JP3912614B2 - 薄膜積層ポリイミドフィルム薄膜積層ポリイミドフィルムロール及びその利用 - Google Patents
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Description
まずフィルムより熱的性能が劣ることによる寸法精度低下、不純物イオン汚染による電気特性が低下する欠点があり、高密度配線には限界がある。また接着剤層の厚さ分や、両面用のスルホ−ル穴あけ等の加工性が低下する欠点もある。よって、小型、軽量化対応に極めて不都合な点が多いといえる。
一方、フィルムと薄膜との積層に高温を使用してより薄い薄膜を積層する方法すなわち乾式めっきを用いた、ポリイミドフィルム上に真空蒸着、スパッタリング、イオンプレ−ティング、CVDなどの乾式めっき法による方法で金属層を形成させた、いわゆる薄膜タイプの接着剤層の無いフレキシブルプリント配線基板用の導電化(金属化)ポリイミドフィルムが提案されている。
近年、これら薄膜積層体である可撓性機能材を使用して、電子機器などに代表される全ての機器が小型化、軽量化の方向にあり、上記の乾式めっきを使用したより薄い薄膜を利用する方法が多用されるようになった。乾式めっきにおいては、より高温のほうが薄膜の基材フィルムへの密着性や薄膜性能向上などが達成され易く、より耐熱性であるポリイミドフィルムが、乾式めっき法でかつ高機能薄膜形成積層に多く使用されている。
また、弾性率の高いポリイミド長尺フィルムとして、ベンゾオキサゾール環を主鎖に有するポリイミドからなるポリイミドベンゾオキサゾールフィルムが提案されている(特許文献7参照)。
さらに、ポリイミド長尺フィルム表裏の配向の比を所定値以下にすることで25℃におけるカールの少ないポリイミド長尺フィルムも提案されている(特許文献8参照)。
更に、高温処理によるカールの発現とともに重要な課題は、フィルムの長手方向の均質性の問題である。すなわち、潜在的な内部歪が局所的に存在する場合であってもフィルムの生産上の歩留まり低下を招くからである。
本発明は、高機能材の基材として好適である平面性および均質性に優れ、しかも高温処理しても反りやカールの少ない耐熱性に優れたポリイミドフィルムを基材フィルムとして使用した薄膜積層フィルムおよび薄膜積層ポリイミドフィルムロールを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、下記の構成からなる。
1.芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドフィルムであって、ポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有し、乾燥工程で支持体上の塗膜の上側の雰囲気温度よりも前記反対側の雰囲気温度が1〜55℃高い条件下で塗膜を乾燥することによって得られるフィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下であるポリイミドフィルムを基材フィルムとし、当該基材フィルムの少なくとも片面に非金属の薄膜が形成されてなることを特徴とする薄膜積層ポリイミドフィルム。
2.フィルムの300℃熱処理後のカール度が8%以下であることを特徴とする上記1記載の薄膜積層ポリイミドフィルム。
3.非金属の薄膜が乾式めっき法により形成されてなることを特徴とする上記1又は2のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルム。
4.少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基と芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基と溶媒とからなる溶液を支持体上に塗膜形成し、次いで、支持体上の塗膜の上側の雰囲気温度よりも前記反対側の雰囲気温度が1〜55℃高い条件下で塗膜を乾燥し、次いで熱処理を経てポリイミドフィルムとなし、当該ポリイミドフィルムを基材フィルムとし、当該基材フィルムの少なくとも片面に非金属の薄膜を積層形成することを特徴とする薄膜積層ポリイミドフィルムの製造方法。
5.非金属の薄膜が高誘電体層である上記1〜3のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルム。
6.非金属の薄膜が透明導電層である上記1〜3のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルム。
7.非金属の薄膜が光電変換層である上記1〜3のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルム。
8.薄膜積層ポリイミドフィルムの酸素透過率が0.35cc/m2・atm・day以下であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルム。
9.上記5記載の薄膜積層ポリイミドフィルムからなるキャパシタ。
10.上記6記載の薄膜積層ポリイミドフィルムからなるEL素子。
11.上記7記載の薄膜積層ポリイミドフィルムからなる太陽電池。
12.上記8記載の薄膜積層ポリイミドフィルムからなる包装材料。
13.芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドフィルムであって、ポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有する乾燥工程で支持体上の塗膜の上側の雰囲気温度よりも前記反対側の雰囲気温度が1〜55℃高い条件下で塗膜を乾燥することによって得られるポリイミドフィルムからなり、当該フィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下であり、かつ線膨張係数の変動率(CV%)が25%以下であるポリイミドフィルムを基材フィルムとし、当該基材フィルムの少なくとも片面に非金属薄膜層が形成されてなることを特徴とする薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
14.各部位における反り度の最大値と最小値の差が5%以下であることを特徴とする上記13記載の薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
15.非金属薄膜層が乾式めっき法により形成されてなることを特徴とする上記13又は14のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
16.非金属の薄膜が高誘電体層である上記13〜15のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
17.非金属の薄膜が透明導電層である上記13〜15のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
18.非金属の薄膜が光電変換層である上記13〜15のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
19.薄膜積層ポリイミドフィルムの酸素透過率が0.35cc/m2・atm・day以下である上記13〜18のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
この様に耐熱性フィルムとしてのポリイミドフィルムは熱に曝される場合が多く、その熱に対するフィルムの300℃熱処理後におけるカール度の低さが工業製品の基材などに使用される際に極めて重要な品質となる。
本発明の特定ポリイミドフィルムを使用した薄膜積層ポリイミドフィルムは、高温に曝される可撓性太陽電池や可撓性キャパシタなどとして使用され、その製造時に該可撓性太陽電池や可撓性キャパシタに使用されるポリイミドフィルム基材の反りや歪みが発生し難く、高品質の可撓性太陽電池や可撓性キャパシタなどの製造生産性や歩留まり向上が実現でき産業上極めて有意義である。
試料片は、ポリイミドフィルムに対して5分の1の長さピッチで幅方向に2点(幅長の1/3と2/3の点)を試験片の中心点としてn=10の計10点をサンプリングし(取れないときは最大n点をもってサンプリングし)、測定値は10点(又はn)の平均値とする。
具体的には、次式によって算出される。
カール量(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
カール度(%)=100×(カール量)/35.36
本発明における300℃熱処理後のカール度は、より好ましくは8%以下、更に好ましくは5%以下である。
10%を超えると、本発明にかかるポリイミドフィルムを基材とする電子部品を製造する際(特に、高温で処理する電子部材をはんだ付けする工程)、フィルムに内在する歪が発現してカールが発生し、電子部材の位置ズレや浮きなどの問題が生じ、更に筐体との組み立て、コネクタ接続などに支障を生じる場合がある。
以下本発明においては、他芳香族テトラカルボン酸残基、他芳香族ジアミン残基とも、同様の意味を表すものである。
上述の「反応」は、まず、溶媒中で芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを開環重付加反応などに供して芳香族ポリアミド酸溶液を得て、次いで、この芳香族ポリアミド酸溶液から自己支持性を有するポリイミド前駆体フィルム(以下グリーンフィルムともいう)を成形した後に高温熱処理もしくは脱水縮合(イミド化)することによりなされる。
芳香族ポリアミド酸は、上記芳香族テトラカルボン酸類(酸、無水物、官能性誘導体を総称する、以下芳香族テトラカルボン酸ともいう)と芳香族ジアミン類(以下芳香族ジアミンともいう)との実質的に等モル量を好ましくは90℃以下の重合温度において1分〜数日間不活性有機溶媒中で反応・重合させることにより製造される。芳香族テトラカルボン酸と芳香族ジアミンは混合物としてそのままあるいは溶液として有機溶媒に加えてもよいしあるいは有機溶媒を上記成分に加えてもよい。有機溶媒は重合成分の一部又は全部を溶解してもよくそして好ましくはコポリアミド酸重合物を溶解するものである。
溶媒の使用量は芳香族ポリアミド酸溶液の75〜90質量%の範囲にあることが好ましい、この濃度範囲は最適の分子量を与えるからである。芳香族テトラカルボン酸と芳香族ジアミン成分は絶対的に等モル量で用いる必要はない。分子量を調整するために、芳香族テトラカルボン酸:芳香族ジアミンのモル比は0.90〜1.10の範囲にある。
上述したようにして製造した芳香族ポリアミド酸溶液は5〜40質量%好ましくは10〜25質量%のポリアミド酸重合体を含有する。
好ましい態様としてこれらのフェニレンジアミンに加えて他の芳香族ジアミン類好ましく使用できる。さらにこれらの芳香族ジアミン類に加えてジアミンを適宜選択使用してもよい。
本発明においては、芳香族テトラカルボン酸類の中でビフェニルテトラカルボン酸類(ビフェニルテトラカルボン酸およびその二無水物(PMDA)ならびにそれらの低級アルコールエステル)が好ましい。
好ましい態様としてビフェニルテトラカルボン酸に加えて他の芳香族テトラカルボン酸類好ましくはピロメリット酸類が使用できる。さらにこれらの芳香族テトラカルボン酸類に加えて他の芳香族テトラカルボン酸類を適宜選択使用してもよい。
本発明において、フェニレンジアミン類は全芳香族ジアミン類に対して50〜100モル%、他の芳香族ジアミン類は全芳香族ジアミン類に対して0〜50モル%、前2者以外の他のジアミン類は全芳香族ジアミン類に対して0〜50モル%使用することが好ましい。これらのモル%比がこの範囲を超える場合、可撓性、剛直性、強度、弾性率吸水率性、吸湿膨脹係数、伸度などの耐熱性ポリイミドフィルムとしてのバランスが崩れ好ましくない。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、5‐アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6‐アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、5‐アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6‐アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン。
上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシル基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
また、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4、4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン酸二無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物などが挙げられる。
好ましい製造例として、ポリイミド前駆体フィルム(グリーンフィルム)の一方の側(A面側)のイミド化率IMAと他一方の側(B面側)のイミド化率IMBとを下記式の関係を満たすポリイミド前駆体フィルム(グリーンフィルム)を製造し、次いで該ポリイミド前駆体フィルム(グリーンフィルム)をイミド化することが挙げられる。
式1; |IMA−IMB|≦5
本発明において、グリーンフィルムのイミド化率の測定は下記による。
<イミド化率の測定方法>
測定対象フィルムを2cm×2cmの大きさに採取し、測定対象面をATR結晶と密着させてIR測定装置にセットして下記特定波長吸光度を測定して下記の式によって、測定フィルム対象面のイミド化率を得る。
イミド特定波長として1778cm-1(付近)を採用しその波長における測定面の吸光度をλ1778とし、基準として芳香族環特定波長1478cm-1付近を採用しその波長における測定面の吸光度をλ1478とする。
装置 ;FT−IR FTS60A/896(株式会社デジラボジャパン)
測定条件;1回反射ATRアタッチメント(SILVER GATE)
ATR結晶 Ge
入射角 45°
検出器 DTGS
分解能 4cm-1
積算回数 128回
式2 ; IM={Iλ/I(450)}×100
式2において、Iλ=(λ1778/λ1478)であり、I(450)は同一組成のポリイミド前駆体フィルムを450℃で15分間熱閉環イミド化したフィルムを同様にして測定した(λ1778/λ1478)の値である。
A面のイミド化率IMをIMAとしてB面のイミド化率IMをIMBとして式2からこれらの値を測定し得る。IMAとIMBとの差は、絶対値を持って示すものである。
測定値は、フィルムの任意の箇所における幅方向に2点(幅長の1/3と2/3の点)とし、測定値は2点の平均値とする。
グリーンフィルムを自己支持性が出る程度にまで乾燥する際に、溶媒の揮発する方向が空気に接する面に限られるためにグリーンフィルムの空気に接している面のイミド化率が、支持体に接する面のイミド化率より小さくなる傾向にあるが、フィルム表裏の吸収比の差が0.35以下であるポリイミド長尺フィルムを得るためには、表裏面におけるイミド化率とその差が所定範囲にあるグリーンフィルムを得ることが重要であり、そのために、例えば、ポリアミド酸溶液を支持体上にコーティングし、乾燥して自己支持性となったグリーンフィルムを得る際の乾燥条件を制御する方法があり、この制御によって、グリーンフィルム表裏面のイミド化率とその差が所定範囲にあるグリーンフィルムを得ることができる。
これらのグリーンフィルムにおける表裏面のイミド化率の差は、好ましくは5以下であり、より好ましくは4以下であり、さらに好ましくは3以下である、さらにこれらのイミド化率が表裏共に1〜15の範囲に制御することがこのましい。
グリーンフィルム表裏面のイミド化率の差が5を超えるときは、潜在的に存在するフィルム内部の歪が残存し、300℃に熱処理した後にカールが発生し、製品化に不向きなポリイミド長尺フィルムとなる。
このような条件を達成するためには熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱などの乾燥装置を使用することができるが、乾燥条件として以下の温度制御が要求される。
熱風乾燥を行う場合は、グリーンフィルムを自己支持性が出る程度に乾燥する際に、グリーンフィルム表裏面のイミド化率の範囲およびその差を所定範囲にするためには、定率乾燥条件を長くし、塗膜全体から均一に溶剤が揮発するように操作することが好ましい。定率乾燥とは塗膜表面が自由液面からなり溶剤の揮発が、外界の物質移動で支配される乾燥領域である。塗膜表面が乾燥固化し、塗膜内での溶剤拡散が律速となる乾燥条件では、表裏の物性差が出やすくなる。かかる好ましい乾燥状態は、支持体の種類や厚みによっても異なってくるが、温度設定、風量設定、通常支持体上の塗膜(グリーンフィルム)の上側(塗膜面側)の雰囲気温度よりも前記反対側(塗膜面側の反対側)の雰囲気温度が1〜55℃高い条件下で塗膜を乾燥する。雰囲気温度の説明においては、塗膜から支持体へ向う方向を下方向、その逆を上方向として方向を定義する。このような上下方向の記載は着目すべき領域の位置を簡潔に表現するためになされるものであり、実際の製造における塗膜の絶対的な方向を特定するためのものではない。
「反対側の雰囲気温度」とは、塗膜の直下(支持体部分)から塗膜の下方30mmに至る領域(支持体および支持体の下方の部分を含むことが多い)の温度であり、塗膜から下方向に5〜30mm離れた位置の温度を熱電対などで計測することで、反対側の雰囲気温度を求めることができる。
乾燥時間は、トータルで10〜90分、望ましくは15〜45分である。
オフラインを採用する場合はグリーンフィルムを一旦巻取るが、その際、グリーンフィルムが内側(支持体が外側)となるようにして管状物に巻き取ることによりカールの軽減を図ることができる。
いずれの場合も曲率半径が30mm以下とならないように搬送、ないし巻き取りを行うことが好ましい。
その具体的なイミド化方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることができるが、ポリイミド長尺フィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下のポリイミド長尺フィルムを得るためには、熱閉環法が好ましい。
化学閉環法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
具体的には、フィルムをピンテンターに供する直前に、フィルム両端部をブラシで押さえ、ピンが均一にフィルムに突き刺さるような工夫を挙げることができる。ブラシは、剛直で耐熱性のある繊維状のものが望ましく、高強度高弾性率モノフィラメントを採用することができる。
上述したイミド化処理の条件(温度、時間、張力)を満たすことにより、フィルム内部(表裏や平面方向)の配向歪の発生を抑制することができる。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
ポリイミド長尺フィルムの厚さは特に限定されないが、後述するプリント配線基板用ベース基板に用いることを考慮すると、通常1〜150μm、好ましくは3〜50μmである。この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。
本発明の製造方法によって得られるポリイミド長尺フィルムは、好ましくは吸収比がB面より大きい傾向にあるA面を巻内にして管状物に巻き取ることで、更にカール度の小さいポリイミド長尺フィルムを得ることができる。A面を巻内にして管状物に巻き取る場合、その曲率半径は30mmから600mmの範囲とすることが好ましい。曲率半径がこの範囲を超えるとポリイミド長尺フィルムのカール度が大きくなる場合がある。
更に、巻き張力は100N以上、好ましくは150N以上500N以下とすることが望ましい。
従って、ポリイミド長尺フィルムをロール巻きする際に、カール改善を図るための好適態様としてA面を巻内にし、曲率半径を30〜600mm、好ましくは80〜300mmと比較的大きくし、更に巻き張力を100N以上とする方法が採用できる。
また、巻き取られたフィルムの巻き芯側(ロール内層部側)と巻き外側(ロール外層部側)の物性差を極力軽減させるために、フィルムの曲率半径が大きくなればなるほど巻き張力を大きく(巻き芯側の巻き張力を小さく、巻き外側の巻き張力を大きく)していくことが望ましい。
更に、グリーンフィルムのイミド化をオフラインで行う場合には、当該グリーンフィルムが内側(支持体が外側)となるようにして巻き取る方法が採用できる。
吸収比=(Kx+Ky)/2×Kz
測定値は、フィルムの任意の箇所における幅方向に2点(幅長の1/3と2/3の点)とし、測定値は2点の平均値とする。
そして、本発明におけるA面とは吸収比が大きいほうの面を、B面とは吸収比が小さいほうの面をいう。
そこで、本発明では、乾燥機内における雰囲気温度の幅方向のムラを中心温度±5℃以内、好ましくは±3℃以内、さらに好ましくは±2℃以内に制御することが望ましい。
ここに雰囲気温度とは、支持体の表面から5mm〜30mmの等距離だけ離れた位置において、熱電対、サーモラベルなどで測定した温度をいう。また本発明では幅方向に温度検出端を8ないし64ポイント設けることが好ましい。
特に幅方向の検出端と検出端の間隔は5cm〜10cm程度にすることが好ましい。検出端としては、公知のアルメルクロメル等の熱伝対を用いれば良い。
本発明においては、塗布面側の雰囲気温度に対し、反対側の雰囲気温度を5〜55℃高く設定することができる。この場合も、支持体の各々の側での温度の中心温度から±5℃の範囲とすることが肝要である。中心温度は各検出端にて測定された摂氏温度の算術平均値であり、支持体の走行する方向と直交する幅方向における各検出端にて測定された温度が±5℃の範囲であることは、該中心値の数値に基づいて算定された範囲となる。
このような条件で製造されたポリイミド長尺フィルムは、前記の条件で測定したカール度が10%以下の極めて高温における平面性に優れたものとなる。
本発明の基材としてのポリイミドフィルムには、滑剤をポリイミド中に添加含有せしめるなどしてフィルム表面に微細な凹凸を付与しフィルムの滑り性を改善することが好ましい。
滑剤としては、無機や有機の0.03〜3μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。
本発明のポリイミドフィルムは、通常は無延伸フィルムであるが、1軸又は2軸に延伸しても構わない。ここで、無延伸フィルムとは、テンター延伸、ロール延伸、インフレーション延伸などによってフィルムの面拡張方向に機械的な外力を意図的に加えずに得られるフィルムをいう。
ここで線膨張係数の測定法は以下の通りである。
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件にてMD方向および
TD方向の伸縮率を測定し、30℃〜45℃、45℃〜60℃、…と15℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を300℃まで行い、全測定値の平均値を線膨張係数(CTE)として算出した。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
試料片のサンプリングは、ポリイミドフィルムロールの幅方向に2点(幅長の1/3と2/3の点)を長手方向に全長に対して5分の1の長さピッチで計10点とする。
そして10点についての変動率を算出する。
本発明において、フィルムの反り度(見かけ上の反り度)とは、具体的には、図1に示すように、50mm×50mmの試験片を、ロールから解反したポリイミドフィルム試験片を平面上に凹状となるように静置し、四隅の平面からの距離(h1、h2、h3、h4:単位mm)の平均値を反り量(mm)とし、試験片の各頂点から中心までの距離(35.36mm)に対する反り量の百分率(%)で表される値である。
具体的には、次式によって算出される。
反り量(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
反り度(%)=100×(カール量)/35.36
試料片のサンプリングは、ポリイミドフィルムロールの幅方向に2点(幅長の1/3と2/3の点)を長手方向に全長に対して5分の1の長さピッチで計10点とする。
以下に述べる積層化処理は、述上のポリイミドフィルムロールを裁断したフィルム片をバッチ式で行っても良いし、ポリイミドフィルムロールを解反して連続処理して非金属薄膜形成ポリイミドフィルムロールとして巻き上げても良い(ロール トウ ロール)。
本発明においては、この非金属の薄膜層(dM)は単一の層でなく複数の層で構成されてもよくその複数の層のうち少なくとも1の層は非金属の層であり、IF/非金属層、IF/非金属層/金属層、IF/非金属層/非金属層/金属層、IF/金属層/非金属層/金属層、IF/金属層/非金属層/非金属層/金属層、などの構成をもとり得るものである。
また、前記のIF/dMにさらに形成される非金属薄膜層上下に適宜形成される層(DM)は乾式めっきで形成してもよく乾式めっき以外の方法で形成されてもよいものである。
本発明における非金属とは、炭素、珪素、金属の酸化物などの化合物、有機化合物などであり、これらを主成分とするものであればよく、単独でも混合でもよく、添加成分を含んでもよいものであるが、必ず乾式めっき法で形成されるものである。
本発明においては、ポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有し、かつフィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下であるポリイミドフィルムの表面をプラズマ処理した後、次いで非金属などの薄膜をスパッタ法や蒸着法などの乾式めっきにより付着させ、その前後に非金属薄膜層上下に適宜形成される層(DM)を種々の手段で実施してもよい。
ポリイミドフィルムの表面をプラズマ処理によって表面処理を行う場合、かかるプラズマは不活性ガスプラズマであり、不活性ガスとしては窒素ガス、Ne、Ar、Kr、Xeが用いられる。プラズマを発生させる方法に格別な制限はなく、不活性気体をプラズマ発生装置内に導入し、プラズマを発生させればよい。プラズマ処理の方法に格別な制限はなく、基材フィルム上に金属層を形成する際に用いるプラズマ処理装置を用いて行えばよい。プラズマ処理に要する時間は特に限定されず、通常1秒〜30分、好ましくは10秒〜10分である。プラズマ処理時のプラズマの周波数と出力、プラズマ発生のためのガス圧、処理温度に関しても格別な制限はなく、プラズマ処理装置で扱える範囲であれば良い。周波数は通常13.56MHz、出力は通常50W〜1000W、ガス圧は通常0.01Pa〜10Pa、温度は、通常20℃〜250℃、好ましくは20℃〜180℃である。出力が高すぎると、基材フィルム表面に亀裂の入るおそれがある。また、ガス圧が高すぎるとフィルムの平滑性が低下するおそれがある。
非金属の薄膜の形成における好ましい方法としてのスパッタリングの方法に格別な制限はなく、直流2極スパッタリング、高周波スパッタリング、マグネトロンスパッタリング、対向ターゲットスパッタリング、ECRスパッタリング、バイアススパッタリング、プラズマ制御型スパッタリング、マルチ・ターゲットスパッタリングなどを用いることができる。これらのうち、直流2極スパッタリング、又は高周波スパッタリングが好適である。
スパッタリング処理時の出力、プラズマ発生のためのガス圧、処理温度に関しても格別な制限はなく、スパッタリング装置で扱える範囲であれば良い。出力は通常10W〜1000W、ガス圧は通常0.01Pa〜10Pa、温度は、通常20℃〜250℃、好ましくは20℃〜180℃である。また、成膜レートは0.1Å/秒〜1000Å/秒、好ましくは1Å/秒〜100Å/秒である。成膜レートが高すぎると、形成した薄膜に亀裂の入るおそれがある。また、ガス圧が高すぎると密着性が低下するおそれがある。
前記の金属層としては、特に限定されないが、銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、黄銅、白銅、青銅、モネル、錫鉛系半田、錫銅系半田、錫銀系半田、等が用いられる。
本発明においては、上記方法で得られたポリイミドフィルムと非金属の薄膜との複合体である薄膜積層ポリイミドフィルムを、さらに200〜350℃で熱処理してもよい。220〜330℃が好ましく、240〜310℃がより好ましい。
該熱処理により基材フィルムの有している歪や薄膜積層ポリイミドフィルムの薄膜形成過程で生ずる歪が緩和され、本発明の効果をより効果的に発現することができ、機能材としての品質向上や耐久性や信頼性を向上することができる。200℃未満では歪を緩和する効果が小さくなり、逆に350℃を超えた場合は、基材のポリイミドフィルムの劣化が起こるので好ましくない。
その具体例としては、ポリイミドフィルムをプラズマ処理し、その上にスパッタ法で150Å厚さのニッケル−クロム合金薄膜、3000Å厚さの銅薄膜を形成し、その上に厚さ4μmの銅メッキ層を形成し第一電極層とし、第一電極層の上に、スパッタ法によってバリア層として酸化チタン薄膜を50Å、高誘電体層として2000nm厚さのBa0.5Sr0.5TiO3薄膜、さらにその上に500nm厚さのニッケル薄膜、500nm厚さの銅薄膜を形成し、さらに厚さ4μmの銅メッキ層を形成し第二電極層を形成してなる高誘電体層積層ポリイミドフィルムからなるキャパシタが挙げられる。
その具体例としては、ポリイミドフィルムに、スパッタ法でITO薄膜(透明導電層)、アルミニウム層を形成(第一電極)し、その上に発光物質としてポリ(パラ−フェニレンビニレン)を含む有機層をスクリーン印刷法で形成し、乾燥後その上にスパッタ法でITO薄膜を形成して第二電極とし、さらにフッ素樹脂コーティング保護膜を形成してなる透明導電層積層ポリイミドフィルムからなる緑色有機EL素子が挙げられる。
その具体例としては、ポリイミドフィルム上に、スパッタ法で1000nm厚さのステンレス層を形成し、25nm厚さのn型アモルファスシリコン層を形成し、500nm厚さのi型アモルファスシリコン層を積層し、さらに25nm厚さのp型アモルファスシリコン層(以上シリコン系光電変換層)を形成し、100nm厚さの酸化インジウム錫(ITO)層を蒸着し、100nm厚さのパラジウム層を櫛形に真空蒸着してなる光電変換層積層ポリイミドフィルムからなるフィルム状太陽電池が挙げられる。
その具体例としては、ポリイミドフィルム上に、スパッタ法、ないし蒸着法で20〜1000nm厚さの、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムから選ばれる少なくとも一種、好ましくは酸化珪素と酸化アルミニウムの混合物からなる金属酸化物層を形成したガスバリアフィルムなどをあげることができる。薄膜形成法として特に好ましく用いられるのは電子ビーム蒸着法である。かかるガスバリア層は酸素ならびに水蒸気の透過を抑制し、フィルムに近接して設けられる金属層、樹脂層などの劣化を防止する効果を有する。またかかるガスバリア層を有するポリイミドフィルムを包装材料として用いることにより、耐熱性を有し、かつ内容物を酸素、水蒸気から遮断することが可能となる。
1.ポリイミドフィルムの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン(登録商標)1245D)を用いて測定した。
2.薄膜積層フィルムの反り度(見かけ上の反り度)
図1(C)に示すように、50mm×50mmのフィルム試験片を平面上に凹状となるように静置し、四隅の平面からの距離(h1、h2、h3、h4:単位mm)の平均値を反り量(mm)とし、試験片の各頂点から中心までの距離(35.36mm)に対する反り量の百分率(%)で表される値である。
具体的には、次式によって算出される。
反り量(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
反り度(%)=100×(反り量)/35.36
試料片のサンプリングは、薄膜積層ポリイミドフィルムの幅方向、長さ方向共に2点(幅長の1/3と2/3の点からを原則にし、取れない場合はできるだけ中央部からの点から取る)計4点としその平均値をもって表すものとする。
PMDA:ピロメリット酸二無水物
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
P−PDA:パラフェニレンジアミン
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DMF:ジメチルホルムアミド
DMAC:ジメチルアセトアミド
AA:無水酢酸
IQ:イソキノリン
また、略称GFはポリイミド前駆体フィルム(グリーンフィルム)を、略称IFはポリイミドフィルムを示す。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器を窒素置換した後、P−PDAを入れた。次いで、DMACを加えて完全に溶解させてから、BPDAを加えて、モノマーとしてのP−PDAとBPDAとが1/1のモル比でDMAC中重合し、モノマー仕込濃度が、15質量%となるようにし、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液が得られた。得られたポリアミド酸溶液100質量部に対してAAを15質量部、IQを3質量部の割合で混合し、これを厚さ188ミクロン、幅800mmのポリエステルフィルム(コスモシャインA4100(東洋紡績株式会社製))の滑剤を含まない面に幅740mmとなるようにコーティングし(スキージ/ベルト間のギャップは、430μm)、
4つの乾燥ゾーンを有する連続式乾燥炉に通して乾燥した。各ゾーンはフィルムを挟んで上下に各3列のスリット状吹き出し口を有し、各吹き出し口間の熱風温度はプラスマイナス1.5℃、風量差はプラスマイナス3%の範囲で制御できるよう設定されている。また幅方向についてはフィルム有効幅の1.2倍に相当する幅までの間、プラスマイナス1℃以内となるように制御がなされている。
乾燥条件A
レベリングゾーン 温度25℃、風量なし
第1ゾーン 上側温度 105℃、下側温度 105℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
第2ゾーン 上側温度 100℃、下側温度 100℃
風量 上下とも30〜35立方m/分
第3ゾーン 上側温度 95℃、下側温度 100℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
第4ゾーン 上側温度 90℃、下側温度 100℃
上側風量 15立方m/分、下側風量 20立方m/分
各ゾーンの長さは同じであり、総乾燥時間は18分である。
また風量は各ゾーンの吹き出し口からの風量の総計であり、実−1、実−2、実−3で上記範囲内で変更したものである。
かかる乾燥条件において、第3ゾーンまでは塗膜表面が指触乾燥状態には至らず、ほぼ定率乾燥条件となっていることが確認されている。
塗膜表面は第4ゾーンに入ってまもなく指触乾燥に至り以後は減率乾燥的に乾燥が進行している。この際に下側の温度、風量を上側より多めに設定し、塗膜内の溶媒の拡散を促進している。
なお、各ゾーン中央の吹き出し口の真下に当たる部分でフィルム上10mmの位置に支持された熱電対により、10cm間隔でモニターがなされプラスマイナス1.5℃以内であることが確認されている。
得られた各GF(グリーンフィルム)を、ピンテンターにて両端を把持した状態で窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段が180℃で5分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として400℃で5分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する各IF(ポリイミドフィルム)、IF実−1、IF実−2、IF実−3を得た。
なお、GF(グリーンフィルム)を熱処理する際に、芳香族ポリアミド製モノフィラメントストランドからなるブラシをフィルム両端部に接するように設け、ピンテンターのピンにフィルム両端が均一に突き刺さるようにした。
得られた各IF(ポリイミドフィルム)の厚さ、カール度は、IF実−1で25μmと1.8%、IF実−2で25.1μmと3.8%、IF実−3で25μmと6.5%であった。
得られたポリイミドフィルムを下記条件でロール状に巻き上げフィルムロールとした。
巻取り方法:内巻き
巻取りテンション:145〜155N
ロール曲率半径:84mm
その中で、IF実−1のロールフィルムのフィルム特性は下記の通りであった。
線膨張係数の変動率:11.3%
反り度最大値:2.2%
反り度最小値:0.7%
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器を窒素置換した後、P−PDAを入れた。次いで、DMACを加えて完全に溶解させてから、BPDAを加えて、モノマーとしてのP−PDAとBPDAとが1/1のモル比でDMAC中重合し、モノマー仕込濃度が、15質量%となるようにし、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液が得られた。得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルト上にコーティングし(スキージ/ベルト間のギャップは、450μm)、製造例A;実−1〜実−3と同様の方法で乾燥した。乾燥後に自己支持性となったGFをステンレスベルトから剥離して各GF、GF実−4、GF実−5、GF実−6を得た。
得られたGFを、窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段が180℃で3分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として460℃で2分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する厚さ25μmの各IF、IF実−4、IF実−5、IF実−6を得た。
なお、GFを熱処理する際に、芳香族ポリアミド製モノフィラメントストランドからなるブラシをフィルム両端部に接するように設け、ピンテンターのピンにフィルム両端が均一に突き刺さるようにし、さらにピン部分の温度が120〜180℃の範囲に入るようにあらかじめ冷却した後にピン差しを行った。
得られた各IFの厚さ、カール度は、IF実−4で25μmと4.5%、IF実−5で25.1μmと5.8%、IF実−6で25μmと8.5%であった。
得られたポリイミドフィルムを下記条件でロール状に巻き上げフィルムロールとした。
巻取り方法:内巻き
巻取りテンション:140〜162N
ロール曲率半径:84mm
その中で、IF実−4のロールフィルムのフィルム特性は下記の通りであった。
線膨張係数の変動率:10.2%
反り度最大値:0.6%
反り度最小値:0.1%
製造例Aで得られたポリアミド酸溶液100質量部に対してAAを15質量部、IQを3質量部の割合で混合し、これをステンレスベルト上にコーティングし(スキージ/ベルト間のギャップは、430μm)、と製造例;実−1〜実−3と同様の乾燥装置にて乾燥を行った、なお乾燥条件(温度は乾燥炉の設定温度)は以下の通りである。
レベリングゾーン 温度25℃、風量なし
第1ゾーン 温度 上下とも110℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
第2ゾーン 温度 上下とも120℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
第3ゾーン 温度 上下とも120℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
第4ゾーン 温度 上下とも120℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
各ゾーンの長さは同じであり、総乾燥時間は9分である。
また風量は各ゾーンの吹き出し口からの風量の総計であり、比−1、比−2、比−3で上記範囲内で変更したものである。
かかる乾燥条件においては、第2ゾーン中央で塗膜表面が指触乾燥状態に至り、以後は減率乾燥的な乾燥が行われているものと推察できる。
得られた各GFを、ピンテンターにて両端を把持した状態で窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段が180℃で5分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として400℃で5分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する各IF、IF比−1、IF比−2、IF比−3を得た。
得られた各IFの厚さ、カール度は、IF比−1で25μmと10.5%、IF比−2で25.1μmと13.1%、IF比−3で25μmと20.5%であった。
<高誘電体層積層ポリイミドフィルムの製造>
製造例で得られたフィルムロールを使用し、それぞれ巻き出し装置、巻き取り装置、プラズマ処理装置を備えた真空装置内にセットし、次いでフィルム表面のプラズマ処理を行った。
プラズマ処理条件はキセノンガス中で、周波数13.56MHz、出力80W、ガス圧0.9Paの条件であり、処理時の温度は24℃、プラズマ雰囲気での滞留時間約45秒であった。次いで、プラズマ処理後のフィルムを、同じく巻き出し装置装置、巻き取り装置、スパッタリングエリアを有する真空装置内にセットし、周波数13.56MHz、出力400W、ガス圧0.8Paの条件、ニッケル−クロム(クロム7%)ターゲットを用い、キセノン雰囲気下にてRFスパッタ法により、150Åのニッケル−クロム合金被膜を形成した。次いで、銅ターゲットを用いてスパッタリングにより厚さ3000Å銅薄膜を形成させ、硫酸銅めっき浴をもちいて、厚さ4μmの厚付け銅メッキ層を形成し第一電極層とした。
続いて、基板温度を450℃とし、第一電極層の上に、バリア層として酸化チタン層を50Å、さらに誘電層としてBa0.5Sr0.5TiO3のターゲットを用いて、高周波スパッタリング法によって2000nmの薄膜高誘電体層を形成した。さらに、薄膜高誘電体層上に、スパッタリングにより500nmのニッケル、同じく500nmの銅を形成し、最期に、硫酸銅めっき浴をもちいて、厚さ4μmの厚付け銅メッキ層を形成し第二電極層とし、高誘電体積層フィルムを得た。
その結果、IF実−1、IF実−2、IF実−4が全て◎、IF実−3、IF実−5、IF実−6が○、IF比−1、IF比−2、IF比−3は全て×であった。
また、得られた各高誘電体層積層ポリイミドフィルムの容量密度と耐電圧との評価で、
各IF実−1、IF実−2、IF実−3、IF実−4、IF実−5、IF実−6からの高誘電体層積層ポリイミドフィルムにおいては、それぞれ変動のない安定した容量密度であり、実用性十分な耐電圧(100kV/m以上)を有する物が得られたが、IF比−1、IF比−2、IF比−3からの高誘電体層積層ポリイミドフィルムにおいては、それぞれ容量密度に斑が見られ、また耐電圧も10kV/mに満たないものであった。
製造例で得られた各ポリイミドフィルムを使用して、ポリイミドフィルム上に、スパッタリング装置を使用して、100nm厚さの酸化インジウム錫(ITO)薄膜層、500nm厚さのアルミニウム層を形成し第一電極とした。第一電極はマスキングにより所定の電極形状を与えられている。また素子外に相当する部分に引き回された、駆動回路搭載用の電極も形成されている。次いで第一電極上に発光層を形成する。ここでは発光物質として未ドープのポリ(パラ−フェニレンビニレン)を含む有機層をスクリーン印刷法により形成した。膜の乾燥温度は最高180℃である。最後に第二電極としてITO薄膜層を発光層上にスパッタリングして形成、その上にフッ素樹脂コーティングを行って保護膜とした。
得られた各ポリイミドフィルムからなる透明導電層積層ポリイミドフィルムからなる有機EL素子にピークトゥピーク60Vの1000Hzの交番電圧を印可したところ、各IF実−1、IF実−2、IF実−3、IF実−4、IF実−5、IF実−6からのものは鮮やかな緑色に発光し、EL素子として有効なものであったが、IF比−1、IF比−2、IF比−3からのものは発光が不安定なものであった。
各フィルムポリイミドフィルムから得られた各透明導電層積層ポリイミドフィルムにおける反り度平均値が10%を超えるものを×、反り度が7%を超え〜10%までのものを△、5〜7%を○、5%未満のものを◎として、評価したところ、IF実−1、IF実−2、IF実−4が全て◎、IF実−3、IF実−5、IF実−6が全て○、IF比−1、IF比−2、IF比−3は全て×であった。
製造例で得られた各ポリイミドフィルムを使用し、それぞれスパッタリング装置でステンレスのターゲットを使用して、上記各ポリイミドフィルム上に厚さ1000nmのステンレス層を形成した。次いで、真空反応器中の対向電極と支持電極の間にステンレス層を形成したフィルムを設置して、反応器内を一旦1×10-5Torrに排気し、支持電極の温度を350℃に高めた。その後、対向電極と支持電極に30Wの15MHzの高周波電圧を印加しつつ、アルゴンガスを反応器内に導入して1Torrのアルゴン雰囲気下でプレスパッタし、次いで水素ガスで10%に希釈したSiH4、同様に水素ガスで1%に希釈したPH3ガスを同時に導入して、1Torrの雰囲気下で上記ステンレス層上に25nmのn型アモルファスシリコン層を形成した。次いで、SiH4のみを導入して、前記n型アモルファスシリコン層の上に、厚さ500nmのi型アモルファスシリコン層を積層し、さらにSiH4ガス中に1%のB2H6を含有する混合ガスを導入することで、前記i型アモルファスシリコン層の上に、厚さ25nmのp型アモルファスシリコン層を形成した。
次いでこのpin型アモルファスシリコン層を形成したフィルムを真空蒸着装置内に装着し、電子ビーム法で100nmの厚さの酸化インジウム錫層を蒸着してヘテロ電極層とした。最後にその上に100nmのパラジウム層を櫛形に真空蒸着した。
以上のようにして得られた各光電変換層積層ポリイミドフィルムからなるフィルム状太陽電池を得た。フィルム状太陽電池の製造工程において、IF実−1〜IF実−6のポリイミドフィルム基材を使用した場合は熱での反りの発生や、シワの発生などの問題はなく、平面性の優れた太陽電池が得られたが、IF比−1〜IF比−3のポリイミドフィルム基材を使用した場合は熱で変形したり、反りが生じたりする問題が発生して、平面性の優れた太陽電池を得ることが困難であった。
各ポリイミドフィルムから得られた各各光電変換層積層ポリイミドフィルムの、各5枚の反り度の平均値をもって判定した。各フィルムにおける反り度平均値が10%を超えるものを×、反り度が7%を超え〜10%までのものを△、5〜7%を○、5%未満のものを◎とした。
その結果、IF実−1、IF実−2、IF実−4が全て◎、IF実−3、IF実−5、IF実−6全てが○、IF比−1、IF比−2、IF比−3は全て×であった。
得られたフィルムロールを使用し、それぞれ巻き出し装置、チルロール、巻き取り装置を備えた真空装置内にセットし、次いでフィルム表面に蒸着法によりガスバリア層となる酸化アルミニウム、酸化珪素からなる複合金属酸化物薄膜層を形成した。さらに詳しくは、蒸着材料として、3〜5mm程度の大きさの粒子状のAl2O3(純度99.9%)とSiO2(純度99.9%)を用い、電子ビーム蒸着法で下記の条件でシリコンアルミニウム複合酸化物薄膜(2)を形成した。蒸着材料は混合せずに2つの水冷ハースに別々に入れ、加熱源として一台の電子銃を用い、Al2O3とSiO2のそれぞれを時分割で加熱した。その時の電子銃のエミッション電流を1.5〜3.0A、Al2O3とSiO2の加熱比を30:10とした。蒸着中のフィルムの背面はチルロールにより冷却される。チルロールには−100Vの直流電圧が印加され、またチルロールの温度は−10℃である。得られた複合金属酸化物薄膜の厚みは40nmであった。なお、真空槽内の残留水蒸気量を少なくするために、蒸着材料を蒸着前に予備的に加熱した。予備加熱時の電子銃のエミッション電流を0.5A、Al2O3とSiO2の加熱比を10:10とし、予備加熱時間を5分もしくは10分とした。この結果、蒸着前の到達真空度は2×10-6Torr以下、蒸着時真空度は4×10-4Torr以下まで向上し、水蒸気分圧は4×10-5Torrであった。得られた複合金属酸化物薄膜形成フィルム(ガスバリアフィルム)はロール状に巻き取られた。
得られた非金属薄膜積層フィルムを25cm×25cmに切り取り5枚についての反り度平均値を求めた。結果を表1に示す。
各非金属化フィルムにおける反り度平均値が10%を超えるものを×、反り度が7%を超え10%までのものを△、5〜7%を○、5%未満のものを◎とした。
得られた薄膜積層ポリイミドフィルムの酸素透過度を、酸素透過度測定装置(モダンコントロールズ社製、OX−TRAN100)を用いて測定した。また得られたガスバリアフィルムの水蒸気透過度を水蒸気透過度テスター(リッシー社製、L80−4000型)を用いて測定した。結果を表1に示す。
実施例の積層フィルムの酸素透過度と水蒸気透過度は、比較例に比べて低い値であり、優れたガスバリア性を示した。
製造例AのIF実−1にて得られたポリイミドフィルムを表1に示す各種条件でロール状に巻き上げフィルムロールとした。次いでフィルムロールからポリイミドフィルムを巻き出し、実施例19と同様に巻き出し装置、チルロール、巻き取り装置を備えた真空装置内にセットし、搬送速度を半分にした以外は同様の条件にてフィルム表面に蒸着法によりガスバリア層となる酸化アルミニウム、酸化珪素からなる厚み80nmの複合金属酸化物薄膜層を形成した。
以下実施例19と同様に評価した。結果を表1に示す。
高温に曝されるフィルムを基材として使用するスパッタリングやイオンプレーティングや蒸着用の乾式めっきで各種薄膜層を形成するものにも有用であり、薄膜多層形成反射防止フィルム、薄膜多層形成特定波長透過フィルムなどとしても有用である。
2 アルミナ・セラミック板
Claims (19)
- 芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドフィルムであって、ポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有し、乾燥工程で支持体上の塗膜の上側の雰囲気温度よりも前記反対側の雰囲気温度が1〜55℃高い条件下で塗膜を乾燥することによって得られるフィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下であるポリイミドフィルムを基材フィルムとし、当該基材フィルムの少なくとも片面に非金属の薄膜が形成されてなることを特徴とする薄膜積層ポリイミドフィルム。
- フィルムの300℃熱処理後のカール度が8%以下であることを特徴とする請求項1記載の薄膜積層ポリイミドフィルム。
- 非金属の薄膜が乾式めっき法により形成されてなることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルム。
- 少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基と芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基と溶媒とからなる溶液を支持体上に塗膜形成し、次いで、支持体上の塗膜の上側の雰囲気温度よりも前記反対側の雰囲気温度が1〜55℃高い条件下で塗膜を乾燥し、次いで熱処理を経てポリイミドフィルムとなし、当該ポリイミドフィルムを基材フィルムとし、当該基材フィルムの少なくとも片面に非金属の薄膜を積層形成することを特徴とする薄膜積層ポリイミドフィルムの製造方法。
- 非金属の薄膜が高誘電体層である請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルム。
- 非金属の薄膜が透明導電層である請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルム。
- 非金属の薄膜が光電変換層である請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルム。
- 薄膜積層ポリイミドフィルムの酸素透過率が0.35cc/m2・atm・day以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルム。
- 請求項5記載の薄膜積層ポリイミドフィルムからなるキャパシタ。
- 請求項6記載の薄膜積層ポリイミドフィルムからなるEL素子。
- 請求項7記載の薄膜積層ポリイミドフィルムからなる太陽電池。
- 請求項8記載の薄膜積層ポリイミドフィルムからなる包装材料。
- 芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドフィルムであって、ポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有する乾燥工程で支持体上の塗膜の上側の雰囲気温度よりも前記反対側の雰囲気温度が1〜55℃高い条件下で塗膜を乾燥することによって得られるポリイミドフィルムからなり、当該フィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下であり、かつ線膨張係数の変動率(CV%)が25%以下であるポリイミドフィルムを基材フィルムとし、当該基材フィルムの少なくとも片面に非金属薄膜層が形成されてなることを特徴とする薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
- 各部位における反り度の最大値と最小値の差が5%以下であることを特徴とする請求項13記載の薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
- 非金属薄膜層が乾式めっき法により形成されてなることを特徴とする請求項13又は14のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
- 非金属の薄膜が高誘電体層である請求項13〜15のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
- 非金属の薄膜が透明導電層である請求項13〜15のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
- 非金属の薄膜が光電変換層である請求項13〜15のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
- 薄膜積層ポリイミドフィルムの酸素透過率が0.35cc/m2・atm・day以下である請求項13〜18のいずれかに記載の薄膜積層ポリイミドフィルムロール。
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