JP3907356B2 - 鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置とそれを用いた鋼橋の支承取替方法 - Google Patents
鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置とそれを用いた鋼橋の支承取替方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置とそれを用いた鋼橋の支承取替方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼橋の支承取替は、従来、図4に示すように、主桁1の下面と橋脚2の上面の間に油圧ジャッキ3をセットし、油圧ジャッキ3を作動させて主桁1を持ち上げ、支承4を取り替えることにより行う。
あるいは、図5〜図9に示すように、主桁1に仮設ブラケット5を高力ボルト6で取り付け、橋脚2の外側端面2bにもジャッキ受け用の受台ブラケット7を取り付け、仮設ブラケット5下面と橋脚2上面または受台ブラケット7上面との間に油圧ジャッキ3をセットし、橋脚2を持ち上げ、支承4を取り替えることにより行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の支承取替にはつぎの問題がある。
図4の方法では、油圧ジャッキ3が、支承4と干渉しない橋脚2の中央から離れた、橋脚前面2aに寄った位置にセットされるため、橋脚2がコンクリート製の場合、剪断抵抗面8が小さくなって剪断抵抗面8に作用する応力度が大きくなり、橋脚2本体および主桁1の補強が必要となる。
図5〜図9の方法では、油圧ジャッキ3を支承4と干渉することなく橋脚2の中央寄りに配置できるため、剪断抵抗面8が大きくなって、剪断抵抗面8に作用する応力度からは有利になるが、
・仮設ブラケット5の重量が大きく、現場作業性が悪い、
・仮設ブラケット5の転用が難しく、費用がかかりすぎる、
・既設橋梁、橋脚であるため、ジャッキアップスペースが非常に狭い、
等の問題がある。
本発明の目的は、剪断応力度上の問題を生じず、かつ転用の困難な仮設ブラケットを用いない、鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置とそれを用いた鋼橋の支承取替方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明はつぎの通りである。
(1) 並列配置の複数のシリンダー型油圧ジャッキと、
油圧ジャッキの並び方向に延びるプレートを有し前記油圧ジャッキが固定された第1のブラケットと、
前記第1のブラケットのプレートに高力ボルトを用いて結合され主桁腹板に高力ボルトを用いて結合される第2のブラケットと、
からなる鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置。
(2) 複数のシリンダー型油圧ジャッキと前記油圧ジャッキが固定された第1のブラケットと前記第1のブラケットに高力ボルトを用いて結合される第2のブラケットとからなる支承取替専用ジャッキ装置の前記油圧ジャッキと第1のブラケットを鋼橋の遊間に配置して第2のブラケットを第1のブラケットと主桁の腹板に高力ボルトを用いて結合し、
前記油圧ジャッキにより桁端を持ち上げ、
古い支承を新しい支承と交換し、
前記油圧ジャッキにより桁端を新しい支承の上におろし、
前記第2のブラケットを第1のブラケットと主桁の腹板から取外し、ついで前記油圧ジャッキと第1のブラケットを鋼橋の遊間から除去する、
工程からなる支承取替専用ジャッキ装置を用いた鋼橋の支承取替方法。
【0005】
上記(1)の鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置および上記(2)の支承取替専用ジャッキ装置を用いた鋼橋の支承取替方法では、油圧ジャッキを主桁端の遊間にセットするので、橋脚前面から離れた位置となり、橋脚に働く剪断応力度が小さくなる。また、主桁の端部に取り付け用ボルト孔を穿設して、高力ボルトで第2のブラケットと結合すればよいので、支承取替専用ジャッキ装置の任意の橋梁への転用が容易であり、従来に比べてコストダウンとなる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明実施例の鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置とそれを用いた鋼橋の支承取替方法を、図1〜図3を参照して説明する。
本発明実施例の鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置9は、並列配置の複数のシリンダー型油圧ジャッキ10と、油圧ジャッキ10の並び方向に延びるプレート11を有し油圧ジャッキ10が固定された第1のブラケット12と、第1のブラケット12のプレート11に高力ボルト13を用いて結合され主桁1の腹板1aに高力ボルト13を用いて結合される第2のブラケット14と、からなる。
【0007】
油圧ジャッキ10は、既設橋梁の主桁端の遊間15に挿入できるように、100〜200mm程度の直径を有し、主桁1の腹板1aの端に沿って上下方向に延び、主桁1の上フランジ1b近傍まで延びる、シリンダを有する。これに対し、従来の油圧ジャッキ3は、200mmを越える直径を有し、主桁端の遊間には挿入できず、主桁1の下フランジ1cの下側に挿入される。油圧ジャッキ10が小径のため、必要ジャッキ容量を得るために、支承取替専用ジャッキ装置9は複数本の油圧ジャッキ10を備えている。
【0008】
複数本の油圧ジャッキ10は、第1のブラケット12に連結、固定される。第1のブラケット12は複数の油圧ジャッキ10の並び方向に延びるプレート11を有する。プレート11は、第1のブラケット12および油圧ジャッキ10が主桁端の遊間15に挿入された時、主桁1の腹板1aに対して直交する方向に延びる。プレート11は、第2のブラケット14を高力ボルト13で連結するために設けられる。
【0009】
第2のブラケット14は、水平面で切った断面がL字状をしており上下方向に延びる2つのブラケット14a、14bからなる。支承取替時、第2のブラケット14の2つのブラケット14a、14bで主桁1の腹板1aの端部を挟み、高力ボルト13で2つのブラケット14a、14bと主桁1の腹板1aとを共締めすることにより、第2のブラケット14と主桁1の腹板1aとは結合される。この場合、第2のブラケット14の2つのブラケット14a、14bと主桁1の腹板1aには、予めボルト孔が穿設されている。
第2のブラケット14の2つのブラケット14a、14bは、それぞれ、第1のブラケット12のプレート11に、高力ボルト13で結合される。第2のブラケット14の2つのブラケット14a、14bと第1のブラケット12のプレート11には、予めボルト孔が穿設されている。
支承取替後には、高力ボルト13を外し、第2のブラケット14の2つのブラケット14a、14bを主桁1と第1のブラケット12から外す。これによって、支承取替専用ジャッキ装置9は主桁1から外され、主桁1にはボルト孔が残る。
【0010】
つぎに、上記支承取替専用ジャッキ装置9を用いた鋼橋の支承取替方法を説明する。
支承取替専用ジャッキ装置9を用いた鋼橋の支承取替方法は、複数のシリンダー型油圧ジャッキ10と油圧ジャッキ10が固定された第1のブラケット12と第1のブラケット12に高力ボルト13を用いて結合される第2のブラケット14とからなる支承取替専用ジャッキ装置9の、油圧ジャッキ10と第1のブラケット12を鋼橋の遊間15(対向する主桁間のスペース)に配置して第2のブラケット14を第1のブラケット12と主桁1の腹板1aに高力ボルト13を用いて結合する工程と、油圧ジャッキ10により主桁1の端部を持ち上げる工程と、それまで使用していた支承4を新しい支承と交換する工程と、油圧ジャッキ10により桁端を新しい支承の上におろす工程と、第2のブラケット14を第1のブラケット12と主桁1の腹板1aから取外しついで油圧ジャッキ10と第1のブラケット12を鋼橋の遊間15から除去する工程と、からなる。
【0011】
この鋼橋の支承取替方法においては、図5〜図9に示すような、主桁1に仮設ブラケット5を高力ボルト6で取り付け、その下に油圧ジャッキ3をセットすることは行われない。支承取替専用ジャッキ装置9を主桁1に結合する際、第2のブラケット14は、第2のブラケット14の2つのブラケット14a、14b間に主桁1の腹板1aを挟み込んで高力ボルト13を用いて主桁1の腹板1aに結合される。2つのブラケット14a、14bは、また、第1のブラケット12のプレート11に高力ボルト13を用いて結合される。支承取替専用ジャッキ装置9を除去する際には、高力ボルト13を外すことにより、第2のブラケット14が第1のブラケット12と主桁1の腹板1aから外れるので、油圧ジャッキ10と第1のブラケット12を容易に鋼橋の遊間15から除去することができる。
【0012】
つぎに、鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置9とそれを用いた鋼橋の支承取替方法の作用を説明する。
支承取替時、支承取替専用ジャッキ装置9の油圧ジャッキ10は、第1のブラケット12とともに、主桁1の端部の遊間15に配置されるので、油圧ジャッキ10からの反力は、主桁1の前面1aから最も離れた主桁1の中央部にかかり、剪断抵抗面8(図8に示すように45度の斜めの面)の面積が大となり、剪断抵抗面に作用する剪断応力が小になる。そのため、橋脚2を支承取替用に補強する必要がない。
【0013】
また、支承取替専用ジャッキ装置9の油圧ジャッキ10が主桁1の端部の遊間15に配置されるので、油圧ジャッキ10が支承4と干渉することはなく、従来のように重量が大な仮設ブラケット5を主桁1に取り付ける必要がなく、現場作業性がよくなる。また、第1のブラケット12と第2のブラケット14とを分割しているので、1つ1つのブラケット12、14自体の重量が小さくなり、かつ油圧ジャッキ10および第1のブラケット12を遊間15に配置する作業と第2のブラケット14を主桁1と第1のブラケット12に結合する作業とが別になり、現場作業性が向上する。
【0014】
また、従来の仮設ブラケット5の場合は、主桁1まわりの条件が橋梁によって異なるので、1つの主桁1に対して用意した仮設ブラケット5を他の主桁あるいは他の橋梁に転用するのが困難なことが多く、結果的に費用が掛かりすぎていたが、主桁1自体の端部構造は何れの主桁、橋梁でも似ているので、本発明実施例の支承取替専用ジャッキ装置9を他の主桁1、橋梁に転用することができ、コストダウンとなる。
【0015】
【発明の効果】
請求項1の鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置および請求項2の支承取替専用ジャッキ装置を用いた鋼橋の支承取替方法によれば、油圧ジャッキを主桁端の遊間にセットするので、橋脚前面から離れた位置に配置でき、橋脚に働く剪断応力度が小さくなり、支承取替のために橋脚を補強しなくてよくなる。また、主桁の端部に高力ボルトで支承取替専用ジャッキ装置を結合すればよいので、従来のような転用の難しい仮設ブラケットを主桁に取り付ける必要がなくなり、支承取替専用ジャッキ装置の他の主桁、橋梁への転用が容易であり、従来に比べてコストダウンとなる。また、第2のブラケットを主桁と第1のブラケットに高力ボルトで結合する構造としたので、1つ1つのブラケットが軽量化され、従来のような重量大の仮設ブラケットを取り扱う必要がなく、現場作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置とそれを用いた支承取替方法における、支承取替専用ジャッキ装置とその近傍の側面図である。
【図2】図1の支承取替専用ジャッキ装置とその近傍の平面図である。
【図3】図1の支承取替専用ジャッキ装置セット前または除去後の鋼橋と橋脚の斜視図である。
【図4】従来の支承取替方法の一例における、支承取替用ジャッキとその近傍の側面図である。
【図5】従来の支承取替方法のもう一例における、支承取替用ジャッキとその近傍の側面図である。
【図6】図5の構造の正面図である。
【図7】図5の構造の斜視図である。
【図8】図5の構造の問題を示す側面図である。
【図9】図5の構造の問題を示す正面図である。
【符号の説明】
1 主桁
1a 腹板
2 橋脚
4 支承
8 剪断抵抗面
9 支承取替専用ジャッキ装置
10 油圧ジャッキ(シリンダー型油圧ジャッキ)
11 プレート
12 第1のブラケット
13 高力ボルト
14 第2のブラケット
15 遊間
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置とそれを用いた鋼橋の支承取替方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼橋の支承取替は、従来、図4に示すように、主桁1の下面と橋脚2の上面の間に油圧ジャッキ3をセットし、油圧ジャッキ3を作動させて主桁1を持ち上げ、支承4を取り替えることにより行う。
あるいは、図5〜図9に示すように、主桁1に仮設ブラケット5を高力ボルト6で取り付け、橋脚2の外側端面2bにもジャッキ受け用の受台ブラケット7を取り付け、仮設ブラケット5下面と橋脚2上面または受台ブラケット7上面との間に油圧ジャッキ3をセットし、橋脚2を持ち上げ、支承4を取り替えることにより行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の支承取替にはつぎの問題がある。
図4の方法では、油圧ジャッキ3が、支承4と干渉しない橋脚2の中央から離れた、橋脚前面2aに寄った位置にセットされるため、橋脚2がコンクリート製の場合、剪断抵抗面8が小さくなって剪断抵抗面8に作用する応力度が大きくなり、橋脚2本体および主桁1の補強が必要となる。
図5〜図9の方法では、油圧ジャッキ3を支承4と干渉することなく橋脚2の中央寄りに配置できるため、剪断抵抗面8が大きくなって、剪断抵抗面8に作用する応力度からは有利になるが、
・仮設ブラケット5の重量が大きく、現場作業性が悪い、
・仮設ブラケット5の転用が難しく、費用がかかりすぎる、
・既設橋梁、橋脚であるため、ジャッキアップスペースが非常に狭い、
等の問題がある。
本発明の目的は、剪断応力度上の問題を生じず、かつ転用の困難な仮設ブラケットを用いない、鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置とそれを用いた鋼橋の支承取替方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明はつぎの通りである。
(1) 並列配置の複数のシリンダー型油圧ジャッキと、
油圧ジャッキの並び方向に延びるプレートを有し前記油圧ジャッキが固定された第1のブラケットと、
前記第1のブラケットのプレートに高力ボルトを用いて結合され主桁腹板に高力ボルトを用いて結合される第2のブラケットと、
からなる鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置。
(2) 複数のシリンダー型油圧ジャッキと前記油圧ジャッキが固定された第1のブラケットと前記第1のブラケットに高力ボルトを用いて結合される第2のブラケットとからなる支承取替専用ジャッキ装置の前記油圧ジャッキと第1のブラケットを鋼橋の遊間に配置して第2のブラケットを第1のブラケットと主桁の腹板に高力ボルトを用いて結合し、
前記油圧ジャッキにより桁端を持ち上げ、
古い支承を新しい支承と交換し、
前記油圧ジャッキにより桁端を新しい支承の上におろし、
前記第2のブラケットを第1のブラケットと主桁の腹板から取外し、ついで前記油圧ジャッキと第1のブラケットを鋼橋の遊間から除去する、
工程からなる支承取替専用ジャッキ装置を用いた鋼橋の支承取替方法。
【0005】
上記(1)の鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置および上記(2)の支承取替専用ジャッキ装置を用いた鋼橋の支承取替方法では、油圧ジャッキを主桁端の遊間にセットするので、橋脚前面から離れた位置となり、橋脚に働く剪断応力度が小さくなる。また、主桁の端部に取り付け用ボルト孔を穿設して、高力ボルトで第2のブラケットと結合すればよいので、支承取替専用ジャッキ装置の任意の橋梁への転用が容易であり、従来に比べてコストダウンとなる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明実施例の鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置とそれを用いた鋼橋の支承取替方法を、図1〜図3を参照して説明する。
本発明実施例の鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置9は、並列配置の複数のシリンダー型油圧ジャッキ10と、油圧ジャッキ10の並び方向に延びるプレート11を有し油圧ジャッキ10が固定された第1のブラケット12と、第1のブラケット12のプレート11に高力ボルト13を用いて結合され主桁1の腹板1aに高力ボルト13を用いて結合される第2のブラケット14と、からなる。
【0007】
油圧ジャッキ10は、既設橋梁の主桁端の遊間15に挿入できるように、100〜200mm程度の直径を有し、主桁1の腹板1aの端に沿って上下方向に延び、主桁1の上フランジ1b近傍まで延びる、シリンダを有する。これに対し、従来の油圧ジャッキ3は、200mmを越える直径を有し、主桁端の遊間には挿入できず、主桁1の下フランジ1cの下側に挿入される。油圧ジャッキ10が小径のため、必要ジャッキ容量を得るために、支承取替専用ジャッキ装置9は複数本の油圧ジャッキ10を備えている。
【0008】
複数本の油圧ジャッキ10は、第1のブラケット12に連結、固定される。第1のブラケット12は複数の油圧ジャッキ10の並び方向に延びるプレート11を有する。プレート11は、第1のブラケット12および油圧ジャッキ10が主桁端の遊間15に挿入された時、主桁1の腹板1aに対して直交する方向に延びる。プレート11は、第2のブラケット14を高力ボルト13で連結するために設けられる。
【0009】
第2のブラケット14は、水平面で切った断面がL字状をしており上下方向に延びる2つのブラケット14a、14bからなる。支承取替時、第2のブラケット14の2つのブラケット14a、14bで主桁1の腹板1aの端部を挟み、高力ボルト13で2つのブラケット14a、14bと主桁1の腹板1aとを共締めすることにより、第2のブラケット14と主桁1の腹板1aとは結合される。この場合、第2のブラケット14の2つのブラケット14a、14bと主桁1の腹板1aには、予めボルト孔が穿設されている。
第2のブラケット14の2つのブラケット14a、14bは、それぞれ、第1のブラケット12のプレート11に、高力ボルト13で結合される。第2のブラケット14の2つのブラケット14a、14bと第1のブラケット12のプレート11には、予めボルト孔が穿設されている。
支承取替後には、高力ボルト13を外し、第2のブラケット14の2つのブラケット14a、14bを主桁1と第1のブラケット12から外す。これによって、支承取替専用ジャッキ装置9は主桁1から外され、主桁1にはボルト孔が残る。
【0010】
つぎに、上記支承取替専用ジャッキ装置9を用いた鋼橋の支承取替方法を説明する。
支承取替専用ジャッキ装置9を用いた鋼橋の支承取替方法は、複数のシリンダー型油圧ジャッキ10と油圧ジャッキ10が固定された第1のブラケット12と第1のブラケット12に高力ボルト13を用いて結合される第2のブラケット14とからなる支承取替専用ジャッキ装置9の、油圧ジャッキ10と第1のブラケット12を鋼橋の遊間15(対向する主桁間のスペース)に配置して第2のブラケット14を第1のブラケット12と主桁1の腹板1aに高力ボルト13を用いて結合する工程と、油圧ジャッキ10により主桁1の端部を持ち上げる工程と、それまで使用していた支承4を新しい支承と交換する工程と、油圧ジャッキ10により桁端を新しい支承の上におろす工程と、第2のブラケット14を第1のブラケット12と主桁1の腹板1aから取外しついで油圧ジャッキ10と第1のブラケット12を鋼橋の遊間15から除去する工程と、からなる。
【0011】
この鋼橋の支承取替方法においては、図5〜図9に示すような、主桁1に仮設ブラケット5を高力ボルト6で取り付け、その下に油圧ジャッキ3をセットすることは行われない。支承取替専用ジャッキ装置9を主桁1に結合する際、第2のブラケット14は、第2のブラケット14の2つのブラケット14a、14b間に主桁1の腹板1aを挟み込んで高力ボルト13を用いて主桁1の腹板1aに結合される。2つのブラケット14a、14bは、また、第1のブラケット12のプレート11に高力ボルト13を用いて結合される。支承取替専用ジャッキ装置9を除去する際には、高力ボルト13を外すことにより、第2のブラケット14が第1のブラケット12と主桁1の腹板1aから外れるので、油圧ジャッキ10と第1のブラケット12を容易に鋼橋の遊間15から除去することができる。
【0012】
つぎに、鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置9とそれを用いた鋼橋の支承取替方法の作用を説明する。
支承取替時、支承取替専用ジャッキ装置9の油圧ジャッキ10は、第1のブラケット12とともに、主桁1の端部の遊間15に配置されるので、油圧ジャッキ10からの反力は、主桁1の前面1aから最も離れた主桁1の中央部にかかり、剪断抵抗面8(図8に示すように45度の斜めの面)の面積が大となり、剪断抵抗面に作用する剪断応力が小になる。そのため、橋脚2を支承取替用に補強する必要がない。
【0013】
また、支承取替専用ジャッキ装置9の油圧ジャッキ10が主桁1の端部の遊間15に配置されるので、油圧ジャッキ10が支承4と干渉することはなく、従来のように重量が大な仮設ブラケット5を主桁1に取り付ける必要がなく、現場作業性がよくなる。また、第1のブラケット12と第2のブラケット14とを分割しているので、1つ1つのブラケット12、14自体の重量が小さくなり、かつ油圧ジャッキ10および第1のブラケット12を遊間15に配置する作業と第2のブラケット14を主桁1と第1のブラケット12に結合する作業とが別になり、現場作業性が向上する。
【0014】
また、従来の仮設ブラケット5の場合は、主桁1まわりの条件が橋梁によって異なるので、1つの主桁1に対して用意した仮設ブラケット5を他の主桁あるいは他の橋梁に転用するのが困難なことが多く、結果的に費用が掛かりすぎていたが、主桁1自体の端部構造は何れの主桁、橋梁でも似ているので、本発明実施例の支承取替専用ジャッキ装置9を他の主桁1、橋梁に転用することができ、コストダウンとなる。
【0015】
【発明の効果】
請求項1の鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置および請求項2の支承取替専用ジャッキ装置を用いた鋼橋の支承取替方法によれば、油圧ジャッキを主桁端の遊間にセットするので、橋脚前面から離れた位置に配置でき、橋脚に働く剪断応力度が小さくなり、支承取替のために橋脚を補強しなくてよくなる。また、主桁の端部に高力ボルトで支承取替専用ジャッキ装置を結合すればよいので、従来のような転用の難しい仮設ブラケットを主桁に取り付ける必要がなくなり、支承取替専用ジャッキ装置の他の主桁、橋梁への転用が容易であり、従来に比べてコストダウンとなる。また、第2のブラケットを主桁と第1のブラケットに高力ボルトで結合する構造としたので、1つ1つのブラケットが軽量化され、従来のような重量大の仮設ブラケットを取り扱う必要がなく、現場作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置とそれを用いた支承取替方法における、支承取替専用ジャッキ装置とその近傍の側面図である。
【図2】図1の支承取替専用ジャッキ装置とその近傍の平面図である。
【図3】図1の支承取替専用ジャッキ装置セット前または除去後の鋼橋と橋脚の斜視図である。
【図4】従来の支承取替方法の一例における、支承取替用ジャッキとその近傍の側面図である。
【図5】従来の支承取替方法のもう一例における、支承取替用ジャッキとその近傍の側面図である。
【図6】図5の構造の正面図である。
【図7】図5の構造の斜視図である。
【図8】図5の構造の問題を示す側面図である。
【図9】図5の構造の問題を示す正面図である。
【符号の説明】
1 主桁
1a 腹板
2 橋脚
4 支承
8 剪断抵抗面
9 支承取替専用ジャッキ装置
10 油圧ジャッキ(シリンダー型油圧ジャッキ)
11 プレート
12 第1のブラケット
13 高力ボルト
14 第2のブラケット
15 遊間
Claims (2)
- 並列配置の複数のシリンダー型油圧ジャッキと、
油圧ジャッキの並び方向に延びるプレートを有し前記油圧ジャッキが固定された第1のブラケットと、
前記第1のブラケットのプレートに高力ボルトを用いて結合され主桁腹板に高力ボルトを用いて結合される第2のブラケットと、
からなる鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置。 - 複数のシリンダー型油圧ジャッキと前記油圧ジャッキが固定された第1のブラケットと前記第1のブラケットに高力ボルトを用いて結合される第2のブラケットとからなる支承取替専用ジャッキ装置の前記油圧ジャッキと第1のブラケットを鋼橋の遊間に配置して第2のブラケットを第1のブラケットと主桁の腹板に高力ボルトを用いて結合し、
前記油圧ジャッキにより桁端を持ち上げ、
古い支承を新しい支承と交換し、
前記油圧ジャッキにより桁端を新しい支承の上におろし、
前記第2のブラケットを第1のブラケットと主桁の腹板から取外し、ついで前記油圧ジャッキと第1のブラケットを鋼橋の遊間から除去する、
工程からなる支承取替専用ジャッキ装置を用いた鋼橋の支承取替方法。
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JP28680999A JP3907356B2 (ja) | 1999-10-07 | 1999-10-07 | 鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置とそれを用いた鋼橋の支承取替方法 |
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---|---|---|---|
JP28680999A JP3907356B2 (ja) | 1999-10-07 | 1999-10-07 | 鋼橋の支承取替専用ジャッキ装置とそれを用いた鋼橋の支承取替方法 |
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JP2001106484A JP2001106484A (ja) | 2001-04-17 |
JP3907356B2 true JP3907356B2 (ja) | 2007-04-18 |
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ID=17709337
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