JP3914102B2 - 積層樹脂配線基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層樹脂配線基板の製造方法に係り、特には複数の孔部を有する板材をコア材として用いてその両面に絶縁層及び配線層を形成した積層樹脂配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気機器、電子機器等の小型化に伴い、これらの機器に搭載される配線基板等にも小型化や高密度化が要求されている。かかる市場の要求に応えるべく、配線基板の多層化技術が検討されている。また、多層化の方法としては、いわゆるコア材の表裏両面に対して絶縁層と配線層とを交互に積層一体化する、いわゆるビルドアップ法が一般的に採用される(特開2000−101245号公報参照)。
【0003】
ところで、この種のコア材には表裏両面を貫通する多数の貫通孔が透設されるとともに、その貫通孔内に充填された樹脂中には配線基板両面の配線層間を接続導通するためのビアホール導体が形成される。このようなビアホール導体を形成する場合、前もって樹脂で貫通孔を孔埋めしておく必要がある。従来においては、フィルム状絶縁樹脂材料をコア材上に積層圧着して樹脂絶縁層を形成すると同時に、フィルム状絶縁樹脂材料に由来する樹脂にて貫通孔を孔埋めするようにしている。即ち、フィルム状絶縁樹脂材料の積層圧着と同時に貫通孔を一括充填する工程を行うことにより、生産性の向上を図らんとしている。
【0004】
また、近年、小型化や高密度化の要求が強い積層樹脂配線基板の製造時には、ICチップ搭載エリアとなる基板中央部に存在する貫通孔のピッチを、基板外周部に存在する貫通孔のピッチに比べて小さく設定したコア材を用いることがある。この場合、コア材をその厚さ方向から見ると、貫通孔の密集度が相対的に高い領域(即ち基板中央部領域)と、貫通孔の密集度が相対的に低い領域(即ち基板外周部領域)とが存在した状態となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、貫通孔の密集度が部分的に異なるコア材に対して、上記の積層圧着・一括充填工程を行うと、次のような不都合が生じる。即ち、同工程を行う際に貫通孔内に落ち込む樹脂の量は、貫通孔の密集度が相対的に高い領域のほうが多く、貫通孔の密集度が相対的に低い領域のほうが少ない。従って、貫通孔の密集度が相対的に高い領域における絶縁樹脂層の層厚は、貫通孔の密集度が相対的に低い領域の絶縁樹脂層の層厚に比べて当然に薄くなる。つまり、絶縁樹脂層の層厚にばらつきが生じ、結果として絶縁樹脂層の表面に高い平坦性を付与することができなくなる。それゆえ、かかる樹脂絶縁層の外層側に配線層や別の樹脂絶縁層を精度よく形成することが困難になり、信頼性や歩留まりの低下につながってしまう。
【0006】
また、樹脂の落ち込み量が大きい領域については、樹脂絶縁層に必要厚みが確保されなくなることもありうる。よって、例えばコア材が導電性を有するいわゆるメタルコア基板等である場合には、それと配線層との間に所望の絶縁信頼性が確保されなくなる可能性もある。
【0007】
なお、これらの不都合を未然に避けるべく貫通孔の密集度にあまり大きな差を設けないような設計を行うとすると、貫通孔のレイアウトに大きな制約を受け、回路設計の自由度が小さくなる。勿論、このことは小型化や高密度化を妨げる大きな原因の1つとなる。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、コア材となる板材における孔部の形成状態に何ら影響を受けることなく、必要厚みと好適な平坦性とを有する樹脂絶縁層を確実に得ることができる積層樹脂配線基板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の課題を解決するための解決手段は、第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面のうちの少なくともいずれかに形成された複数の孔部を有し、かつ前記第1主面側から見て前記孔部の密集度が相対的に高い領域及び前記孔部の密集度が相対的に低い領域を有する板材と、前記第1主面側及び前記第2主面側に位置する複数の配線層と、前記板材と前記配線層との間に介在する樹脂絶縁層とを備える積層樹脂配線基板の製造方法であって、前記第1主面上及び前記第2主面上にフィルム状絶縁樹脂材料を積層圧着することにより層厚が必要厚みよりも大きい前記樹脂絶縁層を形成すると同時に、前記孔部の孔埋めを行う工程と、層厚が必要厚みになるまで前記樹脂絶縁層の表面を除去することにより、前記樹脂絶縁層を平坦化する工程とを含むことを特徴とする積層樹脂配線基板の製造方法をその要旨とする。
【0010】
ここで、本発明の製造方法は、前記第1主面側から見て前記孔部の密集度が相対的に高い領域及び前記孔部の密集度が相対的に低い領域を有する板材を備える積層樹脂配線基板の製造に適用されるばかりでなく、下記の特徴を有する板材を備える積層樹脂配線基板の製造に適用されてもよい。即ち本発明は、前記第1主面側から見て相対的に大径の孔部群が存在する領域及び相対的に小径の孔部群が存在する領域を有する板材や、前記第1主面側から見て単位面積あたりの前記孔部の開口率が相対的に高い領域及び単位面積あたりの前記孔部の開口率が相対的に低い領域を有する板材を備える積層樹脂配線基板の製造について適用されてもよい。
【0011】
上記の発明では、まず、第1主面上及び第2主面上にフィルム状絶縁樹脂材料を積層圧着することにより、層厚が必要厚みよりも大きい樹脂絶縁層を形成する。このとき、積層圧着時の熱・圧力等によってフィルム状絶縁樹脂材料から樹脂が浸出するとともに、その浸出した樹脂が孔部内に落ち込むことにより同時に孔部が埋められる。かかる工程を経ると、孔部内への樹脂の落ち込みによって絶縁樹脂層の厚さにばらつきが生じるが、上記発明によれば樹脂の落ち込み量が大きい領域があったとしても、当該領域における樹脂絶縁層には必要厚みが確保される。次いで、層厚が必要厚みになるまで樹脂絶縁層の表面を除去することにより、樹脂絶縁層が平坦化され、厚さばらつきも解消される。つまり、上記発明によれば、コア材となる板材における孔部の形成状態(密集度の違い、径の大きさの違い、単位面積あたりの開口率の違い等)に何ら影響を受けることなく、必要厚みと好適な平坦性とを有する樹脂絶縁層を確実に得ることができる。よって、平坦化された樹脂絶縁層上に配線層やさらに別の樹脂絶縁層を精度よく形成することが可能となり、結果として信頼性や歩留まりの向上を達成することができる。しかも上記発明によれば、孔部のレイアウト等に特に制約を受けなくなるため、回路設計の自由度が小さくなることもなく、積層樹脂配線基板の小型化や高密度化を達成するうえで好都合となる。
【0012】
ここで本発明に用いられる板材としては、例えば、樹脂板、セラミック板、金属板などが挙げられる。これらの板材は、コスト性、孔加工の容易性、導電性などを考慮して適宜選択される。
【0013】
樹脂板としては、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)等からなる板材が挙げられる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料からなる板材を使用してもよい。あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料からなる板材等を使用してもよい。
【0014】
セラミック板としては、例えば、アルミナ、ベリリア、窒化アルミニウム、窒化ほう素、炭化珪素からなる板材等がある。
【0015】
前記金属板としては、例えば、銅板や銅合金板、銅以外の金属単体や合金からなる板材などが挙げられる。銅合金としては、アルミニウム青銅(Cu−Al系)、りん青銅(Cu−P系)、黄銅(Cu−Zn系)、キュプロニッケル(Cu−Ni系)などがある。銅以外の金属単体としては、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブテンなどがある。銅以外の合金としては、ステンレス(Fe−Cr系、Fe−Cr−Ni系などの鉄合金)、アンバー(Fe−Ni系合金、36%Ni)、いわゆる42アロイ(Fe−Ni系合金、42%Ni)、いわゆる50アロイ(Fe−Ni系合金、50%Ni)、ニッケル合金(Ni−P系、Ni−B系、Ni−Cu−P系)、コバルト合金(Co−P系、Co−B系、Co−Ni−P系)、スズ合金(Sn−Pb系、Sn−Pb−Pd系)などがある。
【0016】
これらの中でも特に、アンバー、42アロイ、50アロイといったFe−Ni系合金からなる板材を金属板として用いることがよい。即ち、Fe−Ni系合金は銅よりも熱膨張係数が小さいという性質を有しているため、それを積層樹脂配線基板用の金属板として用いることにより基板全体の低熱膨張化を図ることができるからである。また、Fe−Ni系合金は銅には劣るものの好適な導電性を有しているため、配線層と接続導通することでグランド層や電源層として機能させることができ、高付加価値化に好適だからである。さらに、Fe−Ni系合金は銅には劣るものの好適な熱伝導性を有しているため、それを積層樹脂配線基板用の金属板として用いることにより高放熱化を図ることができるからである。
【0017】
前記板材において複数の孔部は、第1主面及び第2主面の両方に形成されていてもよく、第1主面または第2主面のいずれか一方に形成されていてもよい。また、かかる孔部は、第1主面と第2主面とを連通させる貫通孔(第1主面及び第2主面の両方に形成されている孔部の一態様)であってもよいほか、第1主面と第2主面を連通させない非貫通孔であってもよい。
【0018】
前記板材は、1)第1主面側から見て孔部の密集度が相対的に高い領域及び孔部の密集度が相対的に低い領域を有するもの、2)第1主面側から見て相対的に大径の孔部群が存在する領域及び相対的に小径の孔部群が存在する領域を有するもの、3)前記第1主面側から見て単位面積あたりの前記孔部の開口率が相対的に高い領域及び単位面積あたりの前記孔部の開口率が相対的に低い領域を有するもの、のうちの少なくともいずれかである必要がある。上記構成を備えた板材を用いて積層樹脂配線基板を製造する際に、本発明の解決すべき課題がはじめて発生しうるからである。つまり、いずれの場合においても、場所による樹脂落ち込み量の相違に起因して、絶縁樹脂層の層厚にばらつきが生じるからである。
【0019】
前記板材の厚さは特に限定されないが、強いて言えば150μm以上であることがよく、さらには150μm〜500μm、特には150μm〜300μmであることがよい。板材として特に金属板を用いた場合にその厚さが150μm未満であると、金属板自体の剛性が低くなる結果、製造工程中において皺や折キズが生じやすくなって取扱性が低下し、さらには歩留まりの低下につながるからである。逆に、厚さが500μmであると、剛性に関して何ら問題は生じない反面、積層樹脂配線基板が厚肉化するばかりでなく、孔加工が困難になるからである。
【0020】
ここで板材に孔部を形成する手法としては、特に限定されることはなく、従来公知の各種の孔あけ法を採用することができる。かかる手法の例としては、エッチング、レーザ加工、パンチ加工などが挙げられるが、例えば板厚が厚い金属板に対して貫通孔を形成したい場合については、エッチング(とりわけ両面同時エッチング)を採用することが望ましい。さらにはフォトエッチングを採用することが望ましく、この場合には形成される貫通孔の位置精度を高くすることができ、歩留まりの向上を図ることが可能となる。
【0021】
前記配線層は、板材における第1主面及び第2主面の両側に位置している。かかる配線層形成用の金属材料や配線層の形成手法は、導電性や樹脂絶縁層との密着性などを考慮して適宜選択されることができる。配線層形成用の金属材料の例としては、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金などが挙げられる。また、かかる配線層は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などといった公知の手法によって形成されることができる。具体的にいうと、例えば、銅箔のエッチング、無電解銅めっきあるいは電解銅めっき、無電解ニッケルめっきあるいは電解ニッケルめっきなどの手法を用いることができる。なお、スパッタやCVD等の手法により金属層を形成した後にエッチングを行うことで配線層を形成したり、導電性ペースト等の印刷により配線層を形成したりすることも可能である。
【0022】
板材と配線層との間に介在する樹脂絶縁層は、フィルム状絶縁樹脂材料を積層圧着することにより形成される。前記フィルム状絶縁樹脂材料としては、熱硬化性樹脂に無機フィラーを添加した材料を半硬化状態のフィルム状物としたものが使用される。なお、このような樹脂絶縁層形成用材料を用いて積層樹脂配線基板を製造する際に、本発明の解決すべき課題が発生しうるからである。即ち、無機または有機繊維材料製のシート材に樹脂を含浸させてなる複合材料(いわゆるプリプレグ)を用いた場合に比べ、かかるシート材を持たないフィルム状絶縁樹脂材料を用いた場合のほうが、樹脂絶縁層の厚さばらつきの発生が顕著だからである。
【0023】
前記フィルム状絶縁樹脂材料を構成する熱硬化性樹脂としては、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択されることができる。熱硬化性樹脂の好適例としては、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリエステル樹脂、けい素樹脂等が挙げられる。これらの中でも、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)を選択することが好ましい。
【0024】
例えば、エポキシ樹脂としては、いわゆるBP(ビスフェノール)型、PN(フェノールノボラック)型、CN(クレゾールノボラック)型のものを用いることがよい。特には、BP(ビスフェノール)型を主体とするものがよく、BPA(ビスフェノールA)型やBPF(ビスフェノールF)型が最もよい。
【0025】
なお、フィルム状絶縁樹脂材料を構成する樹脂は、熱硬化性のみならず併せて感光性を有していてもよい。
【0026】
前記フィルム状絶縁樹脂材料を構成する無機フィラーとしては、絶縁性を有するセラミックフィラーが好ましく、具体例としてはアルミナフィラーやシリカフィラー等がある。
【0027】
上記フィルム状絶縁樹脂材料には、熱硬化性樹脂及び無機フィラーのほか、硬化剤や脱泡剤が含まれていることがよい。硬化剤としては、無水カルボン酸系や、アミン系のものを用いることができる。また、脱泡剤としては、公知の市販品を用いることができる。
【0028】
また、板材における両主面上に形成された樹脂絶縁層の表面にはさらに樹脂絶縁層が1層または2層以上形成されていてもよく、各層の樹脂絶縁層上には配線層が形成されていてもよい。別の言い方をすると、上記の積層樹脂配線基板は、板材と配線層との間に介在する樹脂絶縁層のみを備えるものでもよいほか、板材と配線層との間及び異層の配線層間に介在する複数の樹脂絶縁層を備えるものでもよい。
【0029】
前記板材に形成される孔部が貫通孔である場合、その貫通孔内に形成される樹脂充填体にはビアホール導体が形成されることがよい。前記ビアホール導体は、第1主面側の配線層と第2主面側の配線層との間を接続導通するための構造物であり、樹脂充填体を貫通するビアホール形成用孔内にビア導体を形成してなるものである。板材が金属板である場合、前記ビアホール導体はその金属板に対して絶縁されたもの(いわゆる金属板絶縁ビアホール導体)であってもよいほか、導通接続されたもの(いわゆる金属板導通ビアホール導体)であってもよい。
【0030】
さらに、このようなビアホール導体のほか、樹脂絶縁層に形成されていて配線層と金属板との間を接続導通するビアホール導体が存在していてもよい。かかるビアホール導体があると、金属板をグランド層や電源層として機能させることが可能となるからである。前記ビアホール導体は、最も内層に位置する配線層と金属板との間を接続導通するもののみに限定されず、それよりも外層側に位置する配線層と金属板との間を接続導通するものであってもよい。
【0031】
本発明では、上記フィルム状絶縁樹脂材料を積層圧着することにより層厚が必要厚みよりも大きい樹脂絶縁層を形成する場合、同時に孔部の孔埋めを行うようにする。このような積層圧着・一括充填工程を実施した場合に、本発明の解決すべき課題がはじめて発生しうるからである。例えば、前もって孔部の樹脂埋めを行った後に樹脂絶縁層の積層圧着を行うのであれば、そもそも樹脂が落ち込むべき構造がもはや主面上に存在せず、場所による樹脂落ち込み量の相違といった事態も生じ得ないからである。
【0032】
積層圧着時の諸条件としては基本的には従来公知の条件と同様でよく、具体的には使用した熱硬化性樹脂の種類に応じて温度、時間、圧力等が適宜設定される。なお、積層圧着は真空下にて行われることが好ましく、この場合には孔部内に充填された樹脂中にボイドができにくくなる。
【0033】
積層圧着・一括充填工程においては、フィルム状絶縁樹脂材料を積層圧着して樹脂絶縁層を形成する場合、その層厚が必要厚みよりも大きくなるように設定する必要がある。ここで「層厚が必要厚みよりも大きくなるように設定」とは、樹脂落ち込み量が最大となる箇所(言い換えると積層圧着・一括充填工程を経て層厚が最小になる箇所)においても、その層厚が必要厚みよりも大きくなるように設定する、という意味である。なお「必要厚み」とは、絶縁性確保等の観点から定められた、最低限必要とされる厚みのことを意味する。
【0034】
平坦化工程を行う前の時点において前記樹脂絶縁層の層厚は、必要厚みの1.5倍以上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは2倍以上3倍以下となるように設定されることがよい。層厚が薄すぎて必要厚みと殆ど変わらないとすれば、そもそも除去すべき量が少なすぎるため、十分に平坦化を行う前に必要厚みに達してしまうからである。即ち、平坦化を行うに際しては樹脂絶縁層の表面を全体的にかつ一定厚み以上除去したほうがよいにもかかわらず、それができなくなる可能性が高いからである。逆に、層厚が必要厚みに比べて極端に厚いと、除去する厚み分が増えて材料の無駄が多くなるからである。
【0035】
積層圧着・一括充填工程後に行われる平坦化工程では、層厚が必要厚みになるまで樹脂絶縁層の表面を除去する。なお、平坦化処理は半硬化状態の樹脂絶縁層の硬化がさらに進行した後の状態にて行われてもよいが、好ましくは完全硬化状態となった後に行われることがよい。完全硬化状態にて平坦化を行ったとすれば、その後で硬化が進行して樹脂絶縁層の形状変化が起こる心配もなく、平坦化工程によって得た好適な平坦性を最終段階まで確実に維持できるからである。なおここで「平坦化」とは、樹脂絶縁層の表面の高さのばらつきを±5μm以内に収めること、好ましくは±3μm以内に収めること、特に好ましくは±1μm以内に収めることをいう。
【0036】
前記平坦化工程における樹脂絶縁層表面の除去方法としては、大別して機械的な手法と化学的な手法とがある。機械的な除去方法としては研磨ロールによる研磨、ベルトサンダーによる研磨、バフ研磨機による研磨などがあり、化学的な除去方法としてはエッチングなどがある。本発明では機械的な除去方法を選択することが望ましく、この場合には研磨面の状態の制御や層厚の制御を比較的容易に行うことができる。
【0037】
また、第1主面側の樹脂絶縁層の表面及び第2主面側の樹脂絶縁層の表面の研磨は、別々に行ってもよい(まず一方面側について行った後に他方面側について行ってもよい)ほか、同時に行ってもよい。なお、生産性の向上という観点からすると後者の方法のほうが好ましい。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態の積層樹脂配線基板(いわゆるメタルコア基板)を図1〜図12に基づき詳細に説明する。
【0039】
図1には、本実施形態の積層樹脂配線基板11が概略的に示されている。この積層樹脂配線基板11は、Fe−Ni系圧延合金の一種であるアンバーからなる金属板(以下「圧延アンバー板12」と呼ぶ。)をコア材として備えている。図1において圧延アンバー板12の上面(即ち第1主面)13及び下面(即ち第2主面)14には、それぞれビルドアップ層が形成されている。
【0040】
圧延アンバー板12の厚さは0.25mmに設定されていて、その所定箇所には上面13及び下面14を連通させる0.30mmφの金属板貫通孔15(孔部)が多数透設されている。
【0041】
図2は、多数の金属板貫通孔15を有する圧延アンバー板12を上面13側から見た概略平面図である。この圧延アンバー板12では、金属板貫通孔15の密集度が、基板中央部領域91とそれ包囲する領域(基板外周部領域92)とで異なっている。つまり、圧延アンバー板12をその厚さ方向から見た場合、基板中央部領域91においては金属板貫通孔15の形成ピッチが狭く(最小で0.5mm)、結果として金属板貫通孔15の密集度が相対的に高くなっている。これに対して、基板外周部領域92においては金属板貫通孔15の形成ピッチが広く(最小で1.0mm)、結果として金属板貫通孔15の密集度が相対的に低くなっている。なお、基板中央部領域91では単位面積あたりの金属板貫通孔15の開口率が相対的に高く、基板外周部領域92では単位面積あたりの金属板貫通孔15の開口率が相対的に低くなっている、と把握することもできる。
【0042】
上面13の側のビルドアップ層は、樹脂絶縁層21,41,61と配線層31,51とを交互に積層した構造を有している。下面14の側のビルドアップ層は、樹脂絶縁層22,42,62と配線層32,52とを交互に積層した構造を有している。即ち、本実施形態では積層樹脂配線基板11の両側において配線層31,32,51,52の層数が等しくなっている。
【0043】
第1層めの樹脂絶縁層21,22及び第2層めの樹脂絶縁層41,42は、その厚み(必要厚み)が30μmに設定されていて、無機フィラー入りのエポキシ樹脂からなる。第1層めの樹脂絶縁層21,22は、圧延アンバー板12の上面13及び下面14の上に形成されている。第2層めの樹脂絶縁層41,42は、第1層めの樹脂絶縁層21,22上にそれぞれ形成されている。なお、金属板貫通孔15内には、無機フィラー入りのエポキシ樹脂が一括充填されることにより、樹脂充填体23が形成されている。
【0044】
第1層めの配線層31,32はいずれも厚さ約15μm(15〜40μm)の銅からなり、第1層めの樹脂絶縁層21,22上にそれぞれ形成されている。第1層めの樹脂絶縁層21,22には直径70μmのビアホール形成用孔33が形成されている。ビアホール形成用孔33の内部には無電解銅めっきによりビア導体35が形成され、これによりブラインドビアホール導体34(第1のビアホール導体)が構成されている。そして、このブラインドビアホール導体34を介して、圧延アンバー板12−配線層31間、圧延アンバー板12−配線層32間がそれぞれ接続導通されている。
【0045】
第2層めの配線層51,52はいずれも厚さ約15μmの銅からなり、第2層めの樹脂絶縁層41,42上にそれぞれ形成されている。第2層めの樹脂絶縁層41,42には直径70μmのビアホール形成用孔53が形成されている。ビアホール形成用孔53の内部には無電解銅めっきによりビア導体55が形成され、これによりブラインドビアホール導体54が構成されている。そして、このブラインドビアホール導体54を介して、配線層31−配線層51間、配線層32−配線層52間がそれぞれ接続導通されている。
【0046】
最外層に位置する第3層めの樹脂絶縁層61,62は、その厚さが20μmであって、感光性エポキシ樹脂を用いて第2層めの樹脂絶縁層41,42上に形成されている。第3層めの樹脂絶縁層61,62にはビアホール形成用孔63,64が透設されている。ビアホール形成用孔63,64内には、銅めっき層、ニッケルめっき層及び金フラッシュめっき層(いずれも図示しない)という3層の導体からなるすり鉢状のパッド71,72が形成されている。パッド71の底部は第2層めの配線層51に対して接続導通されていて、パッド72の底部は第2層めの配線層52に対して接続導通されている。なお、これらのパッド71,72は、図示しないICチップやマザーボード等の接続端子に対し、はんだ付け等により接続されるようになっている。第3層めの樹脂絶縁層61,62は、ソルダレジスト層としての役割も有している。
【0047】
第1層めの樹脂絶縁層21,22及び樹脂充填体23には、それらを貫通する直径0.15mmのビアホール形成用孔25が形成されている。ビアホール形成用孔25の内部には銅めっきからなるビア導体27が形成され、その結果として金属板絶縁ビアホール導体26(第2のビアホール導体)が構成されている。金属板絶縁ビアホール導体26は、圧延アンバー板12の金属板貫通孔15の内壁面との間で絶縁を保ちつつ、上面側の配線層31,51と下面側の配線層32,52との間を接続導通している。なお、金属板絶縁ビアホール導体26は、第1層めの樹脂絶縁層21,22及び樹脂充填体23のみならず、第2層めの樹脂絶縁層41,42をも貫通するようなものであってもよい。
【0048】
そして、このような積層樹脂配線基板11に図示しないICチップ等を搭載すれば、いわゆるメタルコアパッケージを得ることができる。かかるパッケージに対して通電を行った場合、圧延アンバー板12は、ブラインドビアホール導体34を通じて所定の電位(接地電位または電源電位など)となり、グランド層または電源層として機能するようになっている。
【0049】
次に、上記構成の積層樹脂配線基板11を製造する手順について説明する。
【0050】
まず、厚さ0.25mmの圧延アンバー板12を用意して、金属板貫通孔15の形成をあらかじめ行っておく(図2参照)。
【0051】
具体的には次の手順による。まず、圧延アンバー板12の上面13及び下面14の上に、感光性レジストを形成し、露光・現像を行うことにより、所定パターンのマスクを形成する。マスクにおいて金属板貫通孔15が形成されるべき箇所には、開口部を設けておく。この状態で、Fe−Ni合金を溶解しうる従来公知のエッチャントにより圧延アンバー板12をエッチングすると、上面13及び下面14の両方から圧延アンバー板12が侵蝕され、結果として開口部のある位置に金属板貫通孔15が形成される。
【0052】
次に、積層圧着・一括充填工程を実施する。ここでは、まず、前記圧延アンバー板12の上面13及び下面14に、それぞれフィルム状絶縁樹脂材料93,94を重ね合わせるようにして配置する(図3参照)。本実施形態では、厚さ70μmであって、エポキシ樹脂にシリカフィラー、硬化剤、脱泡剤を添加した半硬化状態のフィルム状絶縁樹脂材料93,94を用いる。そして、このような積層物を真空圧着熱プレス機(図示しない)で真空下にて加圧加熱することにより、半硬化状態であったフィルム状絶縁樹脂材料93,94を完全に硬化させ、これにより樹脂絶縁層21,22を各々形成する。金属板貫通孔15内には、フィルム状絶縁樹脂材料93,94から滲出したエポキシ樹脂が落ち込んで充填される結果、樹脂充填体23が形成される(図4参照)。即ち、金属板貫通孔15が一括充填されることで完全に孔埋めされる。
【0053】
ここで本実施形態では、金属板貫通孔15内に落ち込む樹脂の量は、金属板貫通孔15の密集度が相対的に高い基板中央部領域91のほうが多く、金属板貫通孔15の密集度が相対的に低い基板外周部領域92のほうが少ない。よって、基板中央部領域91における絶縁樹脂層21,22の層厚は、基板外周部領域92の絶縁樹脂層21,22の層厚に比べて当然に薄くなる。具体的には、前者の層厚が約40μmとなり、後者の層厚が約65μmとなる。つまり、上記工程を経た時点では、絶縁樹脂層21,22の厚さにばらつきができ、基板中央部領域91に深さ25μm程度の凹部95が生じてしまう(図4参照)。ただし、最低厚み部分であったとしても、必要厚み(30μm)より10μmほど厚くなっている。
【0054】
次に、完全硬化した樹脂絶縁層21,22をベルトサンダーにて片面ずつ研磨することにより、樹脂絶縁層21,22の表面を凹凸のない平坦な状態の研磨面とする(図5参照)。なお、このような研磨は、樹脂絶縁層21,22の平均層厚がそれぞれ30μm(即ち本実施形態における必要厚み)になるまで実施する。
【0055】
次に、従来公知の手法により、上記第1層めの樹脂絶縁層21,22上に全体的に配線層形成用の銅箔83,84をラミネートする(図6参照)。次に、YAGレーザまたは炭酸ガスレーザを用いたレーザ孔あけ加工を実施することにより、第1層めの樹脂絶縁層21,22、樹脂充填体23、銅箔83,84を穿孔し、直径70μmのビアホール形成用孔25,33を形成する(図7参照)。なお、本実施形態では、圧延アンバー板12を穿孔しないような条件にレーザ出力等を設定する必要がある。
【0056】
次に、従来公知の手法によって、ビアホール形成用孔33内にビア導体35を形成し、かつビアホール形成用孔25内にビア導体27を形成する。その結果、ブラインドビアホール導体34及び金属板絶縁ビアホール導体26が形成される(図8参照)。また、従来公知の手法によって、第1層めの樹脂絶縁層21の上、及び樹脂絶縁層22の下面の上に、それぞれ第1層めの配線層31,32をパターン形成する。具体的には、無電解銅めっきの後、露光・現像を行って所定パターンのめっきレジストを形成する。この状態で無電解銅めっき層を共通電極として電解銅めっきを施した後、まずレジストを溶解除去して、さらに不要な無電解銅めっき層をエッチングで除去する。
【0057】
次に、ブラインドビアホール導体34及び金属板絶縁ビアホール導体26の内部にエポキシ樹脂を充填し、これを硬化させることにより、プラグ体28を形成する。さらに、第1層めの樹脂絶縁層21,22の上にプリプレグを介して銅箔83,84を重ね合わせ、真空熱プレスにより圧着硬化させる。その結果、第2層めの樹脂絶縁層41,42及び銅箔83,84を積層形成する(図9参照)。
【0058】
次に、YAGレーザまたは炭酸ガスレーザを用いたレーザ孔あけ加工を実施することにより、第1層めの樹脂絶縁層21,22、第2層めの樹脂絶縁層41,42、樹脂充填体23、銅箔83,84を穿孔し、直径70μmのビアホール形成用孔25,53を形成する(図10参照)。
【0059】
次に、従来公知の手法によって、ビアホール形成用孔53内にビア導体55を形成し、かつビアホール形成用孔25内にビア導体27を形成する。その結果、ブラインドビアホール導体54及び金属板絶縁ビアホール導体26が形成される(図11参照)。また、従来公知の手法によって、第2層めの樹脂絶縁層41の上、及び樹脂絶縁層42の下面の上に、それぞれ第2層めの配線層51,52をパターン形成する。具体的な形成方法としては、ブラインドビアホール導体34、金属板絶縁ビアホール導体26、第1層めの配線層31,32の形成方法と同様である。
【0060】
次に、ブラインドビアホール導体54及び金属板絶縁ビアホール導体26内にエポキシ樹脂を充填し、それを硬化させることにより、プラグ体28を形成する。その後、第2層めの樹脂絶縁層41,42の上に感光性エポキシ樹脂を被着し、露光・現像を行うことにより、ビアホール形成用孔63,64を有する第3層めの樹脂絶縁層61,62を形成する。このとき、ビアホール形成用孔63,64の底部に、それぞれ第2層めの配線層51,52を露出させる(図12参照)。
【0061】
次に、第3層めの樹脂絶縁層61,62の上に、従来公知の手法を用いて、無電解銅めっき後、エッチング処理、無電解ニッケルめっき、無電解金めっきを順次施すことにより、パッド71,72を形成する。以上の結果、図1に示す積層樹脂配線基板11が完成する。
【0062】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
【0063】
(1)本実施形態の製造方法では、積層圧着・一括充填工程を経ると、金属板貫通孔15内への樹脂の落ち込みによって絶縁樹脂層21,22の厚さにばらつきが生じる。しかしながら、樹脂の落ち込み量が大きい基板中央部領域91についても、樹脂絶縁層21,22に必要厚みを確保することができる。従って、本実施形態のようないわゆるメタルコア基板であったとしても、導電性を有する圧延アンバー板12と第1層めの配線層31,32との間に、所望の絶縁信頼性を確保することができる。
【0064】
(2)本実施形態の製造方法では、さらに層厚が必要厚みになるまで樹脂絶縁層21,22の表面を除去することにより、樹脂絶縁層21,22が平坦化され、厚さばらつきも確実に解消される。つまり、コア材となる圧延アンバー板12における金属板貫通孔15の形成状態(ここでは密集度の違い)に何ら影響を受けることなく、必要厚みと好適な平坦性とを有する樹脂絶縁層21,22を確実に得ることができる。よって、平坦化された第1層めの樹脂絶縁層21,22上に、配線層31,32,51,52や第2層め以降の樹脂絶縁層41,42,61,62を精度よく形成することが可能となる。なお、最表層に位置するパッド71,72の形成精度が向上し、パッド71,72の高さばらつきも小さくなる。以上の結果、積層樹脂配線基板11の信頼性や歩留まりの向上を達成することができる。
【0065】
(3)しかも本実施形態の製造方法によれば、金属板貫通孔15の密集度にあまり大きな差を設けないような設計を余儀なくされることもない。つまり、金属板貫通孔15のレイアウト等に特に制約を受けなくなるため、回路設計の自由度が大きくなる。ゆえに、積層樹脂配線基板11の小型化や高密度化を達成するうえで好都合となる。
【0066】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0067】
・板材に形成される孔部は、上記実施形態にて例示したようなビアホール形成箇所となる貫通孔(金属板貫通孔15)のみに限らず、それ以外のことを目的とした貫通孔であってもよいほか、非貫通孔であってもよい。
【0068】
・複数の孔部を有する板材は、上記実施形態に例示したもののほか、例えば図13に示されるものであってもよい。この図の圧延アンバー板12(板材)では、上面13(第1主面)側から見て相対的に大径の金属板貫通孔103群(孔部群)が基板外周部領域101に形成され、相対的に小径の金属板貫通孔104群(孔部群)が基板外周部領域102に存在している。
【0069】
・上記実施形態では、圧延アンバー板12(板材)をコア材として1枚のみ使用した積層樹脂配線基板11の製造方法の具体例を示した。本発明は勿論このような態様のみに限定されることはない。例えば、圧延アンバー板12(板材)を2枚またはそれ以上の枚数使用した積層樹脂配線基板の製造方法として具体化することも可能である。
【0070】
・上記実施形態では、コア材である圧延アンバー板12(板材)の上下にそれぞれ同数の樹脂絶縁層21,22,41,42,61,62及び配線層31,32,51,52を形成したが、これに限定されることはなく、上下にて異なる数にしても勿論よい。
【0071】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0072】
(1)前記樹脂絶縁層の硬化後にその表面を研磨することにより前記平坦化を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層樹脂配線基板の製造方法。
【0073】
(2)前記樹脂絶縁層の硬化後に前記第1主面側の樹脂絶縁層の表面及び前記第2主面側の樹脂絶縁層の表面を同時に研磨することにより前記平坦化を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層樹脂配線基板の製造方法。
【0074】
(3)前記フィルム状絶縁樹脂材料は、熱硬化性樹脂に無機フィラーを添加した材料を半硬化状態のフィルム状物としたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層樹脂配線基板の製造方法。
【0075】
(4)第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面を連通させる複数の金属板貫通孔を有し、前記第1主面側から見て前記金属板貫通孔の密集度が相対的に高い領域をその中央部に有し、前記金属板貫通孔の密集度が相対的に低い領域をその外周部に有する金属板と、前記第1主面側及び前記第2主面側に位置する複数の配線層と、前記金属材と前記配線層との間に介在する樹脂絶縁層と、前記樹脂絶縁層に形成され、前記配線層と前記金属板との間を接続導通する第1のビアホール導体と、前記金属板貫通孔内に充填された樹脂充填体と、前記樹脂充填体を貫通するビアホール形成用孔内に形成され、前記金属板との間で絶縁を保ちつつ前記第1主面側の配線層と前記第2主面側の配線層との間を接続導通する第2のビアホール導体とを備える積層樹脂配線基板の製造方法であって、
【0076】
前記第1主面上及び前記第2主面上に半硬化状態のフィルム状絶縁樹脂材料を積層圧着することにより層厚が必要厚みの2倍以上の厚さの前記樹脂絶縁層を形成すると同時に、前記金属板貫通孔の孔埋めを行う工程と、
【0077】
完全に硬化した前記樹脂絶縁層の表面を層厚が必要厚みになるまで研磨して除去することにより、前記樹脂絶縁層を平坦化する工程と
を含むことを特徴とする積層樹脂配線基板の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態の積層樹脂配線基板を示す部分断面概略図。
【図2】同配線基板の構成部材である圧延アンバー板(金属板貫通孔形成後の状態)を示す概略平面図。
【図3】前記圧延アンバー板にフィルム状絶縁樹脂材料を配置した状態を示す部分断面概略図。
【図4】積層圧着・一括充填工程を経た圧延アンバー板を示す部分断面概略図。
【図5】研磨処理を経て平坦化された圧延アンバー板を示す部分断面概略図。
【図6】第1層めの樹脂絶縁層及び銅箔を積層した状態を示す部分断面概略図。
【図7】第1層めの樹脂絶縁層にビアホール形成用孔を形成した状態を示す部分断面概略図。
【図8】ブラインドビアホール導体を形成した状態を示す部分断面概略図。
【図9】第2層めの樹脂絶縁層及び銅箔を積層した状態を示す部分断面概略図。
【図10】第2層めの樹脂絶縁層等にビアホール形成用孔を形成した状態を示す部分断面概略図。
【図11】ブラインドビアホール導体及び金属板絶縁ビアホール導体を形成した状態を示す部分断面概略図。
【図12】第3層めの樹脂絶縁層を形成した状態を示す部分断面概略図。
【図13】本発明を具体化した別の実施形態の積層樹脂配線基板において使用される圧延アンバー板を示す概略平面図。
【符号の説明】
11…積層樹脂配線基板
12…板材である圧延アンバー板
13…第1主面である上面
14…第2主面である下面
15,103,104…孔部としての金属板貫通孔
21,22,41,42,61,62…樹脂絶縁層
31,32,51,52…配線層
91…孔部の密集度が相対的に高い領域(単位面積あたりの孔部の開口率が相対的に高い領域)である基板中央部領域
92…孔部の密集度が相対的に低い領域(単位面積あたりの孔部の開口率が相対的に低い領域)である基板外周部領域
93,94…フィルム状絶縁樹脂材料
101…相対的に大径の孔部群が存在する領域
102…相対的に小径の孔部群が存在する領域

Claims (3)

  1. 第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面のうちの少なくともいずれかに形成された複数の孔部を有し、かつ前記第1主面側から見て前記孔部の密集度が相対的に高い領域及び前記孔部の密集度が相対的に低い領域を有する板材と、前記第1主面側及び前記第2主面側に位置する複数の配線層と、前記板材と前記配線層との間に介在する樹脂絶縁層とを備える積層樹脂配線基板の製造方法であって、
    前記第1主面上及び前記第2主面上にフィルム状絶縁樹脂材料を積層圧着することにより層厚が必要厚みよりも大きい前記樹脂絶縁層を形成すると同時に、前記孔部の孔埋めを行う工程と、
    層厚が必要厚みになるまで前記樹脂絶縁層の表面を除去することにより、前記樹脂絶縁層を平坦化する工程と
    を含むことを特徴とする積層樹脂配線基板の製造方法。
  2. 第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面のうちの少なくともいずれかに形成された複数の孔部を有し、かつ前記第1主面側から見て相対的に大径の孔部群が存在する領域及び相対的に小径の孔部群が存在する領域を有する板材と、前記第1主面側及び前記第2主面側に位置する複数の配線層と、前記板材と前記配線層との間に介在する樹脂絶縁層とを備える積層樹脂配線基板の製造方法であって、
    前記第1主面上及び前記第2主面上にフィルム状絶縁樹脂材料を積層圧着することにより層厚が必要厚みよりも大きい前記樹脂絶縁層を形成すると同時に、前記孔部の孔埋めを行う工程と、
    層厚が必要厚みになるまで前記樹脂絶縁層の表面を除去することにより、前記樹脂絶縁層を平坦化する工程と
    を含むことを特徴とする積層樹脂配線基板の製造方法。
  3. 第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面のうちの少なくともいずれかに形成された複数の孔部を有し、かつ前記第1主面側から見て単位面積あたりの前記孔部の開口率が相対的に高い領域及び単位面積あたりの前記孔部の開口率が相対的に低い領域を有する板材と、前記第1主面側及び前記第2主面側に位置する複数の配線層と、前記板材と前記配線層との間に介在する樹脂絶縁層とを備える積層樹脂配線基板の製造方法であって、
    前記第1主面上及び前記第2主面上にフィルム状絶縁樹脂材料を積層圧着することにより層厚が必要厚みよりも大きい前記樹脂絶縁層を形成すると同時に、前記孔部の孔埋めを行う工程と、
    層厚が必要厚みになるまで前記樹脂絶縁層の表面を除去することにより、前記樹脂絶縁層を平坦化する工程と
    を含むことを特徴とする積層樹脂配線基板の製造方法。
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