JP3908211B2 - 線膨張係数測定装置及び線膨張係数測定方法 - Google Patents

線膨張係数測定装置及び線膨張係数測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、試料を挟む二つの反射板の反射光の光路長変化から試料の線膨張係数を求める線膨張係数測定装置及び線膨張係数測定方法に関する。
試料の線膨張係数を測定するために、互いの反射面をわずかに傾斜させた状態で二つの反射板により試料を挟み、真空状態で単一光源からの照射光により各反射面に波長が既知の照射光を照射すると共に各反射光を干渉させることにより生じる干渉縞を温度変化に伴う変化から試料の膨張量を測定するいわゆるフィゾー型干渉計及び二重光路式マイケルソン型干渉計が挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。
JIS R3251 付属書参照 1995年
しかしながら、従来の線膨張係数測定技術の多くは、干渉縞を目視により観察し、干渉縞の変化量を目視により測定する構成のため、測定者の負担が大きく、また、測定者によって測定結果が異なる場合を生じ、再現性が乏しいという不都合があった。
また、測定者の負担軽減のために、自動化を図った測定装置が市販されているが(真空理工社製)、干渉縞の変化を測定しなければならないため、それを数値化するためには、撮像手段による撮像と、撮像データのデジタル化等の画像処理が必要となり、設備の複雑化、生産性の低減、製造コストの増大等を招くという不都合があった。
本発明は、測定者の負担軽減をその目的とし、測定設備の簡易化を他の目的とする。
請求項1記載の発明は、試料を挟む二つの反射板と、試料及び各反射板を収容すると共に屈折率変化が既知である気体を満たす収容槽と、収容槽内の温度を可変設定する温度調節手段と、収容槽内の各反射板の反射面に波長が既知の照射光を照射する単一の光源と、各反射板の反射光を干渉させた状態で受光してその光強度を検出する受光素子と、試料の線膨張係数を算出する算出手段とを備え、算出手段は、収容槽内の温度変化に伴う受光素子の出力する光強度変化が描く連続波形の極大又は極小を示す頂点の間隔ごとに、収容槽内の気体の屈折率の影響を受けた干渉光の波長と各頂点における温度での収容槽内の気体の屈折率と干渉光の次数とに基づいて試料の伸縮長を算出する、という構成を採っている。
上記構成では、各反射板の反射面が互いに平行となるように試料を挟んだ状態で収容槽内に配置される。このとき、各反射板は、それぞれその反射面が互いに対向し、その間に試料が位置するように配置される。即ち、各反射面の間隔が試料の幅と一致する。
そして、一方の反射板の反射面とは反対側の面から垂直に既知の波長の光が照射され、これにより、手前の反射板の反射面に半反射して波長が既知の照射光の一部は反射され、他の一部は透過して他方の反射板の反射面に反射される。
これにより、先の反射光と後の反射光とは、試料の幅の二倍の経路の差を生じることとなる。そして、各反射光は干渉した状態で受光素子に入射して、その光強度が検出される。
一方、収容槽は、屈折率変化が既知である気体が満たされ、その状態で試料に温度変化が与えられる。このときの気体の屈折率変化とは、各温度ごとの変化をいい、さらに、収容槽が内部圧力変化を生じる場合には、各圧力ごとの屈折率の変化も既知である気体が使用される。つまり、気体の屈折率変化には、与えられた温度変化に伴う変化分と、測定中における圧力の変化分とが含まれるが、ここでは、測定においてリアルタイムの圧力変化は考慮せず、例えば、収容槽が圧力変化を生じない構造である場合や算出手段が一般的或いは定常的な圧力値を記憶している場合や、圧力の数値入力を受け付けて、これに基づいて屈折率を補正演算する場合等を対象とする。但し請求項4では気体の圧力変化も考慮する)。
そして、与えられた温度変化に伴う受光素子の出力変化は、収容槽内の気体の屈折率変化分と試料の伸びによる変化分の合計を示すこととなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記算出手段は、m次の干渉時の試料長さL m を基準とした場合に、
m+m’次の極小点での試料長さとの差である伸縮長ΔL m' を、
ΔL m' =((m+m’)/2)・λ m+m' −(m/2)・λ m により求め、
又は、
m+m’−1/2次の極大点での試料長さとの差である伸縮長ΔL m'ー1/2 を、
ΔL m' =((m+m’−1/2)/2)・λ m+m'ー1/2 −(m/2)・λ m
により求めることを特徴とする。
算出手段は、温度変化に伴う光強度の変化から、受光素子の出力する光強度変化が描く連続波形の極大又は極小を示す頂点の間隔ごとに試料の伸縮長の算出が行われる。即ち、光強度変化が描く連続波形の山の頂点から隣接する谷の頂点まで、或いは谷の頂点から隣接する山の頂点までの間隔ごとに試料の伸縮長が求められる。
そしてその際には、両側の各頂点の温度が求められて当該温度における屈折率が求められる。
詳細は「発明を実施するための最良の形態」において後述するが、光強度が極大値又は極小値を示した任意の温度を基準として、そのときの試料の基準温度における長さからの伸縮長は、その温度からの光強度変化の周期の数と、照射光の既知の真空波長と、基準温度での試料長さと、基準温度での屈折率と、光強度変化の各極大又は極小点での屈折率との関数により表すことができる(後述する式(8),(12),(13)等参照)。また、検出光強度
の温度変化による周期的な変化、即ちのその周波数は、収容槽内の気体中で測定することにより、真空中と比較して、飛躍的に増加する。このことにより、極大値又は極小値において試料の伸縮長を求めることで、各温度ごとの微細な変化を算出することができる。
そして、試料の伸縮長と変化した温度範囲から当該試料の線膨張係数を求めることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、試料は、波長が既知の照射光を通過させる中空貫通穴を備える、という構成を採っている。
かかる構成では、試料に中央貫通穴を設けるので、照射光の照射位置を試料を避けて端となる位置にする必要がない。また、照射光は、気体の流動が生じにくい貫通穴内を通過するので、気体のゆらぎの影響を抑制し、安定して光強度の検出が行われる。
また、試料の内側に光路差となる光路が形成されるので、試料温度と光路の温度との差を抑制する。
請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の発明と同様の構成を備えると共に、収容槽内の気体の圧力変化を検出する圧力検出手段を備え、算出手段は、気体の屈折率を収容室内の温度と検出圧力とから算出する、という構成を採っている。
上記構成では、請求項1,2又は3記載の発明と同様の作用を奏すると共に、収容槽内の圧力変化を検出し、算出手段は、検出された気体の圧力も考慮して気体の屈折率の算出を行い、その上で、収容槽内の気体の屈折率変化の光路長変化分を補正して試料の伸縮長を算出する。
請求項5記載の発明は、試料を挟む二つの反射板を各反射面が平行となるように試料と共に温度調節可能な収容槽に収容する工程と、収容槽内には試料及び各反射板の収容に前後して屈折率変化が既知である気体を満たす工程と、単一の光源により収容槽内の各反射板の反射面に波長が既知の照射光を照射する工程と、収容槽内の試料に温度変化を与えつつ各反射板の反射光を干渉させた状態でその光強度を検出する工程と、収容槽内の温度変化に伴う前記受光素子の出力する光強度変化が描く連続波形の極大又は極小を示す頂点の間隔ごとに、前記収容槽内の気体の屈折率の影響を受けた干渉光の波長と前記各頂点における温度での前記収容槽内の気体の屈折率と干渉光の次数とに基づいて試料の伸縮長を算出する工程とを備えている。
上記構成では、収容槽内に配置された一方の反射板の反射面と他方の反射板の反射面の各反射光とが、試料の幅の二倍の経路の差を生じた状態で干渉し、受光素子にその光強度が検出される。
そして、収容槽内は、屈折率変化が既知である気体が満たされ、その状態で試料に温度変化が与えられる。つまり、気体の屈折率変化には、与えられた温度変化に伴う変化分と、測定中における圧力の変化分とが含まれるが、ここでは、測定においてリアルタイムの圧力変化は考慮せず、例えば、収容槽が圧力変化を生じない構造である場合や算出手段が一般的或いは定常的な圧力値を記憶している場合や、圧力の数値入力を受け付けて、これに基づいて屈折率を補正演算する場合等を対象とする。但し請求項8では気体の圧力変化も考慮する)。
そして、与えられた温度変化に伴う受光素子の出力変化は、収容槽内の気体の屈折率変化分と試料の伸びによる変化分の合計を示すこととなる。
これにより、収容槽内の気体の屈折率の影響を受けた状態でその位相変化が観測される。
従って、試料の伸縮長を求める際には、検出光強度の位相差から各反射面間の光路長差を求める一方で、収容槽内の気体の屈折率に基づく光路長変化分を求め、それらの差から試料の幾何学的な伸縮長を算出する。
そして、試料の伸縮長と変化した温度範囲から当該試料の線膨張係数を求めることができる。
上記構成では、温度変化に伴う光強度の変化から、受光素子の出力する光強度変化が描く連続波形の極大又は極小を示す頂点の間隔ごとに試料の伸縮長の算出が行われる。即ち、光強度変化が描く連続波形の山の頂点から隣接する谷の頂点まで、或いは谷の頂点から隣接する山の頂点までの間隔ごとに試料の伸縮長が求められる。
そしてその際には、両側の各頂点の温度が求められて当該温度における気体の屈折率が求められる。
詳細は「発明を実施するための最良の形態」において後述するが、光強度が極大値又は極小値を示した任意の温度を基準として、そのときの試料の基準温度における長さからの伸縮長は、その温度からの光強度変化の周期の数と、照射光の既知の真空波長と、基準温度での試料長さと、基準温度での気体の屈折率と、光強度変化の各極大又は極小点での気体の屈折率との関数により表すことができる(後述する式(8),(12),(13)等参照)。また、検出光強度の温度変化による周期的な変化、即ちのその周波数は、収容槽内の気体中で測定することにより、真空中と比較して、飛躍的に増加する。このことにより、極大値又は極小値において試料の伸縮長を求めることで、各温度ごとの微細な変化を算出することができる。
そして、試料の伸縮長と変化した温度範囲から当該試料の線膨張係数を求めることができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記試料の伸縮長の算出において、m次の干渉時の試料長さL m を基準とした場合に、
m+m’次の極小点での試料長さとの差である伸縮長ΔL m' を、
ΔL m' =((m+m’)/2)・λ m+m' −(m/2)・λ m により求め、
又は、
m+m’−1/2次の極大点での試料長さとの差である伸縮長ΔL m'ー1/2 を、
ΔL m' =((m+m’−1/2)/2)・λ m+m'ー1/2 −(m/2)・λ m
により求めることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の発明と同様の構成を備えると共に、試料に中空貫通穴を設け、一方の反射板を透過して他方の反射板に照射する波長が既知の照射光を通過させて測定を行う、という構成を採っている。
かかる構成では、試料に中央貫通穴を設けるので、照射光の照射位置を試料を避けて端となる位置にする必要がない。また、照射光は、気体の流動が生じにくい貫通穴内を通過するので、気体のゆらぎの影響を抑制し、安定して光強度の検出が行われる。
また、試料の内側に光路差となる光路が形成されるので、試料温度と光路の温度との差を抑制する。
請求項8記載の発明は、請求項5,6又は7記載の発明と同様の構成を備えると共に、収容槽内の気体の圧力変化を検出すると共に、気体の屈折率を収容室内の温度と検出圧力とから算出する、という構成を採っている。
上記構成では、請求項5,6又は7記載の発明と同様の作用を奏すると共に、収容槽内の圧力変化を検出し、検出された気体の圧力も考慮して気体の屈折率の算出を行い、その上で、収容槽内の気体の屈折率変化の光路長変化分を補正して試料の伸縮長を算出する。
請求項1記載の発明は、受光素子により試料の膨張による波長が既知の照射光の光強度変化を検出する構成のため、受光素子の出力を信号化し、電気的な処理により試料の膨張変化を算出することができ、従来のように、目視作業により測定を行うことから測定者の負担を軽減することが可能となる。また、目視作業のように、個人の技量の差の影響を排除し、再現性の高い測定を行うことが可能となる。
また、請求項1及び5記載の発明は、光強度の変化を検出し測定を行うことから、従来のように干渉縞を観察する場合のように、撮像手段を用いることなく、測定結果を記録し、さらには処理を行うことが可能となる上に、画像処理装置も不要とすることができ、設備の簡易化、設備コストの低減を図ることが可能となる。
また、請求項1及び5記載の発明は、試料を屈折率変化が既知である気体の雰囲気中に置いて測定を行うため、例えば、検出される光強度変化に対する影響が気体の屈折率に対する影響よりも膨張変化による影響の方が小さいような試料の線膨張係数を測定する場合に、同じ温度変化範囲において真空で測定を行う場合に比して、高い周期で光強度の検出波形を得ることができる。このため、狭い温度範囲での測定にあっては、真空中での測定の場合には、光強度変化曲線の半周期にも満たないわずかな位相変化から試料の伸縮長を求めなければならないが、そのためには極大値と極小値とが検出されなければ位相変化量を特定することができない。さらに、従来は、極大値から極小値(或いは極小値から極大値)までの温度変化が広い帯域に及ぶことから、その長期間の変化の間の光源或いは受光素子の変調の影響を受けやすく、これを原因とする精度の低下が問題であった。しかし、本発明は、狭い温度範囲での測定にあっても、高周期の光強度変化の検出波形が得られるため、位相変化量の認識を容易とすることができ、誤認識を抑制し、信頼性の高い測定を行うことが可能となる。また、各温度での気体の屈折率が正確に求まる限りは、その影響を正確に排除できるので、従来に比して、より高精度で試料の線膨張係数を求めることが可能である。
また、気体の雰囲気中で試料に温度変化を与えるので、気体の対流により熱伝達が迅速に行われ、試料と光路上の温度差をなくすための待ち時間を低減し、迅速な測定が可能となる。
さらに気体の雰囲気中で試料に温度変化を与えるので、、連続波形の極大値又は極小値となる位置が明確となり、光源の変調、受光素子のノイズによる、位相変化量の誤認識を抑制することができ、誤認識のさらなる抑制及び信頼性のさらなる向上を図ることが可能となる。
また、これらと同様の理由により、変調の生じない光源やノイズの生じない受光素子にような高品質の設備及び微小変化をも検出可能な受光素子のように高精度な設備を不要とし、さらなる設備の簡易化、設備コストの低減を図ることが可能となる。
さらに、請求項1,5記載の発明は、明確に認識される連続波形の頂点間隔ごとに試料の伸縮長を求めるため、また、極大値又は極小値を示す頂点ごとに屈折率を求めるため、誤認識をより抑制し、信頼性のさらなる向上を図ることが可能となる。また、真空中での測定の場合と比して高周期となる連続波形の極大値又は極小値ごとに試料の伸縮長を求めるため、光源の変調、受光素子やその増幅器のノイズによる位相変化量の誤認識を抑制することができ、誤認識のさらなる抑制及び信頼性のさらなる向上を図ることが可能となる。
また、変調の生じない光源やノイズの生じない受光素子にような高品質の設備及び微小変化をも検出可能な受光素子のように高精度な設備を不要とし、さらなる設備の簡易化、設備コストの低減を図ることが可能となる。
請求項3又は7記載の発明は、試料に中央貫通穴を設けるので、照射光の照射位置を試料を避けて端となる位置にする必要がなく、また、照射光は、気体の流動が生じにくい貫通穴内を通過するので、気体のゆらぎの影響を抑制し、安定して光強度の検出を行うことができ、試料の伸縮長の誤算出を効果的に抑止することが可能となる。また、試料の内側に光路差となる光路が形成されるので、試料温度と光路の温度との差を抑制する。このため、各部の温度のズレを抑制し、精度良く、信頼性の高い測定を行うことが可能となる。
請求項4又は8記載の発明は、測定において、収容槽内の気体の圧力変化を検出し、気体の屈折率算出の際には、測定圧力を考慮することから、気体圧力の変動を生じる環境下でも、これに対応する屈折率算出が可能となり、より緻密に試料の伸縮長変化を測定することが可能となる。
(実施形態の全体構成)
本発明の実施形態たる線膨張係数測定装置10について、図1乃至図5に基づいて説明する。図1は線膨張係数測定装置10の概略構成を示すブロック図である。
線膨張係数測定装置10は、試料20を挟む二つの反射板11,12と、試料20及び各反射板11,12を収容すると共に屈折率変化が既知である気体を満たす収容槽30と、収容槽30内の試料20の温度調節を行う温度調節手段40と、収容槽30内に屈折率変化が既知である気体を供給する内部気体供給手段と、収容槽30内の各反射板11,12の反射面11a,12aに波長が既知の照射光としてのレーザ光Rを照射する単一の光源としての周波数安定レーザ71と、その光学系70と、各反射板11,12の反射光を干渉させた状態で受光してその光強度を検出する受光素子14と、収容槽30内と同じ圧力を検出する圧力検出手段としての気圧計13と、収容槽30内の試料20の線膨張係数を算出する算出手段としての制御装置60とを備えている。
以下、各部を詳説する。
(試料)
図2は、収容槽30内に配置された状態における試料20及び各反射板11,12の状態説明図である。
試料20は、線膨張係数を測定すべき材質からなる塊状物であり、材質に限定はないが、特に低膨張ガラスのような線膨張係数の小さな材質を対象とすることが好適である。そして、試料20の中央部には、貫通穴21が形成されている。かかる貫通穴21は、周波数安定レーザ71からのレーザ光を通過させるために形成されている。
さらに、試料20は、その貫通穴21の中心線方向両端部に接する状態で反射板11,12がそれぞれ配置される。そして、試料20の各端部には、各反射板11,12と当接する突状部22がそれぞれ三つずつ形成されている。試料20の各端部における三つの突状部22はその先端部がいずれも同一平面上に存在し、一方の端部における三つの突状部22が規定する平面は、他方の端部における三つの突状部22が規定する平面と互いに平行となるように設定されている。
(反射板)
二つの反射板11,12は、収容槽30内において、ゼロ膨張ガラス製の円板であり、一方の反射板11は、試料20に対してレーザ光Rの入射側に配置され、他方の反射板12は、試料20を挟んで一方の反射板11とは逆側に配置される。以下、一方の反射板を第一の反射板11とし、他方の反射板を第二の反射板12とする。
第一の反射板11は、その両平面が光学研磨されている。そして、その平面度はレーザ光Rの1/4波長以内であることが望ましい。この第一の反射板11は、一方の平面がレーザ光Rの反射面11aとして機能し、当該反射面11aが試料20に当接して配置される。そして、他方の平面11bは、反射面11aに対して幾分傾斜している(傾斜角度に限定はないが例えば1°)。つまり、レーザ光Rは、反射板11に対して、後述する光学系70により反射面11aに垂直に入射するように設定されており、そのとき、反射面11aと平面11bとはいずれもレーザ光Rの一部を反射するが、それぞれの反射する方向を異ならせることにより、反射面11aの反射光のみを受光素子14により受光するように構成されている。
この第二の反射板12は、その一方の平面が光学研磨され、反射面12aとして機能する。そして、その平面度はレーザ光Rの1/4波長以内であることが望ましい。また他方の平面はすりガラス面となっており、レーザ光を乱反射させるようになっている。
この第二の反射板12は、反射面12aが試料20に当接すると共にレーザ光Rに対して反射面12aが垂直となるように収容槽30内に配置される。そして、第二の反射板12は、第一の反射板11を透過して、試料20の貫通穴21を通過したレーザ光Rの反射を行う。これにより、第一の反射板11の反射面11aによる反射光と第二の反射板12の反射面12aによる反射光とは、試料20の幅(両反射面11a,12a間の距離)の二倍の長さの経路の差を生じつつ相互に干渉しながら同一線上に沿って入射方向と逆方向に進行することとなる。
(周波数安定レーザ及びその光学系)
周波数安定レーザ71は、そのレーザの種類に限定はないが、一例として、He-Neレーザが使用され、単一波長光を出射し且つその波長が既知であるものが使用される。
周波数安定レーザ71は、収容槽30内に配置された各反射板11,12の各反射面11a,12aに対して垂直となる方向にレーザ光Rを出射するように収容槽30に対して配置されている。
光学系70は、周波数安定レーザ71から出射されるレーザ光Rのビーム直径を調節するビームエキスパンダー72と、ビームエキスパンダー72と収容槽30との間に配置されるλ/4波長板73と、ビームエキスパンダー72とλ/4波長板73との間に配置され、周波数安定レーザ71からの出射光を透過して各反射板11,12からの反射光を直角に反射するビームスプリッタ74とを備えている。
周波数安定レーザ71から出射したレーザ光Rは、ビームスプリッタ74を透過して各反射板11,12の反射面11a,12aに反射された後、ビームスプリッタ74に戻るまでにλ/4波長板73を二回通過してその偏光方向が直交する方向に切り替わり、反射光はビームスプリッタ74を真っ直ぐ透過しないで直交方向に反射されるようになっている。
(受光素子)
受光素子14は、ビームスプリッタ74により反射されたレーザ光Rの反射方向先に配置されており、各反射板11,12からの反射光を受光し、その光強度に応じた信号出力を行う。受光素子14の種類は、受光する光強度に応じた電気信号の出力が可能なものであれば良く、一例として、シリコンフォトダイードが使用される。
受光素子14の出力信号は増幅器15を介して制御装置60に出力される。
(収容槽及び内部気体供給手段)
収容槽30は、内部に試料20と反射板11,12を格納することができる筐体であって、外部に対する断熱構造を備えている。この収容槽30には、その内部に屈折率変化が既知である気体として二酸化炭素含有量が一定の乾燥空気を供給する内部気体供給手段が併設されている。この内部気体供給手段は、シリカゲルにより水分を除去した乾燥空気を発生する気体源51と、収容槽30内の気体を排気する真空ポンプ52とからなる。即ち、真空ポンプ52により収容槽30内を減圧すると、気体源51から乾燥空気が供給されるようになっている。なお、収容槽30は、外部大気の直接の侵入を遮断するために、微少流量の気体を流し続け且つ排気する構造となっているため、乾燥空気が供給と排気とにより、その内部は常にほぼ大気圧に等しい状態が維持される。
なお、供給気体は、その成分比率、温度、圧力、湿度等による屈折率変化が算出可能な気体であれば良く、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、炭酸ガスが主体となる不活性ガス等を使用しても良い。
(気圧計及び温度調節手段)
気圧計13は、測定作業中に大気圧を検出し、制御装置60に出力する。上述したように、収容槽30内は大気圧と等しく保たれるため、収容槽30の乾燥空気の圧力として参照するためにこのように大気圧の検出を行っている。
温度調節手段40は、収容槽30内を調節する加熱冷却手段41と、試料20の温度を測定する温度検出器42と、加熱冷却手段41による加熱又は冷却制御を行う温度制御装置43とを備えている。
加熱冷却手段41は、収容槽30内の雰囲気温度の加熱冷却を行うことができるものであれば良く、例えば、熱交換機、ペルチェ素子等が使用される。
温度検出器42は、試料20に設けられた挿入穴に挿入される熱電対である。
温度制御装置43は、温度検出器42による検出温度に基づいて加熱冷却手段41の加熱又は冷却状態を制御し、試料20を制御装置60に設定される目標温度にする。また、温度制御装置43は、試料の現在温度を表示するモニタを備えている。
(制御装置)
制御装置60は、線膨張係数測定装置10の後述する各処理を実行するための処理プログラム又は処理データが書き込まれているROMと、処理プログラムに従って上記各処理を実行するCPUと、CPUの各種処理データを記憶するRAMとを備えている。また、上記RAMには、種々のワークメモリやカウンタなどが設けられており、処理におけるワークエリアとしても使用される。
また、この制御装置60は、インターフェース61を介して、気圧計13,受光素子14の増幅器15,温度制御装置43と接続されており、これらの出力から大気圧、受光光強度、試料温度の変化をデータとしてサンプリングする。
さらに、制御装置60は、具体的に以下の処理を行う。
(1)温度制御装置43を介して収容槽30内を開始温度から目標温度まで変化させた場合の受光素子14の出力に基づく光強度変化が描く連続する波形から温度変化により生じた位相変化量を算出する処理を行う。また、この位相変化量と既知であるレーザ光の波長から光路長変化を算出する処理を行う。
(2)温度変化及び大気圧による収容槽30内の乾燥空気の屈折率変化の光路長変化分を補正して試料20の伸縮長を算出する処理を行う。
(3)求められた試料20の伸縮長から試料20の線膨張係数を算出する処理を行う。
上記(1)の処理についてさらに説明する。レーザ光Rは、各反射板11,12の各反射面11a,12aの距離(試料20の幅の二倍と一致する)に応じて経路差を生じる。
従って、各反射面11a,12aにおける反射光が干渉して受光素子14に受光されると、光路長差に応じて干渉する干渉光の光強度が検出される。
つまり、第一の反射板11により反射されるレーザ光は、反射の際に位相差を生じることなく反射が行われる。一方、第一の反射板11を透過するレーザ光は、第二の反射板12との反射の際に半波長分(π)の位相差を生じると共に、その経路の長さに乾燥空気の屈折率を乗じた光路長差に応じた位相差を生じることとなる。
さらに、温度変化が加えられると、試料20は熱膨張に基づく伸縮を生じると共に、乾燥空気が屈折率変化を生じるため、光路長差が変動するため、互いに干渉する反射光の位相差に変動を生じる。このため、検出される光強度を所定の温度変化に応じてサンプリングすることにより、光強度変化は連続波形を描くことになる(図3のS1参照)。
制御装置60は、サンプリングした光強度変化からその位相の変化量を算出する。そして、得られた位相変化量とレーザ光の波長とから光路長の変化量が求められる。
上記(2)の処理についてさらに説明する。(1)の処理により算出された光路長変化量は、収容槽30内の乾燥空気による屈折率の影響を含んでいるため、そのままでは、試料Sの伸縮長の二倍の距離とは一致しない。このため、収容槽30内の乾燥空気の屈折率変化の光路長変化分を算出すると共に、(1)の光路長変化量から減算する処理が行われる。
図3は温度変化とこれにより生じる光強度変化の関係を示す線図である。S1は乾燥空気の屈折率の影響を含んだ状態で得られる試料20の幅(伸縮長)変化による光路長変化に基づく検出光強度変化を示し、S2は試料20がない場合(即ち各反射板11,12の実際の距離変動を生じない環境下)での乾燥空気の屈折率の影響のみによる光路長変化に基づく検出光強度変化を示し、S3は真空状態で得られる試料20の幅変化のみによる光路長変化に基づく検出光強度変化を示す。
試料の線膨張係数とレーザ光の波長との関係によるが、本実施形態の場合には、図3のS3に示すように、乾燥空気の影響のない場合には、温度変化に基づく試料Sの伸縮長の変化は微小なため、描かれる連続波形の周期は大きくなっていることが分かる(図3ではλ/4程度しか現れていない)。一方、温度変化に基づく乾燥空気の屈折率の変化の影響は大きく、S2に示すように、複数周期分の波形が現れている。従って、この乾燥空気の屈折率の影響は補正しなければならない。
ここで、乾燥空気の屈折率の変化について説明する。
ある気体を光路の媒体として使用した場合、二点間の幾何学的距離をL0とし、その気体の屈折率をngasとすると、この光路長OPL0は、OPL0=ngas・L0で表される。
一方、気体の屈折率ngasは、(1)気体の種類、(2)気体の密度で決まり、気体の状態方程式から気体の密度は気体の温度と気体の圧力の関数と考えて良いので、換言すると、気体の屈折率ngasは、(1)気体の種類、(2)気体の温度T、(3)気体の圧力Pにより決まるといえる。即ち、ngas=fgas(T,P)と表すことができる。
一方、空気の場合には、N2,O2,CO2,水蒸気の混合物であり、N2とO2の濃度変化は少なく、無視できる。従って、空気の屈折率nairは、温度T、圧力P、CO2濃度、空気中の水蒸気圧Pvaperの関数として実験的に表したEdlenの式により、nair=fair(T,P,Pvaper,CO2濃度)と表すことができる。
ここで、線膨張係数測定装置10では、シリカゲルにより水分除去した乾燥空気を使用することで水蒸気圧の影響を抑制し、CO2濃度は測定中に変動を生じることは殆どないので一定としてその変動を考慮しないこととしている。従って、制御回路60では、気体の温度変動を熱電対42から検出し、収容槽30内は大気圧と等しいことから気圧計13から気体圧力を検出し、これらから乾燥空気の屈折率の算出を行っている。
次に、制御回路60が行う、乾燥空気の屈折率の影響の排除を考慮した試料の伸び量の算出方法について説明する。
乾燥空気中で試料Sの膨張測定を行うと、真空中の場合と比較しより早い(高周期で)干渉光の強度変化が発生し測定範囲に応じ、図3のS1のように何個かの極大、極小のピークが発生する。なお、図3では測定時においてある一定の光強度に対する変動量を縦軸の数値として表示している。
今ここで光が弱め合う干渉をする場合(極小点)及び強め合う干渉をする場合(極大点)の条件について考えると、第二の反射面12aでの反射波は位相が半波長分ずれること考慮し、以下の条件が成立する。
弱め合う場合には、
Figure 0003908211
(但し、光が試料長さを往復する間にm個分の周期の波が入っている)
強め合う場合には、
Figure 0003908211
(光が試料長さを往復する間にm+1/2個分の周期の波が入っている)
また、L:その時点での試料長さ、λ:その時点での波長、m:干渉次数(整数値であり、例えば、測定を開始する基準温度において、光が試料長さを往復する間に入る波の個数を示す)
(極小点における伸縮長)
まず、弱め合う干渉の場合での伸縮長を表わす式を考える。
いま、適当な極小点での干渉次数を mと考え,この時点を基準とし各値を次の様に表わす事とする。
Lm:(その時の)試料長さ、tm:(その時の)温度、
λm:(その時の)波長、nm:(その時の)気体屈折率
同様な事を、順次極小点について考え、極小点では条件(1)式が成立する事を考慮すれば、以下の式が成立する。
Figure 0003908211
従って、m次の干渉時の試料長さLmを基準とし、各極小点での長さLm+1、Lm+2、…Lm+m' との長さの差(伸縮長)は次式で表わされる事となる。
Figure 0003908211
従って、基準とした長さ Lmから各極小値までの伸縮長(ΔL)を求めるには、(6),(7),(8)式を見て分かるように、基準状態での干渉の次数mと、各極小点での光の波長 λm、λm+1、・・λm+m'が求められれば良い事が分かる。
(λとmの算出)
mの算出は、予め試料の長さ Lを計っておきその値からmを算出する。また、理想的には前述した式(3)から求まる(3)''よりm次の干渉次数時の試料長さLm と、その時の波長λmから算出する。
m=2Lm/λm …(3)''
この場合、m次の温度、圧力を取得して波長λmを求める必要があり、m次の温度における試料長さを後に測定する必要がある。従って、厳密には、Lmを後に求めてから制御回路60に代入して線膨張係数を求めても良いが、予め常温下で測定した試料長さをLmとして仮に用いても良い。
即ち、制御回路60では、測定開始から最初に極小値が現れると、その時点での温度と気圧とから乾き空気の屈折率を算出し、さらに周波数λmを算出する。さらに、常温下で測定した試料長さをLmとして(3)''式からmを算出する。
このとき、mの算出値に、仮に10程度の誤りが生じたとしても、伸縮長 ΔLの測定に対し1[nm]以下の影響しか与えないので、Lmの値は、常温測定時の試料長さL0の値を、λmの値はその時点の気体屈折率を利用し、これらを制御回路60に入力して測定を行っても、装置の精度は十分に確保することは可能である。
光の波長λに関しては、真空中の光源の波長をλvとし、その時の媒質である乾燥空気の屈折率をnとすれば以下の関係式が一般的に成立する。
Figure 0003908211
従って各極小値を取った時点の、気体の屈折率nm+1、nm+2、…nm+m'を求める事でλm+1、λm+2、…λm+m'を算出出来る。
なお、使用する気体は乾燥空気であるため、Edlen氏の与えた実験式により“空気の温度”と“圧力”が与えられれば、空気の屈折率がかなり高い精度で求まる。
線膨張係数測定装置10の場合は、測定時の光強度極小値時の空気温度(tm+1、tm+2、…tm+m')と空気の圧力(大気圧)(pm+1、pm+2、…pm+m')を測定する事で、各時点での空気の屈折率を算出している。
なお、制御回路60は、受光素子の検出光強度の変化を参照し、その増加から減少に転じる点を極大点と認識し、減少から増加に転じる点を極小点と認識することが可能である。また、極大点又は極小点を認識するごとに、数値mに1を加算することにより、その次数をカウントすることが可能である。
そして、極大点又は極小点と認識したときの熱電対42による検出温度と気圧計14の検出圧力からそのときの乾燥空気の屈折率nm+1、nm+2、…nm+m'を算出する。
従って、検出光強度が極小値とを示すごとに、制御回路60は、式(8)からΔLm'を算出し、そのときの検出温度と対応づけてメモリに記録する。
(極大点における伸縮長)
強め合う干渉の極大値を示す場合も、(2)式の関係式を用いて弱め合う場合と同じように考える事が出来る。
Figure 0003908211
となるので、基準とした試料長さLmから、各極大値までの間の伸縮長(ΔL)は次の様に表わせる。
Figure 0003908211
従って、各光極大値までの 基準長さLmからの伸縮長を求める場合も、上式(12),(13),・・・を弱め合う干渉の場合と同じように用い、各極大点での波長をその時点での気体の屈折率を測定する事で算出し、最終的に伸縮長 ΔLを算出出来る。
従って、検出光強度が極大値とを示すごとに、制御回路60は、式(12)、(13)からΔLm'-1/2を算出し、そのときの検出温度と対応づけてメモリに記録する。
上記(3)の処理について説明する。上記(2)の処理により、制御回路60は、各温度ごとに試料の伸縮長ΔLを記憶している。従って、かかる記録を参照して、手前の極大値又は極小値における試料長さをL、次の極小値又は極大値における試料の伸縮長ΔLを求め、そのときの温度ごとにΔL/Lをプロットすると、一例として、図4に示すような変化を取得することができる。
一方、試料の線膨張係数α[1/K]は次式(14)で算出する。ΔT[K]は、線膨張係数を求めようとする温度帯域における温度の変化幅である。
α=(ΔL/L)/ΔT …(14)
例:L=100mmの長さの試料で、20℃から30℃へ10℃幅で温度変化を与えた場合に、+3μm長さが変化したなら、 ΔT=+10℃、ΔL=+3μmとなるので、
α=(+3μm/100mm)×(1/+10℃)=3×10-6 [1/℃] となる(正確には、この値は 20℃から30℃の間の平均線膨張係数という)。
即ち、制御経路60は、ある温度帯域を設定されると、その帯域の温度幅ΔTを求め、帯域の前後におけるΔL/Lを求めて、αを算出する。
また、プロットしたΔL/Lから近似曲線を示す式を求め、その式を温度により微分することで図5に示すT−α曲線を得ることができる。このときの各温度ごとの値は、当該温度における試料の線膨張係数を示すこととなる。
以上の処理により、制御回路60は、試料20の温度ごとの伸縮長を求め、線膨張係数を求めることができる。
(線膨張係数測定装置の測定手順)
まず、測定者は、試料20を挟む二つの反射板11,12を各反射面11a,12aが平行となるように試料20と共に収容槽30に収容する。
そして、内部気体供給手段により、収容槽30内に試料20及び各反射板11,12の収容に前後して乾燥空気が満たされる。
そして、周波数安定レーザ71により収容槽30内の各反射板11,12の反射面11a,12aにレーザ光Rを照射する。さらに、かかる照射状態において、温度調節手段40により、収容槽30内の試料20に対して、温度変化を与える。
その際に、受光素子14により、各反射板11,12の反射光を干渉させた状態でその光強度を検出し、制御装置60ではその光強度変化をサンプリングする。
さらに、制御装置60では、前述した処理により、試料20の温度変化に伴う光強度の変化から各反射板11,12の反射面11a,12a間の光路長変化を算出し、試料20の温度変化に伴う受光素子14の出力変化から各反射板11,12の反射面11a,12a間の光路長変化を算出し、温度変化による収容槽30内の乾燥空気の屈折率変化の光路長変化分を補正して試料20の伸縮長を算出する。
そして、制御装置60は、算出された試料20の伸縮長とそのときの温度変化量から試料20の線膨張係数を算出する。なお、その結果は、制御装置60に表示手段を併設し、測定者に表示しても良い。
(実施形態の効果)
上記構成からなる線膨張係数測定装置10は、受光素子14により試料20の膨張による波長が既知の照射光の光強度変化を検出する構成のため、受光素子14の出力を信号化し、制御装置60により電気的な処理により試料20の線膨張係数を算出することができ、従来のように、目視作業により測定を行うことから測定者の負担を軽減することが可能となる。また、目視作業のように、個人の技量の差の影響を排除し、再現性の高い測定を行うことが可能となる。
また、線膨張係数測定装置10は、光強度の変化を検出し測定を行うことから、干渉縞を観察するための撮像手段や、その処理を行う画像処理装置も不要とすることができ、設備の簡易化、設備コストの低減を図ることが可能となる。
また、線膨張係数測定装置10は、試料20を屈折率変化が所定条件下で算出可能な乾燥空気の雰囲気中に置いて測定を行うため、例えば、検出される光強度変化に対する影響が気体の屈折率に対する影響よりも膨張変化による影響の方が小さいような低膨張性の試料20の線膨張係数を測定する場合に、制御装置60では、同じ温度変化範囲において真空で測定を行う場合に比して、高い周期で光強度の検出波形を得ることができる。このため、低周期であれば、レーザ光源や受光素子の変調の影響を受けやすくなるが、線膨張係数測定装置10にあっては、そのようなことはなく、狭い温度範囲での測定にあっても、制御装置60では、位相変化量の認識を容易とすることができ、誤認識を抑制し、信頼性の高い測定を行うことが可能となる。
また、気体の雰囲気中で試料に温度変化を与えるので、気体の対流により熱伝達が迅速に行われ、試料と光路上の温度差をなくすための待ち時間を低減し、迅速な測定が可能となる。
さらに気体の雰囲気中で試料に温度変化を与えるので、、連続波形の極大値又は極小値となる位置が明確となるので、光源たる周波数安定レーザの変調、受光素子14及びその増幅器15のノイズによる、位相変化量の誤認識を抑制することができ、制御装置60の誤認識のさらなる抑制及び信頼性のさらなる向上を図ることが可能となる。
また、これらと同様の理由により、変調の生じにくい光源やノイズの生じにくい受光素子にような高精度な設備を不要とし、さらなる設備の簡易化、設備コストの低減を図ることが可能となる。
また、制御装置60は、明確に認識される連続波形の頂点間隔ごとに試料の伸縮長を求めるため、また、頂点ごとに屈折率を求めるため、誤認識をより抑制し、信頼性のさらなる向上を図ることが可能となる。
さらに、試料20に中央貫通穴21を設けるので、第一の反射板11に対する照射光の照射位置を試料20を避けて端となる位置にする必要がなく、また、試料20の内側に光路差となる光路が形成されるので、試料温度と光路における乾燥空気の温度との差を抑制する。このため、各部の温度のズレを抑制し、精度良く、信頼性の高い測定を行うことが可能となる。
なお、上記線膨張係数測定装置10では、収容槽内に満たす気体として乾燥空気を使用しているが、特にこれに限定されるものではなく、温度及び圧力からその屈折率を求めることができる気体全般について使用することが可能である。
線膨張係数測定装置の概略構成を示すブロック図である。 収容槽内に配置された状態における試料及び二つの反射板の状態説明図である。 温度変化とこれにより生じる光強度変化の関係を示す線図である。 各温度下での試料の変化率と試料温度との関係を示す線図である。 線膨張係数と試料温度との関係を示す線図である。
符号の説明
10 線膨張係数測定装置
11 第一の反射板
12 第二の反射板
14 受光素子
20 試料
21 中央貫通穴
30 収容槽
40 温度調節手段
60 制御装置(算出手段)
71 周波数安定レーザ(光源)

Claims (8)

  1. 試料を挟む二つの反射板と、
    前記試料及び各反射板を収容すると共に屈折率変化が既知である気体を満たす収容槽と、
    前記収容槽内の温度を可変設定する温度調節手段と、
    前記収容槽内の各反射板の反射面に波長が既知の照射光を照射する単一の光源と、
    前記各反射板の反射光を干渉させた状態で受光してその光強度を検出する受光素子と、
    前記試料の線膨張係数を算出する算出手段と、
    を備え、
    前記算出手段は、
    前記収容槽内の温度変化に伴う前記受光素子の出力する光強度変化が描く連続波形の極大又は極小を示す頂点の間隔ごとに、前記収容槽内の気体の屈折率の影響を受けた干渉光の波長と前記各頂点における温度での前記収容槽内の気体の屈折率と干渉光の次数とに基づいて試料の伸縮長を算出することを特徴とする線膨張係数測定装置。
  2. 前記算出手段は、m次の干渉時の試料長さL m を基準とした場合に、
    m+m’次の極小点での試料長さとの差である伸縮長ΔL m' を、
    ΔL m' =((m+m’)/2)・λ m+m' −(m/2)・λ m により求め、
    又は、
    m+m’−1/2次の極大点での試料長さとの差である伸縮長ΔL m'ー1/2 を、
    ΔL m' =((m+m’−1/2)/2)・λ m+m'ー1/2 −(m/2)・λ m
    により求めることを特徴とする請求項1記載の線膨張係数測定装置。
  3. 前記試料は、前記波長が既知の照射光を通過させる中空貫通穴を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の線膨張係数測定装置。
  4. 前記収容槽内の気体の圧力変化を検出する圧力検出手段を備え、
    前記算出手段は、前記気体の屈折率を前記収容室内の温度と検出圧力とから算出することを特徴とする請求項1,2又は3記載の線膨張係数測定装置。
  5. 試料を挟む二つの反射板を各反射面が平行となるように前記試料と共に温度調節可能な収容槽に収容し、
    前記収容槽内には前記試料及び各反射板の収容に前後して屈折率変化が既知である気体を満たし、
    単一の光源により前記収容槽内の各反射板の反射面に波長が既知の照射光を照射し、
    前記収容槽内の試料に温度変化を与えつつ前記各反射板の反射光を干渉させた状態でその光強度を検出し、
    前記収容槽内の温度変化に伴う前記受光素子の出力する光強度変化が描く連続波形の極大又は極小を示す頂点の間隔ごとに、前記収容槽内の気体の屈折率の影響を受けた干渉光の波長と前記各頂点における温度での前記収容槽内の気体の屈折率と干渉光の次数とに基づいて試料の伸縮長を算出することを特徴とする線膨張係数測定方法。
  6. 前記試料の伸縮長の算出において、m次の干渉時の試料長さL m を基準とした場合に、
    m+m’次の極小点での試料長さとの差である伸縮長ΔL m' を、
    ΔL m' =((m+m’)/2)・λ m+m' −(m/2)・λ m により求め、
    又は、
    m+m’−1/2次の極大点での試料長さとの差である伸縮長ΔL m'ー1/2 を、
    ΔL m' =((m+m’−1/2)/2)・λ m+m'ー1/2 −(m/2)・λ m
    により求めることを特徴とする請求項5記載の線膨張係数測定方法。
  7. 前記試料に中空貫通穴を設け、
    一方の前記反射板を透過して他方の前記反射板に照射する前記波長が既知の照射光を通過させて測定を行うことを特徴とする請求項5又は6記載の線膨張係数測定方法。
  8. 前記収容槽内の気体の圧力変化を検出すると共に、
    前記気体の屈折率を前記収容室内の温度と検出圧力とから算出することを特徴とする請求項5,6又は7記載の線膨張係数測定方法。
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