JP2000287362A - 分散電源の単独運転検出装置 - Google Patents

分散電源の単独運転検出装置

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JP2000287362A
JP2000287362A JP11091542A JP9154299A JP2000287362A JP 2000287362 A JP2000287362 A JP 2000287362A JP 11091542 A JP11091542 A JP 11091542A JP 9154299 A JP9154299 A JP 9154299A JP 2000287362 A JP2000287362 A JP 2000287362A
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harmonic
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Mitsuaki Okamoto
光明 岡本
Soji Nishimura
荘治 西村
Yoshibumi Minowa
義文 蓑輪
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Kansai Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散電源の単独運転を、より簡素な構成でよ
り正確に検出することのできる分散電源の単独運転検出
装置を提供する。 【解決手段】 この単独運転検出装置は、電流注入装置
32と供給停止検出装置42とを備えている。電流注入
装置32は、分散電源30を有する需要家設備14の引
込線18に、当該配電系統の基本波電圧に同期してお
り、しかも当該基本波の2.7倍未満の非整数倍の中間
次数の高調波電流Im を注入する。供給停止検出装置4
2は、受電点Aにおける上記中間次数の高調波電圧を計
測し、この高調波電圧が所定の基準値を超えたときに、
上位系統2からの電力供給が停止したことを表す、即ち
分散電源30が単独運転になったことを表す供給停止検
出信号Sを出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、上位系統に変電
所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源
を有する需要家設備が接続された構成の配電系統に適用
されるものであって、分散電源の単独運転を検出する単
独運転検出装置に関し、より具体的には、分散電源の単
独運転を、より簡素な構成でより正確に検出する手段に
関する。
【0002】
【従来の技術】配電線には、近年、コジェネレーション
(複合発電)設備等の発電設備を有する需要家設備が接
続されるようになってきた。このような発電設備は、分
散電源と呼ばれる。
【0003】系統事故等によって電力会社の変電所の遮
断器が開放されて、上位系統からの電力供給が停止した
ときに、分散電源が運転(即ち単独運転)を続けている
と、上位系統からの電力供給が停止したにもかかわらず
配電線に電圧が印加され続けることになるので、感電事
故等が発生する恐れがある。そこで、第1ステップとし
て、このような上位系統からの電力供給の停止、即ち分
散電源の単独運転を確実に検出する必要がある。更に第
2ステップとして、当該分散電源を配電系統から切り離
す(解列する)必要がある。
【0004】分散電源の単独運転を検出する装置の一例
として、特開平6−343230号公報には、配電系統
に高調波電流、具体的にはn次(nは整数)の高調波電
流を注入し、この高調波についての配電系統のインピー
ダンス変化を監視し、このインピーダンス変化から、上
位系統からの電力供給停止を検出する、即ち分散電源の
単独運転を検出する装置(第1の単独運転検出装置)が
記載されている。
【0005】しかし、配電系統には元々、n次高調波が
常に存在しており、これと区別するために、上記装置で
は、注入高調波電流を大電流にする必要がある。従っ
て、大容量、大型かつ高価な装置が必要になる。しか
も、そのような大容量の高調波電流を配電系統に注入す
ることは、系統の高調波を増大させることになるので好
ましくない。
【0006】このような課題を解決することができる装
置の一例として、特開平10−248168号公報に
は、配電系統に、その基本波電圧に同期しておりしかも
当該基本波の非整数倍の中間次数の高調波電流を注入
し、この中間次数についての配電系統のインピーダンス
またはアドミタンスを算出し、このインピーダンスまた
はアドミタンスの変化から、上位系統からの電力供給停
止を検出する、即ち分散電源の単独運転を検出する装置
(第2の単独運転検出装置)が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記第2の単独運転検
出装置は、上記中間次数についての配電系統のインピー
ダンスまたはアドミタンスを算出するものであるため、
このインピーダンスまたはアドミタンスの算出の元にな
る上記中間次数の高調波電圧および高調波電流を検出す
る二つの検出手段と、この高調波電圧および高調波電流
に基づいてインピーダンスまたはアドミタンスを演算す
る演算手段とが必要であるため、そのぶん装置の構成が
複雑になるという課題がある。
【0008】また、上記第2の単独運転検出装置では、
注入高調波電流の次数は4次未満が好ましいとされてい
るけれども、詳細に検討したところ、単に4次未満とい
うだけでは、分散電源の単独運転の正確な検出が困難な
場合のあることが分かった。
【0009】そこでこの発明は、上記第2の単独運転検
出装置を更に改良して、分散電源の単独運転を、より簡
素な構成でより正確に検出することのできる分散電源の
単独運転検出装置を提供することを主たる目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る分散電源
の単独運転検出装置の一つは、前記配電線から前記需要
家設備への引込線に、当該配電系統の基本波電圧に同期
しており、しかも当該基本波の2.7倍未満の非整数倍
の中間次数の高調波電流を注入する電流注入装置と、前
記需要家設備の受電点における前記中間次数の高調波電
圧を計測し、この高調波電圧が所定の基準値を超えたと
きに、前記上位系統からの電力供給が停止したことを表
す供給停止検出信号を出力する供給停止検出装置とを備
えることを特徴としている(請求項1)。
【0011】配電系統のシミュレーション計算の結果か
ら、上位系統からの電力供給停止時には、前記中間次数
の注入高調波電流による、前記受電点における当該中間
次数の高調波電圧が、他の事象変化時に比べて、大きく
上昇することが分かった。
【0012】この発明に係る単独運転検出装置を構成す
る供給停止検出装置は、このような受電点における中間
次数の高調波電圧を計測して、それが所定の基準値を超
えたときに供給停止検出信号を出力する。これによっ
て、上位系統からの電力供給停止を、即ち分散電源の単
独運転を、正確に検出することができる。
【0013】しかもこの単独運転検出装置では、前述し
た従来の第2の単独運転検出装置の場合と違って、前記
高調波電圧だけの計測で良く、高調波電流の計測および
インピーダンスまたはアドミタンスの演算は不要である
ので、装置構成を簡素化することができる。
【0014】更にこの単独運転検出装置では、電圧7k
V以下の高圧配電系統の場合は、電流注入装置から注入
する高調波電流の次数を、基本波の2.7倍未満(即ち
2.7次未満)の非整数倍にしているので、配電系統に
通常存在しているリアクトル付き力率改善用コンデンサ
(以下、L付きSCと呼ぶ)による想定し得る最低の共
振次数を常に避けて計測を行うことができる。その結
果、分散電源の単独運転をより正確に検出することがで
きる。
【0015】また、電流注入装置から注入する高調波電
流を、配電系統の基本波電圧に同期させていると共に、
当該注入高調波電流による上記高調波電圧の計測につい
ても、配電系統の基本波電圧に同期させているので、バ
ックノイズの影響を排除して精度良く行うことができ
る。従ってこの理由からも、分散電源の単独運転をより
正確に検出することができる。
【0016】配電系統が電圧7kV超の特別高圧の場合
は、上記高圧の配電系統と違って、L付きSCは6%L
付きSCに限られている。従ってこのL付きSCによる
想定し得る最低の共振次数は、高圧の場合よりも高くな
り、計算によれば3.6次になる。従ってこの場合は、
請求項2に記載のように、上記中間次数を3.6次未満
とすることができ、従って中間次数選択の幅(自由度)
が広がる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る分散電源
の単独運転検出装置を備える配電系統の一例を示す単線
接続図である。この配電系統は、上位系統2に変電所4
を介して幾つかの配電線10、11が接続された構成を
している。変電所4は、変圧器(バンクトランス)6
と、その2次側と配電線10、11とを接続する遮断器
(バンク遮断器)8とを備えている。なお、電圧が7k
Vを超える特別高圧の場合の配電線は、実務上は、送配
電線と呼ばれるが、この明細書では、この場合も統一し
て配電線と呼ぶことにしている。
【0018】配電線10、11の電圧は、高圧配電系統
の場合は7kV以下、具体的には3.3kVまたは6.
6kVであり、特別高圧(特高)配電系統の場合は7k
V超、具体的には11kV、22kVまたは33kVで
ある。
【0019】各配電線10、11には、幾つかの一般需
要家設備12、分散電源を有する幾つかの需要家設備1
4、15、および幾つかの力率改善用コンデンサ16等
が接続されている。力率改善用コンデンサ(SC)16
には、リアクトル付きのもの(L付きSC)と、リアク
トル無しのもの(L無しSC)とがある。
【0020】この例では、配電線10に接続点Aで接続
された需要家設備14内に、この発明に係る単独運転検
出装置を設けている。
【0021】需要家設備14においては、その受電点A
に引込線18および遮断器20を介して構内母線22が
接続され、この構内母線22に変圧器24を介して負荷
25が接続されている。
【0022】更に、構内母線22に遮断器26および連
系用の遮断器28を介して分散電源30が接続されてお
り、通常は、遮断器26および28を閉じて、分散電源
30から当該配電系統の基本波に同期した電力を構内母
線22に供給するようにしている。これを連系運転と呼
ぶ。
【0023】系統事故等の際には、変電所4の遮断器8
が開放される。その際、前述したように、分散電源30
が運転(即ち単独運転)していると、感電事故等が発生
する恐れがあるので、分散電源30の単独運転を確実に
検出し、更には遮断器28を開放して分散電源30を配
電系統から切り離す(解列する)必要がある。
【0024】そのために、この例ではこの需要家設備1
4内に、分散電源30の単独運転を検出する単独運転検
出装置を設けている。この単独運転検出装置は、電流注
入装置32と、供給停止検出装置42とを備えている。
この両者には、この例では、引込線18に接続された計
器用変圧器40で計測した系統電圧Vが供給される。
【0025】電流注入装置32は、高圧配電系統の場合
は、上記引込線18に、ひいては上記配電線10に、当
該配電系統の基本波電圧に同期しており、しかも当該基
本波の2.7倍未満の非整数倍の中間次数mの高調波電
流Im を注入する。即ちmは、1<m<2.7(但しm
≠2)である。
【0026】この電流注入装置32は、この例では、上
記計器用変圧器40からの系統電圧Vを用いてその基本
波電圧に同期した信号を発生する同期制御部34と、こ
の信号に基づいて上記基本波に同期している上記中間次
数mの高調波電流Im を発生する電流源36と、この電
流源36の電圧と引込線18の電圧とを整合させる変圧
器38とを備えている。
【0027】供給停止検出装置42は、上記受電点A
(または引込線18)における上記中間次数mの高調波
電圧Vm (図2参照)を計測し、この高調波電圧Vm
所定の基準値R(図2参照)を超えたときに、変電所4
の遮断器8が開放されて上位系統2からの電力供給が停
止したことを表す、即ち分散電源30が単独運転になっ
たことを表す供給停止検出信号Sを出力する。
【0028】この供給停止検出装置42は、この例では
図2に示すように、上記計器用変圧器40からの系統電
圧Vを受けてその中から上記中間次数mの高調波電圧V
m を抽出するフィルタ44と、このフィルタ44からの
高調波電圧Vm を所定の基準値Rと比較して、前者Vm
が後者Rを超えたときに上記供給停止検出信号Sを出力
する比較器46とを備えている。但し、これと同様の機
能を、ディジタル回路によって、例えばサンプルホール
ド回路、A/D変換器、クロック発生回路およびマイク
ロコンピュータ等を用いて実現しても良い。
【0029】図1の例では、上記のような分散電源30
の単独運転検出から更に進めて、上記供給停止検出信号
Sによって上記遮断器28を開放して、分散電源30の
単独運転を防止するようにしている。但し、この発明
は、分散電源30の単独運転検出が主目的であるので、
遮断器28を開放する構成は必須ではない。
【0030】配電系統のシミュレーション計算の結果か
ら、上位系統2からの電力供給停止時には、前記中間次
数mの注入高調波電流Im による、前記受電点Aにおけ
る当該中間次数mの高調波電圧Vm が、他の事象変化時
に比べて、大きく上昇することが分かった。これを以下
に詳述する。
【0031】図1の配電系統のシミュレーションモデル
を図3に示す。シミュレーション条件は、6.6kVの
一般的な配電系統を想定して、次のように定めた。な
お、ここでは6.6kV、10MVAをベースとし、そ
れを1puとしている。
【0032】受電点A付近の他の分散電源58:容量
2000kVA(その%Z(パーセントインピーダン
ス)は、自己容量ベースで20%として、10MVAベ
ースで100%(1pu)) 受電点A付近の6%L付きSC56:容量300kV
A 受電点A付近の負荷54:容量2MVA(力率85
%) 配電線10の亘長:4km(そのインピーダンスは1
km当り0.05pu+j0.03pu) 変電所変圧器6の2次母線付近に存在するSC52:
容量7MVA 変電所変圧器6の2次母線付近に存在する負荷50:
SCと並列に容量20MVA(力率85%) 変電所変圧器6の%Z:8%
【0033】図3の配電系統モデルにおいて、受電点A
に上記電流注入装置32から2.5次(即ちm=2.
5。基本波を60Hzとして150Hz)の高調波電流
m を約0.1%注入することとし、その場合に受電点
Aにおける2.5次の高調波電圧Vm を上昇させる事象
変化の種類、2.5次調波電圧の変化およびその変化率
を表1にまとめて示す。なお、この表1中の電圧の値
は、図1に示した計器用変圧器40の2次電圧で示して
いる。
【0034】
【表1】
【0035】この表1から分かるように、変電所4の遮
断器8を開放して上位系統2からの電力供給停止時(事
象変化1)は、停止前に比べて2.5次調波電圧が大き
く上昇しており、その変化率(上昇率)は約173%で
ある。これは、上位系統2からの電力供給停止時には、
変圧器6のインピーダンスが切り離されるため、配電系
統全体の中間次数m(この例ではm=2.5)の高調波
インピーダンスが電力供給時に比べて大きく増加し、こ
こに一定の高調波電流Im を注入するため、この高調波
電流Im による中間次数mの高調波電圧Vm が大きく上
昇するからであると考えられる。
【0036】上位系統2からの電力供給停止時以外で高
調波電圧Vm の上昇を生じさせる事象変化の想定される
ものは、事象変化2〜6として表1中に示している。こ
れ以外には、高調波電圧Vm を上昇させる事象変化は通
常では考えられない。事象変化2〜6での高調波電圧V
m の変化率は、事象変化1の場合に比べて遙かに小さ
い。
【0037】従って、事象変化1の高調波電圧Vm の変
化率(約173%)と、それ以外の事象変化2〜6の高
調波電圧Vm の変化率の内で最大のもの(約120%)
との中間の変化率(例えば130%)を基準値(例えば
図2中の基準値R)として設定し、この基準値を超える
変化率が生じたことを判定することによって、他の事象
変化2〜6を誤検出することなく、上位系統2からの電
力供給が停止したこと(事象変化1)を、即ち上記分散
電源30の単独運転が起こったことを正確に検出するこ
とができる。上記供給停止検出装置42は、このような
判定を行う。
【0038】なお、図2に示した比較器46は、上記の
ような高調波電圧Vm の変化率をそれに対応する基準値
Rと比較するものでも良いし、高調波電圧Vm の大きさ
をそれに対応する基準値Rと比較するものでも良い。高
調波電圧Vm の大きさを比較する場合は、上記基準値R
は、例えば上記中間の上昇率130%に相当する4.0
V程度に設定すれば良い。
【0039】以上のようにして、この発明に係る単独運
転検出装置によれば、分散電源30の単独運転を正確に
検出することができる。
【0040】しかもこの単独運転検出装置では、前述し
た従来の第2の単独運転検出装置の場合と違って、高調
波電圧Vm だけの計測で良く、高調波電流の計測および
インピーダンスまたはアドミタンスの演算は不要である
ので、装置構成を簡素化することができる。例えば従来
の第2の単独運転検出装置の場合は、引込線18に高調
波電流計測用の計器用変流器を接続しておく必要がある
と共に、供給停止検出装置42内に、計測電流を変換す
る回路およびインピーダンス(またはアドミタンス)を
演算する回路等が必要になる。
【0041】更にこの単独運転検出装置では、電圧7k
V以下の高圧配電系統の場合は、電流注入装置32から
注入する高調波電流Im の次数を、基本波の2.7倍未
満(即ち2.7次未満)の非整数倍にしているので、配
電系統に通常存在しているL付きSCによる想定し得る
最低の共振次数を常に避けて計測を行うことができる。
その結果、分散電源30の単独運転をより正確に検出す
ることができる。
【0042】この共振次数について更に説明すると、上
記受電点Aから眺めた配電系統のサセプタンスの高調波
次数に対する変化をシミュレーションした結果の例を図
4および図5に示す。両図中の(A)は上位系統2から
の電力供給時、(B)は当該電力供給停止時である。
【0043】図4は、電圧7kV以下(例えば6.6k
V)の高圧配電系統の場合で、上記受電点Aの近くに1
3%L付きSCが存在していると想定したものである。
高圧配電系統の場合は、L付きSCとしては、6%L付
きSC、8%L付きSCおよび13%L付きSCが存在
し得るけれども、この例のように13%L付きSCの場
合が共振次数が最も小さく、それは図に示すように約
2.7次である。
【0044】従って、上記注入高調波電流Im の中間次
数mをこの2.7次未満としておけば、配電系統にどの
ようなL付きSCが存在しても、注入高調波電流Im
よって配電系統に共振現象を生じさせないので、共振現
象による誤検出の可能性を排除して、分散電源30の単
独運転を正確に検出することができる。
【0045】仮に、注入高調波電流Im の中間次数mを
2.7次以上に設定しておくと、配電系統に存在するL
付きSCの種類(即ちL分の大きさ)や容量等によって
は、設定した次数で共振現象が生じて誤検出を生じる可
能性がある。これを避けるためには、例えば、各配電系
統ごとに共振次数を調べてそれを避ける必要があり、非
常に手間がかかる。またそのようにしても、L付きSC
の設備変更等によって共振次数が変化する場合がある。
このような問題を、中間次数mを2.7次未満にするこ
とによって簡単に解決することができる。
【0046】図5は、電圧7kV超(例えば22kV)
の特別高圧配電系統の場合であり、この場合は、上記高
圧配電系統と違って、L付きSCは6%L付きSCに限
られている。従ってこのL付きSCによる想定し得る最
低の共振次数は、高圧の場合よりも高くなり、それは図
に示すように約3.6次になる。従って特別高圧配電系
統の場合は、上記中間次数mを3.6次未満とすること
ができ、それによって中間次数mの選択の幅(自由度)
が広がる。即ちmは、1<m<3.6(但しm≠2かつ
m≠3)である。
【0047】更にこの単独運転検出装置では、電流注入
装置32から注入する高調波電流I m を、配電系統の基
本波電圧に同期させていると共に、当該注入高調波電流
mによる上記高調波電圧Vm の計測についても、配電
系統の基本波電圧に同期させているので、バックノイズ
の影響を排除して精度良く行うことができる。従ってこ
の理由からも、分散電源30の単独運転をより正確に検
出することができる。
【0048】更に、前述した従来の第1の単独運転検出
装置と違って、この発明の単独運転検出装置では、本来
配電系統に存在しない(存在しても極めて僅かな)、基
本波の非整数倍の中間次数mの高調波電流Im を注入す
るので、小さい流入電流で正確な検出が可能であり、従
って電流注入装置32の小容量化を実現することができ
る。
【0049】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0050】請求項1記載の発明によれば、受電点にお
ける中間次数の高調波電圧が所定の基準値を超えたこと
を判定することによって、上位系統からの電力供給停止
を、即ち分散電源の単独運転を正確に検出することがで
きる。
【0051】しかも、従来の第2の単独運転検出装置の
場合と違って、高調波電圧だけの計測で良く、高調波電
流の計測およびインピーダンスまたはアドミタンスの演
算は不要であるので、装置構成を簡素化することができ
る。
【0052】更に、注入高調波電流の次数を基本波の
2.7倍未満の非整数倍にしているので、配電系統に通
常存在しているL付きSCによる共振を避けて計測を行
うことができ、従って分散電源の単独運転をより正確に
検出することができる。
【0053】また、注入高調波電流を配電系統の基本波
電圧に同期させていると共に、当該注入高調波電流によ
る高調波電圧の計測についても、配電系統の基本波電圧
に同期させているので、バックノイズの影響を排除して
精度良く行うことができる。従ってこの理由からも、分
散電源の単独運転をより正確に検出することができる。
【0054】更に、従来の第1の単独運転検出装置と違
って、本来配電系統に存在しない(存在しても極めて僅
かな)、基本波の非整数倍の中間次数の高調波電流を注
入するので、電流注入装置の小容量化を実現することが
できる。
【0055】請求項2記載の発明によれば、注入高調波
電流の中間次数を3.6次未満とすることができるの
で、中間次数選択の幅(自由度)が広がる、という更な
る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る分散電源の単独運転検出装置を
備える配電系統の一例を示す単線接続図である。
【図2】図1中の供給停止検出装置の一例を示すブロッ
ク図である。
【図3】図1の配電系統のシミュレーションモデルの一
例を示す図である。
【図4】高圧配電系統における上位系統からの電力供給
時(A)および電力供給停止時(B)のサセプタンス特
性の一例を示す図である。
【図5】特別高圧配電系統における上位系統からの電力
供給時(A)および電力供給停止時(B)のサセプタン
ス特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 上位系統 4 変電所 10、11 配電線 14、15 分散電源を有する需要家設備 16 力率改善用コンデンサ(SC) 18 引込線 30 分散電源 32 電流注入装置 42 供給停止検出装置 A 受電点 Vm 高調波電圧 Im 注入高調波電流 S 供給停止検出信号 R 基準値
フロントページの続き (72)発明者 西村 荘治 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 (72)発明者 蓑輪 義文 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 Fターム(参考) 5G066 HA11 HB02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上位系統に変電所を介して電圧が7kV
    以下の高圧の配電線が接続され、この配電線に、分散電
    源を有する需要家設備が接続された構成の配電系統に適
    用されるものであって、 前記配電線から前記需要家設備への引込線に、当該配電
    系統の基本波電圧に同期しており、しかも当該基本波の
    2.7倍未満の非整数倍の中間次数の高調波電流を注入
    する電流注入装置と、 前記需要家設備の受電点における前記中間次数の高調波
    電圧を計測し、この高調波電圧が所定の基準値を超えた
    ときに、前記上位系統からの電力供給が停止したことを
    表す供給停止検出信号を出力する供給停止検出装置とを
    備えることを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。
  2. 【請求項2】 上位系統に変電所を介して電圧が7kV
    を超える特別高圧の配電線が接続され、この配電線に、
    分散電源を有する需要家設備が接続された構成の配電系
    統に適用されるものであって、 前記配電線から前記需要家設備への引込線に、当該配電
    系統の基本波電圧に同期しており、しかも当該基本波の
    3.6倍未満の非整数倍の中間次数の高調波電流を注入
    する電流注入装置と、 前記需要家設備の受電点における前記中間次数の高調波
    電圧を計測し、この高調波電圧が所定の基準値を超えた
    ときに、前記上位系統からの電力供給が停止したことを
    表す供給停止検出信号を出力する供給停止検出装置とを
    備えることを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100421329C (zh) * 2005-09-30 2008-09-24 欧姆龙株式会社 单独运转检测装置和单独运转检测装置的控制方法
JP2017005859A (ja) * 2015-06-10 2017-01-05 日新電機株式会社 分散電源の単独運転検出装置

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