JP3913637B2 - 揚力吸引器、シート供給装置および包装機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、揚力吸引器、シート供給装置および包装機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々のシート供給装置が知られており、例えば包装機などにおいて、シート部材を供給するために用いられていた。
そのような従来技術として、特開平6−32324号公報および特開平6−48406号公報には、積載された包装シートを一枚ずつ分離して、吸着カップなどからなる給紙機構に保持し、その給紙機構を移動させて、サクションベルトに搬送する技術が記載されている。
また、特開昭61−192632号公報には、シート物を粘着テープで粘着させて給送する技術が記載されている。
また、特開平5−65112号公報には、包装シートを、繰り出しローラーにより給紙してから送りベルトで搬送する技術が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の技術では、以下に述べる問題があった。
特開平6−32324号公報、特開平6−48406号公報および特開昭61−192632号公報に記載された技術は、それぞれ、吸着カップ、粘着テープなどが、包装シートなどの表面と接触するため、包装シートの紙質によっては、その表面を汚したり、折れ痕を残したりする場合があるという問題があった。
また、上記の繰り出しローラーを用いる技術では、紙質により、例えば摩擦係数の大きな和紙などの搬送が困難となるという問題があった。
さらに、上記の吸着カップまたは粘着テープを用いる技術では、それぞれにより包装シートを吸着保持して、粘着カップまたは粘着テープ自体を移動させる移動機構が必要であった。また、繰り出しローラーも駆動機構が必要であった。そのために、いずれの場合にも、装置が複雑になり、高価なものとなるという問題があった。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、シート部材を汚損することなく保持し、その保持部自体を移動することなくシート部材を搬送できるようにする揚力吸引器、シート供給装置および包装機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、空気を本体のテーパ部に沿って吐出して負圧を生じさせることでシート部材をテーパ部近傍に非接触で浮遊保持する揚力吸引器であって、送り用空気を噴射することで前記シート部材を搬送する空気噴射口を、本体の側部に備える。
この発明によれば、シート部材を非接触で浮遊保持するとともに、本体の側部の空気噴射口から送り用空気を噴射して、シート部材を送り用空気の噴射方向に搬送することができる。
【0006】
請求項2に記載の発明では、シート供給装置において、シート部材を積載する給紙台と、該給紙台の上方に配置され、前記シート部材を非接触で浮遊保持する請求項1に記載の揚力吸引器と、前記給紙台の上方から搬送方向に向けて延ばされ、前記揚力吸引器により浮上した前記シート部材を吸着搬送するシート搬送手段とを備える。
この発明によれば、揚力吸引器により、給紙台からシート部材を分離して浮上させ、揚力吸引器を移動させることなく、シート搬送手段により吸着搬送できる。
【0007】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載のシート供給装置において、前記揚力吸引器により浮上したシート部材の搬送路上に進退可能とされ、該シート部材を搬送方向と直交する方向に突き当てて位置決めするストッパ機構を備える。
この発明によれば、揚力吸引器により非接触で浮遊保持された状態で、ストッパ機構にシート部材を突き当てて位置決めすることにより、シート部材に過大な負荷を与えることなく、シート搬送手段による吸着搬送の前に搬送姿勢を正すことができる。
【0008】
請求項4に記載の発明では、請求項2または3に記載のシート供給装置において、前記給紙台の搬送方向後方側に配置され、前記揚力吸引器により非接触で浮遊保持されたシート部材の搬送方向へ向けて、送り用空気を噴射する補助噴射口を備える。
この発明によれば、補助噴射口から送り用空気が噴射されることにより、揚力吸引器によるシート部材の搬送を補助して円滑な搬送を行うことができる。
【0009】
請求項5に記載の発明では、請求項2〜4のいずれかに記載のシート供給装置において、前記給紙台の搬送方向の後方に、前記シート部材の浮遊時に後端部の浮上量を規制する端部押え部材を設け、前記シート部材の後端部の側部を前記給紙台に設けたサイドガイドに当接させるようにした構成とする。
この発明によれば、シート部材の浮上時に、後端部がサイドガイドに当接するので、保持姿勢および搬送姿勢を安定させることができ、かつ、シート部材を湾曲させることにより、後端部でも浮遊するシート部材を分離させて1枚ずつ確実に送ることができる。
【0010】
請求項6に記載の発明では、包装機において、請求項2〜5のいずれかに記載のシート供給装置を用いて、前記シート部材を被包装物に搬送して、被包装物の包装を行う構成とする。
この発明によれば、請求項2〜5のいずれかに記載のシート供給装置と同様の作用を有する包装機が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なおすべての図面を通して、同一または相当する部材は、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明の実施形態に係る包装機50について説明する。包装機50は、搬送された被包装物の上に包装紙を搬送して、包装紙を被包装物に胴巻きする装置である。
図1は、本発明の実施形態に係る包装機50の概略構成を説明するための正面視説明図である。図2は、同じく平面視説明図である。
【0012】
包装機50は、概略構成を言えば、ワーク26(被包装物)を搬送するワーク搬送手段32と、ワーク26に向けて包装紙5(シート部材)を搬送するシート供給装置1とから構成される。
ワーク26は、どのような形状であってもよいが、本実施形態では、一例として、図示のように矩形断面を有する箱状の形態により説明する。
包装紙5は、ワーク26を包装するシート部材であれば形状や材質は何でもよい。例えば、洋紙、和紙、合成樹脂シートなどが採用できる。本実施形態では、一例として、矩形状シートを短手方向に搬送する例で説明する。
【0013】
ワーク搬送手段32は、不図示の基台上に、エレベータ25、単軸ロボット27、昇降ユニット28、プレッシャ29およびボトムガイド30、30を備えている。
昇降ユニット28は、不図示の基台上に設けられた上下移動機構である。
単軸ロボット27は、上面に図示左右への一軸往復移動機構を備える自動機であり、昇降ユニット28の先端に設けられている。
プレッシャ29は、ワーク26を側面から押圧するための部材で、単軸ロボット27の上面に取り付けられている。
ボトムガイド30、30は、プレッシャ29の移動方向に沿って、プレッシャ29を両脇から挟むように配置され、ワーク26をその上面に載せて滑らかに移動できるようにしたガイド部材である。
エレベータ25は、プレッシャ29に押されてボトムガイド30上を搬送されたワーク26を上面に載せて昇降させる昇降機構である。
【0014】
次に、本実施形態に係るシート供給装置1について説明する。以下、必要に応じて、図3〜5を参照する。
図3は、給紙台6の概略を説明するための斜視説明図である。図4は、図2におけるE−E断面図である。図5は、図2におけるF−F断面図である。
【0015】
シート供給装置1は、概略構成を言えば、給紙台6、揚力吸引器2、2、ストッパ爪13、13(ストッパ機構)およびサクションコンベア17、17(シート搬送手段)を備えている。
【0016】
給紙台6は、給紙台昇降ユニット8、可動底板7a、突き当てガイド9およびサイドガイド10a、10bを備える。
給紙台昇降ユニット8は、不図示の基台上に設けられた昇降機構であり、高さ方向の位置制御が可能とされたものである。例えば、サーボモータなどで駆動される機構などが採用できる。
可動底板7aは、給紙台昇降ユニット8の上部に設けられ、包装紙5…を水平に載置する台である。
【0017】
突き当てガイド9は、不図示の基台上方に固定された板部材で、積載された包装紙5…の搬送方向先端を位置決めするものである。また、サイドガイド10a、10bは、同様の板部材で、包装紙5の搬送方向左右側端面を垂直方向に案内するように設置されている。突き当てガイド9、サイドガイド10a、10bは、図2に示したように、可動底板7aに積載された包装紙5…を、上面視でコ字状に取り囲んでいる。
【0018】
突き当てガイド9の上面には、サイドガイド10a、10bの間のほぼ中央に、上面視三角形状の板部材からなる捌き爪12が設けられている。捌き爪12は、三角形の先端が包装紙5の上方に重なるように水平方向に延ばして配置されている。
【0019】
積載された包装紙5…の最上面は、捌き爪12の下面および突き当てガイド9の上面より低い位置となるように、所定距離Cだけ離して配置される(図4、5参照)。この調整は、可動底板7aの高さを調整することにより行われる。所定距離Cは、包装紙5が揚力吸引器2によって上方に引き上げられるとき、捌き爪12によって捌かれつつ、上方に抜けるような距離に設定される。本実施形態の構成では、2〜3mm程度が適切であった。
【0020】
次に、揚力吸引器2について説明する。
揚力吸引器2は、給紙台6の上方に配置されている。搬送方向においては、突き当てガイド9の突き当て面から搬送方向後方側に距離A(図2参照)離れた位置に、また、高さ方向においては、最上部のシート部材から高さB(図1参照)の上方位置に、それぞれ配置されている。距離A、高さBは、包装紙5の紙種、腰や重さなどにより適宜の値とする。一例を挙げると、熨斗紙などの場合、距離Aは、10mm程度、高さBは、5〜10mm程度が適切である。
また、サイドガイド10a、10b間の揚力吸引器2の配置位置および個数は、後述するサクションコンベア17、17の位置や、包装紙5の大きさなどの条件により、包装紙5がより安定に保持、搬送可能となるように適宜に決めることができる。本実施形態では、サイドガイド10a、10bと捌き爪12との中間部にそれぞれ1つずつ配置している。
【0021】
揚力吸引器2の本体形状は、ほぼ円筒であり、図5に示したように、本体の下側は、下面2aの中心部に上側に向けて次第に縮径する略円錐状のテーパ部2dが設けられている。テーパ部2dの中心には、本体内部の上側に管路2eが延ばされ、その中心に円筒状の管路を形成するための円柱状のノズル軸2cが設置されている。ノズル軸2cの下端の外周には、テーパ部2dへ向かう流路を規制するために突出されたつば部が設けられている。また、本体の側面と管路2eの間には、揚力用空気流路2bが貫通されている。
一方、揚力吸引器2の突き当てガイド9に対向する側部2hには、包装紙5の搬送方向に向く噴射ノズル2f(空気噴射口)が設けられている。噴射ノズル2fの本体内部側には、上方に延びて揚力吸引器2の上面に貫通する送り用空気流路2gが設けられている。
【0022】
揚力用空気流路2b、送り用空気流路2gには、それぞれ、チューブなどからなる空気流路40a、40bが取り付けられている。それぞれの流路中には、制御信号に応じて各流路の流量を独立に制御する電磁弁3a、3bが設けられ、その上流には、各流路に圧縮空気を送出するコンプレッサ4が接続されている。
【0023】
このような構成は、コンプレッサ4から送出された圧縮空気を、揚力吸引器2の管路2eを経てテーパ部2dに沿って外周側に噴射することにより、揚力吸引器2の下面に負圧を発生させ、包装紙5を浮上させるために設けられている。また、噴射ノズル2fは、送り用空気を搬送方向に噴射して、浮上させた包装紙5の先端側を上方に吸引しつつ、水平方向への推力を加えるために設けられているものである。
【0024】
次に、包装紙5の後端側上方に設けられた構成を説明する。
図1に示したように、サイドガイド10a、10bの上部間には、ブラケット11aが渡して固定されており(図示簡略化のため、図2、3では不図示)、そこに、端部押え部材11、11、シート確認センサ15および補助ノズル42(補助噴射口)が配置されている。
端部押え部材11は、先端が丸められた円錐部を下方に向けて包装紙5の浮上量を規制する部材であり、側面視では、その先端が、最上部の包装紙5よりわずかに上方に配置されている。また、平面視では、包装紙5…の搬送方向後端側近傍であって、その幅方向左右寄りの中間部に1つずつ配置されている。
【0025】
シート確認センサ15は、包装紙5…の最上面の高さを検出するセンサである。検出した高さは、適宜信号化され、給紙台昇降ユニット8にフィードバックされるように構成されている。
シート確認センサ15は、包装紙5…の最上面高さが検出できれば、どのようなセンサでもよいが、例えば、触針式センサや、反射型の光センサなどが採用できる。
【0026】
補助ノズル42は、空気流路40cに接続され、コンプレッサ4により送出される圧縮空気を搬送方向に向けて噴射する空気噴射口である。空気流路40c上には、圧縮空気の流量を制御する電磁弁3c(不図示)を含む電磁弁ユニット3が設けられている。
補助ノズル42は、包装紙5の後端側において、包装紙5を上方へ吸引しつつ、搬送方向への推力を与えるために設けられている。
【0027】
ストッパ爪13は、図1に示したように、突き当てガイド9の搬送方向側近傍に設けられ、搬送方向に直交する方向にストッパ面を有する部材である。その下面は、例えばエアシリンダなどからなるストッパ上下シリンダ14に固定され、所定の制御信号により上下移動が可能とされている。
このため、ストッパ爪13は、包装紙5の搬送路(水平方向)に対して、上下方向に進退可能とされている。
【0028】
また、ストッパ爪13は、図2に示したように、水平方向には、揚力吸引器2に対向する位置に1つずつ配置されている。各ストッパ面は、突き当てガイド9の突き当て面からそれぞれの距離Dの位置に揃えて設けられている。距離Dは、包装紙5を後述するサクションコンベア17に受け渡す位置になっている。
また、ストッパ爪13、13の間には、包装紙5が搬送されて先端がストッパ爪13、13に当接したときに、包装紙5の先端の到達を検出することができるように、シート到達センサ16が設けられている。シート到達センサ16は、例えば、透過型や反射型などの光センサ、またはそれを用いたセンサユニットが採用できる。
【0029】
サクションコンベア17は、概略構成を言えば、サクションベルト18、駆動ローラ20、従動ローラ21および吸引室22を備える。
サクションベルト18は、所定間隔で空気吸引用のベルト孔18aが設けられた一対の無端ベルトである。そして、サクションベルト18は、図1に示したように、水平方向に並列配置された、駆動ローラ20と従動ローラ21とに巻き掛けられ、鉛直面内で回転可能とされている。駆動ローラ20には、モータ19が接続されて、駆動力が伝達される。
このため、給紙台6から、エレベータ25に搬送されたワーク26を覆う範囲の上方に、ほぼ水平方向に延びる搬送部18bが形成されている。
揚力吸引器2の近傍における搬送部18bの高さは、揚力吸引器2の下面の高さとほぼ一致されている。そのため、包装紙5は、揚力吸引器2により浮上されたとき、先端部が搬送部18bの直下に配置される構成となっている。
【0030】
吸引室22は、搬送部18bの上面をほぼ覆う筐体で、図1に示したように、少なくとも、突き当てガイド9の上面近傍からエレベータ25に搬送されたワーク26の上面を覆う範囲まで延ばされている。より具体的には、包装紙5がストッパ爪13に当接したとき、包装紙5の上方に重なる範囲を有するように配置されている。
【0031】
また、吸引室22には、吸引ブロア24に接続する吸引流路41が取り付けられている。吸引流路41には、吸引ブロア24との間に、空気の吸引量を制御するための切替弁23が設けられている。
【0032】
サクションコンベア17、17の上面視の配置は、図2に示したように、互いに平行で、その内側には、エレベータ25上に載せられたワーク26および揚力吸引器2、2を含み、その外側が、サイドガイド10a、10bによって挟まれる位置に配置されている。
【0033】
また、シート供給装置1とは別に、本実施形態では、エレベータ25の上方に搬送された包装紙5bの端部に下側から糊付けするための糊付装置31、31が設けられている(図1)。図2において、符号33は、その糊付け位置を示している。
【0034】
次に、以上に説明した本実施形態に係る包装機50の動作について説明する。
図6は、本実施形態の包装機50の動作に係る信号のタイミングチャートである。信号101〜106は、それぞれ、電磁弁3a、3b、シート到達センサ16、切替弁23、サクションコンベア17、ストッパ上下シリンダ14の動作に係る制御信号を示す。それぞれ、縦方向は、上側が信号のハイレベル、下側がローレベルを表し、tn(nは整数)は、それぞれ信号レベルの切り替わる時刻を表す。時刻の順序は、添え字nの順序と一致している。
【0035】
給紙台6に複数枚の包装紙5…をセットすると、シート確認センサ15によりその最上面の高さが検出される。その高さが揚力吸引器2から距離Bの高さになっていないときは、給紙台昇降ユニット8が上下に動作して、距離Bを満足するように可動底板7aの高さが調整される。
また、ストッパ爪13、13は、初期状態では、信号106がハイレベルとされ、搬送路へ進入する位置に保持されている。そのため、搬送方向の移動は規制されている。
【0036】
時刻t0において、コンプレッサ4を動作させた状態で、電磁弁3aを開放する。すると、図5に矢印で示したように、揚力吸引器2には、空気流路40a、揚力用空気流路2bを経由して、圧縮空気が送出される。そして、管路2eを経て、テーパ部2dに沿って空気流が噴射される。
このとき、最上面の包装紙5aと揚力吸引器2との間で、テーパ部2dから下面2aに沿う高速の空気流が形成される(図示矢印)。そこでノズル軸2cの下方に負圧が生じる。そのため、包装紙5aは、上方への吸引力を受けて浮上する(図示白抜き矢印)。
【0037】
浮上に際して、包装紙5aの先端部が捌き爪12(図1、3参照)の抵抗を受けて湾曲し、捌き爪12の先端を乗り越えて上方に抜ける。周知のように、この過程により、もし包装紙5aの下面に別の包装紙5が付着していたとしても、捌かれて1枚に分離される。
【0038】
一方、本実施形態では、揚力吸引器2を包装紙5aの先端近傍(距離Aの位置)に配置している。そこで、図5に示したように、包装紙5aの上面に沿って包装紙5aの先端側に流れる空気流の一部が、相当の流速を保ったまま、包装紙5aの先端から裏面側に回り込む流れが形成される。この流れにより、裏面における別の包装紙5は、包装紙5aから分離される。したがって、捌き爪12から離れた位置でも、包装紙5の分離が行われる。そのため、包装紙5a1枚のみを浮遊保持することができるので、重送が確実に防止できる。しかも、このとき、揚力吸引器2は非接触を保っているので、包装紙5、5aが折れたり、汚れたりする恐れがない。
【0039】
このようにして、1枚に分離されて浮上した包装紙5aは、揚力吸引器2に吸引される。しかし、揚力吸引器2からは、常に空気が噴射されているので、浮上しすぎると揚力吸引器2から反発力を受けるため、非接触状態で、浮遊保持される。この作用は、包装紙5として用いられる洋紙、和紙、合成樹脂シートなどのの摩擦特性とは全く関係がなく、またそれらの通気性の程度にもほとんど影響されない。したがって、紙質を選ばすに、浮遊保持することができる。
【0040】
浮遊保持状態は、揚力吸引器2の外周側に流れる空気流がバランスしているため、包装紙5aに水平方向の推力が生じないが、非接触のため、わずかな力が作用しても水平方向に移動する状態になっている。
しかし、本実施形態では、図3に示したように、包装紙5aの後端側が端部押え部材11により浮上量を規制されているため、包装紙5aの後端部が、サイドガイド10a、10bの間に垂れ下がり、サイドガイド10a、10bの対向方向ヘの移動は規制された状態になっている。
【0041】
この状態から、電磁弁3bを開放する(t1)。すると、揚力吸引器2に、圧縮空気が送出される。そして、揚力吸引器2の送り用空気流路2gを経て、噴射ノズル2fから、搬送方向への高速の空気流が噴射される。包装紙5aは長さAだけ揚力吸引器2より搬送方向に突出されているから、この空気流は、包装紙5aの上面に近接して形成される。その結果、包装紙5aの搬送側先端は、空気流による負圧によって、上方への吸引力とともに、この空気流の噴射方向への推力の作用を受ける。したがって、包装紙5aは、下方に垂れ下がることなく、突き当てガイド9の上方をほぼ水平に搬送され、先端がストッパ爪13に突き当たる。一方、噴射ノズル2fからの空気流は流され続けるので、その推力を受けて当接したまま停止している。
ストッパ爪13は、間を置いた2箇所に設けられているから、搬送方向に対する先端が位置決めされる。すなわち、サイドガイド10a、10bと合わせて、包装紙5aの姿勢が正される。
【0042】
この状態で、シート到達センサ16が先端の到達を検知する(t2)。シート到達センサ16の検出信号によって切替弁23が開放され、サクションベルト18のベルト孔18aが負圧になり、到達した包装紙5aを停止位置で吸着し、それから、ストッパ上下シリンダ14、14を同時に下降させて(t3)、ストッパ爪13、13を搬送路から退去させる。そして、ストッパ上下シリンダ下降端信号(図示せず)によって、モータ19を所定量回転させて、包装紙5aを所定位置へ搬送する。噴射ノズル2f、2fは、シート到達センサ信号を受けて、噴射を停止する。
【0043】
なお、包装紙5aの大きさなどによっては、噴射ノズル2fだけでは、十分な推力が得られない場合もあり得る。その場合は、補助ノズル42により、包装紙5aの上面側に搬送方向に向けて空気流を噴射して、補助推力を与えるとよい。
また、噴射ノズル2fだけで推力が足りる場合でも、補助ノズル42を併用してもよい。その場合、搬送をより安定させることが可能である。
【0044】
そして、包装紙5aがストッパ爪13の上方を通過したあと、ストッパ上下シリンダ14を上昇させ(t6)、次の包装紙5を供給する準備に入る。
【0045】
次に、包装紙5aが、時刻t7において、図1、2における包装紙5bの位置に搬送され、糊付装置31により糊が塗布されたとして、包装の動作を簡単に説明する。
ワーク26は、時刻t7までに、昇降ユニット28、単軸ロボット27を動作させて、エレベータ25の上に搬送する。そして、エレベータ25を上昇させ、時刻t7において、ワーク26の上面が包装紙5bの下面に当接するようにする。
【0046】
時刻t7においては、サクションコンベア17の動作を停止する。すなわち、包装紙5bの位置で、搬送が停止される。そして、エレベータ25の上昇を待って搬送部18bへの吸着が解除される。
包装紙5bは、ワーク26の側面と、サクションコンベア17との間隙を通過することにより、ワーク26の側面に沿って下方に折り曲げられる。このとき、ワーク26の側面とサクションコンベア17との間隙には、適宜の折り曲げガイド(不図示)が設けられており、包装紙5bは、ワーク26の側部に押圧される。そのため、包装紙5bに塗布された糊でワーク26に固定される。
以上の動作により、包装機50によって、包装紙5b(5a)をワーク26に胴巻きすることができる。
【0047】
以上に説明した本実施形態においては、以下のような作用効果を有している。
給紙機構として、揚力吸引器2を採用するので、紙質によらず、汚損することもなく、1枚ごとの給紙搬送を行うことができる。したがって、特に包装においては、種々の紙質の包装紙5を採用して高品質の包装を行うことができる利点がある。
さらに、その際、揚力吸引器2自体を移動させる移動機構を設けることなく、包装紙5を搬送させることができる。その結果、移動機構などの複雑で高価な機構を省略した簡素な構成のシート供給装置を提供できるという利点がある。
【0048】
なお、上記の説明では、箱状のワーク26に矩形の包装紙5を胴巻きする例で説明したが、包装紙5はシート部材であればよく、形状や大きさは特に限定されない。また、ワーク26の形状や、包装紙5の巻きつけ方も、上記の例に限定されないことは言うまでもない。
さらに、上記の説明では、シート供給装置1を包装機50の一部に用いるものとして説明したが、シート供給装置1は、紙質を問わず各種シート部材の供給に好適であって、包装紙の供給に限定されるものではない。したがって、シート供給装置単体としても有効であり、包装機以外の機械と併用してもよい。
【0049】
また、上記の説明では、端部押え部材11を、先端が所定位置に固定された例で説明したが、例えば、当接される包装紙5の腰が強い場合などには、上方向へ可動としたり、ばね支持したりすることにより、端部押え部材11が、ある程度逃げるようにして、包装紙5への当接力を弱める構成としてもよい。
【0050】
また、上記の説明では、可動底板7aを包装紙5の最上面を一定に保つように制御する例で説明した。しかし、揚力吸引器2と最上面との距離Bの最適値には、ある程度の幅があるから、可動底板7aの位置は、その幅内に収めておけばよい。したがって、可動底板7aの高さは、段階的または間欠的に制御するものであってもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の揚力吸引器によれば、シート部材を送り用空気の噴射方向に搬送する機能を兼ね備えることができるから、揚力吸引器自体を移動させることなく、シート部材を非接触の浮遊保持をするとともに、シート部材を搬送することができるという効果を奏する。
また、本発明のシート供給装置および包装機によれば、上記本発明の揚力吸引器と、吸着搬送を行うシート搬送手段とを備えるので、シート部材を非接触の浮遊保持をするとともに、揚力吸引器自体を移動させることなく、シート部材を供給することができ、簡素で安価な装置とすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る包装機の概略構成を説明するための正面視説明図である。
【図2】 同じく平面視説明図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る給紙台6の上部の概略を説明するための斜視説明図である。
【図4】 図2におけるE−E断面図である。
【図5】 図2におけるF−F断面図である。
【図6】 本発明の実施形態に係る包装機の動作に係る信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 シート供給装置
2 揚力吸引器
2d テーパ部
2f 噴射ノズル(空気噴射口)
2h 側部
5、5a、5b 包装紙(シート部材)
6 給紙台
9 突き当てガイド
10a、10b サイドガイド
11 端部押え部材
13 ストッパ爪(ストッパ機構)
17 サクションコンベア(シート搬送手段)
26 ワーク(被包装物)
42 補助ノズル(補助噴射口)
50 包装機
Claims (6)
- 空気を本体のテーパ部に沿って吐出して負圧を生じさせることでシート部材をテーパ部近傍に非接触で浮遊保持する揚力吸引器であって、
送り用空気を噴射することで前記シート部材を搬送する空気噴射口を、本体の側部に備えることを特徴とする揚力吸引器。 - シート部材を積載する給紙台と、
該給紙台の上方に配置され、前記シート部材を非接触で浮遊保持する請求項1に記載の揚力吸引器と、
前記給紙台の上方から搬送方向に向けて延ばされ、前記揚力吸引器により浮上した前記シート部材を吸着搬送するシート搬送手段とを備えることを特徴とするシート供給装置。 - 請求項2に記載のシート供給装置において、
前記揚力吸引器により浮上したシート部材の搬送路上に進退可能とされ、該シート部材を搬送方向と直交する方向に突き当てて位置決めするストッパ機構を備えることを特徴とするシート供給装置。 - 請求項2または3に記載のシート供給装置において、
前記給紙台の搬送方向後方側に配置され、前記揚力吸引器により非接触で浮遊保持されたシート部材の搬送方向へ向けて、送り用空気を噴射する補助噴射口を備えることを特徴とするシート供給装置。 - 請求項2〜4のいずれかに記載のシート供給装置において、
前記給紙台の搬送方向の後方に、前記シート部材の浮遊時に後端部の浮上量を規制する端部押え部材を設け、前記シート部材の後端部の側部を前記給紙台に設けたサイドガイドに当接させるようにしたことを特徴とするシート供給装置。 - 請求項2〜5のいずれかに記載のシート供給装置を用いて、前記シート部材を被包装物に搬送して、被包装物の包装を行うことを特徴とする包装機。
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