JP3909338B2 - 分散電源の単独運転検出装置 - Google Patents

分散電源の単独運転検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3909338B2
JP3909338B2 JP2005060536A JP2005060536A JP3909338B2 JP 3909338 B2 JP3909338 B2 JP 3909338B2 JP 2005060536 A JP2005060536 A JP 2005060536A JP 2005060536 A JP2005060536 A JP 2005060536A JP 3909338 B2 JP3909338 B2 JP 3909338B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection
order
orders
power supply
distributed power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005060536A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006246641A (ja
Inventor
文雄 山本
荘治 西村
育千 夏田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Electric Power Co Inc, Nissin Electric Co Ltd filed Critical Kansai Electric Power Co Inc
Priority to JP2005060536A priority Critical patent/JP3909338B2/ja
Publication of JP2006246641A publication Critical patent/JP2006246641A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3909338B2 publication Critical patent/JP3909338B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Description

この発明は、上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する分散電源保有設備が接続された構成の配電系統に適用されるものであって、分散電源の単独運転を検出する単独運転検出装置に関し、より具体的には、単独運転検出のための注入電流を大きくしなくても単独運転を精度良く検出することができるようにして、単独運転検出装置の小型化を可能にする手段に関する。
配電線には、近年、風力発電、廃棄物発電、小水力発電、コジェネレーション(複合発電)等の発電設備が接続されることが盛んになってきた。このような発電設備は、分散電源と呼ばれる。
系統事故等によって電力会社の変電所の遮断器が開放されて、上位系統からの電力供給が停止したときに、分散電源が運転(即ち単独運転)を続けていると、上位系統からの電力供給が停止したにもかかわらず配電線に電圧が印加され続けることになるので、感電事故等が発生する恐れがある。そこで、第1ステップとして、このような上位系統からの電力供給の停止、即ち分散電源の単独運転を確実に検出する必要がある。更に第2ステップとして、当該分散電源を配電系統から切り離す(解列する)必要がある。
分散電源の単独運転を検出する装置の一例として、例えば特許文献1および非特許文献1には、上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する分散電源保有設備が接続された構成の配電系統に適用される単独運転検出装置であって、前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波電圧の非整数倍次数(例えば2.4次、2.5次等)mの注入電流を注入する電流注入装置と、前記引込線における電圧および電流を計測して得られる計測電圧および計測電流から、前記注入次数mの電圧および電流をそれぞれ抽出し、この電圧および電流に基づいて、前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の前記注入次数mのインピーダンスまたはアドミタンスを算出し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給停止、即ち分散電源の単独運転を検出する供給停止検出装置とを備える単独運転検出装置が記載されている。
上記注入次数mとして、従来は両文献にも記載されているように、配電系統に存在する誘導リアクタンス成分と力率改善用コンデンサの容量リアクタンスとの共振現象の影響を受けにくくするために、4次未満を使用していた。
特許第3367371号公報(段落0016−0024、図1) 山本文雄、外3名、「分散電源の単独運転検出装置の開発−次数間高調波注入方式−」、電気設備学会誌、社団法人電気設備学会、平成16年12月10日、第24巻、第12号、頁943(57)−952(66)
例えば特別高圧(即ち電圧が7kV超)配電系統のように、短絡容量が小さい(換言すれば系統のインピーダンスが小さい)配電系統に接続された分散電源保有設備から当該配電系統へ注入電流を注入する場合、前記受電点から眺めた配電系統のインピーダンスは小さいので、注入電流が小さいと、注入次数mの電圧が小さくてそれを精度良く検出するのが難しく、従って、注入次数mのインピーダンスまたはその逆数であるアドミタンスを精度良く検出するのが難しい。
この対策として、注入次数mを高くする、例えば4次以上にすることが考えられる。そのようにすると次のような利点がある。
(1)前記受電点から眺めた配電系統のインピーダンスは、一般的に誘導リアクタンス成分が主成分であり、これはjmx(jは虚数単位、mは注入次数、xは1次の誘導リアクタンス成分)として表され計測される。従って、注入次数mを高くする(即ちmを大きくする)と、同じ注入電流量でも注入次数mに比例して高い電圧が発生してそれを計測することになるので、当該電圧の計測ひいてはインピーダンスまたはアドミタンスの計測が容易になり高精度になる。
(2)前記電流注入装置は、例えば、注入信号発生器で発生させた正弦波の注入信号を正弦波増幅器(正弦波電流源)で増幅して注入電流として出力する構成をしている。このような電流注入装置を前記引込線に接続して注入電流を注入しようとすると、配電系統の基本波電圧が正弦波増幅器に印加されることになり、そのままだと正弦波増幅器の容量を非常に大きくしなければならない。これは、簡単に言えば、正弦波増幅器の容量Pは次式で表されるからである。ここで、V1 は正弦波増幅器に印加される基本波電圧、Vm は注入次数mの電圧、Jm は注入電流である。
[数1]
P=(V1 +Vm )・Jm
上記容量増大の不都合を解消するために、通常は、基本波電圧をカットする直列コンデンサを前記正弦波増幅器と引込線との間に挿入している。この場合、注入次数mを高くすると、配電系統の基本波電圧と注入電流との周波数差がより大きくなるので、正弦波増幅器に印加される基本波電圧を直列コンデンサでより確実にカットすることができるようになる。その結果、正弦波増幅器の容量を小さくすることができ、ひいては電流注入装置の容量を小さくして、単独運転検出装置の小型化を図ることが可能になる。
しかし、前述したように、注入次数mとして4次以上を使用すると、その注入次数で、配電系統に存在する誘導リアクタンス成分と力率改善用コンデンサの容量リアクタンスとの共振現象の影響を受けやすくなり、単独運転の検出が困難になるという課題がある(例えば、特許文献1の段落0021−0024、非特許文献1の947(61)頁参照)。
より具体例を挙げると、特別高圧配電線に、高圧バンク変圧器、高圧需要家設備およびリアクトル無し(L無し)力率改善用コンデンサを有する高圧(即ち電圧が7kV以下)配電バンクが接続されていると(いずれも図1の高圧バンク変圧器42、高圧需要家設備44、力率改善用コンデンサ46、高圧配電バンク16参照)、注入次数mにおいて、高圧バンク変圧器の誘導リアクタンスとL無し力率改善用コンデンサの容量リアクタンスとによる直列共振が発生する可能性があり、その場合は、単独運転状態となっても、前記受電点から眺めた配電系統の注入次数mのインピーダンスは大きくならず(換言すれば、アドミタンスは小さくならず)、電圧も大きくならず、従って単独運転を検出することができなくなる。
以上のように、注入次数mを4次以上にすると、前記(1)、(2)に示した利点が得られる反面、配電系統における直列共振現象の影響を受けて単独運転の検出が困難になるという課題が生じる。特に、特別高圧配電線には上記のような高圧配電バンクが接続されている場合が一般的であるので、特別高圧配電線に4次以上の注入電流を注入する場合は上記直列共振現象の影響を受けやすい。
そこでこの発明は、4次以上の注入次数を使用し、しかも配電系統における直列共振現象の影響を排除して分散電源の単独運転を精度良く検出することができる単独運転検出装置を提供することを主たる目的としている。
この発明に係る分散電源の単独運転検出装置の一つは、(a)前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の非整数倍次数の注入電流を注入する電流注入装置と、(b)前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の前記注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを計測し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ(c)前記電流注入装置は、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入するものであり、(d)前記供給停止検出装置は、前記複数の注入次数の内から、前記引込線における各注入次数の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における前記インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出するものである、ことを特徴としている。
この単独運転検出装置によれば、電流注入装置から4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入するので、その注入次数の内でたまたま配電系統における直列共振次数と一致したものがあって、分散電源の単独運転時に当該一致した注入次数の電圧が大きくならなくても、それ以外の注入次数の電圧は予定どおり大きくなる。
そして供給停止検出装置は、複数の注入次数の内から、引込線における各注入次数の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択して単独運転検出に用いるので、上記直列共振次数と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転検出を行うことができる。
前記供給停止検出装置は、(a)前記複数の注入次数の前記インピーダンスまたはアドミタンスをそれぞれ計測し、当該各注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定する複数の判定手段と、(b)前記複数の注入次数の内から、前記引込線における各注入次数の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段と、(c)前記次数選択手段によって選択された注入次数についての前記判定手段からの出力のみを有効化する有効化手段とを備えていても良い。
この発明に係る分散電源の単独運転検出装置の他のものは、(a)前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の非整数倍次数の注入電流を注入する電流注入装置と、(b)前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の前記注入次数のアドミタンスを計測し、当該アドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ(c)前記電流注入装置は、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入するものであり、(d)前記供給停止検出装置は、前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記アドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における前記アドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出するものである、ことを特徴としている。
この単独運転検出装置によれば、電流注入装置から4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入するので、その注入次数の内でたまたま配電系統における直列共振次数と一致したものがあって、分散電源の単独運転時に当該一致した注入次数のアドミタンスが小さくならなくても、それ以外の注入次数のアドミタンスは予定どおり小さくなる。
そして供給停止検出装置は、複数の注入次数の内から、各注入次数のアドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択して単独運転検出に用いるので、上記直列共振次数と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転検出を行うことができる。
前記供給停止検出装置は、(a)前記複数の注入次数の前記アドミタンスをそれぞれ計測し、当該各注入次数のアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定する複数の判定手段と、(b)前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記アドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段と、(c)前記次数選択手段によって選択された注入次数についての前記判定手段からの出力のみを有効化する有効化手段とを備えていても良い。
この発明に係る分散電源の単独運転検出装置の更に他のものは、(a)前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の非整数倍次数の注入電流を注入する電流注入装置と、(b)前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の前記注入次数のインピーダンスを計測し、当該インピーダンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ(c)前記電流注入装置は、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入するものであり、(d)前記供給停止検出装置は、前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記インピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における前記インピーダンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出するものである、ことを特徴としている。
この単独運転検出装置によれば、電流注入装置から4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入するので、その注入次数の内でたまたま配電系統における直列共振次数と一致したものがあって、分散電源の単独運転時に当該一致した注入次数のインピーダンスが大きくならなくても、それ以外の注入次数のインピーダンスは予定どおり大きくなる。
そして供給停止検出装置は、複数の注入次数の内から、各注入次数のインピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択して単独運転検出に用いるので、上記直列共振次数と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転検出を行うことができる。
前記供給停止検出装置は、(a)前記複数の注入次数の前記インピーダンスをそれぞれ計測し、当該各注入次数のインピーダンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定する複数の判定手段と、(b)前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記インピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段と、(c)前記次数選択手段によって選択された注入次数についての前記判定手段からの出力のみを有効化する有効化手段とを備えていても良い。
以上のようにこの発明によれば、上記のような電流注入装置および供給停止検出装置を備えているので、配電系統における直列共振と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して分散電源の単独運転検出を行うことができる。その結果、4次以上の注入次数を使用し、しかも配電系統における直列共振現象の影響を排除して分散電源の単独運転を精度良く検出することができる。
更に、次の二つの効果の相乗効果によって、電流注入装置の容量を小さくして、電流注入装置の小型化ひいては単独運転検出装置の小型化が可能になる。
(1)4次以上の注入次数を使用することによって、従来の4次未満の注入次数を使用する場合に比べて、注入電流を大きくしなくても、注入次数成分の電圧、インピーダンスまたはアドミタンスの計測が容易になり高精度になるので、単独運転を精度良く検出することができるようになる。従って、注入電流を大きくしなくて済むぶん、電流注入装置の容量を小さくして、電流注入装置の小型化ひいては単独運転検出装置の小型化が可能になる。
(2)4次以上の注入次数を使用することによって、従来の4次未満の注入次数を使用する場合に比べて、電流注入装置においてそれに印加される基本波電圧を直列コンデンサでより確実にカットすることができるので、電流注入装置の容量を小さくして、電流注入装置の小型化ひいては単独運転検出装置の小型化が可能になる。
図1は、この発明に係る分散電源の単独運転検出装置を備える配電系統の一例を示す単線接続図である。
この配電系統は、上位系統2に変電所4を介して配電線10が接続された構成をしている。変電所4は、変圧器6と、その2次側と配電線10とを接続する遮断器8とを備えている。なお、電圧が7kVを超える特別高圧の場合の配電線は、特別高圧電線路と呼ばれるが、この明細書では、この場合も統一して配電線と呼ぶことにしている。
配電線10は、この例では、特別高圧(即ち電圧が7kV超)の配電線であり、その電圧は、例えば11kV、22kV、33kV、66kV、77kVである。但し配電線10は、高圧(即ち電圧が7kV以下)の配電線でも良く、その場合の電圧は、例えば3.3kV、6.6kVである。
配電線10には、この例では特高需要家設備12、分散電源を有する分散電源保有設備14および高圧配電バンク16が接続されている。
高圧配電バンク16は、前述したように、高圧バンク変圧器42、高圧需要家設備44およびL無し力率改善用コンデンサ46を有している。
この例では、配電線10に受電点Pで接続された分散電源保有設備14内に、以下に説明するような単独運転検出装置30を設けている。
分散電源保有設備14においては、その受電点Pに引込線18および遮断器20を介して構内母線22が接続されている。この構内母線22に、構内負荷24および変圧器26を介して分散電源28が接続されており、分散電源28から当該配電系統の基本波に同期した電力を構内母線22に供給するようにしている。これを連系運転と呼ぶ。
系統事故等の際には、変電所4の遮断器8が開放される。その際、前述したように、分散電源28が運転(即ち単独運転)していると、感電事故等が発生する恐れがあるので、分散電源28の単独運転を確実に検出し、更には遮断器20を開放して分散電源28を配電系統から切り離す(解列する)必要がある。
そのために、この実施形態ではこの分散電源保有設備14内に、分散電源28の単独運転を検出する単独運転検出装置30を設けている。この単独運転検出装置30は、電流注入装置32と、供給停止検出装置34とを備えている。
引込線18には、当該引込線18における電圧および電流を計測する計器用変圧器38および計器用変流器40が接続されており、これら38、40で計測して得られる計測電圧Vt および計測電圧It が供給停止検出装置34に供給される。
電流注入装置32は、この例では電圧整合用の変圧器36を介して、引込線18に、ひいては受電点Pおよび配電線10に、当該配電系統の基本波電圧の非整数倍次数(即ち帯小数次数)mであってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流Jm を注入するものである。
以下の実施形態では、上記複数の次数が三つの場合を例に説明するけれども、この発明は三つの次数に限定されるものではない。
上記三つの非整数倍次数(即ち注入次数)をm1、m2、m3とすると、電流注入装置32は、当該各注入次数m1、m2、m3の注入電流Jm1、Jm2、Jm3を発生し、更にこれらを次式に示すように互いに合成し、この合成して得られる注入電流Jm を注入する。
[数2]
m =Jm1+Jm2+Jm3
電流注入装置32のより具体例を図2に示す。この電流注入装置32は、上記注入電流Jm1、Jm2、Jm3の元になる三つの注入次数m1、m2、m3の正弦波の注入信号Sm1、Sm2、Sm3をそれぞれ発生させる注入信号発生器51〜53と、それらからの注入信号Sm1、Sm2、Sm3を合成(加算)する加算器56と、それからの合成信号Sm1+Sm2+Sm3を増幅して前記注入電流Jm として出力する正弦波増幅器58と、引込線18側から配電系統の基本波電圧が正弦波増幅器58に印加されるのを阻止する(カットする)直列コンデンサ60とを備えている。
上記三つの注入次数m1、m2、m3は、例えば、7.5次、12.5次、17.5次であるが、これに限られるものではない。
供給停止検出装置34は、前記複数の注入次数の内から、具体的にはこの実施形態では前記三つの注入次数m1、m2、m3の内から、以下に述べる手段によって1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における、前記受電点Pから眺めた配電系統のインピーダンスまたはアドミタンスを上記計測電圧Vt および計測電流It に基づいて算出し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、上位系統2からの電力供給が停止したことを判定して、上位系統2からの電力供給が停止したことを表す、即ち分散電源28の単独運転を表す供給停止検出信号Sを出力するものである。この例では、この供給停止検出信号Sに応答して遮断器20が開放される。
上記1以上の注入次数を選択する手段には、大別して以下の三つがある。
(1)引込線18における各注入次数m1、m2、m3の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択する手段。
(2)各注入次数m1、m2、m3の前記アドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択する手段。
(3)各注入次数m1、m2、m3の前記インピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択する手段。
供給停止検出装置34のより具体例を図3に示す。この供給停止検出装置34は、上記(1)の選択手段を採用した場合の例である。
この供給停止検出装置34は、上記計測電圧Vt 、計測電流It を受けて、後述する離散フーリエ変換器71〜76でのサンプリングに不要な成分を除去するローパスフィルタ62、64と、それから出力されるアナログの電圧、電流をディジタルに変換して電圧Vd 、電流Id をそれぞれ出力するAD変換器66、68とを備えている。このAD変換器66、68から出力される電圧Vd 、電流Id は、電圧用の三つの離散フーリエ変換器71〜73、電流用の三つの離散フーリエ変換器74〜76にそれぞれ供給される。
離散フーリエ変換器71〜73は、計測電圧Vt をディジタル化した上記電圧Vd をそれぞれフーリエ変換して、上記三つの次数m1、m2、m3の電圧Vm1、Vm2、Vm3をそれぞれ抽出して出力する。
離散フーリエ変換器74〜76は、計測電流It をディジタル化した上記電流Id をそれぞれフーリエ変換して、上記三つの注入次数m1、m2、m3の電流Im1、Im2、Im3をそれぞれ抽出して出力する。
なお、上記電圧Vm1〜Vm3、電流Im1〜Im3、後述するアドミタンスYm1〜Ym3、インピーダンスZm1〜Zm3は、いずれも複素数の形で表される。
離散フーリエ変換器71からの電圧Vm1および離散フーリエ変換器74からの電流Im1は演算器81に供給され、離散フーリエ変換器72からの電圧Vm2および離散フーリエ変換器75からの電圧Im2は演算器82に供給され、離散フーリエ変換器73からの電圧Vm3および離散フーリエ変換器76からの電流Im3は演算器83に供給される。各演算器81〜83は、供給された上記電圧および電流を用いて、各注入次数m1、m2、m3のアドミタンスYm1、Ym2、Ym3をそれぞれ次式に従って演算し、更にこの例ではそれらの絶対値|Ym1|、|Ym2|、|Ym3|を演算して出力し、それらを比較器86〜88にそれぞれ供給する。
[数3]
m1=Im1/Vm1
m2=Im2/Vm2
m3=Im3/Vm3
各比較器86〜88は、上記各アドミタンスの絶対値|Ym1|、|Ym2|、|Ym3|を所定の基準値R1 、R2 、R3 とそれぞれ比較して、前者(アドミタンスの絶対値)が後者(基準値)よりも小さいときに、出力S1 、S2 、S3 をそれぞれオンにする。これは、変電所遮断器8が開放されて上位系統2からの電力供給が停止して単独運転状態になると、配電線10に接続されていた変電所変圧器6の並列インピーダンスが無くなって、配電系統のインピーダンスが非常に大きくなる、換言すれば配電系統のアドミタンスが非常に小さくなるからである。これによって上位系統2からの電力供給を注入次数m1、m2、m3のそれぞれについて判定することができる。各基準値R1 、R2 、R3 の大きさは、例えば、連系運転時の各アドミタンスの絶対値|Ym1|、|Ym2|、|Ym3|のそれぞれ1/2程度にすれば良い。
なお、上記出力S1 〜S3 、以下に述べる出力S4 〜S9 および出力E1 〜E3 をオンにするということは、論理値で言えば「1」にすることであり、オン時以外のオフ時は「0」にすることである。
各比較器86〜88からの出力S1 〜S3 は、カウンタ91〜93にそれぞれ供給される。各カウンタ91〜93は、各出力S1 〜S3 のオンの継続時間が所定の整定時間(例えば0.3秒〜1.0秒)以上でセット状態になって各出力S4 〜S6 をそれぞれオンにし、各出力S1 〜S3 がオフになるとリセットされると共に各出力S4 〜S6 をそれぞれオフにする。このようなカウンタ91〜93を設けておくと、単独運転以外の何らかの原因による前記アドミタンスの瞬時変動による誤検出を防止することができる。
上記ローパスフィルタ62、64、AD変換器66、68、離散フーリエ変換器71〜76、演算器81〜83、比較器86〜88およびカウンタ91〜93は、前記複数の注入次数m1〜m3の前記アドミタンスYm1〜Ym3をそれぞれ計測し、当該各注入次数m1〜m3のアドミタンスYm1〜Ym3の変化から、上位系統2からの電力供給が停止したことを各注入次数m1〜m3ごとに判定する複数(この例では三つ)の判定手段を構成している。
この供給停止検出装置34は、更に、前記複数の注入次数m1〜m3の内から、前記引込線18における各注入次数m1〜m3の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段を構成する次数選択器96を備えている。
より具体的には、この次数選択器96には、引込線18における各注入次数m1〜m3の電圧に対応する前記電圧Vm1〜Vm3が離散フーリエ変換器71〜73から供給(入力)される。この入力電圧Vm1、Vm2、Vm3は、出力E1 、E2 、E3 にそれぞれ対応している。次数選択器96は、各電圧Vm1〜Vm3の絶対値|Vm1|、|Vm2|、|Vm3|をそれぞれ演算する手段を有していて、当該絶対値|Vm1|、|Vm2|、|Vm3|の中で最大値を取るものに対応する一つの出力E1 、E2 またはE3 をオンにする。例えば、|Vm1|が最大値であれば、入力電圧Vm1に対応する出力E1 をオンにする。これによって、一つの注入次数m1が選択されたことになる。
あるいは、次数選択器96は、上記絶対値|Vm1|、|Vm2|、|Vm3|の中から値の大きい順に2以上の対応する出力E1 、E2 またはE3 をオンにするものでも良い。例えば、|Vm1|が一番目に大きく、|Vm2|が二番目に大きいときに、入力電圧Vm1およびVm2にそれぞれ対応する出力E1 およびE2 をオンにする。これによって、二つの注入次数m1およびm2が選択されたことになる。
上記カウンタ91〜93からの出力S4 〜S6 および次数選択器96からの出力E1 〜E3 は、AND回路101〜103にそれぞれ入力される。AND回路101は、出力S4 およびE1 の論理積をとり、両出力S4 およびE4 が共にオンのときに出力S7 をオンにする。同様に、AND回路102は、出力S5 およびE2 が共にオンのときに出力S8 をオンにする。AND回路103は、出力S6 およびE3 が共にオンのときに出力S9 をオンにする。そして、上記出力S7 〜S9 が供給されるOR回路106は、これらの出力の論理和を取り、出力S7 〜S9 の内の少なくとも一つがオンのときに前記供給停止検出信号Sを出力する。
上記AND回路101〜103およびOR回路106は、次数選択器96によって選択された注入次数(m1〜m3の内の1以上)についての前記判定手段からの出力のみ(出力S4 〜S6 の内の1以上)を有効化する有効化手段を構成している。
以上のように、この単独運転検出装置30によれば、電流注入装置32から4次以上の互いに次数が異なる複数の次数m1〜m3の注入電流Jm を注入するので、その注入次数m1〜m3の内でたまたま配電系統における直列共振次数と一致したものがあって、例えば前述したように高圧配電バンク16を構成する高圧バンク変圧器42の誘導リアクタンスとL無し力率改善用コンデンサ46の容量リアクタンスとによって直列共振を起こす次数と一致したものがあって、分散電源28の単独運転時に当該一致した注入次数の電圧が大きくならなくても、それ以外の注入次数の電圧は予定どおり大きくなる。
そして供給停止検出装置34は、複数の注入次数m1〜m3の内から、引込線18における各注入次数の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択して単独運転検出に用いるので、上記直列共振次数と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転検出を行うことができる。
その結果、従来困難であった4次以上の注入次数mを使用し、しかも配電系統における直列共振現象の影響を排除して分散電源28の単独運転を精度良く検出することができる。
更に、次の二つの効果の相乗効果によって、電流注入装置32の容量を小さくして、電流注入装置32の小型化ひいては単独運転検出装置30の小型化が可能になる。
(1)4次以上の注入次数mを使用することによって、従来の4次未満の注入次数mを使用する場合に比べて、注入電流Jm を大きくしなくても、注入次数成分の電圧、インピーダンスまたはアドミタンスの計測が容易になり高精度になるので、単独運転を精度良く検出することができるようになる。従って、注入電流Jm を大きくしなくて済むぶん、電流注入装置32の容量を小さくして、電流注入装置32の小型化ひいては単独運転検出装置30の小型化が可能になる。
(2)4次以上の注入次数mを使用することによって、従来の4次未満の注入次数mを使用する場合に比べて、電流注入装置32においてそれに(より具体的には正弦波増幅器58に)印加される基本波電圧を直列コンデンサ60でより確実にカットすることができるので、電流注入装置32の容量を小さくして、電流注入装置32の小型化ひいては単独運転検出装置30の小型化が可能になる。
次に、他の実施形態を、上記実施形態との相違点を主体に説明する。
次数選択手段を構成する次数選択器96として、上記例のように各注入次数m1〜m3の電圧Vm1〜Vm3の絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択するものの代わりに、図4に示す例のように、各注入次数m1〜m3の前記アドミタンスの絶対値|Ym1|、|Ym2|、|Ym3|が小さい順に1以上の注入次数を選択するものを用いても良い。
図4中の次数選択器96は、上記絶対値|Ym1|、|Ym2|、|Ym3|の中から値の小さい順に、一つまたは2以上の対応する出力E1 、E2 、E3 をオンするものである。これによって、一つまたは2以上の注入次数mを選択することができる。
図4に示す供給停止検出装置34を用いる実施形態の場合も、電流注入装置32から4次以上の互いに次数が異なる複数の次数m1〜m3の注入電流Jm を注入するので、その注入次数m1〜m3の内でたまたま配電系統における直列共振次数と一致したものがあって、分散電源28の単独運転時に当該一致した注入次数のアドミタンスが小さくならなくても、それ以外の注入次数のアドミタンスは予定どおり小さくなる。
そして供給停止検出装置34は、複数の注入次数m1〜m3の内から、各注入次数のアドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択して単独運転検出に用いるので、上記直列共振次数と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転検出を行うことができる。
その結果、従来困難であった4次以上の注入次数mを使用し、しかも配電系統における直列共振現象の影響を排除して分散電源28の単独運転を精度良く検出することができる。
更に上述したように、4次以上の注入次数mを使用することによって、電流注入装置32の容量を小さくして、電流注入装置32の小型化ひいては単独運転検出装置30の小型化が可能になる。
また、アドミタンスとインピーダンスとは互いに逆数の関係にあるだけなので、例えば図5に示す例のように、複数の判定手段を構成する演算器81〜83において各注入次数m1、m2、m3のインピーダンスZm1、Zm2、Zm3をそれぞれ次式に従って演算し、更にそれらの絶対値|Zm1|、|Zm2|、|Zm3|を演算して出力し、それらを比較器86〜88において所定の基準値R4 、R5 、R6 とそれぞれ比較して、前者(インピーダンスの絶対値)が後者(基準値)よりも大きいときに、出力S1 、S2 、S3 をそれぞれオンにするようにしても良い。
[数4]
m1=Vm1/Im1
m2=Vm2/Im2
m3=Vm3/Im3
上記のようにインピーダンスZm1〜Zm3を用いる場合、次数選択手段を構成する次数選択器96は、図3中に示した例のように電圧Vm1、Vm2、Vm3を用いるものでも良いし、図5中に示す例のようにインピーダンスZm1、Zm2、Zm3を用いるものでも良い。
図5中の次数選択器96は、上記インピーダンスの絶対値|Zm1|、|Zm2|、|Zm3|の中から値の大きい順に、一つまたは2以上の対応する出力E1 、E2 、E3 をオンするものである。これによって、一つまたは2以上の注入次数mを選択することができる。
図5に示す供給停止検出装置34を用いる実施形態の場合も、電流注入装置32から4次以上の互いに次数が異なる複数の次数m1〜m3の注入電流Jm を注入するので、その注入次数m1〜m3の内でたまたま配電系統における直列共振次数と一致したものがあって、分散電源28の単独運転時に当該一致した注入次数のインピーダンスが大きくならなくても、それ以外の注入次数のインピーダンスは予定どおり大きくなる。
そして供給停止検出装置34は、複数の注入次数m1〜m3の内から、各注入次数のインピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択して単独運転検出に用いるので、上記直列共振次数と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転検出を行うことができる。
その結果、従来困難であった4次以上の注入次数mを使用し、しかも配電系統における直列共振現象の影響を排除して分散電源28の単独運転を精度良く検出することができる。
更に上述したように、4次以上の注入次数mを使用することによって、電流注入装置32の容量を小さくして、電流注入装置32の小型化ひいては単独運転検出装置30の小型化が可能になる。
また、前記非特許文献1にも記載されているように(948(62)頁参照)、アドミタンスまたはインピーダンスの絶対量で監視するよりも、アドミタンスの成分であるサセプタンスで監視する方が、より大きな変化量を利用することができるので、上記演算器81〜83および比較器86〜88を用いての各注入次数m1〜m3ごとの単独運転の判定に、各注入次数m1〜m3のサセプタンスbm1〜bm3の変化量を用いても良い。
アドミタンスYm とサセプタンスbm との関係は次式で表される。ここで、gm はコンダクタンス、jは虚数単位である。即ち、サセプタンスbm は、アドミタンスYm の虚部である。
[数5]
m =Im /Vm =gm +jbm
上記サセプタンスbm は、容量サセプタンスから誘導サセプタンスを引いたものであり、通常は負の値となる。連系運転時に大きな負の値を取っていたサセプタンスbm が、単独運転時には小さな負のサセプタンスbm に変化する。従って、両者の中間に基準値を設定しておけば、単独運転を検出することができる。これを行うには、例えば、図3または図4の演算器81〜83で、各注入次数m1、m2、m3のサセプタンスbm1、bm2、bm3を演算して出力し、それらを比較器86〜88において、上記中間の基準値とそれぞれ比較するようにすれば良い。次数選択器96は、図3または図4に示すものを用いれば良い。図4に示す次数選択器96を用いる場合は、演算器81〜83でアドミタンスの絶対値|Ym1|、|Ym2|、|Ym3|も合わせて算出してそれを用いれば良い。
なお、特開2001−251767号公報には、互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入する電流注入装置と、各注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスの変化から、上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定し、少なくとも一つの注入次数において上位系統からの電力供給停止を判定したときに、上位系統からの電力供給が停止したことを表す供給停止検出信号を出力する供給停止検出装置とを備える単独運転検出装置が記載されているけれども、この特許公報に記載の単独運転検出装置は、(a)4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入次数を使用するものではなく、(b)しかも複数の注入次数の内から、配電系統における直列共振と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転を検出するものでもないので、本願発明に係る単独運転検出装置とは全く異なる。
この発明に係る分散電源の単独運転検出装置を備える配電系統の一例を示す単線接続図である。 図1中の電流注入装置の一例を示すブロック図である。 図1中の供給停止検出装置の一例を示すブロック図である。 図1中の供給停止検出装置の他の例を示すブロック図である。 図1中の供給停止検出装置の更に他の例を示すブロック図である。
符号の説明
2 上位系統
4 変電所
10 配電線
14 分散電源保有設備
18 引込線
28 分散電源
30 単独運転検出装置
32 電流注入装置
34 供給停止検出装置
96 次数選択器
m、m1、m2、m3 注入次数
m 注入電流

Claims (6)

  1. 上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する分散電源保有設備が接続された構成の配電系統に適用されるものであって、
    前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の非整数倍次数の注入電流を注入する電流注入装置と、
    前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の前記注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを計測し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ
    前記電流注入装置は、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入するものであり、
    前記供給停止検出装置は、前記複数の注入次数の内から、前記引込線における各注入次数の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における前記インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出するものである、ことを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。
  2. 前記供給停止検出装置は、
    前記複数の注入次数の前記インピーダンスまたはアドミタンスをそれぞれ計測し、当該各注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定する複数の判定手段と、
    前記複数の注入次数の内から、前記引込線における各注入次数の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段と、
    前記次数選択手段によって選択された注入次数についての前記判定手段からの出力のみを有効化する有効化手段とを備えている、請求項1記載の分散電源の単独運転検出装置。
  3. 上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する分散電源保有設備が接続された構成の配電系統に適用されるものであって、
    前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の非整数倍次数の注入電流を注入する電流注入装置と、
    前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の前記注入次数のアドミタンスを計測し、当該アドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ
    前記電流注入装置は、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入するものであり、
    前記供給停止検出装置は、前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記アドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における前記アドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出するものである、ことを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。
  4. 前記供給停止検出装置は、
    前記複数の注入次数の前記アドミタンスをそれぞれ計測し、当該各注入次数のアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定する複数の判定手段と、
    前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記アドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段と、
    前記次数選択手段によって選択された注入次数についての前記判定手段からの出力のみを有効化する有効化手段とを備えている、請求項3記載の分散電源の単独運転検出装置。
  5. 上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する分散電源保有設備が接続された構成の配電系統に適用されるものであって、
    前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の非整数倍次数の注入電流を注入する電流注入装置と、
    前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の前記注入次数のインピーダンスを計測し、当該インピーダンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ
    前記電流注入装置は、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入するものであり、
    前記供給停止検出装置は、前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記インピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における前記インピーダンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出するものである、ことを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。
  6. 前記供給停止検出装置は、
    前記複数の注入次数の前記インピーダンスをそれぞれ計測し、当該各注入次数のインピーダンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定する複数の判定手段と、
    前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記インピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段と、
    前記次数選択手段によって選択された注入次数についての前記判定手段からの出力のみを有効化する有効化手段とを備えている、請求項5記載の分散電源の単独運転検出装置。
JP2005060536A 2005-03-04 2005-03-04 分散電源の単独運転検出装置 Expired - Fee Related JP3909338B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005060536A JP3909338B2 (ja) 2005-03-04 2005-03-04 分散電源の単独運転検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005060536A JP3909338B2 (ja) 2005-03-04 2005-03-04 分散電源の単独運転検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006246641A JP2006246641A (ja) 2006-09-14
JP3909338B2 true JP3909338B2 (ja) 2007-04-25

Family

ID=37052452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005060536A Expired - Fee Related JP3909338B2 (ja) 2005-03-04 2005-03-04 分散電源の単独運転検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3909338B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006246641A (ja) 2006-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6657424B1 (en) DC load detection in an electric utility meter
JP7006237B2 (ja) 電力供給システムの保護装置を備えたシステム
JP5618910B2 (ja) 絶縁劣化監視システム
JP3788212B2 (ja) 次数間高調波検出方法
CN103424622B (zh) 一种分数谐波源的检测和判断方法
EP2490311B1 (en) Method and apparatus for detecting earth fault
Tajani et al. A novel differential protection scheme for AC microgrids based on discrete wavelet transform
Samantaray et al. Wavelet packet-based digital relaying for advanced series compensated line
JP6432358B2 (ja) 分散電源の単独運転検出装置
CN112703649A (zh) 用于控制电力系统的至少一个断路器的方法和装置
JP3917627B2 (ja) 分散電源の単独運転検出装置
JP3909338B2 (ja) 分散電源の単独運転検出装置
JP4110747B2 (ja) 電力系統における高調波監視システム
JP3909337B2 (ja) 分散電源の単独運転検出装置
EP2609661B1 (en) Apparatus for use in estimating a fault level in a network providing an electrical power supply to consumers
JP4921246B2 (ja) 地絡距離継電器
JP4430702B2 (ja) 分散電源の単独運転検出装置
Bindumol High impedance fault detection and control methods in ac microgrids: a review
Mandava Design and development of protection schemes for FREEDM smart grid systems
JP2007174742A (ja) 分散電源の単独運転検出方法および装置
JP2005304227A (ja) 分散電源の単独運転検出装置
JP3336286B2 (ja) 分散電源の単独運転検出装置
JP3808883B2 (ja) 分散電源の単独運転検出装置
JP2000287362A (ja) 分散電源の単独運転検出装置
JP2003244851A (ja) 分散電源の単独運転検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3909338

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100126

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110126

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120126

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130126

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130126

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees