JP3909305B2 - 配線支持部材及び回転円板形記憶装置 - Google Patents
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Landscapes
- Moving Of Heads (AREA)
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- Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置又は光磁気ディスク装置といった回転円板形記憶装置においてヘッド・サスペンション・アセンブリの振動を防止する技術に関し、さらに詳細には、回転するディスクの表面に発生した気流に起因するヘッド・サスペンション・アセンブリのフラッタリングを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転円板型記憶装置では、記憶媒体である円板形ディスクを高速で回転させて表面に気流を発生させ、データの読み書きをするヘッドが取り付けられたスライダに浮力を与えてディスク表面から浮上させている。ディスク表面に発生した気流は、また、データの読み書きをする間、ディスク表面上に位置づけられるアクチュエータ・アーム、ロード・ビーム、フレキシャ、及びスライダ等に衝突してこれらにフラッタリングという揺れを生じさせる。
【0003】
フラッタリングは最終的にスライダに不規則な揺動をもたらし、トラック追跡動作のためのサーボ制御機能を低下させるので、極力制限しなければならない。気流の影響を受けてフラッタリングの原因となる部位として様々考えられる中で、ロード・ビームに形成された開口に起因するフラッタリングに関して、例えば特許文献1に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−279745号公報
近年ディスクの記憶容量が増大してきたことに伴いトラック・ピッチが益々狭くなってきたため、ヘッドのトラック追跡動作にもより一層の高い性能が要求されるようになってきた。その結果、従来は問題にならなかった程度のフラッタリングに対しても対策を施さなければならないという事情が生じてきた。
【0005】
図1に従来のアクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ10において配線を支持する状態を示す。アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ10は、ピボット軸受11とコイル・サポート14とボイス・コイル16とアクチュエータ・アーム12a〜12dとからなるアクチュエータ・アセンブリと、これに結合されたヘッド・サスペンション・アセンブリ18a〜18fとで構成される。ヘッド・サスペンション・アセンブリ18a〜18fはそれぞれロード・ビーム、フレキシャ、及びスライダで構成されている(図示せず。)。スライダはヘッド・サスペンション・アセンブリの先端部分でフレキシャに取り付けられており、さらにスライダにはヘッドが取り付けられている。
【0006】
アクチュエータ・アーム12a〜12dは4本積層されており、ヘッド・サスペンション・アセンブリは、最も上に積層されたアクチュエータ・アーム12aと、最も下に積層されたアクチュエータ・アーム12dにはそれぞれ1個づつ取り付けられ、内側に積層されたその他の2本のアクチュエータ・アーム12b、12cには2個ずつ取り付けられている。
【0007】
アクチュエータ・アーム12a〜12dの側面には、スリットが形成された配線支持部材13a〜13dが取り付けられている。ヘッドに接続された配線がアクチュエータ・アーム12a〜12dの側面では配線支持部材のスリットに挿入されて固定されピボット軸受11近くまで引き出される。
【0008】
最初に図13を参照しながら本明細書の全体を通じて適用するアクチュエータ・アームに関連した用語の定義を説明する。図13は、アクチュエータ・アーム500を、図1のアクチュエータ・アーム12aをA−A矢印で切断した位置と同じ位置で切断した断面について、ヘッド側からみて模式的に描いた図である。
【0009】
面501、503は装置に実装したときに装置の上下方向に位置する面でいずれも表面ということにする。面505、507はアクチュエータ・アセンブリの回動方向に位置する側面であるが、側面505はアクチュエータ・アームが装置に実装されたときにディスクに近い面で内側面ということにし、側面507はハウジングの側壁に近い面で外側面ということにする。表面501と表面503との距離をアクチュエータ・アームの厚さという。
【0010】
面509は、表面501と表面503とで画定されるアクチュエータ・アームの厚さを二分する面で中心面ということにする。中心面に対してほぼ垂直な矢印Xで示す上下方向を縦方向といい、外側面又は内側面に対してほぼ垂直な矢印Yで示す左右方向を横方向という。図13の断面に垂直な方向をアクチュエータ・アーム又はアクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリの長さ方向という。長さ方向は、配線支持部材に関しても用いることがある。なお、ここでアクチュエータ・アームの表面、外側面、及び内側面は厳密な平面でなくてもよく、表面に凹凸があったり、傾斜や湾曲があったりしてもよい。さらに、アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリの長さ方向において、ヘッド側を先端側といい、ピボット軸受側を支持端側といい、適宜配線支持部材や、ヘッド・サスペンション・アセンブリの位置関係の明示にも使用する。
【0011】
図2(A)には、図1のA−A矢印で切断した断面を先端側からみた模式的な図を示す。アクチュエータ・アーム12a〜12dの外側面にそれぞれ取り付けられた配線支持部材13a〜13dが示されている。配線支持部材13a、13dには、横方向に開放された面を備えるスリットがそれぞれ一つずつ形成され、配線支持部材13b、13cには、同様のスリットが二つずつ形成されている。各スリットには、配線20a〜20fが挿入されて固定されている。
【0012】
各配線支持部材のスリットの開放面と反対側に位置している裏面は、それぞれ対応するアクチュエータ・アームの外側面に接着されている。各アクチュエータ・アームの二つの表面には、回転するディスクの表面から発生した気流が流れてくるが、図2(A)から明らかなように、配線20a〜20fは配線支持部材のスリットに挿入されて固定されているので、気流の影響を受けてフラッタリングを生ずることはない。
【0013】
図2(B)には、図1のB−B矢印で切断した断面を先端側からみた模式的な図を示す。同図には以下に説明する理由で配線支持部材が形成されておらず、配線20a〜20fはアクチュエータ・アームの外側面から支持を受けることができないため空中を浮いた状態で走っている。
【0014】
いま、ヘッド・サスペンション・アセンブリにおいて配線はヘッドに接続され、ヘッドはスライダに取り付けられ、スライダは板材で形成されたフレキシャに取り付けられ、フレキシャはロード・ビームの表面に重ねて取り付けられており、さらにロード・ビームはアクチュエータ・アームの表面に重ねて取り付けられている。ヘッド・サスペンション・アセンブリにおいて、配線はフレキシャ又はロード・ビームで支持されているため縦方向の位置は、アクチュエータ・アームの表面を含む平面より縦方向に中心面から離れて配置されている。
【0015】
したがって、B−B断面では、配線の位置が中心面から離れてアクチュエータ・アームの表面近くまで達し、スリットを備えた配線支持部材を形成することができなくなるか又は困難になる。配線は柔軟性があるためA−A断面の位置では配線支持部材に形成したスリットに挿入して固定することができるが、ヘッド・サスペンション・アセンブリに近いB−B断面の位置の近辺では、スリットで固定されず空中に置かれた状態になる。
【0016】
その結果図3に示すようにアクチュエータ・アームの内側面方向から表面を流れてきた気流が外側面を通過した直後に渦を発生し、配線20aに対し矢印Xで示す縦方向の振動を与える、いわゆるフラッタリング現象をもたらす。配線20aはヘッド・サスペンション・アセンブリの先端側に向かってロード・ビームやフレキシャに固定され、さらにはスライダに接続されているため、それらに振動を与え結果としてスライダを振動させてしまう。
【0017】
図2(A)の配線支持部材13aは、縦方向に二つの外側の表面15、17(以後、外側表面という。)が存在している。外側表面15と外側表面17との距離を配線支持部材の厚さと言うことにする。図2(A)では、配線支持部材13aの厚さとアクチュエータ・アーム12aの厚さがほぼ等しくなっている。B−B断面の位置でも配線を固定するために配線支持部材の厚さを厚くし、ヘッド・サスペンション・アセンブリ近くまでスリットを形成する方法が考えられる。しかし、アクチュエータ・アームは表面がディスクの表面からわずかの間隙を保って回動する必要があるため、配線支持部材の厚さには制限がある。また、配線支持部材とアクチュエータ・アームの境界にあまりおおきな段差を設けるとその部分で気流が乱れてアクチュエータ・アームに生ずるフラッタリングを増大させてしまうことにもなる。
【0018】
また、アクチュエータ・アームの表面に配線を接着して、ヘッド・サスペンション・アセンブリの近くまで固定する方法も考えられる。しかし、この方法では、ヘッド・サスペンション・アセンブリをアクチュエータ・アセンブリに取り付けた後の動作試験の結果不具合があった場合にヘッド・サスペンション・アセンブリを取り外して交換する作業が困難になる。
【0019】
さらに、アクチュエータ・アームの外側面にモールドでアクチュエータ・アームと一体にブラケットのような支持構造を形成することも考えられる。しかし、アクチュエータ・アームは内側面がディスクに極めて接近して配置されるため内側面と外側面をともに横方向に広げることは困難であり、配線支持のために外側面だけに横方向に延びたブラケットを形成することは、アクチュエータ・アセンブリの対称性が失われ、動作特性上好ましくない。
【0020】
さらにまた、図2(A)に示した形状のまま配線支持部材をより一層先端側に延ばし、支持されないで空中を走る配線部分の長さを短くしようとすると、配線は配線支持部材のスリットからでた後にヘッド・サスペンション・アセンブリで固定される位置まで急激に中心面から離れるように変位する必要があり、配線をスリットに挿入する作業が困難になるとともに、配線とスリット入り口での接触圧力が高まって配線が損傷したりする。また、変位が急峻になると配線の機能が損なわれる可能性もある。
【0021】
よって、図1に示した配線支持部材の基本的な構成を利用し、さらにスリットが形成できない部分で配線に発生するフラッタリングを防止する新たな配線支持部材の出現が望まれていた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、ヘッドに接続された配線構造をアクチュエータ・アームの側面でフラッタリングを生じないように支持する回転円板形記憶装置を提供することにある。また、そのような回転円板形記憶装置に使用する配線支持部材を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転する円板形記録媒体の表面で発生した気流の影響でフラッタリングが生じないように支持することができる配線支持部材を備えた回転円板形記憶装置を提供する。本発明において、アクチュエータ・アームの側面に結合された配線支持部材が、配線構造をアクチュエータ・アームの側面で固定する固定領域と、配線構造に対向しアクチュエータ・アームの横方向に突き出た対向面を備え先端側で固定領域に隣接する解放領域とを備える。
【0024】
アクチュエータ・アームの内側面又は外側面は、ヘッドに接続された配線構造を回路基板まで導くための経路として利用できる。本発明に係る配線支持部材は、固定領域では配線構造をアクチュエータ・アームに対して固定しているためにフラッタリングは生じない。さらに、固定領域が形成できない先端側では解放領域がフラッタリングを軽減する。
【0025】
ヘッド・サスペンション・アセンブリとアクチュエータ・アームとの結合部より支持端側に所定の距離だけ離れている位置では、固定領域を設けて配線構造をアクチュエータ・アームの側面に対して固定し気流の影響を防ぐことができる。
【0026】
解放領域は、アクチュエータ・アームとヘッド・サスペンション・アセンブリとの通常の結合方法において、配線構造がフラッタリングを生じないように支持する上で効果を奏する。すなわち、通常は、アクチュエータ・アームとヘッド・サスペンション・アセンブリは異なる部材として製作し、アクチュエータ・アームの表面にヘッド・サスペンション・アセンブリを重ね合わせてスエージ結合する。あるいはなんらかの部材を介在して縦方向においてさらにアクチュエータ・アームの表面から離れた位置にヘッド・サスペンション・アセンブリを結合する。
【0027】
このような結合方法の場合に、ヘッド・サスペンション・アセンブリで支持された配線構造の縦方向の位置が、アクチュエータ・アームの表面の外側、すなわち中心面に対して表面から一層離れた位置に位置づけられることになり、ヘッド・サスペンション・アセンブリの近くでは固定領域を形成して配線構造を支持することができない。しかし解放領域が、アクチュエータ・アームの横方向に突き出た、配線構造に対する対向面を備えることにより、対向面が渦の発生又は影響を軽減し、配線構造にフラッタリングを生じさせないで支持することができる。対向面は配線構造に接触しても接触しなくてもよい。
【0028】
ここで、配線構造とは少なくともヘッドに対する信号の経路となる導電体を含み、適宜、絶縁、剛性、又は保護などの機能を有する材料とともに構成することができる。また、その断面形状は板状、円形、楕円形又はこれらに類似する任意の形状を選択することができる。
【0029】
固定領域において配線構造を固定するとは、アクチュエータ・アームに対する位置が変化しないように配線構造全体を保持することや、配線構造の部分的な位置を保持することをいう。配線構造は配線支持部材に接着剤で接着してもよいし、はめ込みなど他のいかなる周知の方法を採用してもよい。
【0030】
本発明の他の態様では、配線支持部材の外側表面が、隣接するアクチュエータ・アームの表面とほぼ同一平面上にある。本発明の思想には、配線支持部材の厚さがアクチュエータ・アームの厚さを超えることを含んでいるが、両者の厚さをほぼ等しくすることにより、アクチュエータ・アームの表面を通過する気流は層流のまま配線支持部材の側面まで流れることができる。ほぼ同一平面上とは、配線支持部材の厚さとアクチュエータ・アームの厚さとの間に配線支持部材の製造上の公差程度の差があってもよいことを意味する。
【0031】
本発明の他の態様では、解放領域の先端側の端部がヘッド・サスペンション・アセンブリの支持端側の端部に隣接する位置で終端する。本発明に係る解放領域はアクチュエータ・アームの横方向に突き出た対向面として構成しているので、ヘッド・サスペンション・アセンブリの支持端側の端部に隣接する位置まで形成することができる。このように、配線支持部材は固定領域及び解放領域という構成を備えることにより配線構造をアクチュエータ・アームの側面でフラッタリングが生じないように支持することができる。
【0032】
本発明の他の態様では、固定領域が第1の突出壁と第2の突出壁とで形成され、それぞれの突出壁の対向面の間に配線構造が収納される。この構成により配線構造は対向面の間に挟まれて固定されるために着脱が容易であり、アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリを組み立てて試験をした結果不良品が発生したときにでも、ヘッド・サスペンション・アセンブリを容易に交換することができる。
【0033】
固定領域は配線構造を固定する機能を備えていればよいので、突出壁を長さ方向に連続して形成する必要はなく、長さ方向に分離して形成してもよい。突出壁を分離して形成すると、配線支持部材をダイカストで製作するときに対向面の間隔が狭くてもダイスの強度を補強することができる。さらに固定領域と解放領域との境界が第2の突出壁の端部で与えられ、解放領域では第2の突出壁が消滅している。第3の突出壁は第1の突出壁が先端側に延長したものであってもよいし、第1の突出壁とは長さ方向で分離して形成したものであってもよい。
【0034】
固定領域の対向面はアクチュエータ・アームの表面に平行な面と傾斜する面とを備え、さらに解放領域の対向面も傾斜する面を備えることができる。配線構造は、固定領域からヘッド・サスペンション・アセンブリの位置に向かって、中心面から縦方向に離れる方向に変位する。配線構造を急激に変位させることは好ましくないが、傾斜する対向面を備えることにより配線構造を急激に変位させないで固定領域をできるだけ先端側まで形成できる。
【0035】
解放領域も配線構造の変位に合わせて対向面を傾斜させて形成すれば、配線構造と対向面との間隙を狭くして渦の影響を効果的に防止することができる。第3の突出壁の対向面を傾斜角度の異なる2以上の平面で構成し、対向面と配線構造との間に間隙を設けてヘッド・サスペンション・アセンブリをアクチュエータ・アームに取り付ける際の作業性を向上することができる。
【0036】
本発明のさらに他の態様では、配線支持部材が配線構造を挟み込むように長さ方向に延びたスリットと、スリットの長さ方向の端部に隣接し先端側において配線構造に対向面を提供する壁とを含んで構成されている。スリットは配線構造を接着剤などを用いないで着脱できるように固定するのに都合がよい。スリットは横方向に開放面を設ける場合のほか、縦方向に開放面を設けてもよい。また、配線支持部材の断面形状も矩形に限定する必要がないので、縦方向及び横方向以外の斜め方向に開放面を設けてもよい。
【0037】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図面全体をとおして同一構成要素には同一参照番号を付す。図4は、本発明の実施の形態に供する磁気ディスク装置50の概略構成を示す平面図で、図5は、図4に示したアクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ54の斜視図である。ハウジング52は、底面と側面と上面に接合されるハウジング蓋(図示せず。)と共に清浄な空気の密閉空間を形成し、内部にアクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ54、磁気ディスク・スタック66、ランプ64などを収納している。
【0038】
磁気ディスク・スタック66は、1枚又は、2枚以上の積層されたディスクがハウジング52の底面で支持されたスピンドル軸68の周りを回転できるようにスピンドル・ハブ(図示せず。)に取り付けられ、それぞれの表面と裏面には記録面が形成されている。本実施の形態では、3枚の磁気ディスクが積層されて設けられている。
【0039】
アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ54は、アクチュエータ・アセンブリ55とヘッド・サスペンション・アセンブリ61とを含む。図5には、ピボット軸受57とボイス・コイル53を保持するコイル・サポート59とアクチュエータ・アーム56a〜56dとで構成されたアクチュエータ・アセンブリ55が示されている。アクチュエータ・アセンブリ55は、アルミニウムを引き出し成形した後に所定の形状に加工して形成することができ、また、アルミニウムのダイカストで一体形成することができる。ピボット軸受57の後方にはボイス・コイル53とともにボイス・コイル・モータを構成するボイス・コイル・ヨーク60が配置され、ボイス・コイル・ヨークの内側には永久磁石が取り付けられて静磁界を形成している。
【0040】
積層された3枚の磁気ディスクからなる磁気ディスク・スタック66はそれぞれ表面と裏面に記録領域を備え、これに対応して4本のアクチュエータ・アーム56a〜56dが積層された構造になっている。アクチュエータ・アーム56a、56dには、それぞれ一つのヘッド・サスペンション・アセンブリ61a、61gが取り付けられ、アクチュエータ・アーム56bにはヘッド・サスペンション・アセンブリ61b、61cが取り付けられ、アクチュエータ・アーム56cにはヘッド・サスペンション・アセンブリ61d、61eがそれぞれ取り付けられる。ヘッド・サスペンション・アセンブリ61a〜61gは、アクチュエータ・アームの先端側に形成されたスエージ・ホール63a〜63dに、マウント・プレート82(図6参照)のボス95がスエージ加工で結合される。
【0041】
ヘッド・サスペンション・アセンブリ61a〜61gはすべて同様の構成になっており、同様の方法でアクチュエータ・アーム56a〜56dに結合される。任意のヘッド・サスペンション・アセンブリは、ディスクとの間でデータの読み取り及び書き込み又はそのいずれか一方を行うヘッドと、ヘッドが取り付けられたスライダと、ピボット動作ができるように柔軟にスライダを支持するフレキシャと、スライダに対してディスク面に向かう圧力を加えるようにフレキシャを支持するロード・ビーム62とで構成し、さらにヘッドに接続された配線構造を含んで構成してよい。
【0042】
それぞれのロード・ビームの先端には、ランプ64に係合するタブ70a〜70gが形成されている。アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ54はディスクの回転を停止する前に、タブ70a〜gをランプ64に係合させてスライダを退避させる。
【0043】
ハウジング52の底面外側には、磁気ディスク装置50の動作及び外部とのデータ通信を制御するための回路基板(図示せず。)が設けられている。ヘッドと回路基板との電気信号の経路を形成するために、ヘッドに接続された配線構造(図示せず。)が、ヘッド・サスペンション・アセンブリ61a〜61g及びアクチュエータ・アーム56a〜56dに沿ってブラケット74まで配線されている。
【0044】
アクチュエータ・アーム56a〜56dには、それぞれの外側面にプラスチックなどの軽量で比較的剛性の大きい材料で形成された配線支持部材102a〜102dが取り付けられている。配線支持部材102a〜102dは、アクチュエータ・アームへの固定作業やダイカストによる製作に都合がよいようにピボット軸受57の近辺で相互に連結されているが、それぞれのアクチュエータ・アームごとに分離して製作してもよい。
【0045】
配線支持部材102a〜102dにはそれぞれ配線構造を収納してアクチュエータ・アームに固定するために横方向に開放する面を備えたスリットが形成されている。アクチュエータ・アーム56a、56dに取り付けられている配線支持部材102a、102dにはそれぞれ一つのスリットが形成され、アクチュエータ・アーム56b、56cに取り付けられている配線支持部材102b、102cとには、それぞれ平行に二つのスリットが形成されている。
【0046】
本実施の形態においては、スリットの数を当該アクチュエータ・アームに取り付けられているヘッド・サスペンション・アセンブリの数、すなわちヘッドに接続される配線構造の数に対応させているが、たとえば配線支持部材102a、102dを配線支持部材102b、102cと同じ形状で製作して、スリット一つを使用しないようにしてもよい。また、配線支持部材102b、102cではスリットの幅を大きくして二つの配線構造を一つのスリットに挿入できるようにしてもよい。
【0047】
ヘッド・サスペンション・アセンブリから延びてきた配線構造は、アクチュエータ・アームの外側面で配線支持部材のスリットに収納されてブラケット74まで配線される。アクチュエータ・アームの内側面は磁気ディスク66の外周との間隔が制約されており、配線支持部材を設けるには外側面の方が都合がよい。配線構造は平板状に形成されており、ブラケット74でフレックス・ケーブル76の導体に接続される。フレックス・ケーブル76はハウジングの底面に固定されたブラケット・ベース・サイド78まで配線され、さらにハウジングの裏面に設けられた回路基板に接続される。
【0048】
ブラケット74には、フレックス・ケーブル76とヘッドに接続された配線構造との接続のためにフレックス・ケーブルの絶縁シート上にボンディング・パッドが設けられている。フレックス・ケーブル76の一部はブラケット74の上部で折れ曲がっておりハンダ・ホール80が形成されている。ハンダ・ホール80の周りにはフレックス・ケーブルの配線パターンの一部であるグランド線に接続されたグランド・パッドが形成されている。
【0049】
ブラケットを取り付ける際、ピボット軸受57に形成されたピン穴には、真鍮などからなるハンダ・ピン81が挿入されている。ブラケット74は、ねじ穴79a、79bを使ってピボット軸受57の側面に結合され、さらに、ハンダ・ホール80をハンダ・ピン81が貫通してフレックス・ケーブルのパターンの上に突き出たハンダ・ピン81の一部に熱を加えてグランド・パッドとピボット軸受57を電気的に接続する。
【0050】
フレックス・ケーブルが薄い場合には、ピボット軸受はアルミニウムなどの金属で形成されており比較的熱伝導率が良好なため、ハンダ・ピン81の先端に加えたハンダ用の熱がピボット軸受57を伝わって逃げやすく、ハンダ接続の品質を保つことが困難な場合がある。本実施の形態では、図12に示すようにハンダ・ピン81を挿入するためにピボット軸受57に形成するピン穴77に特徴を持たせている。ピン穴77はハンダ・ピンの外径にほぼ一致する内径D1を有する部分と、内径D1より大きい内径D2を有する部分とで構成され、内径D2で構成する部分をピボット軸受の表面近くに形成している。
【0051】
このような構成を採用することにより、ハンダ・ピン81に加えた熱がピボット軸受57に伝わって逃げにくくなり、質のよいハンダ接続ができる。この実施の形態では、ピン穴として内部が円形の穴を示したが、穴の形状が円形に限定されず任意の形状をとり得ることは当業者にとって明らかであろう。
【0052】
ピボット軸受57には、ハウジングの底面で支持されたピボット軸58が挿入され、アクチュエータ・アセンブリ55はピボット軸の周りで横方向に回動できるようになっている。ボイス・コイル・ヨークとマグネットが生成する静磁界中に配置されたボイス・コイル53に制御された電流を流すことにより、アクチュエータ・アセンブリ55に駆動力が生じアクチュエータ・アーム及びそれに結合されたヘッド・サスペンション・アセンブリを横方向に回動させ、ヘッドを所定のトラックに位置づけることができる。
【0053】
いま、磁気ディスク66が図4に示す矢印Aの方向に回転するとディスクの表面には気流が発生し、スライダの空気軸受面に浮力を与えてスライダをディスク表面から浮上させる。ヘッドを一定のトラックに位置づけるためにヘッドがディスク66のトラックから読み取ったサーボ信号によりボイス・コイルに流す電流を制御するが、スライダが気流の影響を受けて不規則的に振動するとサーボ制御の精度を低下させることになる。
【0054】
アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ54はヘッドを所定のトラックに位置づけるために回動動作をする際、ディスク表面上にアクチュエータ・アームやヘッド・サスペンション・アセンブリを位置づけるため各部に気流が衝突しフラッタリングが生ずる可能性をもたらす。
【0055】
図6は、ヘッド・サスペンション・アセンブリ61の概略を示す斜視図である。ヘッド・サスペンション・アセンブリ61は、ステンレスの薄板で形成されたロード・ビーム62とフレキシャ88とスライダ92とマウント・プレート82とで構成されている。ロード・ビーム62は、ビーム部83と基部85とヒンジ部86とで構成されているマルチ・ピース型といわれているものであるが、本発明のロード・ビームはこのような構成に限定されるものではなく、3ピース形などの周知の他の形態のロード・ビームを採用することができる。
【0056】
ヒンジ部86は、スライダがディスクの回転により生じた気流から受ける浮力に対抗する負圧を与えるバネ機能を有する。ビーム部83は、アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ54が回動動作をする際、フレキシャを安定した姿勢で支持するための剛性機能を有する。
【0057】
基部85は、ロード・ビーム62をアクチュエータ・アームに固定するための強度を有する。マウント・プレートは中央に円形のボス95が形成され、フランジ部97が基部85にスポット溶接又は接着剤で結合される。マウント・プレートは、フランジ部97がアクチュエータ・アームの表面に重ねられ、ボス95がアクチュエータ・アームのスエッジ・ホール63に挿入されてスエージ加工によりアクチュエータ・アームに結合される。
【0058】
ヒンジ部86はスポット溶接又は接着剤によりビーム部83及び基部85に結合される。フレキシャ88は、ロード・ビーム側からステンレスの金属層、ポリイミドの絶縁層、銅の導体層、及びポリイミドの保護層からなるラミネート・シートを周知のフォトリソグラフィック・エッチング技術により加工して製作する。
【0059】
金属層は、スライダの挙動を制御するための剛性とスライダ92の支持領域を提供しフレキシャの剛性を画定する機能を果たす。絶縁層は導体層と金属層を電気的に絶縁する機能を提供し、導体層はスライダに取り付けられたヘッドと回路基板との電気信号の経路の一部を提供する。保護層は導体層の表面保護のために提供されるが、金メッキなどの他の方法で代用することもできる。金属層、絶縁層、導体層、及び保護層で板状のように形成された積層構造は、導体層がヘッドに接続され、金属層が、ロード・ビーム62に接着又はスポット溶接で結合され、配線構造90としてアクチュエータ・アームの外側面に沿うように支持端側に延びていく。
【0060】
フレキシャ88及び配線構造90は、このようにロード・ビーム62側から金属層、絶縁層、及び導体層が積層された構造になっており、さらに、ヘッド・サスペンション・アセンブリ61がマウント・プレート82でアクチュエータ・アームの表面にフランジ部97が重ねられて固定されるため、ヘッド・サスペンション・アセンブリ61における配線構造の縦方向の位置がアクチュエータ・アームの表面を含む平面よりマウント・プレートの厚さとロード・ビームの厚さだけアクチュエータ・アームの中心面から離れた位置にある。
【0061】
図7は、図5で示したアクチュエータ・アーム56a、56bの先端側の一部の外側面と、配線支持部材102a、102bの側面とを示す図である。図8は、アクチュエータ・アーム56aと配線支持部材102aの先端側を示す平面図である。
【0062】
図7(A)は、配線支持部材102aを取り外した状態でのアクチュエータ・アーム56aの外側面を示し、図7(B)はアクチュエータ・アーム56aの外側面に配線支持部材102aが取付られた状態の側面を示し、図7(B)はアクチュエータ・アーム56bの外側面に配線支持部材102bが取り付けられた状態の側面を示す。
【0063】
図7において補助線Lは、図5に示したスエージ・ホール63a〜63dの中心線を示し、図7(A)、(B)、(C)はスエージ・ホールの中心線Lを基準にして相互に長さ方向に位置が整合している。図5(A)に示すようにアクチュエータ・アーム56aの表面302と表面303で形成する厚さが、表面304と表面305とで形成する厚さより厚くなっている。表面302、303は支持端側に位置し、表面304、305は先端側に位置している。
【0064】
アクチュエータ・アームの表面302、303で画定される支持端側の厚さは1mm〜1.3mmに選択され、表面304、305で画定される先端側の厚さは0.72mm〜0.74mmに選択されている。アクチュエータ・アームの厚さが長さ方向で変化しているのは、アクチュエータ・アームは動作中安定してヘッド・サスペンション・アセンブリを支持するための剛性を備える必要があるため支持端側では一定の厚さが必要であるが、スライダの浮上特性を良好に保つためにヘッド・サスペンション・アセンブリとディスク表面との間隔をそれほど広げることができないために先端側では薄くする必要があったり、総重量を減らす必要があるといった事情に基づくものである。
【0065】
図7(B)では、アクチュエータ・アーム56aの外側面に配線支持部材102aが接着剤で取り付けられている。配線支持部材は、アクチュエータ・アームの外側面に沿って長さ方向に配置される基礎壁(図示せず)を有する。基礎壁の裏面はアクチュエータ・アームの外側面に接着される。配線支持部材102aは、基礎壁の表面から突出壁108a、110aが横方向に突き出るように形成されている。突出壁108a、110aはそれぞれ縦方向に外側表面322、324を備えている。
【0066】
アクチュエータ・アームの二つの表面302と表面303とは、配線支持部材の外側表面322、外側表面324と、それぞれほぼ同一平面上に存在している。配線支持部材の厚さがアクチュエータ・アームの厚さとほぼ等しいか又は薄くなるように形成することは、アクチュエータ・アームの表面を流れてきた気流が、配線支持部材の裏面に衝突することによりフラッタリングが発生することを防止する上で好ましい形態であるが、本発明は、配線支持部材の厚さがアクチュエータ・アームの厚さを超えても後述する解放領域という特徴的な構造によりフラッタリングの防止に十分な効果を発揮することができる。外側表面322、324と表面302、303との間に生じた段差がフラッタリングに与える影響は、配線構造が空中に置かれることによる影響に比べると無視できるほど小さいからである。突出壁110aは長さ方向に連続して形成されてはおらず、参照番号323で示す位置では突出壁がなく、基礎壁の表面がみえている。
【0067】
突出壁を部分的に形成しないことにより、ダイスの構造を強化することができる。すなわち、ダイスは、配線支持部材と反対の形状を備えることになるが、後述するスリット104aは間隔が狭いため金属で造ったダイスがスリットに対応する部分で薄い板状になり、プラスチックが硬化した後に引き抜く際破損することがあるが、ダイスの参照番号323に対応する部分でダイスの薄い板状部分を補強することができる。
【0068】
配線構造90aは板状のように成型されており、突出壁108aと110aは配線構造90aを挿入して固定するためのスリット104aを形成するように相互に間隔を保った対向面を備えて基礎壁から横方向に突き出ている。スリットは突出壁108aが配線構造90aの一方の面に対向する対向面と、基礎壁が内側に提供する面と、突出壁110aが配線構造90aの他方の面に対向する面とで形成される。
【0069】
図7(B)には、配線支持部材の長さ方向の特徴を説明するために、a〜dで指示する範囲を定義している。スリット104aは、範囲aでは、アクチュエータ・アーム56aの表面322、324にほぼ平行に形成されている。スリット104aは範囲bにおいて、突出壁108aと110aとの配線構造に対する対向面が一定の間隔を維持しつつ、アクチュエータ・アームの中心面から表面に向かって傾斜するように形成されている。
【0070】
したがって配線構造90aは、範囲a及び範囲bにおいてアクチュエータ・アームの二つの表面をそれぞれ含む二つの平面の間に形成されたスリット104aに固定されていることになる。範囲bでは、スリット104aが外側表面324に向かって傾斜しているため範囲bと範囲cとの境界では突出壁110aが肉厚を維持することができなくなり、長さ方向に端部Pが形成され、範囲cでは突出壁110aが消滅している。突出壁110aの長さ方向の端部Pは、配線構造をスリット104aに挿入する際の作業を容易にし、配線構造を損傷しないようにするため、長さ方向及び横方向において曲面で形成されている。
【0071】
突出壁110aの端部Pは、その形状にかかわらず配線構造がスリットによる固定から解放される境界としての位置に意義がある。範囲a及び範囲bは配線構造が配線支持部材により固定される領域であるため固定領域といい、範囲cは配線構造が配線支持部材に拘束されない領域であるため解放領域という。配線構造の一部が対向面に接触している状態があっても、対向面の位置と反対方向に移動できるようであれば解放領域の範囲に入る。固定領域及び解放領域の定義は図7(C)の配線支持部材102b、及びその他の配線支持部材にも適用する。
【0072】
解放領域では、基礎壁から突出壁108aだけが突き出ている。突出壁108aの外側表面326は、アクチュエータ・アームの表面304とほぼ同一の表面上にある。突出壁108aが配線構造90aに対向する対向面328は、先端側に近づくにしたがってアクチュエータ・アームの中心面から離れるように表面に向かってゆるやかに傾斜しており、対向面330ではその傾斜が大きくなり、対向面332はアクチュエータ・アームの表面にほぼ平行になっている。
【0073】
本実施の形態では、解放領域の突出壁108aは、固定領域の突出壁108aから連続して形成されているが、固定領域と解放領域の境界、又は解放領域内のいずれかの場所で固定領域の突出壁から分離されていてもよい。突出壁110aの端部Pから出た配線構造は、対向面328、330、332に沿って範囲cと範囲dの境界まで緩やかに傾斜して延びている。図7(B)において対向面328と配線構造90aとの間には比較的大きな間隙が設けられている。
【0074】
この間隙は配線構造90aを配線支持部材のスリット104aに挿入する際作業性を向上させる意義を有する。配線構造は金属層がフレキシャと同一材料を使って同一工程で製作され、ヘッド・サスペンション・アセンブリ61aの一部として形成されている。アクチュエータ・アームには配線支持部材が接着により固定されている。アクチュエータ・アーム56a〜56dのスエージ・ホール63a〜63dにヘッド・サスペンション・アセンブリ61a〜61gを固定し、配線構造をスリットに挿入して固定する作業はつぎのように行う。
【0075】
まず、ジグでヘッド・サスペンション・アセンブリ61a〜61g及び配線構造をアクチュエータ・アーム56a〜56dに整合するように積層して保持し、アクチュエータ・アームの先端側の表面の対応する位置に各ヘッド・サスペンション・アセンブリが位置づけられるように横方向から挿入していく。このとき、配線構造は剛性のある金属層を備えているため、アクチュエータ・アームの表面より内側である中心面寄りに傾斜して形成されているスリットにはそのままでは入らない。
【0076】
そのため、図7(B)と図7(C)で示す配線構造90aと90bとの間に、対向面328と対向面356の位置に櫛状のガイドの櫛の一つを配置しそのガイドに沿わせて配線構造を中心面方向に押しつけながら若干屈曲させ、端部Pで位置を整合させてスリットに収まるようにしている。このときガイドを使って配線構造をスリットに挿入させるために、配線構造がガイドで屈曲されるためのスペースがあると都合がよい。
【0077】
対向面332も、配線構造90aとの間に多少の間隙があるが、両者が密着するように製作してもよい。解放領域の突出壁108aは範囲cの全域で配線構造を固定しておらず、かつ、配線構造との間に間隙を設けているが、アクチュエータ・アームの表面を流れてきた気流が配線構造に影響を与える渦が発生するのを防止又は軽減する効果があり、配線構造のフラッタリングを防止する上で効果的である。また、解放領域の構造は、配線構造を配線支持部材に着脱する際の自由度を制約するものではなく、また、気流による新たな振動の原因をもたらすような弊害を生じさせるものでもない。
【0078】
範囲cで定義される解放領域は、突出壁110aの端部Pで始まり、図に示すようにヘッド・サスペンション・アセンブリの一部を構成するロード・ビームの基部85aが支持端側に有する端部に隣接する位置で終了する。隣接するとは、端部と基部との間に製造上の公差程度は間隔があってもよいことを意味するが、さらに2mm程度といった間隔の空いた位置で解放領域が終端していても本発明の思想の範囲に含まれる。
【0079】
範囲dは、配線構造がヘッド・サスペンション・アセンブリで固定されるためフラッタリングが発生しない領域である。アクチュエータ・アーム56aの表面305には、スエージ・ホール63の位置でマウント・プレートのフランジ部97aが重なっており、その上にロード・ビームの基部85aが重なっている。マウントプレートのボス95はスエージ・ホール63の中に挿入されている。
【0080】
配線構造90aの金属層は、基部85aの表面に適宜スポット溶接又は接着により固定されてヘッドまで延びている。ここで、マウントプレートのフランジ部97aの厚さは150μm、ロード・ビームの基部85aの厚さは100μm、フレキシャの金属層の厚さは20μmに選択され、絶縁層、導体層、及び保護層からなる配線構造の厚さは28〜54μmに選択されている。したがって、アクチュエータ・アームの表面から配線構造の最も中心面寄りの面(フレキシャの金属層とロード・ビームの基部85aの境界面)までは、250μmあることになる。
【0081】
スエージ・ホールの中心線Lから解放領域と固定領域との境界まではほぼ7mmあり、さらに、中心線Lから範囲aと範囲bとの境界まではほぼ8.8mmとなっている。解放領域では、配線構造90aは突出部110aの端部Pと基部85aにより両端が固定され、その間は配線構造の剛性で形状を保っている。
【0082】
図7(C)を説明する前に図8を説明する。図8は、配線支持部材102aとアクチュエータ・アーム56aの平面図である。アクチュエータ・アームの表面302が配線支持部材102aの外側表面322に隣接し、表面304が外側表面326に隣接する。表面304上には配線支持部材をアクチュエータ・アームに係合させるためのツメ103が配線支持部材から延びている。長さ方向においてツメの位置に端部Pが形成されて、固定領域と解放領域の境界をなしている。
【0083】
つづいて図7(C)及び図9を参照して、配線支持部材102bについて説明する。配線支持部材102bは、二つのヘッド・サスペンション・アセンブリ61b、61cを支持するアクチュエータ・アーム56bの外側面に取り付けられている。したがってアクチュエータ・アーム56bの外側面には二つの配線構造が配線され、範囲a及び範囲bで定義される固定領域には二つの配線構造90b及び90cを収納するスリット104b、104cが形成されている。さらに範囲cで定義される解放領域では配線構造90b、90cに対向する対向面356、358、360、362が突出壁108bの両面に中心面に対称に形成されている。
【0084】
アクチュエータ・アーム56bと配線支持部材102bとを矢印A−A、矢印B−B、矢印C−C、矢印D−D、及び矢印E−Eでそれぞれ切断した断面について先端側からみた図を図9(A)〜図9(E)に示す。図9(A)は、配線支持部材102bの一部である基礎壁105bの裏面が、アクチュエータ・アーム56bの外側面に接着され、外側表面352、354が隣接するアクチュエータ・アームの表面308、310とほぼ同一の表面上に存在している。
【0085】
基礎壁105bの内面からは横方向に突出壁106b、108b、及び110bが突き出ている。突出壁106bと突出壁108bとは、それぞれが備える対向面で分離して長さ方向にスリット104bを形成し、中に配線構造90bを収納している。突出壁108bと突出壁110bとは、それぞれが備える対向面で分離して長さ方向にスリット104cを形成し配線構造90cを収納している。
【0086】
断面A−Aは、スリットがアクチュエータ・アームの表面に平行に形成されている位置であり、スリット104bとスリット104cとの間隔は比較的中心面寄りに接近している。したがって、突出壁106b、110bは肉厚を十分にとることができる。図7(B)の参照番号323について説明したのと同様に、図7(C)の参照番号325、355で示す部分には、突出壁を設けないことによりダイス型の強度を向上できるように構成している。
【0087】
図9(B)の断面B−Bの位置は固定領域であるがスリット104b、104cが長さ方向に外側表面352、354に向かって傾斜している部分であり、スリット104bとスリット104cとの間隔は図9(A)に比べて大きくなっている。図9(C)の断面C−Cの位置は解放領域であるが、突出壁106b、110bは範囲bと範囲cとの境界にある端部の位置で消滅しているので描かれていない。
【0088】
突出壁108bの二つの対向面356、358は、図9(B)の位置からさらに長さ方向に表面に向かって傾斜しているため突出壁108bの縦方向の厚さは増大している。突出壁108bが備える対向面356、358は、この切断面において、アクチュエータ・アームの表面312、314とほぼ同一表面にある。配線構造90b、90cは、対向面356、358に対してそれぞれわずかの間隙を保って保持されている。配線構造は固定領域では気流により発生した渦の影響で振動することはないが、図9(C)の解放領域においても渦は突出壁108bの横方向で発生するため、配線構造90b、90cが受ける振動の影響は小さい。
【0089】
図9(D)に示す断面D−Dでは、二つの対向面360、362が最も中心面から縦方向に離れた位置に存在している。配線構造90bと90cは図9(C)と同様に対向面360、362に対してわずかの間隙を保って位置づけられている。二つの対向面360、362は、アクチュエータ・アームの表面312、314よりも高くなっており、アクチュエータ・アームの表面との間に段差を生じている。しかし、対向面360、362は長さ方向に短いため気流が衝突してアクチュエータ・アームに振動を与えることは少ない。
【0090】
図9(E)の断面E−Eでは、配線構造がロード・ビームの基部85bで支持されている状態を示している。アクチュエータ・アーム56bの表面312、314にはマウント・プレートのフランジ部97b、97cがそれぞれ重ねて固定され、さらにロード・ビームの基部85b、85cが重ねられてスポット溶接で固定されている。各基部の表面には配線構造の一部を構成する金属層93b、93cが重ねられてスポット溶接で固定されている。
【0091】
配線構造90b、90cは金属層の上に絶縁層、導体層、及び保護層が積層されているので金属層より厚くなっているが、配線構造の剛性は金属層によりもたらされる。図7(C)に示すように、突出壁106b、108bが先端側の端部Q、端部Rで消滅するので、配線構造90b、90cはロード・ビームの基部85b、85cで支持されるまでの間、自らの剛性で形状を維持する。
【0092】
以上、スリットが一つの例と二つの例を取り上げて本発明の実施の形態を説明したが、いずれのスリットも固定領域と、固定領域より先端側に隣接して位置する解放領域を設けている。配線支持部材の全体の長さに対して、固定領域の長さは60%〜90%を占めることが好ましい。
【0093】
図7に示した配線支持部材を使用した回転円板形記憶装置の磁気ディスクを7200rpmで回転させ、解放領域を設けた場合と設けない場合とのスライダの横方向変位の変化としてフラッタリングを計測してみた。ハウジングの側面からスライダにレーザービームを照射して変位を計測すると、6kHz近傍の比較的高い周波数領域において、フラッタリングを2/3までに低減することができた。高い周波数領域でのフラッタリングを減衰させることができたことは、本発明の配線支持部材が、解放領域の比較的短い長さの配線構造によりもたらされていたフラッタリングの軽減に効果があったといえる。
【0094】
これまで特定の実施の形態について配線支持部材の説明をしてきたが、本発明の思想の範囲に含まれる他の実施の形態について図10を参照しながら説明する。図10(A)は、アクチュエータ・アーム500と、これに結合された突出壁505を備える配線支持部材の解放領域における特定の位置の断面を示す図である。配線構造501、503に対して対向面を形成する突出壁の横方向における長さL1は、配線構造の幅L2より短くなっている。突出壁の突き出し長さは配線構造の長さ以上であることが好ましいが、短くても突出壁の全面に発生する渦により配線構造が受ける影響は、突出壁が存在しないときよりも小さくなるので有効である。
【0095】
図10(B)は、突出壁507の厚さが薄くなり、突出壁507の対向面と配線構造501、503との間隙が大きくなっている例であるが、アクチュエータ・アームの外側面の前で気流が小さな渦を生成し配線構造に振動を与える。しかし、突出壁が全く存在しない従来の方式に比べて渦による振動の影響は小さくできるので有効である。
【0096】
図11(A)〜(E)は、配線支持部材の解放領域を横方向からみた模式的な図で図7(C)の解放領域における突出壁108bに対応する部分である。図11(A)では、配線構造に対する対向面が湾曲した連続面515を備える突出壁で形成されている。図11(B)では、対向面が傾斜する一つの平面517を備える突出壁で形成されている。図11(C)では、対向面が傾斜のない一つの平面519を備える突出壁で形成されている。
【0097】
図11(D)では、2以上のステップ521、523、525を備える突出壁で形成されている。図11(E)では、対向面が傾斜角度の異なる2以上の平面527、529、531、533を備える突出壁で形成されている。長さ方向においては、各突出壁を連続するように形成する必要はなく、部分的に対向面を備えるようにしてもよい。
【0098】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示したこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限りこれまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明により、アクチュエータ・アームの側面でフラッタリングが生じないように配線構造を支持する配線支持部材及びそれを使用した回転円板形記憶装置を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクチュエータ・アームが配線を支持する従来の方法を示す図である。
【図2】図1のA−A矢印及びB−B矢印で切断した断面を示す図である。
【図3】アクチュエータ・アームの外側面で気流が配線に振動を与える状況を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る回転円板形記憶装置の概略平面を示す図である。
【図5】本実施の形態に係るアクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリの斜視図である。
【図6】本実施の形態に係るヘッド・サスペンション・アセンブリの斜視図である。
【図7】本実施の形態に係るアクチュエータ・アーム及び配線支持部材の部分的な側面図である。
【図8】本実施の形態に係るアクチュエータ・アーム及び配線支持部材の部分的な平面図である。
【図9】図7に示した配線支持部材の各断面を示す図である。
【図10】配線支持部材の他の実施の形態を説明する図である。
【図11】配線支持部材の他の実施の形態を説明する図である。
【図12】本実施の形態に係るフレックス・ケーブルのハンダ接続を説明する図である。
【図13】アクチュエータ・アームに関連して本明細書において使用する用語の定義を説明する図である。
【符号の説明】
50 磁気ディスク装置
52 ハウジング
53 ボイス・コイル
54 アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ
55 アクチュエータ・アセンブリ
56 アクチュエータ・アーム
57 ピボット軸受
58 ピボット軸
59 コイル・サポート
60 ボイスコイル・ヨーク
61 ヘッド・サスペンション・アセンブリ
62 ロード・ビーム
63 スエッジ・ホール
64 ランプ・ブロック
66 磁気ディスク・スタック
68 スピンドル軸
70 タブ
74 ブラケット
76 フレックス・ケーブル
77 ピン穴
78 ブラケット・ベース・サイド
79 ネジ
80 ハンダ・ホール
81 ハンダ・ピン
82 マウント・プレート
83 ビーム部
85 基部
86 ヒンジ部
88 フレキシャ
90 配線構造
92 スライダ
102 配線支持部材
103 ツメ
104 スリット
105 基礎壁
106 突出壁
108 突出壁
110 突出壁
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置又は光磁気ディスク装置といった回転円板形記憶装置においてヘッド・サスペンション・アセンブリの振動を防止する技術に関し、さらに詳細には、回転するディスクの表面に発生した気流に起因するヘッド・サスペンション・アセンブリのフラッタリングを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転円板型記憶装置では、記憶媒体である円板形ディスクを高速で回転させて表面に気流を発生させ、データの読み書きをするヘッドが取り付けられたスライダに浮力を与えてディスク表面から浮上させている。ディスク表面に発生した気流は、また、データの読み書きをする間、ディスク表面上に位置づけられるアクチュエータ・アーム、ロード・ビーム、フレキシャ、及びスライダ等に衝突してこれらにフラッタリングという揺れを生じさせる。
【0003】
フラッタリングは最終的にスライダに不規則な揺動をもたらし、トラック追跡動作のためのサーボ制御機能を低下させるので、極力制限しなければならない。気流の影響を受けてフラッタリングの原因となる部位として様々考えられる中で、ロード・ビームに形成された開口に起因するフラッタリングに関して、例えば特許文献1に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−279745号公報
近年ディスクの記憶容量が増大してきたことに伴いトラック・ピッチが益々狭くなってきたため、ヘッドのトラック追跡動作にもより一層の高い性能が要求されるようになってきた。その結果、従来は問題にならなかった程度のフラッタリングに対しても対策を施さなければならないという事情が生じてきた。
【0005】
図1に従来のアクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ10において配線を支持する状態を示す。アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ10は、ピボット軸受11とコイル・サポート14とボイス・コイル16とアクチュエータ・アーム12a〜12dとからなるアクチュエータ・アセンブリと、これに結合されたヘッド・サスペンション・アセンブリ18a〜18fとで構成される。ヘッド・サスペンション・アセンブリ18a〜18fはそれぞれロード・ビーム、フレキシャ、及びスライダで構成されている(図示せず。)。スライダはヘッド・サスペンション・アセンブリの先端部分でフレキシャに取り付けられており、さらにスライダにはヘッドが取り付けられている。
【0006】
アクチュエータ・アーム12a〜12dは4本積層されており、ヘッド・サスペンション・アセンブリは、最も上に積層されたアクチュエータ・アーム12aと、最も下に積層されたアクチュエータ・アーム12dにはそれぞれ1個づつ取り付けられ、内側に積層されたその他の2本のアクチュエータ・アーム12b、12cには2個ずつ取り付けられている。
【0007】
アクチュエータ・アーム12a〜12dの側面には、スリットが形成された配線支持部材13a〜13dが取り付けられている。ヘッドに接続された配線がアクチュエータ・アーム12a〜12dの側面では配線支持部材のスリットに挿入されて固定されピボット軸受11近くまで引き出される。
【0008】
最初に図13を参照しながら本明細書の全体を通じて適用するアクチュエータ・アームに関連した用語の定義を説明する。図13は、アクチュエータ・アーム500を、図1のアクチュエータ・アーム12aをA−A矢印で切断した位置と同じ位置で切断した断面について、ヘッド側からみて模式的に描いた図である。
【0009】
面501、503は装置に実装したときに装置の上下方向に位置する面でいずれも表面ということにする。面505、507はアクチュエータ・アセンブリの回動方向に位置する側面であるが、側面505はアクチュエータ・アームが装置に実装されたときにディスクに近い面で内側面ということにし、側面507はハウジングの側壁に近い面で外側面ということにする。表面501と表面503との距離をアクチュエータ・アームの厚さという。
【0010】
面509は、表面501と表面503とで画定されるアクチュエータ・アームの厚さを二分する面で中心面ということにする。中心面に対してほぼ垂直な矢印Xで示す上下方向を縦方向といい、外側面又は内側面に対してほぼ垂直な矢印Yで示す左右方向を横方向という。図13の断面に垂直な方向をアクチュエータ・アーム又はアクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリの長さ方向という。長さ方向は、配線支持部材に関しても用いることがある。なお、ここでアクチュエータ・アームの表面、外側面、及び内側面は厳密な平面でなくてもよく、表面に凹凸があったり、傾斜や湾曲があったりしてもよい。さらに、アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリの長さ方向において、ヘッド側を先端側といい、ピボット軸受側を支持端側といい、適宜配線支持部材や、ヘッド・サスペンション・アセンブリの位置関係の明示にも使用する。
【0011】
図2(A)には、図1のA−A矢印で切断した断面を先端側からみた模式的な図を示す。アクチュエータ・アーム12a〜12dの外側面にそれぞれ取り付けられた配線支持部材13a〜13dが示されている。配線支持部材13a、13dには、横方向に開放された面を備えるスリットがそれぞれ一つずつ形成され、配線支持部材13b、13cには、同様のスリットが二つずつ形成されている。各スリットには、配線20a〜20fが挿入されて固定されている。
【0012】
各配線支持部材のスリットの開放面と反対側に位置している裏面は、それぞれ対応するアクチュエータ・アームの外側面に接着されている。各アクチュエータ・アームの二つの表面には、回転するディスクの表面から発生した気流が流れてくるが、図2(A)から明らかなように、配線20a〜20fは配線支持部材のスリットに挿入されて固定されているので、気流の影響を受けてフラッタリングを生ずることはない。
【0013】
図2(B)には、図1のB−B矢印で切断した断面を先端側からみた模式的な図を示す。同図には以下に説明する理由で配線支持部材が形成されておらず、配線20a〜20fはアクチュエータ・アームの外側面から支持を受けることができないため空中を浮いた状態で走っている。
【0014】
いま、ヘッド・サスペンション・アセンブリにおいて配線はヘッドに接続され、ヘッドはスライダに取り付けられ、スライダは板材で形成されたフレキシャに取り付けられ、フレキシャはロード・ビームの表面に重ねて取り付けられており、さらにロード・ビームはアクチュエータ・アームの表面に重ねて取り付けられている。ヘッド・サスペンション・アセンブリにおいて、配線はフレキシャ又はロード・ビームで支持されているため縦方向の位置は、アクチュエータ・アームの表面を含む平面より縦方向に中心面から離れて配置されている。
【0015】
したがって、B−B断面では、配線の位置が中心面から離れてアクチュエータ・アームの表面近くまで達し、スリットを備えた配線支持部材を形成することができなくなるか又は困難になる。配線は柔軟性があるためA−A断面の位置では配線支持部材に形成したスリットに挿入して固定することができるが、ヘッド・サスペンション・アセンブリに近いB−B断面の位置の近辺では、スリットで固定されず空中に置かれた状態になる。
【0016】
その結果図3に示すようにアクチュエータ・アームの内側面方向から表面を流れてきた気流が外側面を通過した直後に渦を発生し、配線20aに対し矢印Xで示す縦方向の振動を与える、いわゆるフラッタリング現象をもたらす。配線20aはヘッド・サスペンション・アセンブリの先端側に向かってロード・ビームやフレキシャに固定され、さらにはスライダに接続されているため、それらに振動を与え結果としてスライダを振動させてしまう。
【0017】
図2(A)の配線支持部材13aは、縦方向に二つの外側の表面15、17(以後、外側表面という。)が存在している。外側表面15と外側表面17との距離を配線支持部材の厚さと言うことにする。図2(A)では、配線支持部材13aの厚さとアクチュエータ・アーム12aの厚さがほぼ等しくなっている。B−B断面の位置でも配線を固定するために配線支持部材の厚さを厚くし、ヘッド・サスペンション・アセンブリ近くまでスリットを形成する方法が考えられる。しかし、アクチュエータ・アームは表面がディスクの表面からわずかの間隙を保って回動する必要があるため、配線支持部材の厚さには制限がある。また、配線支持部材とアクチュエータ・アームの境界にあまりおおきな段差を設けるとその部分で気流が乱れてアクチュエータ・アームに生ずるフラッタリングを増大させてしまうことにもなる。
【0018】
また、アクチュエータ・アームの表面に配線を接着して、ヘッド・サスペンション・アセンブリの近くまで固定する方法も考えられる。しかし、この方法では、ヘッド・サスペンション・アセンブリをアクチュエータ・アセンブリに取り付けた後の動作試験の結果不具合があった場合にヘッド・サスペンション・アセンブリを取り外して交換する作業が困難になる。
【0019】
さらに、アクチュエータ・アームの外側面にモールドでアクチュエータ・アームと一体にブラケットのような支持構造を形成することも考えられる。しかし、アクチュエータ・アームは内側面がディスクに極めて接近して配置されるため内側面と外側面をともに横方向に広げることは困難であり、配線支持のために外側面だけに横方向に延びたブラケットを形成することは、アクチュエータ・アセンブリの対称性が失われ、動作特性上好ましくない。
【0020】
さらにまた、図2(A)に示した形状のまま配線支持部材をより一層先端側に延ばし、支持されないで空中を走る配線部分の長さを短くしようとすると、配線は配線支持部材のスリットからでた後にヘッド・サスペンション・アセンブリで固定される位置まで急激に中心面から離れるように変位する必要があり、配線をスリットに挿入する作業が困難になるとともに、配線とスリット入り口での接触圧力が高まって配線が損傷したりする。また、変位が急峻になると配線の機能が損なわれる可能性もある。
【0021】
よって、図1に示した配線支持部材の基本的な構成を利用し、さらにスリットが形成できない部分で配線に発生するフラッタリングを防止する新たな配線支持部材の出現が望まれていた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、ヘッドに接続された配線構造をアクチュエータ・アームの側面でフラッタリングを生じないように支持する回転円板形記憶装置を提供することにある。また、そのような回転円板形記憶装置に使用する配線支持部材を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転する円板形記録媒体の表面で発生した気流の影響でフラッタリングが生じないように支持することができる配線支持部材を備えた回転円板形記憶装置を提供する。本発明において、アクチュエータ・アームの側面に結合された配線支持部材が、配線構造をアクチュエータ・アームの側面で固定する固定領域と、配線構造に対向しアクチュエータ・アームの横方向に突き出た対向面を備え先端側で固定領域に隣接する解放領域とを備える。
【0024】
アクチュエータ・アームの内側面又は外側面は、ヘッドに接続された配線構造を回路基板まで導くための経路として利用できる。本発明に係る配線支持部材は、固定領域では配線構造をアクチュエータ・アームに対して固定しているためにフラッタリングは生じない。さらに、固定領域が形成できない先端側では解放領域がフラッタリングを軽減する。
【0025】
ヘッド・サスペンション・アセンブリとアクチュエータ・アームとの結合部より支持端側に所定の距離だけ離れている位置では、固定領域を設けて配線構造をアクチュエータ・アームの側面に対して固定し気流の影響を防ぐことができる。
【0026】
解放領域は、アクチュエータ・アームとヘッド・サスペンション・アセンブリとの通常の結合方法において、配線構造がフラッタリングを生じないように支持する上で効果を奏する。すなわち、通常は、アクチュエータ・アームとヘッド・サスペンション・アセンブリは異なる部材として製作し、アクチュエータ・アームの表面にヘッド・サスペンション・アセンブリを重ね合わせてスエージ結合する。あるいはなんらかの部材を介在して縦方向においてさらにアクチュエータ・アームの表面から離れた位置にヘッド・サスペンション・アセンブリを結合する。
【0027】
このような結合方法の場合に、ヘッド・サスペンション・アセンブリで支持された配線構造の縦方向の位置が、アクチュエータ・アームの表面の外側、すなわち中心面に対して表面から一層離れた位置に位置づけられることになり、ヘッド・サスペンション・アセンブリの近くでは固定領域を形成して配線構造を支持することができない。しかし解放領域が、アクチュエータ・アームの横方向に突き出た、配線構造に対する対向面を備えることにより、対向面が渦の発生又は影響を軽減し、配線構造にフラッタリングを生じさせないで支持することができる。対向面は配線構造に接触しても接触しなくてもよい。
【0028】
ここで、配線構造とは少なくともヘッドに対する信号の経路となる導電体を含み、適宜、絶縁、剛性、又は保護などの機能を有する材料とともに構成することができる。また、その断面形状は板状、円形、楕円形又はこれらに類似する任意の形状を選択することができる。
【0029】
固定領域において配線構造を固定するとは、アクチュエータ・アームに対する位置が変化しないように配線構造全体を保持することや、配線構造の部分的な位置を保持することをいう。配線構造は配線支持部材に接着剤で接着してもよいし、はめ込みなど他のいかなる周知の方法を採用してもよい。
【0030】
本発明の他の態様では、配線支持部材の外側表面が、隣接するアクチュエータ・アームの表面とほぼ同一平面上にある。本発明の思想には、配線支持部材の厚さがアクチュエータ・アームの厚さを超えることを含んでいるが、両者の厚さをほぼ等しくすることにより、アクチュエータ・アームの表面を通過する気流は層流のまま配線支持部材の側面まで流れることができる。ほぼ同一平面上とは、配線支持部材の厚さとアクチュエータ・アームの厚さとの間に配線支持部材の製造上の公差程度の差があってもよいことを意味する。
【0031】
本発明の他の態様では、解放領域の先端側の端部がヘッド・サスペンション・アセンブリの支持端側の端部に隣接する位置で終端する。本発明に係る解放領域はアクチュエータ・アームの横方向に突き出た対向面として構成しているので、ヘッド・サスペンション・アセンブリの支持端側の端部に隣接する位置まで形成することができる。このように、配線支持部材は固定領域及び解放領域という構成を備えることにより配線構造をアクチュエータ・アームの側面でフラッタリングが生じないように支持することができる。
【0032】
本発明の他の態様では、固定領域が第1の突出壁と第2の突出壁とで形成され、それぞれの突出壁の対向面の間に配線構造が収納される。この構成により配線構造は対向面の間に挟まれて固定されるために着脱が容易であり、アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリを組み立てて試験をした結果不良品が発生したときにでも、ヘッド・サスペンション・アセンブリを容易に交換することができる。
【0033】
固定領域は配線構造を固定する機能を備えていればよいので、突出壁を長さ方向に連続して形成する必要はなく、長さ方向に分離して形成してもよい。突出壁を分離して形成すると、配線支持部材をダイカストで製作するときに対向面の間隔が狭くてもダイスの強度を補強することができる。さらに固定領域と解放領域との境界が第2の突出壁の端部で与えられ、解放領域では第2の突出壁が消滅している。第3の突出壁は第1の突出壁が先端側に延長したものであってもよいし、第1の突出壁とは長さ方向で分離して形成したものであってもよい。
【0034】
固定領域の対向面はアクチュエータ・アームの表面に平行な面と傾斜する面とを備え、さらに解放領域の対向面も傾斜する面を備えることができる。配線構造は、固定領域からヘッド・サスペンション・アセンブリの位置に向かって、中心面から縦方向に離れる方向に変位する。配線構造を急激に変位させることは好ましくないが、傾斜する対向面を備えることにより配線構造を急激に変位させないで固定領域をできるだけ先端側まで形成できる。
【0035】
解放領域も配線構造の変位に合わせて対向面を傾斜させて形成すれば、配線構造と対向面との間隙を狭くして渦の影響を効果的に防止することができる。第3の突出壁の対向面を傾斜角度の異なる2以上の平面で構成し、対向面と配線構造との間に間隙を設けてヘッド・サスペンション・アセンブリをアクチュエータ・アームに取り付ける際の作業性を向上することができる。
【0036】
本発明のさらに他の態様では、配線支持部材が配線構造を挟み込むように長さ方向に延びたスリットと、スリットの長さ方向の端部に隣接し先端側において配線構造に対向面を提供する壁とを含んで構成されている。スリットは配線構造を接着剤などを用いないで着脱できるように固定するのに都合がよい。スリットは横方向に開放面を設ける場合のほか、縦方向に開放面を設けてもよい。また、配線支持部材の断面形状も矩形に限定する必要がないので、縦方向及び横方向以外の斜め方向に開放面を設けてもよい。
【0037】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図面全体をとおして同一構成要素には同一参照番号を付す。図4は、本発明の実施の形態に供する磁気ディスク装置50の概略構成を示す平面図で、図5は、図4に示したアクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ54の斜視図である。ハウジング52は、底面と側面と上面に接合されるハウジング蓋(図示せず。)と共に清浄な空気の密閉空間を形成し、内部にアクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ54、磁気ディスク・スタック66、ランプ64などを収納している。
【0038】
磁気ディスク・スタック66は、1枚又は、2枚以上の積層されたディスクがハウジング52の底面で支持されたスピンドル軸68の周りを回転できるようにスピンドル・ハブ(図示せず。)に取り付けられ、それぞれの表面と裏面には記録面が形成されている。本実施の形態では、3枚の磁気ディスクが積層されて設けられている。
【0039】
アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ54は、アクチュエータ・アセンブリ55とヘッド・サスペンション・アセンブリ61とを含む。図5には、ピボット軸受57とボイス・コイル53を保持するコイル・サポート59とアクチュエータ・アーム56a〜56dとで構成されたアクチュエータ・アセンブリ55が示されている。アクチュエータ・アセンブリ55は、アルミニウムを引き出し成形した後に所定の形状に加工して形成することができ、また、アルミニウムのダイカストで一体形成することができる。ピボット軸受57の後方にはボイス・コイル53とともにボイス・コイル・モータを構成するボイス・コイル・ヨーク60が配置され、ボイス・コイル・ヨークの内側には永久磁石が取り付けられて静磁界を形成している。
【0040】
積層された3枚の磁気ディスクからなる磁気ディスク・スタック66はそれぞれ表面と裏面に記録領域を備え、これに対応して4本のアクチュエータ・アーム56a〜56dが積層された構造になっている。アクチュエータ・アーム56a、56dには、それぞれ一つのヘッド・サスペンション・アセンブリ61a、61gが取り付けられ、アクチュエータ・アーム56bにはヘッド・サスペンション・アセンブリ61b、61cが取り付けられ、アクチュエータ・アーム56cにはヘッド・サスペンション・アセンブリ61d、61eがそれぞれ取り付けられる。ヘッド・サスペンション・アセンブリ61a〜61gは、アクチュエータ・アームの先端側に形成されたスエージ・ホール63a〜63dに、マウント・プレート82(図6参照)のボス95がスエージ加工で結合される。
【0041】
ヘッド・サスペンション・アセンブリ61a〜61gはすべて同様の構成になっており、同様の方法でアクチュエータ・アーム56a〜56dに結合される。任意のヘッド・サスペンション・アセンブリは、ディスクとの間でデータの読み取り及び書き込み又はそのいずれか一方を行うヘッドと、ヘッドが取り付けられたスライダと、ピボット動作ができるように柔軟にスライダを支持するフレキシャと、スライダに対してディスク面に向かう圧力を加えるようにフレキシャを支持するロード・ビーム62とで構成し、さらにヘッドに接続された配線構造を含んで構成してよい。
【0042】
それぞれのロード・ビームの先端には、ランプ64に係合するタブ70a〜70gが形成されている。アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ54はディスクの回転を停止する前に、タブ70a〜gをランプ64に係合させてスライダを退避させる。
【0043】
ハウジング52の底面外側には、磁気ディスク装置50の動作及び外部とのデータ通信を制御するための回路基板(図示せず。)が設けられている。ヘッドと回路基板との電気信号の経路を形成するために、ヘッドに接続された配線構造(図示せず。)が、ヘッド・サスペンション・アセンブリ61a〜61g及びアクチュエータ・アーム56a〜56dに沿ってブラケット74まで配線されている。
【0044】
アクチュエータ・アーム56a〜56dには、それぞれの外側面にプラスチックなどの軽量で比較的剛性の大きい材料で形成された配線支持部材102a〜102dが取り付けられている。配線支持部材102a〜102dは、アクチュエータ・アームへの固定作業やダイカストによる製作に都合がよいようにピボット軸受57の近辺で相互に連結されているが、それぞれのアクチュエータ・アームごとに分離して製作してもよい。
【0045】
配線支持部材102a〜102dにはそれぞれ配線構造を収納してアクチュエータ・アームに固定するために横方向に開放する面を備えたスリットが形成されている。アクチュエータ・アーム56a、56dに取り付けられている配線支持部材102a、102dにはそれぞれ一つのスリットが形成され、アクチュエータ・アーム56b、56cに取り付けられている配線支持部材102b、102cとには、それぞれ平行に二つのスリットが形成されている。
【0046】
本実施の形態においては、スリットの数を当該アクチュエータ・アームに取り付けられているヘッド・サスペンション・アセンブリの数、すなわちヘッドに接続される配線構造の数に対応させているが、たとえば配線支持部材102a、102dを配線支持部材102b、102cと同じ形状で製作して、スリット一つを使用しないようにしてもよい。また、配線支持部材102b、102cではスリットの幅を大きくして二つの配線構造を一つのスリットに挿入できるようにしてもよい。
【0047】
ヘッド・サスペンション・アセンブリから延びてきた配線構造は、アクチュエータ・アームの外側面で配線支持部材のスリットに収納されてブラケット74まで配線される。アクチュエータ・アームの内側面は磁気ディスク66の外周との間隔が制約されており、配線支持部材を設けるには外側面の方が都合がよい。配線構造は平板状に形成されており、ブラケット74でフレックス・ケーブル76の導体に接続される。フレックス・ケーブル76はハウジングの底面に固定されたブラケット・ベース・サイド78まで配線され、さらにハウジングの裏面に設けられた回路基板に接続される。
【0048】
ブラケット74には、フレックス・ケーブル76とヘッドに接続された配線構造との接続のためにフレックス・ケーブルの絶縁シート上にボンディング・パッドが設けられている。フレックス・ケーブル76の一部はブラケット74の上部で折れ曲がっておりハンダ・ホール80が形成されている。ハンダ・ホール80の周りにはフレックス・ケーブルの配線パターンの一部であるグランド線に接続されたグランド・パッドが形成されている。
【0049】
ブラケットを取り付ける際、ピボット軸受57に形成されたピン穴には、真鍮などからなるハンダ・ピン81が挿入されている。ブラケット74は、ねじ穴79a、79bを使ってピボット軸受57の側面に結合され、さらに、ハンダ・ホール80をハンダ・ピン81が貫通してフレックス・ケーブルのパターンの上に突き出たハンダ・ピン81の一部に熱を加えてグランド・パッドとピボット軸受57を電気的に接続する。
【0050】
フレックス・ケーブルが薄い場合には、ピボット軸受はアルミニウムなどの金属で形成されており比較的熱伝導率が良好なため、ハンダ・ピン81の先端に加えたハンダ用の熱がピボット軸受57を伝わって逃げやすく、ハンダ接続の品質を保つことが困難な場合がある。本実施の形態では、図12に示すようにハンダ・ピン81を挿入するためにピボット軸受57に形成するピン穴77に特徴を持たせている。ピン穴77はハンダ・ピンの外径にほぼ一致する内径D1を有する部分と、内径D1より大きい内径D2を有する部分とで構成され、内径D2で構成する部分をピボット軸受の表面近くに形成している。
【0051】
このような構成を採用することにより、ハンダ・ピン81に加えた熱がピボット軸受57に伝わって逃げにくくなり、質のよいハンダ接続ができる。この実施の形態では、ピン穴として内部が円形の穴を示したが、穴の形状が円形に限定されず任意の形状をとり得ることは当業者にとって明らかであろう。
【0052】
ピボット軸受57には、ハウジングの底面で支持されたピボット軸58が挿入され、アクチュエータ・アセンブリ55はピボット軸の周りで横方向に回動できるようになっている。ボイス・コイル・ヨークとマグネットが生成する静磁界中に配置されたボイス・コイル53に制御された電流を流すことにより、アクチュエータ・アセンブリ55に駆動力が生じアクチュエータ・アーム及びそれに結合されたヘッド・サスペンション・アセンブリを横方向に回動させ、ヘッドを所定のトラックに位置づけることができる。
【0053】
いま、磁気ディスク66が図4に示す矢印Aの方向に回転するとディスクの表面には気流が発生し、スライダの空気軸受面に浮力を与えてスライダをディスク表面から浮上させる。ヘッドを一定のトラックに位置づけるためにヘッドがディスク66のトラックから読み取ったサーボ信号によりボイス・コイルに流す電流を制御するが、スライダが気流の影響を受けて不規則的に振動するとサーボ制御の精度を低下させることになる。
【0054】
アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ54はヘッドを所定のトラックに位置づけるために回動動作をする際、ディスク表面上にアクチュエータ・アームやヘッド・サスペンション・アセンブリを位置づけるため各部に気流が衝突しフラッタリングが生ずる可能性をもたらす。
【0055】
図6は、ヘッド・サスペンション・アセンブリ61の概略を示す斜視図である。ヘッド・サスペンション・アセンブリ61は、ステンレスの薄板で形成されたロード・ビーム62とフレキシャ88とスライダ92とマウント・プレート82とで構成されている。ロード・ビーム62は、ビーム部83と基部85とヒンジ部86とで構成されているマルチ・ピース型といわれているものであるが、本発明のロード・ビームはこのような構成に限定されるものではなく、3ピース形などの周知の他の形態のロード・ビームを採用することができる。
【0056】
ヒンジ部86は、スライダがディスクの回転により生じた気流から受ける浮力に対抗する負圧を与えるバネ機能を有する。ビーム部83は、アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ54が回動動作をする際、フレキシャを安定した姿勢で支持するための剛性機能を有する。
【0057】
基部85は、ロード・ビーム62をアクチュエータ・アームに固定するための強度を有する。マウント・プレートは中央に円形のボス95が形成され、フランジ部97が基部85にスポット溶接又は接着剤で結合される。マウント・プレートは、フランジ部97がアクチュエータ・アームの表面に重ねられ、ボス95がアクチュエータ・アームのスエッジ・ホール63に挿入されてスエージ加工によりアクチュエータ・アームに結合される。
【0058】
ヒンジ部86はスポット溶接又は接着剤によりビーム部83及び基部85に結合される。フレキシャ88は、ロード・ビーム側からステンレスの金属層、ポリイミドの絶縁層、銅の導体層、及びポリイミドの保護層からなるラミネート・シートを周知のフォトリソグラフィック・エッチング技術により加工して製作する。
【0059】
金属層は、スライダの挙動を制御するための剛性とスライダ92の支持領域を提供しフレキシャの剛性を画定する機能を果たす。絶縁層は導体層と金属層を電気的に絶縁する機能を提供し、導体層はスライダに取り付けられたヘッドと回路基板との電気信号の経路の一部を提供する。保護層は導体層の表面保護のために提供されるが、金メッキなどの他の方法で代用することもできる。金属層、絶縁層、導体層、及び保護層で板状のように形成された積層構造は、導体層がヘッドに接続され、金属層が、ロード・ビーム62に接着又はスポット溶接で結合され、配線構造90としてアクチュエータ・アームの外側面に沿うように支持端側に延びていく。
【0060】
フレキシャ88及び配線構造90は、このようにロード・ビーム62側から金属層、絶縁層、及び導体層が積層された構造になっており、さらに、ヘッド・サスペンション・アセンブリ61がマウント・プレート82でアクチュエータ・アームの表面にフランジ部97が重ねられて固定されるため、ヘッド・サスペンション・アセンブリ61における配線構造の縦方向の位置がアクチュエータ・アームの表面を含む平面よりマウント・プレートの厚さとロード・ビームの厚さだけアクチュエータ・アームの中心面から離れた位置にある。
【0061】
図7は、図5で示したアクチュエータ・アーム56a、56bの先端側の一部の外側面と、配線支持部材102a、102bの側面とを示す図である。図8は、アクチュエータ・アーム56aと配線支持部材102aの先端側を示す平面図である。
【0062】
図7(A)は、配線支持部材102aを取り外した状態でのアクチュエータ・アーム56aの外側面を示し、図7(B)はアクチュエータ・アーム56aの外側面に配線支持部材102aが取付られた状態の側面を示し、図7(B)はアクチュエータ・アーム56bの外側面に配線支持部材102bが取り付けられた状態の側面を示す。
【0063】
図7において補助線Lは、図5に示したスエージ・ホール63a〜63dの中心線を示し、図7(A)、(B)、(C)はスエージ・ホールの中心線Lを基準にして相互に長さ方向に位置が整合している。図5(A)に示すようにアクチュエータ・アーム56aの表面302と表面303で形成する厚さが、表面304と表面305とで形成する厚さより厚くなっている。表面302、303は支持端側に位置し、表面304、305は先端側に位置している。
【0064】
アクチュエータ・アームの表面302、303で画定される支持端側の厚さは1mm〜1.3mmに選択され、表面304、305で画定される先端側の厚さは0.72mm〜0.74mmに選択されている。アクチュエータ・アームの厚さが長さ方向で変化しているのは、アクチュエータ・アームは動作中安定してヘッド・サスペンション・アセンブリを支持するための剛性を備える必要があるため支持端側では一定の厚さが必要であるが、スライダの浮上特性を良好に保つためにヘッド・サスペンション・アセンブリとディスク表面との間隔をそれほど広げることができないために先端側では薄くする必要があったり、総重量を減らす必要があるといった事情に基づくものである。
【0065】
図7(B)では、アクチュエータ・アーム56aの外側面に配線支持部材102aが接着剤で取り付けられている。配線支持部材は、アクチュエータ・アームの外側面に沿って長さ方向に配置される基礎壁(図示せず)を有する。基礎壁の裏面はアクチュエータ・アームの外側面に接着される。配線支持部材102aは、基礎壁の表面から突出壁108a、110aが横方向に突き出るように形成されている。突出壁108a、110aはそれぞれ縦方向に外側表面322、324を備えている。
【0066】
アクチュエータ・アームの二つの表面302と表面303とは、配線支持部材の外側表面322、外側表面324と、それぞれほぼ同一平面上に存在している。配線支持部材の厚さがアクチュエータ・アームの厚さとほぼ等しいか又は薄くなるように形成することは、アクチュエータ・アームの表面を流れてきた気流が、配線支持部材の裏面に衝突することによりフラッタリングが発生することを防止する上で好ましい形態であるが、本発明は、配線支持部材の厚さがアクチュエータ・アームの厚さを超えても後述する解放領域という特徴的な構造によりフラッタリングの防止に十分な効果を発揮することができる。外側表面322、324と表面302、303との間に生じた段差がフラッタリングに与える影響は、配線構造が空中に置かれることによる影響に比べると無視できるほど小さいからである。突出壁110aは長さ方向に連続して形成されてはおらず、参照番号323で示す位置では突出壁がなく、基礎壁の表面がみえている。
【0067】
突出壁を部分的に形成しないことにより、ダイスの構造を強化することができる。すなわち、ダイスは、配線支持部材と反対の形状を備えることになるが、後述するスリット104aは間隔が狭いため金属で造ったダイスがスリットに対応する部分で薄い板状になり、プラスチックが硬化した後に引き抜く際破損することがあるが、ダイスの参照番号323に対応する部分でダイスの薄い板状部分を補強することができる。
【0068】
配線構造90aは板状のように成型されており、突出壁108aと110aは配線構造90aを挿入して固定するためのスリット104aを形成するように相互に間隔を保った対向面を備えて基礎壁から横方向に突き出ている。スリットは突出壁108aが配線構造90aの一方の面に対向する対向面と、基礎壁が内側に提供する面と、突出壁110aが配線構造90aの他方の面に対向する面とで形成される。
【0069】
図7(B)には、配線支持部材の長さ方向の特徴を説明するために、a〜dで指示する範囲を定義している。スリット104aは、範囲aでは、アクチュエータ・アーム56aの表面322、324にほぼ平行に形成されている。スリット104aは範囲bにおいて、突出壁108aと110aとの配線構造に対する対向面が一定の間隔を維持しつつ、アクチュエータ・アームの中心面から表面に向かって傾斜するように形成されている。
【0070】
したがって配線構造90aは、範囲a及び範囲bにおいてアクチュエータ・アームの二つの表面をそれぞれ含む二つの平面の間に形成されたスリット104aに固定されていることになる。範囲bでは、スリット104aが外側表面324に向かって傾斜しているため範囲bと範囲cとの境界では突出壁110aが肉厚を維持することができなくなり、長さ方向に端部Pが形成され、範囲cでは突出壁110aが消滅している。突出壁110aの長さ方向の端部Pは、配線構造をスリット104aに挿入する際の作業を容易にし、配線構造を損傷しないようにするため、長さ方向及び横方向において曲面で形成されている。
【0071】
突出壁110aの端部Pは、その形状にかかわらず配線構造がスリットによる固定から解放される境界としての位置に意義がある。範囲a及び範囲bは配線構造が配線支持部材により固定される領域であるため固定領域といい、範囲cは配線構造が配線支持部材に拘束されない領域であるため解放領域という。配線構造の一部が対向面に接触している状態があっても、対向面の位置と反対方向に移動できるようであれば解放領域の範囲に入る。固定領域及び解放領域の定義は図7(C)の配線支持部材102b、及びその他の配線支持部材にも適用する。
【0072】
解放領域では、基礎壁から突出壁108aだけが突き出ている。突出壁108aの外側表面326は、アクチュエータ・アームの表面304とほぼ同一の表面上にある。突出壁108aが配線構造90aに対向する対向面328は、先端側に近づくにしたがってアクチュエータ・アームの中心面から離れるように表面に向かってゆるやかに傾斜しており、対向面330ではその傾斜が大きくなり、対向面332はアクチュエータ・アームの表面にほぼ平行になっている。
【0073】
本実施の形態では、解放領域の突出壁108aは、固定領域の突出壁108aから連続して形成されているが、固定領域と解放領域の境界、又は解放領域内のいずれかの場所で固定領域の突出壁から分離されていてもよい。突出壁110aの端部Pから出た配線構造は、対向面328、330、332に沿って範囲cと範囲dの境界まで緩やかに傾斜して延びている。図7(B)において対向面328と配線構造90aとの間には比較的大きな間隙が設けられている。
【0074】
この間隙は配線構造90aを配線支持部材のスリット104aに挿入する際作業性を向上させる意義を有する。配線構造は金属層がフレキシャと同一材料を使って同一工程で製作され、ヘッド・サスペンション・アセンブリ61aの一部として形成されている。アクチュエータ・アームには配線支持部材が接着により固定されている。アクチュエータ・アーム56a〜56dのスエージ・ホール63a〜63dにヘッド・サスペンション・アセンブリ61a〜61gを固定し、配線構造をスリットに挿入して固定する作業はつぎのように行う。
【0075】
まず、ジグでヘッド・サスペンション・アセンブリ61a〜61g及び配線構造をアクチュエータ・アーム56a〜56dに整合するように積層して保持し、アクチュエータ・アームの先端側の表面の対応する位置に各ヘッド・サスペンション・アセンブリが位置づけられるように横方向から挿入していく。このとき、配線構造は剛性のある金属層を備えているため、アクチュエータ・アームの表面より内側である中心面寄りに傾斜して形成されているスリットにはそのままでは入らない。
【0076】
そのため、図7(B)と図7(C)で示す配線構造90aと90bとの間に、対向面328と対向面356の位置に櫛状のガイドの櫛の一つを配置しそのガイドに沿わせて配線構造を中心面方向に押しつけながら若干屈曲させ、端部Pで位置を整合させてスリットに収まるようにしている。このときガイドを使って配線構造をスリットに挿入させるために、配線構造がガイドで屈曲されるためのスペースがあると都合がよい。
【0077】
対向面332も、配線構造90aとの間に多少の間隙があるが、両者が密着するように製作してもよい。解放領域の突出壁108aは範囲cの全域で配線構造を固定しておらず、かつ、配線構造との間に間隙を設けているが、アクチュエータ・アームの表面を流れてきた気流が配線構造に影響を与える渦が発生するのを防止又は軽減する効果があり、配線構造のフラッタリングを防止する上で効果的である。また、解放領域の構造は、配線構造を配線支持部材に着脱する際の自由度を制約するものではなく、また、気流による新たな振動の原因をもたらすような弊害を生じさせるものでもない。
【0078】
範囲cで定義される解放領域は、突出壁110aの端部Pで始まり、図に示すようにヘッド・サスペンション・アセンブリの一部を構成するロード・ビームの基部85aが支持端側に有する端部に隣接する位置で終了する。隣接するとは、端部と基部との間に製造上の公差程度は間隔があってもよいことを意味するが、さらに2mm程度といった間隔の空いた位置で解放領域が終端していても本発明の思想の範囲に含まれる。
【0079】
範囲dは、配線構造がヘッド・サスペンション・アセンブリで固定されるためフラッタリングが発生しない領域である。アクチュエータ・アーム56aの表面305には、スエージ・ホール63の位置でマウント・プレートのフランジ部97aが重なっており、その上にロード・ビームの基部85aが重なっている。マウントプレートのボス95はスエージ・ホール63の中に挿入されている。
【0080】
配線構造90aの金属層は、基部85aの表面に適宜スポット溶接又は接着により固定されてヘッドまで延びている。ここで、マウントプレートのフランジ部97aの厚さは150μm、ロード・ビームの基部85aの厚さは100μm、フレキシャの金属層の厚さは20μmに選択され、絶縁層、導体層、及び保護層からなる配線構造の厚さは28〜54μmに選択されている。したがって、アクチュエータ・アームの表面から配線構造の最も中心面寄りの面(フレキシャの金属層とロード・ビームの基部85aの境界面)までは、250μmあることになる。
【0081】
スエージ・ホールの中心線Lから解放領域と固定領域との境界まではほぼ7mmあり、さらに、中心線Lから範囲aと範囲bとの境界まではほぼ8.8mmとなっている。解放領域では、配線構造90aは突出部110aの端部Pと基部85aにより両端が固定され、その間は配線構造の剛性で形状を保っている。
【0082】
図7(C)を説明する前に図8を説明する。図8は、配線支持部材102aとアクチュエータ・アーム56aの平面図である。アクチュエータ・アームの表面302が配線支持部材102aの外側表面322に隣接し、表面304が外側表面326に隣接する。表面304上には配線支持部材をアクチュエータ・アームに係合させるためのツメ103が配線支持部材から延びている。長さ方向においてツメの位置に端部Pが形成されて、固定領域と解放領域の境界をなしている。
【0083】
つづいて図7(C)及び図9を参照して、配線支持部材102bについて説明する。配線支持部材102bは、二つのヘッド・サスペンション・アセンブリ61b、61cを支持するアクチュエータ・アーム56bの外側面に取り付けられている。したがってアクチュエータ・アーム56bの外側面には二つの配線構造が配線され、範囲a及び範囲bで定義される固定領域には二つの配線構造90b及び90cを収納するスリット104b、104cが形成されている。さらに範囲cで定義される解放領域では配線構造90b、90cに対向する対向面356、358、360、362が突出壁108bの両面に中心面に対称に形成されている。
【0084】
アクチュエータ・アーム56bと配線支持部材102bとを矢印A−A、矢印B−B、矢印C−C、矢印D−D、及び矢印E−Eでそれぞれ切断した断面について先端側からみた図を図9(A)〜図9(E)に示す。図9(A)は、配線支持部材102bの一部である基礎壁105bの裏面が、アクチュエータ・アーム56bの外側面に接着され、外側表面352、354が隣接するアクチュエータ・アームの表面308、310とほぼ同一の表面上に存在している。
【0085】
基礎壁105bの内面からは横方向に突出壁106b、108b、及び110bが突き出ている。突出壁106bと突出壁108bとは、それぞれが備える対向面で分離して長さ方向にスリット104bを形成し、中に配線構造90bを収納している。突出壁108bと突出壁110bとは、それぞれが備える対向面で分離して長さ方向にスリット104cを形成し配線構造90cを収納している。
【0086】
断面A−Aは、スリットがアクチュエータ・アームの表面に平行に形成されている位置であり、スリット104bとスリット104cとの間隔は比較的中心面寄りに接近している。したがって、突出壁106b、110bは肉厚を十分にとることができる。図7(B)の参照番号323について説明したのと同様に、図7(C)の参照番号325、355で示す部分には、突出壁を設けないことによりダイス型の強度を向上できるように構成している。
【0087】
図9(B)の断面B−Bの位置は固定領域であるがスリット104b、104cが長さ方向に外側表面352、354に向かって傾斜している部分であり、スリット104bとスリット104cとの間隔は図9(A)に比べて大きくなっている。図9(C)の断面C−Cの位置は解放領域であるが、突出壁106b、110bは範囲bと範囲cとの境界にある端部の位置で消滅しているので描かれていない。
【0088】
突出壁108bの二つの対向面356、358は、図9(B)の位置からさらに長さ方向に表面に向かって傾斜しているため突出壁108bの縦方向の厚さは増大している。突出壁108bが備える対向面356、358は、この切断面において、アクチュエータ・アームの表面312、314とほぼ同一表面にある。配線構造90b、90cは、対向面356、358に対してそれぞれわずかの間隙を保って保持されている。配線構造は固定領域では気流により発生した渦の影響で振動することはないが、図9(C)の解放領域においても渦は突出壁108bの横方向で発生するため、配線構造90b、90cが受ける振動の影響は小さい。
【0089】
図9(D)に示す断面D−Dでは、二つの対向面360、362が最も中心面から縦方向に離れた位置に存在している。配線構造90bと90cは図9(C)と同様に対向面360、362に対してわずかの間隙を保って位置づけられている。二つの対向面360、362は、アクチュエータ・アームの表面312、314よりも高くなっており、アクチュエータ・アームの表面との間に段差を生じている。しかし、対向面360、362は長さ方向に短いため気流が衝突してアクチュエータ・アームに振動を与えることは少ない。
【0090】
図9(E)の断面E−Eでは、配線構造がロード・ビームの基部85bで支持されている状態を示している。アクチュエータ・アーム56bの表面312、314にはマウント・プレートのフランジ部97b、97cがそれぞれ重ねて固定され、さらにロード・ビームの基部85b、85cが重ねられてスポット溶接で固定されている。各基部の表面には配線構造の一部を構成する金属層93b、93cが重ねられてスポット溶接で固定されている。
【0091】
配線構造90b、90cは金属層の上に絶縁層、導体層、及び保護層が積層されているので金属層より厚くなっているが、配線構造の剛性は金属層によりもたらされる。図7(C)に示すように、突出壁106b、108bが先端側の端部Q、端部Rで消滅するので、配線構造90b、90cはロード・ビームの基部85b、85cで支持されるまでの間、自らの剛性で形状を維持する。
【0092】
以上、スリットが一つの例と二つの例を取り上げて本発明の実施の形態を説明したが、いずれのスリットも固定領域と、固定領域より先端側に隣接して位置する解放領域を設けている。配線支持部材の全体の長さに対して、固定領域の長さは60%〜90%を占めることが好ましい。
【0093】
図7に示した配線支持部材を使用した回転円板形記憶装置の磁気ディスクを7200rpmで回転させ、解放領域を設けた場合と設けない場合とのスライダの横方向変位の変化としてフラッタリングを計測してみた。ハウジングの側面からスライダにレーザービームを照射して変位を計測すると、6kHz近傍の比較的高い周波数領域において、フラッタリングを2/3までに低減することができた。高い周波数領域でのフラッタリングを減衰させることができたことは、本発明の配線支持部材が、解放領域の比較的短い長さの配線構造によりもたらされていたフラッタリングの軽減に効果があったといえる。
【0094】
これまで特定の実施の形態について配線支持部材の説明をしてきたが、本発明の思想の範囲に含まれる他の実施の形態について図10を参照しながら説明する。図10(A)は、アクチュエータ・アーム500と、これに結合された突出壁505を備える配線支持部材の解放領域における特定の位置の断面を示す図である。配線構造501、503に対して対向面を形成する突出壁の横方向における長さL1は、配線構造の幅L2より短くなっている。突出壁の突き出し長さは配線構造の長さ以上であることが好ましいが、短くても突出壁の全面に発生する渦により配線構造が受ける影響は、突出壁が存在しないときよりも小さくなるので有効である。
【0095】
図10(B)は、突出壁507の厚さが薄くなり、突出壁507の対向面と配線構造501、503との間隙が大きくなっている例であるが、アクチュエータ・アームの外側面の前で気流が小さな渦を生成し配線構造に振動を与える。しかし、突出壁が全く存在しない従来の方式に比べて渦による振動の影響は小さくできるので有効である。
【0096】
図11(A)〜(E)は、配線支持部材の解放領域を横方向からみた模式的な図で図7(C)の解放領域における突出壁108bに対応する部分である。図11(A)では、配線構造に対する対向面が湾曲した連続面515を備える突出壁で形成されている。図11(B)では、対向面が傾斜する一つの平面517を備える突出壁で形成されている。図11(C)では、対向面が傾斜のない一つの平面519を備える突出壁で形成されている。
【0097】
図11(D)では、2以上のステップ521、523、525を備える突出壁で形成されている。図11(E)では、対向面が傾斜角度の異なる2以上の平面527、529、531、533を備える突出壁で形成されている。長さ方向においては、各突出壁を連続するように形成する必要はなく、部分的に対向面を備えるようにしてもよい。
【0098】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示したこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限りこれまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明により、アクチュエータ・アームの側面でフラッタリングが生じないように配線構造を支持する配線支持部材及びそれを使用した回転円板形記憶装置を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクチュエータ・アームが配線を支持する従来の方法を示す図である。
【図2】図1のA−A矢印及びB−B矢印で切断した断面を示す図である。
【図3】アクチュエータ・アームの外側面で気流が配線に振動を与える状況を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る回転円板形記憶装置の概略平面を示す図である。
【図5】本実施の形態に係るアクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリの斜視図である。
【図6】本実施の形態に係るヘッド・サスペンション・アセンブリの斜視図である。
【図7】本実施の形態に係るアクチュエータ・アーム及び配線支持部材の部分的な側面図である。
【図8】本実施の形態に係るアクチュエータ・アーム及び配線支持部材の部分的な平面図である。
【図9】図7に示した配線支持部材の各断面を示す図である。
【図10】配線支持部材の他の実施の形態を説明する図である。
【図11】配線支持部材の他の実施の形態を説明する図である。
【図12】本実施の形態に係るフレックス・ケーブルのハンダ接続を説明する図である。
【図13】アクチュエータ・アームに関連して本明細書において使用する用語の定義を説明する図である。
【符号の説明】
50 磁気ディスク装置
52 ハウジング
53 ボイス・コイル
54 アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ
55 アクチュエータ・アセンブリ
56 アクチュエータ・アーム
57 ピボット軸受
58 ピボット軸
59 コイル・サポート
60 ボイスコイル・ヨーク
61 ヘッド・サスペンション・アセンブリ
62 ロード・ビーム
63 スエッジ・ホール
64 ランプ・ブロック
66 磁気ディスク・スタック
68 スピンドル軸
70 タブ
74 ブラケット
76 フレックス・ケーブル
77 ピン穴
78 ブラケット・ベース・サイド
79 ネジ
80 ハンダ・ホール
81 ハンダ・ピン
82 マウント・プレート
83 ビーム部
85 基部
86 ヒンジ部
88 フレキシャ
90 配線構造
92 スライダ
102 配線支持部材
103 ツメ
104 スリット
105 基礎壁
106 突出壁
108 突出壁
110 突出壁
Claims (18)
- ヘッドに接続された配線構造を備えるヘッド・サスペンション・アセンブリと、先端側で前記ヘッド・サスペンション・アセンブリが結合されているアクチュエータ・アームを備え該アクチュエータ・アームを回動させるアクチュエータ・アセンブリと、前記アクチュエータ・アームの側面に結合される配線支持部材とを備える回転円板形記憶装置であって、前記配線支持部材が、
前記配線構造を前記アクチュエータ・アームの側面で固定する固定領域と、
前記配線構造に対向するように前記アクチュエータ・アームの横方向に突き出た対向面を備え先端側で前記固定領域に隣接する解放領域と
を有する回転円板形記憶装置。 - 前記固定領域の長さが、前記配線支持部材の全体の長さの60%〜90%の範囲で選択されている請求項1記載の回転円板形記憶装置。
- 前記固定領域における前記配線支持部材の外側表面が、隣接する前記アクチュエータ・アームの表面とほぼ同一平面上にある請求項1記載の回転円板形記憶装置。
- 前記解放領域の先端側の端部が前記ヘッド・サスペンション・アセンブリの支持端側の端部に隣接する位置で終端している請求項1記載の回転円板形記憶装置。
- 前記固定領域が、前記配線構造に対向する対向面を備え横方向に突き出た第1の突出壁と、前記配線構造に対向する対向面を備え横方向に突き出た第2の突出壁とを有し、前記第1の突出壁の対向面と前記第2の突出壁の対向面との間に前記配線構造を収納し、
前記解放領域が、前記配線構造に対向する対向面を備え横方向に突き出た第3の突出壁を有し、前記第2の突出壁の先端側の端部で前記固定領域に隣接する
請求項1記載の回転円板形記憶装置。 - 前記第1の突出壁又は前記第2の突出壁のいずれか一方が長さ方向で分離されている領域を含む請求項5記載の回転円板形記憶装置。
- 前記第1の突出壁と前記第3の突出壁とが長さ方向に連続して形成されている請求項5記載の回転円板形記憶装置。
- 前記第1の突出壁の対向面と前記第2の突出壁の対向面とのそれぞれが前記アクチュエータ・アームの表面に対して平行な面と傾斜する面とを備え、前記第3の突出壁の対向面が前記アクチュエータ・アームの表面に対して傾斜する面を備える請求項5記載の回転円板形記憶装置。
- 前記第3の突出壁の対向面と前記配線構造との間に間隙を設けた請求項8記載の回転円板形記憶装置。
- ヘッドに接続された他の配線構造をさらに有し、前記配線支持部材が前記固定領域においてさらに前記他の配線構造に対向する対向面を備え横方向に突き出た第4の突出壁を有する請求項5記載の回転円板形記憶装置。
- 前記固定領域における前記配線支持部材の外側表面が、隣接する前記アクチュエータ・アームのそれぞれの表面とほぼ同一平面上にある請求項10記載のアクチュエータ・アーム。
- 前記配線構造が金属層と絶縁層と導電体層とを積層して形成されている請求項1記載の回転円板形記憶装置。
- 前記ヘッド・サスペンション・アセンブリが、前記アクチュエータ・アームの表面に重ねられて結合されるロード・ビームと前記ロード・ビームに重ねられて結合されるフレキシャと、前記フレキシャと同一工程で形成された金属層とを含む請求項12記載の回転円板形記憶装置。
- 前記配線支持部材が前記アクチュエータ・アームの外側面に結合される請求項1記載の回転円板形記憶装置。
- ヘッドに接続された配線構造を備えるヘッド・サスペンション・アセンブリと、先端側に前記ヘッド・サスペンション・アセンブリが結合されたアクチュエータ・アームを備え該アクチュエータ・アームを回動させるアクチュエータ・アセンブリと、前記アクチュエータ・アームの側面に結合される配線支持部材とを備える回転円板形記憶装置であって、前記配線支持部材が、
前記アクチュエータ・アームの長さ方向に形成されたスリットと、
先端側で前記スリットの長さ方向の端部に隣接し前記配線構造に対向面を提供する壁と
を有する回転円板形記憶装置。 - 前記対向面を提供する壁が、湾曲した連続面を備える突出壁、傾斜する一つの平面を備える突出壁、傾斜のない一つの平面を備える突出壁、2以上のステップを備える突出壁、及び傾斜角度の異なる2以上の平面を備える突出壁の群のいずれかから選択さた突出壁で形成されている請求項15記載の回転円板形記憶装置。
- 前記スリットが前記アクチュエータ・アームの表面に平行な部分と傾斜する部分とを備える請求項15記載の回転円板形記憶装置。
- 回転円板形記憶装置が備えるアクチュエータ・アームの側面に結合してヘッドに接続された配線構造を支持する配線支持部材であって、
前記配線構造を前記アクチュエータ・アームの側面で固定することができる固定領域と、
前記配線構造に対向するように前記アクチュエータ・アームの横方向に突き出た対向面を備え先端側で前記固定領域に隣接する解放領域と
を有する配線支持部材。
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