択してスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することができ、輝度補正後の画像品質の向上を図ることができる画像輝度補正装置、画像読取装置、画像形成装置、プログラム及び記憶媒体を提供することである。
【0010】
本発明の目的は、処理時間を短くすることができる画像輝度補正装置、画像読取装置、画像形成装置、プログラム及び記憶媒体を提供することである。
【0011】
本発明の目的は、輝度補正後の画像における過補正による白抜けの発生を確実に防止することができる画像輝度補正装置、画像読取装置、画像形成装置、プログラム及び記憶媒体を提供することである。
【0012】
本発明の目的は、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することができる画像輝度補正装置、画像読取装置、画像形成装置、プログラム及び記憶媒体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像輝度補正装置は、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度を補正する画像輝度補正装置において、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択手段と、この処理モード選択手段により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定手段と、この地肌値指定手段により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正手段と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出手段と、を備え、前記輝度補正手段は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定手段は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出手段と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出手段により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定手段と、を備え、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなす
【0014】
したがって、スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードから選択された所望の処理モードに従ってスキャン画像における地肌値が指定され、この指定された地肌値に基づきスキャン画像に対する輝度補正処理が実行される。これにより、輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置が画像読取手段の種類によって異なることから、ユーザは、使用する画像読取手段に最も適した処理モードを選択してスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することが可能になるので、輝度補正後の画像品質の向上を図ることが可能になる。
【0016】
したがって、スキャン画像の歪み領域のみについて輝度補正処理が施されるので、処理時間を短くすることが可能になる。
【0018】
したがって、スキャン画像の歪み領域からブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列が抽出され、抽出された各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値が取得され、この取得した輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値が決定される。これにより、スキャン画像の一部分の地肌値に基づいてスキャン画像を帯状に輝度補正する場合に比べて局所的な範囲で地肌値が検出されるので、適切な輝度補正が可能になる。
【0020】
したがって、地肌値検出の対象領域が画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込まれるので、処理時間を短くすることが可能になる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、一般にページ外形の近傍はページ中央部分に比べて画像読取手段の光量が不足するために地肌値も相対的に黒っぽくなることから、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、輝度補正後の画像における過補正による白抜けの発生を確実に防止することが可能になる。
【0021】
本発明の画像輝度補正装置は、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度を補正する画像輝度補正装置において、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択手段と、この処理モード選択手段により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定手段と、この地肌値指定手段により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正手段と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出手段と、を備え、前記輝度補正手段は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定手段は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出手段と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出手段により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定手段と、を備え、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなす。
【0022】
したがって、地肌値検出の対象領域が画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込まれるので、処理時間を短くすることが可能になる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、ページ中央近傍の線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を地肌値として輝度補正処理を施すとスキャン画像のページ外形付近に黒い影が生じてしまうような場合であっても、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することが可能になる。
【0023】
本発明の画像輝度補正装置は、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度を補正する画像輝度補正装置において、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択手段と、この処理モード選択手段により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定手段と、この地肌値指定手段により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正手段と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出手段と、を備え、前記輝度補正手段は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定手段は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出手段と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出手段により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定手段と、を備え、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分を所定位置とし、この線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなす。
【0024】
したがって、地肌値検出の対象領域が画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分に絞り込まれるので、処理時間を短くすることが可能になる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、ページ中央近傍の線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を地肌値として輝度補正処理を施すとスキャン画像のページ外形付近に黒い影が生じてしまうような場合であっても、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することが可能になる。
【0025】
本発明の画像輝度補正装置は、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度を補正する画像輝度補正装置において、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択手段と、この処理モード選択手段により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定手段と、この地肌値指定手段により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正手段と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出手段と、を備え、前記輝度補正手段は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定手段は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出手段と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出手段により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定手段と、を備え、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの各線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素をそれぞれ探索し、探索された2つの前記画素の輝度値間に位置する輝度値を前記画素列における地肌値とみなす。
【0026】
したがって、地肌値検出の対象領域が画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込まれるので、処理時間を短くすることが可能になる。また、各線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素をそれぞれ探索し、探索された2つの画素の輝度値間に位置する輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、輝度補正後の画像における過補正による白抜けの発生を確実に防止することが可能になるとともに、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することが可能になる。
【0027】
本発明の画像輝度補正装置において、前記輝度補正手段は、補正する前の前記画素列上の各画素(x,y)の輝度値をI(x,y)、前記地肌値指定手段により指定された前記画素列の各画素(x)の地肌値をbase(x)とした場合に、下記の式により、
g(x,y)=I(x,y)×(指定輝度値/base(x))
各画素(x,y)の補正輝度値g(x,y)を求めて前記スキャン画像の輝度を補正する。
【0028】
したがって、補正輝度値が容易に求められ、スキャン画像の本来の地肌の濃さに合わせた輝度補正を確実に行うことが可能になる。
【0029】
本発明の画像読取装置は、原稿画像を読み取る画像読取手段と、この画像読取手段により読み取られたスキャン画像の輝度の補正を行う本発明の画像輝度補正装置のうちの何れか一と、を備える。
【0030】
したがって、本発明の画像輝度補正装置のうちの何れか一と同様の作用を奏する画像読取装置が得られる。
【0031】
本発明の画像形成装置は、原稿画像を読み取る画像読取手段と、この画像読取手段により読み取られたスキャン画像の輝度の補正を行う本発明の画像輝度補正装置のうちの何れか一と、この画像輝度補正装置から出力される画像データに基づいた画像を用紙上に印刷する画像印刷装置と、を備える。
【0032】
したがって、本発明の画像輝度補正装置のうちの何れか一と同様の作用を奏する画像形成装置が得られる。
【0033】
本発明のプログラムは、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度補正をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択機能と、この処理モード選択機能により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定機能と、この地肌値指定機能により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正機能と、
前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出機能と、を実行させ、前記輝度補正機能は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定機能は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出機能と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出機能により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定機能と、を前記コンピュータに実行させ、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなす

【0034】
したがって、スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードから選択された所望の処理モードに従ってスキャン画像における地肌値が指定され、この指定された地肌値に基づきスキャン画像に対する輝度補正処理が実行される。これにより、輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置が画像読取手段の種類によって異なることから、ユーザは、使用する画像読取手段に最も適した処理モードを選択してスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することが可能になるので、輝度補正後の画像品質の向上を図ることが可能になる。
【0036】
したがって、スキャン画像の歪み領域のみについて輝度補正処理が施されるので、処理時間を短くすることが可能になる。
【0038】
したがって、スキャン画像の歪み領域からブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列が抽出され、抽出された各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値が取得され、この取得した輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値が決定される。これにより、スキャン画像の一部分の地肌値に基づいてスキャン画像を帯状に輝度補正する場合に比べて局所的な範囲で地肌値が検出されるので、適切な輝度補正が可能になる。
【0040】
したがって、地肌値検出の対象領域が画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込まれるので、処理時間を短くすることが可能になる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、一般にページ外形の近傍はページ中央部分に比べて画像読取手段の光量が不足するために地肌値も相対的に黒っぽくなることから、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、輝度補正後の画像における過補正による白抜けの発生を確実に防止することが可能になる。
【0041】
本発明のプログラムは、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度補正をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択機能と、この処理モード選択機能により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定機能と、この地肌値指定機能により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正機能と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出機能と、を実行させ、前記輝度補正機能は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定機能は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出機能と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出機能により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定機能と、を前記コンピュータに実行させ、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなす。
【0042】
したがって、地肌値検出の対象領域が画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込まれるので、処理時間を短くすることが可能になる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、ページ中央近傍の線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を地肌値として輝度補正処理を施すとスキャン画像のページ外形付近に黒い影が生じてしまうような場合であっても、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することが可能になる。
【0043】
本発明のプログラムは、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度補正をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択機能と、この処理モード選択機能により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定機能と、この地肌値指定機能により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正機能と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出機能と、を実行させ、前記輝度補正機能は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定機能は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出機能と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出機能により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定機能と、を前記コンピュータに実行させ、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分を所定位置とし、この線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなす。
【0044】
したがって、地肌値検出の対象領域が画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分に絞り込まれるので、処理時間を短くすることが可能になる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、ページ中央近傍の線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を地肌値として輝度補正処理を施すとスキャン画像のページ外形付近に黒い影が生じてしまうような場合であっても、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することが可能になる。
【0045】
本発明のプログラムは、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度補正をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択機能と、この処理モード選択機能により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定機能と、この地肌値指定機能により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正機能と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出機能と、を実行させ、前記輝度補正機能は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定機能は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出機能と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出機能により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定機能と、を前記コンピュータに実行させ、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの各線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素をそれぞれ探索し、探索された2つの前記画素の輝度値間に位置する輝度値を前記画素列における地肌値とみなす。
【0046】
したがって、地肌値検出の対象領域が画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込まれるので、処理時間を短くすることが可能になる。また、各線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素をそれぞれ探索し、探索された2つの画素の輝度値間に位置する輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、輝度補正後の画像における過補正による白抜けの発生を確実に防止することが可能になるとともに、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することが可能になる。
【0047】
本発明のプログラムは、さらに、前記輝度補正機能は、補正する前の前記画素列上の各画素(x,y)の輝度値をI(x,y)、前記地肌値指定機能により指定された前記画素列の各画素(x)の地肌値をbase(x)とした場合に、下記の式により、
g(x,y)=I(x,y)×(指定輝度値/base(x))
各画素(x,y)の補正輝度値g(x,y)を求めて前記スキャン画像の輝度を補正する。
【0048】
したがって、補正輝度値が容易に求められ、スキャン画像の本来の地肌の濃さに合わせた輝度補正を確実に行うことが可能になる。
【0049】
本発明のコンピュータに読み取り可能な記憶媒体は、本発明のプログラムのうち何れか一を記憶する。
【0050】
したがって、この記憶媒体をコンピュータにインストールすることにより本発明のプログラムのうち何れか一のプログラムと同様の作用を得ることが可能になる。
【0051】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図35に基づいて説明する。本実施の形態の画像輝度補正装置は画像形成装置であるデジタル複写機に備えられており、画像読取装置としてはデジタル複写機のスキャナ部が適用されている。
【0052】
ここで、図1はスキャナ部1の構成を示す縦断正面図である。図1に示すように、スキャナ部1は、原稿を載置するコンタクトガラス2と、原稿の露光用の露光ランプ3および第一反射ミラー4からなる第一走行体5と、第二反射ミラー6および第三反射ミラー7からなる第二走行体8と、原稿の画像を読み取る撮像素子としてのCCD(Charge Coupled Device)9と、このCCD9に結像させるためのレンズユニット10と、原稿を載置する基準になるとともにコンタクトガラス2のズレや外れを防止する原稿スケール11と、この原稿スケール11の下側に設置されたシェーディング補正用の白基準板12と、フレーム14とを備えている。CCD9はセンサボード13上に形成されている。
【0053】
原稿の走査時には、第一走行体5および第二走行体8はステッピングモータ24(図3参照)によって副走査方向に移動する。すなわち、第一走行体5および第二走行体8がコンタクトガラス2の下を走行して、露光ランプ3で原稿を露光走査し、その反射光を第一反射ミラー4、第二反射ミラー6および第三反射ミラー7で反射して、レンズユニット10を通してCCD9に結像させる。ここに、画像読取手段が実現されている。
【0054】
このようなスキャナ部1は、このスキャナ部1で読み取られた原稿の画像に基づく画像データに応じ、例えば電子写真方式で用紙上に画像の形成を行う画像印刷装置であるプリンタ部(図示せず)を備えるデジタル複写機16に搭載されている。図2は、スキャナ部1を搭載したデジタル複写機16の上部部分を示す斜視図である。図2に示すように、スキャナ部1には、コンタクトガラス2に対して開閉自在な圧板17と、この圧板17の開閉を検出する開閉センサ18とが設けられている。なお、デジタル複写機16に備えられるプリンタとしては、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、種々の印刷方式を適用することができる。その具体的な構成については周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0055】
図3は、スキャナ部1の制御系の電気的な接続を示すブロック図である。図3に示すように、この制御系は、スキャナ部1の全体を制御するメイン制御部19に、CCD9で読み取った画像データに各種の画像処理を施す回路である画像処理部20と、第一走行体5および第二走行体8を制御する回路である走行体制御部21と、デジタル複写機16への各種操作を受け付け、また、各種メッセージを表示する操作パネル22と、CCD9で読み取った画像データや所定のデータ等を記憶するメモリ23とが接続されている。
【0056】
操作パネル22には、コピー開始を宣言するためのコピースタートキー(図示せず)等が設けられている。また、操作パネル22には、後述するスキャン画像の輝度補正処理の際の地肌値指定の処理モードを設定するためのモードキー(図示せず)も設けられている。本実施の形態においては、モードキーの操作によって4段階の処理モードに設定可能とされている。これらの処理モードは、輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置がスキャナ部1の種類によって異なることから、使用するスキャナ部1に応じて輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置を決定するものであって、設定1〜設定4までの4つの処理モードが設定されているものである。この処理モードは、使用するスキャナ部1について、数枚のサンプル画像でテストするなどして適切に定めれば良い。
【0057】
走行体制御部21には、露光ランプ3と、第一走行体5および第二走行体8を駆動するステッピングモータ24と、第一走行体5および第二走行体8がホームポジションにあるか否かを検出するスキャナホームポジションセンサ(HPセンサ)25と、開閉センサ18とが接続されている。
【0058】
ここで、図4は画像処理部20の基本的な内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、画像処理部20は、原稿をCCD9により読み取ったアナログ画像信号の増幅処理やデジタル変換処理等を行うアナログビデオ処理部26、シェーディング補正処理を行うシェーディング補正処理部27、シェーディング補正処理後のデジタル画像信号に、MTF補正、変倍処理、γ補正等の各種画像データ処理を行いスキャン画像を生成する画像データ処理部28、スキャン画像の画像輝度補正機能を含む歪み補正機能を実現する画像歪み補正部29から構成されている。以上のような画像処理後のデジタル画像信号は、メイン制御部19を介してプリンタ部に送信されて、画像形成に供される。
【0059】
メイン制御部19は、図5に示すように、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)31を備えており、このCPU31には、BIOSなどを記憶した読出し専用メモリであるROM(Read Only Memory)32と、各種データを書換え可能に記憶してCPU31の作業エリアとして機能するRAM(Random Access Memory)33とがバス34で接続されており、マイクロコンピュータを構成している。なお、RAM33には、操作パネル22のモードキーの操作によって設定されたスキャン画像の輝度補正処理の際の地肌値指定の処理モードを格納するエリアが設けられている。
【0060】
さらにバス34には、制御プログラムが記憶されたHDD35と、CD(Compact Disc)−ROM37を読み取るCD−ROMドライブ36と、プリンタ部等との通信を司るインタフェース(I/F)38とが接続されている。
【0061】
図5に示すCD−ROM37は、この発明の記憶媒体を実施するものであり、所定の制御プログラムが記憶されている。CPU31は、CD−ROM37に記憶されている制御プログラムをCD−ROMドライブ36で読み取り、HDD35にインストールする。これにより、メイン制御部19は、後述するような各種の処理を行うことが可能な状態となる。
【0062】
なお、記憶媒体としては、CD−ROM37のみならず、DVDなどの各種の光ディスク、各種光磁気ディスク、フロッピーディスクなどの各種磁気ディスク、半導体メモリ等、各種方式のメディアを用いることができる。また、インターネットなどのネットワークからプログラムをダウンロードし、HDD35にインストールするようにしてもよい。この場合に、送信側のサーバでプログラムを記憶している記憶装置も、この発明の記憶媒体である。なお、プログラムは、所定のOS(Operating System)上で動作するものであってもよいし、その場合に後述の各種処理の一部の実行をOSに肩代わりさせるものであってもよいし、ワープロソフトなど所定のアプリケーションソフトやOSなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。
【0063】
次に、メイン制御部19に設けられたCPU31が制御プログラムに基づいて実行する各種処理の内容について説明する。ここでは、CPU31が実行する処理のうち、本実施の形態のスキャナ部1が備える特長的な機能であるスキャン画像の輝度補正機能を実現する画像輝度補正装置である画像歪み補正部29におけるスキャン画像のページ綴じ部の輝度補正処理についてのみ説明する。
【0064】
図6は、スキャン画像の輝度補正処理の流れを概略的に示すフローチャートである。なお、ここでは、図7に示すように、ブック原稿40のページ綴じ部41とスキャナ部1の画像読み取りの主走査方向とが平行になるように位置させてブック原稿40をコンタクトガラス2上に下向きに載置したことを意図した場合について説明する。
【0065】
まず、画像データ処理部28から出力されたコンタクトガラス2に載置されているブック原稿40のスキャン画像(例えば、8bitモノクロ多値画像)を入力する(ステップS1)。ここで、図8は入力した画像の一例を示したものである。そして、図9に示すように、入力されたブック原稿40のスキャン画像には、ページ綴じ部41のスキャン画像41´の近傍において歪みが生じている。
【0066】
続くステップS2においては、ページ外形/罫線/文字行の抽出処理を実行する。ここで、図10は、ページ外形/罫線/文字行の抽出処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【0067】
[スキャン画像からのページ外形の抽出]
まず、ステップS41におけるスキャン画像からのページ外形の抽出処理について説明する。ここで、図11は上端にページ外形が存在するスキャン画像の一例を示す説明図、図12は図11に示したスキャン画像の綴じ部境界線左側の黒画素ヒストグラムである。なお、綴じ部境界線としては、スキャン画像中の画素の中でその濃度値が元も濃い画素が位置する副走査方向の位置が選択される。図12に示すヒストグラムのx軸はスキャン画像の主走査方向(図11の上下方向)を示すものであり、スキャン画像の上端はヒストグラムの左端に対応付けられている。なお、ページ外形が下端に存在するスキャン画像の場合には、スキャン画像の下端がヒストグラムの右端に対応付けられることになる。したがって、図11に示すようにスキャン画像の上端にページ外形が存在する場合、スキャン画像の上部に黒い帯が現れることから、図12に示すヒストグラムの左端には高い縦棒が現れることになる。本実施の形態では、このような特性を利用して、スキャン画像にページ外形が存在するか否かの判断を行う。
【0068】
より具体的には、図12に示すように、綴じ部境界線からスキャン画像の左端(図11の左端)までの距離AO、ヒストグラム縦棒の高さBOとし、その比率を下記に示す式(1)により算出し、
【数1】
Figure 0003917421
算出された比率kが、予め定められた閾値よりも大きい場合に、スキャン画像にページ外形が存在すると判断する。
【0069】
なお、スキャン画像の上下にページ外形が存在する場合には、ヒストグラムの左右両端に高い縦棒が現れることになるので、このような場合には、ヒストグラムの左右両端の高い縦棒に基づいてスキャン画像にページ外形が存在するか否かの判断がそれぞれ実行される。
【0070】
以上の処理により、スキャン画像にページ外形が存在すると判断された場合には、左右ページの上下辺のいずれにページ外形が存在しているのかという情報とともにページ外形を抽出し、RAM33に一時的に記憶する。
【0071】
なお、このスキャン画像にページ外形が存在するか否かの判断処理は、スキャン画像の綴じ部境界線を境にした左右ページ毎に実行される。
【0072】
[スキャン画像からの罫線の抽出]
続くステップS42においては、スキャン画像からの罫線の抽出処理を実行する。ステップS42におけるスキャン画像からの罫線の抽出処理について説明する。
【0073】
[罫線候補の検出]
ここで、図13は長い罫線が存在するスキャン画像の一例を示す説明図、図14は図13に示したスキャン画像の綴じ部境界線左側の黒画素ヒストグラムである。図14に示すヒストグラムのx軸はスキャン画像の主走査方向(図13の上下方向)を示すものであり、スキャン画像の上端はヒストグラムの左端に対応付けられている。図13に示すようにスキャン画像に罫線が存在する場合には、図14に示すヒストグラムに幅の狭いピークが現れることになる。本実施の形態では、このような特性を利用して、スキャン画像に罫線が存在するか否かの判断を行う。
【0074】
より具体的には、まず、図14に示すヒストグラムに現れた幅の狭いピークの高さHを求めるとともに、求められた各ピークの中央位置(高さが半分の位置)における幅Wを求める。そして、ピークの高さHが予め定められた閾値thHよりも高く、かつ、ピークの中央位置の幅Wが予め定められた閾値thWより小さなピークが存在する場合、そのピークを罫線の候補とする。
【0075】
続いて、罫線の候補とされたピークについて、罫線の連続性を利用して、更に罫線か否かの判断をする。図15に示すように、候補罫線上の適当な位置(例えば、ページの中心線の位置)を開始点とし、この開始点から候補罫線を左右方向へ探索し、切断点(罫線がかすれて途切れている部分)の数を累積する。切断点の数が予め定められた閾値より少なければ、この候補を罫線と判断する。このように罫線連続性に基づいて罫線か否かの判断をすることにより、罫線として誤って検出された小さな文字で構成された横書き文字行や点線等を排除することが可能になる。
【0076】
[罫線の座標検出]
以上のようにして罫線を判別した後、各罫線の座標を検出する。罫線座標の検出は、図16に示すように、罫線の主走査方向(図16のy軸方向)の座標値を罫線部の黒画素ランの中点座標とした場合、図16に示す罫線の左端のx1における主走査方向座標値はy1となる。
【0077】
[最適罫線の選択]
次に、候補罫線の中から歪み補正に最適な罫線を選択する。図17に示すように複数の罫線が検出される場合、どの罫線を用いて歪み補正するかを選択する必要がある。最適な罫線の選択基準の一例としては、罫線の長さが予め定められた閾値より長く、かつ、綴じ部境界線を挟んだ左右の一定幅領域内(図17の網掛け領域)に罫線の一部がかかっていることを条件とし、その中で上下いずれかのページ外形に最も近い罫線を選択するようにする。図17においては、左右ページから各1本ずつの罫線を選択する場合を示している。ここでは、罫線▲1▼と罫線▲2▼とが選択されている。
【0078】
また、最適な罫線の選択基準の別の例としては、罫線の長さが予め定められた閾値より長く、かつ、綴じ部境界線を挟んだ左右の一定幅領域内(図18の網掛け領域)に罫線の一部がかかっていることを条件とし、各ページの上部では上端のページ外形に、各ページの下部では下端のページ外形に、それぞれ最も近い罫線を選択するようにする。図18においては、左右ページをさらに上下部分に分け、その各4ブロックにおいて1本ずつの罫線を選択する場合を示している。ここでは、左上のブロックでは罫線▲1▼、右下のブロックでは罫線▲2▼、左下のブロックでは罫線▲3▼が選択されている。なお、図18中の右上のブロックには上記2条件(罫線の長さが予め定められた閾値より長く、かつ、綴じ部境界線を挟んだ左右の一定幅領域内に罫線の一部がかかっている)を満足する罫線が存在しないので、選択された罫線はない。
【0079】
なお、上記2条件(罫線の長さが予め定められた閾値より長く、かつ、綴じ部境界線を挟んだ左右の一定幅領域内に罫線の一部がかかっている)については、その両方ではなくいずれか一方のみを満足するものであっても良い。また、選択基準として上例では「ページ外形に最も近い」を用いているが、これに限るものではなく、「罫線の湾曲が最も大きい」を用いても良い。ここで、「罫線の湾曲」は罫線の左右両端点の主走査方向の座標値の差で表すものとする。
【0080】
[最適罫線の座標値の決定]
最適な罫線が選択された場合には、罫線の(主走査方向の)座標値を決定する。罫線の(主走査方向の)座標値は、選択された罫線を左右ページのそれぞれ両端に達するまで近似して延長することにより決定される。図19において、罫線が存在しているBC部については、前述した罫線座標検出処理により既に座標値は決まっていることから、それ以外の延長部分について罫線の(主走査方向の)座標値を決定することになる。より詳細には、図19に示すAB部は直線近似で(主走査方向の)座標値を推定し、CD部は多項式近似曲線で(主走査方向の)座標値を推定する。
【0081】
[不適切な罫線の排除]
最後に不適切な罫線を排除する。これは、前述したように多項式近似により座標値を推定する際に、多項式近似による推定曲線の形状が不適切である場合には補正の際にかえって歪みが増大する恐れがあるので、このような罫線を排除するものである。不適切な近似曲線形状の例としては、図20に示すように、曲線が書籍の外側へ向かうような曲線▲1▼や、中心線を超えて大きく内側へ食い込むような曲線▲2▼である。
【0082】
なお、推定曲線の形状が不適切であるとして罫線を排除した場合には、再び最適な罫線を選択し、上記の処理を繰り返すことになる。
【0083】
以上の処理により、スキャン画像に罫線が存在すると判断された場合には、左右各ページのいずれの位置に罫線が存在しているのかという情報とともに罫線を抽出し、RAM33に一時的に記憶する。
【0084】
[スキャン画像からの文字行の抽出]
続くステップS43においては、スキャン画像からの文字行の抽出処理を実行する。ステップS43におけるスキャン画像からの文字行の抽出処理について説明する。本実施の形態においては、まず、スキャン画像中の文字行が縦書き文字行なのか、横書き文字行なのかの判別を行う。
【0085】
[文字行の判別]
スキャン画像中の文字行が縦書き文字行なのか、横書き文字行なのかの判別手法について説明する。ここで、図21は図8に示した画像の副走査方向の黒白反転数ヒストグラムである。図21中の横軸は、副走査方向(左右方向)の黒画素(スキャン画像を黒白反転させた画素の中でその濃度値が予め定めた濃度値よりも濃い画素)の主走査方向上での位置を示し、図21中の縦軸は、その位置毎の黒画素数を示すものである。また、図22は図8に示した画像の主走査方向の黒白反転数ヒストグラムである。図22中の横軸は、主走査方向(上下方向)の黒画素(スキャン画像を黒白反転させた画素の中でその濃度値が予め定めた濃度値よりも濃い画素)の副走査方向上での位置を示し、図22中の縦軸は、その位置毎の黒画素数を示すものである。画像中の文字が横書きの図8に示したようなスキャン画像の場合、図21に示すような副走査方向のヒストグラムは激しく変化するが、図22に示すような主走査方向のヒストグラムの変化は少ない。また、特に図示しないが、スキャン画像中の文字行が縦書き文字行である場合には、主走査方向のヒストグラムは激しく変化するが、副走査方向のヒストグラムの変化は少ない。
【0086】
上述したような判別手法は、具体的には下記に示す各式により実現される。まず、下記に示す式(2)により、
【数2】
Figure 0003917421
主走査方向yの位置でのヒストグラム値Pnt(y)の平均値meanが算出される。ここで、heightは画像の高さである。
【0087】
そして、下記に示す式(3)により、
【数3】
Figure 0003917421
副走査方向のヒストグラムの主走査方向に関する分散σが得られる。
【0088】
同様に、下記に示す式(4)により、
【数4】
Figure 0003917421
副走査方向xの位置でのヒストグラム値Pnt(x)の平均値meanが算出される。ここで、widthは画像の幅である。
【0089】
そして、下記に示す式(5)により、
【数5】
Figure 0003917421
主走査方向のヒストグラムの副走査方向に関する分散σが得られる。
【0090】
上述したようにスキャン画像中の文字行が横書き文字行である場合には、副走査方向のヒストグラムの主走査方向に関する分散σが、主走査方向のヒストグラムの副走査方向に関する分散σより大きい。逆に、スキャン画像中の文字行が縦書き文字行である場合には、主走査方向のヒストグラムの副走査方向に関する分散σが、副走査方向のヒストグラムの主走査方向に関する分散σより大きい。つまり、分散σと分散σとの比較により、スキャン画像中の文字行が縦書き文字行なのか、横書き文字行なのかの判別が可能になっている。
【0091】
なお、スキャン画像中の文字行が縦書き文字行なのか、横書き文字行なのかの判別に、黒白反転数ヒストグラムを用いたのは、文字行と写真部分との混同を避けるためである。一般に、黒画素ヒストグラムの値が同程度の場合、文字領域のほうが写真領域よりも黒白反転数ヒストグラムの値が大きくなるからである。
【0092】
[横書き文字行の座標検出]
以上のようにして文字行を判別した後、まず、各横書き文字行の座標を検出する。横書き文字行の座標の検出にあたっては、文字単位の外接矩形抽出処理を行うとともに、横書き文字行の抽出処理を行う。なお、文字認識処理については周知の技術であるので、その説明は省略する。ここで、スキャン画像の文字外接矩形抽出処理および文字行抽出処理の結果の一例を図23に示す。そして、各文字の外接矩形の中心点の座標をその文字の座標とみなし、横書き文字行の座標を検出する。
【0093】
[最適横書き文字行の選択]
次に、抽出した横書き文字行の中から歪み補正に最適な横書き文字行を選択する。複数の横書き文字行が検出される場合、どの横書き文字行を用いて歪み補正するかを選択する必要がある。最適な横書き文字行の選択基準の一例としては、前述した最適な罫線の選択基準と基本的に同様であって、図24に示すように横書き文字行の長さBCが予め定められた閾値より長く、かつ、綴じ部境界線を挟んだ左右の一定幅領域内(図24の網掛け領域)に横書き文字行の一部Cがかかっていることを条件とし、その中で上下いずれかのページ外形に最も近い横書き文字行を選択するようにする。ここで、Bは文字行の一番左の矩形の中心であり、Cは一番右の矩形の中心である。なお、最適な横書き文字行の選択は、左右ページから各1本ずつのページ外形に最も近い横書き文字行を選択するものであっても良いし、左右ページをさらに上下部分に分け、その各4ブロックにおいて1本ずつのページ外形に最も近い横書き文字行を選択するものであっても良い。
【0094】
なお、上記2条件(横書き文字行の長さが予め定められた閾値より長く、かつ、綴じ部境界線を挟んだ左右の一定幅領域内に横書き文字行の一部がかかっている)については、その両方ではなくいずれか一方のみを満足するものであっても良い。また、選択基準として上例では「ページ外形に最も近い」を用いているが、これに限るものではなく、「横書き文字行の湾曲が最も大きい」を用いても良い。ここで、「横書き文字行の湾曲」は横書き文字行の両端の文字外接矩形の中心座標の主走査方向の座標値の差で表すものとする。
【0095】
[最適横書き文字行の座標値の決定]
最適な横書き文字行が選択された場合には、横書き文字行の(主走査方向の)座標値を決定する。横書き文字行の(主走査方向の)座標値は、横書き文字行内の各文字外接矩形の中心点を連結し、直線部分と曲線部分とを近似して抽出することにより横書き文字行の(主走査方向の)座標値を決定することになる。より詳細には、図24に示すDは綴じ部境界線であり、BDの間は多項式近似曲線で(主走査方向の)座標値を推定し、一番左端のAとBとの間は近似直線の値で(主走査方向の)座標値を推定する。
【0096】
[不適切な横書き文字行の排除]
最後に不適切な横書き文字行を排除する。これは、前述したように多項式近似により座標値を推定する際に、多項式近似による推定曲線の形状が不適切である場合には補正の際にかえって歪みが増大する恐れがあるので、このような横書き文字行を排除するものである。不適切な近似曲線形状の例としては、前述した罫線の場合と同様であって、特に図示しないが、曲線が書籍の外側へ向かうような場合や、中心線を超えて大きく内側へ食い込むような場合である。
【0097】
なお、推定曲線の形状が不適切であるとして横書き文字行を排除した場合には、再び最適な横書き文字行を選択し、上記の処理を繰り返すことになる。
【0098】
以上の処理により、スキャン画像に横書き文字行が存在すると判断された場合には、左右各ページのいずれの位置に横書き文字行が存在しているのかという情報とともに横書き文字行を抽出し、RAM33に一時的に記憶する。
【0099】
[縦書き文字行の各文字の座標検出]
続いて、各縦書き文字行の座標を検出する。縦書き文字行の座標の検出にあたっては、文字単位の外接矩形抽出処理を行う。なお、文字認識処理については周知の技術であるので、その説明は省略する。そして、各文字の外接矩形の中心点の座標をその文字の座標とみなす。
【0100】
[横書き文字行の抽出]
次に、各縦書き文字行から横書き文字行を抽出する。横書き文字行の抽出は、各縦書き文字行の一番上の文字を連結した外形、または、各縦書き文字行の一番下の文字を連結した外形を横書き文字行とみなすものである。より詳細には、左右ページから各1本ずつの文字行を選択する場合は、各縦書き文字行の一番上もしくは一番下の各一文字を連結した外形を一つの行とみなして抽出する。また、左右ページをさらに上下部分に分け、その4ブロックにおいて1本ずつの文字行を選択する場合は、左上部、右上部においては各縦書き文字行の一番上の各一文字を連結した外形を一つの行とみなし、左下部、右下部においては各縦書き文字行の一番下の各一文字を連結した外形を一つの行とみなして抽出する。
【0101】
その際、図25に示すように抽出された外形の長さBCが予め定められた閾値より長く、かつ、綴じ部境界線を挟んだ左右の一定幅領域内(図25の網掛け領域)に抽出された外形の一部Cがかかっていることを条件とし、外形を抽出する。なお、上記2条件(抽出された外形の長さが予め定められた閾値より長く、かつ、綴じ部境界線を挟んだ左右の一定幅領域内に抽出された外形の一部がかかっている)については、その両方ではなくいずれか一方のみを満足するものであっても良い。したがって、上記条件を満足しない場合は、歪み補正用の縦書き文字行の外形は無いということになる。
【0102】
[抽出された外形の座標値の決定]
縦書き文字行に応じて外形が抽出された場合には、なお、縦書き文字行の外形の(主走査方向の)座標値を決定する。縦書き文字行の外形の座標値は、図26に示すように、各縦書き文字行の一番上の各一文字を連結した外形である場合には、連結する各文字の外接矩形の上辺中心点を連結し、直線部分と曲線部分とを近似して抽出することにより縦書き文字行の外形の(主走査方向の)座標値を決定することになる。また、図26に示すように、各縦書き文字行の一番下の各一文字を連結した外形である場合には、連結する各文字の外接矩形の下辺中心点を連結し、直線部分と曲線部分とを近似して抽出することにより縦書き文字行の外形の(主走査方向の)座標値を決定することになる。より詳細には、図25に示すDは綴じ部境界線であり、BDの間は多項式近似曲線で(主走査方向の)座標値を推定し、一番左端のAとBとの間は近似直線の値で(主走査方向の)座標値を推定する。
【0103】
[不適切な縦書き文字行の外形の排除]
最後に不適切な縦書き文字行の外形を排除する。これは、前述したように多項式近似により座標値を推定する際に、多項式近似による推定曲線の形状が不適切である場合には補正の際にかえって歪みが増大する恐れがあるので、このような縦書き文字行の外形を排除するものである。不適切な近似曲線形状の例としては、前述した罫線や横書き文字行の場合と同様であって、特に図示しないが、曲線が書籍の外側へ向かうような場合や、中心線を超えて大きく内側へ食い込むような場合である。
【0104】
なお、推定曲線の形状が不適切であるとして縦書き文字行の外形を排除した場合には、歪み補正用の縦書き文字行の外形は無いということになる。
【0105】
以上の処理により、スキャン画像に縦書き文字行の外形が存在すると判断された場合には、左右各ページのいずれの位置に縦書き文字行の外形が存在しているのかという情報とともに縦書き文字行の外形を抽出し、RAM33に一時的に記憶する。
【0106】
なお、以下においては、横書き文字行及び縦書き文字行の外形を文字列として扱うものとする。
【0107】
以上、ステップS41〜S43の処理により、ページ外形/罫線/文字行の抽出処理(ステップS2)が終了する。
【0108】
続くステップS3(図6参照)においては、スキャン画像の中に歪み領域が存在するか否かを判別し、歪み領域が存在する場合にはスキャン画像から歪み領域を抽出する歪み領域抽出処理を実行する。ここに、歪み領域抽出手段の機能が実行される。歪み領域抽出処理は、ステップS2において抽出されたページ外形/罫線/文字行に応じて実行される。図27は、スキャン画像からの歪み領域の抽出の一例を示すものであって、スキャン画像からページ外形(上辺及び下辺)を抽出し、抽出されたページ外形(上辺及び下辺)に基づいて歪み領域を抽出したものである。図27に示すように、ページ綴じ部41のスキャン画像41´付近に位置する「ページ外形」の曲線部分が歪み発生部分であって、X及びXが「ページ外形」の直線部分と曲線部分との境界点である。つまり、図27に示すXとXとの間に位置する網掛け領域が歪み領域であって、後述する輝度補正処理をこの歪み領域のみに行うものである。
【0109】
スキャン画像から歪み領域が抽出されると、ステップS4において、地肌値指定処理が実行される。ここで、図28は地肌値指定処理を概略的に示すフローチャートである。図28に示すように、本実施の形態の地肌値指定処理は、予め設定された処理モードに従って(ステップS51〜S43:処理モード選択手段)、地肌値を指定するものである。以下、詳細に説明する。
【0110】
まず、設定された処理モードが第一設定モードである“設定1”である場合について説明する。設定された処理モードが“設定1”である場合(ステップS51のY)、ステップS54に進む。
【0111】
ステップS54の輝度抽出位置指定処理においては、歪み領域内に位置し、かつ、ページ綴じ部41のスキャン画像41´に平行な画素列上の数箇所の位置を地肌抽出位置として指定する。図29に示す例では、ページ綴じ部41のスキャン画像41´に平行な画素列AE上に位置してページ外形近傍に位置する線分AB、及び、ページ綴じ部41のスキャン画像41´に平行な画素列AE上に位置してページ中央付近に位置する線分CD、の2箇所(2線分)を地肌抽出位置として指定する。
【0112】
ここで、図30は輝度補正前の画素列AEの画像輝度分布を示すグラフである。図30は8bitモノクロ多値画像の例であり、この場合、最も白い画素の輝度値は“255”であって、最も黒い画素の輝度値は“0”である。図30においては、全体的に画素の輝度値は低いが、特に、文字部分の輝度値と画素列AEの両端部分の輝度値はほぼ“0”を示している。なお、画素列AEの両端部分は、歪みが生じることにより変化したページ外形の外側部分になる。
【0113】
続くステップS55では、地肌値決定処理を実行する。地肌値決定処理は、ステップS54において指定した輝度抽出位置の中で、一番白い画素(輝度値が最大の画素)を有する位置を探索し、その画素の輝度値をこの画素列の地肌値と見なすものである。図30に示す例では、線分AB及び線分CDの2箇所(2線分)の中から、線分CD上の画素の輝度値(130)が指定される。ここで指定された地肌値は、base(x)とされる。なお、xは、図29における画素列AEのx座標である。
【0114】
以上、ステップS54〜S55によって、地肌値指定手段を構成する画素列抽出手段の機能と地肌値検出手段の機能とが実行される。
【0115】
次いで、設定された処理モードが第二設定モードである“設定2”である場合について説明する。設定された処理モードが“設定2”である場合(ステップS52のY)、ステップS56に進む。
【0116】
ステップS56の輝度抽出位置指定処理においては、歪み領域内に位置し、かつ、ページ綴じ部41のスキャン画像41´に平行な画素列上の数箇所の位置を地肌抽出位置として指定する。ここでは、ステップS54の輝度抽出位置指定処理と同様に、ページ綴じ部41のスキャン画像41´に平行な画素列AE上に位置してページ外形近傍に位置する線分AB、及び、ページ綴じ部41のスキャン画像41´に平行な画素列AE上に位置してページ中央付近に位置する線分CD、の2箇所(2線分)を地肌抽出位置として指定する(図29、30参照)。
【0117】
続くステップS57では、地肌値決定処理を実行する。地肌値決定処理は、ステップS56において指定した輝度抽出位置の中で、一番黒い画素(輝度値が最小の画素)を有する位置を探索し、その画素の輝度値をこの画素列の地肌値と見なすものである。図30に示す例では、線分AB及び線分CDの2箇所(2線分)の中から、線分AB上の画素の輝度値(80)が指定される。ここで指定された地肌値は、base(x)とされる。
【0118】
以上、ステップS56〜S57によって、地肌値指定手段を構成する画素列抽出手段の機能と地肌値検出手段の機能とが実行される。
【0119】
次いで、設定された処理モードが第三設定モードである“設定3”である場合について説明する。設定された処理モードが“設定3”である場合(ステップS53のY)、ステップS58に進む。
【0120】
ステップS58の輝度抽出位置指定処理においては、歪み領域内に位置し、かつ、ページ綴じ部41のスキャン画像41´に平行な画素列AE上に位置してページ外形近傍に位置する線分ABを地肌抽出位置として指定する(図29、30参照)。
【0121】
続くステップS59では、地肌値決定処理を実行する。地肌値決定処理は、ステップS58において指定した輝度抽出位置の中で、一番白い画素(輝度値が最大の画素)を有する位置を探索し、その画素の輝度値をこの画素列の地肌値と見なすものである。図30に示す例では、線分AB上の画素の輝度値(100)が指定される。ここで指定された地肌値は、base(x)とされる。
【0122】
以上、ステップS58〜S59によって、地肌値指定手段を構成する画素列抽出手段の機能と地肌値検出手段の機能とが実行される。
【0123】
次いで、設定された処理モードが第四設定モードである“設定4”である場合について説明する。設定された処理モードが“設定4”である場合(ステップS53のN)、ステップS60に進む。
【0124】
ステップS60の輝度抽出位置指定処理においては、歪み領域内に位置し、かつ、ページ綴じ部41のスキャン画像41´に平行な画素列上の数箇所の位置を地肌抽出位置として指定する。ここでは、ステップS54の輝度抽出位置指定処理と同様に、ページ綴じ部41のスキャン画像41´に平行な画素列AE上に位置してページ外形近傍に位置する線分AB、及び、ページ綴じ部41のスキャン画像41´に平行な画素列AE上に位置してページ中央付近に位置する線分CD、の2箇所(2線分)を地肌抽出位置として指定する(図29、30参照)。
【0125】
続くステップS61では、地肌値決定処理を実行する。地肌値決定処理は、ステップS60において指定した各輝度抽出位置の中で、一番白い画素(輝度値が最大の画素)を有する位置をそれぞれ探索し、探索された2つの画素の輝度値間に位置する輝度値をこの画素列の地肌値と見なすものである。図30に示す例では、線分AB上の画素の輝度値(100)と線分CD上の画素の輝度値(130)とが選択される。そして、輝度値(100)と輝度値(130)との間を2:1に内分する値(120)が地肌値として指定される。ここで指定された地肌値は、base(x)とされる。
【0126】
以上、ステップS60〜S61によって、地肌値指定手段を構成する画素列抽出手段の機能と地肌値検出手段の機能とが実行される。
【0127】
以上のようにして地肌値が求められると、ステップS5に進み、歪み領域に対する画像輝度補正処理を実行する。歪み領域に対する画像輝度補正処理は、ステップS4において指定された地肌値をスキャン画像本来の地肌の輝度に戻すのが目標である。この目標とすべき本来の地肌の輝度値を「指定輝度値」と呼び、この例では8bitモノクロ多値画像の最大値である“255”を指定輝度値とする(つまり、この例の本来の地肌は「白色」であるとする)。しかしながら、画素値に、255とその画素地肌値との差分を単純に加算するだけでは、地肌部分と文字部分のコントラストが低いままとなってあまり改善されない。そこで、本実施の形態においては、
【数6】
Figure 0003917421
を用いて各画素の輝度を補正する。ここに、輝度補正手段の機能が実行される。これは、補正する前の各画素(x,y)の輝度値I(x,y)とステップS4において求めた画素(x)の地肌値base(x)とが同じである場合には、補正された各画素(x,y)の輝度値g(x,y)は“255”になることによる。
【0128】
まず、設定された処理モードが“設定1”である場合について説明する。設定された処理モードが“設定1”である場合には、前述したように、線分CD上の画素の輝度値(130)が地肌値として指定されており、(6)式に基づく輝度補正によれば、図31に示すように、地肌の黒い影を取り除くと共にブック原稿40のページ綴じ部41のスキャン画像41´のダイナミックレンジが広くなり、コントラストが強調されることになる。
【0129】
ここに、処理モードが“設定1”である場合には、地肌値検出の対象領域を画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込むことができるので、処理時間を短くすることができる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、一般にページ外形の近傍はページ中央部分に比べて画像読取手段の光量が不足するために地肌値も相対的に黒っぽくなることから、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、輝度補正後の画像における過補正による白抜けの発生を確実に防止することができる。
【0130】
なお、補正された各画素(x,y)の輝度値g(x,y)が指定輝度値を超えた場合は、これを強制的に指定輝度値に一致させるものとする。つまり、本実施の形態においては指定輝度値を“255”としているので、
輝度値g(x,y)>255
となった場合には、強制的に
輝度値g(x,y)=255
とする。
【0131】
また、設定された処理モードが“設定2”である場合について説明する。設定された処理モードが“設定2”である場合には、前述したように、線分AB上の画素の輝度値(80)が地肌値として指定されており、(6)式に基づく輝度補正によれば、図32に示すように、地肌の黒い影を取り除くと共にブック原稿40のページ綴じ部41のスキャン画像41´のダイナミックレンジが広くなり、コントラストが強調されることになる。
【0132】
ここに、処理モードが“設定2”である場合には、地肌値検出の対象領域を画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込むことができるので、処理時間を短くすることができる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、ページ中央近傍の線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を地肌値として輝度補正処理を施すとスキャン画像のページ外形付近に黒い影が生じてしまうような場合であっても、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することができる。
【0133】
また、設定された処理モードが“設定3”である場合について説明する。設定された処理モードが“設定3”である場合には、前述したように、線分AB上の画素の輝度値(100)が地肌値として指定されており、(6)式に基づく輝度補正によれば、図33に示すように、地肌の黒い影を取り除くと共にブック原稿40のページ綴じ部41のスキャン画像41´のダイナミックレンジが広くなり、コントラストが強調されることになる。
【0134】
ここに、処理モードが“設定3”である場合には、地肌値検出の対象領域を画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分に絞り込むことができるので、処理時間を短くすることができる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、ページ中央近傍の線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を地肌値として輝度補正処理を施すとスキャン画像のページ外形付近に黒い影が生じてしまうような場合であっても、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することができる。
【0135】
設定された処理モードが“設定4”である場合について説明する。設定された処理モードが“設定4”である場合には、前述したように、輝度値(100)と輝度値(130)との間を2:1に内分する値(120)が地肌値として指定されており、(6)式に基づく輝度補正によれば、図34に示すように、地肌の黒い影を取り除くと共にブック原稿40のページ綴じ部41のスキャン画像41´のダイナミックレンジが広くなり、コントラストが強調されることになる。
【0136】
なお、輝度値(100)と輝度値(130)との間を2:1に内分する値(120)を地肌値として指定したが、内分する比は2:1に限るものではない。
【0137】
ここに、処理モードが“設定4”である場合には、地肌値検出の対象領域を画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込むことができるので、処理時間を短くすることができる。また、各線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素をそれぞれ探索し、探索された2つの画素の輝度値間に位置する輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、輝度補正後の画像における過補正による白抜けの発生を確実に防止することができるとともに、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することができる。
【0138】
ここに、スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードから選択された所望の処理モードに従ってスキャン画像における地肌値が指定され、この指定された地肌値に基づきスキャン画像に対する輝度補正処理が実行される。これにより、輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置が画像読取手段の種類によって異なることから、ユーザは、使用する画像読取手段に最も適した処理モードを選択してスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することが可能になるので、輝度補正後の画像品質の向上を図ることが可能になる。
【0139】
なお、本実施の形態においては、画像読取装置としてデジタル複写機のスキャナ部1を適用したが、これに限るものではなく、例えば自動ページ捲り機能を搭載したスキャナ等に適用するようにしても良い。
【0140】
また、本実施の形態においては、ブック原稿40のページ綴じ部41とスキャナ部1の画像読み取りの主走査方向とが平行になるように位置させてブック原稿40をコンタクトガラス2上に下向きに載置した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、図35に示すように、上向きのブック原稿40をコンタクトガラス2の下方からコンタクトガラス2に対して押し付けるように接触させるものであっても良い。
【0141】
さらに、本実施の形態においては、指定輝度値を白色である“255”にしたが、これに限るものではなく、特定の原稿色の輝度値を指定輝度値として、その原稿の地肌の濃さに合わせた輝度補正ができるようにしても良い。
【0142】
また、本実施の形態においては、図6のステップS2においてページ外形/罫線/文字行の抽出処理を行った。しかし、ページ外形の存在が予め分かっている場合は、ステップS2でページ外形のみを抽出するようにしても良い。
【0143】
なお、本実施の形態においては、画像輝度補正装置を画像形成装置であるデジタル複写機16に備え、デジタル複写機16のスキャナ部1で読み取ったスキャン画像に対して画像の輝度補正処理を施すようにしたが、これに限るものではない。例えば、原稿画像を読み取る画像読取手段を備えたイメージスキャナを、図5に示したメイン制御部19と同等なシステム構成を備えたパーソナルコンピュータに接続するとともに、このパーソナルコンピュータのHDDに記憶媒体であるCD−ROM37に格納されたプログラムをインストールし、このプログラムに従ってパーソナルコンピュータのCPUを動作させることによって画像輝度補正装置を構成しても、前述したような各種の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、記憶媒体であるCD−ROM37に格納されたプログラムを、図5に示したメイン制御部19と同等なシステム構成を備えたパーソナルコンピュータのHDDにインストールし、このプログラムに従ってパーソナルコンピュータのCPUを動作させることによって画像輝度補正装置を構成し、予め画像読取手段により読み取られたスキャン画像に対して輝度補正処理を施すようにしても良い。
【0144】
【発明の効果】
本発明の画像輝度補正装置によれば、コンタクトガラスの上もしくは下に接触したブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度を補正する画像輝度補正装置において、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択手段と、この処理モード選択手段により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定手段と、この地肌値指定手段により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正手段と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出手段と、を備え、前記輝度補正手段は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定手段は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出手段と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出手段により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定手段と、を備え、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことにより、
スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードから選択された所望の処理モードに従ってスキャン画像における地肌値を指定し、この指定された地肌値に基づきスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することにより、輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置が画像読取手段の種類によって異なることから、ユーザは、使用する画像読取手段に最も適した処理モードを選択してスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することができるので、輝度補正後の画像品質の向上を図ることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域のみについて輝度補正処理を施すことができるので、処理時間を短くすることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域からブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を抽出し、抽出された各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した輝度値に基づいて各画素列における地肌値を決定することにより、スキャン画像の一部分の地肌値に基づいてスキャン画像を帯状に輝度補正する場合に比べて局所的な範囲で地肌値を検出することができるので、適切な輝度補正を行うことができ、
さらに、地肌値検出の対象領域を画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込むことができるので、処理時間を短くすることができる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、一般にページ外形の近傍はページ中央部分に比べて画像読取手段の光量が不足するために地肌値も相対的に黒っぽくなることから、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、輝度補正後の画像における過補正による白抜けの発生を確実に防止することができる
【0148】
本発明の画像輝度補正装置によれば、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度を補正する画像輝度補正装置において、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択手段と、この処理モード選択手段により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定手段と、この地肌値指定手段により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正手段と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出手段と、を備え、前記輝度補正手段は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定手段は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出手段と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出手段により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定手段と、を備え、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことにより、
スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードから選択された所望の処理モードに従ってスキャン画像における地肌値を指定し、この指定された地肌値に基づきスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することにより、輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置が画像読取手段の種類によって異なることから、ユーザは、使用する画像読取手段に最も適した処理モードを選択してスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することができるので、輝度補正後の画像品質の向上を図ることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域のみについて輝度補正処理を施すことができるので、処理時間を短くすることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域からブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を抽出し、抽出された各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した輝度値に基づいて各画素列における地肌値を決定することにより、スキャン画像の一部分の地肌値に基づいてスキャン画像を帯状に輝度補正する場合に比べて局所的な範囲で地肌値を検出することができるので、適切な輝度補正を行うことができ、
さらに、地肌値検出の対象領域を画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込むことができるので、処理時間を短くすることができる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、ページ中央近傍の線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を地肌値として輝度補正処理を施すとスキャン画像のページ外形付近に黒い影が生じてしまうような場合であっても、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することができる。
【0149】
本発明の画像輝度補正装置によれば、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度を補正する画像輝度補正装置において、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択手段と、この処理モード選択手段により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定手段と、この地肌値指定手段により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正手段と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出手段と、を備え、前記輝度補正手段は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定手段は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出手段と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出手段により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定手段と、を備え、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分を所定位置とし、この線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことにより、
スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードから選択された所望の処理モードに従ってスキャン画像における地肌値を指定し、この指定された地肌値に基づきスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することにより、輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置が画像読取手段の種類によって異なることから、ユーザは、使用する画像読取手段に最も適した処理モードを選択してスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することができるので、輝度補正後の画像品質の向上を図ることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域のみについて輝度補正処理を施すことができるので、処理時間を短くすることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域からブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を抽出し、抽出された各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した輝度値に基づいて各画素列における地肌値を決定することにより、スキャン画像の一部分の地肌値に基づいてスキャン画像を帯状に輝度補正する場合に比べて局所的な範囲で地肌値を検出することができるので、適切な輝度補正を行うことができ、
さらに、ページ中央近傍の線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を地肌値として輝度補正処理を施すとスキャン画像のページ外形付近に黒い影が生じてしまうような場合であっても、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することができる。
【0150】
本発明の画像輝度補正装置によれば、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度を補正する画像輝度補正装置において、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択手段と、この処理モード選択手段により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定手段と、この地肌値指定手段により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正手段と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出手段と、を備え、前記輝度補正手段は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定手段は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出手段と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出手段により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定手段と、を備え、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの各線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素をそれぞれ探索し、探索された2つの前記画素の輝度値間に位置する輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことにより、
スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードから選択された所望の処理モードに従ってスキャン画像における地肌値を指定し、この指定された地肌値に基づきスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することにより、輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置が画像読取手段の種類によって異なることから、ユーザは、使用する画像読取手段に最も適した処理モードを選択してスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することができるので、輝度補正後の画像品質の向上を図ることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域のみについて輝度補正処理を施すことができるので、処理時間を短くすることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域からブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を抽出し、抽出された各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した輝度値に基づいて各画素列における地肌値を決定することにより、スキャン画像の一部分の地肌値に基づいてスキャン画像を帯状に輝度補正する場合に比べて局所的な範囲で地肌値を検出することができるので、適切な輝度補正を行うことができ、
さらに、地肌値検出の対象領域を画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込むことができるので、処理時間を短くすることができる。また、各線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素をそれぞれ探索し、探索された2つの画素の輝度値間に位置する輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、輝度補正後の画像における過補正による白抜けの発生を確実に防止することができるとともに、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することができる。
【0151】
本発明の画像輝度補正装置において、前記輝度補正手段は、補正する前の前記画素列上の各画素(x,y)の輝度値をI(x,y)、前記地肌値指定手段により指定された前記画素列の各画素(x)の地肌値をbase(x)とした場合に、下記の式により、
g(x,y)=I(x,y)×(指定輝度値/base(x)
各画素(x,y)の補正輝度値g(x,y)を求めて前記スキャン画像の輝度を補正することにより、補正輝度値を容易に求めることができ、スキャン画像の本来の地肌の濃さに合わせた輝度補正を確実に行うことができる。
【0152】
本発明の画像読取装置によれば、原稿画像を読み取る画像読取手段と、この画像読取手段により読み取られたスキャン画像の輝度の補正を行う本発明の画像輝度補正装置の何れか一と、を備えることにより、本発明の画像輝度補正装置の何れか一と同様の作用効果を奏する画像読取装置を得ることができる。
【0153】
本発明の画像形成装置によれば、原稿画像を読み取る画像読取手段と、この画像読取手段により読み取られたスキャン画像の輝度の補正を行う本発明の画像輝度補正装置の何れか一と、この画像輝度補正装置から出力される画像データに基づいた画像を用紙上に印刷する画像印刷装置と、を備えることにより、本発明の画像輝度補正装置の何れか一と同様の作用効果を奏する画像形成装置を得ることができる。
【0154】
本発明のプログラムによれば、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度補正をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択機能と、この処理モード選択機能により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定機能と、この地肌値指定機能により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正機能と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出機能と、を実行させ、前記輝度補正機能は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定機能は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出機能と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出機能により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定機能と、を前記コンピュータに実行させ、
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことにより、
スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードから選択された所望の処理モードに従ってスキャン画像における地肌値を指定し、この指定された地肌値に基づきスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することにより、輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置が画像読取手段の種類によって異なることから、ユーザは、使用する画像読取手段に最も適した処理モードを選択してスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することができるので、輝度補正後の画像品質の向上を図ることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域のみについて輝度補正処理を施すことができるので、処理時間を短くすることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域からブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を抽出し、抽出された各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した輝度値に基づいて各画素列における地肌値を決定することにより、スキャン画像の一部分の地肌値に基づいてスキャン画像を帯状に輝度補正する場合に比べて局所的な範囲で地肌値を検出することができるので、適切な輝度補正を行うことができ、
さらに、地肌値検出の対象領域を画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込むことができるので、処理時間を短くすることができる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、一般にページ外形の近傍はページ中央部分に比べて画像読取手段の光量が不足するために地肌値も相対的に黒っぽくなることから、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、輝度補正後の画像における過補正による白抜けの発生を確実に防止することができる
【0158】
本発明によれば、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度補正をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択機能と、この処理モード選択機能により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定機能と、この地肌値指定機能により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正機能と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出機能と、を実行させ、前記輝度補正機能は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定機能は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出機能と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出機能により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定機能と、を前記コンピュータに実行させ
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分を所定位置とし、この線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことにより、
より、
スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードから選択された所望の処理モードに従ってスキャン画像における地肌値を指定し、この指定された地肌値に基づきスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することにより、輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置が画像読取手段の種類によって異なることから、ユーザは、使用する画像読取手段に最も適した処理モードを選択してスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することができるので、輝度補正後の画像品質の向上を図ることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域のみについて輝度補正処理を施すことができるので、処理時間を短くすることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域からブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を抽出し、抽出された各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した輝度値に基づいて各画素列における地肌値を決定することにより、スキャン画像の一部分の地肌値に基づいてスキャン画像を帯状に輝度補正する場合に比べて局所的な範囲で地肌値を検出することができるので、適切な輝度補正を行うことができ、
さらに、地肌値検出の対象領域を画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込むことができるので、処理時間を短くすることができる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、ページ中央近傍の線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を地肌値として輝度補正処理を施すとスキャン画像のページ外形付近に黒い影が生じてしまうような場合であっても、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することができる。
【0159】
本発明によれば、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度補正をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択機能と、この処理モード選択機能により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定機能と、この地肌値指定機能により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正機能と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出機能と、を実行させ、前記輝度補正機能は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定機能は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出機能と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出機能により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定機能と、を前記コンピュータに実行させ
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの各線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素をそれぞれ探索し、探索された2つの前記画素の輝度値間に位置する輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことにより、
スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードから選択された所望の処理モードに従ってスキャン画像における地肌値を指定し、この指定された地肌値に基づきスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することにより、輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置が画像読取手段の種類によって異なることから、ユーザは、使用する画像読取手段に最も適した処理モードを選択してスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することができるので、輝度補正後の画像品質の向上を図ることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域のみについて輝度補正処理を施すことができるので、処理時間を短くすることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域からブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を抽出し、抽出された各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した輝度値に基づいて各画素列における地肌値を決定することにより、スキャン画像の一部分の地肌値に基づいてスキャン画像を帯状に輝度補正する場合に比べて局所的な範囲で地肌値を検出することができるので、適切な輝度補正を行うことができ、
さらに、地肌値検出の対象領域を画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分に絞り込むことができるので、処理時間を短くすることができる。また、線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、ページ中央近傍の線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を地肌値として輝度補正処理を施すとスキャン画像のページ外形付近に黒い影が生じてしまうような場合であっても、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することができる。
【0160】
本発明によれば、ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度補正をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択機能と、この処理モード選択機能により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定機能と、この地肌値指定機能により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正機能と、前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出機能と、を実行させ、前記輝度補正機能は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
前記地肌値指定機能は、前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出機能と、前記処理モードに従い、前記画素列抽出機能により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定機能と、を前記コンピュータに実行させ
前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの各線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素をそれぞれ探索し、探索された2つの前記画素の輝度値間に位置する輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことにより、
スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードから選択された所望の処理モードに従ってスキャン画像における地肌値を指定し、この指定された地肌値に基づきスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することにより、輝度補正処理の基準とすべき地肌値を抽出するスキャン画像上の位置が画像読取手段の種類によって異なることから、ユーザは、使用する画像読取手段に最も適した処理モードを選択してスキャン画像に対する輝度補正処理を実行することができるので、輝度補正後の画像品質の向上を図ることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域のみについて輝度補正処理を施すことができるので、処理時間を短くすることができ、
さらに、スキャン画像の歪み領域からブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を抽出し、抽出された各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した輝度値に基づいて各画素列における地肌値を決定することにより、スキャン画像の一部分の地肌値に基づいてスキャン画像を帯状に輝度補正する場合に比べて局所的な範囲で地肌値を検出することができるので、適切な輝度補正を行うことができ、
さらに、地肌値検出の対象領域を画素列におけるスキャン画像のページ外形近傍の線分とスキャン画像のページ中央近傍の線分とに絞り込むことができるので、処理時間を短くすることができる。また、各線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素をそれぞれ探索し、探索された2つの画素の輝度値間に位置する輝度値を画素列における地肌値とみなすことにより、この地肌値に基づいて輝度補正処理を施した場合には、輝度補正後の画像における過補正による白抜けの発生を確実に防止することができるとともに、ページ外形付近の黒い影を適切に除去することができる。
【0161】
本発明のプログラムにおいて、前記輝度補正機能は、補正する前の前記画素列上の各画素(x,y)の輝度値をI(x,y)、前記地肌値指定機能により指定された前記画素列の各画素(x)の地肌値をbase(x)とした場合に、下記の式により、
g(x,y)=I(x,y)×(指定輝度値/base(x))
各画素(x,y)の補正輝度値g(x,y)を求めて前記スキャン画像の輝度を補正することにより、補正輝度値を容易に求めることができ、スキャン画像の本来の地肌の濃さに合わせた輝度補正を確実に行うことができる。
【0162】
本発明のコンピュータに読み取り可能な記憶媒体によれば、本発明のプログラムのうちの何れか一を記憶することにより、この記憶媒体をコンピュータにインストールすることで、本発明のいずれか一のプログラムと同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態のスキャナ部の構成を示す縦断正面図である。
【図2】スキャナ部を搭載したデジタル複写機の上部部分を示す斜視図である。
【図3】スキャナ部の制御系の電気的な接続を示すブロック図である。
【図4】画像処理部の基本的な内部構成を示すブロック図である。
【図5】メイン制御部の電気的な接続を示すブロック図である。
【図6】スキャン画像の輝度補正処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図7】スキャナ部のコンタクトガラス上にブック原稿を載置した状態を示す斜視図である。
【図8】入力した画像の一例を示す平面図である。
【図9】スキャン画像のページ綴じ部の近傍の歪みを示す説明図である。
【図10】ページ外形/罫線/文字行の抽出処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図11】上端にページ外形が存在するスキャン画像の一例を示す説明図である。
【図12】図11に示したスキャン画像の綴じ部境界線左側の黒画素ヒストグラムである。
【図13】長い罫線が存在するスキャン画像の一例を示す説明図である。
【図14】図13に示したスキャン画像の綴じ部境界線左側の黒画素ヒストグラムである。
【図15】罫線の連続性の判別を示す説明図である。
【図16】罫線の座標検出を示す説明図である。
【図17】左右ページから各1本ずつの罫線を選択する場合を示す説明図である。
【図18】左右ページをさらに上下部分に分け、その各4ブロックにおいて1本ずつの罫線を選択する場合を示す説明図である。
【図19】罫線の座標抽出を示す説明図である。
【図20】排除される不適切な罫線の例を示す説明図である。
【図21】図8に示した画像の副走査方向の黒白反転数ヒストグラムである。
【図22】図8に示した画像の主走査方向の黒白反転数ヒストグラムである。
【図23】スキャン画像の文字外接矩形抽出処理および文字行抽出処理の結果の一例を示す説明図である。
【図24】最適な横書き文字行の選択を示す説明図である。
【図25】最適な縦書き文字行の外形の選択を示す説明図である。
【図26】抽出された文字外接矩形を示す説明図である。
【図27】スキャン画像からの歪み領域の抽出の一例を示す説明図である。
【図28】地肌値指定処理を概略的に示すフローチャートである。
【図29】ページ綴じ部のスキャン画像に平行な画素列上の数箇所の位置を指定した一例を示す説明図である。
【図30】輝度補正前の画素列AEの画像輝度分布を示すグラフである。
【図31】設定1による輝度補正後の画素列AEの画像輝度分布を示すグラフである。
【図32】設定2による輝度補正後の画素列AEの画像輝度分布を示すグラフである。
【図33】設定3による輝度補正後の画素列AEの画像輝度分布を示すグラフである。
【図34】設定4による輝度補正後の画素列AEの画像輝度分布を示すグラフである。
【図35】ブック原稿をコンタクトガラスの下方からコンタクトガラスに対して押し付けるように接触させた状態を示す正面図である。
【図36】コンタクトガラス上にブック原稿を載置した状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 画像読取装置
2 コンタクトガラス
16 画像形成装置
29 画像輝度補正装置
40 ブック原稿

Claims (13)

  1. ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度を補正する画像輝度補正装置において、
    前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択手段と、
    この処理モード選択手段により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定手段と、
    この地肌値指定手段により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正手段と、
    前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出手段と、
    を備え、
    前記輝度補正手段は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
    前記地肌値指定手段は、
    前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出手段と、
    前記処理モードに従い、前記画素列抽出手段により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定手段と、
    を備え、
    前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことを特徴とする画像輝度補正装置。
  2. ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度を補正する画像輝度補正装置において、
    前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択手段と、
    この処理モード選択手段により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定手段と、
    この地肌値指定手段により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正手段と、
    前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出手段と、
    を備え、
    前記輝度補正手段は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
    前記地肌値指定手段は、
    前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出手段と、
    前記処理モードに従い、前記画素列抽出手段により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定手段と、
    を備え、
    前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことを 特徴とする画像輝度補正装置。
  3. ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度を補正する画像輝度補正装置において、
    前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択手段と、
    この処理モード選択手段により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定手段と、
    この地肌値指定手段により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正手段と、
    前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出手段と、
    を備え、
    前記輝度補正手段は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
    前記地肌値指定手段は、
    前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出手段と、
    前記処理モードに従い、前記画素列抽出手段により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定手段と、
    を備え、
    前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分を所定位置とし、この線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことを特徴とする画像輝度補正装置。
  4. ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度を補正する画像輝度補正装置において、
    前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択手段と、
    この処理モード選択手段により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定手段と、
    この地肌値指定手段により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正手段と、
    前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出手段と、
    を備え、
    前記輝度補正手段は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
    前記地肌値指定手段は、
    前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出手段と、
    前記処理モードに従い、前記画素列抽出手段により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定手段と、
    を備え、
    前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの各線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素をそれぞれ探索し、探索された2つの前記画素の輝度値間に位置する輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことを特徴とする画像輝度補正装置。
  5. 前記輝度補正手段は、補正する前の前記画素列上の各画素(x,y)の輝度値をI(x,y)、前記地肌値指定手段により指定された前記画素列の各画素(x)の地肌値を base (x)とした場合に、下記の式により、
    g(x,y)=I(x,y)×(指定輝度値/ base (x))
    各画素(x,y)の補正輝度値g(x,y)を求めて前記スキャン画像の輝度を補正することを特徴とする請求項1ないし4何れか一項に記載の画像輝度補正装置
  6. 原稿画像を読み取る画像読取手段と、
    この画像読取手段により読み取られたスキャン画像の輝度の補正を行う請求項1ないし5何れか一項に記載の画像輝度補正装置と、を備えることを特徴とする画像読取装置
  7. 原稿画像を読み取る画像読取手段と、
    この画像読取手段により読み取られたスキャン画像の輝度の補正を行う請求項1ないし5何れか一項に記載の画像輝度補正装置と、
    この画像輝度補正装置から出力される画像データに基づいた画像を用紙上に印刷する画像印刷装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置
  8. ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度補正をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択機能と、
    この処理モード選択機能により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定機能と、
    この地肌値指定機能により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正機能と、
    前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出機能と、
    を実行させ、
    前記輝度補正機能は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
    前記地肌値指定機能は、
    前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出機能と、
    前記処理モードに従い、前記画素列抽出機能により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定機能と、
    を前記コンピュータに実行させ、
    前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことを特徴とするプログラム
  9. ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度補正をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択機能と、
    この処理モード選択機能により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定機能と、
    この地肌値指定機能により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正機能と、
    前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出機能と、
    を実行させ、
    前記輝度補正機能は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
    前記地肌値指定機能は、
    前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出機能と、
    前記処理モードに従い、前記画素列抽出機能により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定機能と、
    を前記コンピュータに実行させ、
    前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの線分に含まれる画素の中で最も輝度値の低い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことを特徴とするプログラム
  10. ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度補正をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理モード選択機能と、
    この処理モード選択機能により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定機能と、
    この地肌値指定機能により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正機能と、
    前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出機能と、
    を実行させ、
    前記輝度補正機能は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
    前記地肌値指定機能は、
    前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出機能と、
    前記処理モードに従い、前記画素列抽出機能により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定機能と、
    を前記コンピュータに実行させ、
    前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分を所定位置とし、この線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素の輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことを特徴とするプログラム
  11. ブック原稿を画像読取手段により読み取ったスキャン画像の輝度補正をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記スキャン画像に対する輝度補正処理に係る複数の処理モードを選択可能とする処理 モード選択機能と、
    この処理モード選択機能により選択された前記処理モードに従って、前記スキャン画像における地肌値を指定する地肌値指定機能と、
    この地肌値指定機能により指定された前記地肌値に基づき、前記スキャン画像に対して輝度補正処理を施す輝度補正機能と、
    前記スキャン画像中の歪みを生じている領域である歪み領域を抽出する歪み領域抽出機能と、
    を実行させ、
    前記輝度補正機能は前記スキャン画像中の前記歪み領域内に対してのみ輝度補正処理を施し、
    前記地肌値指定機能は、
    前記ブック原稿のページ綴じ部のスキャン画像に平行な複数の画素列を前記歪み領域から抽出する画素列抽出機能と、
    前記処理モードに従い、前記画素列抽出機能により抽出された前記各画素列から少なくとも1以上の所定位置の輝度値を取得し、この取得した前記輝度値に基づいて前記各画素列における地肌値を決定する地肌値決定機能と、
    を前記コンピュータに実行させ、
    前記処理モードの一つは、前記画素列における前記スキャン画像のページ外形近傍の線分と前記スキャン画像のページ中央近傍の線分とを所定位置とし、これらの各線分に含まれる画素の中で最も輝度値の高い画素をそれぞれ探索し、探索された2つの前記画素の輝度値間に位置する輝度値を前記画素列における地肌値とみなすことを特徴とするプログラム。
  12. 前記輝度補正機能は、補正する前の前記画素列上の各画素(x,y)の輝度値をI(x,y)、前記地肌値指定機能により指定された前記画素列の各画素(x)の地肌値を base (x)とした場合に、下記の式により、
    g(x,y)=I(x,y)×(指定輝度値/ base (x))
    各画素(x,y)の補正輝度値g(x,y)を求めて前記スキャン画像の輝度を補正することを特徴とする請求項8ないし11何れか一項に記載のプログラム。
  13. 請求項8ないし12のいずれか一記載のプログラムを記憶することを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記憶媒体
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