JP3910824B2 - 光学フィルター - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルターの始めおよび終わりの数層を除き、各層の光学膜厚がλ/4(λ:使用中心波長)の整数倍となるように構成された誘電多層膜からなる光学フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
ITの進展による情報量の増大に伴い通信量も増大し、通信網は光ファイバーを用いた光通信網が主役となっているが、最近の急速なインターネットの進展に伴い、通信量は飛躍的に増大しており、この通信需要の増大に答えるため、一本の光ファイバーに複数の異なる波長の光を多重伝送するWDM(Wave Division Multiplexing)方式が脚光を浴びている。光ファイバーを用いた長距離伝送では、光ファイバー自体の伝送ロスが波長1400〜1600nmの帯域で最小となることから、この帯域が使用されているが、WDM方式では、この波長帯域に間隔にして1nmもしくは1nmを切る間隔で光を多重化させて光を通し、各波長の光にチャンネルを割り当てることにより、その伝送効率を上げている。よって、このWDM方式では、必要な通信チャンネルを取り出すために、一本の光ファイバーに間隔約1nm程度で多重化されている数十から100以上の光の中から、所定の波長を有する光を分離する必要がある。この所定の光の分離には、誘電多層膜からなる狭帯域バンドパス光学フィルター、AWG(Arrayed Waveguide Grating)、光ファイバーグレーティングが用いられるが、分離する光、すなわちチャンネル数が1から20チャンネルである場合は、価格、安定性の面から主に真空成膜装置(真空蒸着、スパッタ等)で作製した誘電多層膜からなる狭帯域バンドパス光学フィルターで構成される分波器が用いられている。
【0003】
この誘電多層膜からなるフィルターは、「光学薄膜」(H.A.Macleod著、小倉繁太郎等訳、日刊工業新聞社発行)のp.288に記載されている全誘電体ファブリーペローエタロン(図2参照:光学路長がλ/4の高屈折率層8と低屈折率層9を対としたミラー層を複数層重ね、その上に光学路長がλ/2の整数倍のスペーサー層10を設け、その上に先のミラー層を逆転させて積層した基本構造を有する)を結合層を介して多数積み重ねたものからなる(図1)。ここで、1は光学基板、2・4・5・6はキャビティ、3は結合層を示す。誘電多層膜を用いたバンドパスフィルターを上記のWDM方式の分波器として用いる場合には、挿入損失が0.5dB程度かそれ以下、リップル0.3dB程度かそれ以下、透過波長帯域幅および阻止帯域幅は、ITUで規格化されている200GHz用グリッド(チャンネル間隔が1.6nm)では、それぞれ約0.8nm以上、および約2.4nm以下とする必要があり、非常に狭帯域で挿入損失が小さいフィルターとする必要がある。フィルターの構造は、図1に示したように、膜厚が光学路長の1/2の整数倍の厚みを有するスペーサー層を中心としてその上下に対称に1/4光学路長の厚みを有する高屈折率層と低屈折率層が順に並んでミラー層を形成した構造を有するキャビティを結合層を通して複数個直列に並べた構造となっている。WDM方式の狭帯域バンドパスフィルターとするためには、すなわち、損失およびリップルを抑え、かつ帯域を狭くすると共に、通過帯域は確保するためには、キャビティ内のミラー(高屈折率層と低屈折率層の組み合わせ)を16〜14組とするとともに、キャビティの個数を3個以上とするのが良く知られたフィルターの設計方法であるが、この場合、膜の層数は少なくとも50層を超え、高屈折率層にTa2O5、低屈折率層にSiO2を用いた場合、全体の膜厚は10μmを超える。また、フィルターの特性(損失、リップル、通過および阻止帯域幅)は各層の膜厚変動に非常に敏感で、成膜中の何らかの原因で各層の膜厚が設計値に対し±0.1%の中で変動するとリップルが大きくなると共に、通過帯域が狭くなる領域が出てきて、誘電体フィルターの成膜歩留まりが大きく減少する。
【0004】
この±0.1%変動幅は、使用波長が1550nmの場合で、膜厚にして±1.55nm変動であり、原子の大きさにして6個程度の変動である。これが誘電多層膜の量産を阻害している要因である。このように、WDM狭帯域フィルター用誘電多層フィルターの作製では層厚の制御が非常に重要であり、各種光学式モニターが開発されているが、各層の変動を0.1%以下とするため感度限界でのモニターになるのと、かつWDMでの多重度を上がるとチャネル間隔が詰まるため、更に仕様が厳しくなるため、モニターだけの管理ではなかなか量産性が上がらない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記の膜厚変動に対する特性の変動を抑え、量産性に優れたフィルター構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、光学基板上に、互いに屈折率の異なる2種類以上で、使用中心波長(λ)に対してλ/4光学波長厚みの略整数倍の薄膜を、スペーサー層を介して上下に少なくとも1層以上設けた構造を有するキャビティを4個、結合層を用いて連結してなる光学フィルターにおいて、基板直上の第 1 のキャビティ、第 2 のキャビティ、第 3 のキャビティ及び最終段の第 4 のキャビティに至る前記 4 個のキャビティともスペーサー層以外の層数が等しく、前記第 1 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚と前記第 4 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚との平均をa、前記第 2 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚と前記第3のキャビティのスペーサー層の光学膜厚の平均をbとしたときに、0.3≦a/b≦0.6、かつb≧3.5λ、とすることにより、各層の膜厚変動に対して特性(損失、リップル、通過および阻止帯域幅)の変動が抑えられることを見出した。
【0007】
また、同様な誘電多層フィルターにおいて、光学基板上に、互いに屈折率の異なる2種類以上で、使用中心波長(λ)に対してλ/4光学波長厚みの略整数倍の薄膜を、スペーサー層を介して上下に少なくとも1層以上設けた構造を有するキャビティを4個、結合層を用いて連結してなる光学フィルターにおいて、基板直上の 1 キャビティと最終段の 4 キャビティにはさまれた第2及び第3のキャビティにおけるスペーサー層以外の層数が等しく、かつ前記第 1のキャビティと前記第 4のキャビティの少なくとも一方におけるキャビティ内のスペーサー層以外の層数が、前記第2のキャビティ及び前記第3のキャビティおけるスペーサー層以外の層数より2層少なく、かつ前記第 1のキャビティと前記第 4のキャビティのスペーサー層の光学膜厚の平均をa、前記第 2 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚と前記第3のキャビティのスペーサー層の光学膜厚の平均をbとしたときに、0.55≦a/b≦0.85、かつb≧3.5λ、とすることでも、各層の膜厚変動に対して特性(損失、リップル、通過および阻止帯域幅)の変動が抑えられることを見出した。
【0008】
さらに、光学基板上に、互いに屈折率の異なる2種類以上で、使用中心波長(λ)に対してλ/4光学波長厚みの略整数倍の薄膜を、スペーサー層を介して上下に少なくとも1層以上設けた構造を有するキャビティを4個、結合層を用いて連結してなる光学フィルターにおいて、基板直上の 1 キャビティと最終段の第4のキャビティにはさまれた第2及び第3のキャビティにおけるスペーサー層以外の層数が等しく、かつ前記第 1のキャビティと前記第 4のキャビティの少なくとも一方におけるキャビティ内のスペーサー層以外の層数が、前記第2のキャビティ及び前記第3のキャビティにおけるスペーサー層以外の層数より4層少なく、かつ前記第 1 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚と前記第 4 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚との平均をa、前記第 2 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚と前記第3のキャビティのスペーサー層の光学膜厚との平均をbとしたときに、0.8≦a/b≦1.25、かつb≧3.5λ、とすることでも、各層の膜厚変動に対して特性(損失、リップル、通過および阻止帯域幅)の変動が抑えられることを見出した。
【0009】
さらに、スペーサーの光学膜厚bを5λ以上とすると変動を抑えることができ基板当たりの良品面積が増し、更に7.5λ以上とすると、さらに良品面積が増す。但し、フィルター当たりの総膜厚が厚くなるので成膜時間がかかる。bとしては10λ以内とするのが良い。
【0010】
尚、キャビティの構成は図2に示すように、光学膜厚がλ/2の整数倍からなる高屈折率または低屈折率のスペーサー層10と、スペーサー層の両側にλ/4もしくはλ/4の奇数倍からなる光学膜厚の高屈折率層8と低屈折率層9を交互かつ対称に配置した構成とする。
【0011】
光学基板としては、ガラスが主に用いられているが、透明プラスチックも使用できる。また、基板から剥がして、単体で使用することもできる。
【0012】
誘電体多層薄膜フィルターは、真空成膜法で作製される。真空成膜法には、真空蒸着法、スパッタ法、化学気相成長法、レーザーアブレイション法など各種成膜法を用いることができる。真空蒸着法を用いる場合、膜質を改善するため蒸着蒸気流の一部をイオン化するとともに基板側にバイアスを印加するイオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法、別イオン銃を用いて基板にイオンを照射するイオンアシスト蒸着法を用いると有効である。スパッタ法としては、DC反応性スパッタ法、RFスパッタ法、イオンビームスパッタ法などがある。また、化学的気相法としては、プラズマ重合法、光アシスト気相法、熱分解法、有機金属化学気相法などがある。
【0013】
高屈折率層の材料としては、TaOx、TiOx、ZnS、ZnSn、GaP、InP、Si、Ge、SiGex、SiNx、SiCx、ZrOx、NbOx、YOx、およびこれらの混合材などが、低屈折率層の材料としてはSiOx、MgF2、AlOx、SiOxCy、SiOxNy、MgOx、およびこれらの混合材などがある。フィルターの材料として用いる場合、使用波長帯域で、消衰係数が0.001以下にすることが損失を抑えるためには重要である。スペーサー層、ミラー層、結合層の材料は異なっていても問題ない。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施例1〜9)
以下、本発明の実施例を図面により具体的に説明する。
円形のガラス基板(サイズ:直径300mm×t8mm)上に、以下の構成の誘電多層膜フィルターを形成した。成膜領域は、半径100mmから外側の領域である。半径100mmより内側は、マスクで覆い成膜されない。光学フィルター成膜面と反対面には、使用する光学モニターのモニター光波長に対応した反射防止膜を形成して、基板裏面での反射による光学モニターの誤動作を防いでいる。Hは高屈折率層、Lは低屈折率層を示し、基本膜厚(光学路長)は、λ/4である。中心周波数として、1550.12nm(ITUが設定したWDM方式伝送チャンネルグリッドの34番目)とし、透過帯域幅0.8nm、阻止帯域幅2.5nmで設計した。
【0015】
実施例1:基板/(HL)^7 6H (LH)^7 L ((HL)^7 14H (LH)^7 L)^2 (HL)^7 4H (LH)^7
実施例2:基板/(HL)^6 H 10L H (LH)^6 L ((HL)^7 14H (LH)^7 L)^2 (HL)^6 H 8L H (LH)^6
実施例3:基板/(HL)^6 14H (LH)^6 L ((HL)^7 14H (LH)^7 L)^2 (HL)^6 14H (LH)^6
実施例4:基板/(HL)^6 H 10L H (LH)^6 L ((HL)^6 H 20L H (LH)^6 L)^2 (HL)^6 H 10L H (LH)^6
実施例5:基板/(HL)^6 14H (LH)^6 L ((HL)^6 H 20L H (LH)^6 L)^2 (HL)^6 12H (LH)^6
実施例6:基板/(HL)^5 H 22L H (LH)^5 L ((HL)^6 H 20L H (LH)^6 L)^2 (HL)^5 H 20L H (LH)^5
実施例7:基板/(HL)^6 16H (LH)^6 L ((HL)^6 30H (LH)^6 L)^2 (HL)^6 14H (LH)^6
実施例8:基板/(HL)^6 H 22L H (LH)^6 L ((HL)^6 30H (LH)^6 L)^2 (HL)^6 H 20L H (LH)^6
実施例9:基板/(HL)^5 32H (LH)^5 L ((HL)^6 30H (LH)^6 L)^2 (HL)^5 30H (LH)^5
【0016】
上記構造は、フィルター部分の構造のみで、この上に、0.36H 1.32Lの構造の反射防止膜を形成する。
【0017】
成膜にはRFスパッタ法を、高屈折率層材にはTa2O5、低屈折率層材にはSiO2を用いた。それぞれ、Ta2O5ターゲット、SiO2ターゲットをArと酸素の混合ガスでスパッタし成膜した。それぞれのターゲットには、回り込みおよびプリスパッタを可能とするシャッターおよびRF電源が付いており、独立に放電、成膜が可能である。また、成膜時の膜厚は、光学式モニター装置を用いて制御される。基板側にもRF電源が付いており、基板のスパッタクリーニングが可能となっている。RF電源のRF周波数は13.56MHzである。成膜中、膜の均質度を高めるため、基板を毎分800回転させた。
【0018】
成膜の手順は、予め裏面(誘電多層フィルター形成面の裏面)に波長1545〜1555nmで反射率が0.1%以下の反射防止膜を形成したガラス基板(屈折率)をスパッタ装置に取り付けた後、排気し、真空度が1×10-5 Paに到達したところで、基板を200℃まで赤外線ヒーターを用いて加熱し脱ガス処理を行った。基板温度は、成膜面と反対側の面の近傍に熱電対配して測定した。次に、ガラス基板表面をArと酸素の混合ガスで逆スパッタし、基板表面のクリーニングを行った。このときのArおよび酸素ガス流量は、それぞれ、50sccm、20sccm。投入RFパワーは500Wとした。
【0019】
クリーニング後、基板温度を100℃に設定し、上記の構成の誘電多層膜を形成した。膜厚は、光学式モニター装置で制御した。Ta2O5は、Ta2O5ターゲットに2kWのパワーを印加し、Arと酸素の混合ガスでスパッタし成膜した。このときのArガス流量は50sccm、酸素ガス流量は20sccmとした。この条件で成膜したTa2O5膜の屈折率は、エリプソメータで測定して波長1550nmで2.07であった。SiO2は、SiO2ターゲットに2kWのパワーを印加し、Arと酸素の混合ガスでスパッタし成膜した。このときのArガス流量は50sccm、酸素ガス流量は10sccmとした。この条件で成膜したSiO2膜の屈折率は、エリプソメータで測定して測定波長1550nmで1.47であった。
【0020】
成膜終了後、ヒーターを切り基板温度が50℃となったところで、成膜室をベント後、成膜済みの基板を取り出し、別の未成膜の基板を取り付け、次の成膜に移る。この一連の成膜を行うことで、上記の構造を有する光学フィルターを作製した。
【0021】
(比較例1)
実施例1〜3と同様に、以下の構成のフィルターを作製した。
基板/(HL)^7 H 2L H (LH)^7 L ((HL)^7 H 8L H (LH)^7 L)^2 (HL)^7 H 2L H (LH)^7
この上に、0.36H 1.32Lの構造の反射防止膜を形成してある。
【0022】
これら、実施例1〜3、および比較例1のフィルターの透過率スペクトルをチューナブルレーザーとパワーメータを用いて測定し、光学特性(挿入損失、リップル、透過帯域幅、阻止帯域幅)を求めた。測定は、円形基板の半径105mmのところから、半径5mm、角度5度おきに測定した。角度の基準は、任意に定めた。この測定結果から、損失が0.3dB以内、リップルが0.3dB以内、中心周波数(フィルターの透過率スペクトルの最大から-25dBでのフィルター幅の中心)の設計値、1550.12nm、に対し、±0.1nm以内、透過帯域幅(フィルターの透過率スペクトルの最大から‐0.5dBでのフィルター幅)が0.8nm以上、阻止帯域幅(フィルターの透過率スペクトルの最大から‐25dBでのフィルター幅)が2.5nm以内の特性を示すポイントを良品ポイントとし、これら良品ポイントで囲まれる領域の面積を表1に示す。
【0023】
【表1】
Figure 0003910824
【0024】
表中のaは、基板直上のキャビティと最終段のキャビティの少なくとも一方の薄い方のスペーサー層の光学膜厚。bは、基板直上のキャビティと最終段のキャビティにはさまれたキャビティのスペーサー層の光学膜厚の平均。bの単位は、波長(λ)。
【0025】
(実施例10〜12)
実施例1と同じ構造で、但し基板側キャビティのスペーサー層厚みを6L、最上層キャビティのスペーサー層厚みを4Lとしたフィルター(実施例10)、基板側キャビティと最上層キャビティのスペーサー層厚みを6Lとしたフィルター(実施例11)、および基板側と最上層キャビティのスペーサー層厚みを8Lとしたフィルター(実施例12)を作製した。基板側と最上層キャビティの間に挟まれたスペーサー層の厚みは14Lである。
【0026】
(比較例2、3)
実施例1と同じ構造で、但し基板側キャビティのスペーサー層厚みを4L、最上層キャビティのスペーサー層厚みを2Lとしたフィルター(比較例2)、基板側キャビティと最上層キャビティのスペーサー層厚みを10Lとしたフィルター(比較例3)、を作製した。
【0027】
表2に実施例10〜12および比較例2、3を実施例1〜9および比較例1と同じ条件、方法で、ガラス基板上でフィルターの光学特性を測定し、良品領域の分布を測定した結果を示す。
【0028】
【表2】
Figure 0003910824
【0029】
実施例は、比較例に比べて良品領域の面積が広い。
【0030】
(実施例13〜15)
実施例2と同じ構造で、但し基板側キャビティのおよび最上層キャビティのスペーサー層厚みを8Hとしたフィルター(実施例13)、基板側キャビティのスペーサー層と最上層キャビティのスペーサー層の厚みを10Hとしたフィルター(実施例14)、および基板側キャビティのスペーサー層厚みを12H、最上層キャビティのスペーサー層厚みを10Hとしたフィルター(実施例15)を作製した。基板側と最上層キャビティの間に挟まれたスペーサー層の厚みは14Lである。
【0031】
(比較例4、5)
実施例1と同じ構造で、但し基板側キャビティおよび最上層キャビティのスペーサー層厚みを6Hとしたフィルター(比較例4)、基板側キャビティのスペーサー層厚みを14Hと最上層キャビティのスペーサー層厚みを12Hとしたフィルター(比較例5)、を作製した。
【0032】
表3に実施例13〜15および比較例4、5を実施例1〜9および比較例1と同じ条件、方法で、ガラス基板上でフィルターの光学特性を測定し、良品領域の分布を測定した結果を示す。
【0033】
【表3】
Figure 0003910824
【0034】
実施例は、比較例に比べて良品領域の面積が広い。
【0035】
(実施例16〜18)
実施例3と同じ構造で、但し基板側キャビティのおよび最上層キャビティのスペーサー層厚みを12Lとしたフィルター(実施例16)、基板側キャビティのスペーサー層の厚みを16Lと最上層キャビティのスペーサー層の厚みを14Lとしたフィルター(実施例17)、および基板側キャビティのスペーサー層厚みを18L、最上層キャビティのスペーサー層厚みを16Lとしたフィルター(実施例18)を作製した。基板側と最上層キャビティの間に挟まれたスペーサー層の厚みは14Lである。
【0036】
(比較例6、7)
実施例1と同じ構造で、但し基板側キャビティおよび最上層キャビティのスペーサー層厚みを10Lとしたフィルター(比較例6)、基板側キャビティのスペーサー層厚みを18Lと最上層キャビティのスペーサー層厚みを20Lとしたフィルター(比較例7)、を作製した。
【0037】
表4に実施例13〜15および比較例4、5を実施例1〜9および比較例1と同じ条件、方法で、ガラス基板上でフィルターの光学特性を測定し、良品領域の分布を測定した結果を示す。
【0038】
【表4】
Figure 0003910824
【0039】
実施例は、比較例に比べて良品領域の面積が広い。
【0040】
【発明の効果】
表1〜4から分かるように、キャビティ数が4の場合、各キャビティともスペーサー層以外のミラー層の層数が等しく、基板直上のキャビティと最終段のキャビティのスペーサー層の光学膜厚の平均をa、基板直上のキャビティと最終段のキャビティにはさまれたキャビティのスペーサー層の光学膜厚の平均をbとしたときに、0.3≦a/b≦0.6、かつb≧3.5λとする。
【0041】
また、同様な誘電多層フィルターにおいて、基板直上のキャビティと最終段のキャビティにはさまれたキャビティにおけるスペーサー層以外の層数が等しく、かつ基板直上のキャビティと最終段のキャビティの少なくとも一方におけるキャビティ内のスペーサー層以外の層数が、基板直上のキャビティと最終段のキャビティにはさまれたキャビティにおけるスペーサー層以外の層数より2層少なく、かつ基板直上のキャビティと最終段のキャビティのスペーサー層の光学膜厚の平均をa、基板直上のキャビティと最終段のキャビティにはさまれたキャビティのスペーサー層の光学膜厚の平均をbとしたときに、0.55≦a/b≦0.85、かつb≧3.5λとする。
【0042】
さらに、同様な構造の誘電多層フィルターにおいて、基板直上のキャビティと最終段のキャビティにはさまれたキャビティにおけるスペーサー層以外の層数が等しく、かつ基板直上のキャビティと最終段のキャビティの少なくとも一方におけるキャビティ内のスペーサー層以外の層数が、基板直上のキャビティと最終段のキャビティにはさまれたキャビティにおけるスペーサー層以外の層数より4層少なく、かつ基板直上のキャビティと最終段のキャビティのスペーサー層の光学膜厚の平均をa、基板直上のキャビティと最終段のキャビティにはさまれたキャビティのスペーサー層の光学膜厚の平均をbとしたときに、0.8≦a/b≦1.25、かつb≧3.5λ、とすることで、比較例に比べ良品エリアが大幅に拡大する。
【0043】
上記結果より、本発明による膜構成とすることで、バッチ当たりの良品エリアが増大する。すなわち、フィルターの量産性が向上することが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘電多層膜フィルターの構成を示す模式図である。
【図2】キャビティの構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 光学基板
2 キャビティ
3 結合層
4 キャビティ
5 キャビティ
6 キャビティ
8 高屈折率層
9 低屈折率層
10 スペーサー層

Claims (3)

  1. 光学基板上に、互いに屈折率の異なる2種類以上で、使用中心波長(λ)に対してλ/4光学波長厚みの略整数倍の薄膜を、スペーサー層を介して上下に少なくとも1層以上設けた構造を有するキャビティを4個、結合層を用いて連結してなる光学フィルターにおいて、基板直上の第 1 のキャビティ、第 2 のキャビティ、第 3 のキャビティ及び最終段の第 4 のキャビティに至る前記 4 個のキャビティともスペーサー層以外の層数が等しく、
    前記第 1 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚と前記第 4 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚との平均をa、
    前記第 2 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚と前記第3のキャビティのスペーサー層の光学膜厚の平均をbとしたときに、
    3≦a/b≦0.6、かつb≧3.5λ、となる関係を有することを特徴とする多重キャビティバンドパス光学フィルター
  2. 光学基板上に、互いに屈折率の異なる2種類以上で、使用中心波長(λ)に対してλ/4光学波長厚みの略整数倍の薄膜を、スペーサー層を介して上下に少なくとも1層以上設けた構造を有するキャビティを4個、結合層を用いて連結してなる光学フィルターにおいて、
    基板直上の 1 キャビティと最終段の 4 キャビティにはさまれた第2及び第3のキャビティにおけるスペーサー層以外の層数が等しく、
    かつ前記第 1のキャビティと前記第 4のキャビティの少なくとも一方におけるキャビティ内のスペーサー層以外の層数が、前記第2のキャビティ及び前記第3のキャビティにおけるスペーサー層以外の層数より2層少なく、
    かつ前記第 1 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚と前記第 4 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚との平均をa、
    前記第 2 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚と前記第3のキャビティのスペーサー層の光学膜厚の平均をbとしたときに、
    0.55≦a/b≦0.85、かつb≧3.5λ、となる関係を有することを特徴とする多重キャビティバンドパス光学フィルター
  3. 光学基板上に、互いに屈折率の異なる2種類以上で、使用中心波長(λ)に対してλ/4光学波長厚みの略整数倍の薄膜を、スペーサー層を介して上下に少なくとも1層以上設けた構造を有するキャビティを4個、結合層を用いて連結してなる光学フィルターにおいて、
    基板直上の 1 キャビティと最終段の第4のキャビティにはさまれた第2及び第3のキャビティにおけるスペーサー層以外の層数が等しく、
    かつ前記第 1のキャビティと前記第 4のキャビティの少なくとも一方におけるキャビティ内のスペーサー層以外の層数が、前記第2のキャビティ及び前記第3のキャビティにおけるスペーサー層以外の層数より4層少なく、
    かつ前記第 1 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚と前記第 4 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚との平均をa、
    前記第 2 のキャビティのスペーサー層の光学膜厚と前記第3のキャビティのスペーサー層の光学膜厚との平均をbとしたときに、
    0.8≦a/b≦1.25、かつb≧3.5λ、となる関係を有することを特徴とする多重キャビティバンドパス光学フィルター
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