JP4247851B2 - クライミングクレーンの使用方法 - Google Patents

クライミングクレーンの使用方法 Download PDF

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JP4247851B2
JP4247851B2 JP00557299A JP557299A JP4247851B2 JP 4247851 B2 JP4247851 B2 JP 4247851B2 JP 00557299 A JP00557299 A JP 00557299A JP 557299 A JP557299 A JP 557299A JP 4247851 B2 JP4247851 B2 JP 4247851B2
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茂 岡野
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築中の建物に取付けられ建築の進行に合せ取付け位置を上層階に自身で盛り代えてゆくクライミングクレーンの使用方法に係わり、特に鉄筋コンクリート構造の建屋にも適用可能なクライミングクレーンの使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
低い建屋を建設する場合、地上にマストを支持する架台を固定したクレーンが用いられるが、高層建築の場合、建築の進行に合せ取付け位置を上層階に自身で盛り代えてゆくクライミングクレーンクレーンが使用される。従来高層建築には鉄骨構造が採用されており、クライミングクレーンは架台を鉄骨の梁にボルト等で強固に取付け、吊り荷による大きな曲げモーメントを支えている。
【0003】
図15は従来のクライミングクレーンの概略図である。クライミングクレーンは、マスト40とこのマスト40の下部に取付けられ、建屋と結合する架台41と、中心をマスト40が貫通しマスト40に沿って昇降する昇降装置43と、マスト40の頂部に設けられたクレーン本体42と、から構成される。クレーンに作用する力やモーメントは架台41を通して建屋に伝達される。クレーンを上層階に盛り代えする場合は、昇降装置43のビーム44を建屋に取付けた後、架台41と建屋とを切り離し、昇降装置43でマスト40を上昇させ、上層階の梁47等の位置に架台41がきたとき上昇を停止し、架台41をこの梁47等に乗せ固定する。しかる後に昇降装置43のビーム44と建屋との取付けを開放する。
【0004】
図16は建屋の鉄骨梁47と架台41との結合を示す断面図、図17は建屋の鉄骨梁47と架台41との結合を示す平面図である。架台41は十字状のビームからなり、その先端を建屋の鉄骨梁47に乗せ、両者を接合位置で上下2枚の金物45で挟み、この2枚の金物45をボルト46で締結する。かかる構造によりクレーンにかかる力と曲げモーメントを架台41を介して鉄骨梁47に伝達することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来鉄筋コンクリート構造は低層の建屋に用いられ、この建築用クレーンは地上に据付られていた。しかし最近鉄筋コンクリートの施工法が改良され、従来鉄骨で構成されていた高層建築にも鉄筋コンクリート構造が採用されるようになってきた。鉄骨建屋の場合、鉄骨の梁にクレーンの架台を取り付けるための補強工事は容易にできるが、鉄筋コンクリート構造の建屋の場合、このような補強ができない場合が多く、圧縮荷重には耐えられるが、引っ張りを伴う大きなモーメントには耐えられない場合が多い。また鉄筋コンクリートの建屋は住宅用として建設される場合が多く、間取りが小さいので架台や昇降装置を昇降させることが困難な場合が多い。
【0006】
本発明は、上記した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、鉄筋コンクリートの建屋にも適用できるクライミングクレーンの使用方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、マストの頂部にクレーンが取付けられ、マスト下端には下部支持装置が設けられ、マストにはマストを昇降させる昇降装置が設けられたクライミングクレーンの使用方法であって、前記クライミングクレーンを、前記下部支持装置は、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端に着脱可能に設けられた下部支持装置用延長ビームとからなり、前記昇降装置は、内部をマストが貫通し外形が四角で各辺に沿って支持ビームが伸縮しマストにロッドを出し入れしてマストに自身を接続し切り離すビーム支持枠と、このビーム支持枠がマストに沿って上下するよう案内するビーム支持枠ガイドと、このビーム支持枠の上方に設けられマストに沿って昇降しマストにロッドを出し入れしてマストに自身を接続し切り離す昇降枠と、この昇降枠とビーム支持枠間に設けられ両者の間隔を伸縮させる昇降シリンダと、を備えた構成としておき、クライミングクレーンにより荷物を吊るときは、前記各支持ビームを伸ばして建屋の梁に押し当てることでクレーンのモーメントによるマストからの水平力を建屋に伝達するとともに、下部支持装置により垂直力とクレーンのモーメントによる水平力を建屋に伝達し、クライミングクレーンを上昇させるときは、前記各支持ビームを伸ばし、該延長ビームを建屋の梁の上に載せることで、マストからの鉛直荷重を建屋に伝達する
【0008】
下部支持装置の延長ビームを建屋の梁に乗せ、固定して垂直力と水平力を建屋の梁に伝達するようにする。また、建屋の梁の位置で昇降装置のビーム支持枠より4本の支持ビームを伸ばして建屋の梁に押し当てマストからの水平力を建屋に伝達するようにする。これにより荷物を吊るときのモーメントは下部支持装置とビーム支持枠とで水平力として受け、垂直荷重は下部支持装置から建屋梁へ伝達するので、建屋にはモーメントによる引っ張り荷重はかからず、鉄筋コンクリート建屋にもクライミングクレーンを設置することができる。クレーンを上昇する場合は、ビーム支持枠の支持ビームを伸ばして先端を建屋の梁に乗せ固定した後、下部支持装置を建屋の梁から取り外し、下部支持装置用延長ビームを取り外して寸法を小さくした後、昇降装置によりマストを上昇させ、下部支持装置が予定した梁の位置まで上昇したとき停止し、下部支持装置用延長ビームを取り付けて梁の上に乗せ固定する。次にビーム支持枠の支持ビームと梁との固定を開放し、支持ビームを収縮し、昇降装置を上昇して予定の梁の位置で停止し、ビーム支持枠より支持ビームを伸ばして梁に押し当てる。これにより荷物を吊る状態になる。なお、クレーンを上昇する場合のモーメントは小さく支持ビームと梁とを固定する程度で十分耐えることができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、マストの頂部にクレーンが取付けられ、マスト下端には下部支持装置が設けられ、マストにはマストを昇降させる昇降装置が設けられたクライミングクレーンの使用方法であって、前記クライミングクレーンを、前記下部支持装置は、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端に着脱可能に設けられた下部支持装置用延長ビームとからなり、前記昇降装置は、内部をマストが貫通し外形が四角で各辺には垂直に支持ビームが取付けられ、この支持ビームの各先端には、第1延長ビームと、第1延長ビームより長い第2延長ビームとを選択的に着脱できる構造とし、さらにマストにロッドを出し入れしてマストに自身を接続し切り離すビーム支持枠と、このビーム支持枠がマストに沿って上下するよう案内するビーム支持枠ガイドと、このビーム支持枠の上方に設けられマストに沿って昇降しマストにロッドを出し入れしてマストに自身を接続し切り離す昇降枠と、この昇降枠とビーム支持枠間に設けられ両者の間隔を伸縮させる昇降シリンダと、を備えた構成としておき、クライミングクレーンにより荷物を吊るときは、前記各支持ビームの先端に第1延長ビームを接続し、各第1延長ビームと建屋の梁との間にくさびを挿入して隙間を無くすことで、クレーンのモーメントによるマストからの水平力を建屋に伝達するとともに、下部支持装置により垂直力とクレーンのモーメントによる水平力を建屋に伝達し、クライミングクレーンを上昇させるときは、前記各支持ビームの先端に第2延長ビームを接続し、該第2延長ビームを建屋の梁の上に載せることで、マストからの鉛直荷重を建屋に伝達する
【0010】
下部支持装置の延長ビームを建屋の梁に乗せ、固定して垂直力と水平力を建屋の梁に伝達するようにする。また、建屋の梁の位置で昇降装置のビーム支持枠の4本の支持ビームに第1延長ビームを接続し建屋の梁に押し当てマストからの水平力を建屋に伝達するようにする。梁と延長ビームとの間に隙間があるときはくさび等を入れ隙間を無くすようにする。これにより荷物を吊るときのモーメントは下部支持装置とビーム支持枠とで水平力として受け、垂直荷重は下部支持装置から建屋梁へ伝達するので、建屋にはモーメントによる引っ張り荷重はかからず、鉄筋コンクリート建屋にもクライミングクレーンを設置することができる。クレーンを上昇する場合は、ビーム支持枠の支持ビームに第2延長ビームを接続し先端を建屋の梁に乗せ固定した後、下部支持装置を建屋の梁から取り外し、その下部支持装置用延長ビームを取り外して寸法を小さくした後、昇降装置によりマストを上昇させ、下部支持装置が予定した梁の位置まで上昇したとき停止し、下部支持装置用延長ビームを取り付けて梁の上に乗せ固定する。次にビーム支持枠の支持ビームに接続された第2延長ビームと梁との固定を開放し、第2延長ビームを取り外し、昇降装置を上昇して予定の梁の位置で停止し、ビーム支持枠の支持ビームに第1延長ビームを取付け梁に押し当て、隙間のあるときはくさび等を入れて隙間を無くする。これにより荷物を吊る状態になる。なお、クレーンを上昇する場合のモーメントは小さく支持ビームに接続された延長ビームと梁とを固定する程度で十分耐えることができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、マストの頂部にクレーンが取付けられ、マスト下端には下部支持装置が設けられ、マストにはマストを昇降させる昇降装置が設けられたクライミングクレーンの使用方法であって、前記クライミングクレーンを、前記下部支持装置は、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端に着脱可能に設けられた下部支持装置用延長ビームとからなり、前記昇降装置は、内部をマストが貫通し外形が四角で各対角には対角線上に支持ビームが取付けられ、この支持ビームの各先端には延長ビームを着脱できる構造とし、さらにマストにロッドを出し入れしてマストに自身を接続し切り離すビーム支持枠と、このビーム支持枠がマストに沿って上下するよう案内するビーム支持枠ガイドと、このビーム支持枠の上方に設けられマストに沿って昇降しマストにロッドを出し入れしてマストに自身を接続し切り離す昇降枠と、この昇降枠とビーム支持枠間に設けられ両者の間隔を伸縮させる昇降シリンダと、を備えた構成としておき、クライミングクレーンにより荷物を吊るときは、前記各支持ビームの先端に延長ビームを接続し、各延長ビームと建屋の柱との間にくさびを挿入して隙間を無くすことで、クレーンのモーメントによるマストからの水平力を建屋に伝達するとともに、下部支持装置により垂直力とクレーンのモーメントによる水平力を建屋に伝達し、クライミングクレーンを上昇させるときは、前記各支持ビームの先端から延長ビームを取り外し、建屋の梁間に複数の補助ビームを架け渡し、この補助ビームの上に各支持ビームを載せることで、マストからの鉛直荷重を建屋に伝達する
【0012】
下部支持装置の下部支持装置用延長ビームを建屋の梁に乗せ、固定して垂直力と水平力を建屋の梁に伝達するようにする。また、建屋の梁の位置で昇降装置のビーム支持枠の対角線上に設けられた4本の支持ビームに延長ビームを接続し建屋の柱に押し当てマストからの水平力を建屋に伝達するようにする。柱と延長ビームとの間に隙間があるときはくさび等を入れ隙間を無くすようにする。これにより荷物を吊るときのモーメントは下部支持装置とビーム支持枠とで水平力として受け、垂直荷重は下部支持装置から建屋梁へ伝達するので、建屋にはモーメントによる引っ張り荷重はかからず、鉄筋コンクリート建屋にもクライミングクレーンを設置することができる。クレーンを上昇する場合は、ビーム支持枠の支持ビームを建屋の梁に乗せた補助ビームの上に載せて固定した後、下部支持装置を建屋の梁から取り外し、下部支持装置用延長ビームを取り外して寸法を小さくした後、昇降装置によりマストを上昇させ、下部支持装置が予定した梁の位置まで上昇したとき停止し、下部支持装置用延長ビームを取り付けて梁の上に乗せ固定する。次に補助ビームと梁との固定を開放し、補助ビームを取り外し、昇降装置を上昇して予定の高さの柱の位置で停止し、ビーム支持枠の支持ビームに延長ビームを取付け柱に押し当て、隙間のあるときはくさび等を入れて隙間を無くする。これにより荷物を吊る状態になる。なお、クレーンを上昇する場合のモーメントは小さく延長ビームと梁とを固定する程度で十分耐えることができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、前記下部支持装置に代えて、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端にヒンジで結合された旋回ビームと、隣接する旋回ビームをピン接合し十字形状を保持する十字保持ビームと、を備える下部支持装置を設ける。
【0014】
荷物を吊る状態では、旋回ビームを十字状ビームの延長線上に伸ばし、十字保持ビームで十字形とし、旋回ビームの先端を建屋の梁等に載せ固定する。クレーン上昇時、十字保持ビームを取り外し、旋回ビームを折りたたむことにより外形を小さくして、建屋の梁等に当たらないようにして上昇する。所定の梁等の上の位置まで上昇して停止し、旋回ビームを伸ばして十字保持ビームで十字形とし、この梁等の上に旋回ビームを乗せ、梁等と固定する。
【0015】
請求項5の発明によれば、前記下部支持装置に代えて、マストに取付けられた平行に配置された2本のビームと、このビームの各先端より伸縮自在に突出する延長ビームと、を備える下部支持装置を設ける。
【0016】
荷物を吊る状態では、延長ビームを伸ばし、延長ビームの先端を建屋の梁等に載せ固定する。クレーン上昇時、延長ビームを収縮し、外形を小さくして、建屋の梁等に当たらないようにして上昇する。所定の梁等の上の位置まで上昇して停止し、延長ビームを伸ばしてこの梁等の上に延長ビームを乗せ、梁等と固定する。
【0017】
請求項6の発明によれば、前記下部支持装置に代えて、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端より伸縮自在に突出する延長ビームと、を備える下部支持装置を設ける。
【0018】
荷物を吊る状態では、延長ビームを伸ばし、延長ビームの先端を建屋の梁等に載せ固定する。クレーン上昇時、延長ビームを収縮して外形を小さくし、建屋の梁等に当たらないようにして上昇する。所定の梁等の上の位置まで上昇して停止し、延長ビームを伸ばしてこの梁の上に乗せ、梁等と固定する。
【0019】
請求項7の発明によれば、前記下部支持装置に代えて、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端に設けられ一端をピンで旋回可能に取付けられた2本の旋回ビームと、を備える下部支持装置を設ける。
【0020】
荷物を吊る状態では、2本の旋回ビームを旋回し建屋の梁等を支える柱を囲むようにし、この梁等の上に旋回ビームを乗せ、梁等と固定する。これにより建屋の柱の近くに荷重を伝達できるので、大きな荷重を建屋に伝達することができる。クレーン上昇時、旋回ビームを折りたたむことにより外形を小さくして、建屋の梁等に当たらないようにして上昇する。所定の梁等の上の位置まで上昇して停止し、2本の旋回ビームを旋回し建屋の梁等を支える柱を囲むようにし、この梁等の上に旋回ビームを乗せ、梁等と固定する。
【0021】
請求項8の発明によれば、前記下部支持装置に代えて、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端に配置され先端部のビームとほぼ直交し着脱可能に設けられた取付ビームと、を備える。
【0022】
荷物を吊る状態では、十字状ビームの各先端にこれとほぼ直交するように取付ビームを取付け、この取付ビームの両端を建屋の梁等に載せ固定する。クレーン上昇時、取付ビームを取り外して外形を小さくし、建屋の梁等に当たらないようにして上昇する。所定の梁等の上の位置まで上昇して停止し、取付ビームを取付け梁等と固定する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には同一の符号を付し重複した説明を省略する。図1は本発明の方法で使用するクライミングクレーンの全体図を示す。クライミングクレーンは、トラス構造のマスト1と、マスト1の下部に取付けられ、建屋に取付けられる下部支持装置2と、マスト1の頂部に取付けられたクレーン本体3と、マスト1を貫通し、マスト1を昇降させる昇降装置4から構成されている。
【0024】
次に第1実施形態を説明する。図2は昇降装置4を示し、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図とD−D断面図を示す。昇降装置4は、内部をマスト1が貫通するビーム支持枠5と、内部をマスト1が貫通しビーム支持枠5をマスト1に沿って昇降させるビーム支持枠ガイド8と、ビーム支持枠5の上部に設けられ内部をマスト1が貫通する昇降枠11と、この昇降枠11とビーム支持枠5とを結ぶ昇降シリンダ13とから構成される。
【0025】
ビーム支持枠5は、平面形状が四角形の箱状構造で中心にマスト1が貫通する開口があり、その周囲にビーム支持枠ガイド8が取付けられている。また、四角形の四周はシリンダになっており、各辺に沿って支持ビーム6が伸縮するようになっている。さらに図に示すようにマスト1用の開口の対向する2辺に第1ロックシリンダ7が対向して設けられ、ロッドをマスト1のトラスの水平部材の下部に挿入したときはマスト1を支持することができ、水平部材の上部に挿入したときは昇降装置4をマスト1で支持することができる。
【0026】
ビーム支持枠ガイド8は、(d)に示すように内部をマスト1が貫通する枠がビーム支持枠5を挟んで上下に設けられ、四隅に設けられた支柱10によりビーム支持枠に結合されている。この枠にはマスト1の支柱に接するガイドローラ9が設けられ、ビーム支持枠5がマスト1に沿って昇降できるようにする。また、クレーン昇降時のモーメントをビーム支持枠5に伝達する働きもする。昇降枠11は、(b)に示すように、内部をマスト1が貫通する開口を有し、この開口周囲にガイドローラ9を設けている。またこの開口の対向する2辺に第2ロックシリンダ12を対向して設け、ロッドをマスト1のトラスの水平部材の下部に挿入したときはマスト1を上昇することができ、水平部材の上部に挿入したときはビーム支持枠5を昇降することができる。
【0027】
図3はビーム支持枠5の支持ビーム6を伸長して建屋の梁30に押付け、マスト1を支持した図を示し、(a)は側面図、(b)は平面図を示す。建屋の梁30のレベルで支持ビーム6を伸長して梁30に押付けることにより、ビーム支持枠5と梁30を一体に結合することができ、クレーンのモーメントによる水平力を建屋に伝達することができる。
【0028】
図4は下部支持装置4を示し、(a)は平面図、(b)は側面図を示す。下部支持装置4はマスト1の下端に固定された十字状ビーム14と、その各先端にボルトで接合される延長ビーム15(下部支持装置用延長ビーム)とからなり、延長ビーム15が建屋の梁30の上に載り固定される。下部支持装置4は垂直力とモーメントによる水平力を建屋の梁30に伝達する。なお、梁30と延長ビーム15との固定は水平力に耐えればよく、この水平力も垂直力による摩擦力にかなり相殺されるので、図14に示すような強固な固定ではなく、簡単な固定でよい。
【0029】
次に建築の進行にあわせて、クレーンを上層階に上昇させる場合を説明する。図5は上昇時の支持ビーム6と建屋の梁30との関係を示し、(a)は側面図、(b)は平面図を示す。クレーンを上昇する場合、昇降装置4を作動して支持ビーム6が梁30の上面に乗る位置にし、支持ビーム6を伸長して先端を梁30の上面に乗せ、固定する。クレーン昇降時のモーメントは小さいので、強固な固定でなくてよい。
【0030】
次に図2を参照してマスト1の上昇について説明する。
▲1▼ ビーム支持枠5の第1ロックシリンダ7を収縮しマスト1の外側に引き込み、マスト1と縁を切り、昇降シリンダ13を収縮して昇降枠11の第2ロックシリンダ12がマスト1の水平材の下にきたとき、第2ロックシリンダ12を伸長してマスト1の中に挿入する。
▲2▼ 図4に示す下部支持装置4の延長ビーム15と梁30との固定を開放した後、延長ビーム15を十字状ビーム14から取り外す。
▲3▼ 昇降シリンダ13を伸長しマスト1を上昇させ、第1ロックシリンダ7の位置にマスト1の水平材の下部がきたとき第1ロックシリンダ7を伸長してマスト1に挿入し、昇降シリンダ13を少し下げてマスト1の荷重(クレーン重量)を第1ロックシリンダ7および支持ビーム6を介して建屋の梁30に伝達する。
▲4▼ 第2ロックシリンダ12を収縮してマスト1と縁を切り、昇降シリンダ13を収縮して昇降枠11を下げ第2ロックシリンダ12がマスト1の水平部材の下にきたとき、第2ロックシリンダ12を伸長してマスト1内に挿入し、昇降シリンダ13を少し上昇させ、マスト1の荷重を昇降枠11で受けた後、第1ロックシリンダ7を引き抜く。
▲5▼ 次に▲3▼〜▲4▼の動作を繰り返し、所定の高さマスト1を上昇させる。
【0031】
▲6▼ 下部支持装置4の十字状ビーム14の下面が建屋の梁30の上面より僅かに上になったとき、昇降シリンダ13を停止し、延長ビーム15を十字状ビーム14に接合した後、昇降シリンダ13を降下させ、延長ビーム15が梁30に乗ったとき昇降シリンダ13を停止し、延長ビーム15を梁30に固定する。
▲7▼ 次に第2ロックシリンダ12を収縮した後、昇降シリンダ13を伸長し第2ロックシリンダ12の位置がマスト1の水平材の上部にきたとき停止し、第2ロックシリンダ12を伸長し、昇降枠11でビーム支持枠5を吊れる状態にする。この状態で、図5の状態における支持ビーム6と梁30との固定を開放し、支持ビーム6を収縮した後、昇降シリンダ13を収縮してビーム支持枠5を吊り上げ、第1ロックシリンダ7がマスト1の水平材の上に来た時昇降シリンダ13を停止し、第1ロックシリンダ7を伸長し、昇降シリンダ13を少し下げてビーム支持枠5の荷重を第1ロックシリンダ7で受けた後、第2ロックシリンダ12を収縮する。
▲8▼ 昇降シリンダ13を伸長して昇降枠11を上昇させ、第2ロックシリンダ12がマスト1の水平材の上にきたとき停止して、第2ロックシリンダ12を伸長してマスト1内に挿入し、昇降シリンダ13を少し下げて昇降枠11で荷重を受けた後、第1ロックシリンダ7を収縮して、昇降シリンダ13を収縮しビーム支持枠を引き上げる。この動作を繰り返し、昇降装置4を上昇させる。
▲9▼ このようにしてビーム支持枠5を上昇させ、図3(a)に示す、梁30の位置に支持ビーム6の位置がきたとき、昇降シリンダ13を停止し、支持ビーム6を押し出して梁30に押し当てる。これにより、荷物を吊れる状態になる。
【0032】
次に、第2実施形態を説明する。本実施形態はビーム支持枠5の支持ビーム6の構成を簡易化したもので、他は第1実施形態と同じである。図6は、荷物を吊る状態での第2実施形態のビーム支持枠5を示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。ビーム支持枠5の四辺のそれぞれの中央に垂直に支持ビーム16を取付け、この各先端に延長ビーム17(第1延長ビーム)をボルトで着脱可能に接合する。延長ビーム17と梁30との間にくさび18を挿入し、間隙を無くすようにしている。図7は、クレーン昇降時の第2実施形態のビーム支持枠5を示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。延長ビーム17a(第2延長ビーム)は図6に示した延長ビーム17より長いものを用いる。本実施形態の場合、延長ビーム17,17aとくさび18の取付け、取り外し作業が、チェンブロック等の工具を用いた手作業となるが、装置のコストやメンテナンス費用は低下する。
【0033】
次に、第3実施形態を説明する。本実施形態もビーム支持枠5の支持ビーム6の構成を簡易化したもので、他は第1実施形態と同じである。図8は、荷物を吊る状態での第3実施形態のビーム支持枠5を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。ビーム支持枠5の四辺のそれぞれの対角線上に支持ビーム36を取付け、この各先端に延長ビーム37をボルトで着脱可能に接合する。延長ビーム37の先端は図8に示すようにV字型に凹んでおり、柱の角に当たるようになっている。延長ビーム37と柱31との間にくさび38を挿入し、間隙を無くすようにしている。図9は、クレーン昇降時の第3実施形態のビーム支持枠5を示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。延長ビーム37a(補助ビーム)は図8に示した延長ビーム37より長いものを用いる。本実施形態の場合も、延長ビーム37,37aとくさび38の取付け、取り外し作業が、チェンブロック等の工具を用いた手作業となるが、装置のコストやメンテナンス費用は低下する。
【0034】
以下に示す実施形態は、図4に示した下部支持装置4の変形例を示す。
図10は第4実施形態の下部支持装置を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。マスト1の下端に十字状ビーム20を取付け、このビーム20の各先端にヒンジで旋回ビーム21を接続する。隣接する旋回ビーム21を十字保持ビーム22で接合することにより、十字形状を保持し、クレーン取付け、撤去時、または昇降時には十字保持ビーム22を外して、旋回ビーム22を折り畳み、外形を小さくする。
【0035】
図11は第5実施形態の下部支持装置を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。マスト1の下端に平行に2本のビーム23を取付け、各ビームの両端には延長ビーム24がシリンダ等により伸縮自在に取付けられている。クレーン取付け、撤去時、または昇降時には延長ビーム24を収縮して、外形を小さくする。
【0036】
図12は第6実施形態の下部支持装置を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。マスト1の下端に十字状ビーム25を取付け、このビームの各先端には延長ビーム26がシリンダ等により伸縮自在に取付けられている。クレーン取付け、撤去時、または昇降時には、延長ビーム26を収縮して、外形を小さくする。
【0037】
図13は第7実施形態の下部支持装置を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。マスト1の下端に十字状ビーム27を取付け、このビームの各先端には2個の旋回ビーム28がヒンジで取付けられている。図に示すように旋回ビーム28を建屋の柱31を挟んで配置することにより、垂直荷重を柱に有効に伝達することができる。クレーン取付け、撤去時、または昇降時には、旋回ビーム28を折り畳み、外形を小さくする。
【0038】
図14は第8実施形態の下部支持装置を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。マスト1の下端に十字状ビーム29を取付け、このビームの各先端にはこれと直交するように取付ビーム29aを取付け、取付ビーム29aの両端が図に示すようにそれぞれ2本の梁30に載るようにする。クレーン取付け、撤去時、または昇降時には、旋回ビーム28を折り畳み、外形を小さくする。
【0039】
【発明の効果】
上述したように、本発明のクライミングクレーンの使用方法は、曲げモーメントを下部支持装置と昇降装置で水平力として分散して受け、引張り力を発生しないため、鉄筋コンクリート構造の建屋等の曲げモーメントを支持しにくい建物にも、設置することができる。また下部支持構造と昇降装置のビームは全て伸縮または着脱可能になっているので、居住用建屋等の間取りの狭い鉄筋コンクリート建屋にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法に使用するクライミングクレーンの全体図である。
【図2】 昇降装置の詳細図で、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A矢視図、(c)は(a)のB−B矢視図、(d)は(a)のC−C矢視図とD−D矢視図である。
【図3】 荷重吊り上げ状態の第1実施形態のビーム支持枠で、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図4】 第1実施形態のクレーンの下部支持装置を示し(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】 クレーン昇降状態の第1実施形態のビーム支持枠で、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図6】 荷重吊り上げ状態の第2実施形態のビーム支持枠で、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図7】 クレーン昇降状態の第2実施形態のビーム支持枠で、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図8】 荷重吊り上げ状態の第3実施形態のビーム支持枠で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【図9】 クレーン昇降状態の第3実施形態のビーム支持枠で、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図10】 第4実施形態のクレーンの下部支持装置を示し(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図11】 第5実施形態のクレーンの下部支持装置を示し(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図12】 第6実施形態のクレーンの下部支持装置を示し(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図13】 第7実施形態のクレーンの下部支持装置を示す平面図である。
【図14】 第8実施形態のクレーンの下部支持装置を示し(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図15】 従来のクライミングクレーンの構成を示す図である。
【図16】 従来のクライミングクレーンの架台と鉄骨梁との取り合いを示す断面図である。
【図17】 従来のクライミングクレーンの架台と鉄骨梁との取り合いを示す平面図である。
【符号の説明】
1 マスト
2 下部支持装置
3 クレーン本体
4 昇降装置
5 ビーム支持枠
6,16,36 支持ビーム
7 第1ロックシリンダ
8 ビーム支持枠ガイド
9 ガイドローラ
10 支柱
11 昇降枠
12 第2ロックシリンダ
13 昇降シリンダ
14,20,25,27,29 十字状ビーム
15,17,17a,24,26,37,37a 延長ビーム
18,38 くさび
21,28 旋回ビーム
22 十字保持ビーム
23 ビーム
29a 取付ビーム
30 梁
31 柱

Claims (8)

  1. マストの頂部にクレーンが取付けられ、マスト下端には下部支持装置が設けられ、マストにはマストを昇降させる昇降装置が設けられたクライミングクレーンの使用方法であって、
    前記クライミングクレーンを、
    前記下部支持装置は、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端に着脱可能に設けられた下部支持装置用延長ビームとからなり、前記昇降装置は、内部をマストが貫通し外形が四角で各辺に沿って支持ビームが伸縮しマストにロッドを出し入れしてマストに自身を接続し切り離すビーム支持枠と、このビーム支持枠がマストに沿って上下するよう案内するビーム支持枠ガイドと、このビーム支持枠の上方に設けられマストに沿って昇降しマストにロッドを出し入れしてマストに自身を接続し切り離す昇降枠と、この昇降枠とビーム支持枠間に設けられ両者の間隔を伸縮させる昇降シリンダと、を備えた構成としておき、
    クライミングクレーンにより荷物を吊るときは、前記各支持ビームを伸ばして建屋の梁に押し当てることでクレーンのモーメントによるマストからの水平力を建屋に伝達するとともに、下部支持装置により垂直力とクレーンのモーメントによる水平力を建屋に伝達し、
    クライミングクレーンを上昇させるときは、前記各支持ビームを伸ばし、該延長ビームを建屋の梁の上に載せることで、マストからの鉛直荷重を建屋に伝達する、ことを特徴とするクライミングクレーンの使用方法
  2. マストの頂部にクレーンが取付けられ、マスト下端には下部支持装置が設けられ、マストにはマストを昇降させる昇降装置が設けられたクライミングクレーンの使用方法であって、
    前記クライミングクレーンを、
    前記下部支持装置は、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端に着脱可能に設けられた下部支持装置用延長ビームとからなり、前記昇降装置は、内部をマストが貫通し外形が四角で各辺には垂直に支持ビームが取付けられ、この支持ビームの各先端には、第1延長ビームと、第1延長ビームより長い第2延長ビームとを選択的に着脱できる構造とし、さらにマストにロッドを出し入れしてマストに自身を接続し切り離すビーム支持枠と、このビーム支持枠がマストに沿って上下するよう案内するビーム支持枠ガイドと、このビーム支持枠の上方に設けられマストに沿って昇降しマストにロッドを出し入れしてマストに自身を接続し切り離す昇降枠と、この昇降枠とビーム支持枠間に設けられ両者の間隔を伸縮させる昇降シリンダと、を備えた構成としておき、
    クライミングクレーンにより荷物を吊るときは、前記各支持ビームの先端に第1延長ビームを接続し、各第1延長ビームと建屋の梁との間にくさびを挿入して隙間を無くすことで、クレーンのモーメントによるマストからの水平力を建屋に伝達するとともに、下部支持装置により垂直力とクレーンのモーメントによる水平力を建屋に伝達し、
    クライミングクレーンを上昇させるときは、前記各支持ビームの先端に第2延長ビームを接続し、該第2延長ビームを建屋の梁の上に載せることで、マストからの鉛直荷重を建屋に伝達する、ことを特徴とするクライミングクレーンの使用方法
  3. マストの頂部にクレーンが取付けられ、マスト下端には下部支持装置が設けられ、マストにはマストを昇降させる昇降装置が設けられたクライミングクレーンの使用方法であって、
    前記クライミングクレーンを、
    前記下部支持装置は、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端に着脱可能に設けられた下部支持装置用延長ビームとからなり、前記昇降装置は、内部をマストが貫通し外形が四角で各対角には対角線上に支持ビームが取付けられ、この支持ビームの各先端には延長ビームを着脱できる構造とし、さらにマストにロッドを出し入れしてマストに自身を接続し切り離すビーム支持枠と、このビーム支持枠がマストに沿って上下するよう案内するビーム支持枠ガイドと、このビーム支持枠の上方に設けられマストに沿って昇降しマストにロッドを出し入れしてマストに自身を接続し切り離す昇降枠と、この昇降枠とビーム支持枠間に設けられ両者の間隔を伸縮させる昇降シリンダと、を備えた構成としておき、
    クライミングクレーンにより荷物を吊るときは、前記各支持ビームの先端に延長ビームを接続し、各延長ビームと建屋の柱との間にくさびを挿入して隙間を無くすことで、クレーンのモーメントによるマストからの水平力を建屋に伝達するとともに、下部支持装置により垂直力とクレーンのモーメントによる水平力を建屋に伝達し、
    クライミングクレーンを上昇させるときは、前記各支持ビームの先端から延長ビームを取り外し、建屋の梁間に複数の補助ビームを架け渡し、この補助ビームの上に各支持ビームを載せることで、マストからの鉛直荷重を建屋に伝達する、ことを特徴とするクライミングクレーンの使用方法
  4. 前記下部支持装置に代えて、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端にヒンジで結合された旋回ビームと、隣接する旋回ビームをピン接合し十字形状を保持する十字保持ビームと、を備える下部支持装置を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のクライミングクレーンンの使用方法
  5. 前記下部支持装置に代えて、マストに取付けられた平行に配置された2本のビームと、このビームの各先端より伸縮自在に突出する延長ビームと、を備える下部支持装置を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに2記載のクライミングクレーンンの使用方法
  6. 前記下部支持装置に代えて、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端より伸縮自在に突出する延長ビームと、を備える下部支持装置を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のクライミングクレーンンの使用方法
  7. 前記下部支持装置に代えて、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端に設けられ一端をピンで旋回可能に取付けられた2本の旋回ビームと、を備える下部支持装置を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のクライミングクレーンンの使用方法
  8. 前記下部支持装置に代えて、マストに取付けられた十字状ビームと、このビームの各先端に配置され先端部のビームとほぼ直交し着脱可能に設けられた取付ビームと、を備える下部支持装置を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のクライミングクレーンンの使用方法
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