JP3911809B2 - 合成繊維の延伸熱処理方法および延伸熱処理装置 - Google Patents
合成繊維の延伸熱処理方法および延伸熱処理装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は合成繊維の延伸熱処理方法および延伸熱処理装置に関するものであり、更に詳しくは、合成繊維の製造において、複数の延伸熱処理ローラ群を用いて未延伸糸を延伸熱処理して延伸糸を製造するに際し、延伸熱処理ローラ表面に堆積する付着物を効率的に清掃することにより、延伸熱処理ローラ表面の汚れを除去し、糸切れや毛羽の発生などの不具合を解消して合成繊維の延伸熱処理を長期間安定に維持すると共に、ローラ清掃のための停機を少なくして稼働率を向上し、生産効率を改善する合成繊維の延伸熱処理方法、およびそのために使用するローラの付着物清掃装置を具備する合成繊維の延伸熱処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成繊維、とくに産業用繊維の製造においては、複数の延伸熱処理ローラ群を用いて、未延伸糸を高倍率かつ高張力下で熱延伸する方法が一般的に採用されているが、この熱延伸工程においては、経時的に延伸熱処理ローラの表面に異物が付着または堆積し、延伸状態が異常になるという現象を生じ、この現象が得られる繊維の品質・品位や生産効率に重大な影響を及ぼす原因となっている。
【0003】
すなわち、ここでいう延伸状態の異常とは、延伸熱処理ローラ表面に付着堆積した異物が原因で表面摩擦力が高くなり、走行糸条が初期の位置から徐々にずれたり、糸条単糸が切断して毛羽となったり、ひいては糸条自身が切断してしまうなどのことである。
【0004】
また、別の延伸状態の異常として、高温の延伸熱処理ローラ上に付着、または堆積した異物が、延伸熱処理ローラと糸条との間の熱伝達を妨げ、その結果糸条の熱処理が十分に行われなくなり、得られた延伸糸の収縮率が経時的に変化するといった現象も認められることがある。
【0005】
さらにまた別の延伸状態の異常としては、延伸熱処理ローラ上に析出堆積したオリゴマなどが、時々高濃度の固まりとなって走行糸条に再付着するため、得られる原糸を用いて製織・染色した製品の表面に染色斑が発生し、製品欠点の原因となることが挙げられる。
【0006】
そして、上記延伸熱処理ローラ表面の汚れは、比較的短時間で発生して上記延伸状態の異常を生ずるため、定期的あるいは異常状態を検知するごとに、糸条を強制的に切断し、延伸装置を停機してローラを清掃することが頻々に行われている。例えば、200℃程度のローラ表面温度で延伸熱処理する場合は、24時間とか36時間の周期でローラの清掃を行えばよいが、特に240℃以上の高温でかつ高張力で延伸熱処理して高強力糸を製造する場合は、数時間でローラ汚れが発生し、きわめて短時間の装置稼働で毛羽の発生や糸切れを起こすため、ローラ清掃の頻度が高く、生産効率の低下と製品の品位低下の問題が大きくクローズアップされていた。
【0007】
なお、上記延伸熱処理ローラ上の付着堆積物とは、主に糸条に付与した油剤が延伸熱処理ローラ上で熱酸化劣化することにより生じた固着物と、糸条から析出したオリゴマ類、およびそれらの熱酸化劣化物などである。
【0008】
上記油剤の熱酸化劣化による固着物を減少させるためには、油剤自体の組成を耐熱性のすぐれたものに改善する方法や、比較的耐熱性の劣る活性剤成分を油剤組成物から除き、製糸後巻き取り直前の糸条に活性剤成分などを付与する方法などの様々な工夫が従来からなされてきたが、これらの方法では根本的な解決には至っていない。
【0009】
また、合成繊維の延伸熱処理ローラ表面の汚れ防止手段としては、従来から種々の方法が提案されており、その代表例としては、実開昭56−132254号公報に記載の方法が挙げられる。すなわち、この方法は鏡面ローラを溝付き加工することによって、梨地ローラの表面と同等の低摩擦を達成すると共に、溝付き加工した鏡面ローラの溝部で汚物を除去するように構成して、汚物の堆積を防ぐようにしたものである。しかしながら、この方法により梨地ローラ表面と同等の表面摩擦特性を溝付きロールで達成しようとすると、梨地表面の凹凸に近いサイズの溝を鏡面ローラ表面に形成する必要があり、この加工は実質的に不可能であった。しかも、この方法により十分な汚れ防止効果を得ようとして、溝部の間隔を広げると、適正な摩擦特性が得られないという二律背反の関係があるため、結果としてこの方法では汚れ防止効果と適正摩擦特性を同時に満足させることは困難であった。
【0010】
一方、特開平7−173738号公報には、高温の延伸熱処理ローラに付着した付着物に耐熱性布帛を接触させることにより払拭除去する方法およびそのために使用する装置が提案されている。しかるに、この方法は延伸熱処理ローラに直接耐熱性布帛を接触させるため、汚物の除去効果は顕著であるものの、耐熱性布帛による払拭効果が経時的に失われてくること、および耐熱性布帛が比較的短時間で損傷するためその交換のためのコストがかかることなどの問題が依然として残されていた。
【0011】
このように、延伸熱処理ローラの汚れを防止し、熱延伸工程における生産効率や得られる繊維の繊維の品質・品位を向上させることについての要求は従来から強くあったものの、十分なローラの清掃効果を有し、かつその持続性を満足する方法についてはこれまで知られておらず、その実現がしきりに望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
【0013】
したがって、本発明の目的は、延伸熱処理ローラ表面に堆積する付着物を清掃することにより、延伸熱処理ローラ表面の汚れを除去し、糸切れや毛羽の発生などの不具合を解消して合成繊維の延伸熱処理を長期間安定に維持すると共に、ローラ清掃のための停機を少なくして稼働率を向上し、生産効率を改善する方法、およびそのための装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の合成繊維の延伸熱処理装置は、主として次の構成を有する。すなわち、延伸熱処理ローラ近傍に該延伸熱処理ローラの表面を清掃する清掃装置を有するとともに、糸条走行糸道に毛羽検知器を有し、毛羽検知器により検知される毛羽量が予め設定した毛羽量に達した時に清掃装置が動作するように制御されることを特徴とする合成繊維の延伸熱処理装置である。
【0016】
合成繊維、とくに産業用繊維の製造においては、複数の高温ロ−ラ群を用いて未延伸糸を高倍率かつ高張力下で熱延伸する方法が一般的に採用されているが、経時的に高温ロ−ラの表面に異物が付着堆積し、延伸状態が異常になるという現象が起こっている。該延伸状態の異常とは、ロ−ラ表面に付着堆積した異物が原因で表面摩擦力が高くなり、走行糸条が初期の位置から徐々にずれたり、糸条単繊維が切断して毛羽となったり、ひいては糸条自身が切断してしまうなどのことである。
【0017】
そして、比較的短時間でロ−ラ表面の汚れが発生し、上記延伸状態の異常を生ずるため、定期的あるいは異常状態を検知する都度、糸条を強制的に切断し、ロ−ラを洗浄することが行われている。例えば、200℃程度のロ−ラ表面温度で延伸熱処理する場合は48時間とか24時間の周期で行えばよいが、特に240℃以上の高温でかつ高張力で延伸熱処理して高強力糸を製造する場合は数時間でロ−ラ汚れが発生し、毛羽の発生や糸切れを起こし、生産効率の低下と製品の品位を低下させる等の問題を有していた。
【0018】
高温ロ−ラ上の付着堆積物は主に糸条に付与した油剤が高温ロ−ラ上で熱酸化劣化した固着物と、糸条から析出したオリゴマ類およびそれらの熱酸化劣化物等である。
【0019】
油剤の熱酸化劣化物を減少させるため、耐熱性の優れた油剤成分に改善したり、比較的耐熱性の劣る活性剤成分を製糸油剤から除き、製糸後巻き取り直前に活性剤成分等を付与する方法を採用する等の工夫がなされてきたが、根本的な解決には至っていなかった。
【0020】
本発明は、上記課題を本質的に改善する方法およびそのための装置を開示するものであり、ロ−ラ表面の汚れの進行と共に増加する糸条の毛羽の発生量を検知し、予め設定した毛羽発生量に達した時点でロ−ラ表面を清掃することにより、高温ロ−ラ表面上に汚れ異物を実質的に堆積させないことにより、長時間高温ロ−ラを初期の状態に維持させることができるのである。
【0021】
合成繊維の製糸における毛羽の発生原因は、紡出工程での異常、例えばポリマ−中の異物の増加によるもの、口金孔詰まりや汚れによるもの、冷却工程での異常、例えば単繊維の衝突によるもの、単繊維間の冷却斑によるもの、延伸熱処理工程での異常、例えばロ−ラ表面の傷やロ−ラ表面の汚れ等によるもの、工程全体としてはガイド類の傷によるもの等である。このうち、清掃によって回復させることができるのは汚れによるものである。
【0022】
特に高温で高張力下に延伸熱処理して高強力糸を製造する場合は、高温ロ−ラの汚れの進行と共に毛羽の発生が増え続け、その発生量が著しくなると、ついには糸条が切断するという因果関係を掴むことができる。例えば、11g/d以上のナイロン66高強力糸を3000m/分以上の高速で製糸しようとした時、高温ロ−ラの表面温度を240℃以上、ローラの表面速度を500m/分以上として製糸する方法が一般的である。現在入手できる最も良好な耐熱性油剤を用いた場合でもロ−ラ表面の汚れの進行と共に毛羽が増加し、約4時間で毛羽量は5ヶ/Kgのオ−ダ−となり、その後は高度の確率で糸条が切断する。一方、製糸開始直後およびロ−ラ洗浄直後の毛羽量は高々0.1ヶ/Kg以下であり、如何にロ−ラの汚れが毛羽発生の原因となっているかを知ることができる。
【0023】
そこで本発明では、ロ−ラ汚れの進行と毛羽量の関係を予め把握しておき、製品として許容される毛羽量の値、またはそれに対応する時間を予め設定しておき、設定値に達したらロ−ラ清掃が開始される方法を採用する。
【0024】
毛羽量は、延伸熱処理後巻き取るまでの間のいずれかの場所に設置した毛羽検知装置によって検知する。毛羽検知装置は、例えば、毛羽と接触した検知部を歪み計を通して電気信号に変換して処理したり、あるいは、毛羽とは非接触で光電管で検知した信号を処理する方法等を採用することができる。実用化されている装置としては前者は(株)キーエンス製のセンサーGH513とアンプGA245の組み合わせ、後者は英国メイナーズ−デル(Meiners−del)社製BFD−8P−B型等がある。
【0025】
本発明では、糸条の毛羽発生量を検知して延伸熱処理ロ−ラの清掃を開始するに当り、製糸の延伸倍率を低下させ、およびまたは製糸速度を低下させることにより、一旦糸条を切断することなく、また糸切れさせることなく製糸を継続させながらロ−ラ清掃を行うことが好ましい。具体的には、製糸中の糸条の毛羽量を測定しながら、予め設定された毛羽量に達したら、自動的に延伸倍率および/または延伸速度を低下させ、延伸熱処理ロ−ラ清掃を実施する。延伸熱処理ロ−ラ温度の低下を防止するとともに飛散した洗浄液や水等の一部が糸条に接触した時の糸切れを防止し、一方、高温ロ−ラ上で糸揺れが激しくなり、糸条が重なって糸切れを起こすのを防止する観点から、高温ロ−ラ洗浄のために低下させる延伸倍率および/または製糸速度を、正常な製品を製糸するために設定された定常の延伸倍率および/または製糸速度の60〜90%、さらには70〜80%として行うことが好ましい。
【0026】
なお、延伸熱処理ロ−ラの清掃中に製糸された糸条は清掃を開始する直前に製品とは別に区分して巻き取ればよい。例えば、延伸熱処理ロ−ラの清掃開始に先立ち、自動的にワインダ−の巻き取りチ−ズを切り替えることによってこれは可能である。また、延伸熱処理ロ−ラの清掃が完了し、正常な製品が得られるようになったら製品として再び区分して巻き取ればよい。
【0027】
毛羽量を検知して延伸熱処理ロ−ラを自動的に清掃する方法は、常に製糸中の毛羽量を検知しながら、予め設定した毛羽量に到達する都度、延伸熱処理ロ−ラ清掃の信号を出しても良いが、予め十分な製糸実験から求めた毛羽量に到達する時間を設定しておいて、一定の間隔で延伸熱処理ロ−ラ清掃を実施することもできる。
【0028】
本発明に用いる延伸熱処理ロ−ラは通常、100℃以上、一般には150℃以上、特に高強力糸の生産では200℃以上であるが、本発明の効果が顕著に発揮されるのは240℃以上で、油剤が短時間で熱酸化劣化し易い温度の時である。
【0029】
本発明が適用される合成繊維は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、アラミド等延伸熱処理ロ−ラを用いて延伸熱処理する素材のいづれでもよい。特に、高融点で高温の延伸熱処理を必要とする産業資材用高強力糸を製造する際に有効である。就中、産業資材用ポリアミドおよびポリエステルの高強力繊維を、高速の直接紡糸延伸法で製造する際に用いられる高温ロ−ラ上の付着堆積物を洗浄除去する方法として適用することが有利である。高強力繊維の高速直接紡糸延伸法とは、8. 5g/d以上特に9g/d以上の繊維を2000m/分以上の速度で製造することを意味する。本発明の効果が顕著に発揮されるのは11g/d以上の高強力糸を3000m/分以上の高速製糸で製造する場合であり、かかる目的の時、一般に、前記のように表面温度240℃以上、表面速度500m/分の高温ロ−ラが用いられる。
【0030】
合成繊維の延伸熱処理に用いられる延伸熱処理ロ−ラは、通常、糸条を捲回して用いるネルソンロ−ラまたは糸条を片掛けする片掛けロ−ラ等を用いる。延伸熱処理ロ−ラ上の汚れ異物を洗浄除去させるための洗浄液や高圧ガスの吹き付けは、糸条とロ−ラとの接触面と相対する部分、即ち糸条とロ−ラとが接触していない部分で行う。糸条に直接洗浄液が吹き付けられないよう行う必要がある。ネルソンロ−ラであれば1対のロ−ラが相対する面に対し処理し、片掛けロ−ラであれば糸条とロ−ラとが接触する面と反対のロ−ラ表面に対して処理するのが好ましい。
【0031】
洗浄液を用いる方法では、延伸熱処理ローラ表面に、水、水酸化ナトリウム水溶液、トリエチルアミン溶液、製糸油剤等を用いて噴霧することにより、付着ロ−ラ異物を溶解させ飛散洗浄せしめる。噴霧する圧力は0.2MPa以上、さらには0.5MPa以上で行うのが好ましい。ロ−ラ表面と薬液の吹き出し距離は、噴霧する圧力、流量および高温ロ−ラの回転速度等を考慮して効果的な条件を設定するが、通常50mm以下、さらには5mm以下の至近距離で行うのが好ましい。
【0032】
噴射ノズルを往復動させる場合の速度は通常30cm/秒以下、好ましくは20cm/秒とした方がロ−ラ上の汚れ除去効果の点で有利である。
【0033】
処理装置を往復動させる機構としては、例えばエアシリンダ−、油圧シリンダ−モ−タ−等、原理的に往復動させる機構であれば用いることができる。
【0034】
また、高温ロ−ラの付着異物の洗浄のために洗浄処理装置を設置し、延伸熱処理して合成繊維を製造する場合において、高温ロ−ラおよび処理装置を含む全体を開閉可能なボックスで囲み、排気口およびあるいは排水溝を備えて、ボックス内の汚れ物をガスと共に吸引・排気させ、あるいは洗浄液と共に排水させることが好ましい。該ボックスは、消音効果、保温効果およびシ−ル効果を有するようにし、保温効果によりロ−ラ表面およびロ−ラ表面近傍の温度を可及的一定に保持し、また処理装置によって処理され飛散したロ−ラ付着異物を排気または排水除去させることが好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳述する。
【0036】
まず、図1にしたがって本発明のローラの付着物洗浄装置について説明し、次いで図2及び図3にしたがってこの装置を用いる本発明のローラの付着物洗浄方法について説明する。
【0037】
図1は本発明のローラの付着物洗浄装置の一例を示す正面図、図2は一対の延伸熱処理ローラ間に本発明の付着物除去装置を配置して糸条の毛羽発生量を毛羽検知器hで検知し、予め設定して置いた毛羽発生量の越えると、制御盤Lで熱延伸ローラC〜GおよびワインダーHの速度を制御しながら、本発明の付着物洗浄方法を実施する場合の一例を示す概略図である。
【0038】
図3は本方法の一対の延伸熱処理ローラ間に配置された付着物除去装置を示す側面図(a)および正面図(b)である。
【0039】
図1に示したように、本発明のローラの付着物洗浄装置Fは、シリンダー1と内部に溶液管6を配置したシリンダーピストン2からなる駆動部、シリンダーピストン2の先端部に連結部材3を介して設けた洗浄液噴射ノズル4および溶液管6に洗浄液送り込む洗浄液供給部5から主として構成されている。
【0040】
すなわち、洗浄液噴射ノズル4は、シリンダーピストン2を介して後述する延伸熱処理ローラの軸方向に平行に、つまり矢印方向に往復運動可能に構成されており、これにより延伸熱処理ローラのほぼ全面に洗浄液を噴射することができるようになっている。
【0041】
なお、図面では洗浄液噴射ノズル4が連結部材3を介して上下2方向に洗浄液を吹き付けるように構成されているが、これは、一対のローラを相対配置したネルソンローラのローラ間に配置されて、一対のローラの相対する面に高圧ガスを噴射、吹付けるためであり、対象となる延伸熱処理ローラが単一の片掛けローラの場合には、一方の洗浄液噴射ノズル4を省略するか、あるいは一方の洗浄液噴射ノズル4への洗浄液の供給を遮断して、ローラの糸条との接触面の反対側の面にのみ洗浄液を噴射するようにしてもよい。
【0042】
上記の構成からなる本発明洗浄液噴出装置Fは、延伸熱処理ローラ上の一点に集中して洗浄液を噴射する方式であってもよいが、より効率的に延伸熱処理ローラ上の汚れを除去するためには、上記したようにシリンダピストン2を介してローラ軸と平行方向に洗浄液噴射ノズル4を往復動させるのが好ましい。
【0043】
また、洗浄液及び水噴射ノズル4に複数の孔を形成して、延伸熱処理ローラの軸方向に直線的に洗浄水を分噴射できるようにすることにより、洗浄液噴射ノズル4をローラ軸と平行方向に往復動させないようにしてもよい。
【0044】
洗浄液噴射ノズル4を往復動させる場合の往復動速度は、通常30cm/秒以下、好ましくは20cm/秒とすることが、延伸熱処理ローラ上の汚れ除去効果の点で有利である。
【0045】
洗浄水噴射ノズル4を往復動させる駆動系シリンダー1の機構としては、例えばエアシリンダーや油圧シリンダーモーターなどの原理的に往復動させる機構を用いることができる。
【0046】
なお、延伸熱処理ローラの付着物除去のために付着物洗浄装置Fを設置し、洗浄液を噴出しながら延伸熱処理して合成繊維を製造する場合においては、延伸熱処理ローラおよび付着物洗浄装置Fを含む全体を開閉可能なボックスで囲み、排気口を設けてボックス内の汚れ物を洗浄と共に吸引させ、排気させることが好ましい。このボックスは、消音効果、保温効果およびシール効果を有するようにし、噴出ガスの騒音を軽減し、保温効果により延伸熱処理ローラ表面およびローラ表面近傍の温度を一定に保持し、また噴出ガスによって飛散したローラ付着物を排気除去させることが好ましい。
【0047】
次に、上記の構成からなる本発明の付着物除去装置Fを使用して、本発明のローラ付着物洗浄方法を実施するに際しては、例えば図3に示したように、付着物洗浄装置Fを一対の延伸熱処理ローラE,E′間に配置し、この一対の延伸熱処理ローラE,E′の相対する面に洗浄液噴射ノズル4から洗浄液を噴射することにより、付着した汚物、異物を強制洗浄する。
【0048】
本洗浄に当たっては、図2に示したように、延伸熱処理ローラE,G間に配置した毛羽検知器で糸条の毛羽発生量を感知し、予め設定して置いた毛羽量の越えると、制御盤が作動して、例えば弛緩ローラG、G′及びワインダーHの回転速度を減速するように指示する。弛緩ローラG、G′の回転速度を減速と同時に、延伸熱処理ローラE,E′の間に配置された付着物除去装置Fが自動的に作動して、延伸熱処理ローラE,E′を洗浄するようにする。
【0049】
延伸熱処理ローラE,E′は、通常、延伸・熱処理の目的に用いられるものであり、表面温度が100℃以上、一般には150℃以上、特に高強力糸の生産では200℃以上の温度に加熱されているものであるが、本発明においては、とくに油剤が短時間で熱酸化劣化し易い240℃以上の温度に加熱されている場合に、効果が顕著に発揮される。
【0050】
そして、本発明でいう延伸熱処理ローラとは、延伸工程で配置されたローラ、例えば2DR、RRローラー(第1延伸ロールC、C′〜弛緩ロールG、G′)のすべてを意味するものである。
【0051】
また、本発明の方法および装置に適用される合成繊維は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、アラミドなどの延伸熱処理ローラを用いて延伸熱処理する素材のいづれでもよい。とくに、高融点で高温の延伸熱処理を必要とする産業資材用高強力糸を製造する際に有効である。なかでも産業資材用ポリアミドおよびポリエステルの高強力繊維を、高速の直接紡糸延伸法で製造する際に用いられる延伸熱処理ローラ上の付着堆積物を洗浄除去する場合に適用することが有利である。なお、ここでいう高強力繊維の高速直接紡糸延伸法とは、強度が8.5g/d以上、とくに9.0g/d以上の繊維を2000m/分以上の速度で製造することを意味する。
【0052】
一般に、合成繊維の延伸熱処理に用いられる延伸熱処理ローラの形態としては、通常糸条を捲回して用いるネルソンローラおよび糸条を片掛けする単一ローラなどが挙げられる。
【0053】
本発明のローラの付着物洗浄方法において、延伸熱処理ローラ上の汚物・異物を洗浄除去させるための洗浄液の噴射は、延伸熱処理ローラ上の糸条とローラとが接触していない部分で行う。これは糸条にできるだけ洗浄液の噴射の影響を少なくするためである。したがって、延伸熱処理ローラがネルソンローラの場合には、図2に示したように、1対の延伸熱処理ローラE,E′が相対する面に対し洗浄液を噴射する。
【0054】
また、延伸熱処理ローラが片掛けローラの場合には、糸条とローラとが接触する面と反対のローラ表面に洗浄液を噴射する。
【0055】
本発明で使用する洗浄液を用いる方法では、ホットロ−ラの表面に、水、水酸化ナトリウム水溶液、トリエチルアミン溶液、製糸油剤等を用いて高圧で噴霧することにより、付着ロ−ラ異物を溶解させるとともに飛散除去せしめる。噴霧する圧力は0.05MPa以上、好ましくは0.1MPa以上で行う。ロ−ラ表面と洗浄液の吹き出し距離は、洗浄液の圧力、流量および高温ロ−ラの回転速度等を考慮して効果的な条件を設定するが、通常50mm以下、好ましくは5mm以下の至近距離で行う。
【0056】
以上説明したように、本発明のローラの付着物洗浄方法および装置によれば、延伸熱処理ローラ上に付着物また堆積物が堆積した場合に、これら付着物また堆積物に対し洗浄液を噴射して直ちに洗浄除去させることにより、延伸熱処理ローラ上に汚物や異物を実質的に堆積させないようにすることができるため、延伸熱処理ローラを長時間初期の状態に維持させることができるばかりか、ローラ洗浄のための停機を少なくして稼働率および生産効率を高めることが可能であり、しかも糸切れや毛羽の発生などの不具合を解消して品質・品位のすぐれた合成繊維を製造することが可能である。
【0057】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0058】
なお、以下の実施例における各特性の評価は次の方法にしたがって行った。
【0059】
[ローラ汚れ]
延伸工程を開始してから設定した個数の毛羽が発生した後、延伸熱処理ローラ表面を洗浄した後の該ローラの汚物・異物の付着状態を目視観察し、◎:汚れ全くなし、○:汚れほとんどなし、△:汚れややあり、×:汚れあり、××:汚れ著しくありと評価した。
【0060】
延伸工程を開始してから設定した個数の毛羽が発生した時のローラ表面の汚物・異物の付着状態は××である。
【0061】
[洗浄時間]
ローラ洗浄から毛羽検知器で設定した個数の毛羽が発生するまでの時間を示す。
【0062】
[糸切れ回数]( 回/t)
張力調整ローラ後の糸道変更ガイドの直後に毛羽検出装置を設置し、繊維1万km当たりの糸切れ回数を測定した。
【0063】
[屑発生率](%)
製品生産量に対する延伸熱処理ローラの洗浄を完了するまでに発生する屑量を屑発生率とした。
【0064】
[白粉堆積状況(ポリエステルの場合のみ)]
延伸工程を開始してから24時間後に洗浄した後の延伸熱処理ローラ表面の白粉物の体積状着状態を目視観察し、◎:白粉堆積がほとんどなし、△:白粉堆積がややあり、×:白粉堆積があり評価した。延伸工程を開始してから設定した個数の毛羽が発生した時のローラ表面の汚物・異物の付着状態は×である。
【0065】
[洗浄作業時間]
延伸熱処理ローラの洗浄にかかる作業時間を示す。
【0066】
[原糸強度、伸度]
テンシロンUTL−4L型引っ張り試験機((株)オリエンテック製)を用いて、JIS L 1017に準じて測定した。
【0067】
[実施例1〜7、比較例1]
硫酸相対粘度:3.6のナイロン66チップを、エクストルーダー型紡糸機を用いて溶融紡糸した。紡糸温度は295℃とし、10μの空隙を有する金属フィルターを通して濾過し、細孔0. 25mmφで孔数204の口金を通して紡糸した。紡出糸条は口金面から約25cm間の300℃の高温雰囲気下を通過させた後、約20℃の冷風を吹きつけて冷却固化せしめた。
【0068】
次いで、糸条に水系エマルジョンタイプの紡糸油剤を予備給油した後、非加熱の引き取りローラに捲回させて引き取り、引き続き給糸ローラとの間で5%のストレッチをかけながら平滑剤を主成分とし、微量の制電剤を含む非水系紡糸油剤を付与した。紡糸油剤は延伸熱処理後の糸条への付着量が0.6重量%となるよう調整した。
【0069】
引き続き、3対のネルソンローラに糸条を捲回しながら3段延伸した。延伸熱処理後の糸条を巻き取る直前に、活性剤成分を主成分とする油剤を付与した。油剤は延伸巻き取り後の原糸に対し0.8重量%となるよう、約0.3重量%付着させた。
【0070】
各ローラ温度は、給糸ローラ:45℃、1段延伸ローラ:120℃、2段延伸ローラ:235℃、3段延伸ローラ:250℃とした。また、各ローラへの糸条の捲回数は、引き取りローラ:2回、給糸ローラ:3回、1段延伸ローラ:3回、2段延伸ローラ:5回、3段延伸ローラ:6回とした。
【0071】
引き続いて、延伸熱処理された糸条を130℃に加熱した張力調整ローラに4回捲回して10%の弛緩を与えた後、ワインダーで巻き取った。
【0072】
製糸速度は、延伸速度が最大となる3段延伸ローラの速度として3500m/分とした。
【0073】
上記の延伸熱処理工程において、2段延伸ローラおよび3段延伸ローラのそれぞれに洗浄液噴出装置を図1のように取り付け、各ネルソンローラの対をなすローラ毎の表面に洗浄液を噴射した。洗浄液の噴出は糸条とローラ表面が接触する部分と相対する位置とした。
【0074】
使用した洗浄液の種類、圧力、流量を表1,2に示したように変更し、洗浄後のローラ汚れ、洗浄時間、糸切回数、屑発生率などを評価し、洗浄テスト結果として表1,2に示した。
【0075】
【表1】
【表2】
適した洗浄液を所定圧力及び流量以上で噴射することにより、延伸熱処理ローラ表面の汚物・異物を洗浄除去することができる結果、毛羽著しい発生が激減し、一旦停機して行う洗浄方法と同等の洗浄時間であるため、安定な延伸熱処理ができることが明らかである。また、比較例1に対し大幅な洗浄作業時間の削減がはかれた。つまり、本実施例において、適切なローラ汚れ洗浄方法および装置を用いた場合は、洗浄装置を使用しないで一旦停機して洗浄を行う比較例1に比較し、4倍以上の屑率減少効果が得られることを示している。
【0076】
[実施例8、比較例2]
硫酸相対粘度3.6のナイロン6チップをエクストルーダー型紡糸機を用いて溶融紡糸した。紡糸温度は285℃とし、10μの空隙を有する金属フィルターを通して濾過し、細孔0.25mmφで孔数306の口金を通して紡糸した。紡出糸条は口金面から約25cm間の300℃の高温雰囲気下を通過させた後、約20℃の冷風を吹きつけて冷却固化せしめた。
【0077】
次いで、糸条に水系エマルジョンタイプの紡糸油剤を予備給油した後、非加熱の引き取りローラに捲回させて引き取り、引き続き給糸ローラとの間で5%のストレッチをかけながら平滑剤を主成分とし、微量の制電剤を含む非水系紡糸油剤を付与した。紡糸油剤は延伸熱処理後の糸条への付着量が0.6重量%となるよう調整した。
【0078】
引き続き3対のネルソンローラに糸条を捲回しながら3段延伸した。延伸熱処理後の糸条を巻き取る直前に、活性剤成分を主成分とする油剤を付与した。油剤は延伸巻き取り後の原糸に対し0.8重量%となるよう、約0.2重量%付着させた。
【0079】
各ローラ温度は給糸ローラ:45℃、1段延伸ローラ:120℃、2段延伸ローラ:200℃、3段延伸ローラ:220℃とした。また、ローラへの糸条の捲回数は、引き取りローラ:2回、給糸ローラ:3回、1段延伸ローラ:3回、2段延伸ローラ:5回、3段延伸ローラ:6回とした。
【0080】
延伸熱処理された糸条は130℃に加熱した張力調整ローラに4回捲回して10%の弛緩を与えた後、ワインダーで巻き取った。
【0081】
製糸速度は、延伸速度が最大となる3段延伸ローラの速度として3500m/分とした。
【0082】
上記の延伸熱処理工程において、2段延伸ローラおよび3段延伸ローラのそれぞれに付着物洗浄装置を図1のように取り付け、各ネルソンローラの対をなすローラ毎の表面に洗浄液を噴射した。洗浄液の噴出は糸条とローラ表面が接触する部分と相対する位置とした。
【0083】
最も効果のあった実施例7と同様の条件でテストし、洗浄後のローラ汚れ、洗浄時間、糸切れ回数、屑発生率などを評価し、洗浄テスト結果として表1,2に示した。
【0084】
また、比較のために、付着物洗浄装置を取り付けずに、洗浄装置を使用しないで一旦停機して洗浄を行う場合の評価結果を表2に比較例2として併せて示した。
【0085】
本実施例から明らかなように、適切なローラ汚れ防止方法および装置を用いた場合は、比較例2に比較し、4倍以上の屑率減少効果を有することを示している。
【0086】
[実施例9、比較例3]
固有粘度が1.23のポリエチレンテレフタレートチップをエクストルダー型溶融紡糸装置に供給し、吐出孔径が0.6mmφの紡糸口金を用いて、紡糸繊維糸条を雰囲気温度320℃の加熱筒を通した後、冷却風を30m/分の速度で横方向から吹き付けて冷却し、オイリングローラで紡糸油剤を付与した後、80℃に加熱制御された給糸ローラで800m/分に速度で引き取った。
【0087】
次いで、得られた未延伸糸条を一旦巻き取ることなく連続して全延伸倍率5.86〜6.80倍で延伸し、巻き取り速度3000m/分で巻き取り、延伸繊維糸条を得た。延伸は二段延伸で、その後、張力調整ロール間で1.5%の弛緩を与えた後ワインダーで巻き取った。
【0088】
各ローラ温度は1段延伸ローラ:110℃、2段延伸ローラ:220℃、張力調整ローラは無加熱とした。
【0089】
また、ローラへの糸条の捲回数は、給糸ローラ:3回、1段延伸ローラ:3回、2段延伸ローラ:5回、張力調整ローラ:4回とした。
【0090】
張力調整ローラ後の糸道変更ガイドの直後に毛羽検知装置を設置し、ローラ汚れ、洗浄時間、糸切れ回数などを評価し、洗浄テスト結果として表2に併せて示した。また、比較のために、付着物除去装置を取り付けずに、洗浄装置を使用しないで一旦停機して洗浄を行う場合の評価結果を表2に比較例3として併せて示した。
【0091】
上記の延伸熱処理工程において、張力調整ローラに付着物除去装置を図1のように取り付け、各ネルソンローラの対をなすローラ毎の表面に洗浄液を噴射した。洗浄液の噴出は糸条とローラ表面が接触する部分と相対する位置とした。
【0092】
最も効果のあった実施例8と同様ので条件でテストし、洗浄後の白粉除去効果、屑発生指数を評価した。白粉除去効果は、所定時間製糸した後の白粉物の堆積状況の肉眼観察によって評価して、結果を表2に示した。
【0093】
本実施例から明らかなように、適切なローラ汚れ防止方法および装置を用いた場合は、比較例3に比較し、約2倍以上の屑率減少効果が得られる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のローラの付着物洗浄方法および装置によれば、延伸熱処理ローラ上に付着物また堆積物が堆積した場合に、これら付着物また堆積物に対し洗浄液を噴射して洗浄除去させることにより、一旦停機しないで洗浄することができるため、ローラ洗浄のための停機を少なくして稼働率および生産効率を高めることが可能であり、しかも糸切れや毛羽の発生などの不具合を解消して品質・品位のすぐれた合成繊維を製造することが可能である。
【0095】
したがって、本発明は、特に産業用繊維の直接紡糸延伸に用いられる延伸熱処理ローラ表面の汚れ洗浄において、顕著な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローラの付着物洗浄装置の一例を示す正面図。
【図2】一対の延伸熱処理ローラ間に本発明の付着物洗浄装置を配置して糸条の毛羽発生量を検知し、制御盤で糸条の速度を制御しながら、本発明の付着物洗浄方法を実施する場合の一例を示す概略図。
【図3】は本方法の一対の延伸熱処理ローラ間に配置された付着物洗浄装置を示す側面図(a)および正面図(b)。
【符号の説明】
A, A′ 油剤ロール
B, B′ 引取ロール
C,C′ 延伸熱処理ローラ(第1延伸ロール)
D,D′ 延伸熱処理ローラ(第2延伸ロール)
E,E′ 延伸熱処理ローラ(第3延伸ロール)
F 付着物洗浄装置
G 延伸熱処理ローラ(弛緩ロール)
H ワインダー
I 毛羽検知器
J 制御盤
K,L,M 配線回路
N 口金
O 加熱筒
T 糸条
1 シリンダー
2 シリンダーピストン
3 連結部材
4 洗浄液及び水噴射ノズル
5 洗浄液及び水供給部
6 溶液配管
Claims (6)
- 延伸熱処理ローラ近傍に該延伸熱処理ローラの表面を清掃する清掃装置を有するとともに、糸条走行糸道に毛羽検知器を有し、毛羽検知器により検知される毛羽の累積量が予め設定した毛羽量に達した時に発信される電気信号に基づき、清掃装置が動作するように制御されることを特徴とする合成繊維の延伸熱処理装置。
- 毛羽検知器により検知される毛羽の累積量が予め設定した毛羽量に達した時に発信される電気信号に基づき、ローラ周速を変化させて製糸速度を所定の速度まで減速せしめ、減速が完了した電気信号により清掃装置が動作するように制御されることを特徴とする請求項1記載の合成繊維の延伸熱処理装置。
- 清掃装置が、シリンダーと内部に洗浄液および水の配管を配置したシリンダーピストンからなる駆動部、前記シリンダーピストンの先端部に連結部材を介して設けた洗浄液噴射ノズルおよび前記配管に洗浄液を送り込む洗浄液供給部からなり、前記洗浄液噴射ノズルから洗浄液が該延伸熱処理ローラの表面に向かって噴射できるように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の合成繊維の延伸熱処理装置。
- 延伸熱処理ローラが一対のローラを相対配置してなるネルソンローラであって、清掃装置が該一対のローラ間に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合成繊維の延伸熱処理装置。
- 延伸熱処理ローラが片掛けローラであって、清掃装置が該片掛けローラの糸条との接触面の反対側に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合成繊維の延伸熱処理装置。
- 洗浄液噴射ノズルがシリンダーピストンを介して延伸熱処理ローラの軸方向に平行に往復運動可能であることを特徴とする請求項3に記載の合成繊維の延伸熱処理装置。
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