JP3907620B2 - セラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体及びその製造方法 - Google Patents

セラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、モーター制御用のパワーモジュール等に好適なセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体及びその製造方法に関する。
今日、半導体素子の高集積化、大型化に伴い、発熱量は増加の一途をたどっており、いかに効率よく放熱させるかが課題となっている。そして、高絶縁性、高熱伝導性を有する例えば窒化アルミニウム基板、窒化珪素基板等のセラミックス基板の表面に、銅製又はアルミニウム製の金属回路を、また裏面に銅製又はアルミニウム製の金属放熱板が形成されてなる回路基板が、例えばパワーモジュール用基板として使用されている。
従来の回路基板の典型的な放熱構造は、回路基板の裏面(放熱面)の金属板、例えば銅板を介してベース板が半田付けされてなるものであり、ベース板としては銅、アルミニウムが一般的であった。しかしながら、この構造においては、半導体装置に熱負荷がかかった際に、ベース板と回路基板又は回路基板と半導体素子の熱膨張係数差に起因するクラックが半田層に発生し、その結果放熱が不十分となって半導体素子を誤作動させたり、破損させたりするという問題点があった。
そこで、熱膨張係数を回路基板のそれに近づけたベース板として、アルミニウム合金−炭化珪素質複合体が提案されている(特許文献1)。また、セラミックス回路基板として、塑性変形等により発生する応力を吸収する目的で、アルミニウムからなる回路を具備した回路基板が提案されている(特許文献2)。
特開平3−509860号公報。 特許第3308883号
ベース板は放熱フィンと放熱グリースを介して接合して用いることが多く、その接合部分の形状や反りもまた重要な特性として挙げられる。例えば、ベース板を放熱フィンに接合する場合、一般的にはベース板の周縁部に設けられた穴を利用して放熱フィンや放熱ユニット等にねじ固定して用いられるが、ベース板の放熱フィン等に接する面が凹面であったり、凸面であっても微少な凹凸が多く存在すると、ベース板と放熱フィンとの間に隙間が生じ、高熱伝導性の放熱グリースを用いて接合を行っても、熱伝達性が著しく低下し、その結果セラミックス回路基板、ベース板、放熱フィン等で構成されるモジュール全体の放熱性が著しく低下してしまうという問題点があった。
そこで、ベース板と放熱フィンとの間に出来るだけ隙間が出来ないように、予めベース板に凸型の反りを付けたものを用いることが多いが、この反りは通常、所定の形状を有する治具を用い、加熱下、ベース板に圧力をかけることで形成する。しかし、この方法によって得られる反りは、反り量のバラツキが大きく、且つ形状が一定でないため品質が安定しないという問題点があった。また、反り形状のバラツキにより、放熱フィンとの間に大きな隙間が生じるといった問題点もあった。
銅製のベース板では、その表面を機械加工して反りを形成する方法があるが、アルミニウム−炭化珪素質複合体は、非常に硬く、ダイヤモンド等の高価工具を用いて加工する必要があり、製品価格が高くなるという問題点があった。
ベース板を機械加工等により理想的な球面等に加工しても、その後、セラミックス回路基板と半田付けする工程で、ベース板とセラミックス回路基板の熱膨張差により、ベース板の放熱面の形状が変化して球面形状でなくなり、放熱特性が低下するという問題点がある。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、放熱特性に優れ、高信頼性が要求される分野に用いるパワーモジュール等として好適なセラミックス基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体を提供することである。
即ち、本発明は、炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸し、表面がその金属で被覆されてなる平板状複合体の一主面にセラミックス回路基板を一体化してなり、他の主面の反り量が200mmあたり400μm以下で、且つ、その形状が曲率半径12.5m以上の球面であることを特徴とするセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体であり、金属の被覆厚みの平均が0.1mm以上で、しかも、一主面の金属被覆厚みと他の主面の金属被覆厚みの厚みの差が、厚い方の金属被覆厚みの50%以内である該セラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体であり、熱伝導率が180W/mK以上、25℃から150℃の線熱膨張係数が10×10−6/K以下である該セラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体である。また、セラミックス回路基板のセラミックスが、窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナセラミックスから選ばれることを特徴とする該セラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体であり、セラミックス回路基板の回路が、アルミニウムを主成分とする金属からなることを特徴とする該セラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体である。
さらに、本発明は、炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸し、表面がその金属で被覆されてなるアルミニウム−炭化珪素質複合体とセラミックス回路基板を一体化し、放熱面の金属層を加工して、放熱面の反り量が200mmあたり400μm以下で、且つ、その形状が曲率半径12.5m以上の球面とすることを特徴とするセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法であり、セラミックス回路基板のセラミックスが、窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナセラミックスから選ばれることを特徴とする該セラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法であり、アルミニウム−炭化珪素質複合体とセラミックス回路基板を、活性金属ろう材を用いて400℃以上の温度で接合することを特徴とする該セラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法であり、セラミックス回路基板の回路が、アルミニウムを主成分とする金属からなることを特徴とする該セラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法である。
本発明のセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体は、放熱特性に優れ、パワーモジュール等の放熱部品として好適である。
金属-セラミックス複合体の製法については、大別すると含浸法と粉末冶金法の2種がある。このうち粉末冶金法は熱伝導率等の特性面で十分なものが得られておらず、実際に商品化されているのは、含浸法によるものである。含浸法にも種々の製法が有り、常圧で行う方法と、高圧下で行う方法(高圧鍛造法)がある。高圧鍛造法には、溶湯鍛造法とダイキャスト法がある。
本発明に適用出来る方法は、高圧下で含浸を行う高圧鍛造法であり、溶湯鍛造法とダイキャスト法のどちらも使用できるが、溶湯鍛造法がより好ましい。高圧鍛造法は、高圧容器内に、セラミックス多孔体(以下、プリフォームという)を装填し、これに金属の溶湯を高圧で含浸させて複合体を得る方法である。以下、溶湯鍛造法による製法について説明する。
必要に応じて結合材を添加した炭化珪素粉末を、成型、仮焼してプリフォームを作製し、このプリフォームを型枠内に収める。プリフォームの両主面に金属層を設ける為、プリフォームの両主面に1枚または多数枚の高純度アルミニウム板、又は気孔率80%以上のセラミックス繊維等の多孔体を直接接するように配置し、一つのブロックとする。このブロックを約500〜650℃で予備加熱後、高圧容器内に1個または2個以上配置し、ブロックの温度低下を防ぐために出来るだけ速やかにアルミニウム合金の溶湯を流し込み、30MPa以上の圧力で加圧して、アルミニウム合金をプリフォームの空隙中に含浸させる。こうして得られた両主面に金属層を設けたアルミニウム−炭化珪素質複合体に、含浸時の歪み除去の目的で、さらにアニール処理を施すこともある。アニール処理には、金属層と炭化珪素質複合体の接合をより強固にするという効果もある。
本発明において使用する炭化珪素質多孔体(以下、SiCプリフォームという)の製造方法に関して特に制限はなく、公知の方法で得ることが可能である。例えば、炭化珪素粉末にコロイダルシリカ或いはコロイダルアルミナ等を結合材として添加して混合、成形し、800℃以上で焼成することによって得ることができる。成形方法についても特に制限は無く、プレス成形、押し出し成形、鋳込み成形等を用いることができ、必要に応じて保形用バインダーを併用することも可能である。
アルミニウム−炭化珪素質複合体の特に重要な特性は、熱伝導率と熱膨張係数である。アルミニウム−炭化珪素質複合体中の炭化珪素(SiC)含有率の高い方が、熱伝導率が高く、熱膨張係数が小さくなるため好ましいが、あまりにも含有率が高い場合には含浸操作が容易でなくなる。実用的には、SiCプリフォームの相対密度が55〜75体積%の範囲にあって、粗い炭化珪素粒子を含むものが好ましい。SiCプリフォームの曲げ強度は、取り扱い時や含浸中の割れをなくすため、3MPa以上であることが好ましい。
SiCプリフォームを得る為の、原料炭化珪素粉については、粒度調整を行うことが好ましい。粗粉のみでは、強度発現に乏しく、一方、微粉のみでは、高い熱伝導率が得られないからである。本発明者の検討によれば、例えば、平均粒径40μm以上の粒径の炭化珪素粗粉40〜80質量%と、平均粒径15μm以下の粒径の炭化珪素微粉を60〜20質量%とを混合することが好ましい。
SiCプリフォームは、炭化珪素粉末の成形体を、非酸化性雰囲気下或いは酸化性雰囲気下で脱脂、焼成することにより得られる。焼成温度は、800℃以上であれば、3MPa以上の曲げ強度のSiCプリフォームとすることができる。焼成温度が高い程、SiCプリフォームが高強度となり好ましいが、酸化性雰囲気下で焼成する場合は炭化珪素が酸化する場合がある。1200℃を超える温度で焼成すると、アルミニウム−炭化珪素質複合体の熱伝導率が低下してしまうので、1200℃以下の温度で焼成することが好ましい。
本発明のアルミニウム−炭化珪素質複合体中のアルミニウムを主成分とする金属は、含浸時にプリフォームの空隙内に十分に浸透するために融点がなるべく低いことが好ましく、特に表面に高純度のアルミニウム層を有するアルミニウム−炭化珪素複合体を得る場合には、融点が一層低いことが好ましい。このようなアルミニウムを主成分とする金属として、例えばシリコンを7〜25質量%含有したアルミニウム合金が挙げられる。更にマグネシウムを含有させることは、炭化珪素粒と金属部分との結合がより強固になり好ましい。アルミニウム合金中のアルミニウム、シリコン、マグネシウム以外の金属成分に関しては、極端に特性が変化しない範囲であれば特に制限はなく、例えば、銅等が含まれていても問題のない場合がある。
本発明において、アルミニウム−炭化珪素質複合体表面の金属層は、アルミニウムを主成分とするものである。金属層の形成方法としては、アルミニウム板を用いる方法と気孔率80%以上のセラミックス繊維等の多孔体を用いて、その気孔部分にアルミニウムを主成分とする金属を含浸させて形成する方法がある。アルミニウム板を用いる場合、SiCプリフォーム中の空隙に含浸されるアルミニウムを主成分とする金属よりも高融点のものであれば、どの様なものでも良いが、モジュール組立て工程、電子部品の実装工程、及びモジュールとして使用される際に発生する応力を緩和しやすいことから、高純度のアルミニウムが選択されることが多い。通常、1枚または多数枚の高純度のアルミニウム板を、SiCプリフォームの表面に直接接するように配置する。アルミニウムは、98.5質量%以上の純度を有するものであれば、問題無く使用できる。またこの高純度アルミニウム板は、複合化時に用いるアルミニウムを主成分とする金属との反応を制御する目的で、必要に応じてアルマイト処理等の表面処理を施して用いることもできる。セラミックス繊維等の多孔体を用いる場合は、気孔率は80〜96%が好ましい。気孔率が80%未満では、セラミックス繊維等の含有率が高くなり過ぎ、金属層表面にセラミックス繊維が大量に露出し、めっき密着性が低下する場合がある。一方、気孔率が96%を超えると、セラミックス繊維等による空間保持が出来なくなり、その結果、含浸後の表裏の金属層の厚みを制御出来なくなる場合がある。
SiCプリフォームへアルミニウムを主成分とする金属を含浸する際に発生する歪みを除去する目的で行うアニール処理は、400℃〜550℃の温度で、10分間以上行うことが好ましい。アニール温度が400℃未満であると、アルミニウム−炭化珪素質複合体内部の歪みが十分に解放されず、機械加工後のアニール処理工程で反りが大きく変化してしまう場合がある。一方、アニール温度が550℃を越えると、アルミニウムを主成分とする金属が溶融する恐れがある。さらに、アニール温度が400℃〜550℃であってもアニール時間が10分未満であると、アルミニウム−炭化珪素質複合体内部の歪みが十分に解放されず、セラミックス回路基板との接合及び機械加工工程後の加工歪み除去のためのアニール処理工程において、反りが大きく変化してしまう恐れがある。
アルミニウム−炭化珪素質複合体表面に設けられるアルミニウムを主成分とする金属層の厚みは、機械加工で両主面を加工する場合には両主面の厚みをほぼ等しくしてもよいが、放熱面側のみを加工する場合は、加工後に両主面の厚みが大きく異ならないように、予め加工する放熱面側の金属層の厚みを厚くしておく必要がある。表面金属層の平均厚みは0.1mm以上であり、両主面の金属層の平均厚みの差が、厚い方の金属層の平均厚みの50%以内であることが好ましい。表面金属層の平均厚みが0.1mm未満であると、機械加工の際にアルミニウム−炭化珪素質複合体に加工刃が当たってしまい、チッピングの原因となると共に、アルミニウム−炭化珪素質複合体層が露出しめっき不良の原因となる恐れがある。また、両主面の金属層の平均厚みの差が、厚い方の金属層の平均厚みの50%を超えると、接合及び機械加工後の加工歪み除去のためのアニール処理の際に、反りが大きく変化する恐れがある。
本発明で使用されるセラミックス基板の材質は、窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナセラミックスが好ましい。これらのセラミックスは絶縁性に優れ、且つ、熱伝導率が高くパワーモジュールの部材として好適である。セラミック基板の厚みは、厚すぎると熱抵抗が大きくなり、薄すぎると耐久性がなくなる為、0.4〜1.5mm程度が好ましい。
セラミックス回路基板の金属回路部分には、数百アンペアの高電流が流れ、数千ボルトの高電圧がかかるため、現在、銅回路が主として用いられている。しかし、使用時の環境の変化やスイッチングによる熱等による熱衝撃を繰り返し受けるため、銅とセラミックスの熱膨張差により発生する熱応力により、セラミックス基板の界面より銅回路が剥離するという問題がある。
銅とセラミックスの熱膨張差により発生する熱応力は、熱膨張率だけではなく、その金属自体が持つ機械的性質、主に引張強度や耐力でその大きさが決まる。従って熱応力を低減させるには、銅よりも引張強度や耐力の小さい金属を用いればよく、そのような特性を持つ金属の例としてアルミニウムが挙げられる。この為、アルミニウムを主成分とする回路を有するセラミックス回路基板を具備することにより、使用時の熱負荷等に対する信頼性をさらに向上させることが可能である。
セラミックス回路基板とアルミニウム−炭化珪素質複合体の接合は、合金箔または活性金属ろう材を介して行うことが好ましい。SiCプリフォーム含浸用のアルミニウムを主成分とする金属として、シリコンを12質量%含有したものを用いた場合、合金箔はAlとCuを主成分とし、アルミニウムを主成分とする金属よりも融点の低いものが好ましい。例示すればCu1〜6質量%、特に1.5〜5質量%のAl−Cu合金箔、Cu4質量%とMg0.5%質量を含む2018合金箔、0.5質量%のMnを含む2017合金箔、更にはJIS合金の2001、2003、2005、2007、2011、2014、2024、2025、2030、2034、2036、2048、2090、2117、2124、2218、2224、2324、7050、7075等の合金箔が使用可能である。また、Mg、Zn、In、Mn、Cr、Ti、Bi等の第三成分を、合計で5質量%まで含むものの使用も可能である。
Al−Cu合金箔またはこれに第三成分が付加された合金箔において、Cuが1質量%未満では、接合温度が高くなるため、アルミニウム−炭化珪素質複合体中のアルミニウムを主成分とする金属が溶融化する恐れがある。また6質量%を超えると、接合後のろう材の拡散部が特に硬くなって信頼性が低下する恐れがある。特に好ましいろう材合金箔は、Al86質量%以上、Cu1〜6質量%、Mg3質量%以下(0を含まず)、好ましくはMg0.2〜2.0質量%である。
ろう材合金箔の厚みは、SiCプリフォームの表面に直接接するアルミニウムを主成分とする金属層の厚みに対し、1/10〜1/50の厚みであることが好ましい。1/50未満の厚みでは、十分な接合が難しい場合があり、一方、1/10を超えるとろう材の拡散により表面金属層が硬くなる場合がある。さらに、ろう材合金箔が100μm以下の厚みであって、且つ、表面金属層の厚みに対して1/12〜1/40であることがより好ましい。即ち、表面金属層の厚みが0.4〜0.6mmの場合、ろう材合金箔は、厚み10〜50μm、特に厚み15〜30μmが好適である。
接合は、酸素濃度が1〜100ppmの窒素、アルゴン、真空等の非酸化雰囲気中で行うことが好ましい。酸素濃度が100ppmを超えると、活性金属ろう材が酸化され、接合が不十分となる。一方、酸素濃度が1ppm未満では、活性金属ろう材の濡れ性が極端に良くなり、温度制御が困難となるため好ましくない。
接合条件は、530〜570℃で5〜60分間保持することが好ましい。530℃未満では接合が十分でない場合があり、一方、570℃を超えると、活性金属ろう材中の銅成分等のアルミニウム板への拡散が過度となり、接合層が硬くなり、その後の熱負荷により接合層から剥離する恐れがある。保持時間が5分間よりも短いと接合が不十分となる恐れがあり、また60分間よりも長くなると、活性金属ろう材中の銅成分等のアルミニウム板への拡散が過度となり、接合層が硬くなる恐れがある。
活性金属ろう材を挟んだアルミニウム−炭化珪素質複合体とセラミックス回路基板は、圧力3.0〜4.5MPaで加圧しつつ接合されるのが一般的である。圧力が3.0MPa未満であると、接合が不十分となる場合がある。圧力の上限は特にないが、4.5MPa程度で十分である。
本発明に係る、放熱面、並びに、必要に応じて行うセラミックス回路接合面の加工は旋盤等の機械加工にて行うのが一般的である。旋盤等への被加工品の固定は被加工品の周縁部に設けられた穴等を利用してねじ止めする方法が一般的に用いられる。本発明においては、アルミニウムを主成分とする金属層を機械加工するため、理想的な球面形状の放熱面を得ることが可能であり、良好な放熱特性と共に、モジュール組立て工程、電子部品の実装工程、及びモジュールとして使用される際に発生する応力を緩和することの可能なセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体を得ることができる。
アルミニウム−炭化珪素質複合体表面に設けられるアルミニウムを主成分とする金属層の厚みは、機械加工で両主面を加工する場合は両主面の厚みをほぼ等しくしてもよいが、放熱面側のみを加工する場合は、加工後に両主面の金属層の厚みが大きく異ならないように、予め加工する放熱面側の金属層の厚みを厚くしておく必要がある。
セラミックス回路接合面側を機械加工する際は、放熱面側の様な反り加工を行う必要はなく平面研削でも構わない。アルミニウム−炭化珪素質複合体のセラミックス回路接合面側の加工を行った後、セラミックス回路基板との接合を行い、その後に、放熱面側を機械加工する。
機械加工後のアルミニウム−炭化珪素質複合体両主面の表面金属層の平均厚みの合計は1.0mm以下にすることが好ましい。アルミニウム−炭化珪素質複合体の両主面の金属層の平均厚みの合計が1.0mmを超えると、アルミニウム−炭化珪素質複合体全体の熱膨張係数が大きくなり、半導体部品搭載後に熱負荷がかかった際、アルミニウム−炭化珪素質複合体とセラミックス回路基板の熱膨張係数差に起因する反りが発生し、その結果、放熱が不十分となって半導体を誤作動させたり、破損させたりする恐れがある。
機械加工後の放熱面の形状は、曲率半径12.5m以上の球面形状で、反り量は200mmあたり400μm以下の凸型形状が好ましい。凹型形状の反りの場合、その後のモジュール組み立て工程でアルミニウム−炭化珪素質複合体と放熱フィンとの間に隙間が生じ、高熱伝導性の放熱グリースを用いて接合を行っても、熱伝達性が著しく低下する。その結果、セラミックス回路基板、アルミニウム−炭化珪素質複合体、放熱フィン等で構成されるモジュール全体の放熱性が著しく低下する。反り量が200mmあたり400μmを超えるか、又は曲率半径が12.5m未満の球面であると、放熱フィンとネジ止めする際、アルミニウム−炭化珪素質複合体、又はセラミックス回路基板にクラックが発生する恐れがある。
セラミックス回路基板の長軸上の反りは200mmあたり−200μm〜200μmであることが好ましい。反り量が前記範囲をはずれると、半導体素子を半田付けする際に半田厚みが一定にならず、ボイドが発生し易くなるため、放熱性が低下してしまう恐れがある。
長軸は、平板の形状が四角形の場合は対角線を、円の場合は直径を、楕円の場合は長軸を、その他の形状の場合は最大長の軸をそれぞれ表す。
機械加工歪み除去のためのアニール処理は400℃〜550℃の温度で10分間以上行うことが好ましい。アニール温度が400℃未満であったり、アニール温度が400℃〜550℃であってもアニール時間が10分未満であると、構造体内部の歪みが十分に解放されずにその後の半導体素子の半田付け工程等で反りが大きく変化してしまう恐れがある。また、アニール温度が550℃を超えると含浸で用いたアルミニウムを主成分とする金属が溶融する恐れがある。
前記の方法により得られるセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体は、アルミニウム−炭化珪素質複合体両主面の表面にアルミニウムを主成分とする金属層を有し、放熱面が理想的な球面形状をしているため、良好な放熱特性を有すると共に、モジュール組立て工程、電子部品の実装工程、及びモジュールとして使用される際に発生する応力を緩和することが可能であり、セラミックス回路基板、ベース板、放熱フィン等で構成されるモジュールの放熱性の低下防止に好適である。
本発明のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、熱伝導率が180W/mK以上、25℃から150℃の線熱膨張係数が10×10−6/K以下であることが好ましい。前記の効果に加えて、高熱伝導率で、しかも半導体部品やセラミックス回路基板と同等レベルの低膨張率であるため、これを用いた放熱部品、更にそれを用いたモジュールは、放熱特性に優れ、また、温度変化を受けても変形し難く、その結果、高信頼性が得られるという特徴がある。
アルミニウム−炭化珪素質複合体表面のアルミニウムを主成分とする金属被覆層の設置に関しては、SiCプリフォームへのアルミニウムを主成分とする金属含浸前の積層の段階で枠内に設置する方法の他に、含浸後に設置することも可能である。
型枠内にSiCプリフォームのみを配置し、アルミニウムを主成分とする金属を含浸した後、得られたアルミニウム−炭化珪素質複合体の表面を乾式ブラストや、エッチング等の処理により清浄化する。その後、高純度アルミニウム板とろう材合金箔からなる積層物のろう材合金箔面と、アルミニウム−炭化珪素質複合体が接触するよう積層後、酸素濃度が1〜100ppmの窒素、アルゴン、真空等の非酸化雰囲気中、530〜570℃で5〜60分間保持することによっても、本発明のアルミニウム−炭化珪素質複合体を作製することが可能である。
炭化珪素粉末A(太平洋ランダム社製:NG−220、平均粒径:60μm)70g、炭化珪素粉末B(屋久島電工社製:GC−1000F、平均粒径:10μm)30g、及びシリカゾル(日産化学社製:スノーテックス)10gを秤取し、攪拌混合機で30分間混合した後、185mm×135mm×4.6mmの寸法の平板状に圧力10MPaでプレス成形した。得られた成形体を、大気中、温度900℃で2時間焼成して、相対密度(嵩密度)が65体積%のSiCプリフォームを得た。
得られたSiCプリフォームを、溶湯が流入できる湯口のついた185×135×5.2mmの鉄製枠に入れ、片面に185mm×135mm×0.4mm、もう片方に185mm×135mm×0.2mmの高純度アルミニウム板(純度99.99質量%以上のアルミニウム板、以下4N材という)を配し、両面をカーボンコートしたSUS板で挟んで一体としたものを電気炉で600℃に予備加熱した。次にそれをあらかじめ加熱しておいた内径300mmのプレス型内に収め、シリコンを12質量%、マグネシウムを0.5質量%含有するアルミニウム合金の溶湯を注ぎ、100MPaの圧力で20分間加圧して炭化珪素質多孔体にアルミニウム合金を含浸させた。室温まで冷却した後、湿式バンドソーにて鉄枠等を切断し、挟んだSUS板をはがした後、含浸時の歪み除去のために530℃の温度で3時間アニール処理を行い、アルミニウム−炭化珪素質複合体を得た。
50mm×50mm×0.7mmの市販のセラミックス基板(窒化アルミニウム基板:レーザーフラッシュ法による熱伝導率が175W/mK、3点曲げ強度が420MPa、窒化珪素基板:レーザーフラッシュ法による熱伝導率が70W/mK、3点曲げ強度は580MPa)の両主面に、高純度アルミニウム材(4N材)と接合材(Al−Cu−Mg合金箔)を重ね、カーボン板をねじ込んで基板に押し付けできる治具を用い、窒化アルミニウムセラミックス板に対して垂直方向に4MPaの圧力で均等に加圧した。接合は、窒素雰囲気下、温度600℃で15分間加圧をしながら行った。接合後、エッチングレジストをスクリーン印刷してFeCl3液でエッチングした。回路面、放熱面のパターンは、正方形(コーナーRは2mm)で、セラミックス基板中央部に形成(沿面距離1mm)させ、セラミックス回路基板を作製した。
アルミニウム−炭化珪素質複合体の表面を、圧力0.4MPa、搬送速度1.0m/minの条件でアルミナ砥粒にてブラスト処理を行い清浄化した後、アルミニウム層厚み0.2mmの面に49mm×49mm×0.02mmのアルミニウム箔(7075材)と、その外側にセラミックス回路基板を配置した後、圧力3.5MPaで加圧を行い、酸素濃度が30ppmの窒素雰囲気中にて530℃の温度で15分間保持して接合した。
得られたセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体の縁周部4隅に8mmの加工穴を設け、旋盤治具に加工穴を利用してネジ固定を行い、アルミニウム層厚み0.4mmの面に、表1に示す曲率半径の球面形状になるよう、反り加工を行った。研削量は、加工後のアルミニウム−炭化珪素質複合体の両主面のアルミニウム層の平均厚みが等しくなるように、平均200μmの研削を行い、平均厚みを5.0mmとした。機械加工後、マッフル炉を用いて530℃の温度で3時間アニール処理を行い加工歪みの除去を行った。次いで、圧力0.4MPa、搬送速度1.0m/minの条件でアルミナ砥粒にてブラスト処理を行い清浄化した後、無電解Ni―P及びNi−Bめっきを行った。
セラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体の放熱面の形状を接触型二次元輪郭形状測定機(東京精密社製;コンターレコード1600D−22)にて測定し、200mmあたりの反り量を測定した結果を表1に示す。また、実験No.1の放熱面の形状について測定結果を図1に示す。実験No.1で得られた構造体の放熱面の形状は理想的な球面形状であった。さらに、実験No.1の構造体を、モジュール組み立て時を想定して、温度300℃で15分間加熱処理した後、室温まで冷却し、再度、放熱面の形状を測定した結果、200mmあたりの反り量は、256μmであり、加熱処理前後での反り量の変化は殆ど無かった。
前記アルミニウム−炭化珪素質複合体より、機械加工により各サンプルの対角線に沿って切断を行い、切断により露出した両主面のアルミニウム層の厚みをそれぞれ対角線に等間隔に20点測定し、その平均の厚みを算出した後、(両主面のアルミニウム層の平均厚みの差)/(厚い方のアルミニウム層の平均厚み)×100の値を算出した。また、研削加工により熱膨張係数測定用試験体(直径3mm、長さ10mm)、熱伝導率測定用試験体(直径11mm、厚さ3mm)の試験片を作製した。それぞれの試験片を用いて、25〜250℃の熱膨張係数を熱膨張計(セイコー電子工業社製;TMA300)で、25℃での熱伝導率をレーザーフラッシュ法(理学電機社製;LF/TCM−8510B)で測定した。結果を表1に示す。
前記セラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体を、放熱グリースを介して放熱フィンに装着することを想定し、20mm間隔で碁盤目状に穴の開いた400×400×40mmのステンレス板にM6のネジを用いて、6Nの締め付けトルクにてネジ止めした後、放熱面とステンレス板間の隙間をリニアゲージにて40箇所測定し、最大値を表1に示した。実験No.1〜4では、構造体とステンレス板間の隙間は最大で38μmであったが、実験No.7では、中央部に120μmの隙間が認められた。
Figure 0003907620
実施例1で得られたSiCプリフォームを、溶湯が流入できる湯口のついた185×135×5.2mmの鉄製枠に入れ、片面に185mm×135mm×0.4mm、もう片方に185mm×135mm×0.2mmのアルミナ繊維のシート(かさ密度0.5g/cm3)を配し、両面をカーボンコートしたSUS板で挟んで一体としたものを電気炉で600℃に予備加熱した。次にそれをあらかじめ加熱しておいた内径300mmのプレス型内に収め、シリコンを12質量%含有するアルミニウム合金の溶湯を注ぎ、100MPaの圧力で20分間加圧して炭化珪素質多孔体にアルミニウム合金を含浸させた。室温まで冷却した後、湿式バンドソーにて鉄枠等を切断し、挟んだSUS板をはがした後、含浸時の歪み除去のために530℃の温度で3時間アニール処理を行い、アルミニウム−炭化珪素質複合体を得た。
得られた複合体の0.2mm厚のアルミナ繊維シートを挿入した面に、実施例1と同様にセラミックス回路基板(窒化アルミニウム)を接合した後、複合体の縁周部4隅に8mmの加工穴を設け、旋盤治具に加工穴を利用してネジ固定を行い、裏面を旋盤にて曲率半径23mの球面形状になるように反り加工を行った。また、研削量は、加工後のアルミニウム−炭化珪素質複合体の両主面の金属層平均厚みが等しくなるように平均200μmの研削を行い、平均厚み5.0mmとした。機械加工後、マッフル炉を用いて530℃の温度で3時間アニール処理を行い加工歪みの除去を行った。次いで、圧力0.4MPa、搬送速度1.0m/minの条件でアルミナ砥粒にてブラスト処理を行い清浄化した後、無電解Ni―P及びNi−Bめっきを行った。結果を、表1の実験No.5に示す。
得られたセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体放熱面の200mmあたりの反り量は218μmであり、放熱面の形状は理想的な球面形状であった。さらに、モジュール組み立て時を想定して、温度300℃で15分間加熱処理した後、室温まで冷却し、再度、放熱面の形状を測定した結果、200mmあたりの反り量は、220μmであり、加熱処理前後での反り量の変化は殆ど無かった。
[比較例]
実施例1で得られたSiCプリフォームを厚み4.2mmに加工した後、溶湯が流入できる湯口のついた185×135×5.4mmの鉄製枠に入れ、両主面に185mm×135mm×0.6mmの高純度アルミニウム板(4N材)を配し、両面をカーボンコートしたSUS板で挟んで一体としたものを電気炉で600℃に予備加熱した。次にそれをあらかじめ加熱しておいた内径300mmのプレス型内に収め、シリコンを12質量%、マグネシウムを0.5質量%含有するアルミニウム合金の溶湯を注ぎ、100MPaの圧力で20分間加圧して炭化珪素質多孔体にアルミニウム合金を含浸させた。室温まで冷却した後、湿式バンドソーにて鉄枠等を切断し、挟んだSUS板をはがした後、含浸時の歪み除去のために530℃の温度で3時間アニール処理を行い、アルミニウム−炭化珪素質複合体を得た。
得られた複合体は、片面に実施例1と同様にセラミックス(窒化アルミニウム)回路基板と接合した後、複合体の縁周部4隅に8mmの加工穴を設け、旋盤治具に加工穴を利用してネジ固定を行い、裏面を旋盤にて曲率半径23mの球面形状になるように反り加工を行った。また、研削量は平均400μmの研削を行い、アルミニウム−炭化珪素質複合体の平均厚みを5.0mmとした。機械加工後、マッフル炉を用いて530℃の温度で3時間アニール処理を行い加工歪みの除去を行った。次いで、圧力0.4MPa、搬送速度1.0m/minの条件でアルミナ砥粒にてブラスト処理を行い清浄化した後、無電解Ni―P及びNi−Bめっきを行った。結果を、表1の実験No.8に示す。
得られたセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体放熱面の200mmあたりの反り量は420μmであった。さらに、モジュール組み立て時を想定して、温度300℃で15分間加熱処理した後、室温まで冷却し、再度、放熱面の形状を測定した結果、200mmあたりの反り量は、450μmに増加した。
実施例1で得られたSiCプリフォームを、溶湯が流入できる湯口のついた185×135×4.6mmの鉄製枠に入れ、両面をカーボンコートしたSUS板で挟んで一体としたものを電気炉で600℃に予備加熱した。次にそれをあらかじめ加熱しておいた内径300mmのプレス型内に収め、シリコンを12質量%含有するアルミニウム合金の溶湯を注ぎ、100MPaの圧力で20分間加圧して炭化珪素質多孔体にアルミニウム合金を含浸させた。室温まで冷却した後、湿式バンドソーにて鉄枠等を切断し、挟んだSUS板をはがした後、含浸時の歪み除去のために530℃の温度で3時間アニール処理を行い、アルミニウム−炭化珪素質複合体を得た。
得られたアルミニウム−炭化珪素質複合体表面を、圧力0.4MPa、搬送速度1.0m/minの条件でアルミナ砥粒にてブラスト処理を行い清浄化した後、一主面には185mm×135mm×0.02mmのアルミニウム箔(7075材)と、その外側に185mm×135mm×0.4mmの高純度アルミニウム板(4N材)を、もう一主面には185mm×135mm×0.02mmのアルミニウム箔(7075材)と、その外側に185mm×135mm×0.2mmの高純度アルミニウム板(4N材)を配置した後、圧力3.5MPaで加圧を行い、酸素濃度が10ppmの窒素雰囲気中にて550℃の温度で15分間保持し接合を行った。
次に、実施例1と同様にセラミックス回路基板(窒化アルミニウム)をアルミニウム層厚み0.2mmの面に接合後、縁周部4隅に8mmの加工穴を設け、旋盤治具に加工穴を利用してネジ固定を行い、旋盤にてアルミニウム層厚み0.4mmの面を、曲率半径25mの球面形状になるように反り加工を行った。また、研削量は、加工後のアルミニウム−炭化珪素質複合体両主面のアルミニウム層の平均厚みが等しくなるように、平均200μmの研削を行い、平均厚みを5.0mmとした。機械加工後、マッフル炉を用いて530℃の温度で3時間アニール処理を行い加工歪みの除去を行った。得られたセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体の反り量は、200mmあたり205μmであり、その形状は理想的な球面形状であった。結果を、表1の実験No.6に示す。
接触式二次元輪郭測定機での測定結果(実験No.1)

Claims (9)

  1. 炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸し、表面がその金属で被覆されてなる平板状複合体の一主面にセラミックス回路基板を一体化してなり、他の主面の反り量が200mmあたり400μm以下で、且つ、その形状が曲率半径12.5m以上の球面であることを特徴とするセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体。
  2. 金属の被覆厚みの平均が0.1mm以上で、しかも、一主面の金属被覆厚みと他の主面の金属被覆厚みの厚みの差が、厚い方の金属被覆厚みの50%以内であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体。
  3. アルミニウム−炭化珪素質複合体の熱伝導率が180W/mK以上、25℃から150℃の線熱膨張係数が10×10−6/K以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体。
  4. セラミックス回路基板のセラミックスが、窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナセラミックスから選ばれることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項記載のセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体
  5. セラミックス回路基板の回路が、アルミニウムを主成分とする金属からなることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項記載のセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体。
  6. 炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸し、表面がその金属で被覆されてなるアルミニウム−炭化珪素質複合体とセラミックス回路基板を一体化し、その後、放熱面の表面金属層を加工して、放熱面の反り量が200mmあたり400μm以下で、且つ、その形状が曲率半径12.5m以上の球面とすることを特徴とするセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法。
  7. セラミックス回路基板のセラミックスが、窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナセラミックスから選ばれることを特徴とする請求項6記載のセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法。
  8. アルミニウム−炭化珪素質複合体とセラミックス回路基板を、活性金属ろう材を用いて400℃以上の温度で接合することを特徴とする請求項6又は7記載のセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法。
  9. セラミックス回路基板の回路が、アルミニウムを主成分とする金属からなることを特徴とする請求項6〜8のうちいずれか一項記載のセラミックス回路基板一体型アルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法。
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