JP3916267B2 - 染毛化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、染毛化粧料に関する。更に詳しくは、本発明は、繰り返し使用することにより白髪を徐々に目立たなくしたり、黒髪に色をつけて明暗を賦与したり、また微妙な色の変化を楽しめるようにする毛髪化粧料であって、染着力、コンディショニング効果に優れ、頭皮や手に対する色移りが少なく、毛髪を傷めたり、頭皮にかぶれなどを生じさせない安全な酸性染毛化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、消費者の意識として、白髪が自然に黒髪に変わったように白髪を徐々に目立たなくしたい、あるいは黒髪を少しずつ明るくしたい、髪色のニュアンスを変えたい等の要望が高くなってきている。
【0003】
この要望に応えるために、少量の酸性染料を含み、リンスのように使うことができ、少しずつ白髪や黒髪を着色するタイプの染毛剤が上市されている。このような染毛剤は、酸性染料とベンジルアルコールのような芳香族アルコール系の浸透促進剤と有機酸とを組み合わせ、界面活性剤として陰イオン性活性剤を使用し、酸性染料を毛髪に低pHで浸透させるタイプのものである。なお、ここで界面活性剤として陰イオン性界面活性剤を使用するのは、通常の酸性染料を用いた染毛剤では酸性染料が負の電荷をもっているため、正の電荷を有する陽イオン界面活性剤を使用すると、染料と界面活性剤がコンプレックスを形成して毛髪中に浸透しなくなり、染着力が著しく阻害されるためである。
【0004】
しかしながら、陰イオン性界面活性剤を用いると、コンディショニング効果が不十分となり、すすぎ時や乾燥時の毛髪のなめらかさやすべり性が不満足なものとなるという問題があった。
【0005】
一方、酸性染料を使用した従来の染毛化粧料のコンディショニング効果を改善する目的で、スクワレン等を含有させた染毛用組成物が開示されている(特開平2−91015号公報)。しかし、このコンディショニング効果も通常のリンスあるいはトリートメントに比べると感触的にまだ不十分であり、使用者が満足するまでに至っていない。
【0006】
これに対して本出願人は先に特開平5−229919号公報において、酸性染料を使用した従来の染毛化粧料のコンディショニング効果を補うべく、アルキルアミンオキサイド系の界面活性剤と低HLBの油剤などからなる毛髪化粧料を提案した。また、特開平5−246831号公報において、特定の非イオン性界面活性剤を含有する染色剤組成物を提案した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、酸性染料を使用した染毛化粧料について、さらに染色性を高め、またコンディショニング効果も高めて使用後の感触を向上させることが望まれていた。
【0008】
本発明はこのような従来技術の課題を解決しようとするものであり、酸性染料を毛髪に浸透させやすくして染色性を高め、かつ、使用後の感触を著しく向上させ得る染毛化粧料を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アミンオキサイド系界面活性剤と酸性染料とに加えて、更に特定の液晶形成性両親媒性化合物を組み合わせることにより、アミンオキサイド系界面活性剤と複合体を形成した染料を毛髪に浸透させやすくし、それにより染色性を高め、かつ、コンディショニンング効果も大きく高め、乾燥後の毛髪の感触を著しく改善できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)アミンオキサイド系界面活性剤、
(B)フィタントリオール、
(C)酸性染料、
を含有し、且つpHが2〜6であることを特徴とする酸性染毛化粧料を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明においては、成分(A)の界面活性剤として、陽イオン性界面活性剤又はアミンオキサイド系界面活性剤を使用する。このように陽イオン性又はアミンオキサイド系の界面活性剤を使用することにより、陰イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤のみを使用した場合に比して、染毛化粧料の使用時及び使用後の感触を大きく向上させることができる。
【0013】
ここで成分(A)の陽イオン性界面活性剤としては、次の式(I)で表されるものが好ましい。
【0014】
【化1】
式(I)中、R1は炭素数8〜28のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ピリジル基又は炭素数8〜22のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立的に炭素数1〜4のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は−(CH2−CH(R5)O)mH(ここで、R5は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、mは1〜20の数である。)を示し、Xはハロゲン又は炭素数1〜2のアルキル硫酸基を示す。
【0015】
陽イオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムメタンスルフォネート、ステアリルトリメチルアンモニウムメタンスルフォネート、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化セチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化オクチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(C12〜15)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(C14〜18)ジメチルアンモニウム、塩化2−デシルテトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化2−ドデシルヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジ(2−ヘキシルデシル)ジメチルアンモニウム、塩化ジ(2−オクチルドデシル)ジメチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(2) ヤシ油アルキルメチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(15)ヤシ油アルキルメチルアンモニウム、塩化ヒドロキシエチルセチルジメチルアンモニウム等を挙げることができる。
【0016】
また、成分(A)のアミンオキサイド系界面活性剤としては、次の式(II)で表されるものが好ましい。
【0017】
【化2】
式(II)中、R6は炭素数8〜22のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はR9−(OCH2−CH(R10))m−(ここで、R9は炭素数8〜22のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R10は炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子であり、mは0〜3の数である。)であり、R7及びR8はそれぞれ独立的に炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又は−(CH2−CH(R11)O)nH(ここで、R11は炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子であり、nは1〜3の数である。)である。
【0018】
アミンオキサイド系界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド、セチルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイド、ベヘニルジメチルアミンオキサイド、ポリオキシエチレン(3)ヤシ油アルキルジメチルアミンオキサイド、ポリオキシエチレン(3)ラウリルアミンオキサイド、ラウリルポリオキシエチレンジメチルアミンオキサイド等を挙げることができる。
【0019】
これらの陽イオン性界面活性剤やアミンオキサイド系界面活性剤は、本発明の染毛化粧料中に単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
また、これら陽イオン性界面活性剤とアミンオキサイド系界面活性剤の染毛化粧料における合計の配合割合は、通常、0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。0.01重量%より少ないと、感触向上効果が不十分となり、また、10重量%より多くしても、配合量に見合う効果の増大を得ることができない。
【0021】
一方、本発明において成分(B)の両親媒性化合物は、0〜50℃、好ましくは5〜40℃、より好ましくは5〜35℃、即ち染毛化粧料の通常の使用温度を包含する温度範囲の水系において、液晶構造を形成する化合物である。この両親媒性化合物としては、非イオン性であることが好ましく、更に、1分子中に少なくとも1個の長鎖分岐アルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましい。両親媒性化合物が長鎖分岐アルキル基又はアルケニル基を有することにより染毛化粧料の使用感を向上させることができる。また両親媒性化合物としては、少なくとも2個の水酸基を有するものが好ましい。これにより、後述する好ましい液晶構造を形成しやすくなる。
【0022】
この両親媒性化合物が形成する液晶構造としては、ラメラ状液晶構造又は逆ミドル液晶構造が好ましい。即ち、ラメラ状液晶構造を形成する化合物は、その親水性基を酸性染料に向け、親油性基を毛髪側に向けて毛髪上に層状に配列するので、毛髪に酸性染料を付着させ、酸性染料が毛髪に浸透することを促進するので好ましい。また、逆ミドル液晶構造を形成する化合物は、その親水性基を内側に向けて筒状に配列し、その筒内部に酸性染料を取り込み、筒の外側の親油性基が毛髪に付着するので、毛髪に酸性染料が浸透することを促進する。
【0023】
なお、ラメラ状液晶構造の確認は、例えばザ・ジャーナル・オブ・セル・バイオロジー(The Journal of Cell Biology)、第12巻、第207〜209頁及び表面、第11巻、第10号、第579〜590頁に記載の方法でX線回析及び示差走査熱量計(DSC)を用いて行うことができる。
【0024】
ラメラ状液晶構造を形成する非イオン性両親媒性化合物としては、例えば以下に詳述する(B−1)〜(B−4)の化合物を挙げることができる。
【0025】
(B−1):次の式(1)で表わされるグリセリル化ポリオール類
【0026】
【化3】
式(1)中、Gはペンタエリスリトール、ソルビトール、マルチトール、グルコース、フルクトース及びアルキルグリコシドから選ばれるポリオールよりa個の水酸基を除いた残基であり、Aは式(2)又は(3)であり、aは1以上の数であるが前記ポリオール水酸基の総数を超えない数であり、特に1又は2が好ましい。
【0027】
【化4】
式(2)又は(3)中、R12は炭素数10〜36の分岐アルキル基又はアルケニル基である。
【0028】
なお、式(1)中のGで示されるアルキルグリコシドとしては、メチルグルコシド、エチルグルコシド、プロピルグルコシド、オクチルグルコシド、メチルマルトシド、エチルマルトシド等を挙げることができる。
【0029】
また、式(2)又は(3)中のR12としては、好ましくは炭素数16〜36の分岐アルキル基、特に好ましくは炭素数18〜24の分岐アルキル基を挙げることができる。このような分岐アルキル基の好ましい例としては、次の式(4)又は(5)で表わされる基を挙げることができる。
【0030】
【化5】
式(4)又は(5)中、p及びqはそれぞれ独立的に0〜33の整数であり、pとqの和は6〜33であり、r及びsはそれぞれ独立的に0〜31の整数であり、rとsの和は4〜31である。
【0031】
これらの分岐アルキル基の具体例としては、メチルペンタデシル基、メチルヘキサデシル基、メチルヘプタデシル(イソステアリル)基、メチルオクタデシル基、メチルベヘニル基、エチルヘキサデシル基、エチルオクタデシル基、エチルベヘニル基、ブチルドデシル基、ブチルヘキサデシル基、ブチルオクタデシル基、ヘキシルデシル基、ヘプチルウンデシル基、オクチルドデシル基、デシルドデシル基、デシルテトラデシル基、ドデシルヘキサデシル基、テトラデシルオクタデシル基等を好ましく挙げることができる。
【0032】
(B−2):次の式(6)で表わされるメチル分岐脂肪酸エステル
【0033】
【化6】
式(6)中、m及びnはそれぞれ独立的に0〜33の数を示し、mとnの和は6〜33である。ここで、mとnの和の好ましい範囲は、毛髪への付着のしやすさ及び使用感の点より10〜16である。
【0034】
なお、式(6)のメチル分岐脂肪酸エステルにおける分岐メチル基の位置はアルキル主鎖の中心近くにあることが特に好ましい。
【0035】
(B−3):次の式(7)で表わされる分岐脂肪酸グリセロ糖脂質
【0036】
【化7】
式(7)中、R13は式(8)又は(9)で表される基である。
【0037】
【化8】
式(8)又は(9)中、p及びqはそれぞれ独立的に0〜33の整数であり、pとqとの和は6〜33であり、r及びsはそれぞれ独立的に0〜31の整数であり、rとsとの和は4〜31である。
【0038】
なお、式(8)又は(9)において、pとqとの和の好ましい範囲は、毛髪への付着のしやすさ及び使用感の点より、前記式(6)のm及びnと同様に、10〜16であり、特に好ましくは14である。また、rとsとの和の好ましい範囲も、同様の観点より、6〜14であり、特に好ましくは8〜12である。
【0039】
(B−4):次の式(10)で表わされるアルキルトリスメチロール又は式(11)で表わされるアルキルトリスメチロールアミド
【0040】
【化9】
式(10)又は(11)中、R14は炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。
【0041】
以上、説明した(B−1)〜(B−4)の化合物は、水系で0〜50℃のいずれかの温度においてそれ自体ラメラ状液晶構造を保持するサーモトロピック液晶であり、水と混合するとほぼ均一にラメラ状液晶として分散するという良好な性質を有する。その場合、水と(B−1)〜(B−4)の化合物との比率は99/1〜1/99(重量比)の範囲とすればよい。
【0042】
他方、逆ミドル液晶構造を形成する非イオン性両親媒性化合物としては、例えば、次の式(12)で表わされるα−モノ(メチル分岐アルキル)グリセリルエーテルをあげることができる。
【0043】
【化10】
式(12)中、R15は炭素数9〜36のメチル分岐飽和炭化水素基であるが、特に次の式(13)で表される基が好ましい。
【0044】
【化11】
式(13)中、m及びnはそれぞれ独立的に0〜33の整数であり、mとnの和は6〜33である。
【0045】
式(12)のα−モノ(メチル分岐アルキル)グリセリルエーテルは、例えば特公昭61−26997号又は特公昭62−1368号公報に記載の方法に従って製造することができる。
【0046】
また、式(12)のα−モノ(メチル分岐アルキル)グリセリルエーテルも、上述した(B−1)〜(B−4)の化合物と同様に、0〜50℃のいずれかの温度において、水と混合すると均一な逆ミドル液晶構造を形成する。その場合、水と式(12)の化合物との比率は99/1〜1/99(重量比)の範囲とすればよい。
【0047】
以上のような成分(B)の非イオン性両親媒性化合物は、単独又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0048】
また、染毛化粧料における成分(B)の非イオン性両親媒性化合物の配合割合は、0.01〜10重量%が好ましく、特に0.1〜10重量%が好ましい。0.05重量%未満では十分な効果が得られず、10重量%を超えるとべたつきが感じられるようになる。
【0049】
本発明の染毛化粧料において、染料としては、徐々に毛髪に蓄積し、安全性が高いという点から酸性染料(成分(C))を使用する。酸性染料としては、希望する色調に応じて、公知のものを適宜選定することができる。例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色201号、赤色227号、赤色230号、赤色231号、赤色232号、橙色205号、橙色207号、黄色202号、黄色203号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、青色202号、青色203号、青色205号、かっ色201号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、橙色402号、黄色402号、黄色403号、黄色406号、黄色407号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、黒色401号をあげることができる。これらの酸性染料のなかでも、黄色4号、緑色204号、赤色2号、赤色102号、緑色3号、青色1号、青色205号、黄色403号、赤色106号、赤色201号、橙色205号、黒色401号、緑色201号又は紫色401号が好ましく、その中でもさらに黒色401号、紫色401号、橙色205号、黄色403号又は赤色106号が好ましい。これらの酸性染料は、本発明の染毛化粧料中に単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、その配合割合は、所望の色調、染着力に応じて、通常、0.01〜3重量%が好ましく、0.08〜2重量%がより好ましい。
【0050】
なお、本発明の染毛化粧料は、そのpHを2〜6、好ましくは2.5〜4に設定する。これは、pHが2未満であると、頭皮や手に対する色移りが多くなり、また、pHが6を超えると酸性染料の浸透促進効果が不十分となるためである。
【0051】
本発明の染毛化粧料には、以上の成分(A)、成分(B)及び成分(C)の他に、更に芳香族アルコール類及びその他のアルコール類、酸、有機溶剤、pH調整剤、粘度調整剤等を含有させることができる。
【0052】
このうち、芳香族アルコールと酸とは、それらを組み合わせて用いることにより、酸性染料を毛髪内に浸透させ易くするという効果を有する。
【0053】
ここで、酸としては、毛髪自体がイオン交換能を持つことから、弱酸であることが好ましい。このような弱酸の具体例としては、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、レブリン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マレイン酸、マンデル酸、リン酸等を挙げることができる。これらの弱酸は、更にそのカリウム塩、ナトリウム塩等と組み合わせ、緩衝系が構成されるようにすることがより好ましい。このような酸は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。またその配合割合としては、染毛化粧料のpHが2〜6の範囲に収まるように、0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜7重量%がより好ましいが、
また、芳香族アルコールとしては、式(14)
【0054】
【化12】
(式(14)中、R16は次式(15)
【0055】
【化13】
(式(15)中、R17は水素原子、メチル基又はメトキシ基であり、R18は結合手又は炭素数1〜3の飽和もしくは不飽和の二価の炭化水素基である。)
であり、Y及びZはそれぞれ独立的に水素原子又は水酸基であり、p、q及びrはそれぞれ独立的に0〜5の数である。但し、p=q=r=0でZ=Hの場合、及びp=q=r=0でR16=H、Z=OHの場合を除く。)
で表されるものを挙げることができる。
【0056】
式(14)の芳香族アルコールの具体例としては、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p−アニシルアルコール、p−メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2−ベンジロキシエタノール等を挙げることができる。これらの芳香族アルコールは、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。またその配合割合は、通常、染毛化粧料の1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましい。1重量%より少ないと酸性染料の浸透促進効果が不十分となり、一方、20重量%を超えると頭皮や皮膚に対する酸性染料の色移りが多くなる。
【0057】
この他、本発明の染毛化粧料に含有させることのできるアルコール類としてはは、毛髪化粧料中での芳香族アルコールの溶解性を高めるために用いる公知の低級アルコール、低級ポリオールをあげることができる。このような低級アルコール、低級ポリオールの具体例としては、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等を挙げることができる。
【0058】
本発明の染毛化粧料中には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに必要に応じて、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤、カチオン化セルロース等の陽イオン重合体、キサンタンガム等の陰イオン重合体、両性重合体、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子、パラフィン油、ラノリン、シリコーン油等の油剤、殺菌剤、育毛養毛剤、防腐剤、抗フケ剤、香料等の一般の化粧品中に通常許容されうる成分を含有させることができる。
【0059】
本発明の染毛化粧料は以上のような各成分を常法により混合することにより製造することができる。また、その使用方法としては、リンスと同様に使用することができる。
【0060】
以上説明したように、本発明の染毛化粧料は、酸性染料と、陽イオン性あるいはアミンオキサイド系界面活性剤と、特定の液晶形成性両親媒性化合物とを含有するので、酸性染料と陽イオン性あるいはアミンオキサイド系界面活性剤とから形成された複合体が毛髪に浸透しやすくなる。したがって、本発明の染毛化粧料は優れた染色性を有するものとなる。また、コンディショニング効果も高く、染毛化粧料の使用時及び使用後に優れた感触を得られるようになる。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0062】
実施例1、参考例1〜8及び比較例1〜3
表1〜表3に示す組成の染毛化粧料を調製し、各染毛化粧料を用いて以下の染毛方法にしたがって染毛し、そのときの染着性及びコンディショニング効果について以下のように評価試験を行った。この結果を表1〜表3に示す。
【0063】
染毛方法
重さ1gのヤギ毛の毛束を市販のシャンプー液で洗浄し、十分にすすぎ、タオル上で余分の水を拭き取った。次いで、実施例及び比較例の各染毛化粧料を約0.3g塗布し、均一に伸ばし、その後5分間放置し、温水で十分にすすぎ、乾燥した。この処理を計3回繰り返した。
【0064】
染着性
ミノルタ社製のCR200型色彩色差計で測色を行い、元の髪からの色差(△E)を求めた。△Eが大きいほど染着性が高いことを示している。そして、△Eが20以上のものを○、20未満15以上のものを△、15未満のものを×と評価した。
【0065】
コンディショニング効果
女性パネラー10名により、仕上がりの感触について、良い(5点)、やや良い(4点)、どちらともいえない(3点)、やや悪い(2点)、悪い(1点)の5段階の点数評価を行い、その平均点をとった。そして、平均点が4点以上を◎、4未満3以上を○、3未満2以上を△、2未満を×と評価した。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
表1〜表3から、成分(C)の酸性染料の他に、成分(A)及び成分(B)の双方を含有する実施例1の染毛化粧料は、染色性もコンディショニング効果も優れているが、成分(A)を欠く比較例2はコンディショニング効果が劣っており、成分(B)を欠く比較例1は染色性が劣っている。また、成分(A)及び成分(B)の双方を欠く比較例3はコンディショニング効果が特に劣っていることがわかる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、染色性が高く、かつ、使用後の感触が著しく向上した染毛化粧料を得ることができる。
Claims (2)
- 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)アミンオキサイド系界面活性剤、
(B)フィタントリオール、
(C)酸性染料、
を含有し、且つpHが2〜6であることを特徴とする酸性染毛化粧料。 - 成分(A)を0.01〜10重量%、成分(B)を0.01〜10重量%含有する請求項1記載の酸性染毛化粧料。
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