JP3916435B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示器用のガラス基板や半導体ウェハなどの基板を水平面内で回転させながら洗浄処理や乾燥処理などの所要の処理を施す基板処理装置に係り、特にサイズの大きな基板を処理するのに適した基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の基板処理装置として、例えば特開平9−330904号公報に開示された装置を図9を参照して説明する。
この基板処理装置は、半導体ウェハなどの基板Wを水平面内で回転させながら、基板Wの表裏面に薬液処理、洗浄処理、乾燥処理をその順に施す装置である。この基板処理装置は、基板Wを水平姿勢で保持する回転支持板101を備えている。回転支持板101は平面視で円形状の平板であって、その上面に基板Wの外周縁に係合して基板Wを支持する複数個の駆動ピン102が立設されている。
【0003】
回転支持板101の回転中心部に開口101aがあり、この開口101aに筒軸103が連結固定されている。この筒軸103はベルト機構104を介してモータ105に連結されている。筒軸103の中心に沿って液ノズル106が配設されており、この液ノズル106の先端が基板Wの下面中心部に臨んでいる。液ノズル106は薬液供給源および洗浄液供給源に選択的に接続されるようになっている。また、筒軸103と液ノズル106との間隙は窒素ガスなどの不活性ガス供給源に連通接続されている。
【0004】
基板Wを挟んで回転支持板101に平行に対向するように上部回転板107が配設されている。この上部回転板107も回転支持板101と同様に平面視で円形状の平板である。回転支持板101と同様に、上部回転板107の回転中心部に開口107aがあり、この開口107aに筒軸108が連結固定されている。この筒軸108はモータ109の出力軸に連結されている。筒軸108の中心に沿って液ノズル110が配設されており、この液ノズル110の先端が基板Wの上面中心部に臨んでいる。液ノズル106の場合と同様に、液ノズル110も薬液供給源および洗浄液供給源に選択的に接続されており、また、筒軸108と液ノズル110との間隙は不活性ガス供給源に連通接続されている。
【0005】
そして、上下に平行に配置された回転支持板101と上部回転板107を囲むようにカップ111が配設されており、このカップ111の底部に排気管112が連通接続されている。
【0006】
以上のように構成された基板処理装置においては、次にように基板処理が行われる。
まず、上部回転板107が上方に退避した状態で、回転支持板101に基板Wが載置される。この基板Wは駆動ピン102によって支持される。続いて、上部回転板107が回転支持板101に対向する位置(図9の状態)にまで下降する。この状態でモータ105および109が始動して、回転支持板101および上部回転板107をそれぞれ同期して回転する。回転支持板101の回転に伴って、その回転力が駆動ピン102を介して基板Wに伝達され、基板Wも回転支持板101および上部回転板107と同期して回転する。基板Wの回転数が所定値に達すると、上下の開口101a、107aから不活性ガスを導入しながら、上下の液ノズル106、110から薬液および洗浄液をその順に供給して、基板Wの表裏面の処理を行う。基板Wの薬液処理および洗浄処理が終わると、基板Wを回転させながら不活性ガスだけを導入して、基板Wの乾燥処理を行う。
【0007】
このように薬液処理から乾燥処理までの間、回転支持板101と上部回転板107とで区画された偏平な処理空間S内で基板Wが処理される。基板Wに供給された薬液や洗浄液は不活性ガスとともに、回転支持板101および上部回転板107の回転による遠心力によって外方に追いやられて処理空間Sの外周端から排出され、カップ111の底部に連通する排気管112から排出される。このとき基板Wから振り切られた薬液や洗浄液がカップ111の内面に当たって飛散したとしても、基板Wの上下は回転支持板101と上部回転板107に覆われているので、薬液や洗浄液のミストで基板Wが汚染されることがない。また、処理空間Sからは不活性ガスが絶えず噴出しているので、ミストが処理空間S内に侵入して基板Wを汚染することもない。
【0008】
即ち、液処理の場合は、処理中の基板Wの端縁から振り切られた液滴がカップ111などで跳ね返っても、上下の板部材で遮断されて基板Wに再付着するのが防止でき、周囲に浮遊している処理液のミストなども遮断されて基板Wに再付着するのが防止できる。また、乾燥処理の場合は、処理中の基板Wと周囲の雰囲気とが遮蔽され、基板Wへの周囲の雰囲気の影響を防止できる。このように基板Wの表面と裏面にそれぞれ近接配置させた2つの板部材は基板Wを支持すると共に遮蔽部材として機能する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。飛散する処理液のミストの大部分は基板を取り囲むように設けられたカップ111によって捕らえられ、装置の周囲には及ばないようになっている。しかしながら、近年の半導体ウェハなどの基板の大径化に伴い、処理液の供給量も多くなり、例えば洗浄処理後の回転乾燥処理の初期において、基板上に付着している液滴を多くすることとなった。そのため、カップ111から跳ね返る液滴が多くなり、浮遊するミストの増大を招いていた。
【0010】
浮遊する処理液のミストは、上部回転板107の上面に付着してパーティクル発生の原因となっていた。特に、付着した処理液がレジストのような薬液の場合は、容易に取り除くことが難しいために、それらに付着したパーティクルについてはほとんどを除去することができない。
【0011】
そこで、処理カップ111の上方からダウンフローを供給して、ミストを処理カップ111の底部の排気管12より排出するようにしている。しかしながら、装置の大型化に伴い処理カップ111内の雰囲気制御を、ダウンフローやカップ内排気で十分に行うには、相応に大容量の給排気装置を必要としていた。
【0012】
さらに、上述のように上部回転板107を用いている装置においては、上部回転板107の上方に浮遊するミストをダウンフローで処理カップ111の底部に導く上で次のような問題があった。すなわち、上方から上部回転板107の上面に向かう気流に乗って、ミストが上部回転板107の上面に付着することを助長していた。これを防止するには、処理カップ111の上部開口を狭めることが考えられるが、処理カップ111が処理空間Sに近づくと、処理空間Sから排出される処理液の勢いが減衰されず、処理カップ111の内壁面における跳ね返りが多くなり問題の解決にはならなかった。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、表面に処理液が供給された基板を回転させて処理を行う基板処理装置において、浮遊するミストによる影響のない基板処理装置を提供することを主たる目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明は、表面に処理液が供給された基板を回転させて、その当該基板に所定の処理を施す基板処理装置であって、基板を略水平に保持した状態で基板を回転させる回転処理部と、前記回転処理部に基板を介して対向しながら前記回転処理部の上方で昇降移動可能に配置され、処理位置に位置決めされることで基板上面の少なくとも周縁領域をリング状に覆う上部遮蔽部と、前記回転処理部の周囲を覆うように配置され、上部の中央付近に開口を有するとともに、基板の回転に伴って基板表面から振り切られる処理液を受ける処理室と、前記処理室内の空間を前記回転処理部の上方の第一空間と、残りの第二空間とに遮蔽する前記上部遮蔽部の上方に配置された仕切手段と、前記処理位置と前記処理位置の上方の退避位置との間で前記上部遮蔽部を昇降移動させるとともに、前記上部遮蔽部と一体的に前記仕切手段を昇降移動させる昇降機構とを具備することを特徴とする基板処理装置である。
【0015】
本発明の作用は次のとおりである。請求項1に係る発明の基板処理装置においては、処理室内の空間が回転処理部の上方の第一空間と、残りの第二空間とに仕切手段によって遮蔽される。その結果、回転処理部から発生するミストが第一空間に浮遊することが防止される。そのため、上部遮蔽部へのミスト付着が無くなる。また、処理室の雰囲気制御は第二空間のみを対象として構成すればよく、処理室全体を対象とする大型機構を設けなくとも良い。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記仕切手段により仕切られた処理室の前記第一空間の気圧を、前記第二空間の気圧より高くすることを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、第一空間の気圧を第二空間の気圧より高くする。この発明によれば、仮に仕切手段を厳密に構成しなくとも、気圧差で第二空間から第一空間への雰囲気の移動を防止することができる。その結果、ミストの飛散が確実に防止できる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置において、前記仕切手段により仕切られた処理室の前記第一空間にダウンフローを供給する送風手段とを具備することを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明は、第一空間にダウンフローが供給される。それにより、第一空間は気圧が高くなり、第二空間からのミストを含んだ雰囲気の流入を防止できる。即ち、ダウンフローという簡単な構成でミストの飛散が確実に防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
<第1実施例>
本発明の実施の形態を、基板の一例として液晶表示器用のガラス基板の処理に用いられる基板処理装置を例に採って図面を参照して説明する。ただし、本発明は、ガラス基板の処理に限らず、円形の各種の基板の処理にも適用することができる。また、本発明が適用できる基板処理は、薬液処理、洗浄処理、および乾燥処理を同じ装置内で連続して行うものだけに限らず、単一の処理を行うものや、薬液処理、洗浄処理、および乾燥処理を同じ装置内で連続して行うものなどにも適用可能である。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態としての基板処理装置が配置された基板処理システムの構成を示す概略斜視図である。
この基板処理システム1では、一方の端部にLCD用ガラス基板W(以下、単に基板Wという)を基板処理装置2に搬入出する移載装置3が配置される。この移載装置3の、一端に基板Wを収容する複数のカセット4が載置可能に構成されたカセットステーション5が設けられており、このカセットステーション5の側方には、カセット4から処理工程前の一枚ずつ基板Wを取出しと共に、処理工程後の基板Wをカセット4内に1枚ずつ収容する搬送アーム6を備えた基板搬送装置7とが備えられている。
【0022】
カセットステーション5の載置部8は、基板Wを25枚収納したカセット4を複数個載置できる構成になっている。基板搬送装置7は、水平、昇降(X、Y、Z)方向に移動自在でると共に、かつ鉛直軸を中心に回転(θ方向)できるように構成されている。
【0023】
次に基板処理装置2の構成について説明する。図2は本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す縦断面図である。この基板処理装置2は、密閉されたハウジング10内が上下に区画され、上室11と、その下方に位置する処理室12より構成される。
【0024】
処理室12は、基板Wを保持し処理する回転支持部20、それらを回転する駆動部30、回転支持部20の上側で処理空間Sを形成し遮蔽する上部遮蔽部40、基板Wから振り切られる液体を回収するカップ部50を収納する。上室11は、基板Wの上面を処理する洗浄機構60、基板Wに超音波洗浄を洗浄を行う超音波洗浄機構70、上部遮蔽部40を昇降させる昇降機構80、ハウジング10内にダウンフローを供給する送風機構90を収納する。
【0025】
回転支持部20は、上平面視でドーナツ状の回転支持板21に、基板Wを下面から支える支持ピン22と駆動ピン23が立設されて構成されている。駆動ピン23は、図3に示すように基板Wの4角部に対応して2個ずつ配置される。なお、図2では、図面が煩雑になることを避けるために、2個の駆動ピン23のみを示している。駆動ピン23は、基板Wの外周端縁を下方から支持する支持部23aと支持部23aに支持された基板Wの外周端面に当接して基板Wの移動を規制する案内立ち上がり面23bとを備えている。基板Wは、この回転支持板21に水平姿勢で保持される。
【0026】
駆動部30は、回転支持板21の回転中心の開口24に連結して設けられている。そして、この開口24に連通するように、回転支持板21の下面に接続される筒軸31と、この筒軸31をベルト機構32を介して回転するモータ33とから構成されている。モータ33を駆動することによって、筒軸31、回転支持板21とともに、保持された基板Wを鉛直方向の軸芯周りで回転させる。この回転支持部20と駆動部30が、本発明の回転処理部に相当する。
【0027】
また、筒軸31は中空を有する筒状の部材で構成され、中心に沿って液ノズル34が配設されており、この液ノズル34の内部中心に液体供給路35が、その液体供給路35と平行して側部に気体供給路36が形成される。液ノズル34の先端部は断面T字状に形成され、平坦な上面の中央部に処理液のノズル孔35aと、気体の吐出口36aが開口される。この液ノズル34の先端が基板Wの下面中心部に臨んでいる。そしてノズル孔35aから基板Wの下面の回転中心付近に処理液を供給できるように構成されている。
【0028】
液ノズル34は、気液供給機構200に連通接続されている。液体供給路35には配管201が連通接続される。この配管201の基端部は分岐されていて、一方の分岐配管202には薬液供給源222が連通接続され、他方の分岐配管203には純水供給源223が連通接続されている。各分岐配管202、203には開閉弁212、213が設けられていて、これら開閉弁212、213の開閉を切り換えることで、ノズル孔35aから薬液と純水とを選択的に切り換えて供給できるようになっている。
【0029】
また、気体供給路36は、開閉弁214が設けられた配管204を介して気体供給源224に連通接続されていて、気体供給路36の上端部の吐出口36aから回転支持板21と基板Wの下面との間の空間に、清浄な空気や清浄な不活性ガス(窒素ガスなど)などの清浄な気体を供給できるように構成されている。
【0030】
筒軸31は回転支持板21の開口24に臨んで延在し、回転支持板21より上側に位置し排出口37が開口される。そして、排出口37において、この液ノズル34の側面と筒軸31内周面との間隙から大気圧雰囲気からのエアーが吐出される。すなわち、筒軸31と液ノズル34との間隙は流量調整弁251を介して配管250が大気圧雰囲気に開放されるよう構成されている。
【0031】
この構成により、回転支持板21が回転するとその遠心力で処理空間S内のエアーは排出され、回転中心に近いほど低圧状態となる。そのため、大気圧雰囲気に開放されている筒軸31内部はポンプ効果によりエアーを吸入する。その際、流量調整弁251により吸引されるエアー量は処理空間S内の気圧状態を所望の状態に設定するように調整される。
【0032】
モータ33やベルト機構32などは、この基板処理装置2の底板としてのベース部材13上に設けられた円筒状のケーシング38内に収容されている。このケーシング38が、筒軸31の外周面に軸受け391を介して接続され、筒軸31を収納する状態となる。すなわち、モータ33から回転支持板21に接続する直前までの筒軸31の周囲をケーシング38で覆い、これに伴い筒軸31に下方に取り付けられたモータ33もカバーで覆った状態とする。さらに、駆動部30の気密性を高めるため、ケーシング38上面と回転支持板21の下面の間を周方向に沿って設けられた略円形状のシール部392で密封する。
【0033】
上部遮蔽部40は、基板Wを挟んで回転支持板21に対向するように上部回転板41と、上部回転板41の開口41aに配置される補助遮蔽板45より構成される。そして、上部回転板41の上部には後述する仕切手段300が配置され、補助遮蔽板45には後述する洗浄機構60が併設される。
【0034】
上部回転板41は基板Wの周縁領域を覆うリング状を呈しており、中央部に大きな開口41aが開けられている。そして開口41aの周囲は立壁41bが円筒状に立設されており、この立壁41b内に、開口41aを塞ぐように補助遮蔽板45が上下移動自在に配置される。そして、上部回転板41は押えピン42を介して駆動ピン23により支持され、回転支持板21とで挟まれた処理空間Sを構成している。そして、押えピン42は、逆凸形状を呈し、上部回転板41下面に固定して取り付けられる。
【0035】
上記の構成により、駆動ピン23は押えピン42とで上下に分離可能に構成されている。上部回転板41が処理位置まで下降移動されたときに、押えピン42が駆動ピン23に嵌合することにより、上部回転板41が回転支持板21と一体回転可能に支持されるようになっている。つまり、駆動ピン23は、上部回転板41を回転支持板21に着脱自在に支持する支持機構を兼ねている。また、この押えピン42が基板Wの浮き上がりを防止する。
【0036】
補助遮蔽板45は、円板の中心の開口46に洗浄機構60が非接触に挿入配置されている。開口46の上端にはプレート47が延設され、その端部に昇降駆動手段48が連設される。昇降駆動手段48は公知のシリンダー等により構成され、後述する洗浄機構60の支持アームに装着される。
【0037】
この構成により、回転支持部20が回転するとその遠心力で処理空間S内のエアーは排出され、回転中心に近いほど低圧状態となる。そのため、処理空間Sは補助遮蔽板45と洗浄機構60との間隙よりエアーを吸入する。その際、間隙は吸引されるエアー(気流)の流れに抵抗を与えて、処理空間S内に供給されるエアーの流量を制限する役目を担っている。そして、エアー量は処理空間S内の気圧状態を所望の状態に設定するように予め調整される。処理空間Sは、基板Wを挟んで下部と上部に区画され、上部に流入するエアー流量を規定することで上部の気圧を設定し、下部に流入するエアー流量を規定することで下部の気圧を設定する。この基板Wの上部と下部の気圧の設定で基板Wの回転処理中の浮き上がりや波打ちが抑制される。
【0038】
カップ部50は、処理室12側壁とケーシング38との間に配置される。そして、回転支持板21と上部回転板41との外周端に臨んで開口したリング状の排気カップ51で構成され、以下の排液・排気構造を含む。排気カップ51の底面51aに円筒状の仕切り壁52が立設されていて、この仕切り壁52によって各々平面視で略ドーナツ形状の第1の排液槽53a、第2の排液槽53bが形成され、その内部空間が排液と排気を兼ねる。
【0039】
次に図4と図5を参照して更に詳細に説明する。図4は排気カップ51の平面図、図5は排気カップ51の一部断面側面図である。第1の排液槽53aの底面51aには廃棄ドレインにより排液・排気手段500に連通接続された第1の排液口54aが設けらている。この第1の排液口54aの基板W回転方向Fの下流側には第1の排気口55aが設けられおり排液・排気手段500に連通接続される。この第1の排気口55aの上方を覆うように第1のスカート部56aが配設される。
【0040】
第1のスカート部56aは、排気カップ51の内周壁51bと仕切り壁52との間に渡って配設され、第1の排気口55aの上方から基板回転方向Fの下流側に向かって下方へ傾斜し、その下端が次の第1の排液口541aが開口される底面51aの上流側に連接して配設される。すなわち、第1のスカート部56aは第1の排液槽53aの形状に沿って円弧を描くように湾曲され、基板回転方向Fに沿って上流側から下流側へ向かって下方へ傾斜している。
【0041】
このような第1のスカート部56aは、第1の排液槽53aの全周において、円周方向に4個(56a、561a、562a、563a)配置され、それに応じて第1の排液口54aと、第1の排気口55aが同じ位置配置で構成される。以上の構成により、基板Wの処理に伴って発生するミスト等の渦流は、回転支持板21が基板回転方向Fに旋回して、各第1のスカート部56aに案内されて旋回流として第1の排液槽53aの内部を下方へ流れる。そして、排気カップ51に底面51aでまず第1の排液口54a にて気液混合流体の液体成分が回収され、気体成分は下流側へと進み、下流側に配設された第1の排気口55a から排気される。この時、第1の排気口55aの上方は第1のスカート部56aで覆われているので、落下してくる液体成分が直接、進入することはなく、気液混合流体は旋回されて、底部で良好に気液分離される。
【0042】
第2の排液槽53bは、第1の排液槽53aと同様の構成で、その全周において第2のスカート部56bが円周方向に4個(56b、561b、562b、563b)配置され、それに応じて第2の排液口54bと、第2の排気口55bが同じ位置配置で構成される。一方、第2の排液槽53bは、第1の排液槽53aの外周に位置するので、その底面の形状が半径方向に大きくなる。そのため、第2の排気口55bの上流側に第2の排液口54b、54cと2個配置することで、より液体成分の分離回収を確実な構成としている。以上の構成により、基板Wの処理に伴って発生するミスト等の渦流は、各第2のスカート部56bに案内されて旋回流として、排気カップ51に底面でまず第2の排液口54b、54c にて気液混合流体の液体成分が回収され、気体成分は下流側の第2の排気口55b から排気される。
【0043】
図2に戻って、第1、第2の排液槽53a、53bの上方には、回転支持板21及びそれによって保持された基板Wの周縁の周囲を包囲するように、軸芯Jに対して略回転対称な形状を有する筒状の周囲案内部材57(スプラッシュガード)が昇降自在に設けられている。周囲案内部材57は、その外壁面で支持部材58を介して昇降機構59に支持されている。この昇降機構59は、図示しないモーターを駆動することにより昇降され、これに伴って周囲案内部材57が回転支持板21に対して昇降されるようになっている。そして、図7に示すように、この昇降制御は、制御部400によって行われるように構成されている。
【0044】
周囲案内部材57は、軸芯Jに対して回転対称な形状を有する内壁面を有している。この内壁面には、傾斜面が形成され下端部には垂下して形成される。周囲案内部材57の下端には円周方向に、円環状の溝57aが形成されていている。この溝57aが仕切り壁52に嵌入している。この周囲案内部材57は、回転支持板21に保持された基板Wの高さに位置しているとき、すなわち、昇降機構59で上昇されたとき、回転される基板Wから振り切られる洗浄液が傾斜面で受け止められ、第1の排液槽53aに導かれる。
【0045】
一方、周囲案内部材57の上端は、上方に向かうほど径が小さくなるように形成されている。そして、基板Wの周縁が周囲案内部材57の上方に位置するとき、すなわち、昇降機構59で下降されたとき、回転される基板Wから降り注ぐ洗浄液が周囲案内部材57の外壁面で受け止められ、第2の排液槽53bに導かれることになる。
【0046】
昇降機構59は、ボールネジなどの周知の1軸方向駆動機構(図示せず)を備えていて、この1軸方向駆動機構で支持部材58を昇降させることで、周囲案内部材57を昇降させるように構成している。また、周囲案内部材57の各々の高さ位置に対応する昇降機構59の高さ位置には、反射型の光センサ(いずれも図示せず)などで構成される昇降検出用のセンサが配設され、これらセンサからの検出信号に基づき、モーターが駆動制御され周囲案内部材57が各高さ位置に位置させるように構成されている。
【0047】
このカップ部50から飛散するミストを含んだ雰囲気が、処理室12内で特に上部遮蔽部40の上方へ浮遊しないように仕切手段300が配置される。仕切手段300は、図3にその全体を示すように円筒体301より構成される。円筒体301の大きさは、図2に示すようにその下端が、上部回転板41が回転支持板21上に載置された状態で、上部回転板41の外周縁の上面に近接する。そして、円筒体301の上端は、処理室12の上部開口位置である上壁14よりも突出する長さを有する。そして、その上端が後述する昇降機構80に連設し支持される。
【0048】
この仕切手段300によって、上部遮蔽部40の上方空間は、処理室12内の残りの空間であるカップ部50とカップ部50の上方の空間と遮蔽されることとなる。よって、処理空間Sから排出された洗浄液がカップ部50からミストとして浮遊しても、円筒体301により遮蔽され上部回転板41に付着することや、上部回転板41の開口41aと、補助遮蔽板45の開口46とから処理空間S内に吸引されて基板Wを汚染することが防止される。すなわち、仕切手段300が処理室12内に空間を、上部遮蔽部40の上方を第一空間A2として、残りの空間を第二空間A3として遮蔽する機能を有する。また、カップ部50の下部でベース部材13との間は、排液・排気手段500が連接する第三空間A4が形成される。
【0049】
また、処理室12の壁面には、符号15で示す基板搬入出口が形成される。基板搬入出口15は、上部回転板41が上昇し周囲案内部材57が下降すると、回転支持板21が基板搬入出口15に臨むことにより基板Wを外部から搬入可能となる。
【0050】
次に、上室11内を説明する。上室11は、処理室12の上壁14により区画され、この上壁14の上面を利用して以下の機構が設置される。まず、補助遮蔽板45の開口46に臨む洗浄機構60と、図6に示すように上部遮蔽部40を挟んで対角線上に超音波洗浄機構70が配置される。洗浄機構60は、液ノズル61が支持アーム62に支持され、支持アーム62は接離機構63によって旋回及び昇降される。この支持アーム62の昇降によって、基板Wに対して液ノズル61が接離され、旋回によって上部遮蔽部40の中心位置(図2の状態)と側部の待機位置(図6の状態)との間で旋回するように構成されている。このような接離動を実現する接離機構63は、螺軸などを用いた機構や、あるいは、エアシリンダなどで構成されている。この時、補助遮蔽板45も同時に昇降および旋回を行うが、補助遮蔽板45は昇降駆動機構48により独立して液ノズル61に沿って昇降可能とされる。
【0051】
液ノズル61の中空部には、液供給管64が貫通され、その下端部から回転支持板21に保持された基板Wの上面の回転中心付近に処理液を供給できるように構成されている。液供給管64は配管205に連通接続されている。この配管205の基端部は分岐されていて、一方の分岐配管242には薬液供給源222が連通接続され、他方の分岐配管243には純水供給源223が連通接続されている。各分岐配管242、243には開閉弁232、233が設けられていて、これら開閉弁232、233の開閉を切り換えることで、液ノズル61から薬液と純水とを選択的に切り換えて供給できる。
【0052】
また、液ノズル61の内周面と液供給管64の外周面との間の隙間は、気体供給路65となっている。この気体供給路65は、開閉弁234が設けられた配管206を介して気体供給源224に連通接続されていて、気体供給路65の下端部から上部回転板41と基板Wの上面との処理空間Sに清浄な気体を供給できるように構成されている。
【0053】
超音波洗浄機構70は、図6に示すように、接離機構71と、接離機構71の側部から延設される支持アーム72と、支持アーム72の先端に2個の超音波ノズル73が支持される。この構成により支持アーム72は接離機構71によって接離機構71の回動中心74を中心に旋回及び昇降される。この支持アーム72の昇降によって、基板Wに対して超音波ノズル73が接離され、旋回によって上部回転板41の中心位置(図6の状態)と側部の待機位置(図2の状態)との間で旋回するように構成されている。
【0054】
さらに、支持アーム72の先端の超音波ノズル73を保持する保持片75はその大きさが上部回転板41の開口41aの直径より少し短尺に形成され、開口41aより進入した状態で支持アーム72が開口41aの直径分の長さ旋回することで、保持片75が基板Wの表面に対向した状態で超音波ノズル73を走査する。
【0055】
また、保持片75が基板Wと上部回転板41との間に進入するには、支持アーム72が開口41aの立壁41bに近接して旋回を停止することで、開口41aを保持片75が通過可能とする。そして、保持片75が支持アーム72の旋回方向に直角に形成され、支持アーム72が基板Wの回転中心Pから立壁41bまで旋回することで、保持片75の先端は基板Wの回転軌跡W1まで移動することができる。その結果、超音波ノズル73が基板Wの半径方向を走査して、基板Wが回転することで、基板W全面を洗浄する。
【0056】
次に、上部回遮蔽部40の昇降機構80について説明する。昇降機構80は、上部回転板41の上面に上方に張り出し設置されたT字状の係合部81と、この係合部81の上部鍔部81aに連結された昇降駆動手段82とから構成されている。この昇降駆動手段82はシリンダー83によりバー84が上下動することでアーム85が昇降する。アーム85の先端は、係合部81の上部鍔部81aが係合される。この構成でアーム85が上部鍔部81aに当接して上下動することにより、回転支持板21に支持される処理位置と、基板Wの搬入・搬出を許容する上方の退避位置とにわたって上部回転板41が移動するようになっている。
【0057】
尚、図2では、2つの昇降駆動手段82が開示されているが、図3に示すように上部回転板21の上面で等間隔に4つの係合部81が配置され、それに対応して4つの昇降駆動手段82が配置される。そして上部回転板41の回転停止位置の制御により、係合部81とアーム85が係合される。また、バー84には、仕切手段300の円筒体301の上端が接続される。よって、上部回転板41の昇降とともに円筒体301も上部回転板41との位置関係を保ちながら昇降する。
【0058】
さらに、上室11の天井には本発明の送風手段としての送風機構90が配置される。この送風機構90は、上部回転板41に対向してファンフィルタユニット91と、例えばステンレス鋼板に多数の小孔を開けた、いわゆるパンチングプレートであって、中心側に開口92aが形成された流路抵抗部材92とで構成される。この流路抵抗部材92は、その外周縁は上室11の内壁面に接続され、この流路抵抗部材92が上室11内を略2分することで、排液・排気手段500による排気に伴う負圧に応じて、引き込まれるエアー(気流)を制限するとともに流れを与えて、ファンフィルタユニット91によるダウンフローを処理室12へ積極的に送風する役目を担っている。この流路抵抗部材57の開口92aは、その開口92aより超音波洗浄機構70や洗浄機構60が処理室12側へ進入する。よって、この流路抵抗部材57より上部には、第2空間A2とは遮蔽された空間A1が形成される。
【0059】
なお、流路抵抗部材92は本実施例のようなパンチングプレートに限らず、例えば複数枚の板材を鉛直方向に傾斜させて近接配置したものであってもよく、好ましくは、このような板材の傾斜角度を変えることにより、流路抵抗を可変するようにしてもよい。そして、
【0060】
図7は、本装置の制御系の構成を示すブロック図であり、回転支持板21を回転制御するためのモータ33と、薬液供給源222と純水供給源223と気体供給源224からの薬液、純水、気体の供給制御をするための開閉弁212、213、214、232、233、234と、上部回転板41と仕切手段300の昇降制御をするための昇降機構80と、洗浄機構60と補助遮蔽板45の旋回及び接離制御をするための接離機構63と、超音波ノズル73を旋回及び接離制御をするための接離機構71と、周囲案内部材57を昇降制御するための昇降機構59と、ファンフィルタユニット91と排液・排気手段500を駆動することでハウジング10内の気流と、を制御部400によって制御するための構成が示されている。
【0061】
制御部400には、周囲案内部材57が各高さに位置したことを検出するセンサからの出力信号が与えられており、これらのセンサの出力に基づいて、制御部400は昇降機構59を制御して、周囲案内部材57を所望の高さに位置させるように制御している。そして、制御部400には、基板Wに応じた洗浄条件が、洗浄プログラム(レシピーとも呼ばれる)として予め制御部400に格納されており、各基板Wごとの洗浄プログラムに準じて前記各部が制御されている。なお、制御部400には、さらに洗浄プログラムの作成・変更や、複数の洗浄プログラムの中から所望のものを選択するために用いる指示部401が接続されている。
【0062】
次に、以上のような構成を有する装置の動作を図8(a)ないし図8(d)を参照して説明する。図8(a)は基板Wの薬液処理状態を示し、図8(b)はリンス処理の状態、図8(c)は超音波洗浄の状態、図8(d)は乾燥処理の状態を示している。なお、一例として、基板Wは表裏面をエッチングして洗浄する処理を施すことを目的としているものとして説明する。
【0063】
処理工程の全体の流れについて以下に概説する。
まず、所定の基板Wに応じた洗浄プログラムを指示部401から選択して実行する。そうすると、制御部400は基板Wが本実施例装置2に搬入されるとき、上部回転板41と液ノズル61は上方の退避位置とされる。そして、昇降機構59を制御して、周囲案内部材57を下降させて、回転支持板21を周囲案内部材57の上方に位置させる。こうして、上部回転板41と回転支持板21との間に、基板Wの搬入経路が確保される。基板搬入出口15を介して基板搬送装置7で搬送されてきた基板Wは、駆動ピン23によって受け持ち支持される。基板搬送装置7の搬送アーム6が処理装置2内に入り込み、駆動ピン23の上に未処理の基板Wを置き、その後、処理装置2外に退避する。
【0064】
続いて、基板Wの受け取りが終わると、図8(a)に示すように、制御部400は、上部回転板41を離間位置のままで、周囲案内部材57を上昇させて、回転支持板21に保持された基板Wの周縁に対向する高さに周囲案内部材57を位置させる。この時、仕切手段300の円筒体301は、上部回転板41の上昇と連動して上昇される。よって、第二空間A2は狭くなるが、第三空間A3は円筒体301によって遮蔽される状態が維持される。
【0065】
次いで、この状態で、接離機構63を制御し、液ノズル61を旋回し、開口部41aの上方から下降させ基板W表面上に配置する。液ノズル34、61から薬液を基板Wの上下面に供給して薬液処理を開始する。すなわち、開閉弁212、232を開成することにより、液ノズル34、61から洗浄用薬液としてのエッチング液を吐出させる。なお、補助遮蔽板45は昇降駆動機構48を伸縮して上方に位置させる。
【0066】
さらに、制御部400は、駆動制御信号を与え、モータ33を回転させる。これにより、筒軸31が回転され、回転支持板21が一体的に回転することになる。したがって、回転支持板21に保持されている基板Wは、水平に保持された状態で回転されることになる。これにより、基板Wの表裏面の中央に向けてエッチング液が至近距離から供給される。供給されたエッチング液は、基板Wの回転に伴う遠心力によって回転半径方向外方側へと導かれるので、結果として、基板Wの表裏面の全域に対して隈無く薬液洗浄を行うことができる。
【0067】
この薬液処理の際に、回転される基板Wの周縁から振り切られて周囲に飛散する薬液は、周囲案内部材57に案内されて排気カップ51の第1の排液槽53aで受け止められることになる。この、薬液処理の開始と同時に、ハウジング10上部のファンフィルタユニット91と、カップ部50下部の排液・排気手段500が作動して気流制御を行われる。ファンフィルタユニット91からダウンフローが発生し、空間A1から主に開口92aからと流路抵抗部材92を介して第一空間A2へ流入する。この流入したダウンフローは上部遮蔽部40の開口41aから処理空間Sに流入し、回転支持部20の回転により回転支持板21と上部回転板41との外周開口から第二空間A3へ薬液とともに排出される。この気流はカップ部50に向かうこととなる。そして、この時、基板Wから飛散され排気カップ51に当たった薬液の一部はミストとなって浮遊することになるが、第二空間A3でミストが浮遊しても仕切手段300が遮蔽することで上部回転板41の上面にミストが付着することや処理空間Sに流入することが防止される。
【0068】
この基板Wの処理に伴って発生するミスト等の渦流は、カップ部59内で第1の排液槽53aの全周において、第1のスカート部56a (561a、562a、563a)に案内されて旋回流として第1の排液槽53aの内部を下方へ流れる。そして、排気カップ51の底面51aでまず第1の排液口54a にて気液混合流体の液体成分が回収され、気体成分は下流側へと進み、下流側に配設された第1の排気口55a から排気され良好に気液分離される。また、この時、上部回転板41と補助遮蔽板45が基板Wより離間しているので、薬液が飛散して上部回転板41と補助遮蔽板45に付着することを防止する。また、この装置では、回転支持板21近傍に浮遊するミストがケーシング38との間を筒軸31へ移動したとしても、シール部392により駆動部30に侵入することが防止される。
【0069】
以上の気流制御において重要なことは、空間A1、第一空間A2、第二空間A3、第三空間A4の気圧の関係である。すなわち、各空間の気圧がP1(A1)>P2(A2)>P3(A3)>P4(A4)の条件を満たすようにファンフィルタユニット91によるダウンフロー流量と、排液・排気手段500による排気流量が調整される。この気圧関係により空間A1から第三空間A4へ向かう気流を生じており、ミストが排気カップ51へ導かれるように制御されている。こうすることで、排液・排気手段500の排気能力を軽減することができ、小型な排液・排気手段500を使用することができる。
【0070】
なお、薬液供給源222から基板Wに供給されるエッチング液としては、たとえば、HF、BHF(希フッ酸)、H3PO4、HNO3、HF+H2O2(フッ酸過水)、H3PO4+H2O2(リン酸過水)、H2SO4+ H2O2(硫酸過水)、HCl+ H2O2(アンモニア過水)、H3PO4+CH3COOH+HNO3、ヨウ素+ヨウ化アンモニウム、しゅう酸系やクエン酸系の有機酸、TMAH(テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドロオキサイド)やコリンなどの有機アルカリを例示することができる。
【0071】
所定の薬液洗浄処理時間が経過すると、液ノズル34、61からのエッチング液の供給を停止する。続いて、制御部400は昇降機構80を制御して、図8(b)に示すように上部回転板41を下降させる。これにより、退避位置にあった上部回転板41が処理位置にまで下降移動し、上部回転板41の押えピン42が回転支持板21の駆動ピン23に嵌合連結される。この状態で開閉弁212、232を閉成して薬液処理過程を終了するとともに、開閉弁213、233を開成する。
【0072】
これにより、液ノズル34、61からは、リンス液として純水が、基板Wの上下面の中央に向けて供給されることになる。よって、純水を基板Wの上下両面に供給して基板Wに付着している薬液を純水で洗い落とすリンス処理を行う。こうして、薬液処理工程後の基板Wの上下面に存在するエッチング液を洗い流す。なお、リンス液としては、他に、オゾン水、電解イオン水などであってもよい。
【0073】
さらに、駆動制御信号を与え、モータ33を回転させる。これにより、筒軸31が回転され、筒軸31に固定されている回転支持板21が軸芯Jまわりに回転することになる。回転支持板21の回転力は駆動ピン23を介して基板Wに伝達されて、基板Wが回転支持板21とともに回転する。さらに、回転支持板21の回転力は押えピン42を介して上部回転板41に伝達され、上部回転板41も回転支持板21とともに回転する。
【0074】
さらに、制御部400は、昇降機構59を制御して、周囲案内部材57を下降し位置させて、回転支持板21に保持された基板Wを周囲案内部材57より上方に位置させる。このとき、基板W上面に供給される純水は、基板Wの回転により振り切られ、基板W周縁より流出し、周囲案内部材57の上面に降り注ぐ。この降り注ぐ純水は、上面に沿って流下し第2の排液槽53bに導かれ、第2の排液口54bから排液され、廃棄ドレインを経て廃棄されることになる。
【0075】
この、洗浄処理の開始と同時に、第2の排液口54bに連通する排液・排気手段500が作動して排気カップ部51が排気される。基板Wの処理に伴って発生するミスト等の渦流は、この第2の排液槽53bの全周において、第2のスカート部54bに案内されて旋回流として第2の排液槽53bの内部を下方へ流れる。そして、排気カップ51の底面51aでまず第2の排液口54b、54c にて気液混合流体の液体成分が回収され、気体成分は下流側へと進み、第2の排気口54b から排気され良好に気液分離される。
【0076】
さらに、このリンス処理の際に、回転される基板Wの周縁から振り切られて周囲に飛散する廃液(薬液が混ざった純水)の一部はミストとなって浮遊するが、仕切手段300の円筒体301は上部回転板41とともに下降し、第一空間A2が塞がれているので薬液処理と同様に処理への影響を防止できる。
【0077】
リンス処理の時間が経過すると回転支持板21の回転を停止し、図8(c)に示すように、制御部400は、接離機構63を制御して、液ノズル61と補助遮蔽板45を待機位置に位置させる。そして、超音波洗浄機構70の接離機構71を制御して保持片75を開口41aの範囲に位置するように支持アーム72を旋回する。次に、支持アーム72を下降して、保持片75を処理空間S内に進入させる。保持片75が上部回転板41と基板Wとの間隙に位置すると、支持アーム72の下降を停止する。
【0078】
次に、制御部400は、2個の超音波ノズル73、73から洗浄液を吐出しながら支持アーム72を基板Wの半径間を往復移動する。所定回数、往復移動を行った後、超音波ノズル73、73からの洗浄液の吐出を停止して、支持アーム72が保持片75を開口41aの中央付近まで移動させる。そして、接離機構71により支持アーム72を上昇させ、上部回転板41より上部に位置してから、待機位置へ旋回させる。
【0079】
超音波洗浄が停止された後は、回転支持板21が高速回転駆動されることにより、基板Wに付着した洗浄液が振り切られる。この乾燥工程の際、図8(d)に示すように、制御部400は接離機構63を制御して液ノズル61と補助遮蔽板45を上部回転板41の開口41aに対向する位置まで旋回させる。そして、昇降駆動機構48を伸長させて、補助遮蔽板45を基板Wに近接するまで下降する。
【0080】
続いて、開閉弁214、234を開成し、気体供給路36、65から基板Wの上下面に窒素ガスを供給させる。これにより、処理空間Sの空気はすみやかに窒素ガスに置換されるので、洗浄処理後の基板Wの上下面に不所望な酸化膜が成長することはない。この時、基板Wから振り切られた洗浄液のミストは気流に乗って処理空間S内を半径方向外側に流動し、回転支持板21と上部回転板41の間隙から排出される。そして、排出された洗浄液のミストを含むエアーは排気カップ部51第二の排液槽53bから排出される
【0081】
また、回転支持板21と上部回転板41との間隙(処理空間S)は外周端側で絞られて、その上下の間隔が回転中心側のそれよりも狭くなっているので、外周からのエアーの排出量が規制される。これに合わせて、回転支持板21側から基板Wとの処理空間Sである下側空間内へポンプ効果により吸入されるエアーの量も流量調整弁251によって調整され、また、上部回転板41側から基板Wとの処理空間Sである上側空間内へ吸入されるエアーの量は開口41a、46の大きさによって規制される。さらに、超音波洗浄工程と乾燥工程の間もハウジング10内の気流制御は行われ、薬液洗浄やリンス洗浄工程と同様の効果を発揮している。
【0082】
乾燥工程の終了後には、モータ33の回転を停止させ、さらに、上部回転板41および液ノズル61と補助遮蔽板45が退避位置に戻されて、基板搬送装置7によって処理済の基板Wが装置外へ搬出される。以下、上述したと同様に未処理の基板Wが搬入されて処理が繰り返し行われる。
【0083】
以上、上記実施例によれば、この基板処理装置2は、処理室12内の空間が上部遮蔽部40の上方の第一空間A2と、残りの第二空間A3とに仕切手段300によって遮蔽される。その結果、基板W処理に伴い発生するミストが第一空間A2に浮遊することが防止される。そのため、上部遮蔽部40へのミスト付着が無くなる。また、処理空間S内に侵入することも防止され最適な処理が実施される。
【0084】
本発明は上述した実施例に限らず次のように変形実施することができる。
(1)処理ノズルは超音波ノズルに限らず、ジェットノズルやミストノズルや他のノズル形態のものを適用してもよい。
【0085】
(2)さらに、上記実施例では、エッチング液による薬液処理を例に説明したが、剥離液を用いた処理に適用してもよい。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、この基板処理装置は、処理液を用いた処理に伴いミストが発生しても、ミストの浮遊を処理室内の遮蔽された空間に限ることで最適な処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板処理システムの一実施例の概略構成を示した斜視図である。
【図2】本発明に係る基板処理装置の一実施例の概略構成を示した縦断面図である。
【図3】回転支持板上部の構成を説明する分解斜視図である。
【図4】排気カップの構成を示す平面図である。
【図5】排気カップの構成を示す一部断面側面図である。
【図6】上部遮蔽機構とその周辺の構成を示す概略平面図である。
【図7】本装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図8】図8は基板Wの処理状態を説明する図で、(a)は基板Wの薬液処理状態を示し、(b)はリンス処理の状態、(c)は超音波洗浄の状態、(d)は乾燥処理の状態を示している説明図である。
【図9】従来の基板処理装置を示す概略断面図である。
【符号の説明】
W 基板
S 処理空間
A1 空間
A2 第一空間
A3 第二空間
A4 第三空間
2 基板処理装置
10 ハウジング
11 上室
12 処理室
20 回転支持部
21、101 回転支持板
30 駆動部
31 筒軸
33 モータ
34 液ノズル
40 上部遮蔽部
41、107 上部回転板
45 補助遮蔽板
50 カップ部
51 排気カップ
111 カップ
60 洗浄機構
61 液ノズル
80 昇降機構
82 昇降駆動手段
90 送風手段
91 ファンフィルタユニット
200 気液供給機構
300 仕切手段
301 円筒体
400 制御部
500 排液・排気手段
Claims (3)
- 表面に処理液が供給された基板を回転させて、その当該基板に所定の処理を施す基板処理装置であって、
基板を略水平に保持した状態で基板を回転させる回転処理部と、
前記回転処理部に基板を介して対向しながら前記回転処理部の上方で昇降移動可能に配置され、処理位置に位置決めされることで基板上面の少なくとも周縁領域をリング状に覆う上部遮蔽部と、
前記回転処理部の周囲を覆うように配置され、上部の中央付近に開口を有するとともに、基板の回転に伴って基板表面から振り切られる処理液を受ける処理室と、
前記処理室内の空間を前記回転処理部の上方の第一空間と、残りの第二空間とに遮蔽する前記上部遮蔽部の上方に配置された仕切手段と、
前記処理位置と前記処理位置の上方の退避位置との間で前記上部遮蔽部を昇降移動させるとともに、前記上部遮蔽部と一体的に前記仕切手段を昇降移動させる昇降機構と
を具備することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置において、前記仕切手段により仕切られた処理室の前記第一空間の気圧を、前記第二空間の気圧より高くすることを特徴とする基板処理装置。
- 請求項1または請求項2に記載の基板処理装置において、前記仕切手段により仕切られた処理室の前記第一空間にダウンフローを供給する送風手段と、を具備することを特徴とする基板処理装置。
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