JP3915885B2 - 半導体部品用シリコーン接着剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体部品用シリコーン接着剤に関し、特に、半導体ペレットとタブ等の半導体ペレット取付部材を接合するためのシリコーン接着剤(ダイボンド剤)に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
半導体装置は、例えば、シリコンからなる半導体ペレットがその支持体であるタブ等の半導体ペレット取付部材にエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の接着剤(ダイボンド剤)等により接合され、更に半導体ペレットと金属製リードフレームを電気的に接合し、これらの一体化物がエポキシ樹脂などの封止樹脂により封止されてなる構造体である。このように、半導体装置は各種の素材により構成されているので、封止樹脂による封止時の加熱、又は半導体ペレットの温度上昇に伴う素材の熱膨張率の差や機械的応力に起因する内部歪の増大により、半導体ペレットや封止樹脂にクラックが発生し、半導体装置としての性能に変動をきたし、その信頼性が低下するという欠点があった。
【0003】
特に、最近は半導体ペレットの集積度や実装密度の向上が要求されており、それに伴って半導体ペレットの大型化により内部歪が助長され、また半導体装置の熱伝導性、加工性の向上及びコスト低下のため、タブ等の半導体ペレット取付部材、リードフレーム材料においても、熱膨張係数の比較的小さいNi−Fe合金から、比較的熱膨張係数の大きい銅合金に移行する傾向にあるので、上記のような欠点が益々問題視されるようになってきた。
【0004】
即ち、シリコンの大型半導体ペレットをエポキシ樹脂やポリイミド樹脂接着剤のような従来のダイボンド剤により銅製タブに固着すると、この銅製タブと半導体ペレットとの熱膨張率の差により、応力が発生し、半導体ペレットの反りが大となり、その特性が変動し、はなはだしい場合はペレットにクラックが発生し、半導体装置としての信頼性が従来にまして低下するからである。
【0005】
従来、かかる問題点を解決するため、シリコーンゴム接着剤により半導体ペレットとタブとを接着した半導体装置が提案されている(特開昭61−5530号公報参照)。これは半導体ペレットとタブとの熱膨張率の差に起因する内部歪をシリコーンゴム弾性体により緩和しようとしたものである。
【0006】
しかしながら、シリコーンゴムには、低分子のシロキサンが存在し、これが接着等に悪影響を及ぼすことが特開昭63−293925号公報に開示されている。この低分子シロキサンを低減したタイプの付加反応硬化型シリコーンゴム組成物接着剤(特許第2882823号公報参照)も提案され、これには硬化時に発生する低分子シロキサン量が従来の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物と比較して、少ないために、接着特性が変化しにくいことが開示されている。
【0007】
しかし、上記特開昭61−5530号公報で提案された発明においては、シリコーンゴムで半導体ペレットをタブに接着した後、半導体ペレットとリードフレームとを、金線等のボンディングワイヤで接続する際に、半導体ペレットとボンディングワイヤあるいはリードフレームとボンディングワイヤとの接合性(ワイヤボンダビリティー)が低下して半導体装置の信頼性が低下するという欠点があった。また、半導体ペレット,タブ,リードフレームと封止樹脂との接着性不良による耐湿性の低下等が発生するという問題点があった。
【0008】
また、アセンブリの形態によっては、特許第2882823号公報で開示されたような一般的なシリコーン付加硬化型組成物から低分子シロキサンを除去したような組成物においては、流動性、接着耐久性、更には半田ボール接着性などの問題点を解決できなかった。
【0009】
従って、本発明の目的は、ダイボンディング後、ワイヤボンダビリティーが阻害されず、かつ、半導体ペレット,タブ,リードフレームなど半導体部材と封止樹脂との接着性不良による耐湿性を低下させないという特徴を有する、半導体ペレットと該ペレット取付部材を接合するための半導体部品用シリコーン接着剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、シリコーン接着剤に配合する充填剤として、比表面積が50m2/g以上である無定形シリカ粉末と、平均粒径が1μm以上50μm以下の酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる少なくとも1種とを接着剤全体の30〜75重量%となるように使用することにより、低膨張であるため、通常の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物と比較して、ワイヤボンダビリティーが低下せず、熱膨張係数が異なる半導体部品とリードフレームを接着一体化しても両者の間に発生する応力を吸収、緩和することが可能であるため、半導体部品の屈曲、及びクラックを防止することができ、上述した問題点を一挙に解決し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記半導体部品用シリコーン接着剤を提供する。
請求項1:
(A)一分子中にアルケニル基を平均して0.5個以上含んでいるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン:100重量部、
(B)一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が0.5/1.0〜4.0/1.0となる量、
(C)白金族金属系触媒:(A)成分に対して白金族金属換算で0.1〜1,000ppmとなる量、
(D)接着促進剤:ケイ素原子に直結した水素原子を有しかつケイ素原子の数が10以下である化合物以外の接着促進剤:0.5〜20重量部、及び
(E)比表面積が50m 2 /g以上である無定形シリカ粉末と、平均粒径が1μm以上50μm以下の酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる少なくとも1種とからなる充填剤:接着剤全体の30〜75重量%となる量
を含有する半導体部品用シリコーン接着剤。
請求項2 :
(D)成分が、一分子中にヒドロシリル基を少なくとも1個含み、かつアルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水物基、アクリル基から選択される基を1種以上含み、ケイ素原子の数が10を超える有機ケイ素化合物、及び、分子中にヒドロシリル基を含まず、アルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水物基、アクリル基から選択される基を1種以上含み、ケイ素原子の数が20〜40の有機ケイ素化合物から選ばれる接着促進剤である請求項1記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
請求項3:
(D)成分の有機ケイ素化合物がオルガノポリシロキサンである請求項2に記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
請求項4:
(B)一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、分子鎖末端にヒドロシリル基を含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び分子鎖末端に少なくとも1個のヒドロシリル基を含みかつケイ素原子の数が10以上であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの1種以上から選択される請求項1乃至3のいずれか1項記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
請求項5:
充填剤として、比表面積が100〜400m 2 /gで、かつ平均粒径が0.005〜0.1μmである無定形シリカ粉末と、平均粒径が1μm以上50μm以下の酸化アルミニウム粉末とを含有してなり、これら充填剤の配合割合が接着剤全体の30〜75重量%であることを特徴とする半導体部品用シリコーン接着剤。
請求項6:
(A)一分子中にアルケニル基を平均して0.5個以上含んでいるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン:100重量部、
(B)一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が0.5/1.0〜4.0/1.0となる量、
(C)白金族金属系触媒:(A)成分に対して白金族金属換算で0.1〜1,000ppmとなる量、
(D)接着促進剤:0〜20重量部、及び
(E)請求項5記載の充填材:接着剤全体の30〜75重量%となる量
を含有する半導体部品用シリコーン接着剤。
請求項7:
(D)成分の接着促進剤として、ケイ素原子に直結した水素原子を有しかつケイ素原子の数が10以下である化合物以外の接着促進剤0.5〜20重量部を使用する請求項6記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
請求項8:
(D)成分が、一分子中にヒドロシリル基を少なくとも1個含み、かつアルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水物基、アクリル基から選択される基を1種以上含み、ケイ素原子の数が10を超える有機ケイ素化合物、及び、分子中にヒドロシリル基を含まず、アルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水物基、アクリル基から選択される基を1種以上含み、ケイ素原子の数が20〜40の有機ケイ素化合物から選ばれる接着促進剤である請求項7記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
請求項9:
(D)成分の有機ケイ素化合物がオルガノポリシロキサンである請求項8に記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
請求項10:
(B)一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、分子鎖末端にヒドロシリル基を含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び分子鎖末端に少なくとも1個のヒドロシリル基を含みかつケイ素原子の数が10以上であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの1種以上から選択される請求項6乃至9のいずれか1項記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
【0011】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の半導体部品用シリコーン接着剤は、充填剤として、比表面積が50m2/g以上である無定形シリカ粉末と、平均粒径が1μm以上50μm以下の酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる少なくとも1種とを含有してなり、これら充填剤の配合割合が全体の30〜75重量%であることを特徴とする。
【0012】
この場合、シリコーン接着剤としては、付加反応硬化型のシリコーン組成物であることが好ましく、特には、下記成分(A)〜(E)を含有する半導体部品用シリコーン接着剤を用いることが好ましい。
(A)一分子中にアルケニル基を平均して0.5個以上含んでいるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン:100重量部、
(B)一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が0.5/1.0〜4.0/1.0となる量、
(C)白金族金属系触媒:(A)成分に対して白金族金属換算で0.1〜1,000ppmとなる量、
(D)接着促進剤:0〜20重量部、及び
(E)比表面積が50m2/g以上である無定形シリカ粉末と、平均粒径が1μm以上50μm以下の酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる少なくとも1種とからなる充填剤:接着剤全体の30〜75重量%となる量。
【0013】
この点につき以下に詳述する。
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、付加硬化型シリコーン組成物の主剤(ベースポリマー)であり、平均組成式(1)
RaSiO(4-a)/2 (1)
(式中、Rは炭素数1〜20、好ましくは1〜12の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、aは1.5〜2.8の正数である。)
で示され、一分子中にアルケニル基を平均して0.5個以上含んでいるオルガノポリシロキサンである。
【0014】
上記Rで示されるケイ素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、C4F9CH2CH2基、C8F17CH2CH2基、シアノエチル基等のハロゲン置換炭化水素基、シアノ置換炭化水素基のほか、C3F7O[CF2(CF3)CF−O−]kCH2CH2基(k=0〜5の整数)等で表されるハロゲン置換ポリエーテル基で置換されたアルキル基などが挙げられる。
【0015】
また、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数であり、上記平均組成式(1)で表されるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R2SiO単位)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ単位(R3SiO1/2単位)で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであってもよく、また、分子中にこれらの単位の他にRSiO3/2単位及び/又はSiO4/2単位を含む分岐状の分子であってもよい。
【0016】
この(A)成分は、一分子中にビニル基などのアルケニル基を平均して0.5個以上、好ましくは平均して1個以上、より好ましくは平均して2個以上含んでいることが必要である。なお、このようなアルケニル基は本発明の組成物の硬化時に架橋点となるため、基本的には、このアルケニル基を一分子中に2個以上含んでいる分子が(A)成分中にないと本発明の組成物は硬化しない。従って、ここでいうアルケニル基の数は、(A)成分が一分子中にアルケニル基を0,1,2個又はそれ以上含んでいる分子の混合物である場合の平均的なアルケニル基の数であり、(A)成分が単独の化合物からなる場合には、一分子中にアルケニル基を2個以上含んでいることが必要である。
【0017】
前記のRは、基本的には前述のいずれの基であってもよいが、アルケニル基としてはビニル基が好ましく、その他の基としては置換又は非置換のアルキル基、アリール基が好ましく、特にメチル基が好ましい。耐溶剤性が必要な場合には、前記したようなフッ素置換アルキル基、フッ素置換ポリエーテル基で置換されたアルキル基などのフッ素含有基を含んだ基が好ましい。また、低温における可撓性が必要な場合には、従来から知られているように分子中に1〜10mol%程度のフェニルメチルシロキサン単位又はジフェニルシロキサン単位を導入することが有効であり、また、トリフルオロプロピルメチルシロキサン単位を5〜80mol%導入することも有効である。更には、主鎖にRSiO3/2単位を1〜5mol%程度導入することも有効であるが、分子量が大きくなるとゲル化することがあるため、2〜3mol%程度導入するのが他の特性とのバランス上最も有効であり、その場合には硬化速度も著しく改善される。なお、アルケニル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基中(即ち、前記平均組成式(1)におけるRとしての非置換又は置換の一価炭化水素基中)0.01〜20mol%、特に0.1〜10mol%とすることが好ましい。このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、組成物の硬化速度、硬化物の物性等の点から、本発明で用いるオルガノポリシロキサンは、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含んだものであることが好ましい。
【0018】
また、この式(1)のオルガノポリシロキサンは、25℃の粘度が50〜500,000cps(センチポイズ)、特に400〜100,000cpsのものが好ましく、平均重合度(重量平均重合度)は80〜1,700、特に120〜1,080程度のものが好ましい。
【0019】
このようなアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、公知の製造方法、例えば、オルガノシクロポリシロキサンと末端基となるR3SiO1/2単位を有する化合物とをアルカリ又は酸触媒の存在下で平衡化反応させることにより得られる。
【0020】
具体的には、ジメチルビニルシロキシ片末端封鎖のオルガノポリシロキサンは、例えば、トリメチルシロキシリチウムを開始剤として1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサン又はヘキサメチルシクロトリシロキサン等の環状シロキサン三量体を、加熱又はテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒の存在下の比較的低温下で開環重合し、ジメチルビニルクロロシランで中和することによって得られる。
【0021】
また、特公昭45−1070号公報に開示されているようなケイ素五配位化合物、例えば
【化1】
の存在下において、0〜50℃の温度範囲でアセトニトリル等の極性溶媒を用い、トリメチルヒドロキシルシラン等を開始剤として、3,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン等の環状シロキサン三量体を開環重合し、ジメチルビニルクロロシランで中和することによって、あるいは同様の方法において開始剤としてジメチルビニルヒドロキシルシランを用いて開環重合を酢酸で中和することによっても得られる。
【0022】
更に、(A)成分の製造方法としては、上記の方法のようにアルケニル基含有シロキシ基で片末端封鎖されたオルガノポリシロキサンのみが合成される方法だけでなく、複数種のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンの混合物として合成される方法もある。このような合成方法としては、例えば、末端基となるCH2=CHSi(R)2O1/2単位及び/又はR3SiO1/2単位を有する化合物と、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサンとをアルカリ触媒又は酸触媒の存在下で平衡化させる方法などがある。しかし、この方法で合成する場合には、生成する全てのアルケニル基含有オルガノポリシロキサンの構造を予め把握しておく必要がある。上記の方法で生成するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、例えば、式:
【化2】
で表されるものなどが挙げられる。式中、R’は、前記の末端基となるシロキサン単位に含まれている置換基R、又は前記環状シロキサンが有している置換基であり、アルケニル基以外の基である。具体的には、このR’は、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル基又は式:C4F9CH2CH2−、C8F17CH2CH2−等で表されるハロゲン置換炭化水素基;式:C3F7O[CF2(CF3)CF−O−]kCH2CH2−(k=0〜5の整数)等で表されるハロゲン置換ポリエーテル基で置換されたアルキル基である。また、m及びnは正の整数である。
【0023】
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を少なくとも2個含んでいる、直鎖状、分岐状、環状又は三次元網状の分子からなるシリコーンである。この(B)成分は、前記の(A)成分と反応し、架橋剤として作用するものである。
【0024】
この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均組成式(2)
R1 bHcSiO(4-b-c)/2 (2)
で示され、一分子中に少なくとも2個、好ましくは2〜200個、より好ましくは3〜100個のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)を有することが必要である。
【0025】
上記式(2)中、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、好ましくは脂肪族不飽和結合を除く、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、このR1としては、上記式(1)中のRと同様の基を挙げることができる。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくはbは1.0〜2.0、cは0.01〜1.0、b+cは1.5〜2.5である。
【0026】
一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上含有されるSiH基は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、またこの両方に位置するものであってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は、通常3〜300個、好ましくは4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが望ましい。
【0027】
式(2)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)3SiO1/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
【0028】
この(B)成分の添加量は、(A)成分中に含まれるケイ素原子に結合したアルケニル基1モルに対して、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)が通常0.5〜4.0当量(即ち、0.5〜4.0モル)となる量、好ましくは1.5〜3.5当量(1.5〜3.5モル)となる量である。この(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のSiH基(ヒドロシリル基)のモル比が、0.5当量より少ない場合には、架橋密度が少なくなりすぎ、硬化したシリコーンの耐熱性に悪影響を与える。また、4.0当量より多い場合には、脱水素反応による発泡の問題が生じたり、耐熱性に影響を与えたりする。
【0029】
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の製造方法により容易に得られる。一般的には、例えば、テトラハイドロテトラメチルシクロテトラシロキサン及び/又はオクタメチルシクロテトラシロキサンと、末端基となる(CH3)3SiO1/2単位及び/又はH(CH3)2SiO1/2単位を有する化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下、−10〜40℃程度で平衡化させることによって製造する。
【0030】
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの一分子中のケイ素原子の数が10未満の場合、蒸気圧が低いために組成物の加熱硬化時(150〜200℃)に硬化炉中に揮発、飛散してしまう。分子鎖末端にヒドロシリル基を有しない化合物は飛散しても問題は発生しないが、分子鎖末端にヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは近傍にある半導体素子への汚染などを誘発し、特に接点用の半田ボール搭載部の変色、更には半田ボールの接合不良を発生させる。
【0031】
従って、本用途に用いられる架橋剤としての(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、末端にヒドロシリル基(SiH基)を有する場合、一分子中のケイ素原子の数が10以上であることが好ましい。また、末端にヒドロシリル基を有さないオルガノハイドロジェンポリシロキサンは一分子中のケイ素原子数が10以下であっても半田ボールの接着不良は生じないが、シリコンウエハーの変色などの影響を生じるため、好ましくはこれもケイ素原子数10以上の化合物を用いることが好ましい。
【0032】
例えば、特許第2882823号公報の実施例に用いられているようなケイ素原子が4個からなるハイドロジェンポリシロキサンは、官能基を有するために硬化した接着剤中に固定されるはずであるが、実質的には半田ボールの接着阻害を起こし得る。
【0033】
(C)白金族金属系触媒
(C)成分である白金族金属系触媒は、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)との付加反応(ハイドロサイレーション)を促進させるための触媒であり、この種の付加反応触媒として公知のものである。具体的には、この(C)成分は、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム等の白金族元素から選択される金属又はこれら金属の化合物である。これらの(C)成分のうち特に好ましいものは白金系触媒であり、具体的には、例えば、白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変成物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又はアセチレンアルコール類との錯体など、従来付加硬化型シリコーン組成物の硬化触媒として用いられている化合物が挙げられる。
【0034】
この(C)成分の添加量は、希望する硬化速度に応じて適宜選択すればよいが、通常は、(A)成分に対して白金族金属量換算で0.1〜1,000ppm、好ましくは1〜200ppmの範囲とすればよい。
【0035】
(D)接着促進剤
(D)成分の接着促進剤は、本発明の接着剤に接着性を付与するための成分であり、接着剤近傍の半導体部品に影響を与えないものであれば使用が可能であるが、本発明者らは、この接着成分に関しても、一分子中にヒドロシリル基を少なくとも1個含みかつアルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水物基、アクリル基から選択される基を1種以上含み、ケイ素原子の数が10以下の化合物を接着促進剤として使用する場合は、このケイ素原子の数が10以下の化合物は、蒸気圧が低いために組成物の加熱硬化時に揮発、飛散してしまい、近傍にある半導体素子への汚染などを誘発し、特に接点用の半田ボール搭載部の変色、更には半田ボールの接合不良が発生してしまい、半田ボール脱落などの悪影響を与えることを見出し、本発明の組成物には通常の付加硬化型シリコーン接着剤に多用される下記の接着成分を使用しないことで、本発明の目的を効果的に達成できることを見出した。
【0036】
このような半田ボール脱落などの悪影響を与える接着成分としては、下記のものが挙げられる。なお、下記例でMeはメチル基を示す。
【0037】
【化3】
【0038】
一方、半田ボール脱落などの悪影響を与えない接着促進剤としては、一分子中にヒドロシリル基(即ち、SiH基)を少なくとも1個含みかつアルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水物基、アクリル基から選択される基を1種以上含み、ケイ素原子の数が10を超える有機ケイ素化合物(例えば、オルガノポリシロキサン)(好ましくはケイ素原子数が20以上、より好ましくは20〜40の有機ケイ素化合物)、あるいはヒドロシリル基を含まず、アルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水物基、アクリル基から選択される基を1種以上、好ましくは2種以上含み、ケイ素原子の数が20〜40、特に25〜35の有機ケイ素化合物(例えば、オルガノポリシロキサン)又はケイ素原子を含まない非ケイ素系有機ケイ素化合物が挙げられる。
【0039】
例えば、半田ボール脱落などの悪影響を与えない接着促進剤成分としては、以下のものが挙げられる。
【0040】
【化4】
【0041】
また、この(D)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対し、0〜20重量部の範囲であり、好ましくは0.5〜20重量部、特に0.5〜5重量部の範囲である。
【0042】
(E)充填剤
本発明において、(E)成分の充填剤は、比表面積が50m2/g以上である無定形シリカ粉末と、平均粒径が1μm以上50μm以下の酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる1種以上の粉末との2種以上の混合物であって、本発明の半導体部品用シリコーン接着剤に適当な硬度と強度と作業性、更には接着安定性を付与するための充填剤である。
【0043】
この(E)成分は、前記の(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン及び(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの熱膨張による素子などへの物理的損傷を軽減するために、BET比表面積が50m2/g以上である無定形シリカ粉末と、平均粒径が1μm以上50μm以下の酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる1種以上の粉末との2種以上を含有し、更にその配合割合が接着剤全体の30〜75重量%、特に35〜70重量%であることが重要である。ここで、その配合割合が30重量%未満であると、得られたシリコーン接着剤の熱膨張係数が半導体素子と比較して大きいため、発生する応力を十分に緩和することができず、半導体素子自体の破損などを起こしてしまう。また、その配合割合が75重量%を超えると、得られるシリコーン接着剤の熱膨張係数は、より半導体素子のそれに近くなるが、シリコーン接着剤中の充填剤の割合が多いために弾性率が上昇してしまい、発生する応力に追従できず、半導体素子自体にクラックや破損などが発生してしまう。
【0044】
本発明においては、BET比表面積が50m2/g以上、好ましくは50〜400m2/g、より好ましくは100〜300m2/gである無定形シリカ粉末(通常、平均粒径が0.005〜0.5μm、好ましくは0.01〜0.1μm程度に相当する)と、平均粒径が1〜50μm、好ましくは2〜20μm、より好ましくは5〜15μmの酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる1種以上の粉末を配合する。この場合、この平均粒径1〜50μmのシリカ粉末のBET比表面積は50m2/g未満であり、通常1〜10m2/g、特に2〜5m2/gのものである。また、本発明において、平均粒径は、例えば、レーザー光回折法による粒度分布測定により得ることができ、重量平均値(又はメジアン径)等として求めることができる。
【0045】
即ち、本発明では、充填剤として、酸化アルミニウム粉末と無定形シリカ粉末、又は、平均粒径1〜50μmのシリカ粉末と無定形シリカ粉末という2種類のフィラーを必ず配合しているため、酸化アルミニウム粉末又はシリカ粉末からなる群から選ばれた1種の充填剤を含有するシリコーン接着剤と比較して、経時によるこれら充填剤の沈降を防止することが可能であることは勿論、更に塗膜の均一性、接着耐久性の向上に特段に寄与するということも併せて見出した。
【0046】
(E)成分の充填剤のうち、平均粒径1〜50μmの酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる粉末の配合量は、(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンと(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの合計100重量部に対して40〜300重量部、特に50〜250重量部程度が好ましく、この配合量が少なすぎると得られるシリコーン接着剤の熱膨張係数が半導体素子と比較して大きいため、発生する応力を十分に緩和することができず、半導体素子自体の破損などを起こしてしまう場合があり、この配合量が多すぎると得られるシリコーン接着剤の熱膨張係数は、より半導体素子のそれに近くなるが、シリコーン接着剤中の充填剤の割合が多いために弾性率が上昇してしまい、発生する応力に追従できず、半導体素子自体にクラックや破損などが発生してしまう場合がある。
【0047】
(E)成分の充填剤のうち、BET比表面積が50m2/g以上の無定形シリカ粉末の配合量は、(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンと(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの合計100重量部に対して0.5〜10重量部、特に1〜5重量部程度が好ましく、この配合量が少なすぎると、充填剤として上記した平均粒径1〜50μmの酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる粉末と無定形シリカを併用して配合する効果が十分発揮されず、接着耐久性、塗膜の均一性に劣ったものとなる場合があり、またこの配合量が多すぎると、接着剤組成物にチキソ性が発現し、流動性、作業性に劣ったものとなる場合がある。なお、BET比表面積が50m2/g以上の無定形シリカ粉末と、平均粒径が1〜50μmの酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる粉末の配合割合は、上記と同様の理由で重量比として、1:10〜1:400、特に1:20〜1:200程度とすることが好ましい。
【0048】
また、半導体素子などの腐食を防止するために、組成物としてイオン性不純物が少ないことが必要である。例えば代表的なイオン性不純物であるナトリウムイオンや塩素イオンの含有量を5ppm以下に調整することが望ましい。更に、本発明における組成物は、半導体素子に直接触れるものであるから、誤作動の防止という観点から、(E)成分の粉末は、例えば5gの量の粉末から121℃において50mlの水で20時間で抽出されるウランイオン及びトリウムイオンのそれぞれの含有量が0.5ppm以下、好ましくは0.3ppm以下とすることが好ましい。
【0049】
このような不純物は充填剤中に含まれるものが多いことから、(E)成分のうち、例えば、シリカ粉末は、合成石英粉末を溶融させ、更に高純度化処理するか、ゾル−ゲル法により液相法から合成するなどして得たものが好適に用いられ、また酸化アルミニウム粉末は金属アルミニウム粉末を溶融して酸化させ、更に高純度化処理すること、又はゾル−ゲル法により液相法から合成することにより得られたものが好適に用いられる。また、無定形シリカ粉末は、例えば、四塩化ケイ素を酸水素炎により酸化させることにより得られたものが使用し得、使用する用途に合わせて、表面のSi−OH基を処理した処理フィラーであってもかまわない。好ましい(E)成分としては、例えば、アドマテックス社(株)製の高純度合成球状シリカSO−25R、SO−25H、及び高純度アルミナ、更に(株)日本アエロジル社製のアエロジル50、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300、アエロジルR8200などが挙げられる。
【0050】
その他の成分
本発明の半導体部品用シリコーン接着剤は、前記(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分の他に、該組成物の硬化速度、保存安定性等を調節する目的で、各種の添加剤を加えることも可能である。加えることができる添加剤としては、例えば、メチルビニルシクロテトラシロキサン等のビニル基含有オルガノポリシロキサン:トリアリルイソシアヌレート、アルキルマレエート、アセチレンアルコール、及びそのシラン変性物又はシロキサン変性物:ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、及びそれらの混合物などが挙げられる。これら添加剤の組成物中における好ましい添加量は、100〜100,000ppmである。
【0051】
半導体部品用シリコーン接着剤の製造方法
本発明の半導体部品用シリコーン接着剤を製造する場合には、前記(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の各成分を所定量配合することにより得られる。
具体的には、例えば、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を単に混合することにより得ることができ、各成分の添加順序は特に限定されない。なお、混合物製造時に熱処理工程を入れることが好ましく、この場合は、予め、(A)、(B)及び(E)成分、あるいは(A)及び(E)成分を混合し、熱処理を行うことが望ましい。熱処理温度は、通常100〜180℃で行うことができ、このような熱処理工程を導入すると、熱伝導率や粘度などの特性がより安定した組成物を得ることができる。
【0052】
本発明の接着剤は、特に半導体ペレットとタブ等の半導体ペレット取付部材とを接合するためのダイボンド剤として用いられ、その使用法は公知の方法が採用し得るが、その硬化は、例えば100〜150℃で30〜60分程度加熱硬化させる方法が好ましい。
【0053】
本発明の半導体部品用シリコーン接着剤は、低膨張であるため、通常の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物と比較して、ワイヤボンダビリティーが低下せず、熱膨張係数が異なる半導体部品とリードフレームを接着一体化しても両者の間に発生する応力を吸収、緩和することが可能であるため、半導体部品の屈曲、及びクラックを防止することができ、また、比表面積が50m2/g以上である無定形シリカ粉末と、平均粒径が1μm以上50μm以下の酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる少なくとも1種を含有しているため、組成物中の充填剤の経時による沈降も防止される。更には、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、分子鎖末端にヒドロシリル基を含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び分子鎖末端に少なくとも1個のヒドロシリル基を含みかつケイ素原子の数が10以上であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの1種以上から選択し、また接着促進剤として、ケイ素原子に直結した水素原子を有しかつケイ素原子の数が10以下である化合物を使用しないようにした場合、半田ボール搭載部の変色、半田ボールの接合不良も発生せず、半導体部品用のシリコーン接着剤として非常に有用である。
【0054】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、Meはメチル基、Viはビニル基を示す。
【0055】
[実施例1]
25℃において粘度10,000cpsのジメチルビニルシロキシ基両末端封鎖のポリジメチルシロキサン100重量部、比表面積200m2/gの無定形シリカ粉末(アエロジル200)3重量部、及び平均粒径5μmのシリカ粉末200重量部を150℃で2時間混練した。冷却後、エチニルシクロヘキサノール0.015重量部を均一に混合した後に塩化白金酸のビニルシロキサン錯体(白金含有量1重量%)0.05重量部を添加して均一に混合し、更に下記平均分子式(3)
【化5】
で示される粘度8cps(25℃)で、ケイ素原子に結合した水素原子を0.34モル/100g含有するトリメチルシロキシ基両末端封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン3重量部を均一に混合し、更に接着促進剤として分子中のケイ素原子数が平均23個である下記式(i)に示した化合物3重量部を均一に混合して、半導体部品用シリコーン接着剤を調製した。この組成物を150℃で30分間加熱し、硬化させたところ、デュロメータータイプA硬度計にて50の硬化物となり、この組成物を接着剤として半導体ペレットを取付部材(タブ)に接着させた半導体部品の接着性を評価すると共に、これを顕微鏡にて観察したところ、半田ボール搭載部のAuメッキ表面の変色は発生せず、この部分に半田ボールを搭載し、220℃にて溶着させたところ、500個搭載したが、搭載不良は発生しなかった。
【0056】
【化6】
【0057】
[実施例2]
25℃において粘度10,000cpsのジメチルビニルシロキシ基両末端封鎖のポリジメチルシロキサン100重量部、比表面積200m2/gの無定形シリカ粉末(アエロジル200)3重量部、及び平均粒径5μmの酸化アルミニウム粉末200重量部を150℃で2時間混練した。冷却後、エチニルシクロヘキサノール0.015重量部を均一に混合した後に塩化白金酸のビニルシロキサン錯体(白金含有量1重量%)0.05重量部を添加して均一に混合し、更に前記の平均分子式(3)で示される粘度8cps(25℃)で、ケイ素原子に結合した水素原子を0.34モル/100g含有するトリメチルシロキシ基両末端封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン3重量部を均一に混合し、更に接着促進剤として上記式(i)の化合物3重量部を均一に混合して、半導体部品用シリコーン接着剤を調製した。この組成物を150℃で30分間加熱し、硬化させたところ、デュロメータータイプA硬度計にて65の硬化物となり、この組成物を接着剤として半導体ペレットを取付部材(タブ)に接着させた半導体部品の接着性を評価すると共に、これを顕微鏡にて観察したところ、半田ボール搭載部のAuメッキ表面の変色は発生せず、この部分に半田ボールを搭載し、220℃にて溶着させたところ、500個搭載したが、搭載不良は発生しなかった。
【0058】
[実施例3]
25℃において粘度10,000cpsのジメチルビニルシロキシ基両末端封鎖のポリジメチルシロキサン100重量部、比表面積200m2/gの無定形シリカ粉末(アエロジルR8200)3重量部、及び平均粒径5μmのシリカ粉末200重量部を150℃で2時間混練した。冷却後、エチニルシクロヘキサノール0.015重量部を均一に混合した後に塩化白金酸のビニルシロキサン錯体(白金含有量1重量%)0.05重量部を添加して均一に混合し、更に前記の平均分子式(3)で示される粘度8cps(25℃)で、ケイ素原子に結合した水素原子を0.34モル/100g含有するトリメチルシロキシ基両末端封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン3重量部を均一に混合し、更に接着促進剤として上記式(i)の化合物3重量部を均一に混合して、半導体部品用シリコーン接着剤を調製した。この組成物を150℃で30分間加熱し、硬化させたところ、デュロメータータイプA硬度計にて50の硬化物となり、この組成物を接着剤として半導体ペレットを取付部材(タブ)に接着させた半導体部品の接着性を評価すると共に、これを顕微鏡にて観察したところ、半田ボール搭載部のAuメッキ表面の変色は発生せず、この部分に半田ボールを搭載し、220℃にて溶着させたところ、500個搭載したが、搭載不良は発生しなかった。
【0059】
[実施例4]
25℃において粘度10,000cpsのジメチルビニルシロキシ基両末端封鎖のポリジメチルシロキサン100重量部、比表面積200m2/gの無定形シリカ粉末(アエロジルR8200)3重量部、及び平均粒径5μmの酸化アルミニウム粉末200重量部を150℃で2時間混練した。冷却後、エチニルシクロヘキサノール0.015重量部を均一に混合した後に塩化白金酸のビニルシロキサン錯体(白金含有量1重量%)0.05重量部を添加して均一に混合し、更に前記の平均分子式(3)で示される粘度8cps(25℃)で、ケイ素原子に結合した水素原子を0.34モル/100g含有するトリメチルシロキシ基両末端封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン3重量部を均一に混合し、更に接着促進剤として上記式(i)の化合物3重量部を均一に混合して、半導体部品用シリコーン接着剤を調製した。この組成物を150℃で30分間加熱し、硬化させたところ、デュロメータータイプA硬度計にて65の硬化物となり、この組成物を接着剤として半導体ペレットを取付部材(タブ)に接着させた半導体部品の接着性を評価すると共に、これを顕微鏡にて観察したところ、半田ボール搭載部のAuメッキ表面の変色は発生せず、この部分に半田ボールを搭載し、220℃にて溶着させたところ、500個搭載したが、搭載不良は発生しなかった。
【0060】
[実施例5]
25℃において粘度10,000cpsのジメチルビニルシロキシ基両末端封鎖のポリジメチルシロキサン100重量部、比表面積200m2/gの無定形シリカ粉末(アエロジル200)3重量部、及び平均粒径5μmのシリカ粉末200重量部を150℃で2時間混練した。冷却後、エチニルシクロヘキサノール0.015重量部を均一に混合した後に塩化白金酸のビニルシロキサン錯体(白金含有量1重量%)0.05重量部を添加して均一に混合し、更に前記の平均分子式(3)で示される粘度8cps(25℃)で、ケイ素原子に結合した水素原子を0.34モル/100g含有するトリメチルシロキシ基両末端封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン3重量部を均一に混合し、更に接着促進剤として分子中のケイ素原子数が平均22個である下記式(ii)の化合物3重量部を均一に混合して、半導体部品用シリコーン接着剤を調製した。この組成物を150℃で30分間加熱し、硬化させたところ、デュロメータータイプA硬度計にて50の硬化物となり、この組成物を接着剤として半導体ペレットを取付部材(タブ)に接着させた半導体部品の接着性を評価すると共に、これを顕微鏡にて観察したところ、半田ボール搭載部のAuメッキ表面の変色は発生せず、この部分に半田ボールを搭載し、220℃にて溶着させたところ、500個搭載したが、搭載不良は発生しなかった。
【0061】
【化7】
【0062】
[実施例6]
25℃において粘度10,000cpsのジメチルビニルシロキシ基両末端封鎖のポリジメチルシロキサン100重量部、比表面積200m2/gの無定形シリカ粉末(アエロジル200)3重量部、及び平均粒径5μmの酸化アルミニウム粉末200重量部を150℃で2時間混練した。冷却後、エチニルシクロヘキサノール0.015重量部を均一に混合した後に塩化白金酸のビニルシロキサン錯体(白金含有量1重量%)0.05重量部を添加して均一に混合し、更に前記の平均分子式(3)で示される粘度8cps(25℃)で、ケイ素原子に結合した水素原子を0.34モル/100g含有するトリメチルシロキシ基両末端封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン3重量部を均一に混合し、更に接着促進剤として上記式(ii)の化合物3重量部を均一に混合して、半導体部品用シリコーン接着剤を調製した。この組成物を150℃で30分間加熱し、硬化させたところ、デュロメータータイプA硬度計にて65の硬化物となり、この組成物を接着剤として半導体ペレットを取付部材(タブ)に接着させた半導体部品の接着性を評価すると共に、これを顕微鏡にて観察したところ、半田ボール搭載部のAuメッキ表面の変色は発生せず、この部分に半田ボールを搭載し、220℃にて溶着させたところ、500個搭載したが、搭載不良は発生しなかった。
【0063】
[比較例1]
実施例1において充填剤として平均粒径5μmのシリカ粉末のみを用いた以外は全て実施例1と同様にして組成物を調製した。この組成物を150℃で30分間加熱し、硬化させたところ、デュロメータータイプA硬度計にて42の硬化物となり、この組成物を接着剤として半導体ペレットを取付部材(タブ)に接着させた半導体部品の接着性を評価すると共に、これを顕微鏡にて観察したところ、半田ボール搭載部のAuメッキ表面の変色は発生せず、この部分に半田ボールを搭載し、220℃にて溶着させたところ、500個搭載したが、搭載不良は発生しなかった。
【0064】
[比較例2]
実施例2において平均粒径5μmの酸化アルミニウム粉末のみを用いた以外は全て実施例2と同様にして組成物を調製した。この組成物を150℃で30分間加熱し、硬化させたところ、デュロメータータイプA硬度計にて58の硬化物となり、この組成物を接着剤として半導体ペレットを取付部材(タブ)に接着させた半導体部品の接着性を評価すると共に、これを顕微鏡にて観察したところ、半田ボール搭載部のAuメッキ表面の変色は発生せず、この部分に半田ボールを搭載し、220℃にて溶着させたところ、500個搭載したが、搭載不良は発生しなかった。
【0065】
[比較例3]
25℃において粘度10,000cpsのジメチルビニルシロキシ基両末端封鎖のポリジメチルシロキサン100重量部、平均粒径5μmのシリカ粉末400重量部、及び比表面積200m2/gの無定形シリカ粉末(アエロジル200)3重量部を150℃で2時間混練した。冷却後、エチニルシクロヘキサノール0.015重量部を均一に混合した後に塩化白金酸のビニルシロキサン錯体(白金含有量1重量%)0.05重量部を添加して均一に混合し、更に前記の平均分子式(3)で示される粘度8cps(25℃)で、ケイ素原子に結合した水素原子を0.34モル/100g含有するトリメチルシロキシ基両末端封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン3重量部を均一に混合し、更に接着促進剤として上記式(i)の化合物3重量部を均一に混合して、半導体部品用シリコーン接着剤を調製した。この組成物を150℃で30分間加熱し、硬化させたところ、デュロメータータイプA硬度計にて95の硬化物となり、この組成物を接着剤として半導体ペレットを取付部材(タブ)に接着させた半導体部品の接着性を評価すると共に、これを顕微鏡にて観察したところ、半田ボール搭載部のAuメッキ表面の変色は発生せず、この部分に半田ボールを搭載し、220℃にて溶着させたところ、500個搭載したが、搭載不良は発生しなかった。
【0066】
実施例1〜6及び比較例1〜3にて得られた半導体部品用シリコーン接着剤を使用して半導体部品を製造し、半導体素子のクラック、ワイヤボンダビリティーを下記方法で確認した。この結果を表1に示す。
評価方法
半導体素子のクラック:
顕微鏡にてクラックの有無を確認した。
ワイヤボンディング不良率:
ワイヤーボンドの溶着不良箇所を顕微鏡にて確認し、不良個数をカウントして不良率を算出した。
半田ボール搭載部の変色:
半田ボール搭載部の金メッキ部分を顕微鏡又は目視にて確認し、変色の有無を判断した。
半田ボール搭載不良個数:
半田ボール搭載部の溶着不良部(搭載不良部)を顕微鏡又は目視にて確認し、不良個数をカウントした。
充填剤の沈降:
経時において、充填剤の沈降が発生するかどうか目視にて確認した。
接着性:
顕微鏡下にて接着層(シリコーン接着剤層と半導体ペレット又は基材(タブ)との接着界面の状態)を観察し、剥離の有無を確認した。
実施例1〜6:
接着性(初期)及び180℃×500時間での促進劣化試験後の接着層の状況を確認したところ、いずれも剥離は観察されなかった。
比較例1〜3:
接着性(初期)では接着層の剥離は観察されなかったが、180℃×500時間での促進劣化試験後ではいずれも剥離が観察された。
これは比較例1及び2では無定型シリカが添加されていないことによる接着力の低下が原因と推測される。比較例3では結晶性シリカの含有量が多すぎるため硬度が高くなってしまい、発生した応力を緩和できなかったためと推測される。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】
本発明の半導体部品用シリコーン接着剤は、低膨張であるため、通常の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物と比較して、ワイヤボンダビリティーが低下せず、熱膨張係数が異なる半導体部品とリードフレームを接着一体化しても両者の間に発生する応力を吸収、緩和することが可能であるため、半導体部品の屈曲、及びクラックを防止することができ、また、比表面積が50m2/g以上である無定形シリカ粉末と、平均粒径が1μm以上50μm以下の酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる少なくとも1種を含有しているため、組成物中の充填剤の経時による沈降も防止される。更には、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、分子鎖末端にヒドロシリル基を含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び分子鎖末端に少なくとも1個のヒドロシリル基を含みかつケイ素原子の数が10以上であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの1種以上から選択すること、また接着促進剤として、ケイ素原子に直結した水素原子を有しかつケイ素原子の数が10以下である化合物以外のものを使用することにより、半田ボール搭載部の変色、半田ボールの接合不良の発生を効果的に防止し得、半導体部品用のシリコーン接着剤として非常に有用である。
Claims (10)
- (A)一分子中にアルケニル基を平均して0.5個以上含んでいるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン:100重量部、
(B)一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が0.5/1.0〜4.0/1.0となる量、
(C)白金族金属系触媒:(A)成分に対して白金族金属換算で0.1〜1,000ppmとなる量、
(D)接着促進剤:ケイ素原子に直結した水素原子を有しかつケイ素原子の数が10以下である化合物以外の接着促進剤:0.5〜20重量部、及び
(E)比表面積が50m2/g以上である無定形シリカ粉末と、平均粒径が1μm以上50μm以下の酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末から選ばれる少なくとも1種とからなる充填剤:接着剤全体の30〜75重量%となる量
を含有する半導体部品用シリコーン接着剤。 - (D)成分が、一分子中にヒドロシリル基を少なくとも1個含み、かつアルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水物基、アクリル基から選択される基を1種以上含み、ケイ素原子の数が10を超える有機ケイ素化合物、及び、分子中にヒドロシリル基を含まず、アルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水物基、アクリル基から選択される基を1種以上含み、ケイ素原子の数が20〜40の有機ケイ素化合物から選ばれる接着促進剤である請求項1記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
- (D)成分の有機ケイ素化合物がオルガノポリシロキサンである請求項2に記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
- (B)一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、分子鎖末端にヒドロシリル基を含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び分子鎖末端に少なくとも1個のヒドロシリル基を含みかつケイ素原子の数が10以上であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの1種以上から選択される請求項1乃至3のいずれか1項記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
- 充填剤として、比表面積が100〜400m2/gで、かつ平均粒径が0.005〜0.1μmである無定形シリカ粉末と、平均粒径が1μm以上50μm以下の酸化アルミニウム粉末とを含有してなり、これら充填剤の配合割合が接着剤全体の30〜75重量%であることを特徴とする半導体部品用シリコーン接着剤。
- (A)一分子中にアルケニル基を平均して0.5個以上含んでいるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン:100重量部、
(B)一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が0.5/1.0〜4.0/1.0となる量、
(C)白金族金属系触媒:(A)成分に対して白金族金属換算で0.1〜1,000ppmとなる量、
(D)接着促進剤:0〜20重量部、及び
(E)請求項5記載の充填材:接着剤全体の30〜75重量%となる量
を含有する半導体部品用シリコーン接着剤。 - (D)成分の接着促進剤として、ケイ素原子に直結した水素原子を有しかつケイ素原子の数が10以下である化合物以外の接着促進剤0.5〜20重量部を使用する請求項6記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
- (D)成分が、一分子中にヒドロシリル基を少なくとも1個含み、かつアルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水物基、アクリル基から選択される基を1種以上含み、ケイ素原子の数が10を超える有機ケイ素化合物、及び、分子中にヒドロシリル基を含まず、アルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水物基、アクリル基から選択される基を1種以上含み、ケイ素原子の数が20〜40の有機ケイ素化合物から選ばれる接着促進剤である請求項7記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
- (D)成分の有機ケイ素化合物がオルガノポリシロキサンである請求項8に記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
- (B)一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、分子鎖末端にヒドロシリル基を含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び分子鎖末端に少なくとも1個のヒドロシリル基を含みかつケイ素原子の数が10以上であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの1種以上から選択される請求項6乃至9のいずれか1項記載の半導体部品用シリコーン接着剤。
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