JP3909452B2 - 亜鉛メッキ鋼板用防錆顔料 - Google Patents
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Description
【本発明の背景および課題】
本発明は、亜鉛メッキ鋼板、特にプレコートメタル(PCM)の素材として使用される亜鉛メッキ鋼板のプライマーに使用される無公害型の防錆顔料に関する。
【0002】
亜鉛メッキ鋼板を素材とするPCMは、メッキ層を化成処理した後、プライマー次いでトップコート層を塗装して製造される。PCMは塗装後に切断、曲げ等の機械加工が行われるので切断面では鋼板および亜鉛メッキ層が露出している。そのため切断面の亜鉛メッキ層に犠牲電極効果のない白錆が発生し、遂にはそこから鋼板部にまで錆が発生する。それ故亜鉛メッキ鋼板に使用される防錆顔料には一次的に亜鉛メッキ層に対する防錆性能が求められる。
【0003】
この用途に対してはこれまでストロンチウムクロメート系防錆顔料が多く用いられて来たが、この顔料は有害な6価クロムを含むので、これに代わる無公害型防錆顔料の開発が望まれていた。
【0004】
この要望を満たすため、本発明者らは特願平11−78803号においてMg/Si原子比が0.025〜1.0である無定形含水ケイ酸マグネシウム化合物よりなる亜鉛メッキ鋼板用防錆顔料を開示した。
【0005】
しかしながらこの無定形含水ケイ酸マグネシウム化合物自体の防錆性能はストロンチウムクロメートに匹敵するものの、塗料化の際にいくつかの問題があり、実用上さらに改良を必要とすることがわかった。
【0006】
その一つは高い吸油量である。例えば酸化チタン顔料の吸油量は通常20mL/100gのオーダーであるが、この顔料では通常140mL/100gのオーダーである。そのため塗料を塗装可能な粘度に調整するために要する希釈有機溶剤(シンナー)の量を増量しなければならず、塗料のハイソリッド化を困難にする。
【0007】
他の問題は粉砕性が悪いため顔料の平均粒径が比較的大きく、そのため塗料への分散工程に長時間を必要とし、かつ得られる塗料の光沢も十分でない。
【0008】
本発明の課題は、前記無定形ケイ酸マグネシウム化合物の防錆性能を保持する一方で、その塗料化に際しての問題点を克服できる防錆顔料を提供することである。
【0009】
【課題の解決方法】
上記の課題は、Mg/Si原子比が0.025〜1.0である無定形含水ケイ酸マグネシウム化合物により、緻密な無機担体の表面を被覆してなる亜鉛メッキ鋼板用防錆顔料を提供することにより解決される。
【0010】
この顔料は被覆層の無定形含水ケイ酸マグネシウム化合物によって防錆性能が保持される一方で、コア部の担体が吸油量に寄与する割合は無視し得る程小さいので顔料全体の吸油量が減少する。また塗料への分散性が高まり、従って塗膜光沢が向上する。さらに予期しなかったが、担体のコアを持たない顔料に比較して本発明の顔料は塗膜の耐湿防錆性能を向上させることがわかった。
【0011】
【好ましい実施態様の説明】
本発明の顔料は、担体粒子の存在下水溶液中で無定形含水ケイ酸マグネシウムの合成反応を行うことによって製造することができる。この合成反応は、本出願人の特願平11−78803号に記載されているように、アルカリ金属ケイ酸塩と水溶液マグネシウム塩をMg/Si原子比0.025〜1.0、好ましくは0.025〜0.8の割合で水溶液中で反応させることよりなる。この反応液中に担体粒子が存在すれば、生成した無定形含水ケイ酸マグネシウムが担体粒子を被覆する。反応終了後はこれを濾過して反応液から分離し、水洗、乾燥、粉砕することによって本発明の顔料が得られる。
【0012】
担体として使用し得る物質は水に不溶であり、かつ緻密構造を持つ無機化合物である。一般にこれらは結晶性である。さらに無定形含水ケイ酸マグネシウム自体が白色であるので、担体も白色ないし灰色もしくは黄色がかった白色であることが好ましい。そのような物質の非限定例は、酸化チタン、タルク、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、クレー、カオリン、酸化アルミニウム等である。
【0013】
一般に顔料の平均粒子径は0.1〜10μmの範囲内にある。従って担体の粒子径は被覆後の顔料の粒子径がこの範囲であるように選ばれる。担体の比表面積は粒子径に反比例するので、担体単位重量あたり被覆可能な無定形含水ケイ酸マグネシウムの量は粒子径の関数である。この理由により無定形型含水ケイ酸マグネシウムの被覆量は、担体/被覆層の重量比で表して1/10〜10/1の範囲を変動し得る。この比が大きければ大きいほど吸油量は減少するが、無定形含水ケイ酸マグネシウムの被覆量があまり少ないと担体の無被覆表面が露出し、防錆性能に悪影響する。
【0014】
反対に無定形含水ケイ酸マグネシウムの被覆量が多ければ多いほど防錆性能は保持されるが、吸油量低下の効果は薄れる。従って吸油量の低下と防錆性能の保持のバランスから見て、前記重量比は1/10〜10/1、特に1/5〜6/1の範囲内であることが好ましい。
【0015】
本発明の顔料の塗料化および亜鉛メッキ鋼板への塗装方法は、先に引用した特願平11−78803号に開示した方法と同じである。
【0016】
【実施例】
以下の実施例は例証目的であって限定ではない。これらにおいて%は重量基準による。
【0017】
製造例1.TiO2 /MgO・SiO2 =1/1(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物14.8gを溶解し、これに酸化チタン(テイカ(株)製酸化チタン顔料JR−605)15.6gを加えた。別の200mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)32.4gを入れ、水75mLを加えて希釈液とし、これに30%NaOH水溶液28.5gを加えて均一な溶液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、31.1gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=1.25/1.0/1.0であった。
【0018】
製造例2.TiO2 /4MgO・5SiO2 =1/1(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物11.9gを溶解し、これに酸化チタン14.4gを加えた。別の200mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)32.4gを入れ、水75mLを加えて希釈液とし、これに30%NaOH水溶液20.2gを加えて均一な溶液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、28.7gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=1.43/1.0/1.25であった。
【0019】
製造例3.TiO2 /2MgO・3SiO2 =1/1(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物9.5gを溶解し、これに酸化チタン13.0gを加えた。別の200mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)31.1gを入れ、水75mLを加えて希釈液とし、これに30%NaOH水溶液14gを加えて均一な溶液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、25.8gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=1.63/1.0/1.5であった。
【0020】
製造例4.TiO2 /MgO・2SiO2 =1/1(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物9.5gを溶解し、これに酸化チタン16.0gを加えた。別の200mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)41.5gを入れ、水75mLを加えて希釈液とし、これに30%NaOH水溶液9.9gを加えて均一な溶液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、32.0gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=2.0/1.0/2.0であった。
【0021】
製造例5.TiO2 /MgO・3SiO2 =1/1(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物6.3gを溶解し、これに酸化チタン14.7gを加えた。別の200mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)41.5gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、29.2gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=2.76/1.0/3.0であった。
【0022】
製造例6.TiO2 /MgO・10SiO2 =1/1(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解し、これに酸化チタン16.0gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、31.7gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=8.0/1.0/9.9であった。
【0023】
製造例7.TiO2 /MgO・40SiO2 =1/1(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物0.6gを溶解し、これに酸化チタン15.3gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を15.0g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、30.4gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=30.5/1.0/39.1であった。
【0024】
製造例8.TiO2 /MgO・10SiO2 =1/1(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、硫酸マグネシウム7水塩6.2gを溶解し、これに酸化チタン16.0gを加えた。別の300mLのビーカーに1号水ガラス(SiO2 36.5%,Na2 O 18%)41.2gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記硫酸マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を9.5g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、31.9gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=8.1/1.0/9.8であった。
【0025】
製造例9.MgO・10SiO2 (担体なし)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解した。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、16gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Mg/Si=0.096であり、X線回折は無定型であった。
【0026】
製造例10.TiO2 /MgO・10SiO2 =1/20(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解し、これに酸化チタン0.8gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、16.5gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=0.4/1.0/9.9であった。
【0027】
製造例11.TiO2 /MgO・10SiO2 =1/10(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解し、これに酸化チタン1.6gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、17.4gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=0.8/1.0/9.9であった。
【0028】
製造例12.TiO2 /MgO・10SiO2 =1/5(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解し、これに酸化チタン3.2gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、19.0gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=1.6/1.0/9.9であった。
【0029】
製造例13.TiO2 /MgO・10SiO2 =1/2(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解し、これに酸化チタン8.0gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、23.7gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=4.0/1.0/9.9であった。
【0030】
製造例14.TiO2 /MgO・10SiO2 =2/1(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解し、これに酸化チタン32gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、47.7gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=19.9/1.0/9.9であった。
【0031】
製造例15.TiO2 /MgO・10SiO2 =4/1(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解し、これに酸化チタン64gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、79.8gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=39.8/1.0/9.9であった。
【0032】
製造例16.TiO2 /MgO・10SiO2 =6/1(重量比)
2Lのビーカーに水800mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解し、これに酸化チタン96gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、111.9gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=59.9/1.0/9.9であった。
【0033】
製造例17.TiO2 /MgO・10SiO2 =10/1(重量比)
2Lのビーカーに水800mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解し、これに酸化チタン160gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、176.0gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=80.1/1.0/9.9であった。
【0034】
製造例18.TiO2 /MgO・10SiO2 =20/1(重量比)
2Lのビーカーに水800mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解し、これに酸化チタン320gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、335.7gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ti/Mg/Si=160.3/1.0/9.9であった。
【0035】
製造例19.BaSO4 /MgO・10SiO2 =1/1(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解し、これに硫酸バリウム(堺化学工業(株)製B−30)16gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、31.7gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Ba/Mg/Si=2.7/1.0/9.9であった。
【0036】
製造例20.タルク/MgO・10SiO2 =1/1(重量比)
1Lのビーカーに水400mLを入れ、塩化マグネシウム無水物2.4gを溶解し、これにタルク(日本タルク(株)製タルクSSS)16gを加えた。別の300mLのビーカーに3号水ガラス(SiO2 29%,Na2 O 9.4%)51.7gを入れ、水100mLを加えて希釈液とし、この液を上記塩化マグネシウム溶液に攪拌下、10分で注下した。
注下後30分攪拌し、次に200mLのビーカーに塩酸を11.2g入れ、水100mLを加えて希釈液としたものを、上記混合液に10分で注下した。
注下後30分攪拌し、得られた反応沈殿物を濾過・水洗し、110℃で一晩乾燥し、粉砕して、31.7gの白色粉末を得た。
この白色粉末は蛍光X線分析の結果、Mg/Si=1.0/2.9であった。
【0037】
塗料試験
1.塗料化および試験板
製造例および比較例の顔料を用いて下表に示す配合組成の焼付型ポリエステル樹脂系塗料を調製し、塗膜形成後、防錆試験を実施した。
【0038】
【0039】
2.防錆性試験(トータル20点満点)
2.1 塩水噴霧試験(15点満点)
上記の塗装条件で被塗板上に塗膜を形成することによって作成した試験板に、カッターナイフで被塗板表面に達するクロスカットを入れ、槽内温度を35℃に保った塩水噴霧試験器内に静置して、5%塩化ナトリウム水溶液を1kg/cm2 の圧力で56日間塗膜に噴霧し、錆発生状況および塗膜の膨れを観察して、以下の評価基準に基づき評価した。なお、腐食状況は平面部の膨れと錆の発生面積、並びにカット部の腐食幅で評価した。
いずれの評価においても、評価点が高いほど防錆能が優れている。
【0040】
サビ発生防止効果の評価基準(ASTM D610−68(1970) に準拠)
───────────────────────────────────
平面部
サビ発生面積 0.1%未満 : 5点
サビ発生面積 0.1%以上〜1%未満 : 4点
サビ発生面積 1%以上〜10%未満 : 3点
サビ発生面積 10%以上〜33%未満 : 2点
サビ発生面積 33%以上 : 1点
───────────────────────────────────
【0041】
【0042】
2.2 耐湿試験(5点満点)
クロスカットしていない上記試験板を槽内温度50℃,相対湿度95%以上に保った耐湿試験器内に56日間静置し、塗膜の膨れを観察し、塩水噴霧試験の平面部のフクレ発生防止効果と同じ評価基準により評価した。
【0043】
3.分散性試験
上記の塗料化において、ペイントコンディショナーにより顔料を10μm以下に分散するまでの時間(分)によって分散性を評価した。なお、10μm以下の判定はJIS K 5400の分散度(分布図法)によって行った。
【0044】
4.塗料粘度
調製直後の塗料について回転粘度計(60rpm)を用いて粘度(mPa・s)を測定した。
【0045】
5.光沢
防錆試験に供する前の塗板の鏡面光沢度(60度)を測定した。
【0046】
6.結果
結果を下表に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
7.考察
担体/被覆物の重量を1/1に一定とし、被覆物のMg/Si原子比を変化させた製造例1〜8においては製造例9の無定形含水ケイ酸マグネシウム粉末に比較してすべての例において分散性、粘度および光沢においてすぐれている。しかしながら防錆性に関してはMg/Si原子比2/3以下の製品が好ましいことを示している。
【0051】
被覆物のMg/Si原子比を1/10に一定にし、担体/被覆物の重量比を変化させた製造例9〜18においては、この重量比が小さくなるにつれてすべての項目において製造例9の製品に近づき、反対にこの重量比が大きくなるにつれ担体のTiO2 に近づくことを示している。防錆性と他の性能とのバランスから、担体/被覆物の重量比は1/5〜6/1の範囲が好ましい。
【0052】
担体をTiO2 に代えてBaSO4 およびタルクに変更した製造例19および20においても、担体/被覆物重量比およびMg/Si原子比が同じの製造例6に匹敵する防錆性、分散性、粘度および光沢が得られ、当然のことながらこれら製品の担体単独の比較例2および3よりも防錆性がすぐれている。
【0053】
さらに比較例4は、担体TiO2 を防錆性を有する無定形含水ケイ酸マグネシウムと単に乾式混合するだけでは防錆性が却って低下し、分散性その他の向上も十分でない。
Claims (3)
- Mg/Si原子比が0.025〜1.0である無定形含水ケイ酸マグネシウム化合物により、緻密な無機担体の表面を被覆してなり、前記無定形含水ケイ酸マグネシウム化合物の被覆量は、無機担体/無定形含水ケイ酸マグネシウムの重量比で表し、1/10〜10/1である亜鉛メッキ鋼板用防錆顔料。
- Mg/Si原子比が0.025〜0.8である請求項1の顔料。
- 無機担体は、二酸化チタン、タルク、水酸化アルミニウム、クレー、硫酸バリウム、カオリンまたは酸化アルミニウムより選ばれた結晶性粒子である請求項1または2の顔料。
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