JP3916604B2 - キャピラリ電気泳動装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、電気泳動装置に係り、特にキャピラリに試料分離媒体となるポリマー溶液を充填する機構を備える電気泳動装置に関する。
背景技術
泳動媒体としてキャピラリに充填したゲルを用いる電気泳動装置において、多数の試料を連続して効率的に分析できるように、キャピラリ中のゲルを交換するためのゲル充填機構を備える電気泳動装置が開発されている。
例えば、アプライドバイオシステムズ社製プリズム310では、ガラスシリンジを使ってキャピラリ(1本)にポリマー溶液の注入を行っている。しかし、ポリマー溶液の補充機能等はないため、連続的に使用できるポリマー量はシリンジの容量で決まる。また、アプライドバイオシステムズ社製3100では、16本のキャピラリからなるキャピラリアレイへのポリマー注入用シリンジ(容量250μl)の他にポリマー補充用の5mlガラスシリンジを設け、ポリマー補充用シリンジからポリマー注入用シリンジへのポリマー溶液の補充を行っている。ただし、ここでは専用の駆動系により補充用シリンジを加圧して注入用シリンジへポリマー溶液を送っている。
内径が数十〜数百μmのキャピラリに粘性を有するポリマー溶液を充填する必要がある装置では、短時間で充填作業を行うために数メガパスカル程度の高い圧力を必要とする。また、連続的にたくさんのサンプルを処理するために、大量のポリマー溶液を収容できる能力が必要になる。
上記プリズム310の方式では、シリンジの容量で連続的に使用できるポリマー量が制限される。一般的に耐圧が数メガパスカル以上の高耐圧なシリンジは容量が小さいため、大量のポリマーを連続的に処理するのに、この方式は不向きである。また、上記プリズム3100の方式では、ポリマー補充用シリンジの容量が大きくなったときに、より強い力でポリマー補充用シリンジを押し込む必要がある。その際、容量と耐圧を兼ね備えたシリンジを見つけるのは困難であり、たとえ用意できたとしても駆動系に相当な負担がかかる。
本発明は、大量のポリマーを連続的に使用して分析のスループットを上げることのできるキャピラリ電気泳動装置を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明のキャピラリ電気泳動装置は、大容量のポリマー貯留容器に大量のポリマー溶液を収容し、1本のシリンジを使ってポリマー貯留容器からのポリマー溶液の吸入とキャピラリへのポリマー溶液注入を自動で行うことにより、連続的に大量のポリマーを使用することを可能にし、装置の処理能力を向上する。ポリマー貯留容器からシリンジへのポリマー溶液の吸入、及びシリンジからキャピラリアレイへのポリマー溶液の注入は、内部に流路を設けた流路ブロックを介して行う。流路ブロック内の流路は、流路ブロックにキャピラリアレイを脱着する際に流路内に混入した空気を容易に排出できるように、また、流路全体のボリュームを減らしてポリマー溶液の使用量を最小限にするためにキャピラリアレイ周囲の流路を狭く、かつ流線型でよどみを最小にするような流路構成にしている。
すなわち、本発明によるキャピラリ電気泳動装置は、キャピラリアレイと、ポリマー溶液を入れるポリマー貯留容器と、ポリマー溶液をキャピラリアレイに圧入するための耐圧シリンジと、バッファ溶液を入れるバッファ容器と、キャピラリアレイの端部と耐圧シリンジが接続され、キャピラリアレイの端部と、ポリマー貯留容器と、耐圧シリンジと、バッファ容器とを結ぶ流路が設けられた流路ブロックと、ポリマー貯留容器側から流路ブロックに向かって流れる流体を通し、流路ブロックからポリマー貯留容器側に向かう流体の流れを阻止する逆止弁と、耐圧シリンジのプランジャを押し込み方向及び引き出し方向に駆動するためのプランジャ駆動手段とを備え、ポリマー貯留容器からポリマー溶液を流路ブロックを通して耐圧シリンジに吸入し、耐圧シリンジに吸入したポリマー溶液を流路ブロックを通してキャピラリアレイに注入する機能を有することを特徴とする。
ポリマー貯留容器は、容器内が大気に開放された開放型の容器であっても、密閉型のシリンジ構造を有する容器であっても良い。ポリマー貯留容器として開放型の容器を用いる場合には、ポリマー貯留容器とバッファ容器は、ポリマー貯留容器内のポリマー溶液の液面がバッファ容器内のバッファ液面より常に低くなるように位置づけるのが好ましい。あるいは、少なくともポリマー貯留容器とバッファ容器とが流路で結ばれ、かつ大気圧にさらされているときに、ポリマー貯留容器内のポリマー溶液の液面がバッファ容器内のバッファ液面より低くなるように位置づけるようにしてもよい。
プランジャ駆動手段は、ステッピングモータと、ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換する直動アクチュエータと、直動アクチュエータに固定されプランジャの後端部を押圧する移動体と、移動体の位置を示す信号を出力するリニアエンコーダとを備えることができる。また、移動体は出し入れ自在なフックを備え、プランジャを引き出し方向に駆動するときフックによってプランジャを固定するように構成することができる。
また、ポリマー貯留容器からシリンジにポリマー溶液を吸入するときのプランジャ引き出し速度として複数の速度を設定しておき、ポリマー溶液の粘性に合わせてプランジャ引き出し速度を選択できるようにするのが好ましい。
流路ブロックは、キャピラリアレイの端部が挿入される横穴を有し、横穴には、突き当たり壁面の上端部に耐圧シリンジ及びポリマー貯留容器と連通する流路が開口し、当該横穴の長さ方向に見てほぼ中間位置の下面にバッファ容器に連通する流路が開口している。
本発明による電気泳動装置は、次の構成を備えることを特徴とする。
(1)試料を分離するための分離媒体を充填できるキャピラリ
(2)キャピラリの一部を浸す第1バッファ液を保持する第1バッファ容器
(3)第2のバッファ液を保持する第2バッファ容器
(4)分離媒体を保持するポリマー容器
(5)分離媒体を吸引・吐出できる耐圧シリンジ
(6)耐圧シリンジのプランジャを押せる押圧部と、プランジャを引ける引込部を備え、引込部はプランジャを引ける状態と引けない状態とに変化できるプランジャ移動機構
(7)キャピラリと第2バッファ容器とを結ぶ第1流路
(8)ポリマー容器と耐圧シリンジとを結ぶ第2流路
(9)耐圧シリンジとキャピラリとを結ぶ第3流路
(10)第2流路の間に配置され、ポリマー容器から耐圧シリンジに向かう分離媒体を通し、耐圧シリンジからポリマー容器に向かう分離媒体を阻止する逆止弁。
前記電気泳動装置において、プランジャ移動機構は、電気泳動装置の電源投入に起因し、又は/及び、耐圧シリンジを作動させる指示に起因して、所定の位置に配置され、あるいは、引き込み方向に移動する。
本発明は、また、分離媒体を吸引しキャピラリに注入するための耐圧シリンジと、耐圧シリンジのプランジャを駆動できる移動機構とを備えた電気泳動装置によってキャピラリに分離媒体を注入する方法において、キャピラリへの分離媒体注入に先だって下記の手順を行うことを特徴とする。
(1)移動機構を所定の位置に配置する手順
(2)移動機構を移動してプランジャと接触させる手順
(3)前記所定の位置から接触するまでの移動機構の移動量に基づいて耐圧シリンジ内の分離媒体量を判断する手順。
このとき、キャピラリへの分離媒体注入に先だって、(4)耐圧シリンジ内の分離媒体量が所定の量より少ない場合に、移動機構を移動してプランジャを駆動し、耐圧シリンジ内に分離媒体を吸引する手順を行うのが好ましい。
また、(5)耐圧シリンジ内の分離媒体量が所定の量以上である場合に、移動機構を移動してプランジャを駆動し、キャピラリに分離媒体を注入する手順を含むのが好ましい。
また、移動機構がプランジャを引き上げることができる引込部を備え、前記手順(4)は、移動機構がプランジャを引き上げることができる引込部をプランジャ引き上げ位置に配置する手順を含んでもよい。あるいは前記手順(4)は、分離媒体の種類に起因した移動速度でプランジャを駆動して、耐圧シリンジ内に分離媒体を吸引する手順であってもよい。
発明を実施するための最良の形態
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
図1は、本発明によるキャピラリ電気泳動装置の一例を示す概略構成図である。このキャピラリ電気泳動装置は、キャピラリ電気泳動部、光学検出部とともに、キャピラリ(内径数十〜数百μmの細管)に電気泳動の分離媒体となる高粘性ポリマーを注入するためのポリマー注入機構を備える。ポリマー注入機構は、数〜数十[MPa]の耐圧を持った1本のガラスシリンジ125の操作により、ポリマーボトル123からポリマー溶液を吸入し、そのポリマー溶液を例えば96本のキャピラリから成るキャピラリアレイに注入する動作を自動で行う。
以下、装置構成の概略について説明する。96本のキャピラリを備えるキャピラリアレイ・ユニット100は、一端(試料注入端)がバッファ容器110中のバッファに浸漬され、他端が流路ブロック120に接続されている。流路ブロック120には、キャピラリアレイ・ユニット100の他にガラスシリンジ125、キャピラリに注入するポリマー溶液が入ったポリマーボトル123、及びバッファ容器121が接続され、内部にそれらを連通する流路が形成されている。流路ブロック内部の流路はデッドボリュームの低減と気泡の除去を考慮して直径1mm程度の細い管になっている。キャピラリアレイ・ユニット100を接続する接続部もキャピラリアレイの形状に合わせて狭い流路構成になっており、アレイ交換時の気泡の除去が容易に行えるように考慮されている。また、この流路ブロック120は内部流路の視認性を良くするためにアクリル等の透明な材料で構成されている。
流路ブロック120とポリマーボトル123の間には逆止弁124が配置され、ガラスシリンジ125からキャピラリアレイ・ユニット100のキャピラリにポリマー溶液を注入する際に、ポリマーボトル123への逆流を防いでいる。ただし、この逆止弁124はポリマーボトル123からガラスシリンジ125へのポリマー溶液の吸入動作を妨げないように流路抵抗が小さいことが望ましい。なお、流路ブロック120とポリマーボトル123の間とは、物理的に両者に挟まれた個所であることに限定されない。つまり、この表現は、逆止弁124がガラスシリンジ125からポリマーボトル123に向かうポリマー溶液を阻止できる位置を意味する。
ポリマーボトル123は連続運転に必要な十分な容量のものが用いられ、ポリマー残量が少ないときでも気泡の混入等がないように底が円錐型の形になっている。また、ポリマー溶液を吸入してもボトル内が負圧にならないように排気弁もしくはチューブ挿入口に十分な隙間を持たせた構造になっている。また、高低差による圧力でポリマーボトル123からバッファ容器121側にポリマー溶液が逆流しないように、ポリマーボトル123はバッファ容器121よりも低い位置に配置されている。このとき、逆止弁124の作用でポリマーボトル123へのポリマー溶液もしくはバッファ液の流入は防止される。なお、キャピラリアレイ・ユニット100のキャピラリにポリマー溶液を注入するためにバッファバルブ122を閉じた際のように、ポリマーボトル123からバッファ容器121側にポリマー溶液が逆流しない場合は、ポリマーボトル123をバッファ容器121よりも高い位置に変更配置するような構成も可能である。つまり、少なくともポリマーボトル123とバッファ容器121を結ぶ流路が形成されているときに、ポリマーボトル123はバッファ容器121よりも低い位置に配置する必要がある。
バッファ容器121と流路ブロック120の間には電動のバッファバルブ122が配置されており、キャピラリアレイ・ユニット100のキャピラリにポリマー溶液を注入する際にはバッファバルブ122を閉じて、キャピラリアレイとバッファ容器間の流路をクローズする。また、電気泳動のときはバッファバルブ122を開き、流路をオープンにしてキャピラリアレイとバッファ容器を連通させる。
図2は、キャピラリアレイ・ユニット100の一例を示す概略図である。キャピラリアレイを構成する1本1本のキャピラリ101は、外径が0.1〜0.7mm、内径が0.02〜0.5mmで、外被はポリイミド樹脂コーテイングされている。キャピラリ自体は石英パイプであり複数本(本例では96本)のキャピラリを配列してキャピラリアレイを構成する。キャピラリアレイ・ユニット100は、蛍光標識されたDNAサンプル等が入った試料容器から電気泳動でキャピラリにサンプルを取り込むロードヘッダ102、ロードヘッダ102のサンプル番号順にキャピラリ101を配列固定する検知部(ウインドウユニット)105、複数本のキャピラリを束ねて接着したキャピラリヘッド103を備える。ロードヘッダ102から突出する試料注入端には、キャピラリに泳動電圧を印加するための中空電極104が設けられている。検知部(ウインドウユニット)105は、整列保持したキャピラリアレイに側方から光照射するための開口106とキャピラリから発せられた発光を取り出すための開口107とを備える。
キャピラリアレイ・ユニットのキャピラリヘッド103の形状、すなわち流路ブロック120との接続部形状はキャピラリを一列に並べた平型と一束にまとめた丸型が考えられる。丸型の場合は、キャピラリヘッド103にスリーブを取り付けて後ろから押しねじを締め込み、スリーブを変形させて隙間を埋めることで流路ブロック120に取り付けることができる。前述したアプライドバイオシステムズ社製プリズム3100はこの方式を採用している。
図3は、流路ブロックとの接続部形状が平型の場合の、キャピラリアレイ・ユニットの流路ブロックへの固定方式の一例を示す説明図である。この方式は、キャピラリアレイ・ユニット接続部とその後方に位置するストッパの間にスペーサを挿入してキャピラリアレイを固定する方式である。
流路ブロック120のキャピラリアレイ・ユニット100との接続部が設けられた端面に面して、ストッパ174が所定の間隔を有して装置筐体に固定されている。また、軸173の回りに回動可能なスペーサ171が設けられており、つまみ172を持って回動させると、スペーサ171は流路ブロック120とストッパ174の間に入り込む。従って、キャピラリアレイ・ユニット100の端部を流路ブロック120の接続穴にはめ込み、その後、スペーサ171を図の破線位置から実線位置に回転させて流路ブロック120とストッパ174の間に差し込むと、スペーサ171の流路ブロック側の面がキャピラリアレイ・ユニット100のキャピラリヘッドに設けられたフランジ部と接触して、キャピラリアレイ・ユニット100が流路ブロック120に固定される。キャピラリアレイ・ユニット100のフランジ部と流路ブロック120との間はOリングによってシールされる。
図3に示した方式は、スペーサ171を抜き差しするだけの単純な操作で、キャピラリアレイ・ユニット100を流路ブロック120に容易に着脱することができる。図3に示した方式以外にも、Oリング等を介して、後ろからねじのようなもので押し付けることで流路ブロックに固定する方式もある。
図4(a)〜(c)は、流路ブロックのキャピラリアレイ・ユニット接続部の詳細模式図である。図4(a)に示すように、流路ブロック120の一端には、キャピラリアレイ・ユニット100のキャピラリヘッドのフランジ部先端が挿入される比較的径の大きな横穴181が設けられ、横穴181の奥にキャピラリヘッドから突出しているキャピラリアレイの先端部が挿入される比較的小径の横穴182が設けられている。横穴182の突き当たり壁面の上端部には、ガラスシリンジ125及びポリマーボトル123と連通する細い流路183が開口しており、下面には横穴182の奥行き方向に見てほぼ中間位置、好ましくは径の大きな横穴181にできるだけ近い位置にバッファ容器121に連通する細い流路184が開口している。横穴182は、キャピラリアレイ先端部とのスペースが、電気泳動路が確保できる範囲で極力狭くなるようにしてあり、これにより流路のデッドボリュームの低減と流速分布の均一化による気泡の抜けやすさを実現している。図4(b)の正面図及び図4(c)の上面図に示すように、横穴182の突き当たり壁面185及びその下部も曲面になっている。このような構造の採用により、流路ブロック120にキャピラリアレイを脱着する際に流路内に空気が混入したとしても、バッファバルブ122を開放してポリマー溶液を流せば、ポリマー溶液がよどみなく流れて気泡はバッファ容器に排出される。
図5は、本発明による電気泳動装置の電気泳動部と光学検出部を示す説明図である。図5に示した電気泳動部は、キャピラリへの試料注入時の構成を示している。図2に示したキャピラリアレイ・ユニット100は、ロードヘッダ102から突出した中空電極104及びキャピラリ101の試料注入端が蛍光標識されたDNAサンプルを入れた試料容器401を複数入れたサンプルトレイに浸漬され、他端のキャピラリヘッド103はポリマー溶液が入った流路ブロック120に耐圧気密で取り付けられる。流路ブロック120に接続されたバッファ容器121に浸漬された電極161とロードヘッダ102の中空電極104には高電圧電源160から15kV前後の高電圧印加され、試料容器401中の試料がキャピラリアレイの各キャピラリに電界注入される。その後、キャピラリアレイ・ユニット100の試料注入端は図1に示すようにバッファ容器110に浸漬され、各キャピラリに電界注入された試料が電気泳動されて分離する。
レーザ光源410は、ミラー411、ビームスプリッタ412、集光レンズ413等からなる励起光学系によって検知部(ウインドウユニット)105に励起光420を照射する。励起光照射によってキャピラリ中を泳動している試料から発せられる信号光である蛍光430は、第1レンズ414、光学フィルタ及び像分割プリズム415、及び第2レンズ416を備える検出レンズ系を介してCCDカメラ417で検出される。検出された信号は、信号処理演算装置418で演算処理される。
図示の例の検出光学系は、電気泳動するDNAや蛋白質の入ったキャピラリアレイの両側面からレーザ光を照射し、キャピラリのレンズ作用によってレーザ光を集光させることにより全てのキャピラリに励起光を照射し、各キャピラリからの蛍光を検出光学系によって検出する。なお、レーザ光420はキャピラリアレイの片側のみから照射させる構成でもよく、受光光学系も、図5に示す構成に限るものではない。
図1に戻り、本発明による電気泳動装置のポリマー注入機構について説明する。
ステッピングモータ140と直動アクチュエータ141,142からなる駆動系によってガラスシリンジ125を操作する移動体130が駆動される。キャピラリアレイ・ユニット100のキャピラリにポリマー溶液を注入するときは、モータ140を正転して移動体130を下降させ、ガラスシリンジ125のプランジャを押圧する。注入圧力は移動体130のスピードとキャピラリアレイを含めた系全体の流路抵抗で決まるが、移動体130のスピードがポリマー流速に対して圧倒的に速いときは、モータ140が脱調状態になる圧力が注入圧力の上限になる。モータが脱調状態になる圧力はモータに流す電流値で決定され、この電流値を調整することにより注入圧力の上限値を制御できる。通常は系全体の耐圧よりも注入圧力の上限値が小さくなるように設定しており、このポリマー注入機構ではガラスシリンジ125の耐圧が最も小さいことから、ガラスシリンジの耐圧以下になるように調整している。また、この移動体130には電動で出し入れされるフック131が備えられている。ガラスシリンジ125のプランジャを引き上げる必要があるときは、フック131を前方に押し出す。フック131を突出させた状態でモータ140を逆転させると、ねじ部141と噛み合ったスライダー部142とともに移動体130が上昇し、それによってシリンジ125のプランジャを引き上げることができる。モータ140は、駆動回路部151を介して制御コンピュータ150によって制御される。
図6は、移動体に設置されたフックとその駆動機構の概略図である。移動体130は、直動アクチュエータのスライダー部142から延びる水平部、水平部からねじ141に平行に延びる垂直部、垂直部の上端から更に水平に庇状に延びる押圧部134を有する。シリンジを押すための押圧部134の下面はシリンジ125のプランジャ後端部と係合する。また、垂直部には水平方向の貫通穴が設けられ、その貫通穴から押圧部134の下方にフォーク型のフック131が突出するようになっている。シリンジを引くための引込部(フック)は、バネ136によって押圧部134の下方から退避する方向に付勢されており、通常は移動体内に隠れている。フック131の後方に位置するソレノイド137を付勢すると、フック131がバネ136を圧縮して移動体の押圧部134の下方に突出する。シリンジ125のプランジャを引き上げたいときは、移動体130押圧部134の下方にフック131を突出させ、プランジャの径が細い部分をフォーク型のフック131で挟む。その状態で移動体130を上昇させると、フック131がプランジャ後端の径が大きくなっている部分と係合し、フック131の上昇とともにプランジャが引き上げられる。フック131が不要のときはソレノイド137をOFFの状態にし、バネ136が元の状態に戻ることでフックが移動体内部に収納される。つまり、フックは、プランジャを引ける引き上げ位置と、プランジャを引けない収納位置とを移動することができる。別の観点から言い換えると、フックは、プランジャを動かせる駆動状態と、プランジャを動かせない非駆動状態に変化することができる。
また、図1に示すように、移動体130にはリニアエンコーダが備えられており、移動体130の位置情報が常に駆動回路部151内のメモリに保存され、制御コンピュータ150で監視できるようになっている。具体的には、一直線上にスリットが形成された不透明なフィルム143がスライダー部142に取り付けられ、スライダー部142が移動するときに装置本体に取り付けられた光学検出部144を通過する。光学検出部144は、発光ダイオードと平行光線を作るためのレンズからなる光源部と、光センサーで構成されており、両者の間を通過したスリット数を光学的にカウントできるようになっている。駆動回路部151は、光学検出部144でカウントされた数を周期的に確認することにより移動体130の単位時間当たりの移動量を認識でき、トータルの移動量から移動体130の現在位置を知ることができる。また、移動体の最上位置を検出するために光センサ145が設けられている。
次に、図7のフローチャートを参照してキャピラリアレイにポリマー溶液を注入する手順について説明する。
ポリマー溶液注入命令が発生すると、駆動部のイニシャライズ動作を行う(S11)。駆動部のイニシャライズ動作とは、一度、移動体130を最上位置(光センサ145で検出される位置)まで上昇させてエンコーダの数値を0に戻し、次いで移動体130を下降させてエンコーダが最初のスリットを読み込んだ位置(このときエンコーダの数値は1になる)で停止させる動作のことである。これにより、エンコーダの数値をリセットする。電源投入時は、移動体がどの位置にいたとしてもエンコーダの数値は0になっているのでこの動作が必要になる。また、装置の連続運転中にエンコーダの数値がずれることも想定されるので、ポリマー充填動作の最初にこの動作を入れることで誤動作を防止できる。つまり、電源投入やポリマー充填指示に起因して移動体130を所定位置に配置するように制御することで、ガラスシリンジ125の初期状態に影響を受けない制御が可能になる。
次に、バッファバルブ122を閉じる(S12)。次に、プランジャの位置検出を行って移動体130の押圧部134をシリンジの位置まで下降させる(S13)。プランジャの位置検出は、負荷が大きくなると回転が停止するステッピングモータの特性を利用して行われる。移動体130がプランジャの上方を移動しているときは、その自重だけが主な負荷となるため、アクチュエータのスライダー部はその一定の速度で移動する。やがて移動体130がプランジャに接し、更にそこからプランジャを押し込もうとすると、シリンジ内圧の上昇に従ってより大きな負荷がアクチュエータに加わることになる。この結果、ステッピングモータは回転が停止し、スライダー部はその場で停止してしまう。従って、スライダー部の通常速度よりも低い速度に閾値を設けておけば、移動体130がプランジャに接しているかどうかを判断できる。プランジャの位置検出の際には、通常の上下動の動作で支障がない範囲でモータの電流値を弱めに設定し、移動体130がシリンジに接触したとき速やかにモータの回転が停止するようにしておく。実際には、リニアエンコーダの値を一定周期で確認し、スライダー部の移動速度が設定した閾値よりも小さくなったところで移動体がプランジャに接触したと判断することができる。このときのエンコーダの値から、ガラスシリンジ125内のポリマー溶液の残量を確認する(S14)。ここで、移動体がプランジャに接触するとは、直接的接触のみを意味するものではなく、移動体とプランジャの間に衝撃力吸収部材等が存在する間接的接触をも含む意味である。なお、移動体とプランジャに挟まれた際の衝撃力吸収部材の圧縮量が接触毎に異なるとポリマー残量の確認が正確に行えない。そのため、衝撃力吸収部材は圧縮量が接触毎にほぼ一定であるものが望ましい。
これから注入するポリマー量に対してガラスシリンジ125内のポリマー残量が足りなければ移動体130からフック131を出し(S21)、モータ140を逆転してガラスシリンジ125のプランジャを引き上げてポリマーボトル123からポリマー溶液を吸入する(S22)。このとき、急激な内部圧力の低下により流路の接続部やポリマー溶液自体から気泡が発生しないように、モータ140の回転速度をポリマーの粘性に合わせた速度に設定してプランジャを引き上げる。
装置のスループットを上げるためには、ポリマー貯留容器からシリンジへのポリマー溶液吸引速度は速ければ速いほど有利である。一方、ポリマー溶液吸引速度が速すぎると流路内に気泡が発生する。電気泳動路中に気泡が入ると電気泳動に影響を及ぼし正確な分析結果が得られないため、気泡の発生は避けなければならない。そのため、予めポリマー溶液の種類毎に許容可能な最大吸引速度を定めて制御コンピュータ150等に記憶しておき、分析の際に使用ポリマー溶液の種類(粘性)に合わせて吸引速度を選択するようにすることで、スループットの向上を図る。吸引速度の選択は、分析の最初に一度だけ行えば、あとは自動的にその速度でポリマー溶液を吸引してキャピラリアレイへ注入し、分析を連続的に行うことができる。
エンコーダの値からガラスシリンジ125にポリマー溶液を十分に吸入したことを確認したら、モータ140を停止する(S23)。その後、わずかに移動体130を下降させ(S24)、フック131がプランジャから離れたらフック131を元の位置に戻す(S25)。次にモータ140を正転して、再び移動体をシリンジの位置まで下降させる(S26)。
そして、ガラスシリンジ125への加圧を開始し、キャピラリアレイ・ユニット100のキャピラリへポリマー溶液を注入する(S15)。このとき、注入圧力がシリンジの耐圧を越えないようにモータに流す電流値を制御して、出力トルクを調整する。ポリマー注入中もエンコーダの値を周期的に確認し、注入開始時のエンコーダ値との差分から所定のポリマー量を注入したと判定されたらモータを停止する(S16)。その後、移動体130を上昇させて流路内の圧力を開放し(S17)、ポリマー溶液の注入を終了する。もし、ステップ14のポリマー残量確認で、ガラスシリンジ125内にポリマー溶液が充分に入っていることが確認されれば、直ちにステップ15のポリマー注入駆動開始に移る。
その後、バッファバルブ122を開け、図5に略示するようにしてキャピラリアレイに試料注入を行い、次に図1に示すようにキャピラリアレイ・ユニット100の試料注入端をバッファ溶液に浸漬する。そして、キャピラリアレイ・ユニット100の試料注入端が負極、バッファ容器121側が正極となるように電圧を印加して電気泳動を開始する。
図8は、本発明によるキャピラリ電気泳動装置の他の例を示す概略構成図である。この例の装置は、充填用のポリマー溶液を入れておく容器としてシリンジ180を用いた点で図1に示した装置と異なる。
図1に示した装置の場合、電気泳動中はポリマーボトル及びバッファ容器が共に大気圧に開放されるため、何もしなければ高低差により液面が高い方から低い方へ液が流れてしまう。ただし、両者の間には逆止弁が挿入されており、逆止弁はポリマーボトルへの液の流入を抑止するので、実際にはバッファ容器からポリマーボトルへは液は流れない。従って、両者間の流れを防止するために、ポリマーボトル内の液面がバッファ容器の液面よりも低くなるように配置していた。
一方、図8のようにポリマーの容器としてシリンジ180を使用した場合には、シリンジのプランジャ部の摩擦力によりシリンジからのポリマーの流出を防止できるため、両者の位置関係を気にすることなく適当な場所に配置することができる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明のキャピラリ電気泳動装置は、ポリマー注入機構を備え、ポリマー容器からポリマーの吸入とキャピラリアレイへのポリマー注入が自動で行えるため、連続的に多数回の測定が可能になり、装置としてのスループットを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明によるキャピラリ電気泳動装置の一例を示す概略構成図である。
図2は、キャピラリアレイ・ユニットの一例を示す概略図である。
図3は、キャピラリアレイ・ユニットの流路ブロックへの固定方式の一例を示す説明図である。
図4(a)〜(c)は、流路ブロックのキャピラリアレイ・ユニット接続部の詳細模式図である。
図5は、本発明による電気泳動装置の電気泳動部と光学検出部を示す説明図である。
図6は、移動体に設置されたフックとその駆動機構の概略図である。
図7は、キャピラリアレイにポリマー溶液を注入する手順を示すフローチャートである。
図8は、本発明によるキャピラリ電気泳動装置の他の例を示す概略構成図である。

Claims (18)

  1. キャピラリアレイと、
    ポリマー溶液を入れるポリマー貯留容器と、
    ポリマー溶液を前記キャピラリアレイに圧入するための耐圧シリンジと、
    バッファ溶液を入れるバッファ容器と、
    前記キャピラリアレイの端部と前記耐圧シリンジとが接続され、前記キャピラリアレイの端部と、前記ポリマー貯留容器と、前記耐圧シリンジと、前記バッファ容器とを結ぶ流路が設けられた流路ブロックと、
    前記ポリマー貯留容器側から前記流路ブロックに向かって流れる流体を通し、前記流路ブロックから前記ポリマー貯留容器側に向かう流体の流れを阻止する逆止弁と、
    前記耐圧シリンジのプランジャを押し込み方向及び引き出し方向に駆動するためのプランジャ駆動手段とを備え、
    前記ポリマー貯留容器からポリマー溶液を前記流路ブロックを通して前記耐圧シリンジに吸入し、前記耐圧シリンジに吸入したポリマー溶液を前記流路ブロックを通して前記キャピラリアレイに注入する機能を有し、
    前記プランジャ駆動手段は、ステッピングモータと、前記ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換する直動アクチュエータと、前記直動アクチュエータに固定され前記プランジャの後端部を押圧する移動体と、前記移動体の位置を示す信号を出力するリニアエンコーダとを備え、
    前記移動体は出し入れ自在なフックを備え、前記プランジャを引き出し方向に駆動するとき前記フックによって前記プランジャを固定することを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  2. 請求項1記載のキャピラリ電気泳動装置において、前記ポリマー貯留容器はシリンジ構造を有することを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  3. 請求項1記載のキャピラリ電気泳動装置において、少なくとも前記ポリマー貯留容器と前記バッファ容器とが流路で結ばれ、かつ大気圧にさらされているときに、前記ポリマー貯留容器と前記バッファ容器は、前記ポリマー貯留容器内のポリマー溶液の液面が前記バッファ容器内のバッファ液面より低くなるように位置づけられていることを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  4. 請求項1記載のキャピラリ電気泳動装置において、前記ポリマー貯留容器から前記シリンジにポリマー溶液を吸入するときのプランジャ引き出し速度が複数設定されており、ポリマー溶液の粘性に合わせて前記プランジャ引き出し速度を選択することを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  5. 請求項1記載のキャピラリ電気泳動装置において、前記流路ブロックは、前記キャピラリアレイの端部が挿入される横穴を有し、前記横穴には、突き当たり壁面の上端部に前記耐圧シリンジ及び前記ポリマー貯留容器と連通する流路が開口し、当該横穴の下面に前記バッファ容器に連通する流路が開口していることを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  6. キャピラリアレイと、
    ポリマー溶液を入れるポリマー貯留容器と、
    ポリマー溶液を前記キャピラリアレイに圧入するための耐圧シリンジと、
    バッファ溶液を入れるバッファ容器と、
    前記キャピラリアレイの端部と前記耐圧シリンジとが接続され、前記キャピラリアレイの端部と、前記ポリマー貯留容器と、前記耐圧シリンジと、前記バッファ容器とを結ぶ流路が設けられた流路ブロックと、
    前記ポリマー貯留容器側から前記流路ブロックに向かって流れる流体を通し、前記流路ブロックから前記ポリマー貯留容器側に向かう流体の流れを阻止する逆止弁と、
    前記耐圧シリンジのプランジャを押し込み方向及び引き出し方向に駆動するためのプランジャ駆動手段とを備え、
    前記ポリマー貯留容器からポリマー溶液を前記流路ブロックを通して前記耐圧シリンジに吸入し、前記耐圧シリンジに吸入したポリマー溶液を前記流路ブロックを通して前記キャピラリアレイに注入する機能を有し、
    少なくとも前記ポリマー貯留容器と前記バッファ容器とが流路で結ばれ、かつ大気圧にさらされているときに、前記ポリマー貯留容器と前記バッファ容器は、前記ポリマー貯留容器内のポリマー溶液の液面が前記バッファ容器内のバッファ液面より低くなるように位置づけられていることを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  7. 請求項6記載のキャピラリ電気泳動装置において、前記ポリマー貯留容器はシリンジ構造を有することを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  8. 請求項6記載のキャピラリ電気泳動装置において、前記プランジャ駆動手段は、ステッピングモータと、前記ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換する直動アクチュエータと、前記直動アクチュエータに固定され前記プランジャの後端部を押圧する移動体と、前記移動体の位置を示す信号を出力するリニアエンコーダとを備えることを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  9. 請求項8記載のキャピラリ電気泳動装置において、前記移動体は出し入れ自在なフックを備え、前記プランジャを引き出し方向に駆動するとき前記フックによって前記プランジャを固定することを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  10. 請求項6記載のキャピラリ電気泳動装置において、前記ポリマー貯留容器から前記シリンジにポリマー溶液を吸入するときのプランジャ引き出し速度が複数設定されており、ポリマー溶液の粘性に合わせて前記プランジャ引き出し速度を選択することを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  11. 請求項6記載のキャピラリ電気泳動装置において、前記流路ブロックは、前記キャピラリアレイの端部が挿入される横穴を有し、前記横穴には、突き当たり壁面の上端部に前記耐圧シリンジ及び前記ポリマー貯留容器と連通する流路が開口し、当該横穴の下面に前記バッファ容器に連通する流路が開口していることを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  12. 以下の構成を備えた電気泳動装置;
    (1)試料を分離するための分離媒体を充填できるキャピラリ
    (2)前記キャピラリの一部を浸す第1バッファ液を保持する第1バッファ容器
    (3)第2のバッファ液を保持する第2バッファ容器
    (4)前記分離媒体を保持するポリマー容器
    (5)分離媒体を吸引・吐出できる耐圧シリンジ
    (6)前記耐圧シリンジのプランジャを押せる押圧部と、プランジャを引ける引込部を備え、前記引込部はプランジャを引ける状態と引けない状態とに変化できるプランジャ移動機構
    (7)前記キャピラリと前記第2バッファ容器とを結ぶ第1流路
    (8)前記ポリマー容器と前記耐圧シリンジとを結ぶ第2流路
    (9)前記耐圧シリンジと前記キャピラリとを結ぶ第3流路
    (10)前記第2流路の間に配置され、前記ポリマー容器から前記耐圧シリンジに向かう分離媒体を通し、前記耐圧シリンジから前記ポリマー容器に向かう分離媒体を阻止する逆止弁。
  13. 請求項12記載の電気泳動装置において、前記プランジャ移動機構は、電気泳動装置の電源投入に起因し、又は/及び、耐圧シリンジを作動させる指示に起因して、所定の位置に配置されることを特徴とする電気泳動装置。
  14. 請求項12記載の電気泳動装置において、前記プランジャ移動機構は、電気泳動装置の電源投入に起因し、又は/及び、耐圧シリンジを作動させる指示に起因して、引き込み方向に移動することを特徴とする電気泳動装置。
  15. 分離媒体を吸引し、前記分離媒体をキャピラリに注入するための耐圧シリンジと、前記耐圧シリンジのプランジャを引き上げることができる引込部を有し前記プランジャを駆動できる移動機構とを備えた電気泳動装置によって、前記キャピラリに分離媒体を注入する方法であって、前記キャピラリへの分離媒体注入に先だって下記の手順を行う方法;
    (1)前記移動機構を所定の位置に配置する手順
    (2)前記移動機構を移動してプランジャと接触させる手順
    (3)前記所定の位置から接触するまでの前記移動機構の移動量に基づいて前記耐圧シリンジ内の分離媒体量を判断する手順
    (4)前記耐圧シリンジ内の分離媒体量が所定の量より少ない場合に、前記移動機構が前記プランジャを引き上げることができる引込部をプランジャ引き上げ位置に配置し、前記移動機構を移動してプランジャを駆動し、前記耐圧シリンジ内に分離媒体を吸引する手順
  16. 請求項15記載のキャピラリに分離媒体を注入する方法において、次の手順を含むことを特徴とする方法;
    (5)前記耐圧シリンジ内の分離媒体量が所定の量以上である場合に、前記移動機構を移動してプランジャを駆動し、キャピラリに分離媒体を注入する手順。
  17. 分離媒体を吸引し、前記分離媒体をキャピラリに注入するための耐圧シリンジと、前記耐圧シリンジのプランジャを駆動できる移動機構とを備えた電気泳動装置によって、前記キャピラリに分離媒体を注入する方法であって、前記キャピラリへの分離媒体注入に先だって下記の手順を行う方法;
    (1)前記移動機構を所定の位置に配置する手順
    (2)前記移動機構を移動してプランジャと接触させる手順
    (3)前記所定の位置から接触するまでの前記移動機構の移動量に基づいて前記耐圧シリンジ内の分離媒体量を判断する手順
    (4)前記耐圧シリンジ内の分離媒体量が所定の量より少ない場合に、前記分離媒体の種類に起因した移動速度でプランジャを駆動して、前記移動機構を移動してプランジャを駆動し、前記耐圧シリンジ内に分離媒体を吸引する手順。
  18. 請求項17記載のキャピラリに分離媒体を注入する方法において、次の手順を含むことを特徴とする方法;
    (5)前記耐圧シリンジ内の分離媒体量が所定の量以上である場合に、前記移動機構を移動してプランジャを駆動し、キャピラリに分離媒体を注入する手順。
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