JP3917627B2 - 分散電源の単独運転検出装置 - Google Patents

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この発明は、上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する分散電源保有設備が接続された構成の配電系統に適用されるものであって、分散電源の単独運転を検出する単独運転検出装置に関し、より具体的には、単独運転検出のために複数次数の注入電流を注入する電流注入装置の構成を簡素化して、電流注入装置ひいては単独運転検出装置の小型化を可能にする手段に関する。
配電線には、近年、風力発電、廃棄物発電、小水力発電、コジェネレーション(複合発電)等の発電設備が接続されることが盛んになってきた。このような発電設備は、分散電源と呼ばれる。
系統事故等によって電力会社の変電所の遮断器が開放されて、上位系統からの電力供給が停止したときに、分散電源が運転(即ち単独運転)を続けていると、上位系統からの電力供給が停止したにもかかわらず配電線に電圧が印加され続けることになるので、感電事故等が発生する恐れがある。そこで、第1ステップとして、このような上位系統からの電力供給の停止、即ち分散電源の単独運転を確実に検出する必要がある。更に第2ステップとして、当該分散電源を配電系統から切り離す(解列する)必要がある。
分散電源の単独運転を検出する装置の一例として、上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する分散電源保有設備が接続された構成の配電系統に適用される単独運転検出装置であって、前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数(例えば2.4次、2.5次等)であってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入する電流注入装置と、前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の、前記複数の注入次数の内の1以上の注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを計測し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えている単独運転検出装置が既に提案されている(例えば特許文献1参照)。
複数次数の注入電流を使用するのは、仮に一つの注入次数において配電系統のインピーダンスまたはアドミタンスを正しく計測することができなくても、他の注入次数において配電系統のインピーダンスまたはアドミタンスを正しく計測して、上位系統からの電力供給停止をより確実に検出することができるからである。
上記のような複数次数の注入電流を注入する電流注入装置は、特許文献1にはその構成が記載されていないけれども、従来は次の2種類があった。
(1)第1の電流注入装置100は、図15に示すように、配電系統の基本波電圧の非整数倍次数(即ち帯小数次数)mであってしかも互いに次数が異なる複数の次数をm1、m2、m3とすると、この三つの注入次数m1、m2、m3の正弦波の注入信号Sm1、Sm2、Sm3をそれぞれ発生させる3台の注入信号発生器102〜104と、それらからの注入信号Sm1、Sm2、Sm3を合成(加算)する加算器106と、それからの合成信号Sm1+Sm2+Sm3を増幅して注入電流Km として出力する正弦波増幅器108と、前記引込線側から配電系統の基本波電圧が正弦波増幅器108に印加されるのを阻止する(カットする)直列コンデンサ110とを備えた構成のものである。
(2)第2の電流注入装置は、非特許文献1に記載されているように(946(60)頁図4およびその説明参照)、前記非整数倍次数(例えばm1)の方形波電圧を発生する方形波電圧発生器に直列に、当該非整数倍次数(例えばm1)の周波数とほぼ同じ共振周波数を有する直列LC共振回路を接続して成り、当該非整数倍次数(例えばm1)の正弦波状の注入電流を出力する電流注入回路を、注入次数の数だけ(例えば、注入次数m1、m2、m3の3回路)並列接続した構成のものである。
特開2001−251767号公報(段落0009−0010、図1) 山本文雄、外3名、「分散電源の単独運転検出装置の開発−次数間高調波注入方式−」、電気設備学会誌、社団法人電気設備学会、平成16年12月10日、第24巻、第12号、頁943(57)−952(66)
上記第1および第2の電流注入装置のいずれも、構成が複雑であり、当該電流注入装置ひいては単独運転検出装置の小型化を阻害しているという課題がある。
即ち、第1の電流注入装置100では、注入次数の数だけの注入信号発生器102〜104等が必要であり、それに加えて加算器106、正弦波増幅器108および直列コンデンサ110が必要であるので、構成が複雑であり、そのぶん小型化を阻害している。
また、正弦波増幅器108としてPWM(パルス幅変調)回路が用いられることが多いが、PWM回路はスイッチング時の電力損失(スイッチングロス)が大きいので、そのぶん熱の発生が多く、しかも注入電流を大きくするほど熱の発生は多くなるので、この観点からも電流注入装置の小型化を阻害していた。
第2の電流注入装置でも、方形波電圧発生器およびそれに対応する直列LC共振回路を有する電流注入回路が注入次数の数だけ必要であるので、構成が複雑であり、そのぶん小型化を阻害している。
そこでこの発明は、複数次数の注入電流を注入する電流注入装置の構成の簡素化を図ることによって、電流注入装置ひいては単独運転検出装置の小型化を可能にすることを第1の目的としている。
また、従来は、上記注入次数として、上記両文献にも記載されているように、配電系統に存在する誘導リアクタンス成分と力率改善用コンデンサの容量リアクタンスとの共振現象の影響を受けにくくするために、4次未満を使用していた。
ところが、例えば特別高圧(即ち電圧が7kV超)配電系統のように、短絡容量が小さい(換言すれば系統のインピーダンスが小さい)配電系統に接続された分散電源保有設備から当該配電系統へ注入電流を注入する場合、前記受電点から眺めた配電系統のインピーダンスは小さいので、注入電流が小さいと、注入次数の電圧が小さくてそれを精度良く検出するのが難しく、従って、注入次数のインピーダンスまたはその逆数であるアドミタンスを精度良く検出するのが難しい。
この対策として、注入次数を高くする、例えば4次以上にすることが考えられる。そのようにすると、前記受電点から眺めた配電系統のインピーダンスは、一般的に誘導リアクタンス成分が主成分であり、これはjmx(jは虚数単位、mは注入次数、xは1次の誘導リアクタンス成分)として表され計測される。従って、注入次数mを高くする(即ちmを大きくする)と、同じ注入電流量でも注入次数に比例して高い電圧が発生してそれを計測することになるので、当該電圧の計測ひいてはインピーダンスまたはアドミタンスの計測が容易になり高精度になる。
しかし、前述したように、注入次数として4次以上を使用すると、その注入次数で、配電系統に存在する誘導リアクタンス成分と力率改善用コンデンサの容量リアクタンスとの共振現象の影響を受けやすくなり、単独運転の検出が困難になるという課題がある(例えば、非特許文献1の947(61)頁参照)。
より具体例を挙げると、特別高圧配電線に、高圧バンク変圧器、高圧需要家設備およびリアクトル無し(L無し)力率改善用コンデンサを有する高圧(即ち電圧が7kV以下)配電バンクが接続されていると(いずれも図1の高圧バンク変圧器42、高圧需要家設備44、力率改善用コンデンサ46、高圧配電バンク16参照)、注入次数において、高圧バンク変圧器の誘導リアクタンスとL無し力率改善用コンデンサの容量リアクタンスとによる直列共振が発生する可能性があり、その場合は、単独運転状態となっても、前記受電点から眺めた配電系統の注入次数のインピーダンスは大きくならず(換言すれば、アドミタンスは小さくならず)、電圧も大きくならず、従って単独運転を検出することができなくなる。
以上のように、注入次数を4次以上にすると、注入次数成分の電圧を大きくできる反面、配電系統における直列共振現象の影響を受けて単独運転の検出が困難になるという課題が生じる。特に、特別高圧配電線には上記のような高圧配電バンクが接続されている場合が一般的であるので、特別高圧配電線に4次以上の注入電流を注入する場合は上記直列共振現象の影響を受けやすい。
そこでこの発明は、4次以上の注入次数を使用し、しかも配電系統における直列共振現象の影響を排除して分散電源の単独運転を精度良く検出することができるようにすることを第2の目的としている。
上記第1の目的を達成するために、この発明に係る単独運転検出装置の一つは、(a)前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数であってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入する電流注入装置と、(b)前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の、前記複数の注入次数の内の1以上の注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを計測し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ(c)前記電流注入装置は、前記非整数倍次数の方形波電圧を発生する方形波電圧発生器と、当該方形波電圧発生器の出力ラインに直列に接続されたインダクタおよびコンデンサを有しておりかつ当該方形波電圧発生器から発生させる方形波電圧の周波数の奇数倍とは異なる共振周波数を有する直列共振回路とを備えていて、前記非整数倍次数であってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を成分として含有する注入電流を注入するものである、ことを特徴としている。
なお、この明細書において奇数倍とは、1倍、3倍、5倍、7倍、・・・である。
この単独運転検出装置によれば、電流注入装置は、前記非整数倍次数であってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を成分として含有する注入電流を注入するので、方形波電圧発生器と直列共振回路とを備える1台の電流注入装置によって、実質的に複数次数の注入電流を注入することができる。
上記第1および第2の目的を達成するために、この発明に係る単独運転検出装置の他のものは、(a)前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数であってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入する電流注入装置と、(b)前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の、前記複数の注入次数の内の1以上の注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを計測し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ(c)前記電流注入装置は、前記非整数倍次数の方形波電圧を発生する方形波電圧発生器と、当該方形波電圧発生器の出力ラインに直列に接続されたインダクタおよびコンデンサを有しておりかつ当該方形波電圧発生器から発生させる方形波電圧の周波数の奇数倍とは異なる共振周波数を有する直列共振回路とを備えていて、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を成分として含有する注入電流を注入するものであり、(d)前記供給停止検出装置は、前記複数の注入次数の内から、前記引込線における各注入次数の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における前記インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出するものである、ことを特徴としている。
この単独運転検出装置によれば、電流注入装置は、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を高調波成分として含有する注入電流を注入するので、方形波電圧発生器と直列共振回路とを備える1台の電流注入装置によって、実質的に複数次数の注入電流を注入することができる。
しかも、電流注入装置から、実質的に、4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入するので、その注入次数の内でたまたま配電系統における直列共振次数と一致したものがあって、分散電源の単独運転時に当該一致した注入次数の電圧が大きくならなくても、それ以外の注入次数の電圧は予定どおり大きくなる。
そして供給停止検出装置は、複数の注入次数の内から、引込線における各注入次数の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択して単独運転検出に用いるので、上記直列共振次数と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転検出を行うことができる。
前記供給停止検出装置は、(a)前記複数の注入次数の前記インピーダンスまたはアドミタンスをそれぞれ計測し、当該各注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定する複数の判定手段と、(b)前記複数の注入次数の内から、前記引込線における各注入次数の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段と、(c)前記次数選択手段によって選択された注入次数についての前記判定手段からの出力のみを有効化する有効化手段とを備えていても良い。
上記第1および第2の目的を達成するために、この発明に係る単独運転検出装置の更に他のものは、(a)前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数であってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入する電流注入装置と、(b)前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の、前記複数の注入次数の内の1以上の注入次数のアドミタンスを計測し、当該アドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ(c)前記電流注入装置は、前記非整数倍次数の方形波電圧を発生する方形波電圧発生器と、当該方形波電圧発生器の出力ラインに直列に接続されたインダクタおよびコンデンサを有しておりかつ当該方形波電圧発生器から発生させる方形波電圧の周波数の奇数倍とは異なる共振周波数を有する直列共振回路とを備えていて、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を成分として含有する注入電流を注入するものであり、(d)前記供給停止検出装置は、前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記アドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における前記アドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出するものである、ことを特徴としている。
この単独運転検出装置によれば、電流注入装置は、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を高調波成分として含有する注入電流を注入するので、方形波電圧発生器と直列共振回路とを備える1台の電流注入装置によって、実質的に複数次数の注入電流を注入することができる。
しかも、電流注入装置から、実質的に、4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入するので、その注入次数の内でたまたま配電系統における直列共振次数と一致したものがあって、分散電源の単独運転時に当該一致した注入次数のアドミタンスが小さくならなくても、それ以外の注入次数のアドミタンスは予定どおり小さくなる。
そして供給停止検出装置は、複数の注入次数の内から、各注入次数のアドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択して単独運転検出に用いるので、上記直列共振次数と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転検出を行うことができる。
前記供給停止検出装置は、(a)前記複数の注入次数の前記アドミタンスをそれぞれ計測し、当該各注入次数のアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定する複数の判定手段と、(b)前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記アドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段と、(c)前記次数選択手段によって選択された注入次数についての前記判定手段からの出力のみを有効化する有効化手段とを備えていても良い。
上記第1および第2の目的を達成するために、この発明に係る単独運転検出装置の更に他のものは、(a)前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数であってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入する電流注入装置と、(b)前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の、前記複数の注入次数の内の1以上の注入次数のインピーダンスを計測し、当該インピーダンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ(c)前記電流注入装置は、前記非整数倍次数の方形波電圧を発生する方形波電圧発生器と、当該方形波電圧発生器の出力ラインに直列に接続されたインダクタおよびコンデンサを有しておりかつ当該方形波電圧発生器から発生させる方形波電圧の周波数の奇数倍とは異なる共振周波数を有する直列共振回路とを備えていて、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を成分として含有する注入電流を注入するものであり、(d)前記供給停止検出装置は、前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記インピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における前記インピーダンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出するものである、ことを特徴としている。
この単独運転検出装置によれば、電流注入装置は、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を高調波成分として含有する注入電流を注入するので、方形波電圧発生器と直列共振回路とを備える1台の電流注入装置によって、実質的に複数次数の注入電流を注入することができる。
しかも、電流注入装置から、実質的に、4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入するので、その注入次数の内でたまたま配電系統における直列共振次数と一致したものがあって、分散電源の単独運転時に当該一致した注入次数のインピーダンスが大きくならなくても、それ以外の注入次数のインピーダンスは予定どおり大きくなる。
そして供給停止検出装置は、複数の注入次数の内から、各注入次数のインピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択して単独運転検出に用いるので、上記直列共振次数と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転検出を行うことができる。
前記供給停止検出装置は、(a)前記複数の注入次数の前記インピーダンスをそれぞれ計測し、当該各注入次数のインピーダンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定する複数の判定手段と、(b)前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記インピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段と、(c)前記次数選択手段によって選択された注入次数についての前記判定手段からの出力のみを有効化する有効化手段とを備えていても良い。
前記電流注入装置は、前記直列共振回路よりも出力側において前記方形波電圧発生器の出力ラインに並列に接続されたコンデンサおよび同出力ラインに直列に接続されたインダクタを有しておりかつ前記方形波電圧発生器から発生させる方形波電圧の周波数の奇数倍とは異なる共振周波数を有する並列共振回路を更に備えており、しかも当該並列共振回路の共振周波数と前記直列共振回路の共振周波数とを互いに異なる周波数にしているものでも良い。
請求項1に記載の発明によれば、方形波電圧発生器と直列共振回路とを備える1台の電流注入装置によって、実質的に複数の次数の注入電流を注入することができるので、複数次数の注入電流を注入する電流注入装置の構成が簡素になり、電流注入装置の小型化が可能になる。
しかも、電流注入装置内に上記のような共振周波数を有する直列共振回路を設けることによって、注入電流に含まれる複数の所望次数成分を大きくして分散電源の単独運転の検出精度を高めることができると共に、必要以上に高い高調波成分が配電系統に注入されて配電系統に悪影響が及ぶことを抑制することができる。
請求項2〜7に記載の発明によれば、上記のような電流注入装置を備えているので、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。
しかも、上記のような電流注入装置および供給停止検出装置を備えているので、配電系統における直列共振と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して分散電源の単独運転検出を行うことができる。その結果、4次以上の注入次数を使用し、しかも配電系統における直列共振現象の影響を排除して分散電源の単独運転を精度良く検出することができる。
更に、4次以上の注入次数を使用することによって、従来の4次未満の注入次数を使用する場合に比べて、注入電流を大きくしなくても、注入次数成分の電圧、インピーダンスまたはアドミタンスの計測が容易になり高精度になるので、単独運転を精度良く検出することができるようになる。従って、注入電流を大きくしなくて済むぶん、電流注入装置の容量を小さくして、電流注入装置の小型化ひいては単独運転検出装置の小型化が可能になる。
請求項8に記載の発明によれば、電流注入装置内に上記のような共振周波数を有する並列共振回路を更に設けたことによって、注入電流に含まれていて大きさがある程度大きい所望次数成分の数をより多くすることができる、という更なる効果を奏する。
図1は、この発明に係る分散電源の単独運転検出装置を備える配電系統の一例を示す単線接続図である。
この配電系統は、上位系統2に変電所4を介して配電線10が接続された構成をしている。変電所4は、変圧器6と、その2次側と配電線10とを接続する遮断器8とを備えている。なお、電圧が7kVを超える特別高圧の場合の配電線は、特別高圧電線路と呼ばれるが、この明細書では、この場合も統一して配電線と呼ぶことにしている。
配電線10は、この例では、特別高圧(即ち電圧が7kV超)の配電線であり、その電圧は、例えば11kV、22kV、33kV、66kV、77kVである。但し配電線10は、高圧(即ち電圧が7kV以下)の配電線でも良く、その場合の電圧は、例えば3.3kV、6.6kVである。
配電線10には、この例では特高需要家設備12、分散電源を有する分散電源保有設備14および高圧配電バンク16が接続されている。
高圧配電バンク16は、前述したように、高圧バンク変圧器42、高圧需要家設備44およびL無し力率改善用コンデンサ46を有している。
この例では、配電線10に受電点Pで接続された分散電源保有設備14内に、以下に説明するような単独運転検出装置30を設けている。
分散電源保有設備14においては、その受電点Pに引込線18および遮断器20を介して構内母線22が接続されている。この構内母線22に、構内負荷24および変圧器26を介して分散電源28が接続されており、分散電源28から当該配電系統の基本波に同期した電力を構内母線22に供給するようにしている。これを連系運転と呼ぶ。
系統事故等の際には、変電所4の遮断器8が開放される。その際、前述したように、分散電源28が運転(即ち単独運転)していると、感電事故等が発生する恐れがあるので、分散電源28の単独運転を確実に検出し、更には遮断器20を開放して分散電源28を配電系統から切り離す(解列する)必要がある。
そのために、この実施形態ではこの分散電源保有設備14内に、分散電源28の単独運転を検出する単独運転検出装置30を設けている。この単独運転検出装置30は、電流注入装置32と、供給停止検出装置34とを備えている。
引込線18には、当該引込線18における電圧および電流を計測する計器用変圧器38および計器用変流器40が接続されており、これら38、40で計測して得られる計測電圧Vt および計測電圧It が供給停止検出装置34に供給される。
電流注入装置32は、この例では電圧整合用の変圧器36を介して、引込線18に、ひいては受電点Pおよび配電線10に、当該配電系統の基本波電圧の非整数倍次数(即ち帯小数次数)mであってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を成分(基本波成分および高調波成分)として含有する注入電流Jm を注入するものである。
まず、電流注入装置32について詳述する。この電流注入装置32のより具体例を図2に示す。この電流注入装置32は、前記非整数倍次数m(例えば2.3次、2.5次等)の方形波電圧RVm を発生する方形波電圧発生器50と、この方形波電圧発生器50の出力ラインに直列に接続されたコンデンサ52およびインダクタ53を有する直列共振回路(直列LC共振回路)54とを備えている。この直列共振回路54は、方形波電圧発生器50から発生させる方形波電圧RVm の周波数の奇数(1、3、5、7、・・・)倍とは異なる(換言すれば、奇数倍から離れた)共振周波数を有している。この直列共振回路54は、このような共振周波数を有している点で、前記非特許文献1に記載されている前記直列LC共振回路とは大きく異なる。
このような1台の電流注入装置32によって、実質的に複数次数の注入電流を注入することができる。より具体的には、上記非整数倍次数mの奇数倍の次数の注入電流を成分として含有する注入電流Jm を注入することができる。換言すれば、これら複数次数の注入電流を合成した注入電流Jm を注入することができる。例えば、上記非整数倍次数mが2.5次の場合、配電系統の基本波を基準にして2.5次、7.5次、12.5次、17.5次等の注入電流を成分として含有する注入電流Jm を注入することができる。この原理を図6〜図14を参照して説明する。
図6は、前記方形波電圧発生器50と直列共振回路54とから成るモデル回路図である。この回路は、方形波電圧発生器50からの方形波電圧RVm によって、直列共振回路54を通して、注入電流Jm を流す(出力する)ことができる。方形波電圧RVm は、方形波のフーリエ級数展開式に従って次式で表される。ここで、方形波電圧RVm の大きさは1としている。tは時間、mは方形波電圧RVm の前記次数、fm はその周波数、ωm はその角周波数(ωm =2πfm )である。nは、前記非整数倍次数mを1次(即ち基本波。以下同様)とする次数であり、奇数の自然数(1、3、5、7、・・・)である。従って、以下の電圧、電流は、配電系統の基本波を基準にすると、n・m次となる。
[数1]
RVm ={4/π}・{sinωmt+(1/3)sin3ωm
+(1/5)sin5ωmt+・・・+(1/n)sinnωmt}
上記式は、方形波電圧RVm が、下記の電圧を成分として含有していて、これらの電圧を合成したものであることを示している。
(1)基本波(1次)周波数fm の電圧V1 ・・・大きさ4/π
(2)3次高調波周波数3fm の電圧V3 ・・・大きさ4/3π
(3)5次高調波周波数5fm の電圧V5 ・・・大きさ4/5π
・・・
(4)n次高調波周波数nfm の電圧Vn ・・・大きさ4/nπ
次に、直列共振回路54の各次数nのインピーダンスZn は次式で表される。ここで、Cはコンデンサ52の静電容量、Lはインダクタ53のインダクタンスであり、jは虚数単位である。
[数2]
n ={1−(nω)2 LC}/jnωC
従って、次数nの電流In は次式で表される。
[数3]
n =Vn /Zn
=(4/nπ)/[{1−(nω)2 LC}/jnωC]
=j(4/π)ωC/{1−(nω)2 LC}
|In |=(4/π)ωC/|1−(nω)2 LC|
上記式は、注入電流Jm が、下記の複数の各次数の電流を成分として含有するものであることを示している。換言すれば、下記電流を合成したものとして流れることを示している。
(1)基本波(1次)周波数fm の電流I1 ・・・大きさ(4/π)ωC/|1−(ω2 LC)|
(2)3次高調波周波数3fm の電流I3 ・・・大きさ(4/π)ωC/|1−9(ω2 LC)|
(3)5次高調波周波数5fm の電流I5 ・・・大きさ(4/π)ωC/|1−25(ω2 LC)|
・・・
(4)n次高調波周波数nfm の電流In ・・・大きさ(4/π)ωC/|1−n2(ω2 LC)|同上
この場合、仮に、直列共振回路54の共振周波数が、方形波電圧RVm の周波数fm の奇数倍、例えば3fm (即ち上記次数n=3)と一致していると、直列共振回路54における直列共振によって、その奇数倍の電流I3 の上記大きさの分母のみが0近くになって、注入電流Jm の成分は3次高調波周波数3fm のみとなり、一つの次数3m次の注入電流しか流すことができない。前記非特許文献1に記載されている電流注入回路は、この方式によるものである。
これに対して、この実施形態では、直列共振回路54の共振周波数を、方形波電圧RVm の周波数fm の奇数倍とは異ならせているので、直列共振回路54の共振周波数に近い複数の次数の注入電流を成分として含有する注入電流Jm を流すことができる。これを詳述すると、直列共振回路54の共振周波数が方形波電圧RVm の周波数fm の奇数倍と異なっていても、次の2条件を満たす周波数成分の電流は、比較的多く流すことができる。即ち、当該2条件を満たす次数の注入電流を比較的大きな値の成分として含有する注入電流Jm を流すことができる。
(a)直列共振回路54の共振周波数に近いこと。
(b)方形波電圧RVm にその周波数成分が多く含まれていること。
図9に示すように、方形波電圧RVm には、上記次数nで言えば、1次、3次、5次、7次、9次、11次の成分が多く含まれており、これらは上記(b)の条件を満たしている。
一方、上記(a)の条件を満たすのは、典型的には、直列共振回路54の共振周波数(換言すれば共振次数)のすぐ下側およびすぐ上側の奇数倍次数であり、もう少し範囲を広げるとしても、せいぜい直列共振回路54の共振次数の二つ下側および二つ上側の奇数倍次数までである。
従って、例えば、直列共振回路54の共振次数を、上記次数n=4.5として4.5m次とすると、3m次成分および5m次成分を大きな値の成分として含有する注入電流Jm を流すことができる。また、この注入電流Jm には、1m次成分および7m次成分も比較的大きな値で含まれている(図11も参照)。
なお、現実の電気回路には必ず抵抗分が存在するので、小さな値の抵抗56を出力ラインに直列に挿入した、より現実に近いモデル回路を図7に示す。図2に示す電流注入装置32は、等価的にはこの回路に近いものである。またこの回路でシミュレーションを行った方形波電圧RVm 、注入電流Jm の波形とその周波数特性を図8〜図11に示す。
ここで、方形波電圧RVm の周波数fm は150Hz(即ち、配電系統の基本波を60Hzとすると2.5次。即ち、上記次数m=2.5)、大きさは100V、コンデンサ52の静電容量Cは225μF(リアクタンスは150Hzで約−j4.7Ω)、インダクタ53のインダクタンスLは0.3mH(リアクタンスは150Hzで約j0.28Ω)、抵抗56の抵抗値Rは0.1Ωとした。このコンデンサ52およびインダクタ53から成る直列共振回路54の共振周波数は650Hzである。即ち、方形波電圧RVm の周波数fm の4.33倍(即ち、上記次数n=4.33)である。
図9に示すように、図8に示す方形波電圧RVm の周波数特性は、理論どおり、次数nの高調波成分の大きさが、基本波成分に対して1/nの割合で小さくなっている。
図7の回路に流れる注入電流Jm の波形を図10に示す。これは、正弦波状でもパルス状でもなく、強いて言えば位相跳躍を持つ共振波形と言うことができる。
図10に示す注入電流Jm の周波数特性を図11に示す。上記次数nで言って3次(上記次数mを用いると3m次)および5次(同5m次)の高調波成分が大きいのに対して、7次(同7m次)以上の高調波成分は非常に小さくなっている。
これからも分かるように、電流注入装置32に上記のような共振周波数を有する直列共振回路54を用いることによって、注入電流Jm に含まれる複数の所望次数成分(例えば3m次および5m次)を大きくして分散電源28の単独運転の検出精度を高めることができると共に、必要以上に高い高調波成分が配電系統に注入されて配電系統に悪影響が及ぶ(例えば系統電圧を歪ませる)ことを抑制することができる。
しかも、図2に示す1台の電流注入装置32によって、即ち方形波電圧発生器50と直列共振回路54とを備える1台の電流注入装置32によって、実質的に複数の次数の注入電流を注入することができるので、複数次数の注入電流を注入する電流注入装置32の構成が簡素になり、電流注入装置32の小型化が可能になる。
なお、電流注入装置32のコンデンサ52、インダクタ53と比較して、変圧器36等を含めた配電系統側の回路要素のインピーダンスは遙かに低いので、配電系統側の回路要素のインピーダンスは前記特性に殆ど影響を与えないと言える。
また、前記非整数倍次数mのn倍の次数が、配電系統の基本波の整数倍とならないかとの懸念について検討すると、例えば非整数倍次数mを上記例のように2.5次とすると、その奇数高調波成分の、配電系統の基本波を基準にした次数は下記となる。
(1)3次高調波(3m)の場合・・・7.5次
(2)5次高調波(5m)の場合・・・12.5次
(3)7次高調波(7m)の場合・・・17.5次
このように、次数mは非整数倍次数であるので、任意の奇数の次数nで配電系統基本波次数の整数倍となることを避けることができる。即ち、任意の奇数の次数nに対して、必ず非整数倍次数とすることができる。
また、上記説明からも分かるように、上記電流注入装置32によれば、1台の電流注入装置32によって、実質的に、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を高調波成分として含有する注入電流Jm を注入することができる。
電流注入装置32は、その方形波電圧発生器50から発生させる方形波電圧RVm の周波数の奇数倍とは異なる共振周波数をそれぞれ有し、しかも当該共振周波数が互いに異なる共振回路を2段に接続した構成としても良い。即ち、電流注入装置32は、例えば図12にシミュレーションモデル回路を示すように、前記直列共振回路54よりも出力側において方形波電圧発生器50の出力ラインに並列に接続されたコンデンサ57および同出力ラインに直列に接続されたインダクタ58を有しておりかつ方形波電圧発生器50から発生させる方形波電圧RVm の周波数の奇数倍とは異なる共振周波数を有する並列共振回路(並列LC共振回路)60を更に備えており、しかも当該並列共振回路60の共振周波数と直列共振回路54の共振周波数とを互いに異なる周波数にした構成のものでも良い。注入電流Jm は、実際の電流注入装置32では、図2の例の場合と同様に、変圧器36を経由して出力される。
図12の回路に流れる注入電流Jm の波形も、図13に示すように、位相跳躍を持つ共振波形と言うことができる。
図13に示す注入電流Jm の周波数特性を図14に示す。上記次数nで言って3次(上記次数mを用いると3m次)、5次(同5m次)および7次(同7m次)の高調波成分の値が大きいのに対して、9次(同9m次)以上の高調波成分の値は非常に小さくなっている。
これから分かるように、上記のように互いに異なる共振周波数を有するLC共振回路を2段(即ち直列共振回路54および並列共振回路60)設けることによって、注入電流Jm に含まれていて大きさがある程度大きい所望次数成分の数を、図2、図7の例よりも多くすることができる。しかも、次数の大きな不所望の高調波成分を急激に小さくすることができる。
次に、図1中の供給停止検出装置34について詳述する。上記のようにして電流注入装置32から実質的に複数次数の注入電流を注入する場合、供給停止検出装置34としては、前記分散電源保有設備14の受電点Pから眺めた前記配電系統の、前記複数の注入次数の内の1以上の注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを計測し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統2からの電力供給が停止したことを検出する公知の供給停止検出装置(例えば、前記特許文献1に記載の供給停止検出装置)を使用しても良い。
しかし、注入次数および計測(検出)次数として4次以上を使用する場合は、以下に述べるような供給停止検出装置34を採用するのが好ましい。
以下の実施形態では、上記4次以上の複数の次数が三つの場合を例に説明するけれども、この発明は三つに限られるものではない。三つの非整数倍次数(即ち注入次数)をm1、m2、m3とする。これらは、例えば前述した7.5次、12.5次、17.5次(いずれも配電系統の基本波を基準)であるが、これに限られるものではない。
供給停止検出装置34は、前記複数の注入次数の内から、具体的にはこの実施形態では前記三つの注入次数m1、m2、m3の内から、以下に述べる手段によって1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における、前記受電点Pから眺めた配電系統のインピーダンスまたはアドミタンスを上記計測電圧Vt および計測電流It に基づいて算出し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、上位系統2からの電力供給が停止したことを判定して、上位系統2からの電力供給が停止したことを表す、即ち分散電源28の単独運転を表す供給停止検出信号Sを出力するものである。この例では、この供給停止検出信号Sに応答して遮断器20が開放される。
上記1以上の注入次数を選択する手段には、大別して以下の三つがある。
(1)引込線18における各注入次数m1、m2、m3の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択する手段。
(2)各注入次数m1、m2、m3の前記アドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択する手段。
(3)各注入次数m1、m2、m3の前記インピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択する手段。
供給停止検出装置34のより具体例を図3に示す。この供給停止検出装置34は、上記(1)の選択手段を採用した場合の例である。
この供給停止検出装置34は、上記計測電圧Vt 、計測電流It を受けて、後述する離散フーリエ変換器71〜76でのサンプリングに不要な成分を除去するローパスフィルタ62、64と、それから出力されるアナログの電圧、電流をディジタルに変換して電圧Vd 、電流Id をそれぞれ出力するAD変換器66、68とを備えている。このAD変換器66、68から出力される電圧Vd 、電流Id は、電圧用の三つの離散フーリエ変換器71〜73、電流用の三つの離散フーリエ変換器74〜76にそれぞれ供給される。
離散フーリエ変換器71〜73は、計測電圧Vt をディジタル化した上記電圧Vd をそれぞれフーリエ変換して、上記三つの次数m1、m2、m3の電圧Vm1、Vm2、Vm3をそれぞれ抽出して出力する。
離散フーリエ変換器74〜76は、計測電流It をディジタル化した上記電流Id をそれぞれフーリエ変換して、上記三つの注入次数m1、m2、m3の電流Im1、Im2、Im3をそれぞれ抽出して出力する。
なお、上記電圧Vm1〜Vm3、電流Im1〜Im3、後述するアドミタンスYm1〜Ym3、インピーダンスZm1〜Zm3は、いずれも複素数の形で表される。
離散フーリエ変換器71からの電圧Vm1および離散フーリエ変換器74からの電流Im1は演算器81に供給され、離散フーリエ変換器72からの電圧Vm2および離散フーリエ変換器75からの電圧Im2は演算器82に供給され、離散フーリエ変換器73からの電圧Vm3および離散フーリエ変換器76からの電流Im3は演算器83に供給される。各演算器81〜83は、供給された上記電圧および電流を用いて、各注入次数m1、m2、m3のアドミタンスYm1、Ym2、Ym3をそれぞれ次式に従って演算し、更にこの例ではそれらの絶対値|Ym1|、|Ym2|、|Ym3|を演算して出力し、それらを比較器86〜88にそれぞれ供給する。
[数4]
m1=Im1/Vm1
m2=Im2/Vm2
m3=Im3/Vm3
各比較器86〜88は、上記各アドミタンスの絶対値|Ym1|、|Ym2|、|Ym3|を所定の基準値R1 、R2 、R3 とそれぞれ比較して、前者(アドミタンスの絶対値)が後者(基準値)よりも小さいときに、出力S1 、S2 、S3 をそれぞれオンにする。これは、変電所遮断器8が開放されて上位系統2からの電力供給が停止して単独運転状態になると、配電線10に接続されていた変電所変圧器6の並列インピーダンスが無くなって、配電系統のインピーダンスが非常に大きくなる、換言すれば配電系統のアドミタンスが非常に小さくなるからである。これによって上位系統2からの電力供給を注入次数m1、m2、m3のそれぞれについて判定することができる。各基準値R1 、R2 、R3 の大きさは、例えば、連系運転時の各アドミタンスの絶対値|Ym1|、|Ym2|、|Ym3|のそれぞれ1/2程度にすれば良い。
なお、上記出力S1 〜S3 、以下に述べる出力S4 〜S9 および出力E1 〜E3 をオンにするということは、論理値で言えば「1」にすることであり、オン時以外のオフ時は「0」にすることである。
各比較器86〜88からの出力S1 〜S3 は、カウンタ91〜93にそれぞれ供給される。各カウンタ91〜93は、各出力S1 〜S3 のオンの継続時間が所定の整定時間(例えば0.3秒〜1.0秒)以上でセット状態になって各出力S4 〜S6 をそれぞれオンにし、各出力S1 〜S3 がオフになるとリセットされると共に各出力S4 〜S6 をそれぞれオフにする。このようなカウンタ91〜93を設けておくと、単独運転以外の何らかの原因による前記アドミタンスの瞬時変動による誤検出を防止することができる。
上記ローパスフィルタ62、64、AD変換器66、68、離散フーリエ変換器71〜76、演算器81〜83、比較器86〜88およびカウンタ91〜93は、前記複数の注入次数m1〜m3の前記アドミタンスYm1〜Ym3をそれぞれ計測し、当該各注入次数m1〜m3のアドミタンスYm1〜Ym3の変化から、上位系統2からの電力供給が停止したことを各注入次数m1〜m3ごとに判定する複数(この例では三つ)の判定手段を構成している。
この供給停止検出装置34は、更に、前記複数の注入次数m1〜m3の内から、前記引込線18における各注入次数m1〜m3の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段を構成する次数選択器96を備えている。
より具体的には、この次数選択器96には、引込線18における各注入次数m1〜m3の電圧に対応する前記電圧Vm1〜Vm3が離散フーリエ変換器71〜73から供給(入力)される。この入力電圧Vm1、Vm2、Vm3は、出力E1 、E2 、E3 にそれぞれ対応している。次数選択器96は、各電圧Vm1〜Vm3の絶対値|Vm1|、|Vm2|、|Vm3|をそれぞれ演算する手段を有していて、当該絶対値|Vm1|、|Vm2|、|Vm3|の中で最大値を取るものに対応する一つの出力E1 、E2 またはE3 をオンにする。例えば、|Vm1|が最大値であれば、入力電圧Vm1に対応する出力E1 をオンにする。これによって、一つの注入次数m1が選択されたことになる。
あるいは、次数選択器96は、上記絶対値|Vm1|、|Vm2|、|Vm3|の中から値の大きい順に2以上の対応する出力E1 、E2 またはE3 をオンにするものでも良い。例えば、|Vm1|が一番目に大きく、|Vm2|が二番目に大きいときに、入力電圧Vm1およびVm2にそれぞれ対応する出力E1 およびE2 をオンにする。これによって、二つの注入次数m1およびm2が選択されたことになる。
上記カウンタ91〜93からの出力S4 〜S6 および次数選択器96からの出力E1 〜E3 は、AND回路101〜103にそれぞれ入力される。AND回路101は、出力S4 およびE1 の論理積をとり、両出力S4 およびE4 が共にオンのときに出力S7 をオンにする。同様に、AND回路102は、出力S5 およびE2 が共にオンのときに出力S8 をオンにする。AND回路103は、出力S6 およびE3 が共にオンのときに出力S9 をオンにする。そして、上記出力S7 〜S9 が供給されるOR回路106は、これらの出力の論理和を取り、出力S7 〜S9 の内の少なくとも一つがオンのときに前記供給停止検出信号Sを出力する。
上記AND回路101〜103およびOR回路106は、次数選択器96によって選択された注入次数(m1〜m3の内の1以上)についての前記判定手段からの出力のみ(出力S4 〜S6 の内の1以上)を有効化する有効化手段を構成している。
以上のように、この単独運転検出装置30によれば、電流注入装置32から、実質的に、4次以上の互いに次数が異なる複数の次数m1〜m3の注入電流Jm を注入するので、その注入次数m1〜m3の内でたまたま配電系統における直列共振次数と一致したものがあって、例えば前述したように高圧配電バンク16を構成する高圧バンク変圧器42の誘導リアクタンスとL無し力率改善用コンデンサ46の容量リアクタンスとによって直列共振を起こす次数と一致したものがあって、分散電源28の単独運転時に当該一致した注入次数の電圧が大きくならなくても、それ以外の注入次数の電圧は予定どおり大きくなる。
そして供給停止検出装置34は、複数の注入次数m1〜m3の内から、引込線18における各注入次数の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択して単独運転検出に用いるので、上記直列共振次数と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転検出を行うことができる。
その結果、従来困難であった4次以上の注入次数を使用し、しかも配電系統における直列共振現象の影響を排除して分散電源28の単独運転を精度良く検出することができる。
更に、4次以上の注入次数を使用することによって、従来の4次未満の注入次数を使用する場合に比べて、注入電流Jm を大きくしなくても、注入次数成分の電圧、インピーダンスまたはアドミタンスの計測が容易になり高精度になるので、単独運転を精度良く検出することができるようになる。従って、注入電流Jm を大きくしなくて済むぶん、電流注入装置32の容量を小さくして、電流注入装置32の小型化ひいては単独運転検出装置30の小型化が可能になる。
次に、供給停止検出装置34の構成を変えた他の実施形態を、上記実施形態との相違点を主体に説明する。
次数選択手段を構成する次数選択器96として、上記例のように各注入次数m1〜m3の電圧Vm1〜Vm3の絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択するものの代わりに、図4に示す例のように、各注入次数m1〜m3の前記アドミタンスの絶対値|Ym1|、|Ym2|、|Ym3|が小さい順に1以上の注入次数を選択するものを用いても良い。
図4中の次数選択器96は、上記絶対値|Ym1|、|Ym2|、|Ym3|の中から値の小さい順に、一つまたは2以上の対応する出力E1 、E2 、E3 をオンするものである。これによって、一つまたは2以上の注入次数mを選択することができる。
図4に示す供給停止検出装置34を用いる実施形態の場合も、電流注入装置32から4次以上の互いに次数が異なる複数の次数m1〜m3の注入電流Jm を注入するので、その注入次数m1〜m3の内でたまたま配電系統における直列共振次数と一致したものがあって、分散電源28の単独運転時に当該一致した注入次数のアドミタンスが小さくならなくても、それ以外の注入次数のアドミタンスは予定どおり小さくなる。
そして供給停止検出装置34は、複数の注入次数m1〜m3の内から、各注入次数のアドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択して単独運転検出に用いるので、上記直列共振次数と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転検出を行うことができる。
その結果、従来困難であった4次以上の注入次数を使用し、しかも配電系統における直列共振現象の影響を排除して分散電源28の単独運転を精度良く検出することができる。
更に上述したように、4次以上の注入次数を使用することによって、電流注入装置32の容量を小さくして、電流注入装置32の小型化ひいては単独運転検出装置30の小型化が可能になる。
また、アドミタンスとインピーダンスとは互いに逆数の関係にあるだけなので、例えば図5に示す例のように、複数の判定手段を構成する演算器81〜83において各注入次数m1、m2、m3のインピーダンスZm1、Zm2、Zm3をそれぞれ次式に従って演算し、更にそれらの絶対値|Zm1|、|Zm2|、|Zm3|を演算して出力し、それらを比較器86〜88において所定の基準値R4 、R5 、R6 とそれぞれ比較して、前者(インピーダンスの絶対値)が後者(基準値)よりも大きいときに、出力S1 、S2 、S3 をそれぞれオンにするようにしても良い。
[数5]
m1=Vm1/Im1
m2=Vm2/Im2
m3=Vm3/Im3
上記のようにインピーダンスZm1〜Zm3を用いる場合、次数選択手段を構成する次数選択器96は、図3中に示した例のように電圧Vm1、Vm2、Vm3を用いるものでも良いし、図5中に示す例のようにインピーダンスZm1、Zm2、Zm3を用いるものでも良い。
図5中の次数選択器96は、上記インピーダンスの絶対値|Zm1|、|Zm2|、|Zm3|の中から値の大きい順に、一つまたは2以上の対応する出力E1 、E2 、E3 をオンするものである。これによって、一つまたは2以上の注入次数mを選択することができる。
図5に示す供給停止検出装置34を用いる実施形態の場合も、電流注入装置32から4次以上の互いに次数が異なる複数の次数m1〜m3の注入電流Jm を注入するので、その注入次数m1〜m3の内でたまたま配電系統における直列共振次数と一致したものがあって、分散電源28の単独運転時に当該一致した注入次数のインピーダンスが大きくならなくても、それ以外の注入次数のインピーダンスは予定どおり大きくなる。
そして供給停止検出装置34は、複数の注入次数m1〜m3の内から、各注入次数のインピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択して単独運転検出に用いるので、上記直列共振次数と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転検出を行うことができる。
その結果、従来困難であった4次以上の注入次数を使用し、しかも配電系統における直列共振現象の影響を排除して分散電源28の単独運転を精度良く検出することができる。
更に上述したように、4次以上の注入次数を使用することによって、電流注入装置32の容量を小さくして、電流注入装置32の小型化ひいては単独運転検出装置30の小型化が可能になる。
また、前記非特許文献1にも記載されているように(948(62)頁参照)、アドミタンスまたはインピーダンスの絶対量で監視するよりも、アドミタンスの成分であるサセプタンスで監視する方が、より大きな変化量を利用することができるので、上記演算器81〜83および比較器86〜88を用いての各注入次数m1〜m3ごとの単独運転の判定に、各注入次数m1〜m3のサセプタンスbm1〜bm3の変化量を用いても良い。
アドミタンスYm とサセプタンスbm との関係は次式で表される。ここで、gm はコンダクタンス、jは虚数単位である。即ち、サセプタンスbm は、アドミタンスYm の虚部である。
[数6]
m =Im /Vm =gm +jbm
上記サセプタンスbm は、容量サセプタンスから誘導サセプタンスを引いたものであり、通常は負の値となる。連系運転時に大きな負の値を取っていたサセプタンスbm が、単独運転時には小さな負のサセプタンスbm に変化する。従って、両者の中間に基準値を設定しておけば、単独運転を検出することができる。これを行うには、例えば、図3または図4の演算器81〜83で、各注入次数m1、m2、m3のサセプタンスbm1、bm2、bm3を演算して出力し、それらを比較器86〜88において、上記中間の基準値とそれぞれ比較するようにすれば良い。次数選択器96は、図3または図4に示すものを用いれば良い。図4に示す次数選択器96を用いる場合は、演算器81〜83でアドミタンスの絶対値|Ym1|、|Ym2|、|Ym3|も合わせて算出してそれを用いれば良い。
前記特許文献1に記載の単独運転検出装置は、(a)4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入次数を使用するものではなく、(b)しかも複数の注入次数の内から、配電系統における直列共振と一致した注入次数を避けた注入次数を自動で選択して単独運転を検出するものでもないので、上記実施形態の単独運転検出装置とは全く異なる。
なお、上記次数選択器96を手動操作の選択スイッチにしておいて、あるいは次数選択器96、AND回路101〜103およびOR回路106の代わりに手動操作の切換スイッチを設けておいて、単独運転検出装置30を設置した現地で上記配電系統の直列共振周波数を計測して、単独運転検出に用いる次数を、複数の注入次数の内から、上記計測した共振周波数(共振次数)から離れたものに手動で選択するようにしても良い。その場合でも、現地で機器構成を変更する必要はないので(現地で機器構成を変更する作業には非常に手間がかかる)、簡単に、配電系統の直列共振の影響を排除することができる。
この発明に係る分散電源の単独運転検出装置を備える配電系統の一例を示す単線接続図である。 図1中の電流注入装置の一例を示す回路図である。 図1中の供給停止検出装置の一例を示すブロック図である。 図1中の供給停止検出装置の他の例を示すブロック図である。 図1中の供給停止検出装置の更に他の例を示すブロック図である。 方形波電圧発生器と直列共振回路から成るモデル回路図である。 図6の回路に直列抵抗を加えたシミュレーションモデル回路図である。 図7中の方形波電圧波形の一例を示す図である。 図8の方形波電圧波形の周波数特性を示す図である。 図7中の注入電流波形の一例を示す図である。 図10の注入電流波形の周波数特性を示す図である。 共振回路を直列共振回路と並列共振回路の2段にしたシミュレーションモデル回路図である。 図12中の注入電流波形の一例を示す図である。 図13の注入電流波形の周波数特性を示す図である。 従来の電流注入装置の一例を示すブロック図である。
符号の説明
2 上位系統
4 変電所
10 配電線
14 分散電源保有設備
18 引込線
28 分散電源
30 単独運転検出装置
32 電流注入装置
34 供給停止検出装置
50 方形波電圧発生器
54 直列共振回路
60 並列共振回路
96 次数選択器
m1、m2、m3 注入次数
m 注入電流

Claims (8)

  1. 上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する分散電源保有設備が接続された構成の配電系統に適用されるものであって、
    前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数であってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入する電流注入装置と、
    前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の、前記複数の注入次数の内の1以上の注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを計測し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ
    前記電流注入装置は、前記非整数倍次数の方形波電圧を発生する方形波電圧発生器と、当該方形波電圧発生器の出力ラインに直列に接続されたインダクタおよびコンデンサを有しておりかつ当該方形波電圧発生器から発生させる方形波電圧の周波数の奇数倍とは異なる共振周波数を有する直列共振回路とを備えていて、前記非整数倍次数であってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を成分として含有する注入電流を注入するものである、ことを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。
  2. 上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する分散電源保有設備が接続された構成の配電系統に適用されるものであって、
    前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数であってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入する電流注入装置と、
    前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の、前記複数の注入次数の内の1以上の注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスを計測し、当該インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ
    前記電流注入装置は、前記非整数倍次数の方形波電圧を発生する方形波電圧発生器と、当該方形波電圧発生器の出力ラインに直列に接続されたインダクタおよびコンデンサを有しておりかつ当該方形波電圧発生器から発生させる方形波電圧の周波数の奇数倍とは異なる共振周波数を有する直列共振回路とを備えていて、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を成分として含有する注入電流を注入するものであり、
    前記供給停止検出装置は、前記複数の注入次数の内から、前記引込線における各注入次数の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における前記インピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出するものである、ことを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。
  3. 前記供給停止検出装置は、
    前記複数の注入次数の前記インピーダンスまたはアドミタンスをそれぞれ計測し、当該各注入次数のインピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定する複数の判定手段と、
    前記複数の注入次数の内から、前記引込線における各注入次数の電圧の値が大きい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段と、
    前記次数選択手段によって選択された注入次数についての前記判定手段からの出力のみを有効化する有効化手段とを備えている、請求項2記載の分散電源の単独運転検出装置。
  4. 上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する分散電源保有設備が接続された構成の配電系統に適用されるものであって、
    前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数であってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入する電流注入装置と、
    前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の、前記複数の注入次数の内の1以上の注入次数のアドミタンスを計測し、当該アドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ
    前記電流注入装置は、前記非整数倍次数の方形波電圧を発生する方形波電圧発生器と、当該方形波電圧発生器の出力ラインに直列に接続されたインダクタおよびコンデンサを有しておりかつ当該方形波電圧発生器から発生させる方形波電圧の周波数の奇数倍とは異なる共振周波数を有する直列共振回路とを備えていて、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を成分として含有する注入電流を注入するものであり、
    前記供給停止検出装置は、前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記アドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における前記アドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出するものである、ことを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。
  5. 前記供給停止検出装置は、
    前記複数の注入次数の前記アドミタンスをそれぞれ計測し、当該各注入次数のアドミタンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定する複数の判定手段と、
    前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記アドミタンスの絶対値が小さい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段と、
    前記次数選択手段によって選択された注入次数についての前記判定手段からの出力のみを有効化する有効化手段とを備えている、請求項4記載の分散電源の単独運転検出装置。
  6. 上位系統に変電所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源を有する分散電源保有設備が接続された構成の配電系統に適用されるものであって、
    前記配電線から前記分散電源保有設備への引込線に、当該配電系統の基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数であってしかも互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を注入する電流注入装置と、
    前記分散電源保有設備の受電点から眺めた前記配電系統の、前記複数の注入次数の内の1以上の注入次数のインピーダンスを計測し、当該インピーダンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出する供給停止検出装置とを備えており、かつ
    前記電流注入装置は、前記非整数倍次数の方形波電圧を発生する方形波電圧発生器と、当該方形波電圧発生器の出力ラインに直列に接続されたインダクタおよびコンデンサを有しておりかつ当該方形波電圧発生器から発生させる方形波電圧の周波数の奇数倍とは異なる共振周波数を有する直列共振回路とを備えていて、前記非整数倍次数であってしかも4次以上の互いに次数が異なる複数の次数の注入電流を成分として含有する注入電流を注入するものであり、
    前記供給停止検出装置は、前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記インピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択し、当該選択した注入次数における前記インピーダンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを検出するものである、ことを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。
  7. 前記供給停止検出装置は、
    前記複数の注入次数の前記インピーダンスをそれぞれ計測し、当該各注入次数のインピーダンスの変化から、前記上位系統からの電力供給が停止したことを各注入次数ごとに判定する複数の判定手段と、
    前記複数の注入次数の内から、各注入次数の前記インピーダンスの絶対値が大きい順に1以上の注入次数を選択する次数選択手段と、
    前記次数選択手段によって選択された注入次数についての前記判定手段からの出力のみを有効化する有効化手段とを備えている、請求項6記載の分散電源の単独運転検出装置。
  8. 前記電流注入装置は、前記直列共振回路よりも出力側において前記方形波電圧発生器の出力ラインに並列に接続されたコンデンサおよび同出力ラインに直列に接続されたインダクタを有しておりかつ前記方形波電圧発生器から発生させる方形波電圧の周波数の奇数倍とは異なる共振周波数を有する並列共振回路を更に備えており、しかも当該並列共振回路の共振周波数と前記直列共振回路の共振周波数とは互いに異なる周波数である請求項1ないし7のいずれかに記載の分散電源の単独運転検出装置。
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