JP3909346B2 - 記録シートの搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状に形成された記録媒体、特に写真感光材料の搬送に好適な搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感光記録材料のシート状製品は、長尺のフイルムベース上に感光乳剤を塗付したウェブが所定サイズにカットされた後、ベルト搬送によって一枚ずつ下流に送られ、複数枚を積層させて梱包するという一連の工程を経て製造されている。感光記録材料のシートを搬送するためのコンベヤベルトには、感光材料を清浄な環境内で製造するために発塵が少なく、感光材料の表面に傷を付けないための柔軟性や、接触によって感光材料にカブリを発生させないための写真適性に優れていることが求められる。
【0003】
柔軟性に優れたコンベヤベルトとしては、例えば特開平10−39485号公報等に記載されているように、ベルト表面に植毛を施して搬送面に柔軟性をもたせたものが知られている。また、特開平9−325465号公報には、プラスチックフイルム上にウレタン層などの弾性体層が形成され、優れた耐久性と摩擦力を有するコンベヤベルトが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平10−39485号公報のような植毛ベルトでは、発塵量が多いために感光記録材料の製造工程中に用いるには適さないという問題がある。また、上記特開平9−325465号公報記載のウレタンベルトでは、搬送面の柔軟性が不十分であるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題点を考慮してなされたもので、柔軟性や写真性能に優れるとともに発塵量が少なく、感光記録材料をはじめとする記録シートの搬送に適した搬送装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ベルト基材上に人工スエードが積層されてシート搬送面が形成されるとともに、前記シート搬送面上に記録シートを載せて走行するコンベヤベルトと、前記コンベヤベルトが巻き掛けられるプーリと、前記プーリを駆動させるプーリ駆動手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、シート搬送面は、250g/cm 2 での加圧時における圧縮弾性変位量が0.3mm〜0.9mmで規定される柔軟性を有するものが好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1において、感光記録材料1は、幅の広いウェブロールの形態で最上流に配置されている。裁断装置2では、繰り出されたウェブがスリット刃3によって製品幅に裁断され、収納器4において個別にロール状に巻き取られる。製品幅に裁断された感光記録材料1は、収納器4から下流の切断集積工程に送られる。切断集積工程では、デカーラー装置5によってウェブの巻癖が矯正されるとともに、切断装置6によって一定長さごとに切断されることで製品サイズにカットされた感光記録シート7が製造される。感光記録シート7は、ベルト式の搬送装置8に移されて搬送されると、集積装置9によって所定枚数ごとに集積される。
【0009】
図2において、搬送装置8は、複数のプーリ10が同軸上に配列されたプーリシャフト11と、プーリシャフト11を駆動させるモータ12と、各プーリに巻き掛けられたコンベヤベルト13とから構成されている。感光記録シート7は、プーリ10の回転によって走行するコンベヤベルト13の上に載せられて搬送される。
【0010】
図3に示すように、プーリ10は、プーリシャフト11が嵌入される軸受け穴15が形成され、軸止めネジ16によってプーリシャフト11に固定される。プーリ11は、その側面を窪ませた肉抜き部17が形成されて軽量化が図られている。また、プーリ10には、コンベヤベルト13の蛇行防止のために、外周の中央が僅かに盛り上がったクラウン部18が形成されており、プーリ10の両側にベルトの蛇行規制を行うガイド板等を設ける必要をなくしている。クラウン部18が形成されることでコンベヤベルト13の両端が他の部品と接触することはなく、コンベヤベルト13の両端からの発塵を防止できる。また、プーリ10は、少なくとも35mmの直径を有するものを用いることで、ベルトの湾曲を緩やかにして発塵量を小さく抑えており、本実施形態のプーリ10は直径が80mmとなっている。
【0011】
図4において、コンベヤベルト13には、ポリウレタン20a,20bとポリエステル帆布21a,21bとが2層ずつ交互に設けられたベルト基材22上に、人工スエード23が積層されたスエードベルト24が用いられる。人工スエード23は、超極細合成繊維を織り上げて表面を立毛させ、スエードの質感に等しい柔軟性が付与されたもので、例えば(株)カネボウ合繊製のベルセイム(商品名)を用いるのが好ましい。人工スエード23は、加熱された最上層のポリウレタン20a上に圧着され、接着ムラが生じないように熱溶着法によりベルト基材22と貼り合わされている。なお、ベルト基材22には、ポリウレタン以外にもポリエステル、ポリ塩化ビニール、ポリアミド、ウレタン、合成ゴムといった素材を用いることもできる。
【0012】
図5は、一般的な植毛ベルトと、クリーンルームなどの清浄な環境下で用いるのに好適な低発塵のクリーンベルト((株)ニッタ製、ニッタPE100−2(商品名))と、スエードベルト24との発塵量を比較するために、直径80mmのプーリ10に各ベルトを巻き掛けて、プーリ10の駆動下で検出された0.5μm以上の大きさの塵量を示すグラフである。このグラフより、スエードベルト24の発塵量がクリーンベルトの発塵量とほとんど変わらないことが確かめられた。また他にも、プーリ10の直径が35mmよりも大きいとスエードベルト24の発塵量は植毛ベルトの発塵量を下回り、さらにプーリ径が大きくなるほどスエードベルト24の発塵量が他のベルトの発塵量に対して小さくなることが確かめられた。
【0013】
図6は、植毛ベルト、クリーンベルト、スエードベルトの表面の柔軟性を比較するために、各ベルトの圧縮弾性変位に対する反発圧力を測定したグラフである。グラフ横軸は、測定用の金属円柱を各ベルトに押し込んだときの弾性変位(圧縮弾性変位)をmm単位で表したもので、グラフ縦軸は、所定変位だけ押し込まれた各ベルトが金属円柱を押し上げる圧力(反発圧力)をg/cm2 単位で表したものである。なお、本明細書では、250g/cm2 の反発圧力に対する圧縮弾性変位量を圧縮弾性力として定義し、これを柔軟性の程度を示す量として用いている。
【0014】
この結果、グラフ中のaで示すクリーンベルトについては、僅かな圧縮弾性変位に対して反発圧力が大きく、ベルト表面の柔軟性に乏しいことが確かめられた。また、グラフ中のdで示す植毛ベルトは、変位に対する反発圧力が小さく柔軟性に富むことが確かめられた。また、人工スエードにベルセイム(商品名)を用いたグラフ中bで示すスエードベルトと、人工スエードに(株)東レ製のエクセーヌ(商品名)を用いたグラフ中cで示すスエードベルトは、クリーンベルトと植毛ベルトの中間程度の柔軟性を有することが確かめられた。
【0015】
感光記録シート搬送用のコンベヤベルトには、ベルセイム(商品名)やエクセーヌ(商品名)のように、250g/cm2 の反発圧力を生じるときの圧縮弾性変位が0.3〜0.9mmで規定される範囲(グラフ中に端末矢印を付した範囲)の柔軟な素材が好適である。
【0016】
以上の測定結果より、発塵量の低さと柔軟性の両面で優れた人工スエードは、感光記録材料といった脆弱な表面を有するシート状記録媒体の製造工程中の搬送に用いるベルト素材として好適であると結論付けられた。スエードベルトを使用した搬送装置では、ベルト搬送面上で記録媒体がスリップ等を起こした場合でも表面に傷がつきにくく、製造中に不純物が付着しないといった点で、記録媒体の品質を損なうことがない。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、発塵量の低さと柔軟性とを兼ね備えた人工スエードが積層されたコンベヤベルトを備える搬送装置により、品質を落とすことなくシート状記録媒体を製造することができる。また、搬送に適した人工スエードとして250g/cm 2 の加圧時に0.3〜0.9mmの圧縮弾性変位量で規定される柔軟性を有することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光記録材料の製造工程の概略を示す斜視図である。
【図2】搬送装置の構成を示す斜視図である。
【図3】プーリの断面斜視図である。
【図4】スエードベルトの断面図である。
【図5】発塵量の測定結果を示すグラフである。
【図6】柔軟性の程度を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
7 感光記録シート
8 搬送装置
10 プーリ
12 モータ
13 コンベヤベルト
23 人工スエード
24 スエードベルト
Claims (3)
- ベルト基材上に人工スエードが積層されてシート搬送面が形成されるとともに、前記シート搬送面上に記録シートを載せて走行するコンベヤベルトと、前記コンベヤベルトが巻き掛けられるプーリと、前記プーリを駆動させるプーリ駆動手段とを備えることを特徴とする記録シートの搬送装置。
- 前記シート搬送面は、250g/cm 2 での加圧時における圧縮弾性変位量が0.3mm〜0.9mmであることを特徴とする請求項1記載の記録シートの搬送装置。
- ベルト基材上に人工スエードが積層されてシート搬送面が形成されるとともに、前記シート搬送面上に感光記録シートを載せて走行するコンベヤベルトと、前記コンベヤベルトが巻き掛けられるプーリと、前記プーリを駆動させるプーリ駆動手段とを備え、
前記シート搬送面は、250g/cm 2 での加圧時における圧縮弾性変位量が0.3mm〜0.9mmであることを特徴とする記録シートの搬送装置。
Priority Applications (2)
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JP2001388214A JP3909346B2 (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | 記録シートの搬送装置 |
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