JP3909669B2 - 分析電子顕微鏡 - Google Patents

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和彦 森山
小林  隆
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、分析電子顕微鏡に関し、とくに、電子線が照射された試料から発生するX線を検出する分析電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
非分散型のX線分析装置(以下、EDSという)は、通常、ウインドタイプと呼ばれており、検出素子の真空と電子顕微鏡の真空とは、両者を分離するするために膜で仕切られていることが多い。これは電子顕微鏡の真空と検出器の真空を共通にすると、液体窒素で常時冷却されている検出器は、頻繁に試料交換することによって多量の水分が導入されることになり、検出素子に霜などが付着してしまう。そのため、検出器の大きな性能劣化が避けられない。予備排気をするとしても、性能劣化は無視できない。
【0003】
また、電子顕微鏡は、頻繁に鏡筒に空気を導入させる必要があるため、真空分離のための膜がないと、検出器の扱いが著しく不便となる。
【0004】
試料とX線検出素子の間を仕切る膜としてベリリウム薄膜が用いられることが多いが、ベリリウムによるX線の吸収は無視することができない。
【0005】
そこで、一時的に、この膜を設けない検出器(ウインドレスタイプのもの)が提案されたことがある。しかし、霜などの問題を避けることができず、X線吸収の少ない高分子薄膜(以下、UTW(=ultra-thin window)という)で真空を 仕切るものが普及した。この種のUTWタイプの従来例として、例えば、特開昭60−218753号公報に示すエネルギ分析形のX線分析装置があげられる。
【0006】
図1は、従来のUTWタイプの一例を示している。当然、保護筒1の先端部に膜2が張られている。検出素子3と膜2の間には、いくらかの距離Lが取られる。また、膜2だけで耐真空を持たせることが困難なため、膜2の後ろに補強のためのグリッド(格子)4が用いられている。その結果、保護筒1の先端部から検出素子3までの距離Lはさらに長くせざるをえない。このため、検出効率を犠牲にすることは避けられない。
【0007】
一方、市場の要望や、電子顕微鏡技術の向上から、サブナノメーター領域に含まれる微量元素の正確な分析が強く求められるようになってきている。この様な領域の分析には数nm程度の、著しく薄い試料を用いなければならない。そのことから、X線の発生は著しく弱くなる。
【0008】
また、電子線ブローブがサブナノメーターサイズともなると、電子線量が著しく小さくなることから、極めて微弱なX線を効率良く集めなければ正しい分析は期待できない。さらに電子線量が小さいといえども、小さな径に絞っているため、電流密度は著しく高く、分析中に試料がどんどん破壊されることが多く、電子線量は減らさなければならない。
【0009】
このような状態で正確な分析を実現させるためには、X線の検出効率を高める以外に手段は無い。
【0010】
そのためには、できるだけ大きな検出素子を試料に近づける必要がある。現在、最も近づけられているものは、UTWタイプで、8〜10mmまで検出素子を試料に近づけるものである。このレベルでの1〜2mmの差は大きなものと言える。
【0011】
実際のものでは、図2に示すように、保護筒11の先端部に張られた仕切り用の膜12から検出素子13までの距離は、通常3mm程度であり、これは無視することのできない大きな値と言える。さらに、膜12を補強するグリッド14は、一般にX線の吸収を減らすために横長なものが配置されている。それが試料15に近づくと、取り込まれるX線は、図2に示されるように、グリッド14を斜めに通るため、グリッドそのものの吸収はさらに大きくなる。符号16で示す色の濃い部分がグリッド14によって吸収される部分である。
【0012】
そのため、検出効率を高めるためには、ウィンドレスの構造にすることが強く求められる。
【0013】
最近の電子顕微鏡においては、EDSの検出器そのものの真空技術が向上したことにより、ウィンドレス・タイプの実用性が期待されるようになってきた。しかし、ウィンドレスタイプのものは、如何に注意して使っても、検出素子に電子顕微鏡内の残留ガスなどが吸着し、長く使い続けることは不可能であり、ときどき吸着したガスを取り除く必要がある。そのために、検出素子を試料から大きく引き離し、電子顕微鏡の検出器の間に仕切りを設け、電子顕微鏡とは独立した真空内で検出素子を長時間、室温にしておく。検出素子を高温にすると、感度が著しく悪くなるため、室温に留めるのである。これでは、この間、高価な分析電子顕微鏡を使用できないことになる。そのため、使用効率が低くなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、検出効率を高めることができるとともに、使用効率を高めることができる分析電子顕微鏡を提供することである。
【0015】
【課題を解決する手段】
本発明の解決手段を例示すると、次のとおりである。
【0016】
(1)電子線を試料に照射して、その試料から発生するX線を検出する分析電子顕微鏡において、電子線を通過させる磁極孔を有する上側磁極および下側磁極からなる対物レンズ系を設け、上側磁極と下側磁極との間に試料を載置するための試料室を形成し、試料室内の試料から発生するX線を検出するX線検出器として、ウィンドタイプのX線検出器とウィンドレスタイプのX線検出器とを少なくとも1つずつ合計2つ設けたことを特徴とする分析電子顕微鏡。
【0017】
(2)X線検出器が検出素子を内蔵しており、その検出素子に対する、試料から発生するX線の取り込み角度が、ウィンドタイプの検出器よりもウィンドレスタイプの検出器のほうが大きくなるように、対物レンズ系の上側磁極に切り欠きを設けたことを特徴とする前述の分析電子顕微鏡。
【0018】
(3)少なくとも2つのX線検出器を試料に対してほぼ対称の位置に配置したことを特徴とする前述の分析電子顕微鏡。
【0019】
【発明の実施の形態】
サブナノメーターの極限の分析には、ウィンドレスタイプのものは、大きな力を発揮するが、UTWタイプのものも、除霜などのときの通常の分析には大きな威力を発揮する。
【0020】
そこで、試料の両側に少なくとも2つの検出器を配置し、一方にウィンドレスタイプのもの、他方にUTWタイプのものを配置する。
【0021】
これらの両タイプのものを、使いわけして、通常はウィンドレスタイプのものを使用して、超高性能分析装置として極限の分析を行い、また、除霜などのときはUTWタイプのものを使用して、通常の分析電顕として用いる。
【0022】
また、ウィンドレスタイプとUTWタイプを同時に用いることもできる。この場合は、2つの検出器からの信号を加算することによって、さらに検出効率が高められることになる。特に、試料の傾斜時など、傾斜の影響を小さくできるメリットが大きい。
【0023】
また、2つの検出器を配置すると、X線の検出効率を高めることができるが、ウィンドレスタイプとUTWタイプの各々のX線検出素子に対する、試料から発生するX線の取り込み角度を変化させることができるようにすると、さらにX線の高い検出効率をあげることができる。
【0024】
検出器が試料から10mm程度離れていて、検出立体角が0.2str.前後のときは、本発明の作用効果はさほどではないが、距離が5mm近くで、検出立体角が1str.前後である場合は、本発明は極めて大きな効果を奏する。
【0025】
好ましくは、本発明に係る分析電子顕微鏡は、レンズ系、鏡筒および検出器を有する。レンズ系は、電子線源が発生する電子線を通過させる磁極孔を有する截頭円錐状の上側磁極と下側磁極からなる対物レンズ系である。鏡筒は、上側磁極と下側磁極との間に配置されており、試料が載置される試料室を有する。試料は、鏡筒の側面から試料室内に進入して設けられる。検出器は、試料から発生するX線を検出する検出素子を内蔵したX線検出器である。ウィンドタイプとウィンドレスタイプの、少なくとも2つのX線検出器を設ける。
【0026】
本発明においては、検出素子に対する、試料から発生するX線の取り込み角度を、ウィンドタイプの検出器よりもウィンドレスタイプの検出器のほうが大きくなるように、対物レンズ系の上側磁極又は下側磁極に切り欠きを設けるのが好ましい。
【0027】
さらに、本発明においては、少なくとも2つのX線検出器を試料に対して対称の位置にに配置するのが好ましい。
【0028】
【実施例】
図3に基づいて、本発明の実施例を説明する。
【0029】
対物レンズ系は上側磁極31、32と下側磁極33、34からなり、その間に鏡筒が配置され、そこに試料室35が形成され、その中において、試料36が試料台(図示せず)の上に配置されている。試料36に対して対称な位置に少なくとも2つのX線検出器41、42が配置されている。それらは、ウィンドレスタイプの検出器41およびUTWタイプ(ウィンドタイプ)の検出器42であり、それぞれ検出素子43、45を内蔵しており、検出素子43、45に対する、試料36から発生するX線の取り込み角度を、UTWタイプ(ウィンドタイプ)の検出器41よりもウィンドレスタイプの検出器42のほうが大きくなるように、上側磁極31、32に切り欠き31a、32aが形成されている。
【0030】
UTWタイプの検出器41においては、保護筒46の先端部に膜47が張られており、そこにグリッド48が設けられており、その膜47から所定距離を置いて検出素子43が配置されている。これらの検出素子43、保護筒46、膜47、グリッド48は従来のものを採用できる。
【0031】
ウィドレスタイプの検出器42においては、保護筒46は従来のものを採用できる。
【0032】
試料室35の中心位置から、UTWタイプの検出器41の検出素子43までの距離はH’であり、ウィンドレスタイプの検出器42までの距離はHである。
【0033】
上側磁極31、32と下側磁極33、34は、電子線源(図示せず)が発生する電子線を通過させる磁極孔を有する。これらの磁極孔は切頭円錐台の形状をしている。前述の切り欠き31a、32aは、このような切頭円錐台形状をした上側磁極31、32の磁極孔に形成されている。
【0034】
また、2つのX線検出器41、42は、試料36に対して対称な位置に配置されている。
【0035】
使用方法の一例を述べると、常時は、2つの検出器41、42を同時に使用し、除霜時にのみUTWタイプの方を使用する。
【0036】
また、別の使用方法においては、通常は、ウィンドレスタイプのものとして使用し、極限の分析を行う。除霜のときだけ、UTWタイプのものとして使用する。
【0037】
いずれの使用のしかによっても、2つの検出器を用いることによって大幅な検出効率の向上が実現できる。しかも、試料傾斜時の感度劣化を大幅に防ぐことに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウィンド・タイプの従来の電子顕微鏡の基本構成を示す。
【図2】ウィンドレス・タイプの従来の電子顕微鏡の基本構成を示す。
【図3】本発明による電子顕微鏡の基本構成の一例を示す。
【符号の説明】
31、32 上側磁極
31a、32a 切り欠き
33、34 下側磁極
36 試料
41、42 X線検出器
43、45 検出素子
46 保護筒
47 膜
48 グリッド

Claims (2)

  1. 電子線を試料に照射して、その試料から発生するX線を検出する分析電子顕微鏡において、
    電子線を通過させる磁極孔を有する上側磁極および下側磁極からなる対物レンズ系を設け、
    上側磁極と下側磁極との間に試料を載置するための試料室を形成し、
    試料室内の試料から発生するX線を検出するX線検出器として、ウィンドタイプのX線検出器とウィンドレスタイプのX線検出器とを少なくとも1つずつ合計2つ設け、
    X線検出器が検出素子を内蔵しており、その検出素子に対する、試料から発生するX線の取り込み角度が、ウィンドタイプの検出器よりもウィンドレスタイプの検出器のほうが大きくなるように、対物レンズ系の上側磁極に切り欠きを設けたことを特徴とする分析電子顕微鏡。
  2. 2つのX線検出器を試料に対してほぼ対称の位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載の分析電子顕微鏡。
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