JP3912296B2 - 研磨装置および研磨方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばウェーハなどの被研磨対象の表面を良好に研磨することができる研磨方法と研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばLSIの製造プロセスでは、層間絶縁膜あるいはその他の膜の平坦化が重要である。
平坦化のための技術としては、種々の手段が提案されているが、近年、シリコンウェーハのミラーポリシング技術を応用したCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械研磨)法が注目され、これを利用して平坦化を図る方法が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のCMP法を用いたウェーハの平坦化技術は、ラッピング技術の延長上にあるものであった。すなわち、ウェーハに対して研磨パッドの面積がかなり大きく、研磨パッドの回転速度が遅い装置構成となっていた。このため、ウェーハの表面の平坦性、ウェーハ面内での研磨量の均一性および研磨レートの安定性などの精度面において、不十分であるという問題がある。また、スループットが遅いという課題も有する。
【0004】
これらを改善するために、種々の方法が提案されているが、ウェーハ表面の平坦性と、ウェーハ面内での研磨量の均一性とを同時に満足させることができる研磨装置および研磨方法は、未だ実用化されていないのが実状である。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、ウェーハなどのような被研磨対象の表面の平坦性と、被研磨対象面内での研磨量の均一性とを同時に満足させることができる研磨装置および研磨方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る研磨装置は、被研磨対象の表面に研磨パッドを摺接させ、被研磨対象を停止または回転させると共に、研磨パッドを回転させて、被研磨対象の表面の研磨を行う研磨装置であって、研磨パッドを含む研磨装置の相対加振力による動コンプライアンス特性から共振点を求め、被研磨対象の表面の微小段差による相対加振の周波数成分が、前記共振点よりも大きくなるように、前記研磨パッドを高速で回転し、被研磨対象の表面の大きなうねりによる相対加振の周波数成分が、前記共振点よりも小さくなるように、前記被研磨対象を停止または低速で回転することを特徴とする。
【0006】
本発明の第1の観点に係る研磨方法は、被研磨対象の表面に研磨パッドを摺接させ、被研磨対象を停止または回転させると共に、研磨パッドを回転させて、被研磨対象の表面の研磨を行う研磨方法であって、研磨パッドを含む研磨装置の相対加振力による動コンプライアンス特性から共振点を求め、被研磨対象の表面の微小段差による相対加振の周波数成分が、前記共振点よりも大きくなるように、前記研磨パッドを高速で回転し、被研磨対象の表面の大きなうねりによる相対加振の周波数成分が、前記共振点よりも小さくなるように、前記被研磨対象を停止または低速で回転することを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点に係る研磨装置は、被研磨対象の表面に研磨パッドを摺接させ、被研磨対象を停止または回転させると共に、研磨パッドを回転させて、被研磨対象の1回転当たり1〜2回の周波数の相対加振力を生じさせるうねり、及び、研磨パッドの1回転当たり数百〜数千回の周波数の相対加振力を生じさせる微小段差がある被研磨対象の表面の研磨を行う、相対加振力による動コンプライアンスの共振点が100〜数百Hz又は数Hz〜数十Hzの研磨装置であって、前記研磨パッドを1000rpm以上の高速で回転し、前記被研磨対象を10rpm以下の低速で回転させることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点に係る研磨方法は、被研磨対象の表面に研磨パッドを摺接させ、被研磨対象を停止または回転させると共に、研磨パッドを回転させて、被研磨対象の1回転当たり1〜2回の周波数の相対加振力を生じさせるうねり、及び、研磨パッドの1回転当たり数百〜数千回の周波数の相対加振力を生じさせる微小段差がある被研磨対象の表面の研磨を行う研磨方法であって、相対加振力による動コンプライアンスの共振点が100〜数百Hz又は数Hz〜数十Hzの研磨装置において、前記研磨パッドを1000rpm以上の高速で回転し、前記被研磨対象を10rpm以下の低速で回転させることを特徴とする。
【0009】
本発明の第1の観点では、いわゆるクリープフィードポリシング(CFP)の考え方を利用している。たとえば、ウェーハなどの被研磨対象の表面全体のうねりをTTV(通常約5μm )とし、1mm以下のピッチで被研磨対象の表面にある微小段差(突起)をδ(通常約1μm )とする。研磨装置のパッドを回転させる主軸の回転と、被研磨対象を支持するテーブルの回転と、主軸のZ軸下降移動とにより与えられる相対加振力(加圧力)とは、TTVおよびδに依存して、各軸の回転数により任意の周波数成分となって与えられる。すなわち、TTVに依る加振力はテーブル回転数に依存した周波数成分となって現れ、δによる加振力は主軸回転数に依存した周波数成分となって現れる。
一方、研磨装置の相対加振力による動コンプライアンス特性は、ある共振点(1次)を持ち、位相角の急変する周波数がある。この時、共振点よりはるかに低い周波数成分に対しては、加振に対して位相が変化することなく追従するが、共振点付近あるいはそれ以上の周波数成分の加振力に対しては、位相の変化を伴いほぼランダムな相対加振力を与えることになる。
上記ことから、被研磨対象の表面の微小段差による相対加振の周波数成分が、共振点よりも大きくなるように、研磨パッドを高速で回転し、被研磨対象の表面の大きなうねりによる相対加振の周波数成分が、共振点よりも小さくなるように、被研磨対象を停止または低速で回転することで、TTV成分とδ成分とがきれいに分離される。
【0010】
本発明の第2の観点では、上記のような回転速度に設定することで、被研磨対象の表面のうねりは吸収し、微小段差を除去することができる。たとえば、被研磨対象として、ウェーハの表面を考える。ウェーハ面内での研磨量の均一性、すなわち、ウェーハ表面の加工量のむらやばらつきは、おもに、ウェーハ表面の平面度が出ていないことに起因する。ウェーハチャッキングの誤差などを除くと、ウェーハの厚さのばらつきなどによるうねり(TTV)が大きな要因である。回転式の研磨の場合、うねりと微小段差とを持つウェーハの表面を研磨する際に、その加工量に比例する実効研磨圧力は、相対加振力により与えられる。相対加振力の周波数は、うねりによる加振力の周波数と、微小段差による加振力の周波数とに分離することができる。うねりの場合には、うねりの形状を考慮すると、ウェーハの1回転当り1〜2回の周波数であり、微小段差の場合には、微小段差の形成ピッチを考慮すると、パッドの1回転当り数百〜数千回の周波数である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る研磨装置および研磨方法を、図面に示す実施形態に基づき、詳細に説明する。
第1実施形態
図1は本発明の一実施形態に係る研磨装置の全体斜視図、図2はその要部断面図、図3は図2に示すパッドの底面図、図4(A)は実施形態のリング状研磨パッドとウェーハのうねりおよび微小段差との関係を示す概略図、同図(B)は研磨加工時の周波数と加振力との関係を示すグラフ、図5(A),(B)は偏心による効果を示す概略図、図6(A)〜(C)は偏心による効果を示す概略図、図7(A),(B)はリング状研磨パッドの研磨速度分布を示す概略図、図8(A),(B)は従来の研磨パッドの研磨速度分布を示す概略図、図9(A),(B)は従来の研磨パッドの研磨速度分布を示す概略図である。
【0012】
図1〜3に示すように、本実施形態に係る研磨装置30は、被研磨対象としてのウェーハ2の表面を研磨するための装置である。
図1に示すように、この研磨装置30は、研磨パッド8を回転させる主軸スピンドル32と、ウェーハ2を保持する保持手段としてのテーブル6とを有する。
【0013】
テーブル6は、レール50に沿ってX軸方向に移動自在に設けられたスライダ52(往復移動手段またはトラバース移動手段)の上に回転自在に装着してある。テーブル6は、比較的低速回転なので、モータ、プーリおよび平ベルトなどにより回転駆動される。
【0014】
テーブル6の大きさは、特に限定されないが、たとえば直径約200mmの円盤状をしている。テーブル6の上部には、多孔質部材などで構成されるチャックが装着してある。テーブル6を回転させる回転軸には、その軸芯に沿って真空引き用通路が形成してある。この通路を通して真空引きすることで、ウェーハ2がテーブル6の表面に真空吸着されるようになっている。
【0015】
主軸スピンドル32は、図2に示すように、主軸36と主軸ハウジング38とを有する。主軸36の下部には、定盤34が取付固定してある。定盤34の中心部には、ノズル孔42が形成してあり、このノズル孔42に、ノズル管40の下端部が接触しないように挿入されるようになっている。ノズル管40からは、研磨液としてのスラリーが吐出するようになっている。ノズル管40は、回転せず、定盤34が主軸36により回転可能になっている。主軸36は、図示省略してあるモータにより回転駆動される。ノズル管40から供給されるスラリーとしては、化学機械研磨を可能とする研磨スラリーが用いられ、例えば粉状の酸化シリコン(SiO2 )と水酸化カリウム(KOH) との水溶液などが用いられる。
【0016】
図2,3に示すように、本実施形態では、ノズル孔42は、その下部にスラリー分配用端板46が残されるように、定盤34に形成してある。しかも、定盤34の下面には、放射状溝44が形成してあり、その放射状溝44の中心部が、ノズル孔42に対して連通するようになっている。
【0017】
また、本実施形態では、図3に示すように、定盤34の下面の外周に、リング状研磨パッド8が接着などで取り付けてある。この研磨パッド8は、発泡ポリウレタンなどの多孔質粘弾性材で構成される。この研磨パッド8の外径Dは、ウェーハ2の外径と略同じまたはそれよりも小さい外径である。
【0018】
本実施形態では、この研磨パッド8は、研磨パッド8の中心と定盤34の回転中心とがオフセットして偏心状態となるように、定盤34の下面に取り付けてある。その偏心量eは、特に限定されないが、本実施形態では、2.5〜5mmである。前述した放射状溝44は、リング状研磨パッド8の内周面まで延びるように形成してある。
【0019】
リング状研磨パッド8の半径方向幅dは、本実施形態では、20mmである。また、定盤34の外径(D+e)は、200mmである。
次に、本実施形態に係る研磨装置の動作について説明する。
先ず、テーブル6の吸引装置が吸引を開始し、その表面に吸引力が生じる。この状態で、図1に示すように、研磨対象面を図中上にして、テーブル6の上にウェーハ2を載置し、ウェーハ2をテーブル6に吸着させる。
【0020】
次に、スピンドルモータなどの駆動によって、定盤34を回転速度約1000〜3000rpmで回転させる。また、モータの駆動によってテーブル6をウェーハ2と共に、回転速度約10rpm以下で回転させる。このように、回転速度に差をつけることは、後述するようなCFPの概念を利用するためである。
【0021】
また、ウェーハ2の上方に研磨パッド8が位置するように、図1に示すスライダ52をレール50に沿ってX軸方向に移動する。
このとき、図2に示すノズル管40を介して、スラリー供給装置からのスラリーが、ノズル孔42から吐出され、回転による遠心力で、放射状44を通して、リング状研磨パッド8の内周側に供給される。
【0022】
そして、図示しない駆動装置により主軸36がZ軸方向に下降し、所定の研磨圧力で、ウェーハ2の研磨対象面にリング状研磨パッド8を押し付ける。
本実施形態では、ウェーハ2の研磨対象面にリング状研磨パッド8が押し付けられた状態で、図示しない駆動装置からの駆動力によって、図1に示すスライダ52がレール50に沿って所定の周期および振幅で往復運動を行い、ウェーハ2が研磨パッド8に対してトラバース運動(回転半径方向に往復移動)を行う。尚、このトラバース運動の速度は、例えば5〜400(mm/分)である。このトラバース運動に際して、研磨パッド8およびウェーハ2は共に回転する。
【0023】
このような研磨により、ウェーハ2の研磨対象面は、スラリー中のアルカリ成分による化学的研磨作用と、直径約0.1μm程度のシリカなどの研磨粒子による機械的研磨作用と、さらにこれらの相乗研磨作用により、メカノケミカル研磨(CMP)が良好に行われる。
【0024】
本実施形態では、研磨パッド8を1000rpm以上の高速で回転し、ウェーハ2を10rpm以下の低速で回転させることで、CFPの考え方に基づき、ウェーハ2の表面のうねりは吸収し、微小段差を除去することができる。
たとえばウェーハ面内での研磨量の均一性、すなわち、ウェーハ表面の加工量のむらやばらつきは、おもに、ウェーハ表面の平面度が出ていないことに起因する。ウェーハチャッキングの誤差などを除くと、図4(A)に示すように、ウェーハ2の厚さのばらつきなどによるうねり(TTV)が大きな要因である。回転式の研磨の場合、うねりTTVと微小段差Sとを持つウェーハ2の表面を研磨する際に、その加工量に比例する実効研磨圧力は、相対加振力により与えられる。図4(B)に示すように、相対加振力の周波数は、うねりTTVによる加振力の周波数と、微小段差Sによる加振力の周波数とに分離することができる。図4(A),(B)に示すように、うねりTTVの場合には、うねりTTVの形状を考慮すると、ウェーハ2の1回転当り1〜2回の周波数であり、微小段差Sの場合には、微小段差Sの形成ピッチPを考慮すると、パッド8の1回転当り数百〜数千回の周波数である。
【0025】
ウェーハ2の表面の研磨量の面内均一性を考慮すると、ウェーハ2の大きなうねりTTVに対しては、研磨量差を作らずに均等に研磨を行うことが好ましい。また、ウェーハ2の表面の平坦性を考慮すると、微小段差Sに対しては、その凸部と凹部との研磨量差を大きくして段差を除去することが好ましい。すなわち、うねりTTVによる実効研磨圧力は下げて、研磨量差を作らずに均等に研磨を行い、微小段差による実効研磨圧力は挙げて、段差を除去するように研磨を行うことが好ましい。
【0026】
本実施形態では、ウェーハ2の回転速度を低速(10rpm以下)にすることにより、うねりによる加振力を下げ、研磨量差を作らずに均等に研磨を行うことができる。また、研磨パッド8の回転数を高速(1000rpm以上)にすることにより、段差による加振力を大きくし、段差を除去するように研磨を行うことができる。すなわち、本実施形態では、平坦性と均一性とを同時に満足することができる研磨特性を得ることができる。
【0027】
また、本実施形態では、研磨パッド8を定盤34に対して偏心して取り付けてあるので、定盤34が回転すると、研磨パッド8は、それと同じ回転速度で回転する。しかも、中心が偏心してあるので、図5(A),(B)に示すように、定盤の回転中心に対して、研磨パッド8は、回転しながら、偏心量eに相当する距離でトラバース移動することと等価の動きをすることになる。研磨パッド8を回転しながらトラバース移動させることで、平坦性と研磨量の均一性とを同時に向上させることができる。たとえば、従来の回転研磨では、図6(A),(B)に示すように、ウェーハ2のワーク中心が特異点(オーバー加工または加工不足)になりがちであったが、本実施形態では、図6(C)に示すように、このような特異点をなくすことができる。また、従来では、研磨パッドのエッジ部の影響によるオーバー研磨(加工)が生じ易かったが、本実施形態では、このようなオーバー研磨をなくすことができる。
【0028】
さらに、本実施形態では、リング状研磨パッド8を用いて研磨を行うことで、図7(A),(B)に示すように、径方向のパッド面(端面)の長さが短くなり、パッド面内での研磨能力のばらつきを小さくすることができる。したがって、研磨量の均一性が向上する。なお、従来では、図8(A),9(A)に示すように、円盤状の研磨パッド8a,8bであったため、径方向のパッド面の長さが長く、パッド面内での研磨能力のばらつきが生じ易かった。すなわち、円盤状研磨パッド8a,8bの場合には、パッド面の全面を均等に被研磨対象に接触させて加工に寄与させることは非常に困難であり、スラリー流量、パッドの回転数、接触圧力、パッド面形状精度(平面度)などにより、半径方向に研磨能力のばらつきが生じ、結果として、研磨量のばらつきが生じるおそれが大きかった。たとえば図8(B)に示すように、パッドの内周側で研磨速度が早い場合や、図9(B)に示すように、外周側で研磨速度が早くなるなどのように、研磨量のばらつきが生じるおそれが大きかった。
【0029】
本実施形態では、リング状研磨パッド8を用いるので、図7(B)に示すように、研磨量のばらつきが少ない。
また、本実施形態では、リング状研磨パッド8を用いることで、研磨による平坦性も向上する。従来では、円盤状の研磨パッドの内周側と外周側とで、パッドの周速度差が大きいため、それらの部分で加工される段差による加振力の周波数差が大きくなっていた。このため、たとえば内周側で都合良く段差を加工できる程度の研磨パッド回転速度であるとすると、外周側では、段差の加工残りが大きくなるおそれがあった。本実施形態では、リング状研磨パッド8を用いることで、内外周における周速度の差を小さくすることができ、研磨能力の均一性が向上し、結果として得られる平面の平坦性が向上する。
【0030】
第2実施形態
本実施形態では、前記第1実施形態でも述べたCFPの考え方に関して、捕捉説明を行う。
たとえば、ウェーハ2の表面全体のうねりをTTV(通常約5μm )とし、1mm以下のピッチで被研磨対象の表面にある微小段差(突起)をδ(通常約1μm)とする。
【0031】
研磨装置のパッドを回転させる主軸の回転と、被研磨対象を支持するテーブルの回転と、主軸のZ軸下降移動とにより与えられる相対加振力(加圧力)とは、図12(A),(B)に示すように、TTVおよびδに依存して、各軸の回転数により任意の周波数成分となって与えられる。すなわち、TTVに依る加振力はテーブル回転数に依存した周波数成分となって現れ、δによる加振力は主軸回転数に依存した周波数成分となって現れる。
【0032】
一方、研磨装置の相対加振力による動コンプライアンス特性は、図10,11に示すように、ある共振点(1次)を持ち、位相角の急変する周波数がある。
この時、共振点よりはるかに低い周波数成分に対しては、加振に対して位相が変化することなく追従するが、共振点付近あるいはそれ以上の周波数成分の加振力に対しては、位相の変化を伴いほぼランダムな相対加振力を与えることになる。
したがって、たとえば主軸の回転数を2000rpm、テーブルの回転数を10rpm、共振点100Hzの系では、TTV成分は変位に応じた加圧力が与えられ、TTVのうねりを残したままの加工が進行する。他方、δ成分はδの変位とは無関係のランダムな加圧力が与えられ、δとは無関係の加工、すなわちδの段差(突起)を除去してしまう加工が進行する。
【0033】
さらに、TTVおよびδは初期値は、その表面の形状であるから、回転数に無関係な振幅一定の加振力である。この場合、その周波数と加圧力すなわち加振加速度には、次式のように、たとえば振幅一定の加振では、周波数が高いほど大きな加振力すなわち除去加工の速度が早いといえる関係がある。
【0034】
【数1】
変位Xは X=A×sinωt ;t 時間
加速度X”は X”=−Aω2 sinωt
したがって、グローバル平坦化の目的から微少段差を除去し、大きなうねりは無視する(残す)ためには、図12(B)に示すように、TTV成分とδ成分をできるだけきれいに分離し、TTV周波数を小さく(テーブル回転数を遅く)、δ周波数を大きく(研磨パッド主軸回転数を速く)することが最も有効である。
【0035】
なお、共振点については、一般に高剛性研削盤で100〜数百Hz以下、低剛性なラップ盤系では数Hz〜数十Hz程度以下である。
たとえば研磨装置の動コンプライアンス特性の結果、共振点215Hzである場合には、δ成分を共振点以上とするためには、研磨パッドの主軸の回転数は、500rpm以上が好ましく、TTV成分を共振点以下とするため、被研磨対象を保持するテーブルの回転数は、20rpm以下が好ましい。実際に、これらの条件で研磨することで、良好な結果が得られた。
【0036】
また、研磨パッドの表面硬度(縦弾性係数)によっても同一変位量に対する加圧力は変化する。つまり、表面硬度の高い研磨パッドにすることは、共振点の高い系と等価である。
本実施形態において用いることができる研磨パッドとしては、特に限定されないが、CMPで一般的に用いられるIC1000(ロデールニッタ株製)などが好ましく用いられる。
【0037】
しかも、本実施形態では、前記実施形態と同様に、リング状の研磨パッド8を用いている。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0038】
たとえば、上記実施形態では、往復移動手段として、図1に示すスライダ52を用い、このスライダ52をX方向に移動させることで、ウェーハ2を研磨パッド8に対して往復移動させたが、研磨パッド8を保持する主軸スピンドル32をウェーハに対して往復移動させても良い。ただし、スピンドル32の方が高速回転なので、テーブル6を往復移動させる方が、回転安定性の観点からは好ましい。
【0039】
また、本実施形態では、リンク状研磨パッド8が定盤34に対して偏心して取り付けてあり、トラバース移動(往復移動)と同じ動きを実現することができるので、必ずしもテーブル6を往復移動させる必要もない。ただし、テーブル6を往復移動させた方が、研磨による平坦性および面内均一性は向上する。
【0040】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、リング状研磨パッドを用いて研磨を行うことで、径方向のパッド面(端面)の長さが短くなり、パッド面内での研磨能力のばらつきを小さくすることができる。したがって、研磨量の均一性が向上する。
【0041】
また、本発明では、リング状研磨パッドを用いることで、研磨による平坦性も向上する。従来では、円盤状の研磨パッドの内周側と外周側とで、パッドの周速度差が大きいため、それらの部分で加工される段差による加振力の周波数差が大きくなっていた。このため、たとえば内周側で都合良く段差を加工できる程度の研磨パッド回転速度であるとすると、外周側では、段差の加工残りが大きくなるおそれがあった。本発明では、リング状研磨パッドを用いることで、内外周における周速度の差を小さくすることができ、研磨能力の均一性が向上し、結果として得られる平面の平坦性が向上する。
【0042】
本発明では、研磨パッドを定盤に対して偏心して取り付けることで、定盤の回転中心に対して、研磨パッドは、回転しながらトラバース移動することと等価の動きをすることになる。研磨パッドを回転しながらトラバース移動させることで、平坦性と研磨量の均一性とを同時に向上させることができる。たとえば、従来の回転研磨では、被研磨対象のワーク中心が特異点(オーバー加工または加工不足)になりがちであったが、本発明では、このような特異点をなくすことができる。また、従来では、研磨パッドのエッジ部の影響によるオーバー研磨(加工)が生じ易かったが、本発明では、このようなオーバー研磨をなくすことができる。
【0043】
しかも、本発明では、トラバース移動のための特別の機構を必要としない。
本発明では、ウェーハなどの被研磨対象の回転速度を低速(20rpm以下、好ましくは10rpm以下)にすることにより、うねりによる加振力を下げ、研磨量差を作らずに均等に研磨を行うことができる。また、研磨パッドの回転数を高速(500rpm以上、好ましくは1000rpm以上)にすることにより、段差による加振力を大きくし、段差を除去するように研磨を行うことができる。すなわち、本発明では、平坦性と均一性とを同時に満足することができる研磨特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る研磨装置の全体斜視図である。
【図2】図2はその要部断面図である。
【図3】図3は図2に示すパッドの底面図である。
【図4】図4(A)は実施形態のリング状研磨パッドとウェーハのうねりおよび微小段差との関係を示す概略図、同図(B)は研磨加工時の周波数と加振力との関係を示すグラフである。
【図5】図5(A),(B)は偏心による効果を示す概略図である。
【図6】図6(A)〜(C)は偏心による効果を示す概略図である。
【図7】図7(A),(B)はリング状研磨パッドの研磨速度分布を示す概略図である。
【図8】図8(A),(B)は従来の研磨パッドの研磨速度分布を示す概略図である。
【図9】図9(A),(B)は従来の研磨パッドの研磨速度分布を示す概略図である。
【図10】図10は本発明の一実施形態に係る研磨装置の動コンプライアンスモデルを示す概略図である。
【図11】図11は相対加振による動コンプライアンスの一次共振点を示すグラフである。
【図12】図12(A)は相対加振力を時間との関係で示すグラフ、同図(B)は相対加振のパワースペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
2… ウェーハ、6… テーブル、8… リング状研磨パッド、30… 研磨装置、32…主軸スピンドル、34…定盤、40…ノズル管、42…ノズル孔、44…放射状溝。
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばウェーハなどの被研磨対象の表面を良好に研磨することができる研磨方法と研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばLSIの製造プロセスでは、層間絶縁膜あるいはその他の膜の平坦化が重要である。
平坦化のための技術としては、種々の手段が提案されているが、近年、シリコンウェーハのミラーポリシング技術を応用したCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械研磨)法が注目され、これを利用して平坦化を図る方法が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のCMP法を用いたウェーハの平坦化技術は、ラッピング技術の延長上にあるものであった。すなわち、ウェーハに対して研磨パッドの面積がかなり大きく、研磨パッドの回転速度が遅い装置構成となっていた。このため、ウェーハの表面の平坦性、ウェーハ面内での研磨量の均一性および研磨レートの安定性などの精度面において、不十分であるという問題がある。また、スループットが遅いという課題も有する。
【0004】
これらを改善するために、種々の方法が提案されているが、ウェーハ表面の平坦性と、ウェーハ面内での研磨量の均一性とを同時に満足させることができる研磨装置および研磨方法は、未だ実用化されていないのが実状である。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、ウェーハなどのような被研磨対象の表面の平坦性と、被研磨対象面内での研磨量の均一性とを同時に満足させることができる研磨装置および研磨方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る研磨装置は、被研磨対象の表面に研磨パッドを摺接させ、被研磨対象を停止または回転させると共に、研磨パッドを回転させて、被研磨対象の表面の研磨を行う研磨装置であって、研磨パッドを含む研磨装置の相対加振力による動コンプライアンス特性から共振点を求め、被研磨対象の表面の微小段差による相対加振の周波数成分が、前記共振点よりも大きくなるように、前記研磨パッドを高速で回転し、被研磨対象の表面の大きなうねりによる相対加振の周波数成分が、前記共振点よりも小さくなるように、前記被研磨対象を停止または低速で回転することを特徴とする。
【0006】
本発明の第1の観点に係る研磨方法は、被研磨対象の表面に研磨パッドを摺接させ、被研磨対象を停止または回転させると共に、研磨パッドを回転させて、被研磨対象の表面の研磨を行う研磨方法であって、研磨パッドを含む研磨装置の相対加振力による動コンプライアンス特性から共振点を求め、被研磨対象の表面の微小段差による相対加振の周波数成分が、前記共振点よりも大きくなるように、前記研磨パッドを高速で回転し、被研磨対象の表面の大きなうねりによる相対加振の周波数成分が、前記共振点よりも小さくなるように、前記被研磨対象を停止または低速で回転することを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点に係る研磨装置は、被研磨対象の表面に研磨パッドを摺接させ、被研磨対象を停止または回転させると共に、研磨パッドを回転させて、被研磨対象の1回転当たり1〜2回の周波数の相対加振力を生じさせるうねり、及び、研磨パッドの1回転当たり数百〜数千回の周波数の相対加振力を生じさせる微小段差がある被研磨対象の表面の研磨を行う、相対加振力による動コンプライアンスの共振点が100〜数百Hz又は数Hz〜数十Hzの研磨装置であって、前記研磨パッドを1000rpm以上の高速で回転し、前記被研磨対象を10rpm以下の低速で回転させることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点に係る研磨方法は、被研磨対象の表面に研磨パッドを摺接させ、被研磨対象を停止または回転させると共に、研磨パッドを回転させて、被研磨対象の1回転当たり1〜2回の周波数の相対加振力を生じさせるうねり、及び、研磨パッドの1回転当たり数百〜数千回の周波数の相対加振力を生じさせる微小段差がある被研磨対象の表面の研磨を行う研磨方法であって、相対加振力による動コンプライアンスの共振点が100〜数百Hz又は数Hz〜数十Hzの研磨装置において、前記研磨パッドを1000rpm以上の高速で回転し、前記被研磨対象を10rpm以下の低速で回転させることを特徴とする。
【0009】
本発明の第1の観点では、いわゆるクリープフィードポリシング(CFP)の考え方を利用している。たとえば、ウェーハなどの被研磨対象の表面全体のうねりをTTV(通常約5μm )とし、1mm以下のピッチで被研磨対象の表面にある微小段差(突起)をδ(通常約1μm )とする。研磨装置のパッドを回転させる主軸の回転と、被研磨対象を支持するテーブルの回転と、主軸のZ軸下降移動とにより与えられる相対加振力(加圧力)とは、TTVおよびδに依存して、各軸の回転数により任意の周波数成分となって与えられる。すなわち、TTVに依る加振力はテーブル回転数に依存した周波数成分となって現れ、δによる加振力は主軸回転数に依存した周波数成分となって現れる。
一方、研磨装置の相対加振力による動コンプライアンス特性は、ある共振点(1次)を持ち、位相角の急変する周波数がある。この時、共振点よりはるかに低い周波数成分に対しては、加振に対して位相が変化することなく追従するが、共振点付近あるいはそれ以上の周波数成分の加振力に対しては、位相の変化を伴いほぼランダムな相対加振力を与えることになる。
上記ことから、被研磨対象の表面の微小段差による相対加振の周波数成分が、共振点よりも大きくなるように、研磨パッドを高速で回転し、被研磨対象の表面の大きなうねりによる相対加振の周波数成分が、共振点よりも小さくなるように、被研磨対象を停止または低速で回転することで、TTV成分とδ成分とがきれいに分離される。
【0010】
本発明の第2の観点では、上記のような回転速度に設定することで、被研磨対象の表面のうねりは吸収し、微小段差を除去することができる。たとえば、被研磨対象として、ウェーハの表面を考える。ウェーハ面内での研磨量の均一性、すなわち、ウェーハ表面の加工量のむらやばらつきは、おもに、ウェーハ表面の平面度が出ていないことに起因する。ウェーハチャッキングの誤差などを除くと、ウェーハの厚さのばらつきなどによるうねり(TTV)が大きな要因である。回転式の研磨の場合、うねりと微小段差とを持つウェーハの表面を研磨する際に、その加工量に比例する実効研磨圧力は、相対加振力により与えられる。相対加振力の周波数は、うねりによる加振力の周波数と、微小段差による加振力の周波数とに分離することができる。うねりの場合には、うねりの形状を考慮すると、ウェーハの1回転当り1〜2回の周波数であり、微小段差の場合には、微小段差の形成ピッチを考慮すると、パッドの1回転当り数百〜数千回の周波数である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る研磨装置および研磨方法を、図面に示す実施形態に基づき、詳細に説明する。
第1実施形態
図1は本発明の一実施形態に係る研磨装置の全体斜視図、図2はその要部断面図、図3は図2に示すパッドの底面図、図4(A)は実施形態のリング状研磨パッドとウェーハのうねりおよび微小段差との関係を示す概略図、同図(B)は研磨加工時の周波数と加振力との関係を示すグラフ、図5(A),(B)は偏心による効果を示す概略図、図6(A)〜(C)は偏心による効果を示す概略図、図7(A),(B)はリング状研磨パッドの研磨速度分布を示す概略図、図8(A),(B)は従来の研磨パッドの研磨速度分布を示す概略図、図9(A),(B)は従来の研磨パッドの研磨速度分布を示す概略図である。
【0012】
図1〜3に示すように、本実施形態に係る研磨装置30は、被研磨対象としてのウェーハ2の表面を研磨するための装置である。
図1に示すように、この研磨装置30は、研磨パッド8を回転させる主軸スピンドル32と、ウェーハ2を保持する保持手段としてのテーブル6とを有する。
【0013】
テーブル6は、レール50に沿ってX軸方向に移動自在に設けられたスライダ52(往復移動手段またはトラバース移動手段)の上に回転自在に装着してある。テーブル6は、比較的低速回転なので、モータ、プーリおよび平ベルトなどにより回転駆動される。
【0014】
テーブル6の大きさは、特に限定されないが、たとえば直径約200mmの円盤状をしている。テーブル6の上部には、多孔質部材などで構成されるチャックが装着してある。テーブル6を回転させる回転軸には、その軸芯に沿って真空引き用通路が形成してある。この通路を通して真空引きすることで、ウェーハ2がテーブル6の表面に真空吸着されるようになっている。
【0015】
主軸スピンドル32は、図2に示すように、主軸36と主軸ハウジング38とを有する。主軸36の下部には、定盤34が取付固定してある。定盤34の中心部には、ノズル孔42が形成してあり、このノズル孔42に、ノズル管40の下端部が接触しないように挿入されるようになっている。ノズル管40からは、研磨液としてのスラリーが吐出するようになっている。ノズル管40は、回転せず、定盤34が主軸36により回転可能になっている。主軸36は、図示省略してあるモータにより回転駆動される。ノズル管40から供給されるスラリーとしては、化学機械研磨を可能とする研磨スラリーが用いられ、例えば粉状の酸化シリコン(SiO2 )と水酸化カリウム(KOH) との水溶液などが用いられる。
【0016】
図2,3に示すように、本実施形態では、ノズル孔42は、その下部にスラリー分配用端板46が残されるように、定盤34に形成してある。しかも、定盤34の下面には、放射状溝44が形成してあり、その放射状溝44の中心部が、ノズル孔42に対して連通するようになっている。
【0017】
また、本実施形態では、図3に示すように、定盤34の下面の外周に、リング状研磨パッド8が接着などで取り付けてある。この研磨パッド8は、発泡ポリウレタンなどの多孔質粘弾性材で構成される。この研磨パッド8の外径Dは、ウェーハ2の外径と略同じまたはそれよりも小さい外径である。
【0018】
本実施形態では、この研磨パッド8は、研磨パッド8の中心と定盤34の回転中心とがオフセットして偏心状態となるように、定盤34の下面に取り付けてある。その偏心量eは、特に限定されないが、本実施形態では、2.5〜5mmである。前述した放射状溝44は、リング状研磨パッド8の内周面まで延びるように形成してある。
【0019】
リング状研磨パッド8の半径方向幅dは、本実施形態では、20mmである。また、定盤34の外径(D+e)は、200mmである。
次に、本実施形態に係る研磨装置の動作について説明する。
先ず、テーブル6の吸引装置が吸引を開始し、その表面に吸引力が生じる。この状態で、図1に示すように、研磨対象面を図中上にして、テーブル6の上にウェーハ2を載置し、ウェーハ2をテーブル6に吸着させる。
【0020】
次に、スピンドルモータなどの駆動によって、定盤34を回転速度約1000〜3000rpmで回転させる。また、モータの駆動によってテーブル6をウェーハ2と共に、回転速度約10rpm以下で回転させる。このように、回転速度に差をつけることは、後述するようなCFPの概念を利用するためである。
【0021】
また、ウェーハ2の上方に研磨パッド8が位置するように、図1に示すスライダ52をレール50に沿ってX軸方向に移動する。
このとき、図2に示すノズル管40を介して、スラリー供給装置からのスラリーが、ノズル孔42から吐出され、回転による遠心力で、放射状44を通して、リング状研磨パッド8の内周側に供給される。
【0022】
そして、図示しない駆動装置により主軸36がZ軸方向に下降し、所定の研磨圧力で、ウェーハ2の研磨対象面にリング状研磨パッド8を押し付ける。
本実施形態では、ウェーハ2の研磨対象面にリング状研磨パッド8が押し付けられた状態で、図示しない駆動装置からの駆動力によって、図1に示すスライダ52がレール50に沿って所定の周期および振幅で往復運動を行い、ウェーハ2が研磨パッド8に対してトラバース運動(回転半径方向に往復移動)を行う。尚、このトラバース運動の速度は、例えば5〜400(mm/分)である。このトラバース運動に際して、研磨パッド8およびウェーハ2は共に回転する。
【0023】
このような研磨により、ウェーハ2の研磨対象面は、スラリー中のアルカリ成分による化学的研磨作用と、直径約0.1μm程度のシリカなどの研磨粒子による機械的研磨作用と、さらにこれらの相乗研磨作用により、メカノケミカル研磨(CMP)が良好に行われる。
【0024】
本実施形態では、研磨パッド8を1000rpm以上の高速で回転し、ウェーハ2を10rpm以下の低速で回転させることで、CFPの考え方に基づき、ウェーハ2の表面のうねりは吸収し、微小段差を除去することができる。
たとえばウェーハ面内での研磨量の均一性、すなわち、ウェーハ表面の加工量のむらやばらつきは、おもに、ウェーハ表面の平面度が出ていないことに起因する。ウェーハチャッキングの誤差などを除くと、図4(A)に示すように、ウェーハ2の厚さのばらつきなどによるうねり(TTV)が大きな要因である。回転式の研磨の場合、うねりTTVと微小段差Sとを持つウェーハ2の表面を研磨する際に、その加工量に比例する実効研磨圧力は、相対加振力により与えられる。図4(B)に示すように、相対加振力の周波数は、うねりTTVによる加振力の周波数と、微小段差Sによる加振力の周波数とに分離することができる。図4(A),(B)に示すように、うねりTTVの場合には、うねりTTVの形状を考慮すると、ウェーハ2の1回転当り1〜2回の周波数であり、微小段差Sの場合には、微小段差Sの形成ピッチPを考慮すると、パッド8の1回転当り数百〜数千回の周波数である。
【0025】
ウェーハ2の表面の研磨量の面内均一性を考慮すると、ウェーハ2の大きなうねりTTVに対しては、研磨量差を作らずに均等に研磨を行うことが好ましい。また、ウェーハ2の表面の平坦性を考慮すると、微小段差Sに対しては、その凸部と凹部との研磨量差を大きくして段差を除去することが好ましい。すなわち、うねりTTVによる実効研磨圧力は下げて、研磨量差を作らずに均等に研磨を行い、微小段差による実効研磨圧力は挙げて、段差を除去するように研磨を行うことが好ましい。
【0026】
本実施形態では、ウェーハ2の回転速度を低速(10rpm以下)にすることにより、うねりによる加振力を下げ、研磨量差を作らずに均等に研磨を行うことができる。また、研磨パッド8の回転数を高速(1000rpm以上)にすることにより、段差による加振力を大きくし、段差を除去するように研磨を行うことができる。すなわち、本実施形態では、平坦性と均一性とを同時に満足することができる研磨特性を得ることができる。
【0027】
また、本実施形態では、研磨パッド8を定盤34に対して偏心して取り付けてあるので、定盤34が回転すると、研磨パッド8は、それと同じ回転速度で回転する。しかも、中心が偏心してあるので、図5(A),(B)に示すように、定盤の回転中心に対して、研磨パッド8は、回転しながら、偏心量eに相当する距離でトラバース移動することと等価の動きをすることになる。研磨パッド8を回転しながらトラバース移動させることで、平坦性と研磨量の均一性とを同時に向上させることができる。たとえば、従来の回転研磨では、図6(A),(B)に示すように、ウェーハ2のワーク中心が特異点(オーバー加工または加工不足)になりがちであったが、本実施形態では、図6(C)に示すように、このような特異点をなくすことができる。また、従来では、研磨パッドのエッジ部の影響によるオーバー研磨(加工)が生じ易かったが、本実施形態では、このようなオーバー研磨をなくすことができる。
【0028】
さらに、本実施形態では、リング状研磨パッド8を用いて研磨を行うことで、図7(A),(B)に示すように、径方向のパッド面(端面)の長さが短くなり、パッド面内での研磨能力のばらつきを小さくすることができる。したがって、研磨量の均一性が向上する。なお、従来では、図8(A),9(A)に示すように、円盤状の研磨パッド8a,8bであったため、径方向のパッド面の長さが長く、パッド面内での研磨能力のばらつきが生じ易かった。すなわち、円盤状研磨パッド8a,8bの場合には、パッド面の全面を均等に被研磨対象に接触させて加工に寄与させることは非常に困難であり、スラリー流量、パッドの回転数、接触圧力、パッド面形状精度(平面度)などにより、半径方向に研磨能力のばらつきが生じ、結果として、研磨量のばらつきが生じるおそれが大きかった。たとえば図8(B)に示すように、パッドの内周側で研磨速度が早い場合や、図9(B)に示すように、外周側で研磨速度が早くなるなどのように、研磨量のばらつきが生じるおそれが大きかった。
【0029】
本実施形態では、リング状研磨パッド8を用いるので、図7(B)に示すように、研磨量のばらつきが少ない。
また、本実施形態では、リング状研磨パッド8を用いることで、研磨による平坦性も向上する。従来では、円盤状の研磨パッドの内周側と外周側とで、パッドの周速度差が大きいため、それらの部分で加工される段差による加振力の周波数差が大きくなっていた。このため、たとえば内周側で都合良く段差を加工できる程度の研磨パッド回転速度であるとすると、外周側では、段差の加工残りが大きくなるおそれがあった。本実施形態では、リング状研磨パッド8を用いることで、内外周における周速度の差を小さくすることができ、研磨能力の均一性が向上し、結果として得られる平面の平坦性が向上する。
【0030】
第2実施形態
本実施形態では、前記第1実施形態でも述べたCFPの考え方に関して、捕捉説明を行う。
たとえば、ウェーハ2の表面全体のうねりをTTV(通常約5μm )とし、1mm以下のピッチで被研磨対象の表面にある微小段差(突起)をδ(通常約1μm)とする。
【0031】
研磨装置のパッドを回転させる主軸の回転と、被研磨対象を支持するテーブルの回転と、主軸のZ軸下降移動とにより与えられる相対加振力(加圧力)とは、図12(A),(B)に示すように、TTVおよびδに依存して、各軸の回転数により任意の周波数成分となって与えられる。すなわち、TTVに依る加振力はテーブル回転数に依存した周波数成分となって現れ、δによる加振力は主軸回転数に依存した周波数成分となって現れる。
【0032】
一方、研磨装置の相対加振力による動コンプライアンス特性は、図10,11に示すように、ある共振点(1次)を持ち、位相角の急変する周波数がある。
この時、共振点よりはるかに低い周波数成分に対しては、加振に対して位相が変化することなく追従するが、共振点付近あるいはそれ以上の周波数成分の加振力に対しては、位相の変化を伴いほぼランダムな相対加振力を与えることになる。
したがって、たとえば主軸の回転数を2000rpm、テーブルの回転数を10rpm、共振点100Hzの系では、TTV成分は変位に応じた加圧力が与えられ、TTVのうねりを残したままの加工が進行する。他方、δ成分はδの変位とは無関係のランダムな加圧力が与えられ、δとは無関係の加工、すなわちδの段差(突起)を除去してしまう加工が進行する。
【0033】
さらに、TTVおよびδは初期値は、その表面の形状であるから、回転数に無関係な振幅一定の加振力である。この場合、その周波数と加圧力すなわち加振加速度には、次式のように、たとえば振幅一定の加振では、周波数が高いほど大きな加振力すなわち除去加工の速度が早いといえる関係がある。
【0034】
【数1】
変位Xは X=A×sinωt ;t 時間
加速度X”は X”=−Aω2 sinωt
したがって、グローバル平坦化の目的から微少段差を除去し、大きなうねりは無視する(残す)ためには、図12(B)に示すように、TTV成分とδ成分をできるだけきれいに分離し、TTV周波数を小さく(テーブル回転数を遅く)、δ周波数を大きく(研磨パッド主軸回転数を速く)することが最も有効である。
【0035】
なお、共振点については、一般に高剛性研削盤で100〜数百Hz以下、低剛性なラップ盤系では数Hz〜数十Hz程度以下である。
たとえば研磨装置の動コンプライアンス特性の結果、共振点215Hzである場合には、δ成分を共振点以上とするためには、研磨パッドの主軸の回転数は、500rpm以上が好ましく、TTV成分を共振点以下とするため、被研磨対象を保持するテーブルの回転数は、20rpm以下が好ましい。実際に、これらの条件で研磨することで、良好な結果が得られた。
【0036】
また、研磨パッドの表面硬度(縦弾性係数)によっても同一変位量に対する加圧力は変化する。つまり、表面硬度の高い研磨パッドにすることは、共振点の高い系と等価である。
本実施形態において用いることができる研磨パッドとしては、特に限定されないが、CMPで一般的に用いられるIC1000(ロデールニッタ株製)などが好ましく用いられる。
【0037】
しかも、本実施形態では、前記実施形態と同様に、リング状の研磨パッド8を用いている。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0038】
たとえば、上記実施形態では、往復移動手段として、図1に示すスライダ52を用い、このスライダ52をX方向に移動させることで、ウェーハ2を研磨パッド8に対して往復移動させたが、研磨パッド8を保持する主軸スピンドル32をウェーハに対して往復移動させても良い。ただし、スピンドル32の方が高速回転なので、テーブル6を往復移動させる方が、回転安定性の観点からは好ましい。
【0039】
また、本実施形態では、リンク状研磨パッド8が定盤34に対して偏心して取り付けてあり、トラバース移動(往復移動)と同じ動きを実現することができるので、必ずしもテーブル6を往復移動させる必要もない。ただし、テーブル6を往復移動させた方が、研磨による平坦性および面内均一性は向上する。
【0040】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、リング状研磨パッドを用いて研磨を行うことで、径方向のパッド面(端面)の長さが短くなり、パッド面内での研磨能力のばらつきを小さくすることができる。したがって、研磨量の均一性が向上する。
【0041】
また、本発明では、リング状研磨パッドを用いることで、研磨による平坦性も向上する。従来では、円盤状の研磨パッドの内周側と外周側とで、パッドの周速度差が大きいため、それらの部分で加工される段差による加振力の周波数差が大きくなっていた。このため、たとえば内周側で都合良く段差を加工できる程度の研磨パッド回転速度であるとすると、外周側では、段差の加工残りが大きくなるおそれがあった。本発明では、リング状研磨パッドを用いることで、内外周における周速度の差を小さくすることができ、研磨能力の均一性が向上し、結果として得られる平面の平坦性が向上する。
【0042】
本発明では、研磨パッドを定盤に対して偏心して取り付けることで、定盤の回転中心に対して、研磨パッドは、回転しながらトラバース移動することと等価の動きをすることになる。研磨パッドを回転しながらトラバース移動させることで、平坦性と研磨量の均一性とを同時に向上させることができる。たとえば、従来の回転研磨では、被研磨対象のワーク中心が特異点(オーバー加工または加工不足)になりがちであったが、本発明では、このような特異点をなくすことができる。また、従来では、研磨パッドのエッジ部の影響によるオーバー研磨(加工)が生じ易かったが、本発明では、このようなオーバー研磨をなくすことができる。
【0043】
しかも、本発明では、トラバース移動のための特別の機構を必要としない。
本発明では、ウェーハなどの被研磨対象の回転速度を低速(20rpm以下、好ましくは10rpm以下)にすることにより、うねりによる加振力を下げ、研磨量差を作らずに均等に研磨を行うことができる。また、研磨パッドの回転数を高速(500rpm以上、好ましくは1000rpm以上)にすることにより、段差による加振力を大きくし、段差を除去するように研磨を行うことができる。すなわち、本発明では、平坦性と均一性とを同時に満足することができる研磨特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る研磨装置の全体斜視図である。
【図2】図2はその要部断面図である。
【図3】図3は図2に示すパッドの底面図である。
【図4】図4(A)は実施形態のリング状研磨パッドとウェーハのうねりおよび微小段差との関係を示す概略図、同図(B)は研磨加工時の周波数と加振力との関係を示すグラフである。
【図5】図5(A),(B)は偏心による効果を示す概略図である。
【図6】図6(A)〜(C)は偏心による効果を示す概略図である。
【図7】図7(A),(B)はリング状研磨パッドの研磨速度分布を示す概略図である。
【図8】図8(A),(B)は従来の研磨パッドの研磨速度分布を示す概略図である。
【図9】図9(A),(B)は従来の研磨パッドの研磨速度分布を示す概略図である。
【図10】図10は本発明の一実施形態に係る研磨装置の動コンプライアンスモデルを示す概略図である。
【図11】図11は相対加振による動コンプライアンスの一次共振点を示すグラフである。
【図12】図12(A)は相対加振力を時間との関係で示すグラフ、同図(B)は相対加振のパワースペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
2… ウェーハ、6… テーブル、8… リング状研磨パッド、30… 研磨装置、32…主軸スピンドル、34…定盤、40…ノズル管、42…ノズル孔、44…放射状溝。
Claims (14)
- 被研磨対象の表面に研磨パッドを摺接させ、被研磨対象を停止または回転させると共に、研磨パッドを回転させて、被研磨対象の表面の研磨を行う研磨装置であって、
研磨パッドを含む研磨装置の相対加振力による動コンプライアンス特性から共振点を求め、
被研磨対象の表面の微小段差による相対加振の周波数成分が、前記共振点よりも大きくなるように、前記研磨パッドを高速で回転し、
被研磨対象の表面の大きなうねりによる相対加振の周波数成分が、前記共振点よりも小さくなるように、前記被研磨対象を停止または低速で回転することを特徴とする
研磨装置。 - 前記研磨パッドがリング状である
請求項1に記載の研磨装置。 - 前記研磨パッドが定盤に対して偏心して取り付けてある
請求項1に記載の研磨装置。 - 前記研磨パッドを500rpm以上の高速で回転し、前記被研磨対象を20rpm以下の低速で回転させることを特徴とする
請求項1に記載の研磨装置。 - 被研磨対象の表面に研磨パッドを摺接させ、被研磨対象を停止または回転させると共に、研磨パッドを回転させて、被研磨対象の表面の研磨を行う研磨方法であって、
研磨パッドを含む研磨装置の相対加振力による動コンプライアンス特性から共振点を求め、
被研磨対象の表面の微小段差による相対加振の周波数成分が、前記共振点よりも大きくなるように、前記研磨パッドを高速で回転し、
被研磨対象の表面の大きなうねりによる相対加振の周波数成分が、前記共振点よりも小さくなるように、前記被研磨対象を停止または低速で回転することを特徴とする研磨方法。 - 前記研磨パッドがリング状である
請求項5に記載の研磨方法。 - 前記研磨パッドが定盤に対して偏心して取り付けてある
請求項5に記載の研磨方法。 - 前記研磨パッドを500rpm以上の高速で回転し、前記被研磨対象を20rpm以下の低速で回転させることを特徴とする
請求項5に記載の研磨方法。 - 被研磨対象の表面に研磨パッドを摺接させ、被研磨対象を停止または回転させると共に、研磨パッドを回転させて、被研磨対象の1回転当たり1〜2回の周波数の相対加振力を生じさせるうねり、及び、研磨パッドの1回転当たり数百〜数千回の周波数の相対加振力を生じさせる微小段差がある被研磨対象の表面の研磨を行う、相対加振力による動コンプライアンスの共振点が100〜数百Hz又は数Hz〜数十Hzの研磨装置であって、
前記研磨パッドを1000rpm以上の高速で回転し、前記被研磨対象を10rpm以下の低速で回転させることを特徴とする
研磨装置。 - 前記研磨パッドがリング状である
請求項9に記載の研磨装置。 - 前記研磨パッドが定盤に対して偏心して取り付けてある
請求項10に記載の研磨装置。 - 被研磨対象の表面に研磨パッドを摺接させ、被研磨対象を停止または回転させると共に、研磨パッドを回転させて、被研磨対象の1回転当たり1〜2回の周波数の相対加振力を生じさせるうねり、及び、研磨パッドの1回転当たり数百〜数千回の周波数の相対加振力を生じさせる微小段差がある被研磨対象の表面の研磨を行う研磨方法であって、
相対加振力による動コンプライアンスの共振点が100〜数百Hz又は数Hz〜数十Hzの研磨装置において、前記研磨パッドを1000rpm以上の高速で回転し、前記被研磨対象を10rpm以下の低速で回転させることを特徴とする
研磨方法。 - 前記研磨パッドがリング状である
請求項12に記載の研磨方法。 - 前記研磨パッドが定盤に対して偏心して取り付けてある
請求項13に記載の研磨方法。
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JP2003046360A JP3912296B2 (ja) | 1996-05-22 | 2003-02-24 | 研磨装置および研磨方法 |
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