JP3913797B2 - パチンコ玉の移動軌跡解析方法及び移動軌跡解析装置 - Google Patents

パチンコ玉の移動軌跡解析方法及び移動軌跡解析装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機の盤面でのパチンコ玉の位置を示す位置データに基づいて、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡を解析するようにしたパチンコ玉の移動軌跡解析方法、及び上記のような解析方法を利用したパチンコ玉の移動軌跡解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコホールでは、パチンコ遊技機の出玉率の調整のために、その盤面上の釘の角度や間隔を適宜に変更するという釘調整が不可欠の作業となっている。この場合、盤面でのパチンコ玉の移動軌跡は、パチンコ遊技機の機種毎に種々異なるという一般的事情があるため、パチンコ遊技機の機種毎に異なる内容の釘調整を施す必要がある。
【0003】
このため、パチンコホールにおいて、新規機種のパチンコ遊技機を導入するときには、まず最初に、当該パチンコ遊技機の特性を把握することが必要になってくる。そこで、従来では、新規機種のパチンコ遊技機の特性を把握するために、そのパチンコ遊技機を所謂試験島に設置した状態で試し打ちを行うようにしている。この試し打ちは、パチンコ遊技機に対し種々の釘調整を施した各状態で所定時間ずつ行われるもので、各釘調整状態での試し打ちに伴う盤面でのパチンコ玉の移動状態をビデオ画像として撮像し、斯様に得たビデオ画像を再生しながら新規機種のパチンコ遊技機の特性を把握することが行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような手段では、釘調整の度合いに応じたパチンコ玉の流れ(移動軌跡)の変化状態を把握するに際して、ビデオ画像を長時間にわたって再生しなければならないため、その作業が非常に面倒になるという欠点がある。このような欠点があるため、事後における当該ビデオ画像データの再確認に利用し難いという事情があって、データとしての有用性が低くなると共に、パチンコ玉の流れを感覚的にしか把握できないことになって信頼性に欠けるという問題点もあった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パチンコ遊技機の盤面でのパチンコ玉の流れを、感覚に頼らずに誰でも容易且つ短時間で確認可能な定量的なデータとして出力することができて、釘調整に必要となるパチンコ遊技機の特性をきわめて容易に把握できるようになると共に、上記データの信頼性を向上できるなどの効果を奏するパチンコ玉の移動軌跡解析方法及び移動軌跡解析装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のパチンコ玉の移動軌跡解析方法は、上記した目的を達成するために、パチンコ遊技機の盤面でのパチンコ玉の位置を示す位置データを発生可能な位置検出手段を備えた上で、前記位置検出手段によって、所定時間経過毎の時系列的な位置データを順次得ると共に、その時系列的な位置データを比較するという比較処理を行うことによって、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡を解析し、その解析結果を画像データとして出力するように構成し、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、そのパチンコ玉の移動軌跡を予測すると共に、その予測結果を、盤面構成要素を含む盤面の画像を背景とした画面上に表示した状態の画像データとして出力し、前記比較処理に先立って、盤面においてパチンコ玉が通過し得ない領域を非通過ラインとして設定し、パチンコ玉の移動軌跡の予測時においては、上記非通過ラインを横切る移動軌跡の予測を禁止する構成としたものである。
【0007】
この構成によれば、上記のように出力される画像データには多数のパチンコ玉についての移動軌跡が含まれることになり、当該画像データは、パチンコ遊技機の盤面でのパチンコ玉の流れを、感覚に頼らずに誰でも容易且つ短時間で確認可能な定量的なデータとして出力されることになる。従って、上記画像データに基づいて、釘調整に必要となるパチンコ遊技機の特性をきわめて容易に把握できるようになるから、例えば、パチンコホールにおいて、新規機種のパチンコ遊技機を導入するに際し当該パチンコ遊技機の特性を把握する場合などにきわめて有益になる。また、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、そのパチンコ玉の移動軌跡の予測結果が、盤面構成要素を含む盤面の画像を背景とした画面上に表示した状態の画像データとして出力されるから、パチンコ玉の移動軌跡のうち解析不能なものを減少させることができ、結果的に、解析結果として出力される画像データの信頼性がさらに向上するようになる。さらに、盤面においてパチンコ玉が通過し得ない領域を非通過ラインとして設定し、パチンコ玉の移動軌跡の予測時においては、上記非通過ラインを横切る移動軌跡の予測を禁止する構成となっているから、本来あり得ない移動軌跡の予測を誤って行う虞がなくなり、結果的に、出力される画像データの信頼性が向上するようになる
【0020】
上述したようにパチンコ玉の移動軌跡の予測を行う際に、予測される移動軌跡についてパチンコ玉の単位時間当たりの移動量が上限値を越える場合には、その予測結果を無効化する構成としても良いものであり、この構成によれば、本来あり得ない移動軌跡の予測を誤って行う虞がなくなるから、この面からも前記画像データの信頼性が向上するようになる(請求項)。
【0034】
釘調整内容が異なる状態とされたパチンコ遊技機についてのパチンコ玉の移動軌跡解析結果を、表示装置を通じて互いに比較可能な状態で表示する構成としても良いものである(請求項3)
【0035】
この構成によれば、釘調整内容の違いによるパチンコ玉の移動軌跡を視覚的に比較できるようになるから、釘調整状態の確認をきわめて容易に行い得るようになる。
【0036】
盤面上の任意位置に1箇所または複数箇所の注目ポイントを指定可能に構成され、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、上記注目ポイントを中心に左右に別れて移動したパチンコ玉数の割合を算出すると共に、その算出割合を示す数値化情報またはグラフを出力装置を通じて出力するように構成しても良い(請求項4)
この構成によれば、出力された数値化情報またはグラフに基づいて、釘調整状態の有効性の確認を的確に行い得るようになる。
【0037】
上記のように数値化情報またはグラフを出力装置を通じて出力する構成とする場合、当該数値化情報またはグラフを、パチンコ玉の移動軌跡解析結果を表示するように設けられた表示装置中に、当該移動軌跡解析結果と対応付けた状態で表示する構成としても良い(請求項5)
【0038】
この構成によれば、注目ポイントを中心に左右に別れて移動したパチンコ玉数の割合を示す数値化情報またはグラフと、盤面でのパチンコ玉の移動軌跡とを目視によって容易に比較できるから、釘調整状態の有効性を確認する上で有効となる。
【0039】
盤面上の任意位置に水平方向に延びる1本または複数本の注目ラインを指定可能に構成した上で、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、上記注目ラインを通過したパチンコ玉数を当該注目ラインを複数に分割した各領域毎に区分した状態で算出すると共に、その算出結果をパチンコ玉の移動軌跡解析結果を表示するように設けられた表示装置中に、当該移動軌跡解析結果と対応付けた状態でグラフ表示するように構成することもできる(請求項6)
【0040】
この構成によれば、盤面上に設定された水平方向の注目ラインを通過したパチンコ玉数を当該注目ラインを複数に分割した各領域毎に区分した状態で算出した結果と、盤面でのパチンコ玉の移動軌跡とを目視によって容易に比較できるようになるから、釘調整状態の有効性を確認する上できわめて有効となる。
【0041】
請求項7記載のパチンコ玉の移動軌跡解析装置は、前記目的を達成するために、パチンコ遊技機の盤面でのパチンコ玉の位置を示す位置データを発生する位置検出手段と、画像データを出力可能な出力装置と、前記位置検出手段による所定時間経過毎の時系列的な位置データを所定の位置データ間で比較するという比較処理を行うことにより盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡を解析すると共に、その解析結果を前記出力装置を通じて画像データとして出力する画像処理手段とを備えた上で、前記画像処理手段を、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、そのパチンコ玉の移動軌跡を予測すると共に、その予測結果を、盤面構成要素を含む盤面の画像を背景とした画面上に表示した状態の画像データとして出力するように構成し、前記比較処理に先立って、盤面においてパチンコ玉が通過し得ない領域を非通過ラインとして設定し、パチンコ玉の移動軌跡の予測時においては、上記非通過ラインを横切る移動軌跡の予測を禁止するように構成したものである
【0059】
前記出力装置として表示装置を備えた上で、前記画像処理手段を、釘調整内容が異なる状態とされたパチンコ遊技機についてのパチンコ玉の移動軌跡解析結果を、前記表示装置を通じて互いに比較可能な状態で表示する構成としても良いものである(請求項)。
【0060】
前記画像処理手段を、盤面上の任意位置に1箇所または複数箇所の注目ポイントを指定可能な構成とした上で、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、上記注目ポイントを中心に左右に別れて移動したパチンコ玉数の割合を算出すると共に、その算出割合を示す数値化情報またはグラフを出力装置を通じて出力する構成としても良い(請求項10)。
【0061】
上記のように数値化情報またはグラフを出力装置を通じて出力する構成とする場合、その出力装置としてパチンコ玉の移動軌跡解析結果を表示可能な表示装置を備えた上で、前記画像処理手段を、前記表示装置中に、前記数値化情報またはグラフを上記移動軌跡解析結果と対応付けた状態で表示する構成としても良いものである(請求項11)。
【0062】
前記出力装置としてパチンコ玉の移動軌跡解析結果を表示可能な表示装置を備えた上で、前記画像処理手段を、盤面上の任意位置に水平方向に延びる1本または複数本の注目ラインを指定可能に構成すると共に、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、上記注目ラインを通過したパチンコ玉数を当該注目ラインを複数に分割した各領域毎に区分した状態で算出すると共に、その算出結果を前記表示装置中に前記移動軌跡解析結果と対応付けた状態でグラフ表示するように構成しても良いものである(請求項12)。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には全体の電気的構成が機能ブロックの組み合わせにより示されている。この図1において、位置検出手段を構成する撮像手段としてのCCDカメラ1は、パチンコ遊技機2の盤面(図26に符号2aを付して示す)を正面から撮像できる位置に配置されるものである。上記CCDカメラ1が撮像した画像データ(本発明でいう位置データに相当)は、画像処理装置3(本発明の装置でいうマスクエリア設定手段及び画像処理手段に相当)内の検出部4及び解析部5にそれぞれ与えられるようになっている。
【0064】
上記検出部4において、CCDカメラ1からの画像データを受ける入力部6は、入力される画像データをAD変換してフレームバッファ7に与える構成となっている。このフレームバッファ7は、盤面2a(図26参照)に存在するパチンコ玉の位置特定に必要な動画像処理用画像データを蓄積するためのもので、与えられた画像データを逐次記憶すると共に、読出制御部8により指定された画像データを情報処理制御部9へ出力するようになっている。
【0065】
上記情報処理制御部9は、読出制御部8を通じたフレームバッファ7の動作制御、検索情報記憶部10に対するデータ記憶制御、解析部5との間の信号送受信制御などをそれぞれ含む画像検索処理を、予め記憶したプログラムに基づいて行う構成となっており、以下においては、その画像検索処理の制御内容並びに関連した作用について図2及び図3も参照しながら説明する。
【0066】
即ち、図2において、情報処理制御部9は、解析部5側から送信されてくる開始データΔAを受信するまで待機する(ステップA1)。
ここで、上記開始データΔAは、検出部4に対する動作開始指令である開始コマンドの他に、CCDカメラ1により撮像される盤面2aの画像に対して後述のようなマスクエリアを指定するためのマスク情報、検索時間(画像検索処理の継続時間)を指定するための時間情報を含んだ構成となっている。
【0067】
開始データΔAを受信した場合には、当該開始データΔA中のマスク情報を、内部メモリとして構成された設定記憶部9aに記憶することによって、当該マスク情報により指定されるマスクエリアを画像検索処理対象から外すという設定を行い(ステップA2)、この後に読出制御部8に対して読出動作の開始を指示する(ステップA3)。このような指示が行われた場合には、フレームバッファ7に記憶されている画像データが、読出制御部8による指定に応じて情報処理制御部9へ出力されるようになる。
【0068】
上記ステップA3に引き続く検索処理ルーチンA4では、図3のような各処理を実行する。図3において、検索処理ルーチンA4では、まず、フレームバッファ7から入力される1画面分の画像データを内部のバッファメモリ(図示せず)に記憶するまで待機し(ステップa1、a2)、1画面分の画像データを記憶したときには、玉位置特定処理ルーチンa3を実行する。
【0069】
この玉位置特定処理ルーチンa3では、前画面の画像データと新たに入力された画像データとの間で移動した物体を抽出するという動画像処理(本発明でいう比較処理に相当)を、前記マスクエリア以外の部分について行うことにより、盤面2a上に存在するパチンコ玉の位置を特定する。尚、上記動画像処理の手法としては、例えば、画像データにより示される連続画面間での物体の移動ベクトルの分布(所謂オプティカルフロー)を、画像中の各部の明るさの相関をとることにより求めるという周知の方法を採用できる。
【0070】
上記玉位置特定処理ルーチンa3の実行後には、特定されたパチンコ玉の位置を示すポイントデータ(座標データ)を作成するステップa4、その作成ポイントデータを検索情報記憶部10に記憶するステップa5を順次実行した後にリターンする。
【0071】
尚、具体的には図示しなかったが、上記検索処理ルーチンA4は、1秒間に所定回数実行されるものであり、その実行間隔、つまりポイントデータのサンプリング間隔は、盤面2a上を移動するパチンコ玉を十分に追跡できる範囲内において極力広くなるように設定される。
【0072】
図2に翻って、上述のような検索処理ルーチンA4は、当該ルーチンA4の開始時点から前記受信開始データΔA中の時間情報により指定される検索時間が経過するまで、若しくは解析部5側から後述のようにして送信されてくる終了コマンド或いは中止コマンドを受信するまで反復して実行される(ステップA5、A6、A7)。
【0073】
上記検索時間が経過したとき(ステップA5で「YES」)には、読出制御部8に対してデータ読み出し動作の終了を指示し(ステップA8)、しかる後に、検索情報記憶部10に記憶されているポイントデータを読み出すデータ読出処理ルーチンA9、読み出したポイントデータを解析部5側へ送信するデータ送信処理ルーチンA10を順次実行した後にステップA1へ戻る。尚、この場合において、上記のように送信されるポイントデータは前記検索時間相当分のデータとなる。
【0074】
解析部5側からの終了コマンドを受信したとき(ステップA6で「YES」)には、読出制御部8に対してデータ読み出し動作の終了を指示し(ステップA11)、しかる後に、検索情報記憶部10に記憶されているポイントデータを読み出すデータ読出処理ルーチンA12、読み出したポイントデータを解析部5側へ送信するデータ送信処理ルーチンA13を順次実行した後にステップA1へ戻る。尚、この場合において、上記のように送信されるポイントデータは、検索処理ルーチンA4の開始時点から終了コマンドを受信した時点までの時間相当分のデータとなる。
【0075】
解析部5側からの中止コマンドを受信したとき(ステップA7で「YES」)には、読出制御部8に対してデータ読み出し動作の終了を指示し(ステップA14)、しかる後に、検索情報記憶部10に記憶されているポイントデータを消去するデータ消去処理ルーチンA15を実行した後にステップA1へ戻る。従って、中止コマンドの受信時には、解析部5側へポイントデータが送信されることはない。
【0076】
以上要するに、検出部4にあっては、解析部5側から開始データΔAが送信されたときには、CCDカメラ1による画像データに基づいて盤面2a上に存在するパチンコ玉の位置を示すポイントデータを算出する動作を、所定の時間間隔で実行すると共に、そのポイントデータ算出動作を、上記開始データΔA中の時間情報により指定される検索時間だけ実行し、このように得た検索時間相当分のポイントデータを解析部5へ送信するという動作を行う。
【0077】
また、検出部4にあっては、上記のようなポイントデータの算出動作期間中において、解析部5側から終了コマンドが送信されたときには、その終了コマンドを受信した時点で上記ポイントデータの算出動作を停止すると共に、その時点までのポイントデータを解析部5へ送信するという動作を行う。さらに、検出部4にあっては、ポイントデータの算出動作期間中において、解析部5側から中止コマンドが送信されたときには、その中止コマンドを受信した時点でポイントデータの算出動作を停止して、それまでに算出したポイントデータを初期化する動作を行う。
【0078】
図1に翻って、解析部5は以下に述べるような構成となっている。即ち、解析部5において、CCDカメラ1からの画像データを受ける入力部11は、入力される画像データをAD変換してフレームバッファ12に与える構成となっている。このフレームバッファ12は、前述したポイントデータ及び後述のようなパチンコ玉の軌跡データを表示する際の背景画像用として供される画像データを、例えばパチンコ遊技機2の機種毎に取り込むためのもので、与えられた画像データを逐次記憶すると共に、読出制御部13により指定された画像データを解析制御部14へ出力するようになっている。
【0079】
上記解析制御部14は、読出制御部13を通じたフレームバッファ12の動作制御、記憶部15に対するデータ記憶制御、前記入力部4との間の信号受信制御などを含む画像解析処理を行うためのもので、その画像解析処理結果を、表示制御部16及びプリンタドライバ17を通じてCRTディスプレイ18(本発明でいう出力装置、表示装置に相当)及びカラープリンタ19(本発明でいう出力装置に相当)にそれぞれ出力する構成となっている。
【0080】
この場合、解析制御部14は、上記のような画像解析処理及びその処理結果の出力のための制御を、マウス20a(或いはペンプロッタでも良い)が接続されたキーボード20からの入力信号及び予め記憶したプログラムに基づいて行う構成のものであり、以下においては、その制御内容並びに関連した作用について図4〜図36も参照しながら説明する。
【0081】
まず、図4において、解析制御部14は、解析部5の電源投入状態では、CRTディスプレイ18に対して、図9のようなメニュー画面を表示する(ステップB1)。
具体的には、このメニュー画面には、「MENU」の文字a1 、「検索」、「編集」、「解析」、「メンテナンス」の各文字a2 〜a5 、並びにこれら文字a2 〜a5 を囲む枠が表示されると共に、前記マウス20aにより移動されるポインタPが表示される。この場合、上記各文字a2 〜a5 部分をマウス20aによりクリックすることによって、検索処理、編集処理、解析処理、メンテナンス処理の何れを実行するか選択できる構成となっている。尚、上記のような選択が行われた場合には、各文字a2 〜a5 部分のうち選択されたものを反転表示などにより報知する構成とすることが望ましく、以下の説明で出現する各選択動作時においても、その選択状態を同様に報知することが望ましい。
【0082】
このようにメニュー画面を表示した状態では、上記検索処理、編集処理、解析処理、メンテナンス処理の何れかが選択されるまで待機する(ステップB2〜B5)。
【0083】
メニュー画面の表示状態で検索処理が選択された場合(ステップB2で「YES」)には、CRTディスプレイ18に対して、図10のような検索画面を表示する(ステップB6)。
【0084】
具体的には、この検索画面には、「検索」の文字b1 、「背景処理」の文字b2 及びこの文字b2 に対応された「新規読込」、「登録読出」、「登録」、「拡大」、「縮小」、「表示」の各文字b3 〜b8 、「条件設定」の文字b9 及びこの文字b9 に対応された「マスクエリア」の文字b10、画像表示エリアEX及びこの画像表示エリアEXに対応された「MENU」、「中止」、「終了」、「開始」の各文字b11〜b14、並びに上記文字b3 〜b8 、b10〜b14を囲む枠が表示されると共に、ポインタPが表示される。
【0085】
この場合、上記各文字b3 〜b5 部分をマウス20aによりクリックすることによって、新規読込処理、登録読出処理、登録処理の何れを実行するか選択でき、文字b6 〜b8 部分の何れかをクリックすることによって、拡大、縮小、表示処理を選択でき、文字b10部分をクリックすることによって、マスクエリア入力処理を選択でき、さらに、文字b11〜b14部分をクリックすることによって、メニュー画面選択処理、中止処理、終了処理、開始処理の何れを実行するか選択できる構成となっている。
【0086】
特に、文字b4 部分がクリックされたとき(登録読出処理が選択されたとき)、文字b8 部分がクリックされたとき(表示処理が選択されたとき)、文字b10部分がクリックされたとき(マスクエリア入力処理が選択されたとき)には、検索画面内にそれぞれプルダウンメニューPM1、PM2、PM3が現れるように構成されている。
【0087】
登録読出処理が選択されたときのプルダウンメニューPM1は、ポインタPを通じてパチンコ遊技機2の機種名を選択するためのものである。表示処理が選択されたときのプルダウンメニューPM2は、画面表示エリアEXに表示する画面の種類(背景画像のみの画面、或いは背景画像にマスクエリアの設定状況を加えた画面)を選択するためのものである。また、マスクエリア入力処理が選択されたときのプルダウンメニューPM3は、マスクエリア入力時において、入力したマスクエリアの一部を削除するモードと、入力したマスクエリアを全部削除するモードとの何れかを選択するためのものである。
【0088】
図4において、上記のような検索画面を表示した状態では、上述した新規読込処理、登録読出処理、登録処理、拡大、縮小、表示処理、マスクエリア入力処理、開始処理、メニュー画面選択処理の何れかが選択されるまで待機する(ステップB7〜B10、図5中のステップB11〜B13)。
【0089】
検索画面の表示状態で文字b3 部分を通じて新規読込処理が選択された場合(ステップB7で「YES」)には、画像取込処理ルーチンB14を実行する。この処理ルーチンB14では、読出制御部8に対し読出動作の開始を指示することにより、フレームバッファ12に記憶されている画像データを新規の背景画像として取り込む。
【0090】
このように画像データを取り込んだ後には、表示変更処理ルーチンB15を実行する。この処理ルーチンB15では、図11に示すように、現在表示中の検索画面における画像表示エリアEXに対し上記のように取り込んだ画像データ、つまり盤面2aの画像Q、並びにその画像Qに対応したパチンコ遊技機2についての機種名入力ウインドウW1を表示する。
【0091】
尚、上記機種名入力ウインドウW1は、キーボード20を通じて画像Qに対応した機種名を入力するためのものである。さらに、この表示変更処理ルーチンB15では、検索画面における「MENU」、「中止」、「終了」、「開始」の各文字b11〜b14(図10参照)及びそれらを囲む枠を非表示状態に切り換えると共に、これらに代えて、「キャンセル」、「実行」の各文字b15、b16及びそれらを囲む枠を表示する。
この場合において、各文字部分b15、b16をマウス20aによりクリックすることによって、実行処理、キャンセル処理の何れかを選択できる構成となっている。
【0092】
そして、表示変更処理ルーチンB15の実行後には、上述の実行処理及びキャンセル処理の何れかが選択されるまで待機する(ステップB16、B17)。 キャンセル処理が選択された場合には、そのまま前記検索画面表示ステップB6へ戻るが、実行処理が選択されたときには、画像表示エリアEXに表示中の画像Qに対応した機種のパチンコ遊技機2と同一の背景画像データが既に登録中か否かを判断する(ステップB18)。
【0093】
このステップB18で「NO」と判断した場合には、上記画像Qに対応した画像データを背景画像データとして記憶部15に登録する背景登録処理ルーチンB19を実行した後に検索画面表示ステップB6へ戻る。尚、この背景登録処理ルーチンB19では、背景画像データを、当該背景画像データに対応したパチンコ遊技機2の機種名コードと共に登録する。
【0094】
これに対してステップB18で「YES」と判断した場合には、アラート表示処理ルーチンB20を実行する。この処理ルーチンB20では、図12に示すように、画像表示エリアEX中に、同一機種についての背景画像データが既に登録済みであること、並びにデータを入れ替えるかを質問するアラートAL1を表示する。尚、図示しなかったが、機種名入力ウインドウW1に対し機種名が入力されていない状態で実行処理が選択された場合には、機種名の入力を促すアラートを表示するルーチンを実行する構成となっている。
【0095】
上記アラート表示処理ルーチンB20の実行後には、文字b15部分のクリックに応じた実行処理及び文字b16部分のクリックに応じたキャンセル処理の何れかが選択されるまで待機する(ステップB21、B22)。
【0096】
キャンセル処理が選択された場合には、そのまま前記表示変更処理ルーチンB15へ戻るが、実行処理が選択されたときには、背景書換処理ルーチンB23を実行した後に前記検索画面表示ステップB6へ戻る。この場合、上記背景書換処理ルーチンB23では、画像表示エリアEXに表示中の画像Qに対応した画像データを、既登録されている背景画像データに代わる新たな背景画像データとして記憶部15に登録する動作を行う。
【0097】
一方、検索画面の表示状態で、文字b4 部分を通じて登録読出処理が選択された場合(ステップB8で「YES」)には、画像読出処理ルーチンB24を実行する。この処理ルーチンB23では、記憶部15に記憶されている背景画像データの中から、図10に示すようなプルダウンメニューPM1により選択された機種名に対応した背景画像データを読み出して、内部の図示しないバッファメモリに記憶するものであり、その記憶が終了した後には、前記判断ステップB7へ戻る。
【0098】
検索画面の表示状態で、文字b5 部分を通じて登録処理が選択された場合(ステップB9で「YES」)には、画面表示エリアEXに画像Qつまり背景画像を表示中か否かを判断し(ステップB25)、背景画像が表示されていない場合には判断ステップB10へ移行するが、表示されていた場合には、表示変更処理ルーチンB26を実行する。
【0099】
この処理ルーチンB26では、図13に示すように、画像表示エリアEX中に釘調整内容コメントを表示するためのコメント入力ウインドウW2を表示する。尚、上記コメント入力ウインドウW2は、画像Qとして表示中の機種に該当したパチンコ遊技機2の盤面2aに対する釘調整の内容を示す釘調整内容コメントを、キーボード20を通じて例えば「n番釘右へ3°」(nは釘2bを特定するために設定された例えば数字或いはアルファベットより成る記号である)、「基本」(釘調整を行っていない初期状態の意味)というような形式で入力するためのものであり、入力されたコメントは、記憶部15に対し、機種名コードと対応されたコメントファイルとして記憶される。
【0100】
上記表示変更処理ルーチンB26の実行後には、文字b15部分のクリックに応じた実行処理及び文字b16部分のクリックに応じたキャンセル処理の何れかが選択されるまで待機する(ステップB27、B28)。
【0101】
キャンセル処理が選択された場合には、そのまま前記検索画面表示ステップB6へ戻るが、実行処理が選択されたときには、記憶部15中に、コメント入力ウインドウW2に入力されたコメントと同じ内容のコメントファイルが既に記憶されているか否かを判断する(ステップB29)。
【0102】
このステップB29で「NO」と判断した場合には、上記コメント入力ウインドウW2に入力されているコメントを、記憶部15に対し、機種名コードと対応されたコメントファイルとして記憶するコメントファイル登録処理ルーチンB30を実行した後に検索画面表示ステップB6へ戻る。
【0103】
これに対してステップB29で「YES」と判断した場合には、アラート表示処理ルーチンB31を実行する。この処理ルーチンB31では、図14に示すように、記憶部15中に、該当機種についての同じコメントファイルが既に登録済みであること、並びにコメントファイルを入れ替えるかを質問するアラートAL2を表示する。尚、図示しなかったが、コメント入力ウインドウW2に対しコメントが入力されていない状態で実行処理が選択された場合には、コメントの入力が不要であるか否かを質問するアラートを表示するルーチンを実行する構成となっている。
【0104】
上記アラート表示処理ルーチンB31の実行後には、文字b15部分のクリックに応じた実行処理及び文字b16部分のクリックに応じたキャンセル処理の何れかが選択されるまで待機する(ステップB32、B33)。
【0105】
キャンセル処理が選択された場合には、そのまま前記表示変更処理ルーチンB26へ戻るが、実行処理が選択されたときには、コメントファイル書換処理ルーチンB34を実行した後に前記検索画面表示ステップB6へ戻る。この場合、上記コメントファイル書換処理ルーチンB34では、コメント入力ウインドウW2に表示中のコメントを、既に記憶されているコメントファイルに代わる新たなコメントファイルとして記憶部15に記憶する動作を行う。
【0106】
検索画面の表示状態で、文字b6 、b7 、b8 部分を通じて拡大、縮小、表示処理が選択された場合(ステップB10で「YES」)には、画面表示エリアEXに背景画像を表示中か否かを判断し(ステップB35)、背景画像が表示されていない場合には判断ステップB11(図5参照)へ移行するが、表示されていた場合には、拡大、縮小、表示処理ルーチンB36を実行した後に判断ステップB7へ移行する。
【0107】
ここで、上記拡大、縮小、表示処理ルーチンB36では、文字b6 部分のクリックにより拡大処理が選択された場合に、画面表示エリアEXに表示中の背景画像を拡大し、文字b7 部分のクリックにより縮小処理が選択された場合に、画面表示エリアEXに表示中の背景画像を縮小する。また、文字b8 部分のクリックにより表示処理が選択された場合には、図10に示すようなプルダウンメニューPM2により選択された画面種類(背景画像のみの画面、或いは背景画像にマスクエリアの設定状況を加えた画面)を画面表示エリアEXに表示する。
【0108】
図5において、検索画面の表示状態で、文字b10部分を通じてマスクエリア入力処理が選択された場合(ステップB11で「YES」)には、画面表示エリアEXに背景画像を表示中か否かを判断し(ステップB37)、背景画像が表示されていない場合には判断ステップB12へ移行するが、表示されていた場合には、条件設定入力処理ルーチンB38を実行する。
【0109】
上記条件設定入力処理ルーチンB38では、画面表示エリアEXに表示された背景画像(画像Q)中に前述したマスク情報を入力する操作を受け付ける処理を行う。上記マスク情報は、パチンコ遊技機2の盤面2aを構成する要素のうち前述した動画像処理時に雑音成分となる要素を解析対象から外すためのマスクエリアを示す情報であり、そのマスクエリアの入力は、上記背景画像中の任意部分の画素群をマウス20aの操作により塗り潰すというペインティング操作よって行い得る構成となっている。
【0110】
尚、前述したように、マスクエリア入力時においては、入力したマスクエリアの一部を削除するモードと、入力したマスクエリアを全部削除するモードとの何れかを、図10に示すようなプルダウンメニューPM3により選択できる構成となっており、これにより、一旦入力したマスクエリアの修正・削除などを行い得るようになっている。
【0111】
ここで、上記マスクエリアの設定状態の実例について、図26及び図27を参照しながら説明する。
即ち、図26はパチンコ遊技機2の盤面2aをCCDカメラ1により撮像した画像(つまり画面表示エリアEXに表示される画像Q)を示し、図27は当該画像中に設定されたマスクエリアMAを斜線帯で示すものである。この場合、盤面2aには、盤面構成要素として、多数本の釘2bの他に、風車2c、飾りランプ2d、カバー付きセーフ孔2e、カバーなしセーフ孔2f、カバー付きのスタート孔2g、可動入賞装置2h、図柄表示装置2i、アウト孔2jが所定個数ずつ設けられている。
【0112】
このように構成された盤面2aにあっては、動画像処理時の雑音成分になるものとして、回転する風車2c、光を発する飾りランプ2d、光を発すると共に動画像を表示する図柄表示装置2iが存在するものであり、それらについては、図27に示すように、対応する画素群をペインティング操作することによってマスクエリアMAを入力する。また、盤面2aにおけるパチンコ玉の非通過領域及びパチンコ玉の発射通路などは、動画像処理の対象とする必要がないから、例えば、盤面2aの囲い枠外側の部分、カバー付きセーフ孔2e、スタート孔2g、玉発射通路SPについても、図27に示すように、それらに対応する画素群をペインティング操作することによってマスクエリアMAを入力する。但し、マスクエリアの設定は、少なくとも動画像処理時に雑音成分となる部分について行えば良いものである。
【0113】
尚、ここでは、図27に示すようなマスクエリアMAの入力設定を、背景画像中の任意部分の画素群を動画像処理対象から除外することによってソフトウエア的に行う構成としたが、特に、図柄表示装置2i部分の上をパチンコ玉が通過するような構造となっていた場合には、当該図柄表示装置2i部分にその形状に対応した遮蔽部材(例えば艶消しの黒色紙)を張り付けることにより、図柄表示装置2iを遮蔽するというハードウエア的な手段によってマスクエリアを設定する構成とすることもできる。
【0114】
しかして、上記のような条件設定入力処理ルーチンB38は、前述した検索画面上で他の処理の選択操作が行われるまで(文字b3 〜b8 、b11〜b14部分がクリックされるまで)継続されるものであり(ステップB39)、他の処理の選択操作が行われた場合には図に示す判断ステップB7へ戻る。そして、この時点で入力されているマスクエリアMAが、前述した開始コードΔAのためのマスク情報として設定されることになる。
【0115】
一方、検索画面の表示状態で文字b14部分を通じて開始処理が選択された場合(ステップB12で「YES」)には、表示変更処理ルーチンB40を実行する。この処理ルーチンB40では、図15に示すように、現在表示中の検索画面における画像表示エリアEXに対し、前述した開始データΔAのための検索時間をキーボード20を通じて入力するための時間データ入力ウインドウW3、検索時間の入力を促すメッセージM1、検索時間の最大時間を示すメッセージM2を表示する。さらに、この表示変更処理ルーチンB40では、検索画面における「MENU」、「中止」、「終了」、「開始」の各文字b11〜b14(図10参照)及びそれらを囲む枠を非表示状態に切り換えると共に、これらに代えて、「キャンセル」、「実行」の各文字b15、b16及びそれらを囲む枠を表示する。
【0116】
この表示変更処理ルーチンB40の実行後には、時間データ入力ウインドウW3に入力された検索時間を図示しないバッファメモリに対し時間情報として記憶する入力検索時間受付処理ルーチンB41を実行するものであり、この処理ルーチンB41を、文字b15部分のクリックに応じた実行処理及び文字b16部分のクリックに応じたキャンセル処理の何れかが選択されるまで反復して実行する(ステップB42、B43)。
【0117】
尚、上記入力検索時間受付処理ルーチンB41では、受付時間を所定の設定可能範囲(本実施例の場合、例えば1〜30分)に限定するものであり、時間データ入力ウインドウW3に入力された検索時間受付時間が30分を越えていた場合には、例えば、最大値である30分を検索時間を指定する時間情報として受け付けるものである。
【0118】
そして、キャンセル処理が選択された場合(ステップB43で「YES」)には、そのまま前記検索画面表示ステップB6(図4参照)へ戻るが、実行処理が選択された場合(ステップB42で「YES」)には、表示変更処理ルーチンB44を実行する。
【0119】
この表示変更処理ルーチンB44では、画像表示エリアEXの表示状態を図16に示すような状態(文字b15、b16に代えて文字b11〜b14を表示した状態)に戻すものであり、この処理ルーチンB44の実行後には、検索開始処理ルーチンB45を実行する。
【0120】
この検索開始処理ルーチンB45では、上述のように入力されたマスク情報、検索時間を示す時間情報などの検索条件を、検索条件設定ファイルとして記憶部15に記憶すると共に、上記マスク情報及び時間情報と開始コマンドとを組み合わせた前述の開始データΔAを、入力部4へ送信する動作を行う。
【0121】
この場合、上記開始データΔAを受信した入力部4にあっては、前述したように、CCDカメラ1による画像データに基づいて盤面2a上に存在するパチンコ玉の位置を示すポイントデータを算出する動作を、上記開始データΔA中の時間情報により指定される検索時間だけ実行し、このように得た検索時間相当分のポイントデータを解析部5へ送信(返信)するという動作を行うようになる。
【0122】
前記検索開始処理ルーチンB45の実行後には、検出部4から上述のように返信されるポイントデータが全部入力されるまで、若しくは終了処理及び中止処理の何れかが行われるまで(文字b12部分或いは文字b13部分がクリックされるまで)待機する(ステップB46〜B48)。
【0123】
前記開始データΔ中の時間情報により指定される検索時間に対応した時間分のポイントデータの全部が入力されたとき(ステップB46で「YES」)には、検索終了処理ルーチンB49を実行した後に、図6に示す後述の編集画面表示ステップB52へ移行する。
【0124】
上記検索終了処理ルーチンB49では、入力部4から送られてきたポイントデータを、当該ポイントデータに対応した機種コードなどと共に記憶部15に記憶する。
【0125】
前記終了処理が選択されたとき(ステップB47で「YES」)には、検索終了・送信処理ルーチンB50を実行した後に、図6に示す編集画面表示ステップB52へ移行する。
【0126】
上記検索終了・送信処理ルーチンB50では、入力部4に対して前記終了コマンドを送信する動作を行うと共に、その後において当該入力部4から送られてきたポイントデータを、当該ポイントデータに対応した機種コードなどと共に記憶部15に記憶する動作を行う。
【0127】
尚、上記終了コマンドを受信した入力部4にあっては、前述したように、その終了コマンドの受信時点で前記ポイントデータの算出動作を停止すると共に、その時点までのポイントデータを解析部5へ送信するという動作を行う。
【0128】
前記中止処理が選択されたとき(ステップB48で「YES」)には、検索中止処理ルーチンB51を実行した後に、図4に示すメニュー画面表示ステップB1へ戻る。
【0129】
上記検索中止処理ルーチンB51では、入力部4に対して前記中止コマンドを送信する動作を行うものであり、この中止コマンドを受けた検出部4にあっては、前述したように、ポイントデータの算出動作を停止して、それまでに算出したポイントデータを初期化する動作を行う。従って、中止処理が選択されたときには、記憶部15に対し、入力部4側で算出されたポイントデータが記憶されることはない。
【0130】
一方、検索画面の表示状態で、文字b11部分を通じてメニュー画面選択操作が行われた場合(ステップB13で「YES」)には、図4に示すメニュー画面表示ステップB1へ戻る。
【0131】
さて、図6において、前記検索終了処理ルーチンB49或いは検索終了・送信処理ルーチンB50の実行後に移行する編集画面表示ステップB52は、前記メニュー画面(図9参照)の表示状態で、編集処理が選択された場合(図4のステップB3で「YES」と判断された場合)にも実行される構成となっている。
【0132】
この編集画面表示ステップB52では、図17に示すような編集画面を表示する。具体的には、この編集画面には、「編集」の文字c1 、「表示処理」の文字c2 及びこの文字c2 に対応された「登録読出」、「拡大」、「縮小」の各文字c3 〜c5 、「条件設定」の文字c6 及びこの文字c6 に対応された「スタート」、「エンド」、「移動制限値」、「再スタート」、「セーフ孔」、「非通過ライン」の各文字c7 〜c12、画像表示エリアEX及びこの画像表示エリアEXに対応された「MENU」、「中止」、「編集」の各文字c13〜c15、並びに上記文字c3 〜c5 、c7 〜c15を囲む枠が表示されると共に、ポインタPが表示される。
【0133】
この場合、上記文字c3 部分をマウス20aによりクリックすることによって、登録読出処理を選択でき、文字c4 、c5 部分の何れかをクリックすることによって、拡大、縮小処理を選択でき、文字c6 〜c12部分をクリックすることによって、スタート処理、エンド処理、移動値制限値処理、再スタート処理、セーフ孔処理、非通過ライン処理を含む条件設定処理を選択でき、さらに、文字c13〜c15部分をマウス20aによりクリックすることによって、メニュー画面選択処理、中止処理、編集処理の何れを実行するか選択できる構成となっている。
【0134】
特に、文字c3 部分がクリックされたとき(登録読出処理が選択されたとき)には、編集画面内に、ポインタPを通じてパチンコ遊技機2の機種名を選択するためのプルダウンメニューPM4が現れるように構成されている。
【0135】
図6において、上記のように編集画面を表示した状態では、上述したような登録読出処理、編集処理、拡大、縮小処理、条件設定処理(スタート処理、エンド処理、移動値制限値処理、再スタート処理、セーフ孔処理、非通過ライン処理)、メニュー画面選択処理の何れかが選択されるまで待機する(ステップB53〜B57)。
【0136】
編集画面の表示状態で文字c3 部分を通じて登録読出処理が選択された場合(ステップB53で「YES」)には、画像読出処理ルーチンB58を実行する。この処理ルーチンB58では、記憶部15に前述のように記憶されている背景画像データ及びポイントデータの中から、図17に示すようなプルダウンメニューPM4により選択された機種名(機種コード)に対応した背景画像データ及びポイントデータを読み出して、内部の図示しないバッファメモリに記憶すると共に、背景画像データを画像表示エリアEXに表示するものであり、その表示が終了した後には、前記判断ステップB53へ戻る。
【0137】
編集画面の表示状態で、文字c4 、c5 部分を通じて拡大、縮小処理が選択された場合(ステップB55で「YES」)には、画面表示エリアEXに画像データを表示中か否かを判断し(ステップB59)、画像データが表示されていない場合には判断ステップB56へ移行するが、表示されていた場合には、拡大、縮小処理ルーチンB60を実行した後に判断ステップB53へ戻る。
【0138】
ここで、上記拡大、縮小処理ルーチンB60では、文字c4 部分のクリックにより拡大処理が選択された場合に、画面表示エリアEXに表示中の画像データを拡大し、文字c5 部分のクリックにより縮小処理が選択された場合に、画面表示エリアEXに表示中の画像データを縮小する。
【0139】
編集画面の表示状態で、文字c7 〜c12部分を通じて条件設定処理が選択された場合(ステップB56で「YES」)には、画面表示エリアEXに画像データを表示中か否かを判断し(ステップB61)、画像データが表示されていない場合には判断ステップB57へ移行するが、表示されていた場合には、条件設定入力処理ルーチンB62を実行する。
【0140】
上記条件設定入力処理ルーチンB62では、前述のようにバッファメモリに記憶されたポイントデータに基づいたパチンコ玉の移動軌跡の解析に必要となる複数種類の解析条件を受け付けて記憶する処理を行うものであり、以下においては、このような解析条件の例について説明する。
【0141】
(1)第1の解析条件(スタートエリア)
編集画面(図17参照)における文字c7 部分がクリックされたときに受け付け可能となる解析条件であり、盤面2aにおける所定領域、例えば図28中に斜線帯で示すように、盤面2aにおける玉発射通路SPに対応した所定範囲の領域をスタートエリアE1として設定する。このスタートエリアE1は、パチンコ玉の移動軌跡の解析を、当該スタートエリアE1に存在するパチンコ玉の画像(これは前記ポイントデータにより示される)を起点に行うために設定される。尚、スタートエリアE1の入力は、例えば、画面表示エリアEXに表示されている背景画像中の任意部分の画素群をマウス20aの操作により塗り潰すというペインティング操作よって行う構成となっている。
【0142】
(2)第2の解析条件(エンドエリア)
編集画面における文字c8 部分がクリックされたときに受け付け可能となる解析条件であり、盤面2aにおける所定領域、例えば図28中に斜線帯で示したように、盤面2aにおけるアウト孔2jを含んだ所定領域をエンドエリアE2として設定する。このエンドエリアE2は、パチンコ玉の移動軌跡の解析を、当該エンドエリアE2からパチンコ玉の画像が抽出されたときに確定するために設定される。尚、エンドエリアE2の入力も、画面表示エリアEXに表示されている背景画像中の任意部分の画素群の前述のようなペインティング操作よって行う構成となっている。
【0143】
(3)第3の解析条件(移動制限値)
編集画面における文字c9 部分がクリックされたときに受け付け可能となる解析条件であり、キーボード20を通じた数値入力を移動制限値として設定する。この移動制限値は、パチンコ玉の移動軌跡を前記ポイントデータに基づいて予測する際において、予測される移動軌跡についてのパチンコ玉の単位時間当たりの移動量の上限値と等しくなるように設定されるもので、予測した移動量が当該移動制限値を越える場合には、その予測結果が無効化される。尚、上記移動制限値は、前記入力部4側においてポイントデータを作成するときの連続画面間でパチンコ玉が移動し得る距離の最大値に設定されるものである。
【0144】
(4)第4の解析条件(再スタートエリア)
編集画面における文字c10部分がクリックされたときに受け付け可能となる解析条件である。この解析条件は、具体的には図示しないが、例えば、盤面に発射されたパチンコ玉を一旦内部に取り込む玉入口、並びにこの玉入口を通じて取り込まれたパチンコ玉を当該玉入口と異なる位置に設けられた玉出口から盤面に戻す構成のパチンコ遊技機をパチンコ玉の移動軌跡解析対象とする場合に設定される条件であり、上記玉出口に対応した領域を再スタートエリアとして設定する。この再スタートエリアは、パチンコ玉の移動軌跡の解析を、当該再スタートエリアに存在するパチンコ玉の画像を起点に再開するために設定される。尚、上記再スタートエリアの入力も、前述同様のペインティング操作によって行う構成となっている。
【0145】
(5)第5の解析条件(セーフ孔エリア)
編集画面における文字c11部分がクリックされたときに受け付け可能となる解析条件であり、盤面2aにおける各セーフ孔2e、2f、スタート孔2gに対応した領域を、例えば図28中に斜線帯で示すように、セーフ孔エリアE3として設定する。このセーフ孔エリアE3は、パチンコ玉の移動軌跡の解析を、当該セーフ孔エリアE3からパチンコ玉の画像が抽出されたときに確定するために設定される。尚、セーフ孔エリアE3の入力も、前述同様のペインティング操作によって行う構成となっている。
【0146】
(6)第6の解析条件(非通過ライン)
編集画面における文字c12部分がクリックされたときに受け付け可能となる解析条件であり、盤面2aにおいて、パチンコ玉が通過し得ない所定領域、例えば図28中に太線で示すように、盤面2aにおいて釘2bが近接した状態で立設している領域を非通過ラインE4として設定する。この非通過ラインE4は、パチンコ玉の移動軌跡の予測時において、上記非通過ラインを横切る移動軌跡の予測を禁止するために設定される。尚、非通過ラインE4の入力も上述同様のペインティング操作によって行う構成となっている。
【0147】
しかして、上記のような条件設定入力処理ルーチンB62は、図17のような編集画面上で他の処理の選択操作が行われるまで(文字c3 〜c5 、c7 〜c15部分がクリックされるまで)継続されるものであり(ステップB63)、他の処理の選択操作が行われた場合には判断ステップB53へ戻る。そして、この時点で入力されている前記解析条件が受け付けられることになる。
【0148】
一方、編集画面の表示状態で、文字c13部分を通じてメニュー画面選択操作が行われた場合(ステップB57で「YES」)には、図4に示すメニュー画面表示ステップB1へ戻る。
【0149】
編集画面の表示状態で、文字C15部分を通じて編集処理が選択された場合(ステップB54で「YES」)には、前述したような第1〜第6の解析条件のうち、パチンコ玉の移動軌跡の解析に不可欠の解析条件(例えば、第1、第2、第5、第6の解析条件)が受け付けられた状態にあるか否かを判断する(ステップB64)。
【0150】
この場合、解析条件が受け付けられていない状態、要するに編集処理が不可能な状態では、判断ステップB55へ移行するが、解析条件が受け付けられていた場合には、編集処理ルーチンB65を実行する。
【0151】
この編集処理ルーチンB65では、前述のようにバッファメモリに記憶されたポイントデータ、並びに受け付けた状態にある検索条件に基づいて、盤面2aに発射されたパチンコ玉の移動軌跡を予測する演算を含む解析動作を実行すると共に、その解析結果を移動軌跡データ(盤面2aでのパチンコ玉の移動軌跡を示すデータ)として記憶部15に順次記憶するという編集動作を行う。
【0152】
上記のような編集処理ルーチンB65は、文字c14部分のクリックに応じた中止処理が選択されるまで、若しくは当該編集処理ルーチンB65での解析及び記憶動作が全部終了するまで反復して実行されるものであり(ステップB66、B67)、中止処理が選択された場合(ステップB66で「YES」)には、それまでの編集内容を初期化する編集初期化処理ルーチンB68を実行した後に前記判断ステップB53へ戻る。
【0153】
これに対して、中止処理が選択されることなく、編集処理ルーチンB65での解析及び記憶動作が全部終了した場合(ステップB67で「YES」)には、図7に示す表示変更処理ルーチンB69を実行する。
【0154】
図7において、上記表示変更処理ルーチンB69は、前記メニュー画面(図9参照)の表示状態において文字a4 部分を通じて解析処理が選択された場合(図4に示すステップB4で「YES」と判断された場合)にも実行されるものであり、この処理ルーチンB69では、図18に示すように、現在表示中の編集画面における各文字c3 、c6 〜c12、c14、c15(図17参照)に代えて、「読出」、「表示選択」、「オール」、「連続」、「エリア指定」、「数値データ」、「PRINT」の各文字c16〜c22及びこれらを囲む枠と、スクロール用のアイコンc23とを表示すると共に、「表示」の文字c24及びこれを囲む枠を追加表示する。
【0155】
この場合、上記文字c16部分をマウス20aによりクリックすることによって読出処理を選択でき、文字c18〜c21部分の何れかをクリックすることによってオール処理、連続処理、エリア指定処理、数値データ処理を含む表示選択処理を選択でき、文字c22部分をクリックすることによってプリント処理を選択でき、アイコンc23をクリックすることによって表示画面を前後にスクロールするスクロール処理を選択でき、さらに、文字c24部分をクリックすることによって表示処理を選択できる構成となっている。
【0156】
特に、文字c16部分がクリックされたとき(読出処理が選択されたとき)には、編集画面内に、ポインタPを通じてパチンコ遊技機2の機種名を選択するためのプルダウンメニューPM5が現れると共に、そのプルダウンメニューPM5を通じて選択された機種名に対応して、釘調整内容コメント(前述したように、記憶部15に機種名コードと対応されたコメントファイルとして記憶されるものである)を選択するためのプルダウンメニューPM6が現れるように構成されている。尚、このプルダウンメニューPM6中の「A」、「B」の文字は、釘2bを特定するために設定された記号である。
【0157】
また、文字c24部分が選択されたときには、編集画面内に、解析結果の表示形式を選択するためのプルダウンメニューPM7が現れるように構成されている。この場合、上記表示形式としては、検出部4側からの送信データに基づいて記憶部15に記憶されたポイントデータにより示されるパチンコ玉の位置をドット状に表示するドットモードと、前記編集処理ルーチンB65の実行に応じて記憶部15に記憶された移動軌跡データにより示されるパチンコ玉の軌跡を線状に表示する軌跡モードの2種類が用意される。
【0158】
ここで、上記オール処理は、1機種分のパチンコ遊技機2についてのポイントデータまたは移動軌跡データの全部を画像表示エリアEXに一括表示する処理、上記連続処理は、上記のようなポイントデータまたは移動軌跡データを、時系列的に区分された所定の単位時間毎に分けた状態で順次表示する処理であり、それらの選択状態は、文字c18、c19部分の再クリックにより解消できる構成となっている。尚、連続処理が選択されたときには、例えばポイントデータ及び移動軌跡データが30分間相当量記憶されている状態で上記単位時間が1分に設定されていた場合には、30枚分の画像が順次表示されることになる。
【0159】
また、上記エリア指定処理は、盤面2a上の任意位置に1箇所または複数箇所の注目エリアを指定し、前記ポイントデータまたは移動軌跡データの中から上記注目エリアを通過したパチンコ玉の移動軌跡のみを抽出すると共に、その抽出結果を表示する処理である。この場合、上記注目エリアは、例えば所謂命釘の周辺に設定されるもので、その設定範囲は、マウス20aを通じて例えば四角形状に指定できる構成となっていると共に、当該エリア指定処理の選択状態は、文字c20部分の再クリックにより解消できる構成となっている。
【0160】
さらに、上記数値データ処理は、画像表示エリアEXに表示されたポイントデータまたは移動軌跡データに連動した数値化情報或いはグラフを、当該画像表示エリアEX中に当該ポイントデータまたは移動軌跡データと対応付けた状態で表示する処理である。
【0161】
つまり、この数値データ処理においては、盤面2a上の任意位置に1箇所または複数箇所の注目ポイントを指定し、例えば、移動軌跡データに基づいて、上記指定注目ポイントを中心に左右に別れて移動したパチンコ玉数の割合を算出すると共に、その算出割合を示す数値化情報またはグラフを、当該移動軌跡データと共に表示することができる。
【0162】
また、例えば、盤面2a上の任意位置に水平方向に延びる1本または複数本の注目ラインを指定し、前記ポイントデータまたは移動軌跡データに基づいて、上記注目ラインを通過したパチンコ玉数を当該注目ラインを複数に分割した各領域毎に区分した状態で算出すると共に、その算出結果を画像表示エリアEXに対して、当該ポイントデータまたは移動軌跡データと対応付けた状態でグラフ表示する構成とすることもできる。尚、この数値データ処理の選択状態は、文字c21部分の再クリックにより解消できる構成となっている。
【0163】
上記表示変更処理ルーチンB69の実行後には、図18のような編集画面を通じた読出処理、拡大、縮小、表示処理、表示選択処理(オール処理、連続処理、エリア指定処理、数値データ処理)、プリント処理、メニュー画面選択処理の何れかが選択されるまで待機する(ステップB70〜B74)。
【0164】
図18のような編集画面の表示状態で、文字c16部分を通じて読出処理が選択された場合(ステップB70で「YES」)には、背景表示処理ルーチンB75を実行する。この処理ルーチンB75では、記憶部15に前述のように記憶されている背景画像データの中から、図18に示すプルダウンメニューPM5により選択された機種名(機種コード)に対応した背景画像データを読み出して、内部の図示しないバッファメモリに記憶すると共に、その背景画像データを画像表示エリアEXに表示するものであり、その表示が終了した後には、前記判断ステップB70へ戻る。
【0165】
図18のような編集画面の表示状態で、文字c4 、c5 、c24部分を通じて拡大、縮小、表示処理が選択された場合(ステップB71で「YES」)には、画面表示エリアEXに背景画像データを表示中か否かを判断し(ステップB76)、背景画像データが表示されていない場合には判断ステップB72へ移行するが、表示されていた場合には、拡大、縮小、表示処理ルーチンB77を実行した後に判断ステップB70へ戻る。
【0166】
ここで、上記拡大、縮小、表示処理ルーチンB77では、文字c4 部分のクリックにより拡大処理が選択された場合に、画面表示エリアEXに表示中の画像データを拡大し、文字c5 部分のクリックにより縮小処理が選択された場合に、画面表示エリアEXに表示中の画像データを縮小する。また、文字c24部分のクリックにより表示処理が選択された場合には、図18に示すようなプルダウンメニューPM7により選択された表示形式(ドットモード及び軌跡モードの何れか)を記憶する。
【0167】
図18のような編集画面の表示状態で、文字c18〜c21部分を通じて表示選択処理が選択された場合(ステップB72で「YES」)には、画面表示エリアEXに背景画像データを表示中か否かを判断し(ステップB78)、背景画像データが表示されていない場合には判断ステップB73へ移行するが、表示されていた場合には、上記選択された表示選択処理の内容(オール処理、連続処理、エリア指定処理、数値データ処理の何れであるか)を判断する(ステップB79〜B81)。
【0168】
オール処理が選択された場合(ステップB79で「YES」)には、解析データ一括表示処理ルーチンB82を実行した後に判断ステップB70へ戻る。上記解析データ一括表示処理ルーチンB82では、記憶部15に記憶されたポイントデータまたは移動軌跡データのうち、前記文字c24部分のクリックに応じた表示処理の実行により選択された表示形式に対応したデータ(表示形式がドットモードの場合はポイントデータ、軌跡モードの場合は移動軌跡データ)の全部を読み出し、その読み出しデータを画像表示エリアEXに表示中の背景画像に重ね合わせた状態で表示する。
【0169】
即ち、選択された表示形式がドットモードであった場合には、図29に示すように、記憶部15から読み出したポイントデータの全部を背景画像(盤面2aの画像)中にドットDpとして表示する。また、選択された表示形式が軌跡モードであった場合には、図示しないが、記憶部15から読み出した軌跡データの全部を背景画像中に線状の軌跡として表示する。尚、このような表示状態において、前述した拡大処理或いは縮小処理を選択すれば、表示画像を拡大或いは縮小できるものである。
【0170】
連続処理が選択された場合(ステップB80で「YES」)には、解析データ分割表示処理ルーチンB83を実行した後に判断ステップB70へ戻る。上記解析データ分割表示処理ルーチンB83では、記憶部15に記憶されたポイントデータまたは移動軌跡データのうち、選択されている表示形式に対応したデータ(ポイントデータ若しくは移動軌跡データ)を所定の単位時間相当分ずつ読み出すと共に、その読み出しデータを画像表示エリアEXに表示中の背景画像に重ね合わせた状態で表示する。
【0171】
即ち、選択された表示形式がドットモードであった場合には、図30に示すように、記憶部15から読み出した単位時間相当分のポイントデータを背景画像(盤面2aの画像)中にドットDpとして表示する。また、選択された表示形式が軌跡モードであった場合には、図31に示すように、記憶部15から読み出した単位時間相当分の軌跡データを背景画像中に線状の軌跡Tpとして表示する。尚、このような表示状態においても、前述した拡大処理或いは縮小処理を選択すれば、表示画像を拡大或いは縮小できるものである。
【0172】
また、上記解析データ分割表示処理ルーチンB83では、アイコンc23部分がクリックされたときに、表示中のポイントデータ或いは軌跡データを、その前後の単位時間相当分のものに切り換えるというスクロール処理を実行する。
【0173】
エリア指定処理が選択された場合(ステップB81で「YES」)には、特殊解析データ表示処理ルーチンB84を実行した後に判断ステップB70へ戻る。上記特殊解析データ表示処理ルーチンB84では、画像表示エリアEXに表示された背景画像中に前述した注目エリアを指定する操作を受け付けると共に、注目エリアが指定されたときには、記憶部15に記憶された移動軌跡データのうち、上記指定注目エリアを通過したパチンコ玉の移動軌跡データのみを抽出し、その抽出データを画像表示エリアEXに表示中の背景画像に重ね合わせた状態で表示する。
【0174】
即ち、図32に示すように、背景画像中の釘Aの周辺に注目エリアAP1が指定され、且つ釘Bの周辺に注目エリアAP2が指定された状態では、それらの注目エリアAP1及びAP2を通過したパチンコ玉の移動軌跡(図示せず)のみが表示される。尚、このような表示状態においても、前述した拡大処理或いは縮小処理を選択すれば、表示画像を拡大或いは縮小できるものである。
【0175】
この場合、上記移動軌跡に対応したポイントデータを選択的に表示できる構成としても良い。また、注目エリアは1箇所でも良く、或いは、さらに多数の注目エリアを同時に指定できる構成としても良い。
【0176】
数値データ処理が選択された場合(ステップB81で「NO」)には、データ表示処理ルーチンB85を実行した後に判断ステップB70へ戻る。
【0177】
上記データ表示処理ルーチンB85では、以下(1)、(2)のような表示処理の何れかを選択的に行い得る。
(1)図33に示すように、画像表示エリアEXに表示された背景画像中に前述した注目ポイントP1、P2(この例では釘A、B)を指定する操作を受け付けると共に、それらの注目ポイントP1、P2が指定されたときには、記憶部15に記憶された移動軌跡データに基づいて、当該注目ポイントP1、P2を中心に左右に別れて移動したパチンコ玉数の割合を算出すると共に、その算出割合を示す数値化情報Dnを、当該移動軌跡データによる移動軌跡Tpと共にマルチウインドウ形式で表示する。
【0178】
上記数値化情報Dnは、機種名、釘調整内容、データの収録開始時間などを示すデータと共に、注目ポイントP1、P2において、左右に別れて移動したパチンコ玉数の割合をそれぞれ実際の数並びに百分率で示すデータ群より成るもので、各データ群は、解析したデータの全部についてのデータdn1と、所定時間帯毎(例えば10分毎)に区分した複数のデータdn2とを有する。尚、この場合において、データdn1及びdn2の一方のみを、移動軌跡Tpを表示した画面中にグラフ表示する構成としても良い。また、注目ポイントは1箇所でも良く、或いは、さらに多数の注目ポイントを同時に指定できる構成としても良い。
【0179】
(2)図34、図35に示すように、画像表示エリアEXに表示された背景画像中に前述した注目ラインL1を指定する操作を受け付けると共に、注目ラインL1が指定されたときには、記憶部15に記憶されたポイントデータまたは移動軌跡データに基づいて、上記注目ラインL1を通過したパチンコ玉数を当該注目ラインL1を複数に分割した各領域毎に区分した状態で算出すると共に、その算出結果を、当該ポイントデータによるドットDp、または移動軌跡データによる移動軌跡Tpと対応付けた状態のグラフG1として表示する。尚、注目ラインは2箇所以上を同時に指定できる構成としても良い。
【0180】
一方、図18のような編集画面の表示状態で、文字c22部分を通じてプリント処理が選択された場合(ステップB73で「YES」)には、画面表示エリアEXに前述した解析データを表示中か否かを判断し(ステップB86)、解析データが表示されていない場合には判断ステップB74へ移行するが、表示されていた場合には、表示中の画面全体をカラープリンタ19を通じて印刷するプリント処理ルーチンB87を実行した後に判断ステップB70へ戻る。
【0181】
また、図18のような編集画面の表示状態で、文字c13部分を通じてメニュー画面選択操作が行われた場合(ステップB74で「YES」)には、図4に示すメニュー画面表示ステップB1へ戻る。
【0182】
図4に翻って、メニュー画面(図9参照)の表示状態でメンテナンス処理が選択された場合(ステップB5で「YES」)には、図8に示すメンテナンス画面表示ステップB88以降の制御を実行する。
【0183】
上記メンテナンス画面表示ステップB88では、図19に示すようなメンテナンス画面を表示する。具体的には、このメンテナンス画面には、「メンテナンス」の文字d1 、「削除」の文字d2 及びこの文字d2 に対応された「コメントF」(但し、Fはファイルの意味)、「設定」、「一括」の文字d3 〜d5 、「メニュー」の文字d6 、並びに上記文字d3 〜d6 を囲む枠が表示されると共に、ポインタPが表示される。
【0184】
この場合、上記文字d3 部分をマウス20aによりクリックすることによってコメントファイル削除処理を選択でき、文字d4 部分をクリックすることによって設定削除処理を選択でき、文字d5 部分をクリックすることによって一括削除処理を選択でき、さらに、文字d6 部分をマウス20aによりクリックすることによって、メニュー画面選択処理を選択できる構成となっている。
【0185】
特に、文字d3 部分がクリックされたとき(コメントファイル削除処理が選択されたとき)には、編集画面内に、ポインタPを通じてパチンコ遊技機2の機種名を選択するためのプルダウンメニューPM8が現れるように構成されている。
【0186】
このようにメンテナンス画面を表示した状態では、上述したコメントファイル削除処理、設定削除処理、一括削除処理、メニュー画面選択処理の何れかが選択されるまで待機する(ステップB89〜B92)。
【0187】
図19のようなメンテナンス画面の表示状態で文字d3 部分を通じてコメントファイル削除処理が選択された場合(ステップB89で「YES」)には、表示変更処理ルーチンB93を実行する。この処理ルーチンB93では、図20に示すように、文字d3 部分を反転表示状態(斜線帯で示す)に切り換えてコメントファイル削除処理が選択されていることを表示すると共に、前記プルダウンメニューPM8を通じて選択されたパチンコ遊技機2の機種名d7 、その機種名コードに対応した状態で記憶部15に記憶されているコメントファイル群CF、「キャンセル」、「実行」の各文字d8 、d9 を表示する。
【0188】
この場合、上記表示変更処理ルーチンB93では、コメントファイル群CF中のコメントファイルの選択をマウス20aを通じて行い得ると共に、斯様に選択されたコメントファイルが斜線帯で示す反転表示状態に切り換えられるようになっており、このような表示変更処理ルーチンB93は、文字d9 部分のクリックに応じた実行処理及び文字d8 部分のクリックに応じたキャンセル処理の何れかが選択されるまで反復して実行される(ステップB94、B95)。
【0189】
そして、キャンセル処理が選択された場合には、そのまま前記メンテナンス画面表示ステップB88へ戻るが、実行処理が選択された場合には、表示追加処理ルーチンB96を実行する。
【0190】
上記表示追加処理ルーチンB96では、図21に示すように、表示中のメンテナンス画面に対して、コメントファイルの削除の有無を質問する内容のメッセージGMを追加表示するものであり、この追加表示後には、文字d9 部分のクリックに応じた実行処理及び文字d8 部分のクリックに応じたキャンセル処理の何れかが選択されるまで待機する(ステップB97、B98)。
【0191】
この待機状態からキャンセル処理が選択された場合には、そのまま前記表示変更処理ルーチンB93へ戻るが、実行処理が選択された場合には、コメントファイル削除処理ルーチンB99を実行した後に、表示変更処理ルーチンB93へ戻る。
【0192】
上記コメントファイル削除処理ルーチンB99では、記憶部15に記憶されているコメントファイルのうち、前述のように選択された状態にあるコメントファイルを削除する。
【0193】
図19のようなメンテナンス画面の表示状態で文字d4 部分を通じて設定削除処理が選択された場合(ステップB90で「YES」)には、表示変更処理ルーチンB100を実行する。この処理ルーチンB100では、図22に示すように、文字d4 部分を斜線帯で示す反転表示状態に切り換えて設定削除処理が選択されていることを表示すると共に、削除対象が記憶部14に記憶された検索条件設定ファイル(マスク情報、時間情報を含む)であることを示す「検索条件設定ファイル」の文字d10、その検索条件設定ファイルに対応したパチンコ遊技機2の機種名群PN、「キャンセル」、「実行」の各文字d8 、d9 を表示する。
【0194】
この場合、上記表示変更処理ルーチンB100では、機種名群PN中の機種名の選択をマウス20aを通じて行い得ると共に、斯様に選択された機種名が斜線帯で示す反転表示状態に切り換えられるようになっており、このような表示変更処理ルーチンB100は、文字d9 部分のクリックに応じた実行処理及び文字d8 部分のクリックに応じたキャンセル処理の何れかが選択されるまで反復して実行される(ステップB101、B102)。
【0195】
そして、キャンセル処理が選択された場合には、そのまま前記メンテナンス画面表示ステップB88へ戻るが、実行処理が選択された場合には、表示追加処理ルーチンB103を実行する。
【0196】
上記表示追加処理ルーチンB103では、図23に示すように、表示中のメンテナンス画面に対して、検索条件設定ファイルの削除の有無を質問する内容のメッセージGMを追加表示するものであり、この追加表示後には、文字d9 部分のクリックに応じた実行処理及び文字d8 部分のクリックに応じたキャンセル処理の何れかが選択されるまで待機する(ステップB104、B105)。
【0197】
この待機状態からキャンセル処理が選択された場合には、そのまま前記表示変更処理ルーチンB100へ戻るが、実行処理が選択された場合には、検索条件設定ファイル削除処理ルーチンB106を実行した後に、表示変更処理ルーチンB100へ戻る。
【0198】
上記検索条件設定ファイル削除処理ルーチンB106では、記憶部15に記憶されている検索条件設定ファイルのうち、前述のように選択された状態にあるファイルを削除する。
【0199】
図19のようなメンテナンス画面の表示状態で文字d5 部分を通じて一括削除処理が選択された場合(ステップB91で「YES」)には、表示変更処理ルーチンB107を実行する。この処理ルーチンB107では、図24に示すように、文字d5 部分を斜線帯で示す反転表示状態に切り換えて一括削除処理が選択されていることを表示すると共に、削除対象が記憶部14に記憶された背景画像データ、コメントファイル及び検索条件設定ファイルの全部であることを示す「一括(背景+検索条件設定ファイル+コメントファイル)」の文字d11、それらの背景画像データ及び各ファイルに対応したパチンコ遊技機2の機種名群PN、「キャンセル」、「実行」の各文字d8 、d9 を表示する。
【0200】
この場合、上記表示変更処理ルーチンB107では、機種名群PN中の機種名の選択をマウス20aを通じて行い得ると共に、斯様に選択された機種名が斜線帯で示す反転表示状態に切り換えられるようになっており、このような表示変更処理ルーチンB107は、文字d9 部分のクリックに応じた実行処理及び文字d8 部分のクリックに応じたキャンセル処理の何れかが選択されるまで反復して実行される(ステップB108、B109)。
【0201】
そして、キャンセル処理が選択された場合には、そのまま前記メンテナンス画面表示ステップB88へ戻るが、実行処理が選択された場合には、表示追加処理ルーチンB110を実行する。
【0202】
上記表示追加処理ルーチンB110では、図25に示すように、表示中のメンテナンス画面に対して、背景画像データ、検索条件設定ファイル及びコメントファイルの一括削除の有無を質問する内容のメッセージGMを追加表示するものであり、この追加表示後には、文字d9 部分のクリックに応じた実行処理及び文字d8 部分のクリックに応じたキャンセル処理の何れかが選択されるまで待機する(ステップB111、B112)。
【0203】
この待機状態からキャンセル処理が選択された場合には、そのまま前記表示変更処理ルーチンB107へ戻るが、実行処理が選択された場合には、一括削除処理ルーチンB113を実行した後に、表示変更処理ルーチンB113へ戻る。
【0204】
上記一括削除処理ルーチンB113では、記憶部15に記憶されている画像データ、検索条件設定ファイル及びコメントファイルのうち、前述のように選択された状態にあるものを一括して削除する。
【0205】
以上要するに、上記した本実施例によれば以下に述べるような効果を奏するものである。
即ち、本実施例によれば、画像処理装置3の検出部4において、パチンコ遊技機2の盤面2aをCCDカメラ1により正面から撮像した系列画像に基づいた動画像処理を行うことにより、盤面2aに発射されたパチンコ玉の位置を示すポイントデータを得ると共に、当該画像処理装置3の解析部5において、上記ポイントデータに基づいて盤面2aでのパチンコ玉の移動軌跡の予測を含む解析動作を行って、盤面2aでのパチンコ玉の移動軌跡を示す移動軌跡データを得る構成とした上で、それらのポイントデータ及び移動軌跡データを、盤面2aの画像(背景画像)と共に、CRTディスプレイ18或いはカラープリンタ19により画像データとして選択的に出力可能な構成となっている。
【0206】
この場合、上記のような画像データには、盤面2aに向けて発射された多数のパチンコ玉についてのポイントデータ或いは移動軌跡データが含まれることになり、当該画像データは、パチンコ遊技機の盤面でのパチンコ玉の流れを、感覚に頼らずに誰でも容易且つ短時間で確認可能な定量的且つ視覚的ななデータとして出力されることになる。従って、CRTディスプレイ18或いはカラープリンタ19を通じて出力される画像データに基づいて、釘調整に必要となるパチンコ遊技機2の特性をきわめて容易に把握できるようになるから、例えば、パチンコホールにおいて、新規機種のパチンコ遊技機を導入するに際し当該パチンコ遊技機の特性を把握する場合などにきわめて有益になる。
【0207】
また、画像処理装置3による上述のような動画像処理の実行に先立って、パチンコ遊技機2の盤面構成要素のうち動画像処理時に雑音成分となる要素である風車2c、飾りランプ2d、図柄表示装置2iを、解析対象から外したマスクエリアMA(図27参照)として設定する構成となっているから、パチンコ玉の移動軌跡のみを忠実に解析可能となって、上記のように得られる画像データ、つまりポイントデータ及び移動軌跡データの信頼性が向上するようになる。
【0208】
この場合、上記マスクエリアMAには、盤面2aにおけるパチンコ玉の非通過領域(盤面2aの囲い枠外側の部分など)や玉発射通路SPなどのように動画像処理の対象とする必要がない部分も含む構成としたから、不必要な領域の画像についての解析動作を行う必要がなくなって、動画像処理時間の短縮を図り得るようになる。
【0209】
マスクエリアMAの入力設定を、CRTディスプレイ18に表示された背景画像(盤面2aの画像)中の任意の画素群を動画像処理対象から除外することによってソフトウエア的に行う構成としたから、パチンコ遊技機2の各機種毎に予めマスクエリアMAを設定しておくことが可能となって、ユーザーサイドでパチンコ玉の移動軌跡を解析する作業を行う際の手順が楽になる。
【0210】
尚、例えば、パチンコ遊技機2が図柄表示装置2i部分の上をパチンコ玉が通過するような構造となっていた場合には、その部分に、艶消しの黒色紙などよりなる遮蔽部材を張り付けることにより、当該図柄表示装置2iを遮蔽するというハードウエア的な手段によってマスクエリアを設定する構成も可能であり、この構成によれば、動画像処理時に雑音成分となる盤面構成要素の手前側をパチンコ玉が通過する形態となっているパチンコ遊技機についても、パチンコ玉の移動軌跡の解析或いは移動軌跡の予測を無理なく行い得るようになる。
【0211】
しかも、前述のように、盤面2aでのパチンコ玉の移動軌跡を予測する構成となっているから、パチンコ玉の移動軌跡のうち解析不能なものを減少させることができて、解析結果として出力される画像データの信頼性がさらに向上するようになる。
【0212】
上記のようにパチンコ玉の移動軌跡の予測を行う際に、移動制限値(前記検出部4側においてポイントデータを作成するときの系列画像の画面間でパチンコ玉が移動し得る距離の最大値に対応)を予め設定し、予測される移動軌跡についてパチンコ玉の単位時間当たりの移動量が上記移動制限値を越える場合には、その予測結果を無効化する構成となっているから、本来あり得ない移動軌跡の予測を誤って行う虞がなくなって、この面からも前記画像データの信頼性を向上させ得るようになる。
【0213】
パチンコ玉の移動軌跡の予測を行う際には、盤面2aにおいてパチンコ玉が通過し得ない領域を非通過ラインE4(図28参照)として予め設定し、上記非通過ラインE4を横切る移動軌跡の予測を禁止する構成となっているから、この場合にも、本来あり得ない移動軌跡の予測を誤って行う虞がなくなって、出力される画像データの信頼性が向上するようになる。
【0214】
パチンコ玉の移動軌跡の予測を行う際には、盤面2aにおける玉発射通路SPに対応した所定範囲の領域をスタートエリアE1(図28参照)として設定し、パチンコ玉の移動軌跡の解析を、上記スタートエリアE1に存在するパチンコ玉の画像を起点に行う構成としたから、本来存在し得ない始点から移動軌跡を形成するという誤った解析動作が行われる虞がなくなって、前記画像データの信頼性がさらに向上するようになる。
【0215】
パチンコ玉の移動軌跡の予測を行う際には、盤面2aにおける所定領域、例えばアウト孔2jを含んだ所定領域をエンドエリアE2(図28参照)として設定し、パチンコ玉の移動軌跡の解析を、上記エンドエリアE2からパチンコ玉の画像が抽出されたときに確定する構成となっているから、移動軌跡の終点として本来存在し得ない点へ向けて移動軌跡を形成するという誤った解析動作が行われる虞がなくなって、出力される画像データの信頼性が向上するようになる。
【0216】
しかも、この構成によれば、パチンコ玉が盤面2a上のセーフ孔2e、2f、スタート孔2gに入る可能性がなくなった時点で、当該パチンコ玉の移動軌跡が確定されることになるから、不必要な移動解析処理が長々と継続されることがなくなって、他のパチンコ玉の移動軌跡の解析を効率良く行い得るようになる。
【0217】
パチンコ玉の移動軌跡の予測を行う際には、盤面2aにおけるセーフ孔2e、2f、スタート孔2gに対応した領域をセーフ孔エリアE3(図28参照)として設定し、パチンコ玉の移動軌跡の解析を、上記セーフ孔エリアE3からパチンコ玉の画像が抽出されたときに確定する構成となっているから、パチンコ玉が盤面2a上のセーフ孔2e、2f或いはスタート孔2gに入った時点で、当該パチンコ玉の移動軌跡を確定することが可能になるから、この場合にも、不必要な移動解析処理が長々と継続されることがなくなって、他のパチンコ玉の移動軌跡の解析を効率良く行い得るようになる。また、画像解析結果からセーフ孔2e、2f、スタート孔2gへ入賞したパチンコ玉数を検出することも可能になる。
【0218】
盤面に発射されたパチンコ玉を一旦内部に取り込む玉入口、並びにこの玉入口を通じて取り込まれたパチンコ玉を当該玉入口と異なる位置に設けられた玉出口から盤面に戻す構成のパチンコ遊技機をパチンコ玉の移動軌跡解析対象とする場合には、パチンコ玉の移動軌跡の予測を行う際に、盤面における前記玉出口対応領域を再スタートエリアとして設定し、パチンコ玉の移動軌跡の解析を、上記再スタートエリアに存在するパチンコ玉の画像を起点に再開するように構成されているから、パチンコ遊技機が玉入口及び玉出口を備えた特殊な形式のものであった場合でも、移動軌跡の始点として本来存在し得ない点から移動軌跡を形成するという誤った解析動作が行われる虞がなくなる。
【0219】
盤面2aに発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析結果を、所定時間分ずつ同一画面上に一括表示する画像データとして出力する連続処理を行う構成となっているから、盤面2a上でのパチンコ玉の移動軌跡を所定時間分ずつ目視により確認できるようになって、パチンコ遊技機2の特性の把握をより一層容易に行い得るようになる。
【0220】
盤面2a上の任意位置に1箇所または複数箇所の注目エリア(例えば図32に示すような注目エリアAP1、AP2)を指定可能に構成した上で、盤面2aに発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、上記注目エリアAP1、AP2を通過したパチンコ玉の移動軌跡のみを抽出すると共に、その抽出結果をCRTディスプレイ18に対し図32に示すように表示する構成としたから、斯様に抽出された移動軌跡に基づいて、釘調整状態の有効性の確認を的確に行い得るようになる。
【0221】
盤面2a上の任意位置に1箇所または複数箇所の注目ポイント(例えば図33に示すような注目ポイントP1、P2)を指定可能に構成した上で、解析結果とした得た移動軌跡データに基づいて、上記注目ポイントP1、P2を中心に左右に別れて移動したパチンコ玉数の割合を算出すると共に、その算出割合を示す数値化情報Dn(またはグラフ)を、図33に示すように、当該移動軌跡データによる移動軌跡Tpと共にマルチウインドウ形式で表示する構成としたから、その表示に基づいて釘調整状態の有効性の確認を的確に行い得るようになる。
【0222】
特に、この構成によれば、注目ポイントP1、P2を中心に左右に別れて移動したパチンコ玉数の割合を示す数値化情報(またはグラフ)と、盤面2aでのパチンコ玉の移動軌跡とを目視によって容易に比較できるから、釘調整状態の有効性を確認する上で有効となる。
【0223】
盤面2a上の任意位置に水平方向に延びる1本または複数本の注目ライン(例えば図34、図35に示すような注目ラインL1)を指定可能に構成した上で、盤面2aに発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、上記注目ラインL1を通過したパチンコ玉数を当該注目ラインL1を複数に分割した各領域毎に区分した状態で算出すると共に、その算出結果を、図34、図35に示すように、前記ポイントデータによるドットDp、または移動軌跡データによる移動軌跡Tpと対応付けた状態でグラフ表示する構成としたから、盤面2a上に設定された水平方向の注目ラインL1を通過したパチンコ玉数を当該注目ラインL1を複数に分割した各領域毎に区分した状態で算出した結果と、盤面2aでのパチンコ玉の移動軌跡とを目視によって容易に比較できることになるから、釘調整状態の有効性を確認する上で有効となる。
【0224】
尚、図36に示すように、釘調整内容が異なる状態とされたパチンコ遊技機2についてのパチンコ玉の移動軌跡解析結果を、CRTディスプレイ18を通じて互いに比較可能な状態(マルチウインドウ形式)で表示する構成としても良いものである(この例ではポイントデータによるドットDpであるが、移動軌跡データによる移動軌跡でも良い)。この構成によれば、釘調整内容の違いによるパチンコ玉の移動軌跡を視覚的に比較できるようになるから、釘調整状態の確認をきわめて容易に行い得るようになる。さらに、この場合において、各マルチウインドウ画面中に、前述した注目ポイントP1、P2に係る数値化情報Dnなどを表示する構成とすることもできる。
【0225】
その他、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、以下に述べるような変形或いは拡大が可能である。
パチンコ遊技機2におけるアウト玉数データ、セーフ玉数データ、差玉数データ、出玉率データなどを、CRTディスプレイ18の画像表示エリアEX中に解析画面と一緒に表示する構成としても良い。解析結果として得られるポイントデータ或いは移動軌跡データを、パチンコホール内に設置されたデータ表示端末に対し選択的に表示できる構成とすることによって、遊技客側に公開する構成としても良いものである。
【0226】
また、盤面2a上の任意位置に複数箇所の注目エリアを指定可能に構成した上で、盤面2aに発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、上記複数箇所の注目エリアの全部を順次通過したパチンコ玉の移動軌跡のみを抽出すると共に、その抽出結果をCRTディスプレイのような出力装置を通じて出力する構成としても良く、この場合においては、特定のルートを辿って移動するパチンコ玉のみに関する移動軌跡が抽出されることになるから、釘調整状態の有効性の確認を一段と的確に行い得るようになる。
【0227】
パチンコ遊技機2の盤面2aでのパチンコ玉の位置を示す位置データを発生可能な位置検出手段として、撮像手段であるCCDカメラ1を用いる構成としたが、盤面2aの前面ガラスの両面に、複数本ずつの送信線及び受信線をマトリクス状に配置し、それら送信線及び受信線を利用して盤面に発射されたパチンコ玉の位置を、各送信線及び受信線の操作に応じて電磁的に検出すると共に、その検出結果を位置データとして出力する構成のマトリクスセンサを位置検出手段として利用する構成としても良いものである。
【0228】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によるパチンコ玉の移動軌跡解析方法及び移動軌跡解析装置によれば、パチンコ遊技機の盤面でのパチンコ玉の位置示す位置データを得ると共に、所定時間経過毎の時系列的な位置データを比較するという比較処理を行うことにより、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡を解析すると共に、その解析結果を画像データとして出力するなどの構成としたから、パチンコ遊技機の盤面でのパチンコ玉の流れを、感覚に頼らずに誰でも容易且つ短時間で確認可能な定量的なデータとして出力することができて、釘調整に必要となるパチンコ遊技機の特性をきわめて容易に把握できるようになると共に、上記データの信頼性を向上できるなどの有益な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成を示す機能ブロック図
【図2】検出部の制御内容を示すフローチャートその1
【図3】同制御内容を示すフローチャートその2
【図4】解析部の制御内容を示すフローチャートその1
【図5】同制御内容を示すフローチャートその2
【図6】同制御内容を示すフローチャートその3
【図7】同制御内容を示すフローチャートその4
【図8】同制御内容を示すフローチャートその5
【図9】CRTディスプレイによるメニュー画面の表示例を示す図
【図10】CRTディスプレイによる検索画面の表示例を示す図その1
【図11】検索画面の表示例を示す図その2
【図12】検索画面の表示例を示す図その3
【図13】検索画面の表示例を示す図その4
【図14】検索画面の表示例を示す図その5
【図15】検索画面の表示例を示す図その6
【図16】検索画面の表示例を示す図その7
【図17】編集画面の表示例を示す図その1
【図18】編集画面の表示例を示す図その2
【図19】メンテナンス画面の表示例を示す図その1
【図20】メンテナンス画面の表示例を示す図その2
【図21】メンテナンス画面の表示例を示す図その3
【図22】メンテナンス画面の表示例を示す図その4
【図23】メンテナンス画面の表示例を示す図その5
【図24】メンテナンス画面の表示例を示す図その6
【図25】メンテナンス画面の表示例を示す図その7
【図26】画像表示エリアの表示例を示す図その1
【図27】画像表示エリアの表示例を示す図その2
【図28】画像表示エリアの表示例を示す図その3
【図29】画像表示エリアの表示例を示す図その4
【図30】画像表示エリアの表示例を示す図その5
【図31】画像表示エリアの表示例を示す図その6
【図32】画像表示エリアの表示例を示す図その7
【図33】画像表示エリアの表示例を示す図その8
【図34】画像表示エリアの表示例を示す図その9
【図35】画像表示エリアの表示例を示す図その10
【図36】変形例における画像表示エリアの表示例を示す図
【符号の説明】
図中、1はCCDカメラ(位置検出手段、撮像手段)、2はパチンコ遊技機、2aは盤面、2cは風車(盤面構成要素)、2dは飾りランプ(盤面構成要素)、2iは図柄表示装置(盤面構成要素)、3は画像処理装置(マスクエリア設定手段、画像処理手段)、4は検出部、5は解析部、9は情報処理制御部、10は検索情報記憶部、14は解析制御分、15は記憶部、18はCRTディスプレイ(出力装置、表示装置)、19はカラープリンタ(出力装置)20はキーボード、20aはマウスを示す。

Claims (12)

  1. パチンコ遊技機の盤面でのパチンコ玉の位置を示す位置データを発生可能な位置検出手段を備え、
    前記位置検出手段によって、所定時間経過毎の時系列的な位置データを順次得ると共に、その時系列的な位置データを比較するという比較処理を行うことによって、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡を解析し、その解析結果を画像データとして出力するように構成されたパチンコ玉の移動軌跡解析方法において、
    盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、そのパチンコ玉の移動軌跡を予測すると共に、その予測結果を、盤面構成要素を含む盤面の画像を背景とした画面上に表示した状態の画像データとして出力し、
    前記比較処理に先立って、盤面においてパチンコ玉が通過し得ない領域を非通過ラインとして設定し、パチンコ玉の移動軌跡の予測時においては、上記非通過ラインを横切る移動軌跡の予測を禁止することを特徴とするパチンコ玉の移動軌跡解析方法。
  2. パチンコ玉の移動軌跡の予測時において、予測される移動軌跡についてパチンコ玉の単位時間当たりの移動量が上限値を越える場合には、その予測結果を無効化することを特徴とする請求項1記載のパチンコ玉の移動軌跡解析方法。
  3. 釘調整内容が異なる状態とされたパチンコ遊技機についてのパチンコ玉の移動軌跡解析結果を、表示装置を通じて互いに比較可能な状態で表示する構成としたことを特徴とする請求項1または2記載のパチンコ玉の移動軌跡解析方法。
  4. 盤面上の任意位置に1箇所または複数箇所の注目ポイントを指定可能に構成され、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、上記注目ポイントを中心に左右に別れて移動したパチンコ玉数の割合を算出すると共に、その算出割合を示す数値化情報またはグラフを出力装置を通じて出力するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のパチンコ玉の移動軌跡解析方法。
  5. 請求項4記載のパチンコ玉の移動軌跡解析方法において、前記数値化情報またはグラフを、パチンコ玉の移動軌跡解析結果を表示するように設けられた表示装置中に、当該移動軌跡解析結果と対応付けた状態で表示するように構成したもの
  6. 盤面上の任意位置に水平方向に延びる1本または複数本の注目ラインを指定可能に構成され、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、上記注目ラインを通過したパチンコ玉数を当該注目ラインを複数に分割した各領域毎に区分した状態で算出すると共に、その算出結果をパチンコ玉の移動軌跡解析結果を表示するように設けられた表示装置中に、当該移動軌跡解析結果と対応付けた状態でグラフ表示する構成としたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のパチンコ玉の移動軌跡解析方法。
  7. パチンコ遊技機の盤面でのパチンコ玉の位置を示す位置データを発生する位置検出手段と、
    画像データを出力可能な出力装置と、
    前記位置検出手段による所定時間経過毎の時系列的な位置データを所定の位置データ間で比較するという比較処理を行うことにより盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡を解析すると共に、その解析結果を前記出力装置を通じて画像データとして出力する画像処理手段とを備えたパチンコ玉の移動軌跡解析装置において、
    前記画像処理手段は、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、そのパチンコ玉の移動軌跡を予測すると共に、その予測結果を、盤面構成要素を含む盤面の画像を背景とした画面上に表示した状態の画像データとして出力するように構成され、前記比較処理に先立って、盤面においてパチンコ玉が通過し得ない領域を非通過ラインとして設定し、パチンコ玉の移動軌跡の予測時においては、上記非通過ラインを横切る移動軌跡の予測を禁止するように構成されていることを特徴とするパチンコ玉の移動軌跡解析装置
  8. 前記画像処理手段は、パチンコ玉の移動軌跡の予測時において、予測される移動軌跡についてパチンコ玉の単位時間当たりの移動量が上限値を越える場合には、その予測結果を無効化することを特徴とする請求項7記載のパチンコ玉の移動軌跡解析 装置
  9. 前記出力装置として表示装置を備え、
    前記画像処理手段は、釘調整内容が異なる状態とされたパチンコ遊技機についてのパチンコ玉の移動軌跡解析結果を、前記表示装置を通じて互いに比較可能な状態で表示するように構成されていることを特徴とする請求項7または8記載のパチンコ玉の移動軌跡解析装置
  10. 前記画像処理手段は、盤面上の任意位置に1箇所または複数箇所の注目ポイントを指定可能に構成され、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、上記注目ポイントを中心に左右に別れて移動したパチンコ玉数の割合を算出すると共に、その算出割合を示す数値化情報またはグラフを出力装置を通じて出力するように構成されていることを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載のパチンコ玉の移動軌跡解析装置
  11. 請求項10記載のパチンコ玉の移動軌跡解析装置において、前記出力装置としてパチンコ玉の移動軌跡解析結果を表示可能な表示装置を備え、前記画像処理手段を、前記表示装置中に、前記数値化情報またはグラフを上記移動軌跡解析結果と対応付けた状態で表示する構成としたもの。
  12. 前記出力装置としてパチンコ玉の移動軌跡解析結果を表示可能な表示装置を備え、
    前記画像処理手段は、盤面上の任意位置に水平方向に延びる1本または複数本の注目ラインを指定可能に構成され、盤面に発射されたパチンコ玉の移動軌跡の解析時には、上記注目ラインを通過したパチンコ玉数を当該注目ラインを複数に分割した各領域毎に区分した状態で算出すると共に、その算出結果を前記表示装置中に前記移動軌跡解析結果と対応付けた状態でグラフ表示するように構成されていることを特徴とする請求項7〜11の何れかに記載のパチンコ玉の移動軌跡解析装置
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