JP3907808B2 - 舗装表面仕上げ機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、舗装表面仕上げ機械に関し、特に、斜面、平面を問わず打設されたコンクリート表面や同効物質の表面等を均一に仕上げる場合に有効な舗装表面仕上げ機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、斜面において打設されたコンクリート表面や同効物質の表面等の舗装面を仕上げる場合、作業者が鏝等を持って、手作業で表面仕上げを行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来では、斜面の表面仕上げは、作業者が手作業にて行っているのが実情であり、多大な労力を必要とし、かつ均一に表面を仕上げることは困難であった。
特に、競輪場等においては、斜面のカーブ路部分の角度が緩和曲線に基づいて変化するため、人力作業では人間の目の錯覚により正確な勾配にて表面を仕上げることは困難である。
【0004】
又、このような緩和曲線のために、上記のように、機械化が困難であり、多大な時間と労力を要しているのが実情である。
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、斜面、平面を問わず打設されたコンクリート表面や同効物質の表面等を均一に仕上げる場合に有効な表面仕上げ機械であって、省人力化を図れると共に、表面を均一にかつ高精度に仕上げることが可能な舗装表面仕上げ機械を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明は、
舗装表面の横断方向に延びて配設され、該横断方向と直交する方向に舗装表面を間に挟んだ両外側部に沿って移動されるフレームと、
前記フレームに支持されて、前記横断方向に舗装表面に沿って移動可能な移動体と、
前記移動体を移動動作させる移動手段と、
前記移動体に上下動自由状態かつ舗装表面と略直交する軸を中心として回転自由状態に支持され、該移動体に対して横断方向と直交する方向に舗装表面に沿って横行動作されると共に、上下動作される仕上げ部材と、該仕上げ部材の横行動作を行う横行手段と、当該仕上げ部材の上下動作を行う上下手段と、を含んで構成される仕上げ装置と、
を含んで構成されたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、
前記フレームは、前記両外側部に沿って互いに平行に設置されたレール上を夫々走行する一対の走行体と、該一対の走行体の間で横断方向に沿って平行に架設される一対のフレーム部材と、を含んで構成されることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、
前記走行体は、一方の前記外側部に配設され、前記一対のフレーム部材に対して回転可能に固定される可倒式固定支持フレームと、他方の前記外側部に配設され、前記一対のフレーム部材に対して回転可能かつその架設方向に移動可能に固定される可倒式移動支持フレームと、を含んで構成されることを特徴とする。
【0007】
請求項4に係る発明は、
前記移動体を移動動作する移動手段は、移動体を牽引用索条を介してウインチによって牽引する構成であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、
前記仕上げ部材の横行動作を行う横行手段は、正・逆転駆動可能なモータと該モータにより回転されるスプロケットと該スプロケットに噛み合うチェーンとによって、仕上げ部材を横断方向と直交する方向の一端から他端及び他端から一端へと摺動する構成であることを特徴とする。
【0008】
請求項6に係る発明は、
前記仕上げ部材の上下動作を行う上下手段は、仕上げ部材を流体シリンダによって進退動作される構成であり、該流体シリンダの作動ロッド先端部にチェーンを介して仕上げ部材を連結したことを特徴とする。
請求項7に係る発明は、
前記仕上げ部材は、円盤状の鏝からなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1は、本発明に係る舗装表面仕上げ機械の一実施形態の側面図、図2は、その平面図、図3は、同上の機械における移動体設置部分の平面図、図4は、その側面図である。
【0010】
先ず、舗装表面仕上げ機械の概要について説明する。
打設されたコンクリート等の舗装表面の横断方向に延びて配設され、該横断方向と直交する方向に舗装表面の両外側部(上周線及び下周線)に沿って移動されるフレーム4が設けられ、該フレーム4は、フレーム部材4A,4Bと走行体(5,6)とから構成される。
【0011】
即ち、舗装表面の外側部である上周線及び下周線に沿って互いに平行に設置されたレール1,2上を走行する走行体(5,6)が設けられており、走行体(5,6)の間にフレーム部材4A,4Bが左右2本平行に架設され、このフレーム部材4A,4Bの間に下周線から上周線方向に移動(上周線から下周線方向の移動動作も可能なように)する移動体8が支持されている。
【0012】
前記移動体8を移動させる移動手段としては、例えばウインチ9と移動体8に連結された索条としての牽引用ワイヤ10とが設けられている。
又、この移動体8には、打設されたコンクリート等の舗装表面を仕上げるための仕上げ装置として、上下動自由状態かつ舗装表面と略直交する軸を中心として回転自由状態に支持される円盤状の鏝7Aを備えて構成される鏝装置7が取り付けられており、この鏝装置7は仕上げる表面の状態(硬さや骨材の大きさ等)によって左右移動の有無や移動速度を任意に調整できる移動手段を備え、かつ仕上げる表面に対して直角方向に自由に上下動する手段としての流体シリンダ15を備えている。上記の円盤状の鏝7A、移動手段及び流体シリンダ15を装備している鏝装置7は、下周線部と上周線部に任意に距離を可変できるリミットスイッチ(図示せず)を備えており、自動運転が可能であり、更に、仕上げる表面の長さ方向においても自在に調整が可能となっている。
【0013】
更に、フレーム4の下周線部側には下部車輪3が設けられており、上周線部側にはフレーム4に対して直角方向に自由に自走移動可能な上部車輪3′が設けられている。
次に、かかる構成を詳細に説明する。
フレーム4は、予め設置されている下周線レール1及び上周線レール2に、これらを走行する車輪3及び3′を介してセットされている。
【0014】
走行体は、下周線に配設され、フレーム部材4A,4Bに対して回転可能に固定される可倒式固定支持フレーム5と、上周線に配設され、フレーム部材4A,4Bに対して回転可能かつその架設方向に移動可能に固定される可倒式移動支持フレーム6とから構成されている。
下周線レール1を走行する車輪3は、可倒式固定支持フレーム5によって支持され、上周線レール2を走行する車輪3‘は、可倒式移動支持フレーム6によって支持されている。
【0015】
前記一対のフレーム部材4A、4Bの間には仕上げ部材としての円盤状の鏝7Aが保持されている移動体8が設けられている。
この移動体8は、ウインチ9と移動体8に連結された牽引用ワイヤ10によって下周線方向から上周線方向(上周線方向から下周線方向)に引き上げ(引き下げ)られる。
【0016】
尚、移動体8の後端部と牽引用ワイヤ10とはスプリングを介して連結される。
又、この移動体の移動速度は、ウインチ9の回転数を可変にすることによって任意に可変することができる。
又、下周線レール1に対して上周線レール2の高さが変化した場合、フレーム4を支持している可倒式固定支持フレーム5は、これに装着されているシリンダ11の伸縮により常に下周線レール1と垂直になるように調整される。
【0017】
同じように、可倒式移動支持フレーム6は、これに装着されているシリンダ12の伸縮により常に上周線レール2と垂直になるように調整される。
舗装表面仕上げ機械の下周線側には、該機械全体の駆動を制御する制御盤13が装着されている。
次に、鏝装置7の構成について説明する。
【0018】
即ち、移動体8は、牽引ワイヤ10で引き上げ(引き下げ)られることにより、フレーム4をガイドとして該移動体8の両端前後に取り付けられているガイド車輪14及び14′によって移動される。
移動体8には、前記鏝装置7が装着されており、該鏝装置7の鏝7Aは流体シリンダ15により舗装表面から引き上げることが可能である。
【0019】
更に、鏝装置7の鏝7Aは流体シリンダ15の作動ロッド15A先端部にチェーン7Bを介して連結されており、非作業時には、鏝装置7の鏝7Aは流体シリンダ15によりチェーン7Bを介して舗装表面から引き上げられるが、作業時においては、鏝装置7と引き上げ用の流体シリンダ15の間に介在されるチェーン7Bの作用により、即ち、流体シリンダ15を伸び動作させることにより、図4(B)に示すように、チェーン7Bが弛んで鏝7Aが常に自重のみのフリーの状態にて舗装表面に接するような構造となっている。又、この鏝装置7はモータ16の回転(正・逆転)により、チェーン17を介してフレーム4の右端から左端及び左端から右端へと摺動自動運転が可能である。この摺動速度は、制御盤13の操作により任意に可変することができる。
【0020】
尚、13は、フレーム4上に設けられた各装置を制御する操作盤である。
次に、かかる構成の作用について説明する。
先ず、舗装表面の所定幅部分の上方にフレーム4が位置するように、走行体(可倒式固定支持フレーム5及び可倒式移動支持フレーム6)を所定走行位置まで走行させて、フレーム4を移動する。
【0021】
そして、移動体8をウインチ9と牽引用ワイヤ10によって下周線方向から上周線方向(上周線方向から下周線方向)に引き上げ(引き下げ)つつ、この動作のときに鏝7Aをモータ16の回転(正・逆転)により、チェーン17を介してフレーム4の右端から左端及び左端から右端へと摺動させる。
これにより、舗装表面の所定幅部分が鏝7Aによって仕上げられる。
【0022】
次に、仕上げが済んだ舗装表面の所定幅部分に隣り合う所定幅部分の上方にフレーム4が位置するように、走行体を所定走行位置まで走行させて、フレーム4を移動する。
そして、上記と同様にして、舗装表面の次の所定幅部分を鏝7Aによって仕上げる。
【0023】
かかる作業の繰り返しによって、舗装表面全体が仕上げられる。
尚、上記の説明では斜面の舗装について説明したが、平面でも同様に仕上げが可能である。
かかる構成の仕上げ装置によれば、斜面、平面を問わず打設されたコンクリートや同効物質等により形成された表面を機械で仕上げることができるため、省人力化と過激な労働から解放することができ、特に、人力ではなく機械的に仕上げ作業を行うものであるから、全面均一な仕上げ面を得ることができると共に、仕上げ精度も大幅に向上させることができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、斜面、平面を問わず打設されたコンクリート表面や同効物質の表面等を均一に仕上げる場合に有効であり、省人力化を図れると共に、表面を均一にかつ高精度に仕上げることが可能な舗装表面仕上げ機械を提供することができる。
【0025】
請求項2に係る発明によれば、フレームの走行構造を簡単に構成でき、フレームの移動を容易に行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、一方の外側部に対して他方の外側部の高さが変化した場合、可倒式固定支持フレーム或いは可倒式移動支持フレームを一方の外側部と垂直になるように調整することができる。
【0026】
請求項4に係る発明によれば、移動体を簡単な構成により確実に牽引して移動することができる。
請求項5に係る発明によれば、仕上げ部材を簡単な構成により確実に摺動して横行することができる。
請求項6に係る発明によれば、仕上げ部材を簡単な構成により確実に上下動でき、しかも、作業時においては、鏝装置と流体シリンダの間に介在されるチェーンの作用により、仕上げ部材を常に自重のみのフリーの状態にて舗装表面に接触させることができる。
【0027】
請求項7に係る発明によれば、手作業と同じような綿密な仕上げ作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る舗装表面仕上げ機械の一実施形態の側面図
【図2】 その平面図
【図3】 同上の機械における移動体設置部分の平面図
【図4】 その側面図で、(A)は鏝の引き上げ時、(B)はその引き下げ時
【符号の説明】
1,2 レール
4 フレーム
4A,4B フレーム部材
7 鏝装置
7A 鏝
8 移動体
9 ウインチ
10 牽引用ワイヤ
15 流体シリンダ

Claims (7)

  1. 舗装表面の横断方向に延びて配設され、該横断方向と直交する方向に舗装表面を間に挟んだ両外側部に沿って移動されるフレームと、
    前記フレームに支持されて、前記横断方向に舗装表面に沿って移動可能な移動体と、
    前記移動体を移動動作させる移動手段と、
    前記移動体に上下動自由状態かつ舗装表面と略直交する軸を中心として回転自由状態に支持され、該移動体に対して横断方向と直交する方向に舗装表面に沿って横行動作されると共に、上下動作される仕上げ部材と、該仕上げ部材の横行動作を行う横行手段と、当該仕上げ部材の上下動作を行う上下手段と、を含んで構成される仕上げ装置と、
    を含んで構成されたことを特徴とする舗装表面仕上げ機械。
  2. 前記フレームは、前記両外側部に沿って互いに平行に設置されたレール上を夫々走行する一対の走行体と、該一対の走行体の間で横断方向に沿って平行に架設される一対のフレーム部材と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の舗装表面仕上げ機械。
  3. 前記走行体は、一方の前記外側部に配設され、前記一対のフレーム部材に対して回転可能に固定される可倒式固定支持フレームと、他方の前記外側部に配設され、前記一対のフレーム部材に対して回転可能かつその架設方向に移動可能に固定される可倒式移動支持フレームと、を含んで構成されることを特徴とする請求項2記載の舗装表面仕上げ機械。
  4. 前記移動体を移動動作する移動手段は、移動体を牽引用索条を介してウインチによって牽引する構成であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の舗装表面仕上げ機械。
  5. 前記仕上げ部材の横行動作を行う横行手段は、正・逆転駆動可能なモータと該モータにより回転されるスプロケットと該スプロケットに噛み合うチェーンとによって、仕上げ部材を横断方向と直交する方向の一端から他端及び他端から一端へと摺動する構成であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の舗装表面仕上げ機械。
  6. 前記仕上げ部材の上下動作を行う上下手段は、仕上げ部材を流体シリンダによって進退動作される構成であり、該流体シリンダの作動ロッド先端部にチェーンを介して仕上げ部材を連結したことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の舗装表面仕上げ機械。
  7. 前記仕上げ部材は、円盤状の鏝からなることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の舗装表面仕上げ機械。
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