JP3914817B2 - 荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、マスク基板上やシリコンウエハ上に電子ビームやイオンビームによって所望のパターンを描画する荷電粒子ビーム描画方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
被描画材料に照射される電子ビームの断面形状を変えながら電子ビームを偏向して所望のパターンの描画を行うようにした可変面積型電子ビーム描画装置では、電子銃から発生した電子ビームを矩形の開口を有した第1のスリットに照射し、第1のスリットを透過した電子ビームを矩形の開口を有した第2のスリットに照射するようにしている。
【0003】
この第1のスリットと第2のスリットとの間に成形偏向器を配置し、第1のスリットを透過した電子ビームを偏向することにより、任意の断面積の電子ビームを成形することができる。図1は第1のスリットの矩形開口L1(図示せず)を透過した電子ビームEB(L1)と第2のスリットの矩形開口L2との関係を示している。成形偏向器により,電子ビームEBの第2のスリットL2上の照射位置を変えることにより,斜線で示した任意の矩形断面積の電子ビームKを成形することができる。
【0004】
この成形された電子ビームを被描画材料に照射すると共に、位置決め偏向器で電子ビームを任意に偏向することにより、被描画材料上で任意のパターンを描画することができる。なお、成形された電子ビームを偏向する場合,偏向角が大きくなると偏向歪が無視できなくなる。そのため,描画領域を電子ビームの偏向歪が無視できる程度の範囲(フィールド)に分割し,フィールド単位で被描画材料を移動させ,フィールドごとに所望パターンの描画を行うようにしている。
【0005】
ところで、近年パターン描画のデザインルールがますます微小化している。この微小化に伴い、パターンの描画精度に悪影響を及ぼす近接効果について補正処理が行われている。近接効果は、被描画材料に照射された電子ビームが材料内で拡散し、近接したパターンが存在する場合、互いに拡散した電子が影響しあい、所望の描画精度が得られない現象である。
【0006】
このため、この近接効果の補正処理が行われている。この近接効果の補正処理の一例としては、電子ビーム描画領域を細分化し、細分化された領域に含まれる描画パターンの面積を求め、この面積に応じて電子ビームの材料へのショット時間を制御し、近接効果の補正を行っている。すなわち、細分化された単位領域当たりのパターン面積が大きい場合には、電子ビームのショット時間が短くされ、一定の面積以下の場合には、通常のショット時間とされる。なお、更に精密に近接効果の補正を行う場合には、特定の細分化された単位領域のパターン面積のみではなく、当該パターン領域の周囲の細分化された領域におけるパターン面積もショット時間の制御に考慮される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した近接効果の補正処理は、パターン描画の精度向上に大きく貢献できるが、パターン描画のデザインルールが更に微小化すると近接効果以外の諸々の現象が微小化に悪影響を及ぼすことが見出されてきた。この現象は、例えば、ローディング効果、フォギー効果、レジストヒーティング効果である。
【0008】
ローディング効果とは、電子ビームでパターンの描画を行った後、現像工程から、エッチング工程に移されるが、この過程において、プレート(被描画材料)面内のパターン密度(すなわち加工対象物の密度)の違いにより、エッチング速度が変化してしまう現象のことである。このローディング効果の影響範囲は、数十μmから数百μmに及ぶ。
【0009】
フォギー効果とは、プレートでの反射電子が電子ビームコラム内の各種部材で反射され、被描画材料のレジスト面に再入射する現象のことである。このフォギー効果の影響範囲は、数十mmである。
【0010】
レジストヒーティング効果とは、電子ビームが被描画材料に照射されることによって、この被描画材料が加熱され、その結果、レジストの感度が変化する現象のことである。このレジストの感度が変化すると、現像処理を適切な条件で行っても、現像されたパターン寸法が設計通りとはならなくなる。このレジストヒーティング効果の影響範囲は、数μmから数十μmである。このレジストヒーティング現象の代表的な例としては、ラインなどを描画する場合に、描画の始めの1ショットに基づくラインだけが細ることをあげることができる。
【0011】
このように、電子ビームあるいはイオンビーム描画装置では、単に近接効果の補正処理だけを行っても、パターン描画の微小化には限界があり、更に描画処理の微小化を図るためには、ローディング効果、フォギー効果、レジストヒーティング効果への対応を行わねばならない。
【0012】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、その目的は、近接効果補正にプラスして、パターン描画の更なる微小化に対応することができる荷電粒子ビーム描画方法を実現するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に基づく荷電粒子ビーム描画方法は、荷電粒子ビームを描画すべきパターンデータに応じて被描画材料にショットし、被描画材料上に所望のパターンの描画を行うと共に、描画領域を仮想的に分割し、分割された領域に含まれる描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求め、更に、該補正量を加味した荷電粒子ビームのショット時間を求め、このショット時間で当該分割された領域に荷電粒子ビームをショットし、所望パターンを描画するようにした荷電粒子ビーム描画方法において、当該分割された領域に実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられる特殊パターンデータを当該分割された領域に含まれる描画パターンデータに追加し、該特殊パターンを追加した前記描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求めるようにしたことを特徴としている。
ここで、特殊パターンとは、分割された領域に実際には描画されないがショット時間を求めるために用いられるパターンデータのことである。
【0014】
請求項1の発明においては、近接効果補正のため、描画領域を仮想的に分割し、分割された領域に含まれる描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求め、更に、該補正量を加味した荷電粒子ビームのショット時間を求め、このショット時間で当該分割された領域に荷電粒子ビームをショットし、所望パターンを描画するようにした荷電粒子ビーム描画方法において、当該分割された領域に実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられる特殊パターンデータを当該分割された領域に含まれる描画パターンデータに追加し、該特殊パターンを追加した前記描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求めるようにした。
【0015】
請求項2の発明に基づく荷電粒子ビーム描画方法は、荷電粒子ビームを描画すべきパターンデータに応じて被描画材料にショットし、被描画材料上に所望のパターンの描画を行うと共に、描画領域を仮想的に分割し、分割された領域に含まれる描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求め、更に、該補正量を加味した荷電粒子ビームのショット時間を求め、このショット時間で当該分割された領域に荷電粒子ビームをショットし、所望パターンを描画するようにした荷電粒子ビーム描画方法において、当該分割された領域に実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられる特殊パターンデータを当該分割された領域に含まれる描画パターンデータに追加し、且つ、当該分割された領域における各描画パターンの最初の部分にレジストヒーティングの影響を補正するための面積を有する特殊パターンを追加し、前記両特殊パターンを追加した前記描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求めるようにしたことを特徴としている。
【0016】
請求項2記載の発明においては、近接効果補正のため描画領域を仮想的に分割し、分割された領域に含まれる描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求め、更に、該補正量を加味した荷電粒子ビームのショット時間を求め、このショット時間で当該分割された領域に荷電粒子ビームをショットし、当該分割された領域に実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられる特殊パターンデータを当該分割された領域に含まれる描画パターンデータに追加し、且つ、当該分割された領域における各描画パターンの最初の部分にレジストヒーティングの影響を補正するための面積を有する特殊パターンを追加し、前記両特殊パターンを追加した前記描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求めるようにした。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図2は本発明を実施するための可変面積型電子ビーム描画装置の一例を示している。1は電子ビームEBを発生する電子銃であり、該電子銃1から発生した電子ビームEBは、照射レンズ2を介して第1成形スリット3上に照射される。
【0018】
第1成形スリットの開口像は、成形レンズ4により、第2成形スリット5上に結像されるが、その結像の位置は、成形偏向器6により変えることができる。第2成形スリット5により成形された像は、縮小レンズ7、対物レンズ8を経て描画材料9上に照射される。描画材料9への照射位置は、位置決め偏向器10により変えることができる。
【0019】
11は制御CPUであり、制御CPU11はパターンデータメモリー12からのパターンデータを高速データ制御ユニット13に転送する。制御ユニット13からのパターンデータは、必要なデータ変換等が行われ、各パターンデータはショット分割ユニット14に供給される。
【0020】
ショット分割ユニット14はパターンデータを一定のルールに基づいて分割処理を行う。ショット分割ユニット14で分割された各ショットデータは、成形偏向器6を制御するDA変換器や増幅器よりなる制御回路16、位置決め偏向器10を制御するDA変換器や増幅器よりなる制御回路17、ショット時間制御ユニット18を介して、電子銃1から発生した電子ビームのブランキングを行うブランカー(ブランキング電極)18を制御するブランカー制御回路20に供給される。 なお、対物レンズ8は対物レンズ制御回路21により制御される。更に、制御CPU11は、被描画材料9のフィールドごとの移動のために、材料9が載せられたステージ22の駆動回路23を制御する。なお、フィールドとは、電子ビームの偏向のみによってパターンを描画する領域をいう。
【0021】
24は近接効果補正ユニットであり、近接効果補正ユニット24には、パターンデータを小領域に仮想的に区切り、各小領域ごとにショット時間の補正量が記憶されている。このような構成の動作を次に説明する。印加電圧を制御する制御回路16、電子銃1から発生した電子ビームのブランキングを行うブランカー(ブランキング電極)17を制御するブランカー制御回路18に供給される。
【0022】
更に、制御CPU11は、材料9のフィールド毎の移動のために、材料9が載せられたステージ20の駆動回路21を制御する。図示していないが,ステージの移動量を測定するために,レーザ干渉測長器がステージ部分に設けられている。このような構成の動作を次に説明する。
【0023】
まず、基本的な描画動作について説明する。パターンデータメモリ12に格納されたパターンデータは、逐次読み出され、高速データ制御ユニット13に供給される。この高速データ制御ユニット13でパターンデータの変換等の処理が行われ、各データはショット分割ユニット14に供給される。
【0024】
ショット分割ユニット14は、定められた分割ルールに基づいてパターンデータの分割を行う。分割されたパターンデータに基づき偏向制御回路16は成形偏向器6を制御し、また、制御回路17は位置決め偏向器10を制御する。
【0025】
この結果、各パターンデータに基づき、成形偏向器6により電子ビームの断面が単位パターン形状に成形され、その単位パターンが順々に材料9上にショットされ、所望の形状のパターン描画が行われる。なお、この時、ブランカー制御回路18からブランカー17へのブランキング信号により、材料9への電子ビームのショットに同期して電子ビームのブランキングが実行される。なお、この時のショット時間は、ショット時間制御ユニット18で調整されるが、この動作は後述する。
【0026】
更に、材料9上の異なった領域(フィールド)への描画の際には、制御CPU11からステージ駆動回路23への指令により、ステージ22は所定の距離移動させられる。なお、ステージ22の移動距離は、図示していないが、レーザー測長器により監視されており、測長器からの測長結果に基づき、ステージの位置は正確に制御される。
【0027】
さて、各ショットごとの描画に際しては、電子ビームのショット時間が制御され、近接効果の補正がなされるが、この動作を次に説明する。近接効果補正ユニット24には、あらかじめパターンデータを小領域に仮想的に分割し、各分割領域ごとに含まれるパターンの密度(=パターンのトータル面積)に応じて、ショット時間の補正値が記憶されている。
【0028】
この補正値は、分割された小領域に含まれるパターンの密度が高い場合、すなわち、パターンのトータル面積が大きい場合には、ショット時間が相対的に短くなるような値とされ、逆に、分割された小領域に含まれるパターンの密度が低い場合、すなわち、パターンのトータル面積が小さい場合には、ショット時間が相対的に長くなるような値とされる。
【0029】
近接効果補正ユニット24は、ショット分割ユニット14で分割された矩形パターンに対して、その座標値からショット時間の補正値を読み出し、ショット時間制御ユニット18に供給する。この結果、ブランカー19へのブランキング信号は、近接効果を補正するに必要な補正がされた時間、電子ビームが材料9上にショットされるように制御されることになる。
【0030】
次にローディング効果補正を行う場合について説明する。ローディング効果とは、前記したように、電子ビームでパターンの描画を行った後、エッチング工程に移されるが、この過程において、プレート面内のパターン密度(すなわち加工対象物の密度)の違いにより、エッチング速度が変化してしまう現象のことである。すなわち、ユニット内のパターン密度が密であると、反応液が薄くなり、反応速度が遅くなるために充分にエッチングができない状態となる。このローディング効果の影響範囲は、数十μmから数百μmに及ぶ。
【0031】
このようなローディング効果を補正するため、描画動作を行う前に次に説明するような準備を行う。まず、パターンデータを指定単位の大きさ(例えば10×10μmの小領域でこの小領域をユニットと呼ぶ)に分割する。このユニットは、前記した近接効果補正のために仮想的に分割された小領域と等しい。この分割されたユニットにおけるローディング補正量は、自ユニットより指定半径(例えば50μm)内に存在するパターン面積を計算することによって求められる。
【0032】
この計算されたパターン面積に基づき、あらかじめ求めてあるパターン面積率対線幅補正量の換算式によって、線幅補正量を求める。なお、パターン面積率に対する線幅変動量特性fと、線幅補正量特性(fの逆の特性)f’との関係を図3に示す。このようにして求めた線幅補正量(ローディング補正量)から、電子ビームのショット時間の補正時間を求める。なお、線幅補正量に対する電子ビームのショット時間の補正時間との関係はあらかじめ求められている。
【0033】
上記した補正時間は、各ユニットごとに演算により求められ、この求められた補正時間から、ローディング効果による線幅変化を補正するだけの反射電子量を与える大きさの擬似パターンデータを作成する。この擬似パターンデータは、実パターンデータに追加されるが、この擬似パターンは、近接効果補正量の計算のために使用され、実際にはショットされないように擬似パターンデータには特殊なコマンドが付加されている。
【0034】
なお、このような擬似パターンの作成、擬似パターンデータの実パターンデータへの付加は、実際の描画動作に先だって実行される。図4は実パターンの中に擬似パターンが付加されたユニットの一例を示しており、実線で囲まれハッチングが施されたたパターンが実パターンR1,R2であり、点線で示したパターンが擬似パターンSである。図4では、擬似パターンは実パターンが存在していない領域に付加されたが、この擬似パターンは実際には描画されないため、その一部あるいは全部が実パターンと重ねて付加しても良い。
【0035】
以上のような前処理を行った後、擬似パターンデータが付加されたパターンデータを、パターンデータメモリー12から、制御CPU11を介して近接効果補正ユニット24に供給すれば、この補正ユニット24でパターンデータに基づいて、電子ビームのショット時間が演算で求められる。この近接効果補正ユニット24で求められた電子ビームのショット時間は、制御ユニット18に供給される。この結果、ブランカー19へのブランキング信号は、近接効果とローディング効果を補正するに必要な補正がされた時間、電子ビームEBが材料9上にショットされるように制御されることになる。
【0036】
次に、フォギー効果を補正する動作について説明する。フォギー効果とは、前記したように、プレートでの反射電子が電子ビームコラム内の各種部材で反射され、被描画材料のレジスト面に再入射する現象のことである。このフォギー効果の影響範囲は、数十mmである。
【0037】
このようなフォギー効果を補正するため、描画領域を単位ユニット(例えば1×1mm)に仮想的に分割し、この単位ユニット内のパターン面積を計算し、あらかじめ求めてある影響度カーブ(パターン位置対線幅)に従い、単位ユニットごとの照射補正量を求める。この照射補正量となるような特殊パターンを元のパターンデータに付加する。この場合には、単位ユニット内の補正量が、概略一定となるように、微小区画(例えば10×10μm)に1個の特殊パターンを付与することが望ましい。
【0038】
以上のような前処理を行った後、特殊パターンが付与されたパターンデータを、パターンデータメモリー12から、制御CPU11を介して近接効果補正ユニット24に供給すれば、この補正ユニット24でパターンデータに基づいて、電子ビームのショット時間が演算で求められる。近接効果補正ユニット24で求められた電子ビームのショット時間は、ショット時間制御ユニット18に供給される。この結果、ブランカー19へのブランキング信号は、近接効果とフォギー効果を補正するに必要な補正がされた時間、電子ビームEBが材料9上にショットされるように制御されることになる。
【0039】
次に、レジストヒーティング補正を行う場合について説明する。レジストヒーティングとは、電子ビームが被描画材料に照射されることによって、この被描画材料が加熱され、その結果、レジストの感度が変化する現象のことである。このレジストの感度が変化すると、現像処理を適切な条件で行っても、現像されたパターン寸法が設計通りとはならなくなる。このレジストヒーティング効果の影響範囲は、数μmから数十μmである。このレジストヒーティング現象の代表的な例としては、ラインなどを描画する場合に、描画の始めの1ショットに基づくラインだけが細ること(他ショットの熱の影響を受けないため相対的に感度が低下する)をあげることができる。
【0040】
このレジストヒーティング効果を補正するために、各描画パターンの最初の部分にショットする電子ビームのショット時間を必要量だけ増加するような特殊パターン(蓄積散乱電子量の計算、すなわち照射量計算のみに用いられ、実際にはショットされない)を付加しておく。実際の描画時には、特殊パターン位置にあたるショットの時間がレジストヒーティング効果の影響分だけ調整されることになる。
【0041】
図6は実パターンの中に、特殊パターンが付加されたユニットの例を示している。Tが実パターンで、Uが特殊パターンである。図6において、Uは近接効果補正ユニット内での散乱電子の計算においては散乱電子量を減ずるように作用する。
【0042】
上記した第1の実施の形態では、仮想的に分割された小領域(ユニット)ごとに、実パターンの中に描画されないがパターン面積の計算には用いられる擬似パターンを付加し、近接効果とローディング効果を補正する方法について説明し、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様な方法、すなわち、仮想的に分割された小領域(ユニット)ごとに、実パターンの中に描画されないがパターン面積の計算には用いられる擬似パターンを付加し、近接効果とフォギー効果を補正する方法について説明したが、擬似パターンの大きさをローディング効果とフォギー効果の両者を同時に補正する大きさとすれば、近接効果とローディング効果とフォギー効果の補正を同時に行うことができる。
【0043】
また、ローディング効果とフォギー効果の両者を同時に補正する大きさの擬似パターンを付加して、近接効果とローディング効果とフォギー効果の補正を同時に行うと共に、各描画パターンの最初の部分において、ショット時間が必要量だけ増加するような特殊パターンを付加すれば、レジストヒーティング補正を同時に行うことができる。
【0044】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はそれら実施の形態に限定されない。例えば、電子ビーム描画方法を例にして説明したが、イオンビーム描画装置にも本発明を適用することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に基づく荷電粒子ビーム描画方法は、荷電粒子ビームを描画すべきパターンデータに応じて被描画材料にショットし、被描画材料上に所望のパターンの描画を行うと共に、描画領域を仮想的に分割し、分割された領域に含まれる描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求め、更に、該補正量を加味した荷電粒子ビームのショット時間を求め、このショット時間で当該分割された領域に荷電粒子ビームをショットし、所望パターンを描画するようにした荷電粒子ビーム描画方法において、当該分割された領域に実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられる特殊パターンデータを当該分割された領域に含まれる描画パターンデータに追加し、該特殊パターンを追加した前記描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求めるようにした。
【0046】
その結果、請求項1記載の発明においては、近接効果の補正のために、描画領域を仮想的に分割し、分割された領域に含まれる描画パターンの面積から当該領域内における荷電粒子ビームのショット時間を求め、このショット時間で当該分割された領域に実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられるパターンデータ(特殊パターンデータ)を含めるようにしたので、ローディング効果やフォギー効果を補正することが可能となり、更に描画処理の微小化を図ることが可能となった。
【0047】
請求項2の発明に基づく荷電粒子ビーム描画方法は、荷電粒子ビームを描画すべきパターンデータに応じて被描画材料にショットし、被描画材料上に所望のパターンの描画を行うと共に、描画領域を仮想的に分割し、分割された領域に含まれる描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求め、更に、該補正量を加味した荷電粒子ビームのショット時間を求め、このショット時間で当該分割された領域に荷電粒子ビームをショットし、所望パターンを描画するようにした荷電粒子ビーム描画方法において、当該分割された領域に実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられる特殊パターンデータを当該分割された領域に含まれる描画パターンデータに追加し、且つ、当該分割された領域における各描画パターンの最初の部分にレジストヒーティングの影響を補正するための面積を有する特殊パターンを追加し、前記両特殊パターンを追加した前記描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求めるようにしたことを特徴としている。
【0048】
請求項2記載の発明においては、近接効果補正のため描画領域を仮想的に分割し、分割された領域に含まれる描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求め、更に、該補正量を加味した荷電粒子ビームのショット時間を求め、このショット時間で当該分割された領域に荷電粒子ビームをショットし、当該分割された領域に実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられる特殊パターンデータを当該分割された領域に含まれる描画パターンデータに追加し、且つ、当該分割された領域における各描画パターンの最初の部分にレジストヒーティングの影響を補正するための面積を有する特殊パターンを追加し、前記両特殊パターンを追加した前記描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求めるようにした。この結果、例えば、ラインなどを描画する場合に、描画の始めの1ショットに基づくラインだけが細る現象は防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】可変面積の電子ビームを成形する原理を説明する図である。
【図2】本発明を実施するための電子ビーム描画装置の一例を示す図である。
【図3】パターン面積率に対する線幅変動量特性fと、線幅補正量特性(fの逆の特性)f’との関係を示す図である。
【図4】実パターンの中に擬似パターンが付加されたユニットの一例を示した図である。
【図5】フォギー効果による面積率と線幅変動量の関係を示す図である。
【図6】実パターンの中に特殊パターンが付加されたユニットの一例を示した図である。
【符号の説明】
1 電子銃
2 照射レンズ
3 第1スリット
4 成形レンズ
5 第2スリット
6 成形偏向器
7 縮小レンズ
8 対物レンズ
9 被描画材料
10 位置決め偏向器
11 制御CPU
12 パターンデータメモリー
13 データ転送回路
14 成形偏向器制御回路
15 位置決め偏向器制御回路
16 対物レンズ制御回路
17 ブランカー
18 ブランカー制御回路
20 ステージ
21 ステージ駆動回路
Claims (5)
- 荷電粒子ビームを描画すべきパターンデータに応じて被描画材料にショットし、被描画材料上に所望のパターンの描画を行うと共に、描画領域を仮想的に分割し、分割された領域に含まれる描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求め、更に、該補正量を加味した荷電粒子ビームのショット時間を求め、このショット時間で当該分割された領域に荷電粒子ビームをショットし、所望パターンを描画するようにした荷電粒子ビーム描画方法において、当該分割された領域に実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられる特殊パターンデータを当該分割された領域に含まれる描画パターンデータに追加し、該特殊パターンを追加した前記描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求めるようにした荷電粒子ビーム描画方法。
- 荷電粒子ビームを描画すべきパターンデータに応じて被描画材料にショットし、被描画材料上に所望パターンの描画を行うと共に、描画領域を仮想的に分割し、分割された領域に含まれる描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求め、更に、該補正量を加味した荷電粒子ビームのショット時間を求め、このショット時間で当該分割された領域に荷電粒子ビームをショットし、所望パターンを描画するようにした荷電粒子ビーム描画方法において、当該分割された領域に実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられる特殊パターンデータを当該分割された領域に含まれる描画パターンデータに追加し、且つ、当該分割された領域における各描画パターンの最初の部分にレジストヒーティングの影響を補正するための面積を有する特殊パターンを追加し、前記両特殊パターンを追加した前記描画パターンの面積から当該領域内における近接効果補正量を求めるようにした荷電粒子ビーム描画方法。
- 前記実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられる特殊パターンデータは、ローディング効果を補正するための大きさの面積とされている請求項1又は2記載の荷電粒子ビーム描画方法。
- 前記実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられる特殊パターンデータは、フォギー効果を補正するための大きさの面積とされている請求項1又は2記載の荷電粒子ビーム描画方法。
- 前記実際には描画されないが、ショット時間を求めるために用いられる特殊パターンデータは、ローディング効果とフォギー効果の両者を補正するための大きさの面積とされている請求項1又は2記載の荷電粒子ビーム描画方法。
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