JP3916343B2 - 除湿装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通気可能に構成された吸湿体が、その一部が除湿対象空気の通流する除湿領域となり、他部が再生用気体の通流する再生領域となり、且つ、各部が前記除湿領域と前記再生領域とに順次代わるように設けられ、
除湿対象域から除湿対象空気を吸気して、前記吸湿体の除湿領域を通過させた後に除湿対象域に送気する除湿用送風手段と、
前記再生用気体を加熱する加熱手段の加熱作用域、前記再生領域、前記再生用気体を冷却してその再生用気体に含まれる水分を凝縮させて分離する冷却手段の冷却作用域の順に通る循環経路で、前記再生用気体を循環させる循環用送風手段とが設けられた除湿装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる除湿装置は、吸湿体の各部が、除湿領域と再生領域とに順次代わりながら、除湿領域においては、通過する除湿対象空気中の水分を吸湿して除湿対象空気を除湿し、再生領域においては、冷却手段にて水分が分離されると共に加熱手段にて加熱された高温低湿の再生用気体の通過により吸湿体が脱湿再生されることにより、除湿対象域から吸気した除湿対象空気を除湿して除湿対象域に送気することを継続して行えるようにして、除湿対象域を除湿するようになっている。
除湿装置で除湿する除湿対象域としては、例えば、部屋等の居住空間や、湿気を嫌う物品の保管室がある。
【0003】
従来は、除湿装置以外に、吸湿作用を有する可搬式の除湿体があった。この可搬式の除湿体は任意の箇所に設置して、その箇所を除湿するものであり、通常は、除湿装置にて除湿された除湿空気が送気される除湿対象域以外の箇所、一般家庭においては、例えば、タンスや押し入れ等の除湿用として用いるものである。
この可搬式の除湿体は、飽和状態になって吸湿能力が低下すると廃棄する使い捨て状態になっていた。
又、除湿装置は、従来は、除湿対象域の除湿機能のみを備えるように構成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は、可搬式の除湿体は使い捨て状態であるため、除湿装置の除湿対象域以外の箇所も含めた除湿にかかわる経費が高くなるという問題があった。例えば、一般家庭においては、居住空間及び居住空間以外のタンスや押し入れ等を含めた除湿にかかわる経費が高くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、除湿にかかわる経費を軽減し得る除湿装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の特徴構成は、吸湿作用すると共に前記再生用気体の通流により脱湿再生可能な可搬式の除湿体を再生のために着脱自在に支持する支持部が、前記再生用気体が通流するように設けられていることにある。
【0007】
請求項1に記載の特徴構成によれば、除湿装置を除湿対象域に設置して運転すると、吸湿体の各部が、除湿領域と再生領域とに順次代わりながら、除湿領域においては、通過する除湿対象空気中の水分を吸湿して除湿対象空気を除湿し、再生領域においては、冷却手段にて水分が分離されると共に加熱手段にて加熱された高温低湿の再生用気体の通過により吸湿体が脱湿再生されることにより、除湿対象域から吸気した除湿対象空気を除湿して除湿対象域に送気することが継続して行われて、除湿対象域が除湿される。
可搬式の除湿体は、通常は、吸湿体で除湿された除湿空気が送気される除湿対象域以外の箇所、一般家庭においては、例えば、タンスや押し入れ等に設置して、設置箇所の除湿を行う。
可搬式の除湿体を支持部に支持すると、可搬式の除湿体を再生用気体が通流して、可搬式の除湿体が脱湿されて再生されるので、可搬式の除湿体は繰り返し使用することができる。
従って、除湿にかかわる経費、例えば、一般家庭においては、居住空間及び居住空間以外のタンスや押し入れ等を含めた除湿にかかわる経費を軽減し得る除湿装置を提供することができるようになった。
【0008】
しかも、可搬式の除湿体を脱湿再生するにしても、その作業としては、可搬式の除湿体を支持部に支持する作業と支持部から取り外す作業だけで済むので、可搬式の除湿体を脱湿再生する手間がほとんど掛からない。
【0009】
また、請求項1に記載の特徴構成は、前記支持部が、前記循環経路における前記加熱手段の加熱作用域よりも下流側で前記再生領域よりも上流側の位置に設けられていることにある。
【0010】
請求項1に記載の特徴構成によれば、既設の循環経路において、加熱手段の加熱作用域よりも下流側で再生領域よりも上流側の位置に、支持部を設けるだけの簡単な構成で本発明を実施することができる。
ちなみに、循環経路に、再生用気体を導き出すためのバイパス路を接続し、そのバイパス路に支持部を設ける構成が想定されるが、この場合は、構成が複雑になる。
従って、請求項1に記載の特徴構成によれば、本発明の実施コストを低減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔参考実施形態〕
以下、図1、図3及び図4に基づいて、参考の実施の形態を説明する。
図4に示すように、除湿装置は、除湿対象域R内に設置し、吸気口10から除湿対象域Rの空気を吸気し、その吸気空気を除湿した後、吹出し口11から吹出すことにより、除湿対象域Rを除湿する。
【0012】
本発明においては、除湿装置に、吸湿作用すると共に後述する再生用気体の通流により脱湿再生可能な可搬式の除湿体(以下、除湿具と称する場合がある)Dを脱湿再生するために支持する支持部Hを、再生用気体が通流するように設けてある。
そして、除湿具Dを、支持部の挿入口33から挿入して支持部Hに支持させることにより、除湿具Dを脱湿再生することができる。
【0013】
図1に示すように、除湿装置は、筐体1の内部に、通気可能に構成した吸湿体としての除湿用ロータ2を、その周方向における一部が除湿対象空気の通流する除湿対象空気通流域Adに位置し、他部が再生用気体としての再生用空気が通流する再生用空気通流域Arに位置する状態で回転されるように設けてある。
又、筐体1の内部に、除湿対象域Rから除湿対象空気を吸気して、除湿対象空気通流域Adを通過させて除湿した後、除湿対象域Rに送気する除湿用送風機4(除湿用送風手段に相当する)と、再生用空気を加熱する電気ヒータ3(加熱手段に相当する)の加熱作用域、再生用空気通流域Ar、再生用空気を冷却してその再生用空気に含まれる水分を凝縮させて分離する冷却部C(冷却手段に相当する)の冷却作用域の順に通る循環経路Lで再生用空気を循環させる循環用送風機5(循環用送風手段に相当する)と、除湿装置の制御を司る制御部6等を備えてある。
【0014】
従って、除湿用ロータ2において、除湿対象空気通流域Ad内に位置する部分が除湿領域2dとなり、再生用空気通流域Ar内に位置する部分が再生領域2rとなり、除湿用ロータ2の各部が除湿領域2dと再生領域2rとに順次代わるようになっている。
【0015】
除湿用ロータ2は、回転軸芯P方向での通気が可能なハニカム状の基材に、吸湿剤(シリカゲルや塩化リチウム等)を保持して構成し、その除湿用ロータ2を、除湿対象空気通流域Ad及び再生用空気通流域Arに跨る状態で、モータ8によって回転軸芯P周りに回転駆動されるように設けてある。
【0016】
除湿対象空気が除湿用ロータ2を回転軸芯Pの方向に通過して通流する除湿対象空気通流域Ad、及び、再生用空気が除湿用ロータ2を回転軸芯Pの方向に通過して通流する再生用空気通流域Arを区画形成する通流域形成部材9を設けてある。
【0017】
筐体1に、除湿対象域Rの空気を吸い込む吸気口10と、吸い込んだ空気を除湿対象域Rに吹出す吹出し口11を形成し、筐体1の内部に、吸気口10から吸い込まれた除湿対象域Rの空気を、除湿対象空気通流域Adを通過してから吹出し口11から除湿対象域Rに吹出されるように案内する除湿用流路12を形成し、除湿用送風機4は、その除湿用流路12に通風作用するように設けてある。
【0018】
筐体1の内部に、再生用空気を、電気ヒータ3における加熱作用域、再生用空気通流域Ar、冷却部Cにおける冷却作用域を順に通る循環経路Lにて通流するように案内する循環用流路13を形成し、循環用送風機5は、その循環用流路13に通風作用するように設けてある。
電気ヒータ3は、再生用空気の循環経路Lにおける、冷却部Cにおける冷却作用域よりも下流側で、再生用空気通流域Arよりも上流側の位置において、循環用流路13を通流する再生用空気を加熱するように設けてある。
【0019】
図3に示すように、除湿具Dは、一つの面30aを板状に、その他の面を多孔板状に形成したケーシング30内に、吸湿剤として粒状シリカゲル(図示せず)を充填して構成してある。ケーシング30の板状面30aには、把持用の把手31を付設してある。
【0020】
図1及び図3に基づいて、支持部Hについて説明を加える。
支持部Hは、循環経路Lにおける電気ヒータ3の加熱作用域よりも下流側で再生用空気通流域Arよりも上流側の位置に設けてある。
循環用流路13において支持部Hを設ける部分を、筐体1の内面に近接して設け、筐体1と循環用流路13を形成する流路形成部材32とに、除湿具D挿入用の挿入口33として機能させる矩形状の開口部を重なる状態で形成してある。
そして、支持部Hは、4本の角柱状の支持部材34を、夫々、挿入口33の各角部付近から流路横断方向に延びる状態で、流路形成部材32の内面に付設して構成してある。
更に、挿入口33には、閉じ側に付勢され、且つ、挿入される除湿具Dにより押し広げられる両開き式の扉35を設けてある。
【0021】
図3の(イ)に示すように、除湿具Dを挿入していない状態では、扉35によって挿入口33が閉じられるので、循環用流路13を再生用空気が漏れの無い状態で通流する。
図3の(ロ)に示すように、除湿具Dを挿入口33から循環用流路13内に挿入すると、除湿具Dは4本の支持部材34にて循環用流路13内に支持されると共に、挿入口33が除湿具Dのケーシング30の板状面30aにて閉じられる。
従って、冷却部Cにて水分が凝縮分離され、電気ヒータ3にて加熱された高温低湿の再生用空気が、ケーシング30をその多孔板状部を通じて通過するので、ケーシング30内の粒状シリカゲルが脱湿再生される。
【0022】
冷却部Cについて説明を加える。
冷却部Cは、再生用空気を除湿対象空気通流域Adに通流させる除湿対象空気と熱交換させて冷却する気体−気体熱交換部23(以下、空冷式熱交換部と記載する場合がある)、及び、再生用空気を冷却水と熱交換させて冷却する気体−液体熱交換部7(以下、水冷式熱交換部と称する場合がある)を備えて、それら空冷式熱交換部23及び水冷式熱交換部7を用いて再生用空気を冷却するように構成しある。
更に、再生用空気から分離した凝縮水を冷却水として水冷式熱交換部7に供給する凝縮水ポンプ24を備えて構成してある。
【0023】
説明を加えると、冷却部Cは、空冷部形成用筐体41内に、空気供給ヘッダ42と水冷部形成用筐体43を、空気供給ヘッダ42が上方に位置する状態で上下方向に間隔を隔てて配設し、水冷部形成用筐体43内に、隔壁47により、貯水室44及び空気排出兼凝縮水貯留室45を上側から順に上下方向に並ぶ状態で区画形成し、並びに、複数の空気通流管46を、貯水室44を上下方向に貫通して、空気供給ヘッダ42及び空気排出室45夫々に連通接続して設けることにより、構成してある。
【0024】
そして、冷却部Cを、循環用流路13における再生用空気通流域Arから電気ヒータ3における加熱作用域に至る部分の途中に、空気供給ヘッダ42に循環用流路13の上流側が連通接続され、空気排出室45に循環用流路13の下流側が連通接続される状態で設けてある。
又、除湿用流路12における除湿対象空気通流域Adよりも上流側部分の途中に、空冷部形成用筐体41を接続して、除湿用流路12を通流する除湿対象空気が空冷部形成用筐体41を通流してから、除湿対象空気通流域Adに供給されるようにしてある。
従って、空冷部形成用筐体41及び空気通流管46により、空冷式熱交換部23を構成し、水冷部形成用筐体43及び空気通流管46により、水冷式熱交換部7を構成してある。
【0025】
空気排出兼凝縮水貯留室45の下部と貯水室44の下部とを凝縮水供給路25にて接続し、空気排出兼凝縮水貯留室45に貯留されている凝縮水を冷却水として貯水室44に供給すべく、その凝縮水供給路25に凝縮水ポンプ24を設けてある。
冷却水排出路15を、貯水室44内の冷却水としての凝縮水をオーバーフロー状態で排出すべく、貯水室44の上部に接続し、排水タンク19を、冷却水排出路15を通じて排出される凝縮水を受けて貯留するように設けてある。
又、空気排出兼凝縮水貯留室45に貯留される凝縮水の水位が設定水位になったことを検出する水位センサ26を設けてある。
【0026】
排水タンク19を保温して、排水タンク19内に貯留されている水から除湿対象域Rへの放熱を抑制する断熱材22を設けてある。又、断熱材48を、空冷部形成用筐体41の外周を覆うように設けて、冷却部Cから除湿対象域Rへの放熱を抑制している。
【0027】
次に、除湿装置の作用について説明する。
モータ8を作動させて除湿用ロータ2を回転させ、電気ヒータ3を作動させ、並びに、除湿用送風機4及び循環用送風機5を作動させる。
ちなみに、除湿用ロータ2の回転速度は、例えば、1回/3分間程度に設定する。
すると、除湿用送風機4の通風作用により、除湿対象域Rの除湿対象空気が、吸気口10から吸気されて除湿対象空気通流域Ad内を通過し、そこを通過するときに、除湿対象空気に含まれる水分が、除湿対象空気通流域Ad内に位置する除湿用ロータ2に保持されている吸湿剤に吸湿されて除湿され、そのように除湿された除湿空気が、吹出し口11から除湿対象域Rに吹出されて、除湿対象域Rが除湿される。
【0028】
除湿用ロータ2において、除湿対象空気通流域Adに位置して吸湿した部分が、再生用空気通流域Arに移動すると、高温低湿の再生用空気の通過によって加熱されて、除湿用ロータ2に吸湿されていた水分が放出されて、除湿用ロータ2が再生される。
そして、除湿用ロータ2において脱湿再生された部分が、除湿対象空気通流域Adへ移動して、そこで除湿対象空気に除湿作用することになる。
【0029】
再生用空気は、循環用送風機5の通風作用により、電気ヒータ3における加熱作用域、再生用空気通流域Ar、冷却部Cにおける冷却作用域を順に通る循環経路Lにて循環する。
再生用空気通流域Arを通過して高湿となった再生用空気は、冷却部Cの空気通流管46を通流するときに、空冷部形成用筐体41を通流する除湿対象空気及び貯水室34内の冷却水により冷却され、再生用空気に含まれる水分が凝縮して分離される。冷却部Cにて冷却されて水分が分離された再生用空気は、電気ヒータ3にて加熱されて高温低湿状態となって再生用空気通流域Arを通流し、そこで、除湿用ロータ2に対して吸湿作用する。
冷却部Cで再生用空気から分離された凝縮水は、空気通流管46を流下して、空気排出兼凝縮水貯留室45に貯留される。
【0030】
そして、水位センサ26が空気排出兼凝縮水貯留室45内の凝縮水の水位が前記設定水位になったことを検出すると、凝縮水ポンプ24を作動させる。すると、空気排出兼凝縮水貯留室45内の凝縮水が貯水室44の下部から供給され、それに伴って、貯水室44内の高温の凝縮水がオーバーフロー状態で冷却水排出路15を通じて排出されるので、貯水室44内の冷却水としての凝縮水の温度が低下する。
【0031】
除湿装置の運転中に、除湿具Dを挿入口33から挿入して支持部Hに支持することにより、除湿具Dを高温低湿の再生用空気の通過により脱湿再生することができる。
【0032】
制御部6の制御作動について説明する。
制御部6は、水位センサ26が前記設定水位になったことを検出すると、凝縮水ポンプ24を凝縮水ポンプ作動用の設定時間の間作動させる
前記凝縮水ポンプ作動用の設定時間は適宜設定することができるが、例えば、空気排出兼凝縮水貯留室45内の凝縮水の略全量を貯水室44に供給することができるような時間に設定する。
【0033】
この除湿装置では、空冷式熱交換部23と水冷式熱交換部7の協働により、再生用空気から効率良く水分を凝縮させて分離することができるので、除湿能力を一層向上することができる。
又、冷却水を補給する手間が省けるので、使い勝手が一層良くなる。
【0034】
〔本発明の実施形態〕
以下、図2に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の実施形態においては、除湿用ロータ2の回転方向において再生用空気通流域Arよりも下手側で除湿対象空気通流域Adよりも上手側の位置に、冷却部Cにて冷却された再生用空気の通流する冷却用空気通流域Acを設け、循環用送風機5を、電気ヒータ3における加熱作用域、再生用空気通流域Ar、冷却部Cにおける冷却作用域、冷却用空気通流域Acを順に通る循環経路Lで、再生用空気を循環させるように構成してある。除湿用ロータ2において、冷却用空気通流域Ac内に位置する部分が、冷却部Cにて冷却された再生用空気の通流により除湿用ロータ2が冷却される冷却領域2cとなる。
【0035】
除湿用ロータ2は、除湿対象空気通流域Ad、再生用空気通流域Ar及び冷却用空気通流域Acに跨る状態で、モータ8によって回転軸芯P周りに回転駆動されるように設けてある。
通流域形成部材9は、除湿用ロータ2の回転方向において、再生用空気通流域Arよりも下流側で除湿対象空気通流域Adよりも上流側に位置に、冷却用空気通流域Acを区画形成するように構成してある。
【0036】
循環用流路13は、再生用空気を、電気ヒータ3における加熱作用域、再生用空気通流域Ar、冷却部Cにおける冷却作用域、冷却用空気通流域Acを順に通る循環経路Lにて通流案内するように構成してある。
電気ヒータ3は、再生用空気の循環経路Lにおける、冷却用空気通流域Acよりも下流側で、再生用空気通流域Arよりも上流側の位置において、循環用流路13を通流する再生用空気を加熱するように設けてある。
【0037】
支持部Hは、図3に示すように、上記の参考実施形態と同様に構成して、循環経路Lにおける電気ヒータ3の加熱作用域よりも下流側で再生用空気通流域Arよりも上流側の位置に設けてある。
【0038】
冷却部Cについて説明を加える。
冷却部Cは、再生用空気を冷却水と熱交換させて冷却する水冷式熱交換部7と、冷却水を貯留する冷却水タンク17と、その冷却水タンク17から冷却水を水冷式熱交換部7に供給する冷却水供給路14と、その冷却水供給路14に設けた冷却水ポンプ18と、水冷式熱交換部7から冷却水を排出する冷却水排出路15と、水冷式熱交換部7にて分離された凝縮水を排出する凝縮水排出路16と、冷却水排出路15を通じて排出される冷却水及び凝縮水排出路16を通じて排出される凝縮水を受けて貯留する排水タンク19とを備えて構成してある。
【0039】
水冷式熱交換部7について説明を加える。
水冷式熱交換部7は、筐体31内に、2枚の隔壁32により、空気供給室33、貯水室34及び空気排出室35を、上側から順に上下方向に並ぶ状態で区画形成すると共に、複数の空気通流管36を、貯水室34を上下方向に貫通し且つ空気供給室33及び空気排出室35に連通するように、2枚の隔壁32にわたって設けて構成してある。
そして、水冷式熱交換部7を、循環用流路13における再生用空気通流域Arから冷却用空気通流域Acに至る部分の途中に、空気供給室33に循環用流路13の上流側が連通接続され、空気排出室35に循環用流路13の下流側が連通接続される状態で設けてある。
【0040】
冷却水タンク17内の冷却水を貯水室34にその下部から供給すべく、冷却水供給路14は、冷却水タンク17と貯水室34の下部とに接続してある。
貯水室34内の冷却水をオーバーフロー状態で排出すべく、冷却水排出路15は、貯水室34の上部に接続し、水冷式熱交換部7にて分離された凝縮水を排出すべく、凝縮水排出路16は、空気排出室35の底部に接続してある。
【0041】
図中の50は、空気排出室35と凝縮水排出路16との接続口を開閉するフロートであり、このフロート50は、空気排出室35の凝縮水の貯留量が所定量以下のときは、前記接続口を閉じ、所定量を越えると浮いて前記接続口を開くようになっていて、再生用空気が凝縮水排出路16に流入するのを防止しながら、空気排出室35の凝縮水が凝縮水排出路16へ流入するのを許容するようにしてある。
【0042】
又、貯水室34内の冷却水の温度を検出する温度センサ20を設けてある。
又、水冷式熱交換部7を保温して、水冷式熱交換部7から除湿対象域Rへの放熱を抑制する断熱材37、冷却水タンク17を保温して、冷却水タンク17内の冷却水の温度上昇や冷却水タンク17表面での結露を抑制する断熱材21、及び、排水タンク19を保温して、排水タンク19内に貯留されている水から除湿対象域Rへの放熱を抑制する断熱材22を設けてある。
【0043】
次に、除湿装置の作用について説明する。
除湿用送風機4の通風作用により、除湿対象域Rの除湿対象空気が、吸気口10から吸気されて除湿対象空気通流域Ad内を通過し、そこを通過するときに、除湿対象空気に含まれる水分が、除湿対象空気通流域Ad内に位置する除湿用ロータ2に保持されている吸湿剤に吸湿されて除湿され、そのように除湿された除湿空気が、吹出し口11から除湿対象域Rに吹出されて、除湿対象域Rが除湿される。
【0044】
除湿用ロータ2において、除湿対象空気通流域Adに位置して吸湿した部分が、再生用空気通流域Arに移動すると、高温低湿の再生用空気の通過によって加熱されて、除湿用ロータ2に吸湿されていた水分が放出されて、除湿用ロータ2が再生される。
除湿用ロータ2において、再生用空気通流域Arに位置して再生された部分は、昇温しているが、その部分は、冷却用空気通流域Acに移動することにより、冷却部Cでの冷却により除湿並びに降温された低温低湿の再生用空気が通過するので、冷却される。
そして、除湿用ロータ2において再生並びに冷却された部分が、除湿対象空気通流域Adへ移動して、そこで除湿対象空気に除湿作用することになる。
【0045】
再生用空気は、循環用送風機5の通風作用により、電気ヒータ3における加熱作用域、再生用空気通流域Ar、冷却部Cにおける冷却作用域、冷却用空気通流域Acを順に通る循環経路Lにて循環する。
再生用空気通流域Arを通過して高湿となった再生用空気は、水冷式熱交換部7の空気通流管36を通流するときに、貯水室34内の冷却水により冷却され、再生用空気に含まれる水分が凝縮して分離される。水冷式熱交換部7にて冷却されて水分が分離された再生用空気は冷却用空気通流域Acを通流してから、更に、電気ヒータ3にて加熱されて高温低湿状態となって再生用空気通流域Arを通流し、そこで、除湿用ロータ2に対して吸湿作用する。
水冷式熱交換部7にて再生用空気から分離された凝縮水は、水冷式熱交換部7の空気排出室35の底部から凝縮水排出路16を通じて排出され、排水タンク19に貯留される。
【0046】
従って、除湿用ロータ2再生用の熱及び除湿対象空気中の水分の凝縮熱を冷却水に吸熱させること、除湿用ロータ2の再生領域2rとなった部分に与えられた再生用の熱を、その部分が除湿領域2dになる前の冷却領域2cのときに再生用空気に対して放熱させること、水冷式熱交換部7から除湿対象域Rへの放熱が断熱材37により抑制されること、及び、排水タンク19から除湿対象域Rへの放熱が断熱材22により抑制されることの相乗効果により、除湿対象域R内の昇温を効果的に抑制することができる。
【0047】
水冷式熱交換部7の貯水室34内の冷却水は、再生用空気との熱交換により昇温するので、温度センサ20の検出温度が所定の温度に達すると、冷却水ポンプ18を作動させる。すると、冷却水タンク17内の低温の冷却水が貯水室34の下部から供給されることに伴って、貯水室34内の高温の冷却水がオーバーフロー状態で冷却水排出路15を通じて排出されるので、貯水室34内の冷却水の温度が低下する。
冷却水排出路15を通じて排出された冷却水は、排水タンク19に凝縮水と共に貯留される。
【0048】
冷却水タンク17には、例えば、水道水を貯留する。
あるいは、冷却水タンク17に、冷蔵庫等で冷やした水を貯留したり、冷却水タンク17に氷を入れて貯留冷却水を冷やすと、除湿能力を一層向上することができる。
排水タンク19内の水は、使用者が適宜捨てる。
【0049】
制御部6の制御作動について説明する。
制御部6は、温度センサ20の検出温度が予め設定した設定温度以上になると、冷却水ポンプ18を冷却水ポンプ作動用の設定時間の間作動させる。
前記冷却水ポンプ作動用の設定時間は適宜設定することができるが、例えば、貯水室34内の冷却水の略全量を冷却水タンク17内の冷却水に交換することができるように設定する。
【0050】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 除湿具Dの具体構成は、上記の各実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、ハニカム状体や多孔状体を基材として、その基材に吸湿剤を保持させる構成でも良い。
又、吸湿剤そのものを、通気可能な多孔状に成形する構成としても良い。
除湿具Dの形状も、種々に変更することができる。
吸湿剤は、空気中の水分を吸着するシリカゲル、活性アルミナ、合成ゼオライト、活性炭等の吸着剤、あるいは、空気中の水分を吸収する塩化リチウムや塩化カルシウム等の吸収剤を初め、吸湿性を有し、且つ、再生用気体による脱湿再生が可能なものであれば種々のものを採用することができる。
【0051】
(ロ) 支持部Hの具体構成は、上記の各実施形態において例示した構成に限定されるものではなく、除湿具Dを再生用空気の通過が可能な状態で循環用流路13内に支持できる構成であれば、種々の構成を採用することができる。
【0054】
(ハ) 上記の参考及び本発明の各実施形態において、排水タンク19を省略して、冷却水排出路15を通じて直接排水しても良い。
上記の本発明の実施形態において、冷却水タンク21を省略して、冷却水供給路14に水道管を接続すると共に、冷却水供給路14に開閉弁を設け、その開閉弁の操作により、水道水を冷却水として水冷式熱交換部7に供給するように構成しても良い。この場合は、冷却水を補給する手間が省けるので、使い勝手が一層良くなる。
【0055】
(ニ) 加熱手段の具体構成としては、上記の各実施形態において例示した電気ヒータ3に限定されるものではなく、例えば、ガスバーナでも良い。
(ホ) 上記の参考実施形態において、本発明の実施形態と同様に、冷却用空気通流域Acを設けても良い。
【0056】
(ヘ) 上記の各実施形態において、冷却部Cを、再生用空気を除湿対象空気通流域Adに通流させる除湿対象空気と熱交換させて冷却する空冷式熱交換部23のみで構成しても良い。
【0057】
(ト) 上記の参考実施形態においては、空冷式熱交換部23及び水冷式熱交換部7を、空冷式熱交換部23が水冷式熱交換部7よりも上流側に位置する状態で循環用流路13に設ける場合について例示したが、図5に示すように、水冷式熱交換部7が空冷式熱交換部23よりも上流側に位置する状態で循環用流路13に設けてもよい。この場合は、上流側に位置する水冷式熱交換部7で先に、再生用空気を冷却するので、参考実施形態に比べて、除湿用ロータ2再生用の熱、及び、除湿体対象空気中の水分の凝縮熱が除湿対象空気に放熱されるのを抑制することができる。従って、除湿対象域Rの昇温を一層抑制することができる。
【0058】
水冷式熱交換部7は、貯水室51と、その貯水室5を上下方向に貫通する状態で設けた複数の空気通流管52にて構成してある。
空冷式熱交換部23は、除湿対象空気を通流させる除湿対象空気通流室53と、その除湿対象空気通流室53を上下方向に貫通する状態で設けた複数の上流側空気通流管54と、その除湿対象空気通流室53を上下方向に貫通する状態で設けた複数の下流側空気通流管55にて構成してある。
【0059】
水冷式熱交換部7の空気通流管52の上端開口に連通する空気供給室56、水冷式熱交換部7の空気通流管52の下端開口と空冷式熱交換部23の上流側空気通流管54の下端開口とを連通すると共に凝縮水を貯留する凝縮水貯留室57、上流側空気通流管54の上端開口と下流側空気通流管55の上端開口とを連通する連通室58、下流側空気通流管55の下端開口に連通すると共に、凝縮水貯留室57の上方に位置して、底部に凝縮水貯留室57に連通する連通開口59aを備えた空気排出室59を設けてある。
図5中の50は、空気排出室59の連通開口59aを開閉するフロートであり、このフロート50は、空気排出室59の凝縮水の貯留量が所定量以下のときは、連通開口59aを閉じ、所定量を越えると浮いて連通開口59aを開くようになっていて、再生用空気が凝縮水貯留室57に流入するのを防止しながら、空気排出室59の凝縮水を凝縮水貯留室57へ移すように構成してある。
【0060】
そして、循環用流路13の上流側を空気供給室56に接続し、循環用流路13の下流側を空気排出室59に接続して、再生用空気が、空気供給室56、水冷式熱交換部7の空気通流管52、凝縮水貯留室57、空冷式熱交換部23の上流側空気通流管54、連通室58、下流側空気通流管55、空気排出室59を順に通流するように構成してある。
又、除湿用流路12における除湿対象空気通流域Adよりも上流側部分の途中に、除湿用空気通流室53を接続して、除湿用流路12を通流する除湿対象空気が除湿用空気通流室53を通流してから、除湿対象空気通流域Adに供給されるようにしてある。
【0061】
凝縮水貯留室57の下部と貯水室51の下部とを凝縮水供給路25にて接続し、凝縮水貯留室57に貯留されている凝縮水を冷却水として水冷式熱交換部7に供給すべく、その凝縮水供給路25に凝縮水ポンプ24を設けてある。
冷却水排出路15は、貯水室51内の冷却水としての凝縮水をオーバーフロー状態で排出すべく、貯水室51の上部に接続してある。
又、凝縮水貯留室57に貯留される凝縮水の水位が設定水位になったことを検出する水位センサ26を設けてある。
【0062】
(チ) 吸湿体の具体構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、通気可能な多孔状体を基材として、その多孔状体に吸湿剤を保持させる構成でも良い。
あるいは、吸湿剤そのものを、通気可能な多孔状に成形する構成としても良い。
吸湿体で用いる吸湿剤は、除湿具Dにおいて用いる吸湿剤と同様に、種々のものを採用することができる。
【0063】
(リ) 再生用気体としては、空気以外のものを使用しても良い。又、液状冷却媒体としては、水以外のものを使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考実施形態にかかる除湿装置の全体構成を示すブロック図
【図2】 本発明の実施形態にかかる除湿装置の全体構成を示すブロック図
【図3】 支持部の構成を示す斜視図
【図4】 除湿装置の外観図
【図5】 別実施形態にかかる冷却部の構成を示す縦断面図
【符号の説明】
2 吸湿体
2d 除湿領域
2r 再生領域
3 加熱手段
4 除湿用送風手段
5 循環用送風手段
C 冷却手段
D 可搬式の除湿体
L 循環経路
H 支持部
R 除湿対象域
Claims (1)
- 通気可能に構成された吸湿体が、その一部が除湿対象空気の通流する除湿領域となり、他部が再生用気体の通流する再生領域となり、且つ、各部が前記除湿領域と前記再生領域とに順次代わるように設けられ、
除湿対象域から除湿対象空気を吸気して、前記吸湿体の除湿領域を通過させた後に除湿対象域に送気する除湿用送風手段と、
前記再生用気体を加熱する加熱手段の加熱作用域、前記再生領域、前記再生用気体を冷却してその再生用気体に含まれる水分を凝縮させて分離する冷却手段の冷却作用域の順に通る循環経路で、前記再生用気体を循環させる循環用送風手段とが設けられた除湿装置であって、
吸湿作用すると共に前記再生用気体の通流により脱湿再生可能な可搬式の除湿体を再生のために着脱自在に支持する支持部が、前記再生用気体が通流するように設けられ、
前記支持部が、前記循環経路における前記加熱手段の加熱作用域よりも下流側で前記再生領域よりも上流側の位置に設けられ、
前記吸湿体としての除湿用ロータが、前記除湿領域、前記再生領域、及び、前記冷却手段にて冷却された再生用空気の通流により前記除湿用ロータが冷却される冷却領域に跨る状態で回転されるように設けられており、
前記循環用送風手段が、前記加熱手段の加熱作用域、前記再生領域、前記冷却手段の冷却作用域、前記冷却領域の順に通る循環経路で、再生用気体を循環させるように構成されている除湿装置。
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