JP3911087B2 - 位置検出装置のヘッドスライダの固定具 - Google Patents
位置検出装置のヘッドスライダの固定具 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機器や産業機械等に用いられる位置検出装置のヘッドスライダを、本体等に固定する固定具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、工作機械や産業機械等では、直線移動する可動部の位置制御を行うために、スケール装置等の位置検出装置が用いられている。
【0003】
スケール装置は、一般に、本体部と、この本体部に直線移動可能に設けられているヘッドスライダとから構成されている。
【0004】
本体部内には、スケールと呼ばれる、例えば丸棒等の長尺状の形状をした記録媒体が設けられている。このスケールには、ピットやマーク等が所定連続して所定の間隔で繰り返される位置信号が、長手方向に沿って記録されている。例えば、このスケールには、所定の記録波長で極性が反転する磁気信号が位置信号として、長手方向に沿って連続して記録されている。また、ヘッドスライダ内には、スケールに記録されている位置信号を検出する検出ヘッドが設けられている。この検出ヘッドは、スケールに記録されている位置信号が検出できるように例えばこの位置信号に対向する位置に設けられるとともに、ヘッドスライダの直線移動に伴いスケールの長手方向に平行移動する。
【0005】
このような本体部とヘッドスライダとから構成されるスケール装置は、相対的に直線移動する工作機械等の基準部と可動部とに取り付けられる。このスケール装置は、本体部或いはヘッドスライダのいずれか一方が、移動をしない基準部に固定され、他方が、可動部に固定される。このとき、本体部は、内部に設けられたスケールの長手方向が、可動部の移動方向に平行となるように取り付けられる。従って、このスケール装置では、この可動部の直線移動に応じて本体部とヘッドスライダとの相対位置が変化する。
【0006】
このことによりスケール装置では、ヘッドスライダ内に設けられた検出ヘッドがこの相対位置の変化に応じて変化する位置信号を検出し、この可動部の移動位置を制御することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなスケール装置では、ヘッドスライダが振動して検出ヘッドやスケール等が破損することのないように、工作機械等に取り付けられるまでは、ヘッドスライダが本体部に固定され運搬等がされている。
このようなスケール装置のヘッドスライダを本体部に固定する方式としては、従来より、ねじ固定方式や樹脂又はバネによるはさみ方式がある。
【0008】
ねじ固定方式では、本体部とヘッドスライダとに固定具を架けわたして、これを固定する。また、はさみ方式では、弾力性のある樹脂やバネ等の付勢力を用いて、ヘッドスライダと本体部とを固定具により挟持する。
【0009】
しかしながら、ねじ固定方式では、本体部及びヘッドスライダの両者に、ねじ孔を設けなければならず、製造コストが高くなってしまっていた。また、ねじ固定をするため、ヘッドスライダを本体部に固定する固定具の取り付けや取り外しが不便であった。さらに、ねじ固定方式では、ヘッドスライダの本体部に対する固定位置がねじ孔が設けられた位置に定まってしまうので、例えば、スケール装置を工作機械に取り付ける場合に予め固定具を取り外しておかなければならず、取付ミス等が発生しやすかった。
【0010】
また、はさみ方式では、本体部とヘッドスライダとを挟持する固定具の形状が複雑となってしまっていた。また、複数の部材を組み合わせて本体部とヘッドスライダとを固定しなければならないので、コストが高くなってしまっていた。
【0011】
本発明は、このような実情を鑑みてなされたものであり、コストが安く、また、容易にヘッドスライダを本体に固定することができる位置検出装置のヘッドスライダの固定具を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明に係る位置検出装置のヘッドスライダの固定具は、長手方向に位置信号が記録された長尺状の記録媒体を有する本体と、上記位置信号を検出する検出ヘッドを保持してこの検出ヘッドが上記記録媒体の長手方向に移動するように上記本体に設けられたヘッドスライダとからなり、この本体とヘッドスライダとの相対移動位置を検出する位置検出装置の上記ヘッドスライダを、上記本体に固定する位置検出装置のヘッドスライダの固定具であって、上記本体に係合する第1の係合爪と、上記ヘッドスライダに係合する第2の係合爪と、上記本体と上記ヘッドスライダとの間に亘って配置され、上記本体側の端部に上記第1の係合爪が一体に形成され、上記ヘッドスライダ側の端部に上記第2の係合爪が一体に形成された固定部と、上記固定部の上記第1の係合爪と第2の係合爪の間に、上記ヘッドスライダの移動方向に平行に設けられ、上記ヘッドスライダの移動方向と直交する方向に弾性変位する弾性変位部と、上記固定部に一体に設けられ、上記弾性変位部に上記ヘッドスライダの移動方向と直交する方向に曲げモーメントを与え、上記第1の係合爪又は上記第2の係合爪のいずれか一方の係合状態を解除させる操作部とを備える。
【0013】
この位置検出装置のヘッドスライダの固定具では、操作部が操作されることにより弾性変位部が弾性変位し、第1の係合爪又は第2の係合爪のいずれか一方が係合解除状態となる。この係合解除状態で、上記第1の係合爪が本体との係合位置に配置され、上記第2の係合爪がヘッドスライダとの係合位置に配置される。そして、操作部の操作が終了することにより、上記第1の係合爪が本体に係合し、また、上記第2の係合爪がヘッドスライダに係合し、ヘッドスライダが本体に固定される。
【0014】
また、この位置検出装置のヘッドスライダの固定具では、操作部が操作されることにより弾性変位部が弾性変位し、第1の係合爪又は第2の係合爪のいずれか一方が係合解除状態となる。この係合解除状態で、本体との係合位置に配置された第1の係合爪がこの係合位置から離され、ヘッドスライダとの係合位置に配置された第2の係合爪がこの位置から離され、この固定具が位置検出装置から取り外される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した実施の形態のヘッドスライダの固定具について図面を参照しながら説明をする。
【0016】
まず、本発明を適用した実施の形態のヘッドスライダの固定具が用いられるスケール装置について説明する。
【0017】
図1に、スケール装置の斜視図を示し、図2に、このスケール装置の側面図を示し、図3に、このスケール装置の内部構造を表すための断面図を示す。
【0018】
スケール装置1は、本体部2と、この本体部2に取り付けられたヘッドスライダ3とから構成される。
【0019】
このスケール装置1は、工作機械等の一部として構成され相対的に直線移動する2部材の相対移動位置を、検出する位置検出装置である。例えば、スケール装置1は、所定の位置に固定された基準部4と、この基準部4に対して図1中に示すX1方向及びX2方向に直線移動する可動部5との相対移動位置を検出する。このスケール装置1は、本体部2或いはヘッドスライダ3のいずれか一方が基準部4に取り付けられ、他方が可動部5に取り付けられる。図1及び図2中には、基準部4に本体部2を取り付け、可動部5にヘッドスライダ3を取り付けた例を示している。
【0020】
本体部2は、筐体11と、丸棒状の高保磁力材料からなる記録媒体であり、この筐体11の内部に設けられたスケール12と、スケール12の両端部を保持してこのスケール12を筐体11内の所定の位置に固定するブラケット13,14とを有している。なお、図1中には、図面の記載の明確化のため、このブラケット13,14を図示していない。
【0021】
筐体11は、例えば、矩形の筒状の形状を有しており、一側面が切り欠かれスリット15が形成されている。また、この筐体11は、スリット15が形成された側面と直交する側面17,18の長手方向の端部に、略円形状の筐体取付孔21,22,23,24が形成されている。
【0022】
スケール12は、ブラケット13,14によりその両端が保持され、筐体11内に固定されている。このスケール12は、筐体11の長手方向に平行であり、矩形の筒の中心軸上に位置されるように設けられている。また、このスケール12には、ピットやマーク等が所定連続して所定の間隔で繰り返される位置信号が、長手方向に沿って記録されている。例えば、このスケールには、所定の記録波長で極性が反転する磁気信号が位置信号として、長手方向に沿って連続して記録されている。
【0023】
また、ヘッドスライダ3は、本体部2の内部に設けられたヘッド保持部31と、本体部2の外部に設けられたヘッドキャリア32と、このヘッド保持部31とヘッドキャリア32とを連結する連結部33とを有し、スケール12の長手方向に移動可能に本体部2に取り付けられている。
【0024】
図4に、このヘッド保持部31の要部の分解斜視図を示す。
【0025】
ヘッド保持部31には、ヘッドホルダ34が設けられている。このヘッドホルダ34には、スケール12の挿通孔が設けられている。ヘッドホルダ34は、この挿通孔にこのスケール12が挿通されることにより、このスケール12に取り付けられ、このスケール12の長手方向に直線移動可能とされている。
【0026】
このヘッドホルダ34は、ヘッドホルダケース36により外部が覆い包まれており、その内部にMRヘッド35を保持している。このMRヘッド35は、スケール12に記録されている位置信号を検出する。このMRヘッド35は、スケール12に記録されている位置信号が検出できるようにこの位置信号に対向する位置に設けられている。このMRヘッド35は、ヘッドホルダ34に保持されていることから、このヘッドホルダ34の直線移動に伴いスケール12の長手方向に平行移動する。
【0027】
このヘッドホルダ34のスケール12の長手方向の両端には、一対の摺動支持部材37,38が取り付けられている。この摺動支持部材37,38は、その形状が略円柱状となっており、その中心軸にスケール12が挿通する挿通孔が設けられている。この摺動支持部材37,38は、この挿通孔にスケール12が挿通されることにより、このスケール12に摺動自在に支持される。また、この摺動支持部材37,38は、スケール12に摺動自在に支持されることにより、ヘッドホルダ34がスケール12の長手方向に平行移動した場合に、このヘッドホルダ34を移動方向と直交する方向に位置ぶれを生じさせないようにしている。
【0028】
また、ヘッド保持部31には、一対の第1のスペーサ39,40と、一対の第2のスペーサ41,42とが設けられている。
【0029】
一対の第1のスペーサ39,40には、スケール12が挿通する挿通孔が設けられている。この一対の第1のスペーサ39,40は、この挿通孔にスケール12が挿通されることにより、スケール12に取り付けられ、スケール12の長手方向に直線移動可能とされている。また、この一対の第1のスペーサ39,40は、摺動支持部材37,38のスケール12の長手方向のヘッドホルダ34が取り付けられていない一端面に当設している。
【0030】
また、一対の第2のスペーサ41,42は、スケール12が挿通する挿通孔が設けられている。この一対の第2のスペーサ41,42は、この挿通孔にスケール12が挿通されることにより、スケール12に取り付けられ、スケール12の長手方向に直線移動可能とされている。また、この一対の第2のスペーサ41,42は、第1のスペーサ39,40のスケール12の長手方向の摺動支持部材37,38が当設していない一端面に当設している。
【0031】
また、ヘッド保持部31には、一対のヘッドホルダ挟持部材43,44と、バネ45とが設けられている。
【0032】
ヘッドホルダ挟持部材43,44には、スケール12が挿通する挿通孔が設けられている。ヘッドホルダ挟持部材43,44は、この挿通孔にスケール12が挿通されることにより、スケール12に取り付けられ、スケール12の長手方向に直線移動可能とされている。また、このヘッドホルダ挟持部材43,44は、連結部33に固定されている。この一対のヘッドホルダ挟持部材43,44は、摺動支持部材37,38が取り付けられたヘッドホルダ34を、一対の第1のスペーサ39,40と一対の第2のスペーサ41,42を介して、スケール12の長手方向に平行な方向の両端から挟持している。また、ヘッドホルダ挟持部材43と第2のスペーサ41との間には、バネ45が設けられいる。このバネ45は、このヘッドホルダ挟持部材43からヘッドホルダ挟持部材44に向かう方向へ、ヘッドホルダ34を付勢している。
【0033】
また、ヘッドホルダ34には、回り止め用ピン46が設けられている。この周り止め用ピン46は、長手方向の一端がヘッドホルダ34に固定されており、他端が連結部33に設けられた回転規制穴47に挿入されている。そのため、ヘッドホルダ34のスケール12を中心軸とする回転が規制される。
【0034】
また、第1のスペーサ39,40と第2のスペーサ41,42とが当設するそれぞれの当設面は球面形状を有している。この球面形状の当設面は、ヘッドホルダ挟持部材43,44がスケール12の長手方向に直交する方向にヘッドホルダ挟持部材43,44が位置ずれした場合に、摺動支持部材37,38等からスケール12に与える曲げモーメントを少なくするように機能している。
【0035】
以上のような構成のヘッド保持部31は、このスケール12の長手方向に平行な方向に移動可能に、このスケール12に取り付けられており、この移動に応じてMRヘッド35がスケール12に記録された位置信号を検出する。
【0036】
このヘッド保持部31は、連結部33を介してヘッドキャリア32と連結している。この連結部33は、スケール12の長手方向と直交する方向の一端がヘッドホルダ挟持部材43,44に固定され、他端がスリット15から挿出して本体部2の外部に設けられたヘッドキャリア32に固定される。
【0037】
このようにヘッドスライダ3は、これらヘッド保持部31、ヘッドキャリア32、連結部33で構成され、スケール12の長手方向に移動自在に本体部2に取り付けられている。そして、このヘッドスライダ3は、本体部2との相対移動に応じてMRヘッド35が検出した位置信号を、ヘッドキャリア32に設けられた信号ケーブル48を介して図示しない制御装置に供給する。
【0038】
以上のような構成のスケール装置1は、スケール12が基準部4と可動部5の相対移動方向に平行となり、スリット15が可動部5側に開口するように配置される。このように配置されたスケール装置1の本体部2は、スリット15が形成された側面と直交する側面17,18の一方が取付面となる。そして、この取付面のスケール12の長手方向に平行な方向の端部に設けられた筐体取付孔21,22,23,24の位置で、本体用ボルト51,52や座金55等の固定具により、基準部4に固定される。また、このように配置されたスケール装置1のヘッドスライダ3は、スライダ用ボルト53,54により可動部5に固定される。
【0039】
従って、このスケール装置1では、この可動部5の直線移動に応じて本体部2とヘッドスライダ3との相対位置が変化し、ヘッドスライダ3内に設けられたスケール信号用MRヘッド35a及び原点信号用MRヘッド35bがこの相対位置の変化に応じて変化するスケール及び原点信号を検出することにより、この可動部5の移動位置を検出することができる。
【0040】
つぎに、このスケール装置1を運搬等する際に、スケール装置1に取り付けられ、ヘッドスライダ3を本体部2に固定するヘッドスライダの固定具について説明する。
【0041】
図5に、このヘッドスライダの固定具の斜視図を示し、図6に、スケール装置に取り付けられた状態を示すヘッドスライダの固定具の側面図を示し、図7に、このヘッドスライダの固定具が取り付けられた状態を表すスケール装置の斜視図を示す。なお、図6では、説明のために、スケール装置1を断面している。
【0042】
ヘッドスライダの固定具60は、矩形板状の固定部61を有している。この固定部61は、ヘッドスライダの固定具60がスケール装置1に取り付けられた際に、基準部4に取り付けられる側面に平行な筐体11の側面17(以下、筐体側取付面56という。)と、可動部5に取り付けられる側面に平行なヘッドスライダ3の一側面(以下、スライダ側取付面57という。)との間に亘って架け渡される。このとき、固定部61は、その一辺がヘッドスライダ3の移動方向(X1,X2方向)に平行となるように、筐体11とヘッドスライダ3との間に架け渡される。
【0043】
この固定部61のヘッドスライダ3の移動方向に直交する方向の一端部には、この固定部61と一体形成された本体側係合爪63が設けられている。この本体側係合爪63は、ヘッドスライダの固定具60がスケール装置1に取り付けられた際に、基準部4に取り付けられる側面18とスリット15が形成された側面に平行な側面とで形成される本体側係合部62と係合する。
【0044】
また、この固定部61のヘッドスライダ3の移動方向に直交する方向の他端部には、この固定部61と一体形成されたヘッドスライダ側係合爪65が設けられている。このヘッドスライダ側係合爪65は、ヘッドスライダの固定具60がスケール装置1に取り付けられた際に、ヘッドスライダ3に形成されたヘッドスライダ側係合部64と係合する。
【0045】
また、この固定部61には、この固定部61がスケール装置1に取り付けられた際に、この筐体11とヘッドスライダ3との間の隙間に挿入して、本体部2及びヘッドスライダ3の位置を規制するリブ66が設けられている。例えば、ヘッドスライダ3の移動方向に直交する固定部61のヘッドスライダ3側の端辺からリブ66までの距離は、ヘッドスライダ3の移動方向に直交する方向のスライダ側取付面57の一辺の長さとほぼ同一とされている。また、ヘッドスライダ3の移動方向に直交する固定部61の本体部2側の端辺からリブ66までの距離は、ヘッドスライダ3の移動方向に直交する方向の筐体側取付面56の一辺の長さとほぼ同一とされている。
【0046】
また、この固定部61には、本体側係合爪63が設けられた端部とヘッドスライダ側係合部64が設けられた端部との間に、ヘッドスライダ3の移動方向に平行な方向に形成された弾性変位部67が設けられている。この弾性変位部67は、このヘッドスライダ3の移動方向と直交する方向に弾性変位する。
【0047】
例えば、この固定部61には、矩形板状の固定部61の板厚を他の部分より狭くした部分が、ヘッドスライダ3の移動方向に直交する方向の端辺とリブ66との間の一部分に、ヘッドスライダ3の移動方向に平行に設けられることにより、弾性変位部67が形成されている。このような弾性変位部67は、ヘッドスライダ3の移動方向と直交する方向に曲げモーメントが加えられることにより弾性変位し、固定部61のヘッドスライダ3の移動方向と直交する方向の端部を、この曲げモーメントが加えられた方向に移動させることができる。従って、固定部61は、この弾性変位部67が弾性変位することにより、本体側係合爪63或いはヘッドスライダ側係合爪65の一方の係合状態が解除される方向(図5及び図6中のX3方向)に移動させることが可能となる。
【0048】
また、この固定部61には、作業者が操作することにより、上記弾性変位部67を弾性変位させる操作部68が設けられている。例えば、この操作部68は、固定部61のヘッドスライダ3の移動方向と直交する方向の端部に設けられている。この操作部68は、作業者が押圧操作すると、弾性変位部67に例えばヘッドスライダ3の移動方向と直交する方向に曲げモーメントを与えることができる。
【0049】
すなわち、ヘッドスライダの固定具60は、弾性変位部67が支点となり、操作部68が力点となり、ヘッドスライダ側係合爪65が作用点となるいわゆるてこの機能を有しており、このてこ機能によりヘッドスライダ側係合爪65の係合状態を容易に解除することができる。
【0050】
つぎに、このようなヘッドスライダの固定具60のスケール装置1への取り付け動作、及び、取り外し動作について説明する。
【0051】
作業者は、まず、図8に示すように、ヘッドスライダの固定具60がスケール装置1から取り外されている状態から、操作部68を押圧して、弾性変位部67にヘッドスライダ3の移動方向と直交する方向に曲げモーメントを与える。すると、弾性変位部67が弾性変位して、ヘッドスライダ側係合爪65が係合解除状態となる。作業者は、この係合解除状態で、リブ66を本体部2とヘッドスライダ3との間に挿入し、固定部61を筐体側取付面56及びスライダ側取付面57に当設させた位置に、ヘッドスライダの固定具60を配設する。そして、作業者は、操作部の押圧を終了して、本体側係合爪63を本体側係合部62に係合させ、かつ、ヘッドスライダ側係合爪65をヘッドスライダ側係合部64に係合させて、取り付け動作を終了する。
【0052】
以上のようにスケール装置1に取り付けられたヘッドスライダの固定具60は、本体側係合爪63からリブ66へ向かう方向(図6中X4方向)の固定力と、ヘッドスライダ側係合爪65からリブ66方向に向かう方向(図6中X5方向)の固定力とを有している。従って、ヘッドスライダの固定具60は、本体側係合爪63が本体側係合部62に係合し、ヘッドスライダ側係合爪65がヘッドスライダ側係合部64に係合した係合状態において、上記固定力をスケール装置1に加え、ヘッドスライダ3を本体部2に固定することができる。
【0053】
また、作業者は、図8に示すように、ヘッドスライダの固定具60がスケール装置1に取り付けられた状態から、操作部68を押圧して、弾性変位部67にヘッドスライダ3の移動方向と直交する方向に曲げモーメントを与える。すると、弾性変位部67が弾性変位して、ヘッドスライダ側係合部64とヘッドスライダ側係合爪65との係合状態が解除される。作業者は、この係合状態解除で、スケール装置1からヘッドスライダの固定具60を離脱させ、取り外し動作を終了する。
【0054】
以上のような取り付け動作及び取り外し動作がされるヘッドスライダの固定具60は、本体側係合爪63が本体側係合部62に係合し、ヘッドスライダ側係合爪65がヘッドスライダ側係合部64に係合する係合状態から、操作部68が操作されることにより係合解除状態となり、本体側係合爪63及びヘッドスライダ側係合爪65からリブ66へ向かう固定力を開放する。従って、作業者は、操作部68を操作することにより、容易に、ヘッドスライダの固定具60をスケール装置1から取り外すことができ、また、ヘッドスライダの固定具60をスケール装置1に取り付けることができる。
【0055】
また、ヘッドスライダの固定具60は、本体側係合爪63が、上述したように基準部4に取り付けられる側面18とスリット15が形成された側面に平行な側面とで形成される本体側係合部62と係合している。この本体側係合部62は、筐体11の2つの側面により形成されているため、筐体11の長手方向の全長に亘り形成されていることとなる。従って、作業者は、ヘッドスライダ3が本体部2に対してどの位置にあっても、ヘッドスライダの固定具60をスケール装置1に取り付けることができる。さらに、このヘッドスライダの固定具60をスケール装置1に取り付けている状態で、ヘッドスライダ3とヘッドスライダの固定具60とを一体的に移動させることができる。このとき、ヘッドスライダの固定具60は、本体側係合爪63及びヘッドスライダ側係合爪65からリブ66に向かう固定力でヘッドスライダ3を本体部2に固定している。そのため、ヘッドスライダ3は、移動方向と直交する方向の位置関係を本体部2に対して保持しているので、本体部2内部に設けられているMRヘッド35やスケール12が破損することはない。
【0056】
また、ヘッドスライダの固定具60の固定部61には、ヘッドスライダ3の移動方向と直交する方向のヘッドスライダ3側の端部に、スライダ用ボルト53,54が挿通するボルト挿通孔71,72が形成されている。このボルト挿通孔71,72は、ヘッドスライダ3を可動部5に取り付ける際に、ヘッドスライダの固定具60をスケール装置1に取り付けたまま、スライダ用ボルト53,54を抜き差しできるように設けられたものである。そのため、作業者は、スケール装置1を基準部4及び可動部5に完全に取り付けた後に、ヘッドスライダの固定具60の取り外しをすることができる。また、作業者は、このヘッドスライダの固定具60を取り付けた後に、スケール装置1を基準部4及び可動部5から取り外すことができる。従って、このヘッドスライダの固定具60をスケール装置1に取り付けることにより、本体部2内部に設けられているMRヘッド35やスケール12を破損することなく、スケール装置1を工作機械に着脱することができる。
【0057】
また、ヘッドスライダの固定具60は、ヘッドスライダ側係合爪65に対応する位置に、このようなボルト挿通孔71,72が形成されており、また、本体側係合爪63に対応する位置に、固定部61を貫通する孔部73,74を形成されている。そのため、ヘッドスライダの固定具60は、全体としてアンダーカットの無い形状となっている。従って、ヘッドスライダの固定具60は、樹脂モールド等により成形される場合には、金型を安価にすることができる。
【0058】
以上のように本発明の実施の形態のヘッドスライダの固定具60では、本体部2とヘッドスライダ3との位置関係を一定に保つように、ヘッドスライダ3を本体部2に固定することができる。そのため、ヘッドスライダの固定具60では、ヘッドスライダ3が振動してMRヘッド35やスケール12等を破損させることなく、スケール装置1の運搬等を行うことができる。
【0059】
また、このヘッドスライダの固定具60では、操作部68を操作することにより弾性変位部67が弾性変位し、ヘッドスライダ側係合爪65の係合状態を解除するので、スケール装置1に容易に着脱することができる。
【0060】
なお、ヘッドスライダの固定具60に使用される材質として、例えば樹脂が用いられる。このヘッドスライダの固定具60は、弾性変位部67に加わる曲げモーメントに耐えられる強度及び柔軟性が必要であるので、樹脂の中でも、例えば、ポリカーボネイト,ポリアミド,ポリアセタール等の単独樹脂か、10〜20%のガラスフィラー入りが望ましい。また、弾性変位部67の厚みは、1〜2mm程度が望ましい。
【0061】
また、ヘッドスライダの固定具60は、操作部68を操作することにより、ヘッドスライダ側係合爪65の係合状態を解除するよう作用するが、本体側係合爪63の係合状態を解除するように操作部68を形成してもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明に係る位置検出装置のヘッドスライダの固定具では、操作部が操作されることにより弾性変位部が弾性変位して、上記第1の係合爪又は上記第2の係合爪のいずれか一方の係合状態が解除されるので、スケール装置に容易に着脱することができる。
【0063】
また、本発明に係る位置検出装置のヘッドスライダの固定具では、第1の係合爪、第2の係合爪、操作部は固定部と一体に形成するので、コストを安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のヘッドスライダの固定具が取り付けられるスケール装置の斜視図である。
【図2】上記スケール装置の側面図である。
【図3】上記スケール装置の内部構造を表すための断面図である。
【図4】上記スケール装置のヘッド保持部の要部分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態のヘッドスライダの固定具の斜視図である。
【図6】上記ヘッドスライダの固定具の側面図である。
【図7】上記ヘッドスライダの固定具がスケール装置に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図8】上記ヘッドスライダの固定具の着脱動作を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1 スケール装置、2 本体部、3 ヘッドスライダ、4 基準部、5 可動部、11 筐体、12 スケール、35 MRヘッド、60 ヘッドスライダの固定具、61 固定部、62 本体側係合部、63 本体側係合爪、64 ヘッドスライダ側係合部、65 ヘッドスライダ側係合爪、66 リブ、67 弾性変位部、68 操作部
Claims (1)
- 長手方向に位置信号が記録された長尺状の記録媒体を有する本体と、上記位置信号を検出する検出ヘッドを保持してこの検出ヘッドが上記記録媒体の長手方向に移動するように上記本体に設けられたヘッドスライダとからなり、この本体とヘッドスライダとの相対移動位置を検出する位置検出装置の上記ヘッドスライダを、上記本体に固定する位置検出装置のヘッドスライダの固定具において、
上記本体に係合する第1の係合爪と、
上記ヘッドスライダに係合する第2の係合爪と、
上記本体と上記ヘッドスライダとの間に亘って配置され、上記本体側の端部に上記第1の係合爪が一体に形成され、上記ヘッドスライダ側の端部に上記第2の係合爪が一体に形成された固定部と、
上記固定部の上記第1の係合爪と第2の係合爪の間に、上記ヘッドスライダの移動方向に平行に設けられ、上記ヘッドスライダの移動方向と直交する方向に弾性変位する弾性変位部と、
上記固定部に一体に形成され、上記弾性変位部に上記ヘッドスライダの移動方向と直交する方向に曲げモーメントを与え、上記第1の係合爪又は上記第2の係合爪のいずれか一方の係合状態を解除させる操作部と
を備える位置検出装置のヘッドスライダの固定具。
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JP08744098A JP3911087B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 位置検出装置のヘッドスライダの固定具 |
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-
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