JP2005304227A - 分散電源の単独運転検出装置 - Google Patents
分散電源の単独運転検出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005304227A JP2005304227A JP2004119026A JP2004119026A JP2005304227A JP 2005304227 A JP2005304227 A JP 2005304227A JP 2004119026 A JP2004119026 A JP 2004119026A JP 2004119026 A JP2004119026 A JP 2004119026A JP 2005304227 A JP2005304227 A JP 2005304227A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- current
- injection
- voltage
- period
- order
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】 注入電流量を小さくしても、バックグラウンドノイズに対するSN比の悪化を抑制して、分散電源の単独運転を精度良く検出することができる装置を提供する。
【解決手段】 この単独運転検出装置は、電流注入装置32と供給停止検出装置42とを備えている。電流注入装置32は、所定の大きさの注入電流を供給する注入期間と、注入電流が実質的に0の期間が一定期間続く非注入期間とを一定の周期で繰り返す注入次数mの注入電流Jm を引込線18に注入する。供給停止検出装置42は、引込線18における計測電圧Vt および計測電流It から、前記注入期間中の電圧および電流をそれぞれ抽出して出力する第1抽出手段と、それから出力される電圧および電流から、注入次数mの電圧および電流をそれぞれ抽出する第2抽出手段と、それから出力される電圧および電流を用いて、注入次数mのインピーダンスまたはアドミタンスを算出する演算手段とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】 この単独運転検出装置は、電流注入装置32と供給停止検出装置42とを備えている。電流注入装置32は、所定の大きさの注入電流を供給する注入期間と、注入電流が実質的に0の期間が一定期間続く非注入期間とを一定の周期で繰り返す注入次数mの注入電流Jm を引込線18に注入する。供給停止検出装置42は、引込線18における計測電圧Vt および計測電流It から、前記注入期間中の電圧および電流をそれぞれ抽出して出力する第1抽出手段と、それから出力される電圧および電流から、注入次数mの電圧および電流をそれぞれ抽出する第2抽出手段と、それから出力される電圧および電流を用いて、注入次数mのインピーダンスまたはアドミタンスを算出する演算手段とを備えている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する需要家設備が接続された構成の配電系統に適用されるものであって、分散電源の単独運転を検出する単独運転検出装置に関し、より具体的には、単独運転検出のための注入電流量を小さくしても、バックグラウンドノイズに対するSN比の悪化を防止して、単独運転を精度良く検出することができるようにする手段に関する。
配電線には、近年、コジェネレーション(複合発電)設備等の発電設備を有する需要家設備が接続されるようになってきた。このような発電設備は、分散電源と呼ばれる。
系統事故等によって電力会社の変電所の遮断器が開放されて、上位系統からの電力供給が停止したときに、分散電源が運転(即ち単独運転)を続けていると、上位系統からの電力供給が停止したにもかかわらず配電線に電圧が印加され続けることになるので、感電事故等が発生する恐れがある。そこで、第1ステップとして、このような上位系統からの電力供給の停止、即ち分散電源の単独運転を確実に検出する必要がある。更に第2ステップとして、当該分散電源を配電系統から切り離す(解列する)必要がある。
分散電源の単独運転を検出する装置の一例として、例えば特許文献1には、上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する需要家設備が接続された構成の配電系統に適用される単独運転検出装置であって、前記配電線から前記需要家設備への引込線に、当該配電系統の基本波電圧の1倍よりも大きい非整数倍次数(例えば2.4次、2.5次等)mの注入電流を注入する電流注入装置と、前記引込線における電圧および電流を計測して得られる計測電圧および計測電流から、前記注入次数mの電圧および電流をそれぞれ抽出し、この電圧および電流に基づいて、前記需要家設備の受電点から眺めた前記配電系統の前記注入次数mのインピーダンスまたはアドミタンスを算出し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給停止、即ち分散電源の単独運転を検出する供給停止検出装置とを備える単独運転検出装置が記載されている。
上記電流注入装置から引込線に注入する注入次数mの注入電流は、連続する正弦波電流である。
上記供給停止検出装置は、具体的には、前記注入電流による前記注入次数mの電圧Vm および電流Im を計測し、この両者から、注入次数mのインピーダンスZm =Vm /Im またはアドミタンスYm =Im /Vm を算出し、このインピーダンスZm の絶対値が所定値よりも大きい状態が所定時間以上継続したか否か、またはアドミタンスYm の絶対値が所定値よりも小さい状態が所定時間以上継続したか否かを判定して、単独運転を検出するものである。
上記のような分散電源の単独運転検出装置においては、注入電流を小さくして、電流注入装置の小型化ひいては単独運転検出装置の小型化を図りたいという要望がある。電流注入装置はパワー回路であり、供給停止検出装置は制御回路であるので、電流注入装置が単独運転検出装置のサイズを支配している。
しかし、上記従来の単独運転検出装置においては、単に注入電流を小さくすると、次のような問題が発生する。これを図9を参照して説明する。
図9は、配電系統における受電点付近を単純化して示す図であり、前述したような配電線10に、受電点Pで、前述したような需要家設備の引込線18が接続された構成をしている(より具体例は図1参照)。
この引込線18に、前記電流注入装置から、前記注入次数mの注入電流Jm を注入すると、受電点Pを通して配電線10側に向けて注入電流Jm の分流Jmsが流れ、それによって受電点Pに電圧Vmsが発生する。
一方、一般的に、配電線10に接続されている負荷(図示省略)等からバックグラウンドノイズが発生し、このバックグラウンドノイズによる電流が配電線10に流入する(注入される)。このバックグラウンドノイズの内で前記注入次数mの次数(周波数)成分を持つものを妨害等価注入電流In と呼ぶことにすると、受電点Pを通して引込線18側に向けて妨害等価注入電流In の分流Insが流れ、それによって受電点Pに電圧Vnsが発生する。
受電点Pから眺めた配電系統の例えばアドミタンスは、妨害等価注入電流In がなければ、次式に従って計算されるはずである。
[数1]
Ym =Jms/Vms
Ym =Jms/Vms
しかし、上記のように、注入次数mのバックグラウンドノイズによる妨害等価注入電流In が存在すると、計測されるアドミタンスは次式となる。分子、分母の±の符号は、一つの位相の例を示し、次式とは±がそれぞれ逆になる場合もある。いずれにしても、分子、分母にそれぞれ計測誤差要素Ins、Vnsを含んでしまう。
[数2]
Ym =(Jms−Ins)/(Vms+Vns)
Ym =(Jms−Ins)/(Vms+Vns)
従来の単独運転検出装置のように注入電流Jm が十分に大きいと、Jms≫Ins、Vms≫Vnsなので、数2は数1と実質的に同じになり、計測誤差要素の存在は無視できるけれども、注入電流Jm を小さくすると、計測誤差要素が無視できなくなる。即ち、注入電流Jm による注入次数mの計測電圧および計測電流のレベルが低下してしまい、系統電圧や注入次数mのバックグラウンドノイズに対してSN比が悪くなるため、注入次数mのアドミタンスYm やインピーダンスZm を精度良く計測することができなくなる。ひいては、分散電源の単独運転検出を精度良く行うことができなくなる。
そこでこの発明は、注入電流量を小さくしても、バックグラウンドノイズに対するSN比の悪化を抑制して、注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスの計測精度を低下させずに済み、分散電源の単独運転を精度良く検出することができる単独運転検出装置を提供することを主たる目的としている。
この発明に係る分散電源の単独運転検出装置は、前記配電線から前記需要家設備への引込線に、当該配電系統の基本波電圧の1倍よりも大きい非整数倍次数の注入電流を注入する電流注入装置と、前記引込線における電圧および電流を計測して得られる計測電圧および計測電流から、前記注入次数の電圧および電流をそれぞれ抽出し、この電圧および電流に基づいて、前記需要家設備の受電点から眺めた前記配電系統の前記注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを算出し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ前記電流注入装置は、0よりも大きい所定の大きさの注入電流を供給する注入期間と、注入電流が実質的に0の期間が一定期間続く非注入期間とを一定の周期で繰り返す注入電流を出力するものであり、前記供給停止検出装置は、前記計測電圧および計測電流から、前記注入期間中の電圧および電流をそれぞれ抽出して出力する第1抽出手段と、この第1抽出手段から出力される電圧および電流から、前記注入次数の電圧および電流をそれぞれ抽出する第2抽出手段と、この第2抽出手段から出力される電圧および電流を用いて、前記注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを算出する演算手段とを備えていることを特徴としている。
この単独運転検出装置によれば、電流注入装置から出力する注入電流は、前記注入期間と非注入期間とを一定の周期で繰り返すものであるので、従来のように連続的な正弦波の注入電流に比べて、非注入期間が存在するぶん注入電流量を小さくすることができる。
一方、供給停止検出装置は、前記計測電圧および計測電流から、前記注入期間中の電圧および電流をそれぞれ抽出して出力する第1抽出手段を備えているので、前記注入期間中の注入電流は、この第1抽出手段からそのまま出力される。これに対して、バックグラウンドノイズは、前記注入期間中に存在するもののみがこの第1抽出手段から出力されるので、第1抽出手段を通さない場合に比べて、バックグラウンドノイズは小さくなる。
なお、バックグラウンドノイズには、前記注入次数の周波数成分のものとそうでない周波数成分のものとがあるが、前記第2抽出手段で前記注入次数の電圧および電流を抽出することにしていて注入次数以外の周波数成分のバックグラウンドノイズは第2抽出手段から抽出されないので、供給停止検出装置においては、注入次数の周波数成分のバックグラウンドノイズに着目すれば良い。
上記のようにして、注入電流量を小さくしても、第1抽出手段から出力される電圧および電流のバックグラウンドノイズに対するSN比が向上する。そして、第2抽出手段は、SN比の向上した電圧および電流から前記注入次数の電圧および電流をそれぞれ抽出するので、注入次数の電圧および電流を精度良く抽出することができ、当該電圧および電流を用いて、演算手段は、前記注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを精度良く算出することができる。
なお、前記第1抽出手段の前段に、前記計測電圧および計測電流から、前記配電系統の少なくとも基本波電圧成分および基本波電流成分をそれぞれ除去する除去手段を更に設け、前記第1抽出手段を、前記除去手段を通した後の電圧および電流から、前記注入期間中の電圧および電流をそれぞれ抽出して出力するものとしても良い。
そのようにすると、仮に基本波電圧成分または基本波電流成分の大きさに幾らかの変動が存在していても、基本波成分は除去手段によって除去されるので、基本波成分の変動に起因して発生する見かけ上の前記注入次数成分が前記第1抽出手段に供給されるのを防止することができる。その結果、第1抽出手段から出力される電圧および電流のバックグラウンドノイズに対するSN比がより向上し、ひいては前記注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスの計測精度がより向上する。
前記電流注入装置を、それから出力する前記注入電流に同期した信号であって、前記注入期間および非注入期間を表すマスク信号を出力するものとし、前記第1抽出手段を、前記マスク信号を用いて、前記注入期間中の電圧および電流をそれぞれ抽出して出力する第1および第2のマスク回路を有するものとしても良い。
請求項1に記載の発明によれば、電流注入装置から出力する注入電流は、注入期間と非注入期間とを一定の周期で繰り返すものであるので、従来のように連続的な正弦波の注入電流に比べて、非注入期間が存在するぶん注入電流量を小さくすることができる。その結果、電流注入装置の小型化ひいては当該単独運転検出装置の小型化を図ることができる。
しかも、計測電圧および計測電流から、注入期間中の電圧および電流をそれぞれ抽出する第1抽出手段を備えていて、この第1抽出手段から出力される電圧および電流のバックグラウンドノイズに対するSN比が向上するので、第2抽出手段は注入次数の電圧および電流を精度良く抽出することができ、演算手段は注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを精度良く算出することができる。その結果、注入電流量を小さくしても、バックグラウンドノイズに対するSN比の悪化を抑制して、単独運転を精度良く検出することができる。
請求項2に記載の発明によれば、仮に基本波電圧成分または基本波電流成分の大きさに幾らかの変動が存在していても、その変動の影響を排除して、注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスの計測精度をより向上させることができるので、単独運転検出の精度がより向上するという更なる効果を奏する。
請求項3に記載の発明によれば、マスク信号およびマスク回路という単純な手段によって、注入期間中の電圧および電流をそれぞれ抽出することができるという更なる効果を奏する。
図1は、この発明に係る分散電源の単独運転検出装置を備える配電系統の一例を示す単線接続図である。
この配電系統は、上位系統2に変電所4を介して幾つかの配電線10、11が接続された構成をしている。変電所4は、変圧器(バンクトランス)6と、その2次側と配電線10、11とを接続する遮断器(バンク遮断器)8とを備えている。なお、電圧が7kVを超える特別高圧の場合の配電線は、実務上は、送配電線と呼ばれるが、この明細書では、この場合も統一して配電線と呼ぶことにしている。
各配電線10、11には、幾つかの一般需要家設備12、分散電源を有する幾つかの需要家設備14、15、および幾つかの力率改善用コンデンサ16等が接続されている。
この例では、配電線10に受電点Pで接続された需要家設備14内に、以下に説明するような単独運転検出装置を設けている。
需要家設備14においては、その受電点Pに引込線18および遮断器20を介して構内母線22が接続され、この構内母線22に変圧器24を介して負荷25が接続されている。
更に、構内母線22に遮断器26および連系用の遮断器28を介して分散電源30が接続されており、通常は、遮断器26および28を閉じて、分散電源30から当該配電系統の基本波に同期した電力を構内母線22に供給するようにしている。これを連系運転と呼ぶ。
系統事故等の際には、変電所4の遮断器8が開放される。その際、前述したように、分散電源30が運転(即ち単独運転)していると、感電事故等が発生する恐れがあるので、分散電源30の単独運転を確実に検出し、更には遮断器28を開放して分散電源30を配電系統から切り離す(解列する)必要がある。
そのために、この実施形態ではこの需要家設備14内に、分散電源30の単独運転を検出する単独運転検出装置を設けている。この単独運転検出装置は、電流注入装置32と、供給停止検出装置42とを備えている。この電流注入装置32および供給停止検出装置42が、前記特許文献1に記載のものと異なる。
引込線18には、当該引込線18における電圧および電流を計測する計器用変圧器40および計器用変流器41が接続されており、これら40、41で計測して得られる計測電圧Vt および計測電圧It が供給停止検出装置42に供給される。
電流注入装置32は、この例では電圧整合用の変圧器38を介して、引込線18に、ひいては受電点Pおよび配電線10に、当該配電系統の基本波電圧の1倍よりも大きい非整数倍次数(即ち帯小数次数)mの注入電流Jm を注入する。この注入電流Jm の次数(即ち注入次数)mは、単独運転の検出精度を高めるためには、例えば、配電線10の電圧が7kV以下の高圧の場合は、1<m<2.7の範囲内が好ましく、配電線10の電圧が7kVを超える特別高圧の場合は、1<m<3.6の範囲内が好ましいことが実験によって確かめられている。従って例えば、注入次数mとして2.5次を用いる。
しかも電流注入装置32は、従来例のような連続した正弦波の注入電流を出力するものではなく、例えば図3に示す例のように、0よりも大きい所定の大きさの注入電流を供給する注入期間T1 と、注入電流が実質的に0(即ち0またはほぼ0)の期間が一定期間続く非注入期間T2 とを一定の周期T3 で繰り返す注入電流Jm を出力するものである。この図3の例の注入電流Jm は、正負両極性の繰り返しパルス波形のものであり、1/T3 が注入次数mの周波数に相当する。
但し、注入電流Jm の波形は、図3に例示したインパルス状のものに限られるものではなく、矩形波状のもの、正弦波を断続した波形のもの等でも良い。
なお、図3では、注入電流Jm の波形は、時間軸を小さくして図示しているのでギザギザに見えるが、時間軸を拡大して表示すると、図5(B)に示す注入電流Itmとほぼ同じ滑らかな波形をしている。図6(B)を除く他の図における電圧、電流等の波形についても同様である。
図3に示す注入電流Jm を注入したときの前記計測電圧Vt および計測電流It の波形の例を図4に示す。計測電圧Vt は、正弦波の系統電圧に注入電流によるパルス状の電圧Vtmが重畳された波形をしていることが分かる。計測電流It は、このシミュレーションでは負荷電流を0としたので、図3の注入電流Jm とほぼ同じ波形をしている。なお、図4(A)、図6(A)において、注入電流による電圧Vtmは、その存在を分かりやすくするために、若干拡大して図示している。
引込線18における注入電流Itm、および当該注入電流Itmによる電圧Vtmの波形の例を、図5に時間軸を拡大して示す。
図1に示す供給停止検出装置42は、上記計測電圧Vt および計測電流It に基づいて、前記受電点Pから眺めた当該配電系統の前記注入次数mのインピーダンスまたはアドミタンスを算出し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、上位系統2からの電力供給が停止したことを判定して、上位系統2からの電力供給が停止したことを表す、即ち分散電源30の単独運転を表す供給停止検出信号S1 を出力するものである。この例では、この供給停止検出信号S1 に応答して遮断器28が開放される。
より具体的には、供給停止検出装置42は、この例では図2に示すように、上記計測電圧Vt 、計測電流It を受けて、後述する離散フーリエ変換器52、54等でのサンプリングに不要な成分を除去するローパスフィルタ44、46と、それから出力されるアナログの電圧、電流をディジタルに変換して電圧Vd 、電流Id をそれぞれ出力するAD変換器48、50とを備えている。
このAD変換器48、50から出力される電圧Vd 、電流Id は、基本波の離散フーリエ変換器(DFT)52、54および減算器56、58にそれぞれ供給される。これらの要素52、54、56、58が、この実施形態では、前記計測電圧Vt および計測電流It から、前記配電系統の少なくとも基本波電圧成分および基本波電流成分をそれぞれ除去する除去手段を構成している。
基本波の離散フーリエ変換器52、54は、計測電圧Vt 、計測電流It をディジタル化した上記電圧Vd 、電流Id をフーリエ変換して、それらの基本波の電圧Vd1、電流Id1をそれぞれ抽出して出力する。上記計測電圧Vt 、電圧Vd1等のシミュレーション波形の例を図6に示す。電流波形は、電圧波形とほぼ同様であるので、図示を省略する(以下同様)。図6(B)において電圧Vd1の波形に多数の小さな段差が付いているのは、離散フーリエ変換によって信号を離散的に切り出したからであり、サンプリング周波数を高くすればこの段差はより小さくなりより滑らかになる。
減算器56は、上記電圧Vd から上記電圧Vd1を減算して、電圧Vd2を出力する。減算器58は、上記電流Id から上記電流Id1を減算して、電流Id2を出力する。電圧Vd2の波形を図6(C)に示す。上記減算の結果、基本波電圧成分が除去されて、電圧Vd2は、注入電流による注入次数mの電圧Vtmにバックグラウンドノイズ電圧Vn が重畳した波形をしている。
上記のような除去手段を設けることは必須ではないけれども、それを設けておくと、仮に基本波電圧成分または基本波電流成分の大きさに幾らかの変動が存在していても、基本波成分は上記除去手段によって除去されるので、基本波成分の変動に起因して発生する見かけ上の注入次数mの成分が次の第1抽出手段(この実施形態ではマスク回路60、62)に供給されるのを防止することができる。その結果、第1抽出手段から出力される電圧Vd3および電流Id3のバックグラウンドノイズに対するSN比がより向上し、ひいては注入次数mのインピーダンスZm またはアドミタンスYm の計測精度がより向上する。
なお、より計測精度を高めるためには、必要に応じて離散フーリエ変換器52、54で基本波成分の他に5次成分や7次成分も抽出し、減算器56、58で元の電圧Vd 、電流Id から減算して、基本波成分の他に5次成分や7次成分も除去するようにしても良い。3相回路では、一般的に3次成分は殆ど生じないので、これの除去処理は敢えて行わなくても良い。
減算器56、58から出力される電圧Vd2、電流Id2は、第1および第2のマスク回路60および62にそれぞれ供給される。このマスク回路60および62は、前記計測電圧Vt および計測電流It から、より具体的にはこの例では上記電圧Vd2および電流Id2から、前記注入期間T1 中の電圧および電流をそれぞれ抽出して出力する第1抽出手段を構成している。
この実施形態では、具体的には、前記電流注入装置32から、それから出力する前記注入電流Jm に同期した信号であって、前記注入期間T1 および非注入期間T2 を表すマスク信号S2 が出力され、このマスク信号S2 がマスク回路60および62に供給される。このマスク信号S2 の波形の例を図6(D)に示す。その拡大図を図7に示す。このマスク信号S2 は、論理値0で一定の時間幅のマスク期間T5 と、論理値1で一定の時間幅のマスク解除期間T6 とを一定の周期T4 で繰り返すものである。このマスク信号S2 の周期T4 は、図3に示した正負両極性の繰り返しパルス波形の注入電流Jm に対応するために、注入電流Jm の周期T3 の2倍の周期T4 (=2T3 )を有している。マスク解除期間T6 は、注入電流Jm の注入期間T1 に同期しており、しかも注入期間T1 を含む時間幅を有している。
そして、マスク回路60、62は、マスク信号S2 を用いて、入力された電圧Vd2、電流Id2とマスク信号S2 との掛け算をそれぞれ行い、マスク解除期間T6 の電圧Vd2、電流Id2はそのまま出力し、マスク期間T5 の電圧Vd2、電流Id2は強制的に0にして出力する。このようにして、マスク回路60および62は、注入期間T1 中の電圧および電流をそれぞれ抽出して出力する。その出力が電圧Vd3および電流Id3である。この電圧Vd3の波形の一例を図6(E)に示す。
この場合、注入電流Itmや当該注入電流による電圧Vtmは、マスク解除期間T6 にのみ存在し、バックグラウンドノイズはマスク解除期間T6 およびマスク期間T5 の両方に存在する。このマスク期間T5 に存在するバックグラウンドノイズ電圧Vn が除去されることが図6(E)からも分かる。図示しないけれども、バックグラウンドノイズ電流も同様に除去される。
上記のようにして、マスク期間T5 に存在するバックグラウンドノイズを除去することによって、当該バックグラウンドノイズをフーリエ解析してその前記注入次数mの周波数成分を抽出すると、当該注入次数mの周波数成分のバックグラウンドノイズの振幅レベルは小さくなる。これを図7および図8を参照して詳述する。図7は、図6(C)〜(D)の一部分を拡大したものに相当する。但し、図7では、注入電流による電圧Vtmは、説明に必要がないので省略している。
なお、バックグラウンドノイズには、前記注入次数mの周波数成分のものとそうでない周波数成分のものとがあるが、後述する第2抽出手段(注入次数mの離散フーリエ変換器64、66)で注入次数mの電圧Vm および電流Im を抽出することにしていて注入次数m以外の周波数成分のバックグラウンドノイズは第2抽出手段から抽出されないので、この供給停止検出装置42においては、注入次数mの周波数成分のバックグラウンドノイズに着目すれば良い。この注入次数mの周波数成分のバックグラウンドノイズは、フーリエ解析すれば、余弦波(cos波)状または正弦波(sin波)状をしている。
図7に示すように、前記注入次数mの周波数成分のバックグラウンドノイズVn に着目する。この電圧Vn の周期は、どちらも同じ注入次数mだから、前記注入電流Jm の周期と同じくT3 である。マスク信号S2 は、前述したように論理値0、1の信号である。その周期T4 は、前述したようにT4 =T3 /2である。但し、上記バックグラウンドノイズ電圧Vn とマスク信号S2 との間の位相は、通常は一定の関係にはない。また、上記バックグラウンドノイズ電圧Vn の絶対値は、ここではマスクの前後における比率を求めるので、図7に例示するようなものである必要はない。
マスク信号S2 のマスク解除期間T6 の中心と上記バックグラウンドノイズ電圧Vn の最大点との間の位相差をθとすると、図7(A)はθ=0°の場合を示し、図7(B)はθ=90°の場合を示す。マスク回路60(電流の場合は62)を通すことによって、上記バックグラウンドノイズ電圧Vn の内でマスク解除期間T6 にある部分72(太線で示す)のみが残留し、他の部分は0となる。このバックグラウンドノイズ電圧Vn の残留分の大きさは、図7(A)に示すようにθ=0°で最大となり、図7(B)に示すようにθ=90°で最小となることが、図7から定性的に理解することができる。
上記バックグラウンドノイズ電圧Vn の残留分Vnrの大きさを、位相差θとの関係で定量的に求める。マスク信号S2 のデューティ比をΔ(=T6 /T4 )とし、マスクする前のバックグラウンドノイズ電圧Vn の最大値を1とすると、バックグラウンドノイズ電圧Vn の残留分Vnrは、簡略化すると、次式を用いてフーリエ解析することによって求めることができる。次式では、θは、0、π/12、・・・、2πのようにπを用いて表している。jは虚数単位である。
ここで、一例として、Δ=0.1としたときの前記位相差θに対する残留分Vnrを計算してグラフ化したものを図8に示す。マスクする前のバックグラウンドノイズ電圧Vn の最大値を1としたので、図8の縦軸は、マスクしない場合に対する残留分Vnrの比率を示している。この図に示すように、上記条件の場合、前記注入次数mのバックグラウンドノイズ電圧Vn の残留分Vnrの大きさは、マスクしない場合に比べて、最大でも1/5(=0.2)に低減する。
上記のようにして、図2に示すマスク回路60および62からそれぞれ出力される電圧Vd3および電流Id3のバックグラウンドノイズに対するSN比が向上する。そしてこの電圧Vd3および電流Id3が、前記注入次数mの離散フーリエ変換器64および66にそれぞれ供給される。両離散フーリエ変換器64、66が、この実施形態では、第1抽出手段から出力される電圧および電流から前記注入次数mの電圧Vm および電流Im を抽出する第2抽出手段を構成している。即ち、離散フーリエ変換器64、66は、上記電圧Vd3、電流Id3をそれぞれフーリエ変換して、前記注入次数mの電圧Vm 、電流Im をそれぞれ抽出して出力する。
上記電圧Vm および電流Im は、演算器68に供給される。それらを用いて、演算器68は、この例では、次式に従って、前記注入次数mのアドミタンスYm を算出して出力する。
[数4]
Ym =Im /Vm
Ym =Im /Vm
上記アドミタンスYm は、判定器70に供給される。判定器70は、このアドミタンスYm の変化から、単独運転を検出して前記供給停止検出信号S1 を出力する。具体的には、判定器70は、上記アドミタンスYm の絶対値|Ym |を所定の基準値R1 と比較して、前者|Ym |が後者R1 よりも小さくなったときに、前記供給停止検出信号S1 を出力する。基準値R1 の大きさは、例えば、連系運転時の|Ym |の1/2程度にすれば良い。また、単独運転以外の何らかによる|Ym |の瞬時の変動による誤検出を防止するためには、|Ym |<R1 の状態が所定時間以上継続したときに供給停止検出信号S1 を出力するようにするのが好ましい。この所定時間は、例えば、0.3秒以上10秒以下の所定時間にすれば良い。
以上のように、この単独運転検出装置においては、電流注入装置32から出力する注入電流Jm は、注入期間T1 と非注入期間T2 とを一定の周期で繰り返すものであるので、従来のように連続的な正弦波の注入電流に比べて、非注入期間T2 が存在するぶん注入電流量を小さくすることができる。その結果、電流注入装置32の小型化ひいては当該単独運転検出装置の小型化を図ることができる。
しかも、計測電圧Vt および計測電流It から、注入期間T1 中の電圧Vd3および電流Id3をそれぞれ抽出する第1抽出手段(マスク回路60、62)を備えていて、上記のような作用によってこの第1抽出手段から出力される電圧Vd3および電流Id3のバックグラウンドノイズに対するSN比が向上するので、第2抽出手段(離散フーリエ変換器64、66)は注入次数mの電圧Vm および電流Im を精度良く抽出することができ、演算手段(演算器68)は注入次数mのアドミタンスYm 等を精度良く算出することができる。その結果、注入電流量を小さくしても、バックグラウンドノイズに対するSN比の悪化を防止して、単独運転を精度良く検出することができる。
なお、第1抽出手段としては、上記のようなマスク信号S2 を用いるマスク回路60、62を採用すると単純な手段で済むという利点があるけれども、それに限られるものではなく、上記計測電圧Vt および計測電流It から、あるいはそれらを上記のように処理して得られる電圧および電流から、上記注入期間T1 中の電圧および電流をそれぞれ抽出して出力するものであれば、他の回路や手段でも良い。
また、インピーダンスとアドミタンスとは単に逆数の関係なので、上記注入次数mの電圧Vm および電流Im に基づいて、上記演算器68において注入次数mのインピーダンスZm (=Vm /Im )を算出し、判定器70において、このインピーダンスZm の変化から、単独運転を検出するようにしても良い。例えば、判定器70は、所定の基準値をR2 とすると、|Zm |>R2 の状態が所定時間以上継続したときに供給停止検出信号S1 を出力するものでも良い。基準値R2 の大きさは、例えば、連系運転時の|Zm |の2倍程度にすれば良い。所定時間は、例えば、上記と同様にすれば良い。
また、単独運転時には、上記アドミタンスYm やインピーダンスZm よりも、通常は、それらの成分である注入次数mのコンダクタンスgm やサセプタンスbm の絶対値|gm |や|bm |の方が変化が大きいので、判定器70において、|Ym |または|Zm |の代わりに|gm |または|bm |の変化から、上述した|Ym |または|Zm |の場合と同様にして、単独運転を検出するようにしても良い。
また、この実施形態では、上記のような分散電源30の単独運転検出から更に進めて、上記供給停止検出信号S1 によって上記遮断器28を開放して、分散電源30の単独運転を防止するようにしているけれども、この発明は、分散電源30の単独運転検出が主目的であるので、遮断器28を開放する構成は必須ではない。
2 上位系統
4 変電所
10、11 配電線
14、15 需要家設備
18 引込線
30 分散電源
32 電流注入装置
42 供給停止検出装置
52、54 離散フーリエ変換器
56、58 減算器
60、62 マスク回路
64、66 離散フーリエ変換器
68 演算器
70 判定器
Jm 注入電流
4 変電所
10、11 配電線
14、15 需要家設備
18 引込線
30 分散電源
32 電流注入装置
42 供給停止検出装置
52、54 離散フーリエ変換器
56、58 減算器
60、62 マスク回路
64、66 離散フーリエ変換器
68 演算器
70 判定器
Jm 注入電流
Claims (3)
- 上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する需要家設備が接続された構成の配電系統に適用されるものであって、
前記配電線から前記需要家設備への引込線に、当該配電系統の基本波電圧の1倍よりも大きい非整数倍次数の注入電流を注入する電流注入装置と、
前記引込線における電圧および電流を計測して得られる計測電圧および計測電流から、前記注入次数の電圧および電流をそれぞれ抽出し、この電圧および電流に基づいて、前記需要家設備の受電点から眺めた前記配電系統の前記注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを算出し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備える、分散電源の単独運転検出装置において、
前記電流注入装置は、0よりも大きい所定の大きさの注入電流を供給する注入期間と、注入電流が実質的に0の期間が一定期間続く非注入期間とを一定の周期で繰り返す注入電流を出力するものであり、
前記供給停止検出装置は、前記計測電圧および計測電流から、前記注入期間中の電圧および電流をそれぞれ抽出して出力する第1抽出手段と、この第1抽出手段から出力される電圧および電流から、前記注入次数の電圧および電流をそれぞれ抽出する第2抽出手段と、この第2抽出手段から出力される電圧および電流を用いて、前記注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを算出する演算手段とを備えていることを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。 - 前記供給停止検出装置は、前記第1抽出手段の前段に、前記計測電圧および計測電流から、前記配電系統の少なくとも基本波電圧成分および基本波電流成分をそれぞれ除去する除去手段を更に備えており、
前記第1抽出手段は、前記除去手段を通した後の電圧および電流から、前記注入期間中の電圧および電流をそれぞれ抽出して出力するものである請求項1記載の分散電源の単独運転検出装置。 - 前記電流注入装置は、それから出力する前記注入電流に同期した信号であって、前記注入期間および非注入期間を表すマスク信号を出力するものであり、
前記第1抽出手段は、前記マスク信号を用いて、前記注入期間中の電圧および電流をそれぞれ抽出して出力する第1および第2のマスク回路を有している請求項1または2記載の分散電源の単独運転検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004119026A JP2005304227A (ja) | 2004-04-14 | 2004-04-14 | 分散電源の単独運転検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004119026A JP2005304227A (ja) | 2004-04-14 | 2004-04-14 | 分散電源の単独運転検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005304227A true JP2005304227A (ja) | 2005-10-27 |
Family
ID=35335102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004119026A Pending JP2005304227A (ja) | 2004-04-14 | 2004-04-14 | 分散電源の単独運転検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005304227A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100961510B1 (ko) | 2008-02-13 | 2010-06-04 | 한국전기연구원 | 분산전원의 단독운전 검출기능 시험용 부하장치 및 그제어방법 |
JP2016103902A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 株式会社日立製作所 | 電力変換装置およびその制御方法 |
JP2017028938A (ja) * | 2015-07-27 | 2017-02-02 | 富士電機株式会社 | 単独運転検出装置、単独運転検出方法、及び単独運転検出プログラム |
CN114910689A (zh) * | 2022-07-12 | 2022-08-16 | 沐曦集成电路(上海)有限公司 | 一种芯片电流的实时监测方法 |
-
2004
- 2004-04-14 JP JP2004119026A patent/JP2005304227A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100961510B1 (ko) | 2008-02-13 | 2010-06-04 | 한국전기연구원 | 분산전원의 단독운전 검출기능 시험용 부하장치 및 그제어방법 |
JP2016103902A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 株式会社日立製作所 | 電力変換装置およびその制御方法 |
JP2017028938A (ja) * | 2015-07-27 | 2017-02-02 | 富士電機株式会社 | 単独運転検出装置、単独運転検出方法、及び単独運転検出プログラム |
CN114910689A (zh) * | 2022-07-12 | 2022-08-16 | 沐曦集成电路(上海)有限公司 | 一种芯片电流的实时监测方法 |
CN114910689B (zh) * | 2022-07-12 | 2022-09-30 | 沐曦集成电路(上海)有限公司 | 一种芯片电流的实时监测方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Li et al. | Traveling wave-based protection scheme for inverter-dominated microgrid using mathematical morphology | |
US7180300B2 (en) | System and method of locating ground fault in electrical power distribution system | |
Terzija et al. | Flexible synchronized measurement technology-based fault locator | |
Salehi‐Dobakhshari et al. | Application of synchronised phasor measurements to wide‐area fault diagnosis and location | |
Thorp et al. | Limits to impedance relaying | |
Chothani et al. | New algorithm for current transformer saturation detection and compensation based on derivatives of secondary currents and Newton's backward difference formulae | |
Dutta et al. | Smart inadvertent islanding detection employing p‐type μPMU for an active distribution network | |
Dharmapandit et al. | Detection, classification, and location of faults on grid‐connected and islanded AC microgrid | |
Polajžer et al. | Instantaneous positive‐sequence current applied for detecting voltage sag sources | |
Albernaz Lacerda et al. | Distance protection algorithm for multiterminal HVDC systems using the Hilbert–Huang transform | |
JP3788212B2 (ja) | 次数間高調波検出方法 | |
Borkowski | A new method for noninvasive measurement of grid harmonic impedance with data selection | |
CN104391195A (zh) | 一种电磁干扰的识别及滤波方法 | |
Al Hanaineh et al. | A robust THD based communication-less protection method for electrical grids with DGs | |
JP5444122B2 (ja) | 非接地系電路の地絡検出装置とこれを用いた地絡保護継電器及び地絡検出方法 | |
JP2005304227A (ja) | 分散電源の単独運転検出装置 | |
Chen et al. | Locating sub-cycle faults in distribution network applying half-cycle DFT method | |
Elkalashy et al. | Earth fault distance estimation using travelling waves provided with triacs‐based reclosing in distribution networks | |
JP3845428B2 (ja) | 分散電源の単独運転検出装置 | |
Kachesov et al. | Monitoring in 6–35 kV power networks, location of single-phase ground fault and detection of fault feeder | |
JP3808883B2 (ja) | 分散電源の単独運転検出装置 | |
Mahmoud | Integrated busbar protection scheme utilizing a numerical technique based on coherence method | |
Ali et al. | Fault Detection and Classification in Hybrid Shipboard Microgrids | |
Abd Allah | Busbar protection scheme based on alienation coefficients for current signals | |
Lacerda et al. | Fault distance estimation in multiterminal HVDC systems using the Lomb-Scargle periodogram |