JP3916803B2 - 監視制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば変電所等の遮断器や断路器等の機器の監視制御に好適な監視制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の監視制御システムにおいては、監視制御装置と分散形制御装置とで、伝送系を介して各種情報の授受、制御指令授受を行っていた。この場合、伝送系に流す情報を少なくすることは、伝送系のレスポンス向上に有効であり、監視制御装置と分散形制御装置にて伝送する情報をデータテーブルとし、テーブル番号を伝送データとして送受信する方法が一般的である。ただし、このテーブルは、監視制御装置と分散形制御装置に不一致があると、伝送されてきたテーブル番号を解釈するのに誤った解釈となり、誤情報出力や誤制御の恐れがある。また、分散形制御装置はソフトウェアの共通化から、予め必要となるソフトウェアを組み込んでおき、後は装置個別の設定で使用、不使用を切り替える方法が装置の品質向上に有効である。
【0003】
ここで、従来は前述の情報データのテーブルや装置個別の設定を、装置個別のソフトウェアを作成して組み込んだり、装置ごとに個別に入力たりしていた。このため、設定不一致、設定ミスによる品質低下や、保守性の低下原因となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、伝送系の性能が飛躍的に高まっており、かつ伝送方法も物理的仕様から伝送方法までが、国際的な共通基準としてできており、汎用性の向上が図られている。そこで本発明ではその汎用的伝送系を利用し、監視制御装置と分散形制御装置間でデータベースの履歴情報の伝送や、データベースそのものの分配を行うと共に、データベースを監視制御装置にて一元管理することで、履歴情報管理による監視制御装置と分散形制御装置の設定不一致を防止し、かつ個別設定に伴う設定ミスを防止することで、システムの信頼性向上、操作性向上、保守性向上を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明においては、システム全体を監視制御する監視制御装置と、監視制御対象機器のそれぞれに設置される複数の分散形制御装置とが伝送系を介して接続されている監視制御システムにおいて、前記監視制御装置に、監視制御装置および分散形制御装置の設定情報をデータベースとして設け、前記監視制御装置で設定情報の一元管理を行う手段を備え、前記監視制御装置および分散形制御装置のうち、設定情報の変更の対象となる装置のデータベースを更新する手段と、監視制御装置と分散形制御装置のデータベースに変更した設定情報の履歴を管理する情報を付加し、監視制御装置および分散形制御装置にて履歴管理する手段と、監視制御装置と分散形制御装置のデータベース履歴情報を、伝送系を介して授受する手段と、監視制御対象機器選択制御時に監視制御装置と分散形制御装置のデータベース履歴情報をチェックし、不一致の場合には警報表示出力すると共に、必要に応じて制御ロックする手段と、を備えたことを特徴とする。これにより、監視制御装置と分散形制御装置とで設定不一致を検出できる、システムの信頼性向上が可能となる。
【0006】
請求項2の発明においては、システム全体を監視制御する監視制御装置と、監視制御対象機器のそれぞれに設置される複数の分散形制御装置とが伝送系を介して接続されている監視制御システムにおいて、前記監視制御装置に、監視制御装置および分散形制御装置の設定情報をデータベースとして設け、前記監視制御装置で設定情報の一元管理を行う手段を備え、前記監視制御装置および分散形制御装置のうち、設定情報の変更の対象となる装置のデータベースを更新する手段と、監視制御装置と分散形制御装置のデータベースに変更した設定情報の履歴を管理する情報を付加し、監視制御装置および分散形制御装置にて履歴管理する手段と、監視制御装置と分散形制御装置のデータベース履歴情報を、伝送系を介して授受する手段と、データ伝送を行う際に、常に監視制御装置と分散形制御装置のデータベースの履歴情報をチェックし、不一致の場合には警報示出力すると共に、必要に応じて制御ロックする手段と、を備えたことを特徴とする。これにより、システムの信頼性向上が可能となる。
【0007】
請求項3の発明においては、請求項1又は2のいずれかのシステムを実行するプログラムを記憶した記憶媒体を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施例を、たとえば変電所等の遮断器や断路器等の機器の監視制御システムについて、図1から図11を参照して説明する。
図1は監視制御システムのブロック図である。複数(n個)の監視制御装置101,102と複数(m個)の分散形制御装置103,104が、伝送系105を介して接続されており、監視制御装置101,102から出力される各種指令が伝送系105を経由し、分散形制御装置103,104へ伝送され、遮断器や断路器等の監視制御対象機器106,107に対し各種制御が行われる。なお、各監視制御装置101,102には入力装置108,110と出力装置109,111が接続されており、監視制御装置に対する入力や、監視制御装置からの出力は、これら入出力装置108,109,110,111を介して行う。
【0014】
図2は、監視制御システムと設定情報を格納するデータベースを示すブロック図である。分散形制御装置103,104は各々個別のデータベース202,203を持っており、各監視制御装置101,102には全てのデータベース201,202,203が格納されている。なお、監視制御装置101,102に格納されている分散形制御装置のデータベース202,203と、分散形制御装置103,104に格納されているデータベース202,203は、同じ物である。
【0015】
図3は、変更されたデータの流れの例を示すブロック図である。データベース201,202,203は分散形装置ごとに分割されているため、たとえば第1の分散形制御装置103のデータベース202が変さらになった場合には、図3の矢印301に示すように、監視制御装置101,102のデータベース202、および第1の分散形制御装置103のデータベース202のみ更新することになる。
【0016】
図4は、データベースの変更手順を示すフローチャートである。変更するデータベースが監視制御システムとして、監視制御装置101,102、分散形制御装置103,104に共通的な内容の場合(ステップ401)、変更を行い(ステップ402)、全ての装置(監視制御装置101,102と分散形制御装置103,104を総称して「装置」と呼ぶ)のデータベース201,202,203を変更し(ステップ403)、履歴情報を付加し(ステップ404)、その後全装置に分配される(ステップ405)。装置個別の場合(ステップ401)には、監視制御装置101,102、または分散形制御装置103,104の中から任意の装置を選択し(ステップ406)、入力装置108,110から変更を行い(ステップ407)、変更履歴を付加し(ステップ408)、変更されたデータベースのみ関係装置へ分配する(ステップ409)。
【0017】
図5は、データベースを伝送系105を用いて分配する手順を示すフローチャートである。監視制御装置からの伝送は、変更のあったデータベースをサーチする繰り返し処理を行い(ステップ501,504)、変更ありと判断された場合(ステップ502)には、対象装置へデータベースを伝送する(ステップ503)ことを、全装置分繰り返す(ステップ504)ことで、変更された装置に関するデータベースのみを伝送する。
【0018】
図6は、各装置101,102,103,104にあるデータベースを受信する処理を表すフローチャートである。監視制御装置101,102より伝送分配された(図5のステップ503)データベースを受信した場合(ステップ601)、以前に自装置にあった履歴情報(図7の701,702)と受信したデータベースに附属している履歴情報とを比較し、異常がないか(履歴が以前より更新されているか、逆戻りしていないか等)を判別し(ステップ602)、異常ない場合には受信したデータベースを採用し(ステップ603)、異常が認められた場合には出力装置109,111より警報表示出力し(ステップ604)、必要に応じて採用するのか判断を求め(ステップ605)、不採用となった場合には受信したデータベースを破棄する(ステップ606)。
【0019】
図7は、監視制御装置と、履歴情報が付加された設定情報を格納するデータベースを示すブロック図である。監視制御システムの各装置101,102,103,104は各々個別のデータベース201,202,203を持っており、さらに個々のデータベースは個別に履歴情報701,702,703が付加されている。なお、監視制御装置101,102に格納されている分散形制御装置のデータベース202,203と履歴情報701,702は、分散形制御装置103,104に格納されているデータベース202,203および履歴情報701,702といずれも同じ物である。
【0020】
図8は、履歴情報を付加したデータ伝送を表す図である。この場合、監視制御装置101,102と分散形制御装置103,104は伝送系105を介して各種データ801,803を送受信しているが、その送受信するデータ801,803に履歴情報802,804を付加してデータを送受信することで、お互いの履歴情報の授受が可能となる。
【0021】
図9は、監視制御システムの各装置101,102,103,104にて実行されるデータ伝送処理を表すフローチャートである。この図に示すとおり、各装置101,102,103,104では、データを伝送する際には、自装置のデータベースの履歴情報701,102を伝送データ801,803に付加し(ステップ901)、データを伝送する(ステップ902)。
【0022】
図10は、監視制御装置101,102における選択制御処理を表すフローチャートである。この図に示すとおり、まず制御する機器を選択し(ステップ1001)、次に監視制御装置101,102では、選択された機器を制御する分散形制御装置を判定し(ステップ1002)、自装置101,102にある当該分散形制御装置の履歴情報701,702と、当該制御装置から送られてくる履歴情報802を比較し(ステップ1003)、一致した場合(ステップ1004)は機器制御処理を行い(ステップ1005)、一致しない場合(ステップ1004)は、選択制御を中止(ステップ1006)し、出力装置109,111より警報表示出力する(ステップ1007)。
【0023】
図11は、監視制御装置101,102における受信処理を表すフローチャートである。この図に示すとおり、分散形制御装置103,104から伝送系105を介して送られてくる情報801,802を受信し(ステップ1101)、受信したデータより、データを伝送した分散形制御装置を判定し(ステップ1102)、自装置101,102にある当該分散形制御装置の履歴情報701,702と、当該制御装置から送られてくる履歴情報802を比較し(ステップ1103)、一致した場合(ステップ1104)は受信データを採用(ステップ1105)し、一致しない場合(ステップ1104)は、受信データを破棄し(ステップ1106)、出力装置109,111より警報表示出力する(ステップ1107)。
【0024】
次に実施例の作用について説明する。図1に示す監視制御システムにおいて、図2に示すように全各装置監視制御装置101,102、分散形制御装置103,104の設定情報を第1の監視制御装置101に個別に設け(201,202,203)、分散形制御装置103,104のデータを一元管理することにより、個別設定によるミスを防止し、システムの信頼性向上、保守性向上が可能となる。なお、その他の監視制御装置102のデータベースは、第1の監視制御装置101のデータベースを完全にコピーすればよい。
【0025】
また、本実施例において、図2に示すようにデータベース201,202,203は装置ごとにある。図4に示すとおり、データベースを変更する際には、監視制御装置101,102と分散形制御装置103,104共通か、個別かを判定し(ステップ401)、個別の場合には、変更する装置を監視制御装置101,102、分散形制御装置103,104任意に選択る(ステップ405)。図3の例で述べると変更装置が第1の分散形制御装置103である場合、一つのデータベース202が変更される。このデータベースを入力装置108より変更(ステップ406)し、変更されたデータベース202のみ分配する処理(ステップ409)にて、データが関係装置102,103へ分配される(図3の矢印301)。これにより、変更していない装置104のデータベース203には、影響を与えないで済み、システムの信頼性向上、操作性向上、保守性向上が可能となる。
【0026】
図5に示す伝送処理にて、伝送系105を介してデータベースを監視制御装置101から分散形制御装置103,104や他の監視制御装置102へ伝送(ステップ503)する。これにより、外部記憶装置等を用いなくでもデータベース201,202,203を分配でき、操作性の向上、保守性向上が可能となる。
【0027】
各装置のデータベース202,203に、図4に示すとおり、履歴情報701,702を付加し(ステップ404,408)、図6に示すとおりデータベースを受信した際に履歴情報の管理をする(ステップ602,603)。これにより、システムの信頼性向上が可能となる。
【0028】
各装置の設定情報をデータベースとして監視制御装置101,102に設け、図9に示すデータ伝送処理(ステップ901,902)にて、伝送系105を介して履歴情報701,702,802,804を送受信し、監視制御装置101,102と分散形制御装置103,104とで不一致を検出する。これにより、システムの信頼性向上が可能となる。
【0029】
図10に示すとおり、選択制御を行う際に、制御対象の分散形制御装置103,104と自装置101,102内にある履歴情報701,702を、伝送系105を介して情報802を受信してそれを比較し(ステップ1003)、不一致を検出した場合(ステップ1004)には制御を取り消し(ステップ1006)、出力装置109,111にて警報表示を出力する(ステップ1007)。これにより、システムの信頼性向上が可能となる。
【0030】
図11に示すとおり、分散形制御装置103,104より伝送系105を介してデータ伝送を行う際に、常に受信したデータに付加されている履歴情報802と自装置101,102内にある履歴情報701を比較し(ステップ1103)、不一致を検出した場合(ステップ1104)には受信データを破棄し(ステップ1106)、出力装置109,111にて警報表示を出力する(ステップ1107)。これにより、システムの信頼性向上が可能となる。
【0031】
図10や図11に示す履歴判定処理を、分散形制御装置103,104にて行う制御指令等の下り指令803,804を用いて行うことも同様にシステムの信頼性向上を可能とする。その際は監視制御装置101,102のデータ伝送処理は図9に示す処理を実施する。
【0032】
また、監視制御装置間101,102にて、監視制御装置データベース201の履歴情報703も同様な処理を実施することで管理できる。
【0033】
【発明の効果】
この発明によれば、個別設定による設定ミスを防止し、システムの信頼性向上、保守性向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る監視制御システムの一実施例のシステムブロック図。
【図2】本発明に係る監視制御システムと設定情報を格納するデータベースの一実施例のブロック図。
【図3】本発明に係る監視制御システムの変更されたデータの流れの一実施例を示すブロック図。
【図4】本発明に係る監視制御システムのデータベースの変更手順の一実施例のを示すフローチャート。
【図5】本発明に係る監視制御システムのデータベースを伝送系を用いて分配する手順の一実施例のを示すフローチャート。
【図6】本発明に係る監視制御システム各装置にあるデータベースを受信する処理を表すフローチャート。
【図7】本発明に係る監視制御システムの監視制御装置と、履歴情報が付加された設定情報を格納するデータベースを示すブロック図。
【図8】本発明に係る監視制御システムの履歴情報を付加したデータ伝送を表す図。
【図9】本発明に係る監視制御システムの各装置にて実行されるデータ伝送処理を表すフローチャート。
【図10】本発明に係る監視制御装置における選択制御処理を表すフローチャート。
【図11】本発明に係る監視制御装置における受信処理を表すフローチャート。
【符号の説明】
101・・・・第1の監視制御装置
102・・・・第nの監視制御装置
103・・・・第1の分散形制御装置
104・・・・第mの分散形制御装置
105・・・・伝送系
106、107・・・・監視制御対象機器
108、110・・・・入力装置
109、111・・・・出力装置
201・・・・監視制御装置データ
202・・・・第1の分散形制御装置のデータ
203・・・・第mの分散形制御装置のデータ
701、 702、703、801、802・・・・履歴情報
Claims (3)
- システム全体を監視制御する監視制御装置と、監視制御対象機器のそれぞれに設置される複数の分散形制御装置とが伝送系を介して接続されている監視制御システムにおいて、
前記監視制御装置に、監視制御装置および分散形制御装置の設定情報をデータベースとして設け、前記監視制御装置で設定情報の一元管理を行う手段を備え、
前記監視制御装置および分散形制御装置のうち、設定情報の変更の対象となる装置のデータベースを更新する手段と、
監視制御装置と分散形制御装置のデータベースに変更した設定情報の履歴を管理する情報を付加し、監視制御装置および分散形制御装置にて履歴管理する手段と、
監視制御装置と分散形制御装置のデータベース履歴情報を、伝送系を介して授受する手段と、
監視制御対象機器選択制御時に監視制御装置と分散形制御装置のデータベース履歴情報をチェックし、不一致の場合には警報表示出力すると共に、必要に応じて制御ロックする手段と、を備えたことを特徴とする監視制御システム。 - システム全体を監視制御する監視制御装置と、監視制御対象機器のそれぞれに設置される複数の分散形制御装置とが伝送系を介して接続されている監視制御システムにおいて、
前記監視制御装置に、監視制御装置および分散形制御装置の設定情報をデータベースとして設け、前記監視制御装置で設定情報の一元管理を行う手段を備え、
前記監視制御装置および分散形制御装置のうち、設定情報の変更の対象となる装置のデータベースを更新する手段と、
監視制御装置と分散形制御装置のデータベースに変更した設定情報の履歴を管理する情報を付加し、監視制御装置および分散形制御装置にて履歴管理する手段と、
監視制御装置と分散形制御装置のデータベース履歴情報を、伝送系を介して授受する手段と、
データ伝送を行う際に、常に監視制御装置と分散形制御装置のデータベースの履歴情報をチェックし、不一致の場合には警報示出力すると共に、必要に応じて制御ロックする手段と、を備えたことを特徴とする監視制御システム。 - 請求項1又は2のシステムを実行するプログラムを記憶した記憶媒体。
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