JP3908673B2 - 魚釣用リ−ルのハンドル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リ−ル本体の巻き取り駆動機構に連結されて巻き取り操作する魚釣用リ−ルのハンドルの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
実開平3−74264号公報
【特許文献2】
特開2001−231414号公報
【0003】
リ−ル本体の巻き取り駆動機構に連結されて巻き取り操作されるハンドルは、使用時は起立状態に、そして、使用後は持ち運びを容易にするための携帯性を考慮して折り畳んでコンパクトに出来るように構成されている。
(例えば特許文献1及び特許文献2参照)
【0004】
これらのハンドルは、リ−ル本体の巻き取り駆動機構に特許文献1では、ハンドルア−ムを有する駆動軸部を回り止め装着した後に反ハンドル側からネジによる締め付けや、特許文献2では、駆動軸部自体のネジ込みによって連結され、巻き取り操作可能な起立状態に維持されている。
又、使用後の携帯時や梱包時には、ねじ込み状態を解除(別体の締め付けネジを緩めたり、駆動軸部自体のネジ込みを緩めて、駆動軸とハンドルア−ムの起立圧着状態を解除)して、ハンドルを折り畳んでコンパクト化できるようになっている。
【0005】
更に詳細にハンドル構造を述べると、
特許文献1では公報図面及び本願【図面】図11のように、リ−ル本体1(以下図11で)に軸受で軸承された駆動歯車2bの軸部2a中心孔に駆動軸部17が回り止め挿通され、リ−ル本体1の外側に突出された駆動軸部17の一方の外周に略円錐筒状の支持部材18が嵌合されて駆動軸部17の一端にハンドルア−ム5の基部5aがピン13で回動可能に抜け止めされ、駆動軸部17の他端には反ハンドル側から止めネジ6が締め付けられている。
又、特許文献2では公報図面及び本願【図面】図12のように、リ−ル本体1(以下図12で)に軸受で軸承された駆動歯車2bの軸部2a中心ネジ孔に駆動軸部19自体のネジ19aがネジ込みされ、リ−ル本体1の外側に突出された駆動軸部19の一方の外周に略円錐筒状の支持部材18が嵌合されて駆動軸部19の一端にハンドルア−ム5の基部5aがピン13で回動可能に抜け止めされている。
【0006】
上記図11、図12で実釣時の高負荷巻き取り操作時には、ハンドルア−ム5の一方の図示しないツマミ部が握られてハンドルア−ム5が回動されると、ハンドルア−ム5の基部5aには、前後左右の不規則な力矢印Aが基部5aの当接面aと駆動軸部17及び19上に設けられた支持部材18の当接面bとに作用し、当接面a、bの周囲を支点にしてこの不規則な力は、半径方向外方に伸びるハンドルア−ム5のテコの原理によって、集中的に加わることになる。
そのため、駆動軸部17及び19を軸方向に強く引っ張る力矢印Bの作用で、締め付けネジ部分を変形、伸張、損傷させたり、ハンドルア−ム5の基部5aの当接部5bと支持部材18の当接部18aの夫々の当接面a、bを傷付けてしまう。
そのため、止めネジ6や19aの締め付け状態に遊度が発生してハンドルにガタが生じてしまい、円滑な巻き取り操作が行えなくなると共にハンドルの強固な起立状態が維持できなくなる。
【0007】
上記テコの原理が働かないようにハンドルア−ム5と支持部材18を一体的に固定すると、折り畳みができなくなり、梱包や持ち運びに不便になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、駆動軸部17及び19上に支持部材18が嵌合されると共に一端にハンドルア−ム5が回動可能に抜け止めされていると、実釣時の高負荷巻き取り操作時にハンドルア−ム5の基部5aの前後左右の不規則な力が基部5aの当接面aとハンドル駆動軸3に設けられた支持部材4の当接面bに作用し、当接面a、bに集中的に加わって作用し、駆動軸部17及び19を軸方向に強く引っ張る力が作用すると共に、締め付けネジ部分を変形、伸張、損傷させたり、ハンドルア−ム5の基部5aの当接部5bと支持部材18の当接部Lの夫々の当接面を傷付けてしまい、止めネジ6や19aの締め付け状態に遊度が発生してハンドルにガタが生じてしまい、円滑な巻き取り操作が行えなくなると共にハンドルの強固な起立状態が維持できなくなることである。
【0009】
本発明の目的は前記欠点に鑑み、ネジの締め付け状態に遊度が発生せず、円滑な巻き取り操作が行えると共にハンドルの強固な起立状態が維持できる魚釣用リ−ルのハンドルを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、
請求項1に係わる本発明は、一方にハンドルツマミを有するハンドルア−ムの他方の基部に連結される駆動軸を、リ−ル本体の巻き取り駆動機構にネジ手段によって取り付けられ、該ネジ手段の締め付け状態を解除することによって前記ハンドルを折り畳み可能とした魚釣用リ−ルのハンドルにおいて、前記駆動軸上に移動可能に嵌着される支持部材の当接部と前記ハンドルア−ムの基部の当接部の一方に形成した雄ネジ部が他方に形成した雌ネジ部に螺合する凹凸係合で該ハンドルア−ムの起立状態を保持すると共に、前記ネジ手段の締め付け状態を解除して前記凹凸係合状態を離脱することによって前記ハンドルを折り畳み可能としたことを要旨とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1の本発明により、ハンドルア−ム5が起立保持されている状態でハンドルツマミ16を掴んで回転され、実釣時の高負荷巻き取り操作時には、ハンドルア−ム5が回動されると、ハンドルア−ム5の基部5aには、前後左右の不規則な力が基部5aの当接面aと駆動軸3に設けられた支持部材4の当接面bとに作用し、当接面a、bの周囲を支点にしてこの不規則な力は、半径方向外方に伸びるハンドルア−ム5のテコの原理によって、集中的に加わることになるが、支持部材4の筒部4bがハンドルア−ム5の凹部5dに嵌合されて凹凸係合で起立状態を確実に保持されるため、駆動軸3への不要な引っ張り力の作用発生が防止できるので、ガタ付きが確実に防止できると共に、更に、支持部材4と ハンドルア−ム5の対向する当接部4aと当接部5bの凹凸係合が雄ネジ部4cと雌ネジ部5eで直接螺合するので、より確実にガタ付き発生を防止できる。
【0012】
【実施例】
以下、図示の実施例によって本発明を説明すると、図1は魚釣用スピニングリ−ルの要部断面平面図、図2は図1のハンドルア−ム起立状態の要部拡大断面平面図、図3は図1のハンドルア−ム起立状態の要部拡大断面背面図、図4はハンドルア−ム折り畳み状態の要部拡大断面平面図、図5はハンドルア−ム折り畳み状態の要部拡大断面背面図、図6はハンドルア−ム折り畳み状態の魚釣用スピニングリ−ルの平面図、図7はハンドルア−ム折り畳み状態の魚釣用スピニングリ−ルの側面図である。
【0013】
魚釣用スピニングリ−ルは、リ−ル本体1の一側に蓋体10が取り付けられてリ−ル本体1に取り付けられた軸受11と蓋体10に取り付けられた軸受12で回転駆動体2の軸部2aの両端が軸承されている。
回転駆動体2の軸部2aには駆動歯車2bが一体に固定されている。
軸部2aの中心孔2cには駆動軸3が挿通されて回り止め部3aで回り止めされている。
リ−ル本体1から突出した駆動軸3の外周には略円錐筒状の支持部材4が回転自在で軸方向に移動自在に嵌合されている。
【0014】
駆動軸3の一方の端部に連結ピン13がハンドルア−ム5の長手方向と直交する方向に固定されてハンドルア−ム5の基部5aが回動可能に抜け止めされている。
駆動軸3の他方の端部にネジ孔3bが形成されて止めネジ6が螺合され、ハンドルア−ム5を起立状態に保持したり、ハンドルア−ム5を折り畳み状態に切換えるネジ手段を構成している。
【0015】
リ−ル本体1の上部にはリ−ル脚1aが一体に形成されている。
リ−ル本体1の前部には図示しない軸受で回転軸筒7が回転自在に軸受されると共に前側に突出され、回転軸筒7の前端にロ−タ8が取り付けられている。
回転軸筒7の基端は軸受部1bで回転自在に軸承され、基端の前側に一体的に形成されたピニオン7aに駆動歯車2bが噛合されてロ−タ8はハンドルア−ム5の回転に連動して回転されるように支持されている。
回転軸筒7の中心孔にはスプ−ル軸9が前後往復動可能に摺動自在に挿入され、スプ−ル軸9の先端にはスプ−ル14が取り付けられている。
【0016】
支持部材4の図で右端の当接部4aに筒部4bが形成されている。
ハンドルア−ム5の基部5aには当接部4aと当接する当接部5bとハンドルア−ム5の長手方向のスリ割溝5cと筒部4bが嵌合可能な凹部5dが形成されている。
ハンドルア−ム5の他方の端部には軸部15でハンドルツマミ16が回転自在に嵌合されている。
【0017】
ハンドルア−ム5の起立状態では、ハンドルア−ム5の凹部5dの中に支持部材4の筒部4bが嵌合されて当接部5bの当接面aと当接部4aの当接面bが当接され、駆動軸3の他方の端部のネジ孔3bに止めネジ6が螺合されて締め付けられ、ハンドルア−ム5の起立状態が保持されている。
ハンドルア−ム5が折り畳まれる時は、止めネジ6が緩められ、凹部5dの中から筒部4bが引き抜かれて離脱されると、ハンドルツマミ16がリ−ル脚1a側になるようにハンドルア−ム5が折り畳まれる。
【0018】
ハンドルア−ム5が起立保持されている状態でハンドルツマミ16を掴んで回転され、実釣時の高負荷巻き取り操作時には、ハンドルア−ム5が回動されると、ハンドルア−ム5の基部5aには、前後左右の不規則な力が基部5aの当接面aと駆動軸3に設けられた支持部材4の当接面bとに作用し、当接面a、bの周囲を支点にしてこの不規則な力は、半径方向外方に伸びるハンドルア−ム5のテコの原理によって、集中的に加わることになるが、支持部材4の筒部4bがハンドルア−ム5の凹部5dに嵌合されて凹凸係合で起立状態を確実に保持されるため、駆動軸3への不要な引っ張り力の作用発生が防止できるので、ガタ付きが確実に防止できる。
【0019】
前記のように魚釣用リ−ルのハンドルが構成されると、実釣時の高負荷巻き取り操作時にハンドルア−ム5の基部5aに前後左右の不規則な力が作用しても、支持部材4の筒部4bがハンドルア−ム5の凹部5dに嵌合されて凹凸係合で起立状態を確実に保持されるため、駆動軸3への不要な引っ張り力の作用発生が防止できるので、ガタ付きが確実に防止できる。
【0020】
図8から図10は、本発明の請求項1に係わる第1実施例で、図8はハンドルア−ム起立状態の要部拡大断面平面図、図9はハンドルア−ム起立状態の要部拡大断面背面図、図10はハンドルア−ム折り畳み状態の要部拡大断面平面図である。
【0021】
支持部材4の図で右端の当接部4aに筒部4bが形成されると共に筒部4bの外周に雄ネジ部4cが形成されている。
ハンドルア−ム5の基部5aには当接部4aと当接する当接部5bと長手方向のスリ割溝5cと筒部4bが嵌合可能な凹部5dが形成されると共に凹部5dの内周に雌ネジ部5eが形成されている。
【0022】
ハンドルア−ム5が起立保持状態では、支持部材4の雄ネジ部4cがハンドルア−ム5の雌ネジ部5eに螺合されて凹凸係合されると共に、当接部5bの当接面aと当接部4aの当接面bが当接される。
ハンドルア−ム5が折り畳まれる時は、止めネジ6が緩められると共に、支持部材4が回動されて雄ネジ部4cがハンドルア−ム5の雌ネジ部5eから離脱され、凹部5dの中から筒部4bが引き抜かれると、前記第1実施例の図6、図7と同様に折り畳まれてハンドルツマミ16がリ−ル脚1a側になるようにハンドルア−ム5が折り畳まれる。
【0023】
前記のように魚釣用リ−ルのハンドルが構成されると、支持部材4とハンドルア−ム5の対向する当接部4aと当接部5bの凹凸係合が雄ネジ部4cと雌ネジ部5eで直接螺合するので、より確実にガタ付き発生を防止できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0025】
請求項1により、ハンドルア−ムが起立保持されている状態で、実釣時の高負荷巻き取り操作時には、ハンドルア−ムの基部には、前後左右の不規則な力が基部の当接面と駆動軸に設けられた支持部材の当接面とに作用し、当接面の周囲を支点にしてこの不規則な力は、半径方向外方に伸びるハンドルア−ムのテコの原理によって、集中的に加わることになるが、支持部材の筒部がハンドルア−ムの凹部に嵌合されて凹凸係合で起立状態を確実に保持されるため、駆動軸への不要な引っ張り力の作用発生が防止できるので、ガタ付きが確実に防止できると共に、更に、支持部材とハンドルア−ムの対向する当接部と当接部の凹凸係合が雄ネジ部と雌ネジ部で直接螺合するので、より確実にガタ付き発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 魚釣用スピニングリ−ルの要部断面平面図である。
【図2】 同図1のハンドルア−ム起立状態の要部拡大断面平面図である。
【図3】 同図1のハンドルア−ム起立状態の要部拡大断面背面図である。
【図4】 同ハンドルア−ム折り畳み状態の要部拡大断面平面図である。
【図5】 同ハンドルア−ム折り畳み状態の要部拡大断面背面図である。
【図6】 同ハンドルア−ム折り畳み状態の魚釣用スピニングリ−ルの平面図である。
【図7】 同ハンドルア−ム折り畳み状態の魚釣用スピニングリ−ルの側面図である。
【図8】 本発明の請求項1に係わる第1実施例で、ハンドルア−ム起立状態の要部拡大断面平面図である。
【図9】 同ハンドルア−ム起立状態の要部拡大断面背面図である。
【図10】 同ハンドルア−ム折り畳み状態の要部拡大断面平面図である。
【図11】 特許文献1の魚釣用スピニングリ−ルの要部断面平面図である。
【図12】 特許文献2の魚釣用スピニングリ−ルの要部断面平面図である。
【符号の説明】
1 リ−ル本体
2 回転駆動体
3 駆動軸
4 支持部材
4b 筒部(凹凸係合部)
4a、5b 当接部
5 ハンドルア−ム
5a 基部
5d 凹部(凹凸係合部)
16 ハンドルツマミ
a、b 当接面

Claims (1)

  1. 一方にハンドルツマミを有するハンドルア−ムの他方の基部に連結される駆動軸を、リ−ル本体の巻き取り駆動機構にネジ手段によって取り付けられ、該ネジ手段の締め付け状態を解除することによって前記ハンドルを折り畳み可能とした魚釣用リ−ルのハンドルにおいて、前記駆動軸上に移動可能に嵌着される支持部材の当接部と前記ハンドルア−ムの基部の当接部の一方に形成した雄ネジ部が他方に形成した雌ネジ部に螺合する凹凸係合で該ハンドルア−ムの起立状態を保持すると共に、前記ネジ手段の締め付け状態を解除して前記凹凸係合状態を離脱することによって前記ハンドルを折り畳み可能としたことを特徴とする魚釣用リ−ルのハンドル。
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